新型コロナの呪縛から逃れる三つの道
新型コロナの暗雲から離脱するには3ツの道があります。
おっと、それを考える前に前提からおさえておきましょう。
新型コロナの感染者がいなくなることはありません。うへぇーと思われるかもしれませんが、いったん発生してしまったウィルスが地上から消滅することはありえません。
変異を繰り返しながらいつもどこかに常在しています。
また新型コロナの場合は人獣共通感染症ですから、宿主はなんらかの野生動物かもしれないし、残り続けるはずの潜在的感染者かもしれません。
しかし、それはそれでいいと割り切ってしまうと気分は楽になるはずです。
だって、いようがいまいが、あろうとなかろうと、要はヒトにとってどうかでしょう。
ヒトが新型コロナを「無害化」できればいいだけのことではありませんか。
新型コロナを地上から撲滅するなんて考えないで、ヒトがなんともなくなりゃ「勝った」も同然じゃありませんか。
NZ首相 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200428-000000
ニュージーランドの保健相がうまいことを言っていました。
「感染はなくならないが、感染源が特定できればよいのだ」
なるほど!私はおもわずハタっと膝を打ちましたね。
そう、感染つまりクラスターを特定できて、そこからの感染を極力減らしていけばよいのです。
そして感染拡大を制御しながら、ワクチンや特効薬が登場するまで時間稼ぎすればよい。
もちろんクラスターは無数にありますが、その主要なものだけでかまいません。
外出自粛したら家族がクラスター化するんではなんて言う人もいますが、そんなことはあたりまえです。
規模が小さなものは無視してもかまいません。サイズの大きなものをヒトが利用できなくすればいいだけのことです。
この塩梅がわからないと、街中を徹底消毒しないと気持が悪い、いや空気には無数のウィルスがいるはずだからいっそう無菌室に住みたいなんていう脅迫観念症になっちゃいますからね。多くのヒトに利用できなければよいのです。
そんな脅迫にとらわれると、街中を消毒して回って戒厳令のようにしていた韓国みたいになっちゃいますよ。
https://www.sankei.com/photo/story/news/200227/sty...
忘れてはいけないのは、中国や韓国のように自由や民主主義を犠牲にしてウィルスを絶滅してみせても、その悪しき後遺症でアフターコロナの市民生活は抑圧が厳しくなるのです。
コロナは退治できたが、日本が全体主義国家に生まれ変わっていたではシャレになりません。
だから一定の市民生活の自由は犠牲にせざるを得なくても、中韓のような全体主義的・強権的な対処方法をとってはいけないのです。
さて脇道にそれるようですが、かつて私は出口のないトンネルにいるような気持にさせられたことが一度あります。
それは9年前の福島事故の時です。
この時も、放射性物質の半減期30数年間と聞いて、暗澹たる気分にさせられたものです。
ところが事実は、素晴らしいスピードで放射能は減少していきました。
放射性物質は意外なことに最強の存在ではありませんでした。なぜでしょうか?
降ったらもう消滅まで30年かかるのではなく、降ったらたちどころに、土中の色々なものよってこずきまわされ、はがい締めにされ、あげくは牢屋に入れられてしまうことがわかりました。
こんな土中メカニズムが働いていたのでした。
セシウムはまず粘土によって電気的に吸いつけられて動きがとれなくなります。
粘土分子に粒々がつくようにして粘土の組織構造の中に放射性物質は吸着されていきます。
同時に地中の腐植物質(*木の葉などが発酵分解してできた物質のこと)がピタピタとセシウムを電気的に吸着していきます。
そして哀れにも、星の数ほどいる土中生物の諸君、さらには微小なバクテリア軍団、微生物兵団の餌にされます。
まぁ土中生物からすれば、放射性物質が好物なわけではなく、土地を食ったらその中にあっただけのことですが、とまれきれいに食われてしまいます。
そしてさらには残党狩りまでされるのですから、手がこんでいます。
土の分子の隙間(キレート)のサイズが、なんと嘘かまことかセシウムにピッタリだったのですからご喝采。
セシウム分子は、そのキレートに吸い込まれるようにして自分からコロコロと中に入っていき、満タンになると自動的にキレートの扉は閉じてしまいます。
これが「セシウムの牢獄」です。
ね、お分かりですか。放射性物質はなくならなかったんですよ、ヒトが利用できなくなったために「無害化」されたのです。
これと同じことが新型コロナでもいえるのではないか、感染源を特定して利用できなくさせればいいのではないか、と私は考え始めています。
話を戻します。では、どこまで「時間稼ぎ」すればよいのでしょうか。
ひとつには感染拡大が制御できたという兆しが見えた時期が一つのポイントです。
感染拡大の勢いが止まり、明らかにピークアウトするトレンドが見える時、これが最初のステップです。
ここでクラスターと特定できたものを除いて、今までの準都市閉鎖状態を段階的に解除していきます。
おそらく今がその判断の分かれ目の時期に当たっているはずです。
そして第2のステップが、経済生活の止まりかけた心臓に血液を少しずつ流してやることです。
経済の末端、つまり小規模商店や製造業、そして解雇された市民の生活は既に壊死状態ですから、思い切った国家予算を投じて心臓マッサージをしてやらねばなりません。
これに政府が思い切ったカネを突っ込まないと、感染はなくなったが既に日本は死んでいたとなりかねません。
そして第3が、この「時間稼ぎ」している間にすべき最優先事項は、いうまでもなく予防ワクチンと特効薬を作り上げることです。
これでチェックメイトです。
実はワクチンには各国が必死の努力を傾けていて、その結果が見え始めています。
日本も嬉しいことにはその最先頭に立っています。
たとえばタカラバイオは20万人分のワクチンがこの秋にもできるとしています。
さすが許認可の鬼の厚労省も今回は特例で認可を早めるそうです。
「タカラバイオ、開発中のコロナワクチンで量産体制整備
タカラバイオは新型コロナウイルスのワクチンの量産体制を構築する。バイオ企業のアンジェスや大阪大学などと共同でワクチンを開発中で今夏に臨床試験(治験)を始める。今秋に厚生労働省から製造販売の承認を得た場合、年内だけで20万人分のワクチンを供給できる。国産ワクチンが実現すれば、飲食店の営業や消費者の外出の自粛要請の軽減につながる」(:日本経済新聞4月20日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58262020Q0A420C2TJ2000/
あるいは、日本の大阪府の官学共同体も研究にめどがつき、さらには米国ファイザーは年内に数百万本のワクチンを製造可能だと発表しています。
「米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は28日、開発を進めている新型コロナウイルスの予防ワクチンについて、早ければ年内に数百万本単位で量産する意向を示した。ドイツのバイオ医薬スタートアップと共同開発するワクチンで、すでに安全性を確認する臨床試験を始めたと明らかにした」(米ファイザー、コロナ予防ワクチン「年内に数百万本生産」:日本経済新聞4月29日)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58620410Z20C20A4000000/
治療薬の開発も前進しています。
米国のギリアド社のレムデシビルは国際共同治験で有効とされ、国内特例承認される見込みです。
日本のアビガンに関しては、治験中ですが患者が希望し、倫理委員会が承認すれば投与できるようですが、承認はもう少し先です。
使い勝手としては、レムデシビルは点滴ですが、アビガンは錠剤であり、こちらのほうが使い易いでしょう
いずれにしてもこれらの治療薬は、夏か秋までには実用化されるとみられています。
このように見てくると、都市封鎖を段階的にゆるめながら、国民経済を蘇生させ、ワクチンを準備し、治療薬を臨床投入できるようにする、この三つの道がおそらく最短の道なようです。
●世界の感染状況 クリックすれば大きくなります。
●4月29日正午 国内感染者15330
退院3374
入院中11567
軽中度・無症状5740
人工呼吸/ICU 306
確認中688 待機中308 症状有無確認中4525
死亡389
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