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2020年1月17日 (金)

防疫の指揮権を為政者から取り上げねばならない


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あいかわらず腰が重いことで、なにデニー知事のことです。
一見接種を開始する決断をしたのかと勘違いしますが、その検討に着手したていどのことです。

「玉城デニー沖縄県知事は、16日、県庁で定例記者会見を開き、豚コレラ(CSF)のワクチン接種プログラムの策定を長嶺豊県農林水産部長に指示したことを明かした。接種を決めたわけではなく、接種する場合の迅速対応が目的。
週明けに開催する国や市町村、有識者、生産者団体などでつくる県CSF防疫対策関係者会議で議論し、接種を判断するという」(沖タイ1月16日)

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週明けにまた会議して決めるんだそうで、こうやっているうちにも貴重な初動の時間は大幅に超過しています。
会議がそんなに重要ですしょうか。
今、大火災が燃え広がろうとしているのに、火の前であーでもないこーでもないと鳩首協議しているのがこのヒトたちです。
ウチナータイムは飲み会だけにしてくれと言いたくなります。

必要なことは速度であって、議論ではありません。
現時点でできているのは、とりあえず第3例までの殺処分が終わったということにすぎません。
初発の発生は12月20日、既に27日間も経過しています。既に1カ月弱ですから、致命的な遅れです。
既に充分遅れているのに、来週また会議をして決めるさーですか、開いた口がふさがりません。

とりあえず今は治まっているようにみえますが、それはただの見せかけです。
豚コレラはその急激な死亡個体によって判断できますが、死亡数が急増しても実に17日間も農家は通報を怠っていたわけで、この間この農家がどこに何を移動したのか、その動線を徹底的に遡及調査せねばなりません。

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たぶんこの農場には豚コレラウィルスが蔓延していたはずで、これを無自覚に持ち歩いてバラ撒いていたのですから、かんべんしてくれと言いたくなります。
それも去年12月20日に死亡豚急増を確認といいますから、おそらくそれ以前から患畜は潜在していたと思われます。
豚コレラの死亡するまでの潜伏期間は10~20日ていどだと言われていますから、死亡豚が出た12月20日から遡って、12月初旬からその農家がどこに行ったのか、何を履いてでかけたのか、誰とどこで会ったのかなどを、家族まで含めて徹底的に洗い出さねばなりません。
仕事関係だけではなく、交遊関係まで含めてです。

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農研機構 http://www.naro.affrc.go.jp/laboratory/niah/swine_fever/explanation/classical_swine_fever/019953.html

気の毒ですが、この発生農家にはプライバシーはありません。発生農家はウィルスキャリヤーだからです。
洗いざらい申告してもらい、行った先々を特定し、できれば行った先々に消毒用石灰を撒きたいくらいです。
宮崎口蹄疫やトリインフルエンザなどにおいては、養豚場で使う長靴を履いてでかけた食堂にウィルスが持ち込まれ、そこをハブにして次の感染農場が生まれ、そこからまた発生が出るという連鎖発生をしました。
ですから、第4例が移動制限区域内から出たというのは、初回の発生動向調査が杜撰であったか、さもなくばたまたま検査した日が潜伏期間だったからにすぎません。

したがって、今もなお多くの潜伏期間の個体が潜在していると見ねばなりません。
つまり、今沖縄は豚コレラという火薬庫の上で、ともかく最初の種火は消したという段階にすぎないのです。
まだこの火薬庫には導火線に火がついている爆弾がどれだけ眠っているのかさえ、まるで分かっていないわけです。
だからこそ、今この火薬庫にワクチンという水を入れて発火しないようにする、これしか方法はありません。

ところで私は、家伝法(家畜伝染予防法)が宮崎口蹄疫の後に改訂された時に、重大な箇所を修正していなかったと思っています。
それがこの条項です。
http://www.mmjp.or.jp/yokojyuu/low/low/low_019.html#id_17

第17条の3

   農林水産大臣は、指定地域及び指定家畜の指定をしようとするときは、当該指定地域を管轄する都道府県知事の意見を聴かなければならない。

この条項を楯にして、自治体知事はまるで自分が最終決定権者であるかのようにふるまっています。
移設問題において県は公水面の認可の裁量権限で自分にあるかのようにふるまってきましたが、実はただの環境アセスメントをする権限ていどのものでした。
それを手を変え品を変え、何度となく裁判までして国と対決してきた悪い癖が、沖縄県はまだ抜けていないようです。

この豚コレラの防疫について第17条の3は「自治体の意見を聴くていどはしていいよ」と書いてあるだけで、県知事が最終決定をしろとは書いてないのです。
今回も江藤大臣が8日の時点でワクチン接種を提言したのに、それから既に9日間も経過して、そこから更に「来週に皆んな話あって決めるするさぁ」ですから、なんともかともです。
デニーさん、あんたにはいい悪いを決める権限なんかないのです。ただどうですか、と国から聞かれているだけなんですから。

防疫は原発事故の処理と一緒で政治家にやらせてはいけません。
原子力事故においては、当時の原子力安全委員会と政府・官邸の職務権限が明確になっておらず、首相だった男のあまりの無知な指揮ぶりが収束を遅らせました。
その反省から政府から独立した権限を持つ3条委員会として原子力規制委員会が生まれたのです。

同じような性質のものを防疫にも設けるべきです。
政府・官邸や農水省安全局からも、そしていうまでもなく地方自治体からも独立しした全国防疫対策センターのような機関です。
防疫に精通した獣医師専門家が一貫して指揮をとり、政治家はその責任をとればいいのです。

かんがえても見てください。デニーさんが豚コレラのなにを知っているのでしょうか?防疫について関心があって学んできたとでも?
この防疫を知るには畜産を知り、家畜防疫学を学ばねばなりませんし、ケーススタディとして宮崎口蹄疫事件くらいは頭に入っていなければ話になりません。

もちろんデニーさんは知らなくていいのです。
問題は知る知らないではなく、知らないことを前提として専門家の指示に従うこと、そしてその結果責任を行政官トップとして取る覚悟だけです。

だからこういう過度に「民主的」なご意見拝聴条項などは削除しないと、「聴いた」地方自治体の素人たちがする学級委員会が済むのを待たねばならなくなります。
今回は幸いに速やかに自衛隊の災害派遣要請が出ましたが、これがもっとヒダリの知事なら「私が知事の間は、軍靴の音を響かせない」なんて言っていたかもしれません。
その場合、今頃まだ延々と県の事務職員たちが泣きながら殺処分をやって、そこかがまた感染ハブになるという悪循環が生まれていたことでしょう。

ですから、緊急時には決められたマニュアルどおり国が責任をもって防疫にあたり、その遂行にあたっては一切の政治家の恣意は許さない仕組みがいるのです。

無能な為政者は天災よりひどい。


 

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コメント

今度からデニ・ジェインかタマ・ジェインとでも呼んでさしあげようかと。

友人の養豚農家は戦々恐々としていますよ。
石垣で起きたら、ほぼ間違いなく猪によって拡散されます。
そして他の離島にも広がり、確実に対岸の西表島まで拡大するでしょう。養豚業は時間とお金をかければ再生可能ですが、「西表島のイノシシ」は再生不可能です。西表では伝統的にイノシシを食べます。チャンプルーや猪汁はもちろん、なんと「刺身」でも食べます。

嘘か真か分かりませんが、西表のリュウキュウイノシシは、豚との自然交配が無く、DNA的にも「リュウキュウイノシシの原種」だと言われています。(石垣産イノシシは自己責任、西表イノシシは大丈夫、なんて言う人もいます)
豚コレラが流入してきたら、間違いなくイノシシは「駆除対象」でしょう。そうなると、貴重な「イノシシ食文化」をも失いかねません。
余談ですが、先日西表の知人から冷凍肉いただきました。日曜の飲み会で「美味しくいただく」予定です。

昨日のコメントで宮崎人さんがデニー知事がワクチン接種に躊躇する理由を解読しておられましたが、それでもやはり一刻も早いワクチン接種が必要な事に間違いないでしょう。

豚コレラは「コレラ」と罪な命名がされているけれど、人間のコレラとは科学的には関係のない別の病気です。
人の人体に入ってもウィルスは死滅するし、感染した豚の肉を人間が食べても感染しません。

つまり、ほとんど豚や家畜が死ぬだけの問題なので、そうさせない為に非拡散を最大限に重視した早期ワクチン接種が最重要なのだという事。その上で、ワクチン接種したからと言って、農家には致命的なアフリカ豚コレラなどに油断しないよう指導を徹底する事が県の義務です。

話はかわりますが、先日の沖縄タイムス一面では、殺処分の状況と知事の決断がなされない記事の下に、殺処分の場合の国の補償措置についての解説が載っていました。

なんとも沖縄らしいというか、さすが県民に寄り添うタイムスとでも言うか、上掲記事と合わせて読めば、殺処分しても全額時価の補償が国から出るので、それほど問題ではないというように見れなくもない印象になっています。

けれど、農業者ってのは、記者や左派政治家ほど馬鹿ではありません。育てた家畜に情もあるのだし、ワクチン接種して多少の値が下がる事を容認する選択をするのですね。
殺処分して全額を得て、自己の労働力の否定のような事はできないし、農業者こそ宮崎県の教訓に学んでいると思います。

だいいち、金目で図った殺処分ばかりでは、沖縄県の養豚業自体が死滅してしまいます。
今はとにかく早くワクチン接種を始めること、これこそが風評を最小限にとどめる道です。


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