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2020年2月

2020年2月20日 (木)

岩田教授のわかりきった正論の虚しさ

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昨日のコメント欄でも話題になっていましたが、神戸大学医学研究科感染症内科の岩田健太郎教授がいろいろと発信しているようで、メディアも鬼の首でもとったようにもてはやしているようです。
岩田氏の主張はユーチューブだけではなく、書き起こしも存在します。
https://www.youtube.com/watch?v=NksCM2Kiwfw

岩田氏の主張の要点はこのようなものです。

①船内は清浄区域と汚染区域のゾーニングができていない。
②そのために感染者の通行する通路が別に作られていない。
③そのために医務室に感染者が通う廊下が、非感染者と共用されている。
④船内の検疫官や医師の装備にバラつきがあり、一部にはひどい装備があった。
⑤自分も感染した可能性があるので、自己隔離している。
⑥厚生労働省の責任者から1日で下船しろと命令され強制排除された。

言っていること自体は特に驚く内容ではありません。私もそうだろうなと考えていました。
ただこの岩田氏の言説を一から十まで丸呑みしていいのかといえば、はてねと思います。
ひとことでいえば、無茶いうなよ、現実を見ろよということてす。

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 BBC  https://www.bbc.com/news/health-51526875

岩田氏の考え方は、指定伝染病の管理基準をそのままこの船に適用して、それからはみ出す部分を容赦なく切り捨てているだけのことです。
いわば絶対的正義の高見から現実の惨状を斬リまくっていますから、さぞかし気分はいいでしょうが、ご高説が可能かどうかはまた別次元のことです。
ですから、ご意見としてはごもっともだが、現実にできるかとなると別問題となります。

たとえば①の感染区域と非感染区域のゾーニングは現実問題として可能でしょうか。
船内では、PCR検査が時間がかかるために遅々として進まず、感染者が毎日二桁のテンポで増えている状況でした。
このような中で、船内には今は非感染者と思っていても明日には感染者の仲間入りをする乗客も数千人規模で大量に存在したわけです。
となると、潜在的感染者をどう分別したらいいのでしょうか?
そしてどうやって潜伏期の人を見つけ出して、感染区域に送ればよいのでしょうか。

岩田氏の言うことはすべて指定感染症による法的な隔離病棟の管理を指しています。
そのような隔離病棟を持つ病院はひとつの県にひとつふたつしかありませんが、その管理基準を豪華客船の現状にあてはめても無意味です。
あたりまえですがクルーズ船は隔離船として作られたわけではないのですから、そのような専用施設もなければ、そもそも隔離の発想そのものがないわけです。

だからと言って批判される筋合いではありません。
香港におけるSARS発生時にビルのエレベーターが感染ハブになったことがありましたが、だからといってエレベーターは感染者と非感染者が共用している、感染者用隔離施設がないのはおかしい、感染者用の専用エレベーターを作れというようなものです。
どこの国のクルーズ゙船に感染症専用施設があるでしょうか。世の中にないものを言われてもね、ということです。
今後の課題としては、このような閉鎖的環境において感染が爆発的な拡大をすることが分かったのですから、以後船内における感染症対策を国際的にすり合わせて立てねばなりませんが、分かったのがなんせ今回ですから、いかんともし難いではありませんか。

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たとえば岩田氏があげている廊下ひとつにしても、医務室への廊下はおそらく一本だと思われますから、感染者だけのために廊下を使わせてしまえば、非感染者は医務室へ行けなくなります。
非感染者に区分されている人が、熱が37.5度以上3日間続く、喉が痛い、だるいなどという症状が出ても、医務室にすら行けなくなります。
この船のように、感染が右肩上りに増えた場合、感染者と潜伏期の人の分別は不可能です。
ですから岩田氏のいう専用の隔離施設がない、通路も共用だというのは、確かにそのとおりですが、現実的ではありません。

そもそも3千人もの大量の乗員・乗客が乗っている船内での感染事例など、たぶん歴史的に初めてなはずです。
ですから引き受けてしまった日本政府もまったくの手探りでやっているはずで、その限定された知見でなんとかがんばっているのです。
現役医師のプーさんはこう感想を言われていました。

「岩田教授の批判は、自分にとってはマイナス100点です。その論が正しいほどに人々を深く傷つけるからです。
知識、経験、リソース、政治など少しも思い通りにいかない中で必死で頑張った人たちに対してこのように批判するならば、もう2度と呼んで貰えません。左側からはウェルカムとなるわけですが」

深く同意します。
この岩田氏の精神構造がヒダリ方向の人に似てしまうのは、現状に対しての批判だけしかなく、「どうして」という自問も、「どうやって」という対案も欠落しているからです。
言うだけならなんでも言えます。

ただし、そう考えていてもこの時期にいうことの重みをすこしでも考えるべきでした。
いま日本全国の医療関係者が恐れているのは、パニックです。
ここういうことを言うことで、現場で戦っている医療関係者の足を引っ張るのだけは止めたほうがいい。

厚労省とてこういういわゆる「正論」を、関係者でもない人に言われれば、「部外者が聞いたふうなことを言うな、そもそもここは外国船だ。あんたのいうことなんか分かりきっている。こっちは死ぬほど忙しいンだ。あなたは許可なく立ち入っているだろう、さっさと出ていってくれないか」となって当然です。
朝のNHKでも岩田氏のユーチューブを流していましたが,船内で医療従事してる関係者の「この条件で、感染よりもまず医者として命を守ろうと戦ってるんだ!」という怒りの電話音声も流していまた。
こんな岩田氏が船内からつまみだされて当然ですが、さればされたで「排除された」と、まるで真実の声が圧殺されるぅとばかりにユーチューブにリベンジ投稿しちゃうんですがね、この人は。

なにより岩田氏の、「シェラレオーネのほうがよほどまし」といったような言い方に、私は深い嫌悪感すら感じます。
医師ならば、国民が不安に思っているこの時期にこんなことを言う意味があるのかどうか、胸に手を当てて考えてみることです。
医薬品も食糧すらない外国の医療支援に頼りきりというシェラレオーネと、わが国を較べること自体ブッ飛んでいます。
ここまで言うとなると、この人は専門家としての倫理を超えたただの煽り屋に見えてしまいます。

こういう時期には、正義の味方ヅラしたスットコドッコイが登場するものですから、皆様ご用心下さい。

 

2020年2月19日 (水)

ダイヤモンド・プリンセス受け入れの失敗は、国民から受け入れ態勢を奪ったことです


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私はダイヤモンドプリンセスの受け入れは、つくづくつくづくバカなことをしたもんだと思っています。
いろいろな意味で愚かでした。

本来責任を持つべき「旗国」の英国がだんまりを決め込んでいたり、運営責任があるはずのクルーズ船の監督国であるはずの米国が、まるで被害者のような顔をして自国民だけを「脱出」させたことは、とりあえず置きます。
いかにもアングロサクソンらしい嫌ったらしいプラグマティズムぶりと、責任のありどころを報じないで「日本は第2の震源地になってしまったぁ。政府の責任だぁ」とわめく日本メディアにも腹が立ちますが、とりあえずは無視します。

それにしても今日、下船が始まったようで、なんなんだったんですかね、あの米国の「脱出」劇は。
脱出したのはいいですが、米CDCは経過観察のための隔離を別途やるはずですから、かえって帰宅が遅れるんじゃないでしょうかね。

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それはさておき、なによりも問題とされるべきは、国民の為にあるはずの感染者の受け入れ体制が、本来受け入れる必要がなかったクルーズ船客にそれを大きく占有されてしまう可能性が出たことです。
厚労省は200件くらい調べればよいと思っていたようですか、とんでもないことに結局3千人全員の検査が必要となりそうです。

「PCR検査については、2月5日の対策本部での私からの指示に基づき、感染症研究所や地方衛生研究所といった公的の検査機関のみならず、民間の検査機関でも検査できるよう、その体制整備に努めてきました。
 その結果、現状では1日最大300件程度の検査能力であるところ、クルーズ船の乗客について、最大潜伏期間が経過する2月18日までには、1日1,000件を超える検査能力を確保できる予定です」(首相官邸 2月12日 新型コロナウイルス感染症対策本部第7回)
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202002/12corona.html

やっと18日から一日千件をPCR検査出来るようになったわけで、現況では一桁少ない数しか検査できません。
それも首相が指示しているように、国立感染症研究所と地方衛生研究所だけがしていたPCR検査を民間の検査機関でも出来るようにしようと窓口を拡大してもこの程度です。
その狭い検査枠に、なんと3千人ものダイヤモンドプリンセスがどっこいしょとばかり割り込むのですからシャレになりません。

その上にややっこしいことに、PCR検査は絶対ではないのです。
一回陰性判定がでても、もう一回後日検査すると陽性に転化したケースを聞かれたと思います。

「問題は、陽性が出ても真陽性と偽陽性の区別がつかないことだ。陰性の場合も同様に、真陰性と偽陰性の区別がつかない。どんな検査にもこの限界はつきまとう。(略)このように、検査では病気の「有無」は分からず、あくまでも病気の「有無の可能性」が分かるだけだ」
(鎌江伊三夫 『新型コロナウイルス感染症との闘い ー 知っておくべき検査の能力と限界』)
https://www.canon-igs.org/column/macroeconomics/20200212_6236.html

ダイヤモンドプリンセスのような大量の検査をおこなった場合、「全員検査を行えば、2人に濡れ衣を着せ、49人から82人ほどの感染者を見落とすことになる」(前掲)のです。
となると、擬陰性や見逃しを一定数初めから考慮して対策をたてねばならなくなります。

「一方、本当は感染しているのに見落とされる人が50人やそれ以上のレベルで発生すれば、これも公衆衛生上は困ったことになる。各人の生活圏内にウイルスの拡散を許す結果になりかねないので、陰性結果を得て無事に帰宅できた人にも、注意深い経過観察をお願いしなければならないし、衛生当局も何らかのモニターを続けなければならないことになる」(前掲)

厚労省のHPによる現況はこのようになっています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09605.html

●国内事例(2月18日現在)
PCR検査実施人数・・・523
PCR検査陽性者・・・53
無症状者・・・ 9
有症状者・・・ 44
退院・・・ 12
入院中・・・ 31
死者・・・ 1

このPCR検査をした523人のうち53人が陽性だということは470人は陰性だったわけですが、これも後に陽性転化するかどうか経過観察をせねばならなくなります。
しかも陽性感染者は速やかに隔離病棟に入れねばなりません。

ところが指定感染症を隔離できるベッドは、現況では各県にひとつかふたつていどしかありません。

まったくこれでは不足のために病院は苦慮しています。そもは指定感染症にしたために(しないと感染者を隔離する法的根拠がないからですが)、対応のハードルが一気に上がりました。

「中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が28日、感染症法の「指定感染症」への指定が決まった。患者の強制入院などの感染拡大防止策が現実化し、患者を受け入れる可能性が高い各地の病院は態勢作りを急いでいる。
今村顕史・感染症科部長は「(新型肺炎の)患者が入院できる特別な個室は数が限られているので、患者が増えてきた場合は病棟1つを専用の施設にすることも視野に入れている」と話す。「日ごろから訓練してきた対応の範囲なので、落ち着いて臨みたい」と冷静に話した」(日経1月28日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54927050Y0A120C2CE0000/

なかなか隔離病棟がふえないのには理由があります。
感染者を受け入れる病院の態勢はすこぶる大変なのです。
単に感染者用ベッドを別に作ればいいだけとおもったら大間違いです。

受け入れにあたり、感染が広がらないように対策もします。受け入れた感染者の居住エリアや動線は制限されます。
 エレベーターの稼働は一基のみで、停止する階も固定され、外出は一切できなくされます。
さらに、専従の医療の担当者や職員が対応し、感染者との接触の際は防護服を着るなどの体制をとるということです」(メーテレ2月18日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200218-00010001-nbnv-l23&p=2

そもそもこの隔離施設を持つ病院に搬送することからして特別態勢です。

「もし、感染者が発症した場合は、愛知県内の感染症指定医療機関搬送させるということです」(前掲)

つまり、なにからなにまでが別誂えで、厳重に「隔離」されて別体系で運用されねばならないのです
おお、めんどくさぁ。
検査をするのも日本の検査機関、そしてその後の経過観察をするはめになったのも日本の衛生機関、そして陽性になろうものならそれを移送して、隔離治療するのも日本の医療機関です。
外国人であろうとなかろうと、なにからなにまで日本が責任をもってエイドし、かつ「汚染国」として感謝もされないのですからやっていられません。

日本国内の居住者(あえて国籍を問いませんが)は、18日現在で615人ですが、そのうち542人はクルーズ船ですから、なんのことはない9割弱はダイヤモンドプリンセスの乗員・乗客が占めているのです。

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朝日https://www.asahi.com/articles/ASN2L3QJMN2LUEHF002

上の朝日の記事貼付のグラフを見ると、クルーズ船感染者も国内感染に計上していますね。さすがは、朝日、やっぱり朝日。ホントこの新聞、日本がキライなんだなぁ(棒)。

そして米国に見られるように外国は平気で感染者を残してわが国に押しつけていきますから、この「遺棄」 された外国人感染者の今後の隔離・治療は日本がすることになります。
その分、限りある隔離病床が埋まることを意味します。

人道的救援とは自国民を差し置いてされるべきではありません。それでは本末転倒だろう、って。 

 

 

2020年2月18日 (火)

今必要なことは教訓を汲み取ることです

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なんか今や禍々しい名称になってしまって気の毒なダイヤモンド・プリンセスから、米国人がチャーター機で「脱出」したそうです。
やれやれナニを騒いでいるのか。
どのみちあと数日待てば、下船できたのでしょうに、米国に帰っても自宅にはすぐに戻れずに、ガッチリCDCの管理する軍事施設などの隔離収容所送りですよ。
ならば一定の自由が認められた豪華客船のほうが、メシもいいとおもいますが、ま、余計なお世話か。

米国人客が「まるで隔離されているみたいだ。耐えられない」なんてテレビに訴えていましたが、なにを言っているのか。そのものズバリ、あなたは隔離されているのです。
ダイヤモンド・プリンセスは、そう言うと不要なプレッシャーをかけてしまうから日本人らしく言挙げしないだけでのことで、間違いなく「隔離船」なのです
これが中国だったら武装警察が銃持って包囲して、脱走しようもんなら撃たれますって。

ただし感染が確認された40人は日本に残るそうですが、おいこら、そんなに自国民の安全が至上命題なら感染者も連れて帰ってくれよ。
日本の感染者数が増えるだろうが。
そもそもこんなまねをしたらまるで、日本がかつての福島事故直後のような「滞在していることすら危険な国」という眼で見られることに加担するでしょうに。

日本の対外的信用を潰してまで「脱出」させた以上、そんなに信頼できないわが国の医療などあてにしていただきたくないものです。
全員引き取って下さい。
ああ、いかん、だんだんセコクなりますが、ほんとうは国別感染者数なんてどーでもいいことのはずですが、ここまで「汚染国」呼ばわりされて、中国に次ぐ感染の発信地呼ばわりされたらたまったものじゃありませんからね。
親善航海中の海自練習艦隊まで入国禁止されるにおよんでは、いい加減にしろという気分にさせられます。

16日、米CBSテレビに出演したNIHのアンソニー・ファウチ国立アレルギー・感染症研究所長は「約40人が感染した。彼らはどこにも行かない。日本の病院に入院する。症状のある人は、退避する飛行機に乗れない」と話した。
 退避機で帰国した米国人は米軍基地内でまた14日間の検疫措置を受ける。「船内の感染力を見ると、ホットスポットにいるようなものだからだ」と理解を求めた」(朝日2月17日)
https://www.asahi.com/articles/ASN2K1CS8N2JUHBI00Z.html

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https://www.huffingtonpost.jp/entry/gesengonyuin_j...

ホント、米国政府のパーフォーマンスは華麗にしてやりすぎですな。
これが中国ならいざ知らず、医療体制が整った日本にいて不都合はないはずですから、ただの国内向けのポーズなのです。
このへんの米国のエグさよ。

そもそもこの船の運営権限は一義的には米国籍のクルーズ会社であるダイヤモンド・プリンセス社にありますから、米国政府に監督責任があるはずです。
このクルーズ会社は、2月初頭の時点でも船内で自由に行き来させてたりストレス対策でパーティー開いていましたから、そりゃ当然感染は拡がるでしょう。
そして事態がいっそう深刻化して二桁の感染者が出るに及んで、自国民だけは母国に帰還させろ、感染した奴は日本がめんどーみろですか、ムシがいいことです。

ダイヤモンド・プリンセスが日本領海にいる以上日本政府に主権下にあると見なされるので、日本政府の怠慢の非難は免れないなんてしたり顔で言っていた人がいましたが、なに言ってるんだかです。
そのような言い方をすれば、日本領海内の外国船舶に対して日本は主権を自由に行使出来ることになります。
日本が主権行使しえるのは、不法行為が行われていると思われる場合だけです。
その場合は、海保が臨検できます。

今回のようにダイヤモンド・プリンセス船内で、明らかに感染拡大行為がされたと認められた場合には日本政府も介入するでしょうが、クルーズ会社から事前に「パーティやりますからよろしく」というような通告を貰っていればともかく、現状では対処の取りようがありません。
いずれにしてもこんな閉鎖的環境で、ルーズな感染管理をしていた責任はあげてクルーズ会社にあります。
なんなら船にCDC係官が乗船して、感染拡大阻止の指揮をとればよかったのです。

それをいっさい頬被りして、対処を日本に押しつけておきながら、状況が悪化すれば日本を「第2の発生源国」呼ばわりする連中に迎合して、自国民を「脱出」させるのですから、危機に際してはこんなものかと改めて思いました。
たぶん朝鮮半島有事の時には、米軍機は自国民だけ乗せて日本人を乗せないね、こりゃ。

ただし、日本側にも今後の反省点は多々残ります。
今頃になってアンケート用紙を配って検査官に感染者をだす損害を受けるくらいなら、船が接岸する前の段階で無線で内容を伝えて、船会社とクルーズ会社に配布させればよかったのです。
いや、そもそも寄港はおろか領海にすら入れるべきではありませんでした。
やっとメディアもそれに気がついたようで、遅いんだよ。私はこのテーマが始まった時からそれ言ってますが、まぁ、気がついただけましか。

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クルーズ船対応「旗国主義」の穴 義務なかった日本   国際法・ルールと日本
政府は17日、新型コロナウイルスによる肺炎に集団感染したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」への対応を続けた。英国籍の同船には日本の法律や行政権を適用できない原則があり、対応を複雑にした。国際法上の「旗国主義」がこうした船舶内の感染症対策で落とし穴となっている。
国際法では公海上の船舶は所属国が取り締まる「旗国主義」という考え方をとる。国連海洋法条約で、公海上の船舶は旗国の排他的管轄権に服する」(日経2月18日)

このように「旗国」が英国である以上、国際海洋法上、一義的には英国が「行政・技術・社会上の管轄権行使や規制を実施する義務」を持ちます。
いいですか、権利ではなく義務です。
英国はダイヤモンド・プリンセスの管轄を実施する義務が生じているのです。
また二義的には、船内の運営、即ち乗客の扱いについてはクルーズ会社とその管轄会社である米国にその義務があります。
ダイヤモンドプリンセスには、このような二元責任関係にあるのです。

それを日本が、お困りでしょうからと安直に入港させたから、日本がすべてを被ることになってしまったわけで、舌打ちしたいくらいナイーブな国です。
しかも入れたなら入れたなりに、日本政府は船会社とクルーズ会社の管理権を一時凍結し、日本の当該当局による徹底した感染防止管理下に置くべきでした。
ひょっとして日本側は、入港に際して船に対して、どこが以後管理をするのかという肝心な点を、鮒会社やクルーズ会社と詰めていなかったのではないでしょうか。
あいまいなまま進めるから、なんとなダイヤモンド・プリンセスが日本船であるかのような間違った誤解を発信してしまう結果となりなるのです。
断ることも出来たのに、お人よしにも引き受けたあげくは船の感染者数まで上乗せされ、「汚染国」呼ばわりされてバッシングされるのですから、世話はない。
ほとほとうちの国のナイーブさには腹が立ちます。

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でなければ、冷厳に領海外で入国を禁じる通告をして、あとは中国の忠臣づらをしたいカンボジアにでも面倒を見てもらうことです。
その場合、当該国で日本国民だけピックアップして、チャーター機で帰国させればよかったのです。
ミーイズムそのものの対応で日本人の美徳にははなはだしく反しますが、これが危機における世界標準です。

そしてもう一つは、このようなケースに備えて平時から難民収容施設を作っておくべきです。
オーストラリア政府は、中国湖北省から退避した約600人を本土から1500キロ離れたクリスマス島の移民収容施設に隔離しました。
有体に言えば隔離施設です。
一枚下の地図をみていただければわかるように、この施設はオーストラリア本国からは遥かに遠く、インドネシアとの国境付近ですから、たいした心臓ですな。

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 日本はこのような施設を持ちませんから、今回のように3000人のオーダーで「難民」が押し寄せた場合、対処能力を簡単に超えてしまうことになります。
これがスペースに余裕があるクルーズ船だったからいいようなもので、もっと小型の貨客船で全員感染者だ、水も食料もない、医者すらもいないゾ、なんて場合には、どうするつもりでしょうか。

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日本は、政府が無人島のひとつを買い上げて、クリスマス島のような難民隔離施設を作る時期になっています。
あるいは小川和久氏が提唱しているように、政府専用の病院船を保有する方法もあります

「3万トン前後の中古貨物船に医療モジュールコンテナを積み、標準で200ベッド、場合によっては500ベッドを備えた病院船を、それも5隻から10隻備えていれば、医療環境が伴った状態で2週間の洋上隔離が可能になるでしょう。
この3万トン前後の中古貨物船の活用モデルは、中国が先鞭をつけ、国際貢献活動に投入しているものです。
災害も疫病も発生していないときは、70~80%の船をアフリカ沿岸などの医療活動に投入し、日本の国際貢献の柱として活動させ、定期点検に入っていない残りの船は、救急医療や疫病の専門スタッフを教育・訓練するための洋上の病院として日本列島周辺を巡回させ、日本で大災害や疫病が発生したときにはただちに投入できるように備えておくのです」(『NEWSを疑え!』第837号)

今私たちに必要なことは、今回のことを教訓にして備えることです。
むやみやたらと騒ぐことではありません。

 

2020年2月17日 (月)

保守(戦後の)さんにお答えして 米国頼みは止めましょう

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HN「保守(戦後の)」さんに直接お答えするというのではなく、この間起きているいわゆる「保守分裂」現象について考えてみます。
経過について詳細に立ち入るのは避けますが、アベはてぬるい、媚中派になったのか、もっと中国との国境管理を厳しくしろ、ヒトを入れるな、という主張をしている百田さんたちのグループが一方にいます。
そのカウンターには上念さんたちの、もっと落ち着けという考え方もあって、一時は暴言事件にまで発展してしまったようです。

今回の「保守(戦後の)さんは前者に近い危機感をお持ちのようで、日本でも感染の大爆発が起きると想定されているようです。
まずこれについてですが、私はありえない想定だと考えています。
昨日の現役医師のプーさんのコメントを引用いたします。大変に示唆に飛んだ内容です。

「今回のコロナウイルスの被害が2009年新型インフルエンザと同程度という考えに変わりはありません。
しかし大きく違う点、世論の不安の最大の原因は、診断が困難ということです。インフルエンザは従来の迅速検査を流用できていました。それにより、誰でも罹っている病気で死亡率は低いと分かって終息しました。
遺伝子診断のキャパは、1日あたり300件程度です。体制の拡充に務めていますが、全国民のニーズを満たすのは到底不可能です。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202002/12corona.html (首相官邸HP、最終閲覧日2020年2月16日)
検査対象を絞る必要がありますが、死亡リスクの高い人を選りすぐって検査すれば、死亡率も高く出てしまうのは自明です。
中国みたいにCTで診断して、細菌性肺炎や大気汚染による慢性肺疾患患者と一緒に入院させて培養している環境でも死亡率が2~3%なのですから、日本での死亡率は一桁下になるでしょう。既にたくさんいると思われる不顕性感染者まで分母に含めたらさらに一桁下がります」

ここでプーさんがおっしゃっていることは、新型肺炎の感染症としてのリスクは今までのインフルエンザていどのものだが、診断が困難であるので徒に不安感だけが増殖している、といういうことだと思います。
ここでプーさんは問題をふたつに切り分けています。
ひとつは新型肺炎のリスクです。プーさんが言われるように今までの「インフルエンザと同程度」という判断には、多くの医学者が同意するはずです。
逆に今後日本でもバタバタ死ぬぞ、中国人より日本人のほうが死ぬ率が高いぞ、なんて言っている医学関係者のほうが極小派のはずです

そして二番目は、検査体制の問題です。いまの国民の不安の原因は、「謎のウィルスX」が日本に入ってきていて、身近の人にもうつっているかもしれないという漠然たる不安のはずです。

このふたつをゴッチャにしてしまうと、大変な伝染病がきているのに、アベは生ぬるい何で中国人全部を入国禁止にしないのだという政治的怒りに転化していきます。
伝染病対策だけで済めばまだしも、それに枝葉がついていきます。
たとえば、だいぶ前から決まっていた習の国賓訪日やら消費増税までけしからん、という怒りにまで引火しているようです。
そう言う時に限って、いつもは冷静な人までもが平気で「大失政」「大流行」といったような荒っぽい言葉を使って自分を煽っています。

落ち着いて下さい。
自分も他人も煽らないで下さい。そして安直に政治と結びつけないように。
私も習訪日と消費増税には反対ですし、そのように発言してきましたが、今それを言う時期ですか。
時と場合を選んで下さい。

感染元の中国が、感染者のケタを落としをしているような公式発表しかしないために、それでなくても正確な情報が得られる状況にはありません。
そのうえ第三国の調査を拒んでいますから、新型肺炎の正体すら明確になっていないのです。
こんな状況で、日本人は中国人以上に感染しやすいとか、中国を上回るパンデミックになるゾとか言って回ることがどのような社会的意味を持つか、少しは冷静に考えていただきたいものです。

厳しい言い方をしますが、これでは福島事故時に日本中に蔓延していた「放射脳」の連中とまったく同じ精神構造です。
原子力事故の時も原子力保安や放射線医療の専門家は一括して「原子力村」として葬り去られ、武田邦彦のような疑似科学者が煽動をして回ったものでした。あの愚かな轍を踏んではなりません。
門田氏のように福島事故時にあれだけ冷静な記事を書いていた人までが、感染症の素人の百田氏に同調してどうするんですか。
こういう時には謙虚に専門家の意見に耳を傾けることです。文学者やジャーナリストはしょせん素人ですから、その発言だけを頼りにしてはいけません。

今、私たち国民にできることは、必要な情報を冷静に集めて、家族のために可能な防衛策をとることだけです。
それを積み上げていき、今の新型肺炎の全体像の一部なりともわがものとすることで、自らの不安意識を払拭することのはずです。
それを思うようにならないからと言って、テンパってしまってはダメでしょうが。

日本で今せねばならないことは、国民の不安を払拭するために検査体制の構築を急ぐことです。
現在、ダイヤモンドプリンセスで検査に時間がかかっているのは、のんべんだらりとやっているからではなく、相応の理由があります。
現況で新型肺炎の感染確定を出すには、PCR(遺伝子検査)しかないからです。
これは特にわが国だけがないのではなく、世界各国おしなべて同じ状況なのですから、わが国政府に文句を言っても始まりません。
もちろん政府も分かっていて、以下の緊急対策をまとめました。

「中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で、国内の感染者が増えるなか、政府は対策の重点を水際の封じ込めから医療体制の整備に移す。感染の疑いのある人を診察する専門外来は2009年の新型インフルエンザ並みの800カ所に拡充する。重症者向けの病床の確保も急ぎ、感染者の急増に備える。
03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の際は検疫の強化など水際対策も奏功し、結果として国内の患者発生を防いだ。一方、09年の新型インフルではウイルスの侵入を防ぐことができず、国内で推計約2000万人の感染者が発生した。新型肺炎も感染拡大の可能性が高まっており、政府は患者の早期発見・治療の体制を強化する方向にかじを切った」(日経2月16日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55701270W0A210C2MM8000/

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この中に簡易検査キットが入っていますが゛これがないことが検査体制の遅れの大きな理由です。
実はこの製造には既に始まっています。
日本のタカラバイオは大連の工場の稼働率を50倍にして検査薬増産体制に入りました。

「タカラバイオ、検査試薬を50倍に増産
タカラバイオは新型コロナウイルスの検査試薬(総合2面きょうのことば)を大幅に増産する。主力工場がある中国・大連市から安定供給の緊急要請を受け、生産量を従来比50倍の週25万検体分に増やした。武漢を含めた中国10都市にある検査キットメーカー30社に提供する。感染拡大で試薬は品不足に陥っており、増産と新たな製品の開発が急務になっている」(日経2月7日)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO55341080W0A200C2MM8000/

おそらく日本政府の要請もタカラバイオに行っているはずですから、日本がもっとも世界に先駆けて簡易検査キットを配布できるのではないでしょうか。
そうなれば国民の不安のそうとう部分が払拭されるはずです。
また杏林製薬も今まで6時間かかって専門期間が判定していた検査が、その場でわかる検査キットを開発済みです。

新型肺炎 検査6時間→15分に 試薬開発にメド 
杏林製薬のホームページによると、2001年に米国で発生した炭(たん)疽(そ)菌事件を契機に始めた研究により、迅速な判定と機器の小型化を実現したという。1回につき調べられるのは基本的に1検体だが、複数の増設ユニットをつけることで、同時並行で複数検体を調べることができる。
検査試薬の開発にメドが立ったため、新型コロナウイルスにも活用できるようになるという。政府は空港や港湾に配備して、水際対策を強化するほか、地方の衛生研究所にも置いて検査体制を拡充したい考えだ。」(産経2月13日)
https://www.sankei.com/economy/news/200213/ecn2002130059-n1.html

一方、「国民を守るためにはやりすぎでもやる」と大見得を切った米国CDCは、あろうことか簡易検査キットの製造に失敗してしまいました(苦笑)。

Cdclogo

  「(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は12日、新型肺炎の拡大を受けて開発した感染の有無を調べる検査キットについて結論がない結果が出るなどの不具合が起き、一部を作り直していることを明らかにした。CDCは検査作業を迅速化させるためこのキットを米国各州に送っていた。製品の質を確保するため各州に対し実際に使う前にキットが正確に機能するかの検証を要請。この過程で一部の製品に不具合が生じたという。一部の州は検査結果は虚偽の陰性あるいは虚偽の陽性を示すものではなく、結論がない結果が出たと報告。CDCによると、一貫した効果がみられない試薬の1つを作り直していると説明した」(CNN 2月 13日 上写真も)
https://www.cnn.co.jp/usa/35149363.html 

どうやら米国CDCはパニくっているようです。世界に冠たる防疫機関の名が泣きます。
米国が焦るには理由があります。
そもそも米国は日本と較べて公衆衛生のレベルが低いし、大量の患者が出た場合、国民皆保健制度が存在しませんから貧困層は治療も受けられません。
いったん伝染病に火が点けば、不法移民の下層労働者層はまさに「伝染病の火薬庫」と化すことでしょう。
彼らは病院にも行けず、感染拡大の温床となります。
つまりは米国は超大国でありながら、伝染病には日本以上に脆弱な国なのです。

また今のCDCが頭を悩ませているのは、今感染症のまっ盛りだからで、新型肺炎ならぬ新型インフルエンザが燎原の火のように燃え盛っているからです。
すでに患者数は2万人ちかくに達し、死者だけで実に1万人を超えて、過去最大規模のパンデミックに陥っています。
新型肺炎の初期症状はインフルエンザと酷似していますし、二つのウィルスの混合も生じる可能性があるために、日本以上に神経質になっているのです。

米でインフルエンザ猛威 死者数1万人超え     
ニューヨーク=野村優子】米国でインフルエンザが猛威を振るっている。米疾病対策センター(CDC)によると2019~20年のインフルエンザシーズンは患者数が1900万人、死者数は1万人を超えた。世界で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されるなか、米国ではインフルエンザが大きな脅威となっている。
CDCの最新データによると、1月25日までの1週間でインフルエンザ患者数は400万人増え、累計1900万人に達した。うち18万人が入院している。特に子どもの症状が深刻化するケースが多く、小児の死亡者数も過去にないペースで増えているという」
(日経2月6日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55312830W0A200C2000000/

それ以外にも、米国が中国からの入国を拒否したり、在中米国人の帰還を言い出したのは、今の米中経済戦争絡みで中国とのデカップリング(分離)とも関連してることで、一概に防疫対策だけではありません。

こんな米国に何を期待しているのでしょうか?
米国はなんでも知ってる、米国は鉄壁だ、米国に助けて欲しい、という米国万能論がおありじゃないですか。

 

 

2020年2月16日 (日)

日曜写真館 太陽が出る前が一番好きです

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ヨットが帆柱を連ねています


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その名も港町といいます

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太陽が出る前が一番好きです
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原始の太陽のようです

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2020年2月15日 (土)

生物兵器説再々考

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新型肺炎による死者がひとり出ました。ご冥福をお祈りします。
他にも沖縄でクルース船の乗客からタクシーの運転手さんが感染しました。
今後も感染者が出続けることだけは確かですから、メディアに煽られないで下さい。
というのは既にこれだけの武漢からの観光客が入国してしまっているからです。

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ビジネスインサイダー 3番目に成田があります。https://www.businessinsider.jp/post-206403

成田と名護屋中部で合わせて約1万2千人の武漢からの人が入ってしまっているわけで、感染率を1.4%とすればだいたい160人前後の感染者が含まれていたことになります。
彼らとの濃厚接触の場は無数にあったはずですから、二次感染者は相当数に登るはずです。
にもかかわらず、現在ではこのていどの発生しか見ていないのが、逆に解せません。
今後日本でも爆発的に増えるのか、あるいは日本の公衆衛生が押さえ込んでいるのでしょうか。
そういえば今年は一般的なインフルエンザも下火だそうで、手洗いの励行やマスクの着用者が増えたのが原因だとか。

より重く見るべきは、診察した医師からも感染者が出たことです。
これは武漢の例からも明らかなことですが、日本でも医療従事者の感染は今後深刻な問題になると思われます。
クルーズ船の対応についても考えさせられることが多々ありましたが、これは別途記事にすることにします。

さて今日の本題ですが,もう少し新型肺炎生物兵器説を考えてみる事にします。
私は当初は懐疑論者でした。
理由は、生物兵器自体が核と並んで「使えない兵器」であることはわかりきったことだからです。
1972年の「細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約 」で開発・保管を禁じられています。
中国も署名していますが、なんぶん国際海洋条約さえも紙クズだと言ってのけた国ですがね。
生物兵器禁止条約 - Wikipedia


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というわけで、表面的には生物兵器は作れないことになっています。
ものには表裏があるもので、それには裏口がありました。研究用としてはサンプルとして保有できるのです。
万が一使用された場合に備えてのワクチン製造をするために、ウィルスや細菌を分離して保管できます。
また、後述しますが、生物兵器とするためには遺伝子改造が必要ですが、これは軍用ではない、学問的研究だと言ってしまうテもあります。
それで通ってしまうほど、一般的研究と軍事利用の境目は曖昧なのですから、意図的に紛れ込ませてしまうことも可能です。

私は当初は生物兵器の「使いにくい」さ知っていただけに兵器説に懐疑的でしたが、それさえも「使いやすく」すればいいだけのことです。
毒性を「薄めてやる」ことによってあえて致死率を下げて、感染力のほうを高めてやればいいのです。
むしろ簡単に剥がれる事務用ノリみたいなもので、このような小型化・弱化のほうが武器のトレンドです。

すると見た目は普通のインフルエンザの流行のように見えて、実は人工で作られた新型ウィルスだということが可能となります。
新型ウィルスはそうだと気がつくまで一定時間を要し、分かってもウィルス分離をするだけで手間がかかり、簡易検査キットすら簡単に作れないために感染者の数すらわからず、ワクチンに至っては半年で出来ればたいしたもので、現実に国民に接種できるのはそうとう先になってしまいます。
その間に大量の患者が出て、死亡者は鰻登りとなり、社会活動は壊滅状態となります。

この流れ、どこかで見た気がしませんか。そうです、今回の武漢の新型肺炎のパターンそのものなのです。
今回、弱毒化した生物兵器がなんらかの原因で使われたと仮定した場合、どうして生物兵器ラボがある武漢だけに集中して起きたのか、コウモリのウィルス由来だといいながらその中間宿主がいつまでも不明なのか、といういくつかの謎が一気に説明できてしまいます。

さて、新型肺炎生物兵器論について、『生物兵器説は本当なのか 専門家見解「人工で製造することは不可能』(東経ネット2月12日)という記事がでていました。
https://toyokeizai.net/articles/-/329766

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武漢ウィルスラボ

これは中国政府寄りといわれる「財新」という雑誌記事が転載されているものですが、なかなか興味深いものがあります。
この中で石正麗というこの武漢ラボ(武漢ウィルス研究所)のコロナウィルス研究の責任者に語らせていますが、改めてわかったのは武漢ラボはそんじょそこらのラボではなく、SARSウィルス漏洩にこりた中国が作った最新かつ最大のウィルス研究施設なのです。
建設は当初はフランス企業の予定でしたが、なぜか人民解放軍系企業に代わっていますから、軍事転用可能なものがあったとかんがえるほうが素直でしょう。
ちなみに中国は今や世界で有数のウィルス研究の座に君臨しているそうです。
ま、そのくせ定期的にSARSやMARSでパンデミックを引き起し、畜産でも豚コレラやアフリカ豚コレラを蔓延させては壊滅状態になっているんですがね。

それはさておきこの記事は1月31日に、インドのデリー大学とインド理工学院に所属する研究者たちが出した論文(撤回されましたが)に対する反論となっています。
デリー大学論文は査読を受けていませし、当の研究者も陰謀論には加担しないと言っていることをお断りしておきます。

「簡単に言えば、彼らは新型コロナウイルスとSARSウイルスの棘突起タンパク質の配列を比較し、SARSウイルスと比べると新型コロナウイルスの棘突起タンパク質には4つの新しい挿入配列があることを発見したのだ。その後、彼らはこの4つの挿入配列をデータベース中の配列と比較した結果、4つの挿入配列がともにエイズウイルスのタンパク質配列の中にあることを見つけた。
この研究論文によれば、この種の特異な同一性/相似性が自然界の中で偶然に起こる現象とは考えられず、またこの4つの挿入配列は新型コロナウイルスに独特なもので、そのほかのコロナウイルスには存在しない、とされている」(財新前掲)。

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要は生物兵器説が科学的に成立するためには、自然界のコウモリの持つコロナウィルスと、何か別のウィルスをかけてできたはずの新型肺炎の遺伝子に結合させたなんらかの「痕跡」が残っていなければなりません。
たとえば人工酵素のエンドヌクレアーゼです。
あればそれは、ズバリ生物兵器です。もちろん生物兵器禁止条約が禁止しているウィルスの遺伝子改造にあたります。
この財新記事は研究者たちに口を揃えて人工的操作の跡はないと語らせています。

「もしゲノム編集(遺伝子編集)したウイルスであれば、大量の遺伝物質を置換する必要がありますが、今のところその種の痕跡は観察されていません。反対に、自然進化したと思われる、まばらで分散的な変異しか見られません」
「アメリカのオハイオ大学の獣医予防学の王秋紅教授による「現在、遺伝子配列がすでに公表されています。この配列の分析から、ウイルスが人工的に製造されたことを示す箇所は見つかりません。実験施設から流出したものである可能性はないのです。完全に自然界のウイルスです」(財新前掲)

これはペンシルバニア大学医学部の副研究員・李懿澤が、「遺伝子挿入に際して配列のつなぎ合わせに際して使用される人工酵素であるエンドヌクレアーゼが見つかっていない」ということを証拠として挙げています。
なるほど現時点では、ウィルスを人工的に操作する際に使用されるエンドヌクレアーゼは見つかっていないということのようです。
しかし結論を出すには、新型肺炎の遺伝子サンプルが日本も含む第三国の研究機関に提供されねばなりません。

ところで、この財新の記事で改めてわかったのは、この武漢ラボこそが中国における遺伝子改造の拠点なのです。
遺伝子改造とは、なんのことはない生物兵器禁止条約で禁じられている生物兵器製造と紙一重です。
ちょうど人工衛星と大陸間弾道ミサイルが、商業目的か軍事目的かの違いだけで内容的にはほとんど同じものであるのと一緒です。

ですからこの財新記事にもあるように、武漢ラボでは日常的に遺伝子改造による機能獲得性研究がなされています。
たとえばSARSウイルスと中国馬蹄コウモリのウイルスとの間のキメラ・ウイルスを作ってみたりしていることなどが紹介されています。
これには当然エンドヌクレアーゼが異なる遺伝子の「接着剤」として使われていたと思われますから、武漢ラボのありふれた素材の一つなのです。

インドの科学者が、今回の新型肺炎が4つの挿入配列をもっていることからSARSとエイズのキメラとする説を唱えたわけですが、キメラを作るのにはエンドヌクレアーゼが必須物質な以上、その発見がなくてはなりません。
武漢ラボ関係者がないないというほど、疑ってしまうのは私の性格が悪いせいでしょうか。

それにしても気になるのは、1月に米国CDC(疾病予防センター)が武漢現地で調査したいと申し出た時に、中国政府が頑として拒否し、WHOには根回しをして調査団派遣をさせない圧力をかけた形跡があることです。
中国政府になにか見られては不都合なものがあったとしか思えません。
遺伝子改造の証拠がないと言うなら、オープンで調査させればよいのです。

私は今までSARSウィルスを逸出させたことのある中国が実験動物を逃がしたか、不法に転売してしまったことによって起きた可能性は残ると思っています。

「2017年、ネイチャー誌のインタビューに応じた科学者たちは、これがワクチンや治療法の開発にとって好機であることを認めました。
特に霊長類を対象とした動物研究の規制は、米国や他の欧米諸国よりも中国の方がはるかに緩く、つまりこれらの研究はコストがかからず、研究を制限したり遅らせたりする可能性のある障壁も少ない。
しかし、それはトレヴァンにとっても懸念材料であった。
209nCoVのようなウイルスの挙動を研究し、そのための治療法やワクチンを開発するには、これらの研究用サルに感染させる必要があり、これはヒトでの試験前の重要なステップである。
しかし、サルは予測できないとエブライト氏は警告する。
「走ることもできるし、噛むことで掻くこともできる」(ワシントンタイムス)
https://www.washingtontimes.com/news/2020/jan/24/virus-hit-wuhan-has-two-laboratories-linked-chines/

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そうすると改めて浮上するのは、初発が発生した生鮮市場と武漢ラボの距離の余りの近さです。

すべてが状況証拠的であることの限界はありますが、さらに情報を集めて行かねばなりません。

 

2020年2月14日 (金)

拡がる武漢の修羅場

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武漢市は医療から見捨てられたカオスになっています。
中国の国家衛生健康委員会は2020年2月13日現在で湖北省だけで死者の数が1370人、感染者は4万8千人を超えたと発表しています。
ジョンズポプキンズ大学のオンライン集計では、世界の総感染者60364人、総死亡者1367人と急増しました。
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

このように増え続けるのは集計方法が故意に過少報告しているのではないかという国際社会からの批判を受けて、もう少しイロをつけた数字にいじったようですが、いずれにしてもこれもウソであることは同じです。
湖北省が集計方法を変更したのは今まで感染者にカウントしていなかった軽症患者まで入れたからで、「早期に治療を受けさせるために臨床診断に基づく患者数を加えたたため」と説明していますが、そもそも医療機関が患者を診療すら満足にできていないのですから、軽症も重症もあったものではありません。

政府の情報統制をくぐり抜けて、武漢からは病院のロビーや廊下で患者や時には死体が放置されているツイッター映像が流出しています。

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政府が流す公式映像ではICU(集中治療室)のような感染症対応のテント式ベッドで治療されていますが、もちろんそんなもんはヤラセです。
ツイッターなどで漏れてくる内情は、 体育館のような場所に仕切りすらなくベッドを並べただけの収容施設の映像がでています。
信じられないような「隔離」施設で、これではまるで収容所そのままです。むしろ施設内で更に感染が拡散し、症状を重くしていくことでしょう。

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ツイッターでは病院に行ったが廊下で半日待っても病院の人間にすら見かけないという証言や、待っているうちに倒れてそのまま放置された重症者の姿も出てきています。

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このことから、武漢市は治療するどころか、診察・検査すら追いつかず、重症者や死者が徒に増えてしまっている状況だと思われます。

このような中で感染原因を特定するなどということは、まともな政府ですら不可能です。
ましておや生物兵器の流出が原因だったりした場合、中国政府が受ける打撃ははかりしれないものがあります。
彼らのことですから、証拠隠滅のためには武漢ラボの関係者をまるごと新疆の「職業訓練施設」送りとするくらいのことは平気でするでしょう。

感染はとどまるところを知らず、浙江省が渡航制限対象となりました。

「政府は12日午前、新型肺炎の対策本部会合を首相官邸で開いた。日本国内での感染拡大防止に向け、安倍晋三首相は入国拒否の対象を中国湖北省のほかに中国浙江省に滞在歴のある外国人などにも拡大する方針を明らかにした。13日午前0時から実施する。外務省は、浙江省の「感染症危険情報」を、現状の「レベル2」(不要不急の渡航自粛)から、湖北省と同等の「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げることを検討する。浙江省は、上海の南側の海沿いに位置している」( 毎日2月12日)https://mainichi.jp/articles/20200212/k00/00m/010/021000c

「外務省によると、浙江省では既に感染者数が1,000人を超え、湖北省、広東省に次ぐ水準にある。浙江省政府は、特に同省南東部を中心に感染リスクが高まっているとしており、同省政府による感染リスク評価は、「リスクが高い」が温州市の楽清、「リスクが比較的高い」が温州市の鹿城、瑞安、甌海、永嘉、平陽、泰順、寧波市の海曙、慈溪、台州市の温嶺、杭州市の余杭、江干、桐盧となっている」(NNN2月13日)
https://www.nna.jp/news/show/2007222

今後、浙江省の南に位置する上海似対しても渡航制限をかけるかが焦点になります。
最低でも都市閉鎖している地域が55都市もあるのですから、それについて早急に渡航制限をかけるべきでしょう。

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中国経済の武漢似並ぶ2大拠点である上海で感染拡大した場合、中国が受けるダメージは致命的となりかねません。
その上海の感染状況ですが、当局の発表を信じる限り感染初期です(眉唾ですが)。

「上海市衛生健康委員会は12日、市内における新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染者が同日正午時点で累計311人になったと発表した。前日から8人増えた。 同委員会によると、このうち10人が命にかかわる重篤で、9人が重症。死者は1人」(毎日2月13日)
https://www.nna.jp/news/show/2007072

WHOは今頃になって調査団を送ると言っていますが、調査団を出してから武漢を閉鎖すべきで順番が逆です。
テドロスは習近平にゴマをすっている暇があるなら、早急に国際調査団を武漢に送り込み実態解明につとめるべきでした。
そもそも李克強が新型肺炎の責任者なのに、習に会う意味がわかりません。
とまれ今は調査団を送る段階などは終わって、武漢に対しての国際的医療支援を大規模に組まねばならない状況なのです。

 

2020年2月13日 (木)

新型肺炎、生物兵器説は黒に近いグレイかもしれない

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実は私、去年の夏に小松左京の『復活の日』なんかを読んでいまして、その勢いで角川映画まで観ておりました。
そのせいで、今回の新型肺炎(ホビット19じゃなかった、ビビット19だっけ?あれ違ったか。スッキリ武漢肺炎ってつけろや、WHO)が生物兵器が流出したものだという説には興味津々でした。

『復活の日』は半世紀前の本なので読んだ方は少ないと思いますが、流出したウィルス兵器で世界人類が根絶やしになってしまうという物語でした。
この本のミソは通常のインフルエンザウィルスの影にひっそりと隠れていて、それの毒性と感染力を驚異的に高めてしまうというところです。
なにか身につまされません、今の感染力は強いが弱毒性の新型肺炎の影にナニかすさまじく凶暴なウィルス兵器がいたとしたら・・・、ゾゾっです。

ところがあいにく東日本大震災と福島事故で痛い目にあっている私は、人一倍このての噂には警戒心が強いのです。
当時の流言蜚語のすさまじさは社会病理学的領域に達していて、今思い出しても吐き気すらするほどです。
こういう噂は必ず科学的粉飾が施されているうえに、さもありなんという訳知りの部分があるために、妙に説得力があります。
今回なら武漢に生物兵器ラボがあるのはほんとうで、たぶんそこでSARSなどのコロナウィルス系統を「飼い馴らしていた」ことも事実です。

その辺について福島香織氏はこのように述べています。
「新型ウイルスはバイオ兵器?」の噂が囁かれる背景・疑いの目が向けられるバイオ研究所の存在と中国のいびつな対応』https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59168

「実際、2004年に北京のラボからSARSウイルスの“脱走”事件があり、また2012年にカナダ国家微生物学ラボ(NML、カナダ唯一のBSL4ラボ)から中国系研究員の“スパイ”が非常に安全ではない方法(郵送)でエボラウイルスなどを持ち出そうとした、あるいは持ち出した、とカナダのテレビ(CBC)が昨年夏に報道したことがある。
この事件が直接、今回の新型コロナウイルスと関係あるわけではないようだが、中国がウイルス兵器の研究を行っているのではないか、その目的のためにフランスの技術供与を得て武漢にBSL4のラボを建設し、カナダからウイルスを盗み出したのではないか、しかし一方で、中国はウイルスの安全管理に対する感覚が甘いのではないか、という疑いの目はずっと向けられていた」

福島氏が指摘するように、現に北京のバイオ研究所のSARSウイルス逸出事故を起こしています。

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武漢ラボ

中国のこのてのラボが人民解放軍系なのは公然たる事実で、武漢のラボも表向きは武漢市との共同運営でしたが、内実は軍事ラボです。
そこで生物兵器用の動物実験が行われ、しかもそれを野外化させていたことは事実で、その安全管理体制の膳弱さについてネイチャー誌2017年2月に、米国のバイオセイフティコンサルタントのティム・トレバンが記事を載せているそうです。

しかもご丁寧にも中国系研究者がカナダからのエボラウイルスを盗難しようとしていた疑惑までついています。

中国の生物兵器開発、武漢軍事ラボの管理体制の甘さ、そして初動を押さえ込んだ中国政府の言論圧殺、そして安全だと言いながら唐突に始まった武漢封鎖や渡航禁止と疑惑を上げればきりがないほどです。

まぁ、そう考えればコウモリ由来だといいながら中間宿主が見つかっておらず、しかも野生動物の悪食習慣は武漢に限ったことではないのに、なぜ武漢だけで大発生したのか、そこに中国随一の生物兵器ラボがあったのは偶然としても出来すぎじゃないかとなっていくわけです。
う~ん、もう少しかんがえさせて下さい。

とまれ世界でもっともやりそうな国がやりそうなことをしているとみられても致し方がないことを仕出かし、状況証拠的には黒に近いグレイだということなのかもしれません。

今日はPCが不調で後半原稿がフリーズして消失してしまいました。書き直す元気はないので、前半分だけの生煮えでお許しを。

 

2020年2月12日 (水)

ダイヤモンドプリンセスは日本船ではない


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メディアはいつまでダイヤモンドプリンセスにへばりついているのでしょうか。
連日よく飽きもせずにダラダラと実況中継しているのですから、バカじゃないか。

なぜメディアがハッキリ報道しないのか理解に苦しみますが、この船は日本船でもなんでもありません。レッキとした英国船です。
この船を作ったのが三菱重工だということだけのことで、現在同船を保有・運営しているのは、P&Oというイギリスの船舶会社です。
2000年にP&Oがリストラを実施した際に、クルーズ部門を買い取ったのが、船名もここから来ていることからわかるように、 米国籍の世界最大のクルーズ客船の運航会社である、プリンセス・クルーズ社です。
今回の事態についての主権は英国であり、乗客・乗員に対する事業者としての企業責任は米国クルーズ会社であるという二元責任関係にあります。
国際法上、船舶は船籍がある国の国旗を掲げていることからもわかるように、主権はその船籍国にあり領土と見なされています。
ですから、ダイヤモンドプリンセスの法的責任は英国政府、ないしは英国船会社にあり、船の安全・保安・衛生に対する義務を米国クルーズ会社が負います。

また乗客の国籍別構成はこのようになっています。

「船には日本や香港、台湾を含む56の国と地域の人が乗船しており、乗客2666人のうち日本人は1281人だった」(福井新聞2月12日)
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1024134

では日本はどこに位置づけられるのかといえば、次の寄港地が日本であって、たまたま横浜港付近を航行していたために、いったん横浜港に寄港することを認めて、医療スタッフ、医薬品、必需品を供給したりする人道上の支援をしているだけの善意の第三者でしかありません。
日本政府はこの「寄港させて、人道支援をしてあげているだけ」という事実を、きちんと国際社会に説明しないからおかしくなります。

あえて「あげている」と書きましたが、寄港を拒否する権限は当該国の主権の及ぶところですから、かなりの国は寄港すら認めなかったと思われます。
米国やロシアなら確実にそうするはずで、領海内にも入れないかもしれません。
医療品支援を要請された場合にはヘリで投下したことでしょう。
中国との国境を完全閉鎖したロシア、一切の中国からの入国を禁止しただけではなく、すべての在中米国人に退去を勧告した米国ならそのていどはやります。

しかしこれを冷酷と非難できません。主権国家は自国民の安全を守るのが至上命題で、余力があれば外国船も助けてやるていどにすぎないからです。
このほうが国際標準で、寄港と医療支援を認めた日本が例外的存在であって、それが故に「日本で感染爆発」のような扱いを受ける筋合いはありません。

日本が寄港を許したのは、善意を盲信するお国柄もありますが、新型肺炎の挙動がわからないこともあります。
無検査で下船させてしまった場合、症状がでないままに無自覚にウイルスを散布してしまうことがあります。
見た目で回復したようでも、実はウイルスが体内に潜伏することも考えられます。
昨日は武漢からチャーター機で帰ってウィルス検査を受けて陰性だった2名が、再検査で陽性に逆転した例もあることがわかりました。
だから船内でウィルス検査をして、一定期間隔離して中長期的な影響を観察する必要があります。
このような危うい密閉環境に長期間3000人もの乗員乗客を置くことはできない、支援せねばならないという政府のいわば男気でした。

またテレビなどでしたり顔して、「どうしてこんなに検査が遅れているのか、人権蹂躙だ」といったようなことを言っている者がいましたが、ナニ言ってんだか。
これだけ検査が長引いていたのは、簡易検査キットが出来ていないからにすぎません。
発熱や喉の痛みていどの外見上の所見ではウィルスキャリヤーかどうか判別できないので、たぶんひとりひとりウィルス同定できるかどうか検査しているのではないかと思います。

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感染症検査の特徴/感染症NAVI - SRL.INFO
https://www.srl.info/srlinfo/infection/feature/feature.html

この責任の所在を曖昧にして、まるで「日本でコロナウィルス大発生」といわんばかりの報道をしているのですから、まったくもう。


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https://www.sankei.com/life/news/200206/lif2002060...

毎日新聞は妙に嬉しそうにこんな記事を載せています。

「横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスの感染者が急増する中、政府がクルーズ船の感染者を「日本上陸前だ」として日本の感染者数に含めないよう報道機関への周知に躍起となっている。クルーズ船分と国内分の合計は約160人で、中国以外では突出して多い。世界で日本での感染拡大のイメージが広まり、観光や経済に打撃が出かねないと警戒している」(毎日2月7日)
https://mainichi.jp/articles/20200207/k00/00m/040/370000c

こんな書き方だと、まるで日本政府がWHOに圧力かけて「日本ハズシ」をさせているように読めます。

韓国中央日報に至っては、大はしゃぎしてこんなことを書き散らしています。

「日本、クルーズでまた10人感染…安易な対処で「感染病後進国」恥さらし
日本政府の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)への対処が各方面で粗末な実状を露呈させている。3711人が乗船した日本の大型クルーズ船はウイルス拡散の「温床」になって連日多数の感染者を出している。このため日本は感染病の発病地である中国に続いて感染者数世界2位国になった」

なにが「恥さらし」ですか。恥さらしは、日本の善意を悪意に取るしかできないようなあんたらの感性のほうでしょう。

ダイヤモンドプリンセスで発生した感染者を日本発生でカウントすることがおかしいのは、その船籍、運営会社の所在を分かっていれば子供でも分かるはずです。
「横浜港上陸前」という言い方を政府がしていますがまったく当然で、だから寄港は認めても人道支援をしても上陸は認めていないのです。

では誰が責任をもって対応すべきだったのでしょうか。
もちろん英国船籍の船内で発生した以上、船の主権国の英国以外ありえません。
したがって船内で発生した感染者もまた英国発生でカウントすべきなのは当然です。
いずれにしても、船という特殊な状況を無視して「発生国」という括りをすること自体がおかしいのです。

今後ですが、このまま帰宅させるわけにはいかないと思います。
日本国籍で高齢者や持病をもった人でたちはととりあえず帰宅させるしかないと思いますが、医療機関の追跡監視下に置かねばなりません。
感染者についても日本の隔離病棟には限りがあるのですから、一定限度までで締め切って、重症者以外は主権国の英国との相談とすべきです。

それ以外の乗客の処遇については、日本政府が関与する案件ではありません。
日本はあくまでも緊急時における人道支援したにすぎないのであって、ダイヤモンドプリンセスの主権を持つ英国に判断を委ねるべきです。
おそらく英連邦の一員である豪州の島に隔離するし、一定期間の観察の後にそれぞれの国に引き取ってもらうしかないでしょう。

国際社会では、善意はかならずしもストレートに受け入れられるものではない、といういい教訓となりました。

 

2020年2月11日 (火)

「大疫」で終わる中華王朝

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中国の地金が出始めたと思います。それは自分が属する地域、血族、氏族にバラバラに分解していくことです。
一見超近代的に見えたデジタル共産主義の皮膜が、新型コロナウィルスによってあっけなく剥がされ、その下から出てきたのは伝統的な村落の閉鎖的顔だったわけです。

そのひとつの顔が、昨日紹介した、村や街に入る道路によそ者を入れないためにレンガを積み上げた壁であり、無数に誕生した村落自警団の誕生です。
『新型コロナウイルスの拡散を防ぐために、住民は自らブロックで壁を築いて村を封鎖した』ビジネスインサイダー1月30日 下写真も)
https://www.businessinsider.jp/post-206664


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この自警団の発生と村落封鎖は湖北省だけではなく全国に飛び火しています。

「北京市北部の農村では30日、部外者が車で進入出来ないよう村道に土が盛られていた。村民の男性は、武漢封鎖の3日後から始めたと明かし、「ウイルスを持った人を村に入れたくない」と語った。
 道を土や岩で塞いだり、村民が検問したりする様子は、武漢封鎖後から中国版ツイッター・微博ウェイボーなどで掲載され始め、河南省の山村など複数箇所に及んでいる 」(読売1月31日下写真も)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20200131-OYT1T50099/

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また、武漢人だというだけで、他の地域では賞金つきで追い回され、監禁される事件までも発生しています。
おぞましい「武漢人狩り」ですが、これは武漢封鎖となる前に市外へ出たといわれる約500万人の行方がわからないからです。
中国政府は発見次第隔離すると言っていますが、いったん広大な中国大陸に潜行してしまえばほとんど見つかる可能性はありません。
そこで共産国家お得意の密告による通報制度を活用しているようですが、これがいっそう国民の分裂を煽るとことになります。

「全国で武漢人狩り、湖北人狩りが深刻化し、中には殺人事件に発展するケースも多々起きている。
広州のホテルでは、武漢、湖北出身者、定住者の宿泊を拒絶。また武漢で働いて出稼ぎ者が故郷の農村に変えると村から駆逐されている。ネットのSNSで個人情報がさらされ、湖北、武漢出身者が職場や地域で排除されている。隣人の間で、武漢や湖北に親戚がいたり友人の往来があるかなど、密告も起きているという。武漢人、湖北人、あるいはその家族、親戚数百万人が帰る家もなく、神秘的なコロナウイルスの潜在的保持者として差別、排除、攻撃されており、中国の“賤民”扱いされているという。
河北省のある村では武漢出身者の住居を密告すると1000元が報奨金として支払われている。ある鎮の出入り口にはバリケードが築かれ、見張りの人員がたてられ、武漢人、湖北人が入らないように警戒している。江蘇省のある地域では、武漢から里帰りした人がいる家を外から施錠して強制隔離。地元紙によれば、食料は縄に結び付けて、バルコニーから引き上げる形で提供しているという。
武漢から四川の故郷に帰ってきた男性を密告した男性が殺害されるという事件も。ネットでは武漢人、湖北人に対するリンチ、暴行の映像もたくさんあがっている」(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)NO.58  2020年2月10日)

このような中国の体たらくを見ると、中国が「よく通った道」であることに気がつきます。
中国の王朝は疫病で交代してきた歴史があるからです。
中国の歴史とは、とりもなおさず疫病の歴史でもあります。
王朝の滅亡の原因は政治腐敗やそれに伴う宮廷の混乱、そして多くは宗教の旗を掲げた農民反乱軍の決起によって、滅亡したと一般的には書かれていますが、その原因を遡及すれば「大疫」、すなわち悪性伝染病のパンデミック、そしてそのことによる農村が荒廃する「大飢」(大飢餓)があったことが共通しています。
そして反乱軍と王朝軍との間での血なまぐさい内戦が始まり、いっそう餓死者や疫死者が増大していくことになります。
やがて「大飢」や「大疫」の発生は、国内に止まらず世界へと拡散していきます。

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https://tohoku-univ.ox-tv.co.jp/article/infection20181016/

たとえばモンゴル帝国は、ウィーンの城外での攻防戦があるまでに急激に膨張した世界帝国でしたが、瞬く間に勢いを失い、分裂し消滅していくことになります。
モンゴル帝国の衰退は、1330年代に中国で拡大したペスト(黒死病)にあるといわれています。
1350年前後にカスピ海周辺で発生したペストは、ヨーロッパと中東で猛威を振るい、モスクワに達しコーカサス地方を覆い尽くしました。
それが中国に伝播し、今度はモンゴル軍の侵攻に乗ってウィルスをキャリヤーし、その勢力圏でパンデミックを引き起こしたのです。

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このペストの大流行によって亡くなったのは、世界で実に1億人と呼ばれています。

「中国(当時は元)1333~1337年にかけ、干ばつのため大飢饉が発生し、400万人が死亡したとされています。さらにペストが蔓延したことによって元帝国は一気に衰退し、朱元璋率いる明に倒されました」『見えない侵略者 第2回 人と感染症の戦いの歴史-プロローグ2』東北大学名誉教授 磯貝惠美子)
https://tohoku-univ.ox-tv.co.jp/article/infection20181016/

磯貝先生はカスピ海周辺発生説ですが、逆ルートの南宋発生説も存在します。
この時、南宋に出征中だったモンケ・カーン(チンギス・カーンの孫)の死因がペストだったと言われています。
南宋はペストの発生源であり、その只中にモンゴル軍が侵攻したために伝染してしまったのです。
そしてウィルスキャリヤーとなったモンゴル軍は西への遠征を通じて、ペストを西アジア、クリミア、ベネチア、北アルプスを経て北上し、やがて全ヨーロッパ全土へと伝播させていきます。

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ちょうど今の新型肺炎がヒトヒト感染をおこしているように、モンゴル帝国の勢力圏内で蔓延し、侵攻した相手国を滅亡させると同時に自らの経済・社会基盤もまたペストによって滅ぼしていったのです。

日本が数少ない外国の軍事侵攻を受けた元寇も、弘安の役における東路軍の3千人の疫病死が戦力の崩壊をもたらしたと考えられています。
この時日本がモンゴル帝国に屈して領土に組み込まれていたら、後の1300年代のペストの世界的流行からわが国も自由でなかったはずです。
日本を守り抜いた鎌倉武士に感謝しましょう。

そしてこのモンゴル帝国を倒して王朝交代した明朝もまた王朝末期の崇禎年間(1573~1644年)には、華北地方で疫病が猛威をふるい、少なくとも1千万人規模の大量の感染死が生まれたと言われています。
この伝染病は主にペストや天然痘ですが、これが複合して流行したために手がつけられない状態となりました。

その清もまた、1880年に広東と寧波でコレラが大流行し、全国的流行となり翌81年には北京でも多くの人が感染死しました。
実はこの時のコレラの感染経路は、2003年に広東から発生したSARS流行とそっくりで、中国においてコレラ大流行直後の1882年10月~11月の中旬には、日本でも長崎経由で全国にコレラが大流行することになります。
明王朝は、このコレラの「大疫」によって内部崩壊をおこして倒れたのであって、清の軍事力に破れたわけではないのです。

このように中国王朝は法則的と言っていいほど、「大疫」で滅びています。
今の中国を見ると、何かデジャビュを見るようだと思うのは、早すぎるでしょうか。

 

2020年2月10日 (月)

たぶん武漢では約48万人くらいの患者数はいるはずだ

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 まずはジョンズポプキンズ大学の速報値データーベースから、新型肺炎の現況について押えておきます。
感染が確認された人数、死亡者数、回復者数の最新情報が確認できます。
Coronavirus 2019-nCoV Global Cases by Johns Hopkins CSSEhttps://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

このデータの出所はWHO、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、欧州疾病予防管理センター(ECDC)、中国疾病管理予防センター(CDC)、中国国家衛生健康委員会(NHC)などがソースです。

Total Confirmed(患者数) 2月10日4時現在
37,592
Total Deaths(死亡数)
814 ※死亡率2.16%     

Total Recovered (治癒数)2,924
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Confirmed Cases by Country/Region(地域別確認数)
37,232 Mainland China

40 Singapore
32 Thailand
29 Hong Kong
26 Japan
25 South Korea
18 Taiwan
16 Malaysia
15 Australia
14 Germany
13 Vietnam
12 US
※死亡2人 死亡率0.5%

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上図共にジョンズポプキンズ大学による

中国の感染の特徴としては、毎日患者数が急増していますが、治癒数も増えていることです。
これは治療態勢が整ったとは思えませんから、潜在的な患者が統計に反映され始めたのでしょうか。
たぶん違うと思います。このジョンズポプキンズ大の数値は、中国国家衛生委員会(NHC)の出した数字をそのまま載せているはずですから、「病院で治療を受けることができる患者数」にすぎません。

下の中国人がスマホで撮った写真のように、キャパの百倍以上の患者が押しかけています。

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想像するまでもなく、武漢は医療崩壊現象が起きているはずで、初期の告発者の李医師が倒れたように、医師の相当数が倒れたと思われます。
医師が少なくなっているところに、軽症、重症、さらには不安だから来てみた人まで病院に押しかけるのですから、いっそう崩壊が急激に進行します。

たぶん精査してはいませんが、閉鎖された都市と一般地域では患者数がケタで違うと思います。
そのうえに未発生の都市や農村では、自警団を組織して外部からの人を入れない地域が湖北省には相当数出たそうです。

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「スカイ・ニュースが訪れた複数の村では、「部外者立入禁止」の手書きの表示が道路を封鎖していた。「我々の村でこれを作った」と、一人の村人が幹線道路をふさぐ高いブロック壁についてスカイ・ニュースに語った。この村人は、ブロック壁は「部外者が我々の村に入ることを阻止し、侵入者の数を減らすため」だと語った。
ある村では、検問所として使用するために、移動式の小屋が設置されているケースもあった。現地住民は「これは新型コロナウイルスのためだ。いつまで続けるかはわからない」と話した。
「新型コロナウイルスがどうなるか誰もわからない。上からの指示は何もない」(ビジネスインサイダー1月30日上写真も)
https://www.businessinsider.jp/post-206664

このようなことが各地でひんぱんに起きるようになると、国家秩序のタガが急速に緩んでいき、中国社会の地金が現れるようになってきます。
それが石平氏がいう「本来なら国家の果たすべき役割の一部を担い、各地方や村における"小国家"のようなもの」となっているのです。
この「宗族」という伝統的地金が広範に現れるようになると、共産党自慢のデジタル監視体制ももはや形無しです。

つまり現在の中国は、武漢という工業の中心地が機能不全となったことで、国際的なサプライチェーンから切断された上に、国内的にも寸断されようとしているようです。

日本が緊急の救援機を送ったのは、こんな状況で日本人は後回しというか、そもそも門前払いになってしまっていたからです。
また何度か書いてきていますが、中国の医療体制の根本的欠陥は、戸籍制度が農村と都市に別れているために農村籍の人は都市で医療を受けられないのです。
彼らの多くは、中国全土で2億人以上いるといわれる「民工」と呼ばれる臨時雇いの下層労働者を形成していますが、重慶を中心とする湖北省全体で数百万人はいるだろうと推定されます。
彼らは病院には行かずにそこらの薬局で買った漢方薬を飲む程度でお茶を濁していますから、彼ら民工の中に重症患者が多く潜在していることは想像に難くありません。

 

この潜在的患者数がやがて出る日が来るのかどうかわかりませんが(たぶん無理でしょうが)、仮に出た場合、一気に患者数は十倍以上に膨らむはずです。
試算してみましょう。
先日書きましたが、日本のチャーター機の患者数のケースから考えると、閉鎖された環境における患者数率は1.4%です。
「閉鎖された」とあえて頭につけたのは、開放的空間では飛沫感染、接触感染は起きないか、非常に低い感染力しか示さないからです。

今の閉鎖された3000万都市の重慶や、ダイヤモンドプリンセス号などが典型的ケースです。
ダイヤモンドプリンセス号の乗員乗客は3700人、現時点での患者数は70名ですから、患者率は1.89%です。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6350740

この二つのケースの患者発生率は1.4~1.9%と近い数値をですので、あるていどの信憑性があると考えられます。
といっても統計母集団が少なすぎますので、あくまでも推定値にすぎないとお考え下さい。
このふたつの平均値を1.6%とすると、これを武漢人口の3048万人にあてはめてみると、武漢全体でおそらく48万7千人程度の患者がいるはずです。
う~ん、そんなにいるのかなというかんじですが、半分としても24万ですか。

すると皮肉なことには、患者数が膨れ上がったことで死亡率は「薄められ」て、海外の死亡率に近い0.5%前後の数字となるのではないでしょうか。

 

2020年2月 9日 (日)

日曜写真館 冬の空には縦アングルが似合います

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なにかわからないでしょうが、蓮の田んぼです

ビルの間に沈む太陽が見えます

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右にみえる舟溜まりがいそがしくなるのは早朝です

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蓮の田んぼの向こうに筑波山のツインピークスが少し見えます

 

2020年2月 8日 (土)

Keep Calm and Carry On

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今日は盛んに話題となっている渡航制限について考えてみましょう。
中国人全体の渡航を禁止とすべきだという考えがあります。気持はわかりますが、間違っていると思います。
そもそもその考え方は、水際作戦を過大に評価していて、清浄なわが国に汚染国の人間を入れるな、という発想だからです。

このような発想は周囲をぐるりと海に囲まれて、海が天然の防壁となってきた日本人特有の発想です。
わが国が初めて敵に国土を踏ませたのが1945年4月の沖縄侵攻が初めてでしたから、それまでわが国は敵によって蹂躙された経験が皆無という世界的にも珍しい国なのです。

では、今回の新型肺炎において水際防疫は有効でしょうか。
私は有効な場合と、意味がないとまではいえないが、それに頼ってはいけない、というふたつのケースがあると思います。

豚コレラや口蹄疫などの動物の海外悪性伝染病に対しては有効です。
空港などの検疫によって、水際でくい止めることがそうとうに可能だからです。
しかし今回の新型肺炎はどうでしょうか。逆に水際ではわからない場合が多いのです。
というのはまったく発熱などの症状がないためにサーモグラフィにもひっかからず、喉の痛みもないので検疫をすり抜けてしまいます。

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空港のサーモグラフィ https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1060958.html

国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長はこう述べています。

「我々が持っている新型肺炎の印象は、中国で報道されているようなおどろおどろしいイメージとは大きく乖離(かいり)している。軽い感冒(風邪)から少し重いインフルエンザまでというくらいで、どんどん人が亡くなるという印象は持っていない。
 具体的な臨床像を挙げると、ある患者は1月下旬に喉の痛みと鼻水の症状が出た。2日後に悪寒、37・1度の微熱。ウイルス検査すると陽性だった。肺炎にはなっていなかった。6日間ほど微熱が続き、本人は「だるいですね」と話していた。今は軽快している」(毎日2月5日)
https://mainichi.jp/articles/20200205/k00/00m/040/254000c

大曲氏が言うように新型肺炎において自覚症状がでるのはそうとうに悪化してからであって、鼻水、喉の痛み、37.1度ていどの微熱で陽性反応が出たケースもあるのです。
通常37度程度では職場にや学校に行ってしまうことでしょうし、当人もちょっと風邪ぎみかなというていどのはずです。
こんな例もあります。

「別の患者は、発熱翌日に受診した際は急性上気道炎と診断されて帰宅した。4日後も熱が下がらない。感冒の経過とは異なる。肺炎がないので帰したが、やはり解熱せず、3日後に再診。肺に影を認め、入院した。2日間は酸素吸入が必要な状況だったが、熱は下がり、だるさも取れた。肺炎の所見が出にくく上気道炎と見分けがつきにくいこと、感冒やインフルエンザよりも熱が長く続くということが見えてきた。」(大曲氏前掲)

ですから大曲氏は「一見、無症状の人から感染が広がることはあり得ると思う。ただ、無症状と片付けられた人の中には、喉が赤いなど実際は症状があった可能性が否定できない。思い込むと、科学的に誤る。患者さんを丹念に診ることが我々の課題だ」と慎重に話しています。

また実際に新型肺炎の患者を診察した感染症専門医の忽那賢志氏もこう述べてています。

徐々に見えてきた新型コロナウイルス感染症の重症度と潜在的な感染症数」でも書きましたが、健康な方が罹っても重症化する可能性は高くない感染症だろうと思います。ただ「だるい」という症状は強いようですし、インフルエンザと比べると症状の続く期間は長い印象ですので、仕事を休まないといけない期間は長くなるかもしれません。
この感染症が広がると、社会に与える影響は決して少なくないだろうと思いますが、健常者が罹った場合に命に関わる可能性は高くないだろうと考えます。「今よりも、インフルエンザのときの方が辛かった」とおっしゃる患者さんも実際にいらっしゃいました。
一時期「死のウイルス」のように扱われていましたが、実態が明らかになるにつれ、持病のない若い方にとっては決して怖い感染症ではないことが分かってきました。
過度に恐れず、現状を正しく認識し、こまめな手洗い、咳エチケットといった普段から個々人ができる感染予防をより丁寧に行っていきましょう」(『新型コロナウイルス感染症 実際に診た医師の印象』
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200206-00162051/

昨日の記事でも書きましたが、致死率は当初の2%から大きく落ちておそらく0.2~0.5%ていどにおさまるでしょう。
それも既往症があって抵抗力が弱まっている人や高齢者が中心です。

重慶のように若年層がかかってしまうのは、閉鎖された環境だからです。

重慶の封鎖は遅れただけではなく、やるなら中国の医療リソースを全力投入する準備をしてから都市閉鎖に踏み込むべきだったのです。
それを怠って、医療機関が完全なキャパオーバーになってから大都市を閉鎖すればああなって当然です。
これはわが国の場合とはかけ離れています。

肺炎はなく通常の重いインフルエンザに近く、それが故に現時点では水際作戦ではほとんどブロックできないというとです。

もちろんやらないよりやったほうがましですし、ウィルスキャリヤーを一定の篩にかけることができますから水際作戦を止めろなどと無茶は言いませんが、限界があるということです。
それを知った上で、入られてしまった場合どうするのか、いや既に一定規模のウィルスキャリヤーの人が入国しているということを前提にして対策を立てるべきなのです。
だとしても昨日のコメントで現役医師のプーさんも書かれていたとおりで、パニックになる必要はまったくありません。

「病床数ですが、厚労省のデータで、
file:///C:/Users/CQD00/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/XJB2JW5Y/1809kekka.pdf
があり、「一般病床」数の1-「稼働率」で、15万床くらいのキャパシティはあります。
カーテンで仕切る、酸素投与と輸液、という殆どの患者さんを治せる治療は日本なら全ての病院で可能です。
重症化した場合の人工呼吸器の数は病院によって差がありますが、いざとなれば医療機器会社からリース出来るので、気にする必要はありません」

現状で重いインフルエンザていどの脅威度の新型肺炎で、流行国から渡航制限するというのは大事をとっているからです。
重慶と湖北省全域、そして都市閉鎖したその他の都市程度からの渡航制限で有効な対策たりえます。

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米国は中国全土からの渡航禁止措置をしていますが、あれは米国が国内に膨大な不法移民層を抱え込んでいるからで、彼らは国籍はおろか滞在許可証すらない「いないはずの人々」なのです。
かれらの多くは底辺労働者で、密集して同じ故郷の人たちでコロニーを作ってしまうことが多く、潜在的なウィルスの温床となりえます。
このような温床を抱え混む国内構造があるために米国は過剰な措置を取ったのです。

日本は落ち着いて対処すればよいのです。
先日書いた英国がバトルオブブリテンを戦った時の標語で締めくくります。

Keep Calm and Carry On
平静を保ち、普段どおりに生きよう

 

 

2020年2月 7日 (金)

中国政府の初動失敗の原因は自らの情報隠蔽にあった

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新型肺炎はいっそう拡大し、混迷するようにみえますが、落ち着いて下さい。
いままで海面下に沈んでいた氷山が急激に浮上してきただけなのです。

・2月7日現時点の中国政府公式の患者数と死亡数
・感染者数・・・3万1161人
・死亡数・・・636人

流されているイメージだと、武漢ではバタバタと人が死んで、中国全土に拡大し、それどころか国境をまたいでわが国にも来るぞ、いやもう横浜港のクルーズ船には大量のウィルスキャリヤーがぁ、日本も世界も滅亡だぁ、とまぁこういうかんじですかね。(百田さん、突っ走りすぎですよ)
これに関しては、今回メディアよりSNSのほうが騒ぎすぎです。SNSはその性格上未確認情報を拾ってしまうので、感染拡大期には拡声器の役割をしてしまいがちです。

たとえば、バタバタ死ぬといったイメージは毎日中国での死亡数が積み上がっていくからそう見えるのであって、死亡率の分母は患者数、分子は死亡数のことをお忘れなく。
つまり患者数が増えれば増えるほど、死亡率は逆にどんどんと低下する一方なのです。
おそらく初期に言われていたような死亡率2%ではなく、SARSよりはるかに低いコンマ以下にまで落ちると思われます。

武漢からは正確な数字を期待できません。それは武漢のすべての病院が対処能力をとうに超えてしまっているからで、カウント不可能だからです。
かろうじて正しいのは重体患者数だけで、症状が軽い者は簡単な熱さましていどの薬を貰って帰るくらいな治療しかおこなわれないために、統計数字に出てきません。

新しく突貫工事で作った新型肺炎専門病院も1000床くらいでは焼け石に水です。
下の写真は体育館改造の「隔離施設」ですが、患者は避難民よろしく寝かされているようですが、これを「病院」と呼ぶかね。

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https://mainichi.jp/articles/20200205/k00/00m/030/...

「武漢市の感染者数は5日の発表で8351人(死者362人)、連日1000人を超えるペースで増えている。そのほかにも隔離が必要な「感染の疑いがある患者」が存在するが、市当局は人数を公表していない。
武漢市当局の4日時点のまとめでは、新型肺炎に対応する指定病院27カ所の8204床のうち、空きベッドは300床だけだ」(毎日2月5日)

毎日患者が増加しているので、どの時点で切るのか迷いますが、明確な感染率を知るケースとして武漢から日本への帰国者の感染率は29日のチャーター機で帰国した搭乗者206人のうち3人が新型コロナウイルスに感染していましたから、感染率1.46%です。
これを武漢の人口1400万人に置き換えると約20万人となります。
すると、中国の患者数は今の発表の10倍以上、10万から14、5万人とみるのが適当でしょう。

これだけ患者数が増えた理由は、ひとつには検査態勢が追いついてきたことです。
中国も検査態勢を強化したようで、今後日本や中国で簡易検査キットが大量に投入されれば、いっそう患者数は増大することでしょう。
流布されたデマに、武漢に入った軍兵士にワクチンを接種して投入していたなどというヨタ話がありますが、現況は新型コロナウィルスを分離できたばかりで、どうしてワクチンができるのか不思議です。
簡易検査キットもできていないのにワクチンだけあるわけがないでしょう。
ワクチンはこれから作っても今年の夏以降になります。

「厚生労働省は24日、中国を中心に感染が広がる新型コロナウイルスのワクチン開発を促すため、日本やノルウェーなどが出資する「感染症流行対策イノベーション連合」(CEPI)が、豪クイーンズランド大学や米ベンチャー企業など高いワクチン開発技術を持つ3者とパートナーシップを締結したことを公表した。同ウイルスに対するワクチン開発の動きは初めて。低中所得国でもアクセスできるワクチンの迅速な供給を目指す。厚労省は「今夏にも最初の臨床試験実施を目指したい」との考えを示している」(薬事新報 1月27日)

ふたつめは、毎度のことですが、中国政府の意図的な初期の情報隠蔽が祟ったのです。

「【北京共同】新華社電によると、中国共産党習近平総書記(国家主席)ら党最高指導部は3日、新型コロナウイルスによる肺炎に関する会議を開き、感染症対応に誤りがあったことを認めた。指導部が誤りを認めるのは異例。初動対応の遅れに対する国民の強い不満を無視できなくなったとみられる。
 会議は、肺炎は「中国の統治能力にとって大きな試練となり、一連の対応で至らない部分が明るみに出た」との認識を打ち出した」(共同2月3日)https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020020301002732.html

共産党は日本も中国も一緒ですが、間違っていても絶対に謝りません。無謬性こそが共産党の権威だと思い込んでいるからですが、こんなことをいまになって習が認めざるをえなくなるということは、感染初期の武漢ではよほどの情報隠蔽があり、今は謝罪せねばならないくらい手がつけられないということの証拠です。

「武漢では1月20日の国務院会議で、中央の号令が出るまで、ほとんどまともな対策を講じておらず、それどころか、情報統制、情報隠蔽の方に精力を注いできた」(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)NO.56 2020年2月3日)

たとえば感染初期に武漢で新型肺炎の治療に当たっていた地元医師がネットで情報を流したところ、それをリツイートした医者8名が拘束される事件が起きています。
この地元医師の李文亮は去年の暮れからこの「原因不明の肺炎」はSARSではなく新しいタイプだという疑いをツイートしていました。

「12月30日、微信の大学同窓生グループチャットで華南海鮮市場に関係する7人の肺炎患者が“SARSである”という事実ではない発信をしたという。武漢警察はこの行為を深刻な社会秩序擾乱容疑だとする訓戒書をだした」(福島前掲)

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なお李医師は7日、治療中に感染し死亡しました。享年34歳でした。ご冥福をお祈りします。

これが「デマの流布による社会秩序攪乱」に当たるというわけですが、公安当局が市民のツイートまでフィルタリングしていたこともわかりますが、疑いを医学的検地から述べただけで御用というわけで、これでは初動が遅れて当然です。
この李医師が疑問に思った12月末の時点で、検査をかけていればこんな国家を揺るがすような一大事にならなかったものを。

しかしその時既に感染は開始されていました。12月8日は武漢で既に「原因不明の肺炎」が発生しているのです。

「中国の検索サイトで調べると「2019年12月8日に武漢市は原因不明のウイルス性肺炎に感染した患者を初めて確認した。その後も原因不明の肺炎の症例は増えている」とする中国メディアの報道が確認できる。結果的にこの症例が新型のコロナウイルスによるものだったかはわからないが、少なくとも12月8日に湖北省の武漢で「原因不明の肺炎」症例が確認されていたことがわかる」
(垣田友彦FNNプライム1月29日下写真も)
https://www.fnn.jp/posts/00050021HDK/202001290640_reporter_HDK                    

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習がやっと重い腰を上げたのが、1月20日です。発生は12月8日前後ですから、既に40日以上経過しています。
信じられないような遅れです。ここまでズレこんで、事態に手がつけられなくなってようやく、「感染まん延の断固阻止」や「社会安定の維持」を求める「重要指示」を出しているわけですから、呆れます。
完全な人災です。

「初の死亡例が発表されるのは1月11日だが、13日にはタイで、16日には日本で中国人の感染が確認された。「タイや日本で確認されているのに武漢以外の中国各地で感染の報告がないのはおかしい」という疑念の声が中国版ツイッター「微博」などインターネット交流サイト(SNS)で相次ぐ中、やはり20日になって武漢以外で初の感染者が北京市と広東省で発生したと公表された。武漢の空港、鉄道駅などで体温チェックを始めるのは19日からと遅く、市政府が何も予防措置を取らない間に、武漢から各地にウイルスは拡散した可能性が高い」(時事1月25日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020012400797&g=int

整理してみます。

・12月8日、武漢で「原因不明の肺炎」発生
・12月30日、李医師「新型肺炎」の疑いとツイートし拘束
・1月11日、初の死亡例発生
・1月13日、タイで発生
・1月16日、日本で発生
・1月19日、武漢で検査始まる
・1月20日、北京で発生
・1月20日、「感染蔓延阻止の断固たる措置」発動

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この流れを受けて、初期の情報隠蔽の責任者であるはずの武漢市長・周先旺までもこんなことを言い出す始末です。

「1月29日のCCTVのインタビュー番組で、情報開示が遅れたという事実上の隠蔽を認めたうえで、「(感染症については)中央の指示があってやっと情報開示できる」とのべて、情報開示が遅れたのは中央のせい、と言わんばかりの発言をしていた」(福島前掲)

そもそもこの周という男は、習の足でもなめかねないような人物で、薄熙来(はくきらい)を粛清した後に武漢市長にしてもらった恩義があります。
この周がこの40日間にしたことといえば、ひたすら情報統制・情報隠蔽に奔走しただけだったのでした。
なにも対策らしい対策をせずに、初めて駅頭や空港で体温検査を開始したのが1月19日です。これもおおかた習にケツを蹴られてしたのでしょう。
まさに無能を絵にしたような男です。無能なヒラメを危機的状況にリーダーにしてはいけません。

しかし今やこんな習チルドレンすら、ここまで来て「情報統制は上から命令されていたんだ」とは泣かせます。
習の権力基盤が大きく崩壊しようとしているから、こんなことも言えるのでしょうが、彼も長くはなさそうです。

とまれこの対策の空白期間40日の間に、武漢から中国全土や世界にウイルスが拡散していったことはまちがいありません。
中国はSARSの失敗からなにひとつ学んでいなかったということになります。

 

2020年2月 6日 (木)

沖縄豚コレラ再発、県の責任は逃げようがないが、それだけではない

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この時期をはずすとそのままフェードしてしまいそうなので、豚コレラ再発問題を続けることにします。
宮崎口蹄疫を体験した現役獣医師である「一宮崎人」さんからこのようなコメントを頂戴しました。

「口蹄疫禍の時、何故あんなに感染が拡大したのだろう?と言われていました。様々原因があるのは事実ですが、一番大きい要因は人の往来だったような気fがします。発生当初、皆にあまり緊張感がない時には、言い方が悪いですが、野次馬的防疫業務従事者も多かったのではないかと?いわゆる近所の同業者が善意で防疫業務に携わることで、ウイルスを拡散していいた可能性があります」

見立てどおりだと思います。おそらく感染拡大の最大の原因であるヒトの移動を安易に認めたために起きたとかんがえるのがもっとも合理的です。
おもいだしたのですが、宮崎では震源地の川南を中心として「戒厳令」状態を敷きました。
畜産地域から離れた街まで真っ白い消毒剤が撒かれていました。食堂の前に消毒剤、スーパーの前にも踏み込み槽。
川南だけではなく、全県あげて東部地域で封じ込める、これ以上拡げないという協力態勢が作られていました。

東国原知事が非常事態宣言を出して警戒を全県民レベルまで拡げたことは評価できます。
問題の多い知事でしたが、姿が見えないデニー氏とは同じポピュリズム政治家でもひと味違いました。
だから終息宣言を出したときには、連帯感と達成感を県民全体で共有することが出来ました。

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https://www.pref.miyazaki.lg.jp/shinsei-kachikuboe...

比較するのは気の毒な面もありますが、今回、沖縄では県民一般はどこまで豚コレラに関心を持っていたのかさえも疑問です。
原因もわからずなんとなく始まり、なんとなく終わり、が故になんとなくまた再発しているような気さえします。

ご指摘のように、発生農場への善意の防疫参加やお見舞いなどでヒトの行き来があったのだと思います。
家保が少なくとも制限区域内農場に関しては消毒には限界が残るということを厳重に農家に伝え、不要不急な相互訪問に制限をかけるべきでした。
法的根拠がありませんが、そのくらいしないと面の制圧できません。

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宮崎口蹄疫
https://www.sankei.com/region/news/181011/rgn1810110017-n1.html

山路さんによれば「県はハトなどの野生動物の侵入もあるので、出来るだけ早い時期に全面的に設置するように指導していた」そうですが、ハトの侵入と防鳥ネットの不備ですって、県はそんな馬鹿なことを言っているのですか、呆れたもんです。
防鳥ネットはわが農場でもつけていますが、それは霞ヶ浦が渡り鳥の留地だからで、ネットはあくまでもその対策なのです。
ひるがえって今回の発生が渡り鳥とどんな関係があるのでしょうか。全く関係ありません。
そもそも豚コレラにおいて、野鳥類はウィルスキャリヤーとは疑われていないのです。
ハトまで言い出したら、次はウィルスキャリヤーの野生イノシシの糞についたハエが飛んで来て豚に接触したのだ、いや蚊だノミだってアブナイ、というようにどんどん妄想はエスカレートしていくことでしょう。

あくまでも感染拡大の最大原因は我ら人間です。
新型肺炎も原理は一緒ですが、ヒトは自分の移動に伴って、ウィルスの付着した着衣や靴といったモノを移動させ、自身も手で触ってしまいます。
ここから2次感染が起きます。
ヒトによる感染拡大に較べれば、野生鳥類による感染拡大のリスクなど何万分の一にすぎません。

野生動物に安易に原因を求める言い分は、ヒトの責任から目を逸らせる言い逃れにすぎません。
そんなあるかないか空想的なことに原因を求めるのではなく、移動制限区域で再発したことを重く見るべきです。

ですからハトなどをどうのこうのと言うより前に、まずは素直に発生動向調査の失敗、消毒作業の不徹底、発生後の移動制限区域内のヒト・モノの移動を疑うべきです。
しかしそれをすると県の責任が浮上しますから、だから目くらましのように野鳥原因説をいうのかもしれません。
いまからそんなところに落とし所を探っているようでは、また再発するでしょう。

県は責任の所在を明らかにして、原因究明を進めねばなりません。
その基本姿勢が首里城炎上事件でもグラグラですから、これがデニー県政の体質だとおもうしかありません。
デニー氏はヒダリだミギだという「高級な」問題以前に、責任をかぶって決められないこと、そして同じことの表裏ですが、なにか起きた場合の責任逃れ体質が染みついた人のようです。

世界を見渡せば、デニー氏は隣の国のムン閣下によく似ています。
頭の中身というよりその行動様式です。
腰が定まらず右往左往したあげく時間ばかり空費させ、自己解決不能にさせてしまったあげく最後はグダグダにして乗り切るというパターンです。

ただしあえて県を弁護するなら、海外悪性伝染病がいったん発生した場合、家伝法どおりにその防疫を県に一任すること自体に無理があります。
限られた予算、限られた人的リソースの地方行政に、徹底した面のサーベイランスや万単位の大型家畜の殺処分はそもそも無理です。
ましてやてワクチン接種までやらせようとするから、防疫のイロハのイの発生動向調査が手抜かりとなるのです。

ですから「一宮崎人」さんがこう述べておられるのは、まったくそのとおりなのです。

「(宮崎口蹄疫時には)国が第一線に出てきて、防疫業務の動線をきっちり区分し、畜産関係者の安易な移動を制限することで、ウイルスの拡散にブレーキをかけ、最終的にはワクチン接種により食い止める事ができました」

今回、県は自衛隊の総括にもあるように現場での統制すら満足にできず、自分らは夕方定時で引き上げてしまったと発生農家はツイートしています。
移動制限区域で食い止めないと全県に及び、野生イノシシに入れば半永久的に豚コレラウィルスが常在化してしまうという危機意識がなかったとしか思えません。

ただしそれは現行家伝法が、防疫の対処の決定権を県に与えてしまうかの如き書き方をしているからです。
かつての宮崎口蹄疫によって家伝法が一部改訂されました。
しかしあれだけ大規模な畜産災害だったにかかわらず、県知事による国の防疫方針に対する抵抗といった点まで修正が及びませんでした。
実は国と県の権限の切り分けと整理こそが、家伝法改訂のポイントでなければならなかったはずでした。

今回の豚コレラの連続発生と再発を教訓にして、発生後の防疫作業を地方行政に委任することを止めて、国が前面に出た防疫体制に切り換えるべきときです。
昨日書いた自衛隊の安易な利用も、ここから直して行かねばならないのです。

 

2020年2月 5日 (水)

沖縄で豚コレラまた再発

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新型肺炎の影に隠れて本土ではまったく注意を引いていませんから、アップしておきます。
沖縄でまた豚コレラが出ました。絶対に根絶していないはずだと思っていましたが、案の定です。

沖縄県沖縄市の農場でCSF(豚コレラ)が発生した、と県が2日、発表した。県内5例目で、新たな発生は1月15日以来。3例目の農場から約200メートルの場所で、豚の移動が制限されていた区域内にあり、県と農林水産省が感染経路を調べる。飼育している1857頭は殺処分する。
 県によると、1月31日と2月1日に各1頭が死に、そのほか10頭に発熱や食欲不振の症状があることから、遺伝子検査などをした結果、陽性だった。1月11日の検査では陰性とされていた。県は感染拡大を防ぐため、今月中旬までにワクチンの接種を始める考えだ」(朝日2月2日)
https://www.asahi.com/articles/ASN225CXMN22TPOB001.html

あえていいますが、ありえません。
今回の第5例は沖縄市の移動制限区域内、いわば、城の内堀の中です。絶対に再発が起きてはならない場所です。

「先月8日の発生から1週間の間に、うるま市と沖縄市にある5つの農場で感染が確認されました。それ以来およそ3週間ぶりとなる豚コレラの発生。新たに発生した農場は、先月10日に感染がわかった農場から、わずか200mの場所でした」(琉球朝日2月3日 下写真も)
https://www.qab.co.jp/news/20200203122911.html

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初発の農場からわずか200m、目と鼻の距離です。こんな場所は徹底的に虱潰しで発生動向調査をしていなければなりません。
沖縄県家保なにをしていたんだ!まじめにやったのか。
常識的には、定められたサーべイランスやって、その後に徹底した消毒と殺処分をしていなければなりませんから、初発から手の届く距離で再発が起きる道理がありません。

ということは、サーベイランスと消毒が極めて杜撰になされていたと思われても致し方ありません。
仲村畜産課長はこのように述べています。

「この農場では先月11日に検査が行われ、「陰性」でした。県内では感染拡大の防止のため、ワクチン接種に向け動き出していました」(琉球朝日前掲)

失礼を承知であえて言いますが、ほんとかよ、と疑いたくなります。何検体調べたのですか。
私はトリインフル発生時のサーべ イランスの模様を実際に見ていますが、まさに重箱の隅をつつくように徹底した検査がなされます。
畜舎はありとあらゆる場所をこれでもかというほど検査され、さらには作業場、母屋の土間まで調べ上げていきます。

これだけやって「陰性」なら信じましょう。
しかし、そののちに1カ月もたたないうちにまたまた発症した以上、手抜かりがあったとしか思えません。
家保と県畜産課は「陰性」であったことに安堵してしまって、畜舎は勿論のこと、作業着・長靴にいたるまで徹底した消毒を指導していなかったのです。
いえ指導しました、と行政は言うでしょうが、ならば現実に再び出ててしまった、しかも初発の真横で出たという衝撃的事実をどう言い訳するのでしょうか。

「沖縄市は新たな感染を防ぐため、全ての農家に消石灰を配布するなど、対策に努めていたさなかだった。市の担当者は「すでに発生した農家への支援策を検討していたところだった。これ以上長期化すると、職員も持たない」と嘆いた」(沖タイ2月3日)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/529958

現場で苦闘する県や市の職員には敬意を評しますが、杜撰な仕事をした結果、元の木阿弥となったと思って下さい。
「これ以上長期化すると持たない」と本心から言いたいのは県の職員ではありません。
畜産農家、あるいは自衛隊員なのです。

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https://anonymous-post.mobi/archives/18087

自衛隊など、本来はこんな畜産の殺処分に安易に借り出すべき職種ではありません。
そもそもこんなことは農水省管轄なのですから、本省から暇な役人を総ざらいして連れて来るなり、家保を全国動員して対処すべきです。
それを便利屋よろしく、いつもは冷遇しているくせに困ったとなると電話一本で自衛隊にすがります。
自衛隊は実に延べ6538人(1月29日現在)を派遣し、実に24時間体制で殺処分という汚れ仕事を引き受けたのです。

#うるま市 の養豚農場において、#自衛隊 は約330名をもって24時間態勢(8コ小隊により6時間交代)で、豚の処分の支援等を実施中です。
本日9時時点で、合計約9,000頭中約8,110頭処分済み。#CSF #豚コレラ #沖縄県 pic.twitter.com/C6dmOVxuTI
— 防衛省・自衛隊(災害対策) (@ModJapan_saigai) January 16, 2020」

本来殺処分の主体となるべき県職員の何倍となるのでしょうか。
にもかかわらず、県は自衛隊との調整業務すら満足にできず、地元紙に至っては自衛隊員を「作業員」と書いて恥じません。

自衛隊はこう総括しています。

「対処部隊長で第15高射特科連隊長の内村直樹1等陸佐は、県側との調整を円滑にするため、前進拠点に県の現地調整所を設置することを要望。 現地で指導する県のチームリーダーが日々交代したため「防疫の細部実施要領が時折変化し、混乱する場面が見られた」と指摘し、要領のマニュアル化や全国的に統一することを提案した。
 陸自は延べ6536人を派遣し、殺処分や汚染物品処理、輸送支援などをした」(沖タイ1月29日)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/527954

さて仲村課長は原因についてこのように述べています。

「飼養衛生管理基準については、特段、問題がある農場ではないという報告は受けております。エサに関しても一般的な配合飼料等のエサを使われているということです。」(琉球朝日前掲)

課長の言うことを信じれば、配合飼料を使っていた以上、本土からのウィルスが混入した残飯が原因とは考えられません。
となると感染経路は、ヒトが持ち込んだのか、あるいは出荷場、堆肥場を共有していたかのふたとおりしか考えようがなくなります。
おそらくは初発の隣ですから、ヒトの行き来はあったでしょうが、それについて家保は何を調べたのでしょうか。
この第5例の調査においてヒトの動線の確認が徹底していたならば、作業着や長靴などは焼却しろとまでは言いませんが(実際、そこまでした農家も本土にはあります)、消毒液に漬けておくくらいの警戒心を持たねばなりません。

いいですか、豚コレラウィルスはありとあらゆるヒト・モノに付着して移動するのです。
ウィルスの付着した長靴の足跡を踏めば、そこから感染は拡大します。
屠場を初発と共有していたなら、屠場は絶好の感染ハブとなります。
糞尿などは絶好の温床ですから、もし第5例が堆肥場を共有していたりしたならてきめんです。

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県畜産課・仲村敏課長

これらについて情報は今の時点ではありませんが、もしあるなら県畜産課と家保はこれらの場所をいったん使用停止にして、再度徹底した防疫対策を取るべきです。

また緊急ワクチンについてですが、未確認ですがどうやら第5例はしていなかったようです。

「Q:今回の新たな発生でワクチン接種のスケジュールが後ろ倒しになる可能性はあるのか?
長嶺豊・農林水産部長「今、発生をしていない北部・中部という形ですので、そういう所から打ち始めるという考え方自体は変わっておりませんので、特にスケジュール的に後ろになるということには影響しないと思います。」
現在、プログラムの策定が進められているワクチン接種は、早ければ今月中旬にも始まります。

「後ろ倒しになるか」ですって?何を寝ぼけたことを聞いているのか、メディア。
後ろ倒しどころか、ただちに前倒しにしてワクチン接種をするべきです。
そもそも、まずは移動制限区域内だけでも緊急ワクチンをしていれば、第5例は防げた可能性が高いのです。

このようなワクチンの遅れを招いたのは、「緊急時にはまず会議をして緊急かどうかを討議してじっくりと決める」というデニー知事にすべての責任があります。
デニー氏の腰が軽いのはロックフェスとシンポだけです。
緊急時の無能は罪悪です。
その意味であの人物ほど知事にしてはいけない人も珍しいのではないでしょうか。

残念ですが、こういったことが起きてしまった以上、また第6例,、第7例と続くと思われます。
このようなことが続いた以上、今後の課題として、沖縄畜産への支援はただの経営支援にとどまらず、シャワーイン・シャワーアウトの設置といった本土畜産が取り入れている先進的な防疫体制を導入すべき時期に来ていると思います。

 

 

2020年2月 4日 (火)

生物兵器の可能性再論

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「アホンダラ1号」さんから面白いコメントを頂戴しました。いつもながら鋭い。

「ハードに攻めたいがロケットが飛んでくるとコワイ。そこで中共が考えたのが、野生動物のコロナウイルスに激似の弱性のコロナウイルスです。もし北朝鮮へ撒かれれば、慢性的栄養失調状態で医療施設もヒン弱な国は罹患者にあふれ、あっという間に内部崩壊に追い込まれてしまいます。そこへ中共がメシアとして、北朝鮮国民の前に現れて、困窮で病床に伏せる民衆を助けるのです。楽浪郡の復活です」

なるほどねぇ。そうきたか。ありえないことではないですね。説明を追加します。
今回の生物兵器流出説ですが、私は記事では無用な煽りをさけるために否定的に書いています。
それはこの流出説が、船山コウモリのコロナウィルスと新型コロナウィルスが異なるという前提に立って生物兵器が流出したと決めつけているからです。
そもそもこの両者が異なり、今回の新型ウィルスが兵器だという科学的根拠は希薄です。
ですから立論の根拠が脆弱なので、今回はデマだと断定しました。

ただし、です。ここからが本題ですが、一般論としては今回のような新型コロナウィルスを兵器として使用することはありえるのですから困ったもんです。
生物生物兵器は記事にも書きましたが侵攻用兵器としては「使えない兵器」です。あんなもん使ったら、自分らの作戦遂行も困難になるし、よしんば勝ってもその後の民政の後始末が大変です。

たしかに平時における経済・社会攪乱兵器としてかんがえた場合、生物兵器はなんともエグイ兵器ではあります。
軍事力の撃滅ではなく、ジワ~と効いてきて経済・社会をメチャクチャにするホディブローのようなものだからです。
しかも攻撃したことが分かりにくいんですから、始末に負えません。

ですからおっしゃるような「野生のコロナウィルスに近似した生物兵器」が存在するかどうかはわかりませんが、ないとは言いきれないのです。
悪魔的にも、あえて弱毒させたウィルスを野生生物に仕込んで散布したとしたら、これは効きます。
もちろん野生動物だけではなく、感染したヒトが歩き回ってたんや唾を吐き、大便をしてくるだけでウィルスはまき散らされます。
あ、そうそう、大便にも新型肺炎ウィルスは生存しますからね。
新型肺炎だけではなく、口蹄疫でも豚コレラでも靴にウィルスを浸して、相手国を歩き回るだけで充分に効果をあらわします。
エボラなんか持ち込まれたら、国が滅亡しかねません。

仮に西アフリカのエボラ発生国のイスラム原理主義者にウィルスキャリヤーがいた場合、この人物を自爆テロリストに仕立て上げて米本土を歩き回るだけで、米国は甚大な医療リソースで対抗せねばならなくなります。
米国は先進国でありながら、公衆衛生レベルにおいてはまだまだ劣悪で、特に市民権すら持たない不法難民階層は医療保健がないために医療サービスを受けられない場合があります。
彼らはウィルスの温床になるでしょう。
同じようにアフリカ豚コレラのウィルスキャリヤーを上陸させようものなら、世界最大の米国畜産に大打撃を与えることができます。

ましてや北朝鮮の場合、さらに赤子の手をひねるようなもので、新型肺炎の場合おそらくその感染力の高さからいってたちまち全土を席巻されます。
劣悪な医療こそコロナウィルスが大好きな温床ですから、なにかと集団化が好きなあの国はうってつけの温床です。
特に集団生活をしている兵営は悲惨なことになって、軍隊は内側から崩壊の淵に追い込まれます。
そうした場合、いくら下々が何人餓死しようが知ったことではないというのが経営方針の三代目も、放置しておくわけにはいかないでしょう。
それがよく分かっているから、慌てて自分の生命線であるはずの中朝国境を閉鎖したのです。

これが口蹄疫やトリインフル、豚コレラなどの家畜伝染病だった場合は、防疫などないに等しい国で、しかも患畜はもったいないから食ってしまうような国ですから、推してしるべしです。

実はこのような「平時の生物兵器攻撃」を米国は真剣に想定しています。
そのために米国疾病感染症センター (CDC) があるといってもいいくらいです。
CDCは世界最強の感染症防疫機関ですが、彼らはヒト感染症、家畜感染症の区別をおいていません、一括してここが扱います。
さらに国防総省とも繋がっています。

よくマスコミはCDCを「日本の国立感染症研究所のようなもの」と解説していますが、違いをまったくわかっていません。
他国の伝染病研究機関とDCDか決定的に異なるのは、CDCが生物兵器の攻撃も想定している「準軍事的」色彩を持っているからです。 
CDCに与えられた任務は、一般的な伝染病制御だけではなく、米国に対する生物兵器の攻撃を防御することです。それは冷戦期から一貫して変わりません。

冷戦期に米国は、旧ソ連に対抗してみずからも生物兵器を保持し、逆に旧ソ連の生物兵器の攻撃を恐れてABC(核・生物・化学兵器)防護を準備していました。
その「槍」に当たるのが、陸軍感染症医学研究所(フォートデリック)で、「楯」に当たるのがCDCというわけです。

Cdc

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n1776...

たとえば2014年10月のエボラウイルス発生時に、CDCは大規模な医療調査団を派遣しました。しかも3000名の陸軍の護衛つきです。
彼らは感染現場まで踏み込み、医療行為だけではなくウィルスのサンプルを多く持ち帰りました。
ちなみに、
WHOの「国際公務員」らは、発生国の首都の空調の効いた官庁の一室に常駐して、各国の関係官とデータを収集するだけが仕事です。
ホント役立たずのお役人さん、それがWHOです。

伝染病の修羅に踏み込むのはいつも「国境なき医師団」とCDCだけです。
それはエ
ボラウイルスの患者の血を浴びかねない医療現場に出向いて、治療行為や医療支援に携わるのは、自前のロジスティクスを持つ米国CDC(疾病対策センター)や「国境なき医師団」でなければ勤まらないからです。

さて、CDCが伝染病の専門的知見について他国に追随を許さないのには理由があります。 
それはエボラに見られたように、世界でもっとも多くのウイルスサンプルをストックし、多くの遺伝子解析をおこなっている実績があるからです。 
だから絶滅が確認された天然痘ウィルスさえも保管しているのは、ロシア以外にはCDCだけです。
エボラ出血熱のゲノム解析に成功したのもCDCで、07年に特許を申請(取得は12年)し、各国の研究機関はCDCから提供されたデータを基にして研究しています。

「本センターより勧告される文書は、非常に多くの文献やデータの収集結果を元に作成・発表されるため、世界共通ルール(世界標準)とみなされるほどの影響力を持ち、実際に日本やイギリス等でも参照・活用されている。
極端に致死率の高いバイオセーフティーレベル4(BSL-4)に対応できるのは、レベル4実験室(P4、BSL-4、PC4、MCLなどとも呼ばれる)だけで、CDCにあるものがそのひとつである」(ウィキ)

このようにCDCが生物兵器防御という「もうひとつの顔」をもつのは、生物兵器で攻撃をうける可能性があると考えているからで、家畜伝染病もまた国家と社会を混乱に陥れると考えているからです。

中国も今回の新型肺炎を、生物兵器攻撃の可能性があると考えていてもおかしくはありません。
自分らがいつもは仕掛ける側ですから、仕掛けられたケースも想定していたと思います。
それが記事でも紹介しましたが、この中国陸軍将官の台詞です。

「SARS(重症急性呼吸器症候群)が世界的に大流行したとき、東京に駐在していた中国人民解放軍のR国防武官(陸軍少将)が発したひと言です。SARSは中国に対する生物戦(生物兵器を使った戦争)だ」(福島香織)

今回中国は小規模なウィルス攻撃を仕掛けられたと判断していたのかもしれません。
だからひそかに始末しようとして初期の情報を隠蔽し、初動の遅れを招きました。
そしていまになって異例の謝罪をする始末です。

「【北京共同】新華社電によると、中国共産党習近平総書記(国家主席)ら党最高指導部は3日、新型コロナウイルスによる肺炎に関する会議を開き、感染症対応に誤りがあったことを認めた。指導部が誤りを認めるのは異例。初動対応の遅れに対する国民の強い不満を無視できなくなったとみられる。
会議は、肺炎は「中国の統治能力にとって大きな試練となり、一連の対応で至らない部分が明るみに出た」との認識を打ち出した」(共同2月3日)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200203-00000180-kyodonews-soci


いずれにしても中国には探られると痛い腹があり、北朝鮮に使うかどうかは別として生物兵器を準備しているのもまた事実です。
そういうことを考えているのが「普通の大国」であって、まったく考えていないわが国のほうが例外的存在なのです。

 

 

2020年2月 3日 (月)

新型肺炎、SARSを超える速度で拡散

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新型肺炎の患者数が急激に増加し、1万人の大台に乗りました。死亡者は300人を超えました。

「中国の保健当局、国家衛生健康委員会は2日、新型のコロナウイルスに感染して死亡した人の数が、1日の発表から新たに湖北省で45人増えて、304人になったと発表しました。
また、患者の数は、2590人増えて1万4380人となり、中国だけで1万4000人を超えました。
このうち症状の重い人は2110人に上っています。
このほか、中国以外では、これまでに26の国と地域で170人の感染者が確認されています」(NHK2月2日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200202/k10012269291000.html

■患者数1月20日から2月1日現在までの推移 
1月20日 278
1月21日 326
1月22日 547
1月23日 639
1月24日 916
1月25日 2000
1月26日 2700
1月27日 4400
1月28日 6000
1月29日 7700
1月30日 9700
2月1日  1万4380

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■拡散状況
Total Confirmed
14,628
■国別拡散状況
Confirmed Cases by Country/Region
14,451 Mainland China
20 Japan
19 Thailand
18 Singapore
15 South Korea
14 Hong Kong
12 Australia
10 Taiwan
8 Germany
8 Macau
8 US
8 Malaysia
6 France
6 Vietnam
5 United Arab Emirates
4 Canada
2 Italy
2 Russia
2 Philippines
2 India
2 UK

http://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
Johns Hopkins Enterprise Authentication - Stale Request

患者数の推移をみると、SARS時のものより急激に上昇しているのがわかります。
武漢を封鎖したにもかかわらず(遅すぎましたが)、武漢から離れた温州市も封鎖されました。

「武漢から遠く離れた温州も都市封鎖、買い出しは「2日に1度 各世帯1人」中国
【AFP=時事】中国東部・浙江(Zhejiang)省温州(Wenzhou)市は2日、住民の移動を制限し、道路を封鎖した。新型コロナウイルスの感染拡大の中心地である中部・湖北(Hubei)省武漢(Wuhan)に次いで思い切った措置となる。
人口900万人を抱える温州市の当局によると、生活必需品の買い出しのための外出は、2日に1度、各世帯1人に限り許可される。また、高速道路の料金所46か所も封鎖された。
 浙江省は湖北省に次いで新型コロナウイルスの感染者が多い省で、これまでに661人が確認されている。うち265人は、武漢から道路距離で800キロ超離れている温州で確認された」(2月2日AFP9)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200202-00000024-jij_afp-int


患者数の推移をグラフにしたものが下図です。

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感染症において、致死率と感染力は反比例の関係です。
新型肺炎は感染力は高いですが、致死率は低いようです。
中国でまた発生したH5N1型のトリインフルエンザは、感染力は低いですが致死率は高く、感染すると4割は死ぬと言われています。
このように感染力の高さと死亡させる力は相反するようです。
いずれも高い感染症は現在みつかっていません。
この経験則からいえは、新型肺炎の急激な感染拡大は致死率は低く、医療インフラがしっかりしてさえいれば死亡に至ることは稀だということです。

現時点では 患者全体の6割超が湖北省から出ています。


「中国の保健当局が発表した、1日までに確認された患者数、合わせて1万4380人の地域別の内訳は、湖北省が全体のおよそ63%に当たる9074人となっています」(NHK2月2日)
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■中国本土発生地域別患者数
・浙江省・・・661人
・広東省・・・604人
・浙江省温州市・・661人
・河南省・・・493人
・湖南省・・・463人
・広東省・・・436人
・香港    ・・・12人
※中国のすべての省と自治区、直轄市で感染が確認されている。
新型肺炎は湖北省で1000人単位、隣接地域で100人単位、その外側では10人単位の患者数を出していることがわかります。
言い換えれば、湖北省からの人をブロックすれば、今回の新型肺炎は阻止可能だということになります。
ここまでの上昇率はSARSをこえるカーブですから、いかに感染力が大きいウィルスかわかります。
しかし死亡率はまだ300人ていどです。

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感染力はこのまま推移するとたちまち約30日間で患者数が1億人を超えてしまうので、そのようなことはありえません。
どこかで必ず横ばい状態を迎えます。
今後ですが、おそらく高橋洋一氏が推測しているように、SARS時のようななだらかな曲線に変化すると考えられます。
SARSは5000人を数えたあたりで横ばいとなりました。
新型肺炎はまだ予断を許しませんが、1万数千人あたりで横ばいとなるのではないでしょうか。

Sarstopics

http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/sars/sars

高橋洋一氏はこのように述べています。

「当初、感染症の患者数は1人が2人、2人が4人、4人が8人とネズミ算のように指数関数的に増加する。しかし、ずっとそうなら、あっという間に中国人全体が感染してしまう。どこかで感染する人が少なくなり、頭打ちになる。患者の隔離が功を奏するからだ」
https://news.livedoor.com/article/detail/17722905/

高橋氏の指数関数を用いた予想モデルが下図です。

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整理すれば新型肺炎は

①SARSを超える感染力をもっているが、死亡率は低い。
②患者数が1万人を超えたが、一定数を超えたあたりで感染数は横ばいになると推測される。
③湖北省を中心に周辺にひろがっており、湖北省からのヒトの流入をブロックすることが有効な予防対策となりうる。

ネットで中国人に対する無意味な民族憎悪を煽っている人たちがいますが、湖北省からの人の行き来を遮断すればよいだけのことです。
日本の中国人に対する入国拒否要件はあくまでも「湖北省発行パスポート所持者・居住者・滞在者」です。
米国やロシアに較べて甘いようにみえますが、現時点ではこれで充分だと思います。

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日経

原因はわかりませんし、やがて分かることですから、今は無意味な妄想は止めましょう。
特に悪質なのは、生物兵器の流出だと言いふらしたり、死亡率を40%以上だとかいうような煽りです。
この時期だからこそ落ち着くこと。
そして言い古された言葉ですが、「正しく恐れること」です。

Keep Calm and Carry On

2020年2月 2日 (日)

日曜写真館 飽きない風景があります

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湖に朝が来ました

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水と太陽と土は毎日再生を繰り返しています

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たまには水彩画風に

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水の惑星だと感じます

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なぜか砂漠のように見えますが、水面です

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2020年2月 1日 (土)

WHO、やっと緊急事態宣言を出したものの

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あの役立たずのWHOがやっと緊急事態宣言を出しました。
今頃かい、と私などは思いますが、WHOが中国の息のかかった事務局長を毎回据えているのは公然たる秘密ですから、そのWHOですら警報を出さざるをえなかったというふうに解釈したほうがいいのかもしれません。

仏紙のルモンドがこんなことを報じています。

「WHOは22、23日の緊急委員会で、「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」の宣言を行うかどうかを議論した。同紙によると、日米中仏などの委員や顧問の計21人に加え、オブザーバーとして中国などの大使が会合に招かれたとみられる。その場で、中国代表が「宣言は問題外」だと強く主張したという。 緊急事態が宣言されると検疫強化や渡航制限などの措置がとられ、経済的な影響が大きい。同紙は、「中国の強い反対を受け、政治的配慮が科学論議に勝ったようだ」と評価した」(産経1月30日)
https://www.sankei.com/world/news/200130/wor2001300036-n1.html

WHOのテドロス事務局は、出身国エチオピアが中国から大枚な援助を貰っていた時の外相てした。
テドロス氏が鼻薬を嗅がされたとまでは思いませんが、控えめに見ても中国の「強い影響下」にある人物であることは事実でしょう。
まぁ下の写真のように中国にお呼ばれして、習にご主人様と駆け寄る様子まで撮られるようだと、なんだかなぁというかんじですがね。
マーガレット・チャン以降、WHOが中国の意のままに動くパペットとなってしまったのは世界の不幸です。

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https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200129/for200129

たぶんWHOが国際緊急事態宣言を遅らせたことはあったと思われます。
習が武漢封鎖を決断する前にそんなものを出されては、党内の反習派から「なんだ習のヤロー、いつもはえちそうな態度のくせにWHOひとつ押えられないのかよ。わが国のメンツ丸潰れだぜ。辞めちまえ」と言われてしまうからです。
だから、テドロスは武漢が封鎖されるまでぎりぎり宣言をサボタージュしていたのです。

ただし、この遅滞の報酬は大きいと言うべきでしょう。
現時点の中国国内と国外の感染の進み具合をみてみます

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2019-nCoV Global Cases (by Johns Hopkins CSSE)
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

全世界
感染者 8,236 
死者 171
中国国外
感染者 112 
死者 0

8,124 Mainland China
14 Thailand
11 Japan

10 Hong Kong
10 Singapore
9 Australia
9 Taiwan
8 Malaysia
7 Macau
5 France
5 US
4 Germany
4 South Korea
4 United Arab Emirates
3 Canada
2 Vietnam

中国国内では死亡率は2%ですが、封鎖されてしまったためにかえって死亡率が高まった武漢では5%に達したという情報も中国メディアが流しているそうです。

「中国国営テレビの取材で衛生当局の専門家は「感染者の武漢での死亡率は5.5%で、全国の2%よりも圧倒的に高く医療機関の対応を改善すべきだ」と述べた」
https://times.abema.tv/posts/7039539

死亡率の計算は分母が感染者数、分子は死亡数ですから、感染者数がいい加減だと大きく違ってきます。
死亡数のほうはそんなに大きくいじれないはずですから、感染者がはるかに多い数万人規模だと推定した場合、むしろ死亡率は少なくなります。
ですからネットの一部で死亡率が40%を超えたなんてことを流している者がいるようですが、ありえません。

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏はこう述べています。

「2002年11月に中国広東省から広まったSARS(重症急性呼吸器症候群)の致命率は10.9%、2013年5月にサウジアラビアで発生した中東呼吸器症候群(MERS)ウイルスの致命率は34.4%だった。
前述したように現時点での新型コロナウイルスの致死率は3.1%。あくまで「参考値」だが、安心できる数字ではない。感染していながら臨床的に確認しうる症状を示さない「不顕性感染」のほか診断されていないケースも含めて考えなければならない。大流行すれば、多数の死者が出るのは避けられそうにない」
(上昌広『「新型肺炎」日本の備えに不安しか募らない理由』)
https://toyokeizai.net/articles/-/326434

仮にMERSと同等の致死率を新型肺炎が持った場合、その致死率は34.4%にも昇ります。
ただし、現時点でこの新型肺炎は重篤な症状にならない、むしろ初期にはただの風邪かインフルエンザと間違える可能性すらあると言われています。
だから先進国においては、簡易検査キットを充実させることと、予防を徹底するのがもっともよい対応なのです。
日本においては、高齢者や持病をもっていて体力が低下し、免疫力が落ちた人が感染症合併から死亡に至るというケースがあり得ると思いますが、直接に新型肺炎で死に至ることは、現時点では考えにくいと思います。
だから日本ではあまりオーバーに騒がないことです。

しかし中国や発展途上国ではそうはいきません。
重慶でこれだけ多くの死者を出したのは、封鎖されてしまったことに加えて重慶の劣悪な医療インフラにあったといわれています。
足りない医師、簡易検査キットも満足にないお粗末な病院の受け入れ体制、入院させたくともベッド数が決定的に不足、死亡した患者が廊下に放置されているところの写真まで流れる始末でした。

その上に、このブログでも何度か書いてきているように、中国の医療保険制度には根本的な欠陥があります。
それは国民の戸籍が都市戸籍と農村戸籍で別れているために、農村部から武漢などの都市に出稼ぎに来た労働者(民工)は農村に帰らないと医療が受ける資格がないのです。
それか封鎖されてしまったのですから帰りようがありませんし、帰られても農村部の医療体制は貧弱です。
ですからこの膨大な下層労働者層たちは、病院にすら行くことができず、マスクも買えずに、汚い宿で仲間たちと漢方薬を飲んで不安を紛らわしているわけです。
死んでも葬る人とていないため統計の死亡数には現れてこないのです。

この医療から見捨てられた下層階層こそが新型コロナウィルスの温床であって、いわば感染症の巨大な火薬庫です。
この状況は発展途上国においてもまったく共通します。
WHOの緊急事態宣言は、このような発展途上国に対して先進国が医療支援を送るための法的根拠として有効なのです。
だからこそこの宣言の遅れは批判されるべきです。

同じように、日本政府が指定感染症にしたことによって、在日外国人が医療費用を免除されることを非難する人たちがネット界に出ていますが、重慶でなぜあれだけ感染が拡がったのか落ち着いて考えてほしいものです。
伝染病は外国人、日本人の別なく感染を拡大するのです。
だから国内にその温床を作ってはならないのです。

 

 

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