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2020年1月 6日 (月)

イスラム革命防衛隊司令官が空爆で死亡

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少しは正月くらい静かに送れないかと思いますが、ゴーンは逃げるし、IR汚職が発覚し、おまけに米国がイランのテロリストの親玉を空爆で殺害してしまいました。
死亡したのはラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官です。Img_1de8a6e49a18e8e93b21ad7a622ba1ce1632

空爆されたソレイマニが乗った車両 AFPhttps://www.afpbb.com/articles/-/3262018?pid=21984218

「【ドバイ】イラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のカセム・ソレイマニ司令官が米軍の空爆で死亡した。イランはこの10年、ソレイマニ氏の指揮により中東での勢力拡大に成功したが、今回の事件はそれを中東の市民が脅かしつつあるタイミングで起こった」(ウォールストリートジャーナル2020年1月4日)
https://jp.wsj.com/articles/SB11303255049055914463404586118503243037610

「米国防総省は今回の作戦がドナルド・トランプ大統領の命令によって実施されたことを明言する一方で、作戦の詳細な内容は明らかにしていない。
 空爆は、バグダッドの国際空港に通じる路上にいた車両2台に対して行われ、ソレイマニ司令官はこの車両のうちの1台に乗っていた (AFP1月4日)

使ったのが無人機であるか、ヘリであるのかは不明です。
いままで米国は一貫して正確を期するためにアルカイーダのウサマ・ビンラディンやISのバグダディには特殊部隊を投入してきましたが、今回は空爆という手段を使いました。
これは作戦の実施に緊急性があり、特殊部隊の準備が整わず、監視活動をしていた無人機が攻撃した可能性もあります。

「米国はここ数か月間にわたってソレイマニ司令官の動向を注視してきており、より早期の作戦実施も可能だったはずだ。 米国防総省は、同司令官が「イラクと地域各地にいる米外交官・軍人を狙った攻撃を積極的に画策していた」と説明している。 
マーク・エスパー米国防長官はこれに先立つ2日、米国は攻撃計画の情報があった場合「先制行動」も辞さないと警告。イラク北部キルクークで先週発生した軍事基地に対するロケット弾攻撃で米国人民間業者が死亡したことにより、「情勢が一変した」と述べていた。ロケット弾攻撃は親イラン派勢力が実施したとされている」(AFP前掲)

典型的な斬首作戦ですが、いずれにせよ米国が排除を決めた対象に対して恐るべき精度で追跡し、ピンポイントで抹殺可能なことがわかりました。
この作戦のヒューミントはモサドが提供したとおもわれますが、詳細は明らかにされないでしょう。
おそらく北朝鮮に対しても同様の作戦をスタンバイしているはずで、正恩は影武者を増やさんといかんなと冷や汗をかいたはずです。

また今回ソレイマニが死んだのはこのバグダッド空港そばのイラク領土内で、おそらく現地のヒズボラを指導している時に殺されたと見られています。
今回のソレイマニ殺害事件で一部の日本メディアは「米国の主権侵害だ」というニュアンスで報じていますが、米国はイラクと協定によって駐屯しており、イラン領内での攻撃ではありません。
今回の作戦はおそらくソレイマニがイランに戻る寸前に実施したもので、戻られるとイラン領内への空爆と見なされます。
米国はそのへんまで考えてギリギリの線を狙ってきています。

これで第5次中東戦争となるゾ、と騒ぐ人たちでいますが、なるわけはありません。
ひとつは中東各国が冷静なことです。
中東各国はむしろせいせいしたというのが本音のはずで、時事は「米非難相次ぐ」と報じていますが、こんなメンツです。

「米軍の空爆でイラン革命防衛隊コッズ部隊ソレイマニ司令官らが殺害されたことを受け、関係各国・組織から3日、米国を非難する声が相次いだ。 
 国営シリア・アラブ通信(SANA)によると、シリア外務省筋は、「裏切りの攻撃」と糾弾し、イラク、イラン両国への連帯を表明。ロイター通信によれば、イランが支援するレバノンのシーア派組織ヒズボラやパレスチナのイスラム組織ハマスも「大罪」などと反発し、ソレイマニ司令官の遺志を継いで戦い続ける意向を示した」(時事1月3日)

シリア・アサド政権の軍事的スポンサーはこのイラン・コッズ部隊です。
アサドはイランとロシアの手を借りて自国民の大量殺戮をしてきました。
レバノンのシーア派やパレスチナのハマスにいたっては、コッズ部隊から弾丸からミサイルにいたるまで丸抱えで支援を受けているいわば「手下」です。 

また米国もそのような大規模戦争を起こす気はありません。
米国が戦争をする気なのか否かを計る目安は、陸上部隊を投入するかどうかです。
空爆だけでは決着がつかないからです。

米軍は先日中東に3千人増派しましたが、本気で米国が戦争を構えているならこんな規模の兵力集中では済まないからです。
井上孝司氏は米国が湾岸戦争やイラク戦争時の予備役動員数のグラフをアップしています。

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https://twitter.com/kojiinet

いずれも20万人規模で、3千の増派などはただのテロに対応しての警備強化にすぎません。
また中東における戦争には最低で空母打撃群を3個集中しますが、いずれの空母にもその動きはありません。

さて日本のメディアはカセム・ソレイマニをただ「司令官」と肩書をつけて報じているので誤解するむきもあるかも知れませんが、彼は「コッズ部隊」(ゴドス)と呼ばれる革命防衛隊の海外作戦司令官であって、イラン正規軍の司令官ではありません。

コッズ部隊はイランが「イスラム革命の輸出」をするために、革命防衛隊の出先として作ったものです。
この最高指揮官兼政治指導者がソレイマニでした。
革命はイデオロギーが国境を超越すると教えていますから、イランにとって国境はあってなきが如しのものでした。
イランは取り巻くすべての中東諸国に介入し、時には現地のシーア派武装組織を使って現地政府を攻撃してきました。

「レバノン、イラク、シリアと場所を問わず、攻撃を計画したり現地の親イラン派を後押ししたりして、イランの影響力拡大を推進した。その中心に長年いた立役者こそ、ソレイマニだった」(CNN1月4日)

WSJによれば、イランがこの間行った中東での動きはこのようなものです。

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https://toyokeizai.net/articles/-/323012

もっともイランが力を入れているのは、かつてイラ・イラ戦争を戦ったことのあるイラクとシリアでした。
イラクでは親イラン武装勢力の「神の党旅団」(カタイブ・ヒズボラ)が昨年12月31日にバグダッドの米国大使館を襲撃放火事件を起こしています。
この米大使館襲撃事件は、一説によればイランがかつてのイラン大使館占拠事件の二番煎じを狙っていたと言われています。
その真偽は定かではありませんが、トランプはイランの報復宣言に対して「52箇所報復できる」と言っており、この52とはイラン大使館で444日におよぶ虜囚生活をよぎなくされた大使館員の数です。(※大使館員の数が53名という説もあります。)
これが今回の殺害事件の直接のひきがねとなりました。

シリアにおいて史上まれに見る悪逆な政権であるアサド政権を助けて、自らも市民虐殺に手をかしてきました。

「シリアではコッズ部隊とレバノン、イラク、アフガニスタンなどから集まったシーア派武装勢力の支援により、内戦が9年近く続く中でもバシャール・アル・アサド大統領がまだ権力の座を維持している。だがここでもやはり支配力を強めようとするイランの取り組みは、イスラエルの空爆、さらにはロシアとトルコによる新たな調停の動きによって揺らぎつつある。
その一方でイランに「最大限の圧力」を加えるとする米国の制裁により、コッズ部隊が中東で協力先に提供できる資金は枯渇し、イラン国内での社会不安にもつながっている」(WSJ前掲)。

革命防衛隊は自国民にも容赦なく、去年起きたイラン国内の反政府デモの武力鎮圧を命じたのもソレイマニです。
いまイラン国内は報復一色のような報じられ方をしていますが、そんなに一枚岩ではなさそうです。

ちなみにゴーンが逃げた先のレバノンは、親イラン政権でヒズボラが実効支配していると言われており、昨年12月から反政府抗議行動が激化し、内戦の可能性もあるようです。
ゴーンはガチガチの親イラン派が支配する国に逃げてしまったわけで、おそらくイスラエル渡航が厳しく追及されるはずです。
まったくとんでもない国に逃げたものです(笑)。



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コメント

WSJが珍しいくらい親トランプというか中庸な記事を書いてますね。

日本のメディアは共同通信は「イラ・イラ戦争を経験したお婆さんが、戦争はコリゴリだ!」なんてそれこそイランは戦争反対の優しい国で・・・だからアメリカが悪いってなテンプレ記事を出してますけど。

NHKは反戦・報復派双方に街頭インタビューしたりイラン国内での追悼を流していますな。こういう時こそ国営放送は中庸に徹するべきで、良いことです。
あと、ちゃんと現場になったイラク議会でアメリカ軍撤兵の決議をしたことも、米政権内部でも作戦に疑問を抱く者がいるというのをポンペイオが会見で否定したことも伝えてます。

現場になったイラクはただでも政権が危ういのに、自国内でまたドンパチやられたらたまったもんじゃないです。

で、原油が値上げされて得をするのは・・・アラビア産油国だけではなく米露なので、いきなりシリアから撤退したのにその辺を狙って加減した攻撃なんじゃないか?などと穿った見方をしてしまいます。

さて、イランとも友好的な我が国はどうするのやら。たぶん「呼び掛け」程度しか出来ないでしょうね。独自に派兵できる軍を持たない国なんて、そんなもんです。。

狂の記事でちょっと疑問に思ったのは、革命防衛隊って正規軍ではないのか?という点です。教えていただけるとありがたいです。

ゆんさん。

革命防衛隊は正規軍では無いというか、それより上の存在です。
イランはあの40年前の革命以降複雑ですからねえ。
本来の政府指揮下の「イラン軍」は、アメリカ傀儡だったシャー・パーレビ時代からの流れを受け継いでいますが、それをイスラム指導者(当時はホメイニ師)に従う革命で組織されたのが革命防衛隊なので上位になり情報戦や特殊部隊などもそちらになります。

どうも日本の報道には、事実関関係を欠いた不公正な印象操作的なものが多いですね。本記事のような「わかる記事」は少ないです。

たとえば、昨年のイラン国内の米軍基地への攻撃とか、年末には米国大使館が攻撃を受けている事などを前提に伝えるところが少なかったと思います。どうでもいい中共報道官の「米国は自制すべき」とかいうのは、けっこうな頻度で見かけましたが。

ソレイマニは国民にイランの英雄のように言われてますが、それはISISと戦ったからで、そのご褒美としてオバマがイラクと「核合意」なんぞやらかしてしまいました。革命防衛隊はISISとの闘いのコネクションから目的を変えて、中東での反自由主義的な反米諸国への軍事援助をして影響力を増していました。
ですので、今回のトランプさんの判断はやむを得ない部分が大きいと思います。

トランプさんに戦争などする気はなく、イランの体制変換にも興味がないとしています。イランだって国内景気は最悪で、国民生活はそうとう欧米化した社会に既になっています。 ここで原理主義的な旗印のもとに、退化を容認するがごとき戦争を認める空気はないようです。

そこで、ウラン濃縮度を上げるとしているようですが、それではますます欧州からの批判は免れませんし、安倍さんもさんざん「核合意を守れ」という事を言ってます。

「精鋭部隊」の「英雄」を殺害したトランプ大統領は戦争を望む悪魔!
という論調の日本メディアの報道がきれいさっぱりガン無視する、スレイマニ除去を喜ぶイラン人や中東メディアの存在。
どんな人かよく知っているわけじゃないから調べると、私でも探せる情報なんだけどなぁ。
「イランの英雄」はイラン政府の手羽先として、意に沿わない住民の弾圧と虐殺に関与するテロリストでもあり、テロ組織の支援者という理由で、国連安保理決議の渡航禁止制裁対象者でもある。
小説「悪魔の詩」の日本語訳者、筑波大学の五十嵐一助教授(当時)がキャンパス内で刺殺された事件(未解決・公訴時効成立)へのイラン革命防衛隊コッズ部隊の関与が、CIAの元職員から示唆されたこともある。
いろいろ足りてないメディア。

東京外語大学 松永泰行教授のコメントを引用した飯山陽氏のツイート
https://twitter.com/IiyamaAkari/status/1213618664986931200

望月イソコ記者のコメントを引用した同じく飯山陽氏のツイート
https://twitter.com/IiyamaAkari/status/1213808123179220992

飯山陽氏の引用2本立てで恐縮ですが、氏に付きまとって黙らせようとする人たちがあると、つい飯山氏を応援したくなる。

米軍が駐留国「イラク」の主権を侵害して、
「イラクの空港」でイランのナンバー2を空爆して殺害したことを良しとするなら
元米軍関係者が「日本」の主権を侵害して、ゴーン逃亡を請け負ったり、
今後米軍が駐留国「日本」の主権を侵害して、
日本に招待されて来た「北」のナンバー1や「イラン」のナンバー1を「日本の空港」で空爆して殺害しても文句は言えないと思います。

 保守(戦後の)さん

 そいいうふうに、雑に二つを例示してみたところで何の意味もありません。
ポンペイオ長官は今回の件を「完全に合法」としています。
これは国際法上の対抗措置であった事を言っているのだと思います。

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