• 023
  • 020
  • Dsc_3419
  • Img_4844
  • As20180115004873_comml_20200710051001
  • Plt2002110010p1
  • Hw414_as20200610004427_comm
  • Photo_20200709045501
  • 2_20200709050701
  • A80f84bec8258228f1c476c53abacfdc

« 日本がPCRに頼らずに検査できている理由とは | トップページ | 日曜写真館 あやかしの里のお嫁入り »

2020年3月21日 (土)

内科医プー様寄稿 集団免疫を可視化する

034

管理人様 皆様 大変お世話になっております。
メタボ系内科医 プーです。再びで申し訳ありません。

イギリスのジョンソン首相が集団免疫に言及した演説を行い、大反響とのことです。
集団免疫がどういうものか、数字や計算式だけでは難しいのではないかと思い、紙筆で再現できるワークを提示したいと思います。
もう1回だけお付き合いいただければ幸いです。


基本再生産数(R0)の分かっている感染症が、36人の学級に侵入したときに、週ごとにどのように流行してゆくか、というものです。
66
(6×6表.gif)
ここでは、R0 = 2 の感染症とします。日本での新型コロナウイルス、ワクチンのない状態でのインフルエンザ、くらいの感染力です。
感染しうる範囲は、飛沫感染で2 mと言われているので、隣の席までです。
どっちに感染するかは、「8面ダイス」に任せます。
多くの人は持っていないと思うので、
http://cthuwebdice.session.jp/dice/ (クトゥルフWEBダイス)の「1D8」の「ダイスロール」をクリック、などを使ってください。

ダイスの出目と反対側( 5 が出たら 5 と 1 の方向)に感染します。元の感染者は治癒して免疫を持ちます。

Week1_20200321013601
(week1.gif)
感染先が空白なら感染して次の数字を記入します。
感染先が既に記入されている(=免疫を持つ)、または端の場合は感染できません。

Week3
(week3.gif)
これ以上感染出来なくなったら終了となります。
さて、流行の終息までに何割くらいの人が感染するでしょうか。

次に、ある程度の人達がワクチン接種を受けて免疫を持っていたとします。
ここでは、3割の人が免疫を持っていたとして、36人の3割で11人、「R」(Resistant)を予め記入してください。実効再生産数は(36/25 =)1.44で、管理人様の3月18日の記事の日本の現況に相当します。
 
Resistant-11 
(Resistant 11.gif)
そして同様に流行させてください。

どのような結果になったでしょうか。
②予め何割感染するかを予想してから臨むと、より効果的です。

ダイス運にもよりますが、おそらく、①では6-7割、②では1-2割が感染したと思います。
これが、同じ感染力を持つ病原体相手でも、ワクチンのあるなしの違いです。
自然に集団免疫を付ける、というのがいかに大変かということを分かって頂けたでしょうか。

もしまだ時間があるようでしたら、
欧州の新型コロナウイルス(R0は4くらい、ダイスで奇数が出たら奇数の4マス、偶数が出たら偶数の4マスに感染)風疹(R0は約6、ダイスの出目とその反対「以外」に感染)、さらに予防接種で予防してみる、といった形で試していただけると、インパクト大です。

そして、現在のイタリアの惨状です。
目下中国に次ぐ感染者・死者を出して、まさに地獄と思われます。
しかしあえてポジティブなことを言いたいです。

3月18日の管理人様の記事より、3月11日~16日の感染増加率は

スペイン 4.78倍
イタリア 2.438倍

スペインはイタリアの倍です。
何の違いでしょうか。

感染増加率は、ほぼ実効再生産数と同義です。
経済状況や医療システムなど、両国の間に大雑把には違いが無いと仮定します。(両国に失礼だと思いますが)
感染拡大が進めば、免疫を獲得した人も増えて、政府が何もしなくても実効再生産数は減少してゆきます。
違うのはフェーズです。管理人様の3月11日の記事では、スペインの流行はイタリアに対して10.5日遅れだそうです。

新型コロナウイルスが、3月11~16日の間にスペインでは1人の感染者が4.78人に感染させました。
しかしイタリアでは2.438人にしか感染させませんでした。ということは、残りの2.342人は既に感染して免疫を持っているのです。
従って、その時期にはイタリア国民の半分は既に免疫を持っていたということになります。

再生産率と集団免疫率の関係はこのような関係です。
(基本再生産数 - 1)/基本再生産数 = 集団免疫率

しかし、「1」というのは、「これが1以下なら次第に感染者が減少してゆくので流行は終息する」という境目です。

広義には、「実効再生産数」を当てはめることが出来ます。
(基本再生産数 - 実効再生産数)/基本再生産数 = 集団免疫率
として、どれか1つが未知数の場合には他の値から求めることが出来ます。
基本再生産数をスペインでの感染増加率4.78として、イタリアの2.438をイタリアの実効再生産数とすれば、イタリアの集団免疫率は0.49です。

感染や診断、統計処理のタイムラグを考えれば、集団免疫率はさらに増えていると推定されます。

一方で、イタリアでの新規感染者数も、まだ増えています。

220pxcovid19_outbreak_cases_in_italy_den
イタリアにおける2019年コロナウイルス感染症の流行状況
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B2019%E5%B9%B4%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E3%81%AE%E6%B5%81%E8%A1%8C%E7%8A%B6%E6%B3%81

これが減少に転じたら、上記の式の実効再生産数は1ということで、国民の約8割が既感染となって終息してゆきます。

思えば、武漢も韓国も、大流行は一ヶ月足らずだったのです。

今は地獄のイタリア対し、プーは、Ci sei quasi. Forza Italia!もう少しだ。頑張れイタリア!とエールを送ります。

逆に、いつまでたっても終息宣言しない極東2国には、アディッショナルタイム長くない?
審判を●●してるんじゃないの?と言っておきます。

最後に、小ブログでは、先日のSEIRモデルに、季節変動と免疫失活の要素を加えたモデルを用意しました。
夏に向けて、あるいは来年以降に向けて流行はどうなりそうか。
興味があったらお越しください。
http://ayoshidamd.cocolog-nifty.com/

最後までお読みくださいまして誠にありがとうございます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
メタボ系内科医プー

« 日本がPCRに頼らずに検査できている理由とは | トップページ | 日曜写真館 あやかしの里のお嫁入り »

コメント

すんごい分かりやすいです!

ありがとうございました。

人間は,いろいろ,いるので

極端な巣籠もりで,鬱になってしまっている方方
極端に,密閉ライブハウス行くだーと,全く,気にしない方方

思うに,いろいろ情報を集める中で,このブログはピカイチ有益だと思います

CTたくさんあるんだよ

これだけでも,心を、安定させ

メタボ系内科医プー先生、詳しい解説をいただきましてありがとうございました。
https://tabakyo.com/keisen/
上のページから方眼を印刷して実際にやってみました。
たった3割のRがあるだけであっけなく終了で(6割VS1割でした)、大変驚きました。

世の中で騒いでいる多くの情報発信者(マスコミ含む)が、結局のところ何も理解せずイメージで騒いでいる、ということがわかったのでした。

こうなると上昌広は本当に医者なのでしょうか。騒ぎが一段落したら徹底追及をしたいところです。

プー様、管理者様

集団免疫モデルの情報ありがとうございます。
現在進行中の事象であり、流行の予想に使用するパラメータが揃っていないので、なかなか先が読めませんね。

イギリスは集団免疫で乗り切ろうと舵を切った直後に、医療体制が持たないことが判明して軌道修正しました。

集団免疫の手法は極論すると、医療体制全体を巻き添えにするか感染者を放置(重症化しやすい者の死は無視)するかの選択を迫られる上、国家全体として一気にダメージを受けることになるので、積極的な選択はできないと私は考えております。
(イタリアは図らずもその状況に陥ってしまった)

イタリアでの推移ですが、どこまで感染者と死亡者を捕捉できているかで判断が変わって来るのではないかと考えております。
また中国での推移については、データの信憑性自体に疑問があるため、全く判断できません。
(中国の全人口に対して感染者および死亡者数が異様に少ないため。また物と人の移動を考えたら、完全な封じ込めは困難)

今日のニュースではすでに日本は一人の感染者が移す人数は一人以下になっているそうです。
それでも感染症学会は、なお感染爆発の危険をはらんでいるとしています。この3連休の外出自粛要請を行っています。
その理由について、これから春の行楽シーズンに入る。今まで我慢していた分一気に人々が行楽地に殺到すると、中国の万人宴の様になります。(ニュースでは万人宴には触れていません。)
プー様のダイスが一集団のレジャーシートとしてそれが無数にある。
レジャーを楽しんだ方々が、元の日常生活に戻る。
基本再生産数は低くても、まだまだ自粛した方が無難です。

19日の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」にも北海道の実行再生数が出ていました、日本の場合は県単位の方が可視化という点で分かりやすそうですね

しかしまあ厚労省のサイト、あいかわらず見難いこと
県別の感染者、入退院者あたりは時系列変化の分かりやすいグラフにでもして欲しいなあ、ぱっと出てくるのがその日の感染者の表だけって

感じなトコ思いっきり誤字ってますね
「実効再生産数」失礼しました

ダイスを使ったシミュレーション面白いですね。
感染者の急増する欧米と急増しない日本の違いを考えて思ったことだけど、マスク習慣が明暗を分けたと思います。病人がする欧米と予防のためにする日本が新型コロナの無症状の人からの感染拡大をマスクが防いだと思います。

皆様 ありがとうございます。

中国のデータは、湖北省以外はかなり眉唾と思っていますが、かといって感染拡大のタイムラインを考えたときに、今はもう終息しているのでは、と思っています。では本当の感染者・死者は何万人? て言うのが怖くて終息宣言できていないのかもしれません。

日本でも、全体では終息傾向でも、人口密集地で未開拓のクラスターに飛び火すると一気に数人単位で感染者が出るので警戒しているのだと思います。言い方は悪いですが春までに誤魔化せれば一旦は終息すると読んでいます。

マスクは、あれだけ足りないと騒がれているのに皆着用している、というのは、1枚で何日使っているのか、と疑問になりますが、それは言わない約束なのだと思います。象徴とかポーズも大事なのですから。

自分がとても気になっているのは、実態とは別の次元で、中韓が終息宣言を「しない」ことに、彼らにとってメリットがあるのかな、という点です。
ご意見など頂けましたら幸いです。

時間がやっと取れてフォーマット挑戦できました。R04でのワクチン摂取バージョンにマークしながらあまりの激減感に…ワクチン神か、と思わず呟いてしまいました。
もちろん万能ではないですが、人がこの開発に心血を注いできた証を見た思いです。
来季に向けて対処法に道筋が見えてくれば、このウイルスは、ヒトの長寿をいくらか妨げはしても社会混乱や医療崩壊を呼ぶ心配がなくなる可能性大ですね。

https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-china-idJPKBN2180B9
韓国はわかりませんが、中国に関しては、外からコロナをうつされた件数を上手く利用しようとしているように見えます。
欧州のせいで終息できない被害者としての中国は、外に文句や攻撃を行う正統性を持つ事ができる。
全く共感できないロジックですが。
欧米で行動制限を無視して日常を楽しむ若者を盛んに報じているのも、彼等にプラスに働くでしょう。
「中国は武漢を押さえ込んだ(こまなかったから世界に溢れたんですがね)が、ヨーロッパが世界に広めた」という上書きにもってこいだなあと思いながらニュースを見ています。
米国巷で中国に売った国債の召還をコロナ賠償として没収すれば、というアイデアが出たと、ツイッターで流れてきました。フェイクでしょうが、感染源なすりつけ合戦はどんどん過激になってきていますね…。

ふゆみさん

今日のテレビニュースで、中国がEU諸国に医療支援だそうです。
EU側もセルビア、イアタリアなどの首脳は、「EUは頼りに出来ない。頼りになるのは中国だけだ。」と発言しています。
一帯一路でEUはそこまで中国に侵食されていたのですね。

プー様、管理者様
ものすごくわかりやすい、集団免疫モデルの情報ありがとうございます。頭の中が実にすっきりしました。感染の広がり方、収束の仕方についての、未来予測ができそうだ、というだけでどれほど心安らかになれるかわかりません。

そこはすごくわかったのですが、それではイタリアのこの異常な死亡率の高さはなんなのか?という疑問に対する答えは、このモデルからもわかりません。

医療崩壊といいますが、同じような状況であろう開発途上国でいまだ存在しているペストの死亡率7%をすでに超えています。日本で広がっているウイルスと、同等の毒性と考えるのは無邪気すぎるように思います。ウイルスの変異が起きていて毒性がはるかに高まっていると考えないと、医療崩壊というシナリオだけではどうしてもこのようなことは、起きないのではないでしょうか?

イタリアで蔓延しているウイルスが、帰国者から日本に持ち込まれています。これは、実はものすごく恐ろしいことが、目の前で起きているかもしれないと思っております。


snafkin さん ありがとうございます。

イタリアでの死亡率ですね。

この感染拡大モデルでは感染者の生死は問われないので、これで説明は出来ません。生活インフラの劣化や死者の埋葬を通じた感染拡大・重症化は、別角度からの検証が必要です。

死亡率の高い原因として、もちろん変異株の出現は考えられるので、帰国者および濃厚接触者に対する重点的な観察・検査が必要でしょう。

一方で医療崩壊の実情は伝聞でしかありませんが、感染者の2割を占めると言われる重症者をどれほど治療できるかが第1の要因だと思います。
患者が多すぎて重症者が入院できなくなって放置されれば死者が増えると考えるのが自然でしょう。

向こう数日間の、同じ欧州で医療体制のしっかりしているドイツで同様に死者が急増するかどうかで、ウイルスの強毒化が起こったかを見極めることが出来ると思います。

確かに、ドイツの死者数はずっと注目しています。感染が広がって以来、日本よりも死者数が少ない状態が続いていた(感染者1000人あたり3人程度0.3%)ので、さすがドイツだなと思っていました。

ただこの数日、ドイツでも感染者数のオーバーシュートをおこしており、一気にフランスもイランも追い越していきました。そして死亡者数は約100名、0.4%。じわっと増えているようですが、死亡率はまったくぶれていません。

プーさんのおっしゃるように、この後1週間がポイントですね。死亡率が跳ね上がらなければ、ウイルスの株の要因ではなく、医療環境要因と推定してよいように思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 日本がPCRに頼らずに検査できている理由とは | トップページ | 日曜写真館 あやかしの里のお嫁入り »