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2020年3月16日 (月)

新型コロナウィルスのゲノム解析でわかったこと

008

まずは感染の全体状況から見ていきます。

感染の世界状況(2020年3月15日:午後1時13分現在)
・累積感染者156396人(以下累積人数)
・死亡者5833人
・回復者73968人

●各国感染者数・死亡者・回復者数(2020年3月15日:午後1時13分 )
・中国・感染者80995人・死亡者3199人・回復者66911人
・韓国・感染者8162 人・死亡者75人・回復者534人
・イタリア・感染者21157人・死亡者1441人・回復者1966人
・イラン・感染者12729人・死亡者611人・回復者2959人
・スペイン・感染者6391人、死亡者196人、回復者517人
・ドイツ・感染者4585人
・フランス・感染者4480人・死亡者91人
・米国・感染者2951人・死亡者57人
・スイス・感染者1359人・死亡者13人
・英国・感染者・1143人・死亡者21人
・ノルウェー・感染者1090人
・スウェーデン・感染者961人
・ダイヤモンドプリンセス・感染者696人・死亡者7人・回復者325人(WHO分類では日本ではなくOthers扱い)
・日本・感染者773人・死亡者22人・回復者118人
・フィンランド・感染者225人
・ブラジル・感染者151人・死亡者0人
・台湾・感染者53人

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https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

●各国死亡率グラフ

Photo_20200316050101
John Burn-Murdoch

日本の詳細な状況(3月15日12時現在)
・国内感染者780 人
 ・退院157
・入院中537
・軽中度299
・人工呼吸/ICU36
・確認中190
 ・待機中12
・陽性無症状入院57
・症状有無確認中7
・死亡22

53896991

●非常事態宣言を出した国
▽イタリア・全土商店閉鎖
▽パレスチナ暫定自治政府
▽フィリピン
▽ハンガリー
▽チェコ
▽スロバキア
▽モルディブ
▽スペイン
▽アメリカ
▽ブルガリア
▽リビア
▽カザフスタン(暫定政府)
▽レバノン
▽セルビア
▽南アフリカ
▽ドイツ・国境封鎖
▽フランス・全土食品、薬局を除く商店閉鎖


                                                                      ~~~~~

遠藤誉氏が中国ウィルス研究者による新型コロナウィルス研究結果を報じていますので紹介します。
(『新型コロナ日本感染ルーツとウイルスの種類:中国のゲノム分析から』3月10日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200310-00166933/

遠藤氏の出典は以下です。
2月21日、中国科学院の学術論文プレプリント・サーバーChinaXivに投稿された
中国科学院シーサンパンナ熱帯植物園(雲南省)郁文彬博士(Wen-Bin Yu Ph. D)
『新型コロナウイルス肺炎の進化(変異)と感染を全てのゲノム学的なデータに基づいて解読する』

あらかじめ言っておきますが、これは震源地である中国科学院の研究者のものであること。
したがって中国における現在最もデリケートな政治問題である新型コロナウィルスについて、政治的脚色がありえることです。
また世界でわずか93例しかウィルスのサンプルがないので暫定的なものです。
郁氏も世界の研究者にデータの提供を呼びかけていますが、現時点では研究素材が少ないということを頭に置いて下さい。
そのうえに立って、現時点で公表されたもっとも詳細な研究論文ですので、日本と関わりのあるさわりだけを見ていくことにします。

ちなみに日本の国立感染症研究所は、日本で見つかった新型コロナウィルスは、武漢生鮮市場のものと遺伝子配列が99.9%一致しているという報告を出しています。
現時点で、一部で言われていた生物兵器を証拠だてる遺伝子改変の証拠は見つかっていません。

さて、この郁氏の研究論文によってが新型コロナウイルスのゲノム配列が解析され、日本で感染をひろげているウイルスのルーツが見えてきました。
ウィルスの類似性を見るために、識別番号をつけGroup AからEに大別しています。

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日本は青色で区別され、Group AのH53(2例)とH52(1例)、Group CのH51 (1例)とH32(1例)が日本の患者だ。論文の詳細なデータによれば、

    ●Group AのH53とH52:東京(計3例)
    ●Group CのH51(1例):京都
        ●H32(1例):愛知

郁氏はこのように述べています。日本の新型コロナウィルスのルーツです。

「Group Aは(武漢滞在歴がある)深セン経由のウイルスなので、先ずは広東省を日本は入国禁止地区に入れなければならなかったことが分かる。
Group Cは湖北省武漢市の海鮮市場由来のウイルスなので、湖北省を入国規制区域にしたのは正しいが、しかし「H51」は、「広東省」で突然変異した亜種なので、やはり広東省を入国禁止地区に指定していなければならなかったことが分かる。
愛知県の「H32」は武漢の海鮮市場由来のものである」(前掲)

Group A

「「H13」を中心として広がったウイルスで、これは深セン(広東省、緑色)においてのみ発見された種類だ。深センで家族感染したが、東京と行き来していたらしく、広東省由来の東京の患者が3人もいる(2月12日時点で)。「H13」はどのようにして生まれたかというと、コウモリから発見されたウイルス「bat-RaTG13」が、何やら確定できない動物を介して「mv1」ウイルスとなった。
ここは明確には辿(たど)られてないので、細い線で結ばれている。もっと薄い線で結ばれているのが「mv1」と「H13」だ。目を凝らして、可能なら画面を拡大して確認して頂くと見える。
おそらくだが、ベトナムから密輸して食べるか、あるいは鱗を漢方薬に使う野生動物(センザンコウ)が中間宿主になっているのではないかとされている(華南農業大学の研究者もコメント)。「H13」はこの「mv1」が進化(変異)したものと考えられている」(前掲)

Group B

「中心は「H3」。これは武漢でのみ1例発見されている。しかし海鮮市場に行った事はないという。「H3」は、4つの4分の1の大きさの円から成り立っており、その小さな4色の円の右上(座標軸の第一象限)に注目するとHubei(湖北)の赤色だ。武漢市は湖北省の省都なので、赤になっているが、これは「1点」で、武漢のみである。
その斜め右上の方向に線があり、濃いピンクの少し大きな丸がある。これはアメリカのワシントンである。「H38」というウイルスが、ワシントンでのみ発見されている。ところが「H13」(深セン)も「H38」(ワシントン)も、武漢に滞在した経験があるという。
となると、やはり武漢に関係していることになる。 一方、残りの3つの「4分の1の大きさの円」は、「台湾、オーストラリア、ベルギー」なので、逆に、「H3」型ウイルスは、武漢では流行っていなかったことにもなる」(前掲)

Group C

「これこそが爆発的に伝染していった感染源だ。図の下半分にある赤い色などを中心とした円の真ん中に「H1」と書いてある。少々不鮮明だが、「H1」は「武漢市華南海鮮市場」で見つかったウイルスだ。大規模感染を起こし、世界中に広がっていった。「H1」が形成された変異経路には大きく分けて以下の二つの可能性が大きい。●bat-RaTG13→H13→H3→H1 ●bat-RaTG13→H38→H3→H1 だ。ここからが怖い。「H1」はGroup Cに所属するが、ここから進化してGroup DGroup Eなどの、言うならば「亜種」に変異している」(前掲)

そして郁氏はウィルスが世界に拡散する家庭で、航空機の乗客を宿主としたことから放射線を浴びてゲノム配列が変わってしまった可能性を指摘しています。
またこの変異によって今後どうなるのでしょうか。

「変異は最終的には毒性が弱くなり、宿主となる人間が死なない方向に動いて長く人間と共存していく方向(人間界に定着する方向)に変異してウイルス自身がいつまでも生き延びるようになる傾向にあるだろうが、しかし「H3」から「H1」のように、爆発的に強力化する場合も途中ではあり得る。
多くの人間(宿主)が死んでも、それを遥かに上回る数の人間に宿って(感染させて)、そこで生き延びていくという方法だ。これが武漢の大規模感染である。その意味では武漢の海鮮市場の野生動物という宿主は、やはり強力だったということが言える」(前掲)。

とまれ現時点は、感染がウィルス変異をしながら拡大を続けていく分岐点にいます。
ひとつは人間と共存するために弱毒化する道、もうひとつは死ぬ宿主を上回る新たな宿主を作るために強力化する、このふたつの道の瀬戸際にいるということになります。
前者はいわゆる集団免疫といって当該集団の6割が感染すれば免疫が獲得され、事実上無毒化されます。
メルケル独首相やジョンソン英首相も口にしていますが、専門家会議はこう言っています。

「感染症のなかには、大多数の人々が感染することによって、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する仕組みが機能できるものもあります。(略)
ウイルスに感染し、治癒した人は免疫を獲得して、少なくともある期間は再び感染することはない。新型コロナウイルスについては、60~80%の人が感染して免疫を獲得すれば、それ以上の感染はなくなると考えられている。逆に言えば、現在の状況では、国民の60~80%が感染する可能性があり、そうなったときに感染が終わることになる」(唐木英明『新型コロナ「収束のカギ」にぎる集団免疫とはなにか』)
https://webronza.asahi.com/science/articles/2020031400002.html?page=2

現在人類は集団免疫を持っていないので、持つためには国民の6割が感染してしまうか、あるいは人工的にワクチンで抗体をつくるしか方法はないわけです。
ところが各国で鋭意ワクチン作りは進んでいるものの、おそらく国民があまねく接種できるには1年以上かかるでしょう。
そこででてきたのが、英独の考え方です。

「新型コロナ騒動は、集団免疫を得るまでは終わらない。そうであれば、厳しい対策により感染者をゼロに近づけようと努力するのではなく、ドイツや英国に倣つて、医療崩壊を起こさないように注意しながら、ある程度の感染を容認して、集団免疫を得ることを考えるべきではないだろうか。そんなことをしたら死亡者が増える、という反対がある。
しかし、感染の速度に関わらず、感染者が国民の最低60%にならないと新型コロナ問題は終わらないのだ。重症者の治療法を早期に確立して、死亡率を低下させることが最重要の課題である」(唐木前掲)

ひとりの感染者も見逃さないというゼロリスク的方法を取った場合、いままでなんども書いてきたように確実に医療崩壊が起きてしまいます。
そこで英独政府は、軽症者は自宅で静養してもらい、重傷者に適切な医療を与えるために医療インフラを使って死亡者を減らそうとする方針に切り換えました。
それは国民の6割に集団免疫が獲得されるに任せるという方法です。
え、それでは死者が出る、政府は国民を見放したと日本のメディアは発狂するでしょうが、いいのです。
新型コロナの症状はせいぜい風邪かインフルエンザていどのものだからです。
だから医療ソースを、重症患者にのみ集中して使うのです。
そのような「集中と選択」をしている間に稼ぎだされた時間で、新型コロナウィルス対応のワクチンや薬剤を作り出し、おそらく1年先ていどには国民に投与可能になるでしょう。

わが国の方法もこれに近い方法ですが、指定感染症にしてしまったために手足を縛ってしまいました。これについては次回に。

 

 

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コメント

ウイルスの気持ちになって考えればわかることです。弱毒化、既にそうなっています。つまりそこら辺の“風邪”なんです。正体は。バカな人類が検査をして感染者の掘り起こしをしているのが今の状況。「やり過ごすこと」これが解答です。

ウイルスの分化の最中であるならば、他の感染症並みになるまでには時間が掛かるのではないかと私は考えております。
再感染というケースですが、型が違うものに感染した可能性が高いですね。
(インフルエンザのA型とB型にそれぞれ感染するケースと同じ)

集団免疫率と基本再生産数(R0)の関係ですが、
(R0 - 1)/R0 = 集団免疫率
という式が成り立ちます。
R0 が大きいほど高い集団免疫率を要します。

仮にR0 = 3を代入すると、集団免疫率は 2/3 となります。
R0 が3程度の場合、社会の2/3の人々が感染すれば、感染者が周囲の3人に感染させるところを1人以下しか感染させないようになり、感染症は終息する、ということになります。

日本ではどうかというと、様々な感染機会減少の施策により、R0 を 1.5 程度に減少させた場合には、集団免疫率は1/3となります。
但し時間が掛かるのが難点で、オリンピックの開催に引っ掛かります。

感染症の流行には、季節による違いもあるので、暖かくなるとかなり落ち着く、と読んでいます。
夏頃には諸外国では大半の人々が免疫を持っているはずで、むしろ日本だけ終息宣言出来ないかも知れません。

最終的には、安倍首相の「アンダーコントロール」宣言で、一部の人以外は安心すると思います。

イタリアも大変
サンドイッチやピザも生手で食べないでフォークで分解して食べるべし・なのだろうなぁ・・
お箸文化で良かったなぁ

今日の記事前半を読んで、遠藤誉氏が1月27日に伝えておられた、武漢閉鎖予告から実施までの8時間のことが思い出されます。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20200127-00160459/

その理由は置くとして、彼の国にしては悠長な8時間の猶予はやはり大きかった気が…

記事後半については、集団免疫獲得という着陸方向は英・独も日本も同じで、ストレートな、或いは身も蓋もない言い方とハード・ランディングをも辞さないプロセスを踏もうとするのと、優しい、或いは曖昧な言い方とソフト・ランディングを目指したプロセスを踏もうとするのとの違いがあって、科学・医学と法と、加味される国民性とかお国柄の一端を感じます。
高山義浩医師のFacebookの昨日の記事も、優しく、易しく集団免疫を説明しておられますね。

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-51887810
英国がこの作戦上、期待値を持ちすぎているのは国民の手洗い実践だと思います。
「手洗いをそれほどしなくとも、過剰検査をしなければ医療現場圧迫を防いで許容範囲のケアで乗り切れる」という位の風邪だ。
という証明をひょっとしたら英国が成し遂げてくれるかもしれません。それは朗報でしょう。

指定感染病のネガティブ面についての明日の記事、とても興味があります。

英国の方針は日本の方法を反面教師にしているように感じます。
多くの批判的な報道では「ウイルスとの闘いに白旗を上げた」と表現されていますが、理論先行の危うさを感じてしまうのです。

第一に、国民の60%が感染するというような途方もない事が可能なのか?

感染しているけれど発症しない、という若者は少なからず「単なる保菌者」にすぎない場合があるのではないか?

変異後のウイルスにどこまで免疫が獲得できるのか?

結局のところ、年よりには隔離政策を取らざるを得ないワケで、高齢者切り捨ての感じが強くします。

いずれにしても、日本との違いはとりあえずの方針としての違いであって、新薬やワクチン開発を待つより仕方ない状況なのだから、経済対応を見据えた政治的な思い切りから決断されたもののように思います。

しかし、日本でも医療崩壊を起こさない大義名分でもって、実際に起こっている事は同じような事かもしれず、消極・積極の違いはあれど言い方を変えているだけなのかも知れません。

自分が昨日、あるいは高山先生が以前示された式は実は、
「流行の終息が始まる時点の集団免疫率」
なので、実際には新規感染者が減り始めた後も累計では(最終的な)集団免疫率は上昇します。

SEIRモデルに当てはめると、
最終的な集団免疫率とR0の関係は、
50% ≒ 1.4
60% ≒ 1.5
80% ≒ 2
となります。

欧州首脳にとって、R0 = 2程度が最悪の想定となります。
そして、その場合のピーク時の患者割合は、12%です。
これで医療崩壊は起こらないか? というのが大問題です。
R0 = 1.4 なら、ピーク時でも4%です。

日本を反面教師にして大丈夫か? と心配です。

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