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2020年5月25日 (月)

中国政府、香港に対して国家安全法制定へ

1811_004

世界全体を巻き込んだ中国発の新型コロナのパンデミックが終わる気配もないにもかかわらず、中国は香港に対して国家安全法を導入すると言い出しました。

【5月22日 AFP】(更新、写真追加)新型コロナウイルスの流行を受けて延期されていた中国の全国人民代表大会(National People's Congress、全人代、国会に相当)が22日に開幕し、中国政府に対する「反逆、分離、扇動、転覆」を禁止する「国家安全法」の香港への導入を検討する議案が提出された。国営新華社通信が伝えた。
国家安全法が導入されれば、中国が香港の支配を強化し、市民の自由がさらに損なわれると懸念されている。香港の民主派議員や活動家は「香港の終わりだ」と反発。米国も、香港の自由への攻撃だとして中国政府を非難している」(AFP5月22日)
https://www.afpbb.com/articles/-/3284278

つまり、中国は香港行政府にこういっているのです。
もうお前ら香港の親中派には任せられない、時間切れだ、オレが全人代で作ってやるから、香港市民に強制的に呑ませろ。

China_70_years

https://newsphere.jp/politics/20191003-2/2/

ところで中国国家安全法とはこのような法律です。

「同法第15条は、「人民民主主義専制政権を転覆、またはそれを扇動するいかなる行為も防止・阻止し、法に基づいて処罰する」ことを定めている。
ここで言う「人民民主主義政権」とは、指摘するまでもなく、「最も広範な人民の代表」であるところの中国共産党による現行政権を意味する。
したがって、この規定に基づき、政権交代につながる民主主義制度を求めるあらゆる活動は、「違法行為」として処罰の対象となることが考えられる。
ここで注意すべきは、同法によって正当化される執法行為の範疇には、そうした活動を(未然に)防止することも含まれていることである。つまり、実際に民主を扇動する活動を行ってはいない国民も、同法に基づく「予防的」取り締まりの対象になる可能性があるということである。
いずれにせよ、この規定は、「国家安全法」に基づき、中国の現行の政治体制、すなわち中国共産党政権の「安全」のために、国民の安全が犠牲にされる場合が有り得ることを示している 」
(角崎信也(日本国際問題研究所研究員) 『China Report』Vol. 1中国「国家安全法」の要点-』)
https://www2.jiia.or.jp/RESR/column_page.php?id=252

恐ろしい法律です。日本においてこのような法律など想定することさえ難しいでしょう。
この国家安全法が守ろうとしているのは、一般的な国家を指しません。
共産党は国家すら超える至高の存在であるために、守るべきものは共産党です。
共産党は国を支配するために、彼らの「安全」を脅かすすべてを排除することができます。
その中には、国家が「犯罪」と定めた反政府活動を処罰するだけに止まらず、活動を未然に防止することさえ可能です。

つまり法治国家が発生した犯罪行為を処罰するのに対して、人治国家の極であるこの国は意図しただけで犯罪なのです。
したがって言論の自由などなんの価値もない、踏みつぶすべき「自由主義」にすぎないわけです。

さて香港にはミニ憲法とでもいうべき1997年にできた「香港基本法」がありました。
一国二制度の枠組みを作ったのがこの基本法です。

ところがこの基本法には大きな欠陥がありました。
ひとつは完全な普通選挙が認められていないことです。えっ、去年民主派が地滑り的勝利をしたじゃん、とお思いの方、甘い。
あれは直接選挙で選ばれる区議会選挙にすぎません。

区議会選挙は、香港で唯一認められた直接自由選挙で、全479議席のうち452議席は、1人1票の直接選挙(小選挙区制)で選出されますから、ほぼダイレクトに「民意」が反映されます。
ところが、国会に相当する立法会は、定数70のうち直接選挙(比例代表制)で選ばれるのは35議席のみで、後は大陸とのつながりが深い「職業枠」が握っています。これは親中国の指定席として作られています。
香港政府トップの行政長官は、この職業別団体の代表と立法会議員らで構成する選挙委員会(定数1200)の投票で選出される間接指名制であり、民意は反映されません。
つまり、いまのままの立法会の仕組みが温存されれば、立法会において確実に親中派は半数を確保でき、行政長官指名でも絶対に親中派が勝てる仕組みでした。

そしてもうひとつが、香港民主化デモによってあぶり出されたもうひとつの欠陥です。
基本法には、中国政府に対して反乱が起きた場合、どのように対処するのか決めがなかったことです。
基本法第23条に政権転覆や国家分裂を禁じた条項があるにはあるのですが、これがトンデモの内容でした。

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習から勲章をもらう董建華 自由時報

これは香港の初代行政長官だった董建華(とうけんか)は、2002年9月、立法会(議会)での条例制定を目指していましたが、その内容があまりにも中国ベッタリで、これを認めると香港の言論すべてが否定されてしまうと強い反対が起きてそのままになっていました。

●基本法第23条がもくろんだ違反行為
①中央政府転覆の意図をもって中国と交戦する外国の武装部隊に参加。
②武力によって中国の安定に危害を与える
③扇動的な文書を出版する。

スゴイでしょう。「中国政府転覆の意志」にしても「中国の安定」という概念にしてもどうとでも解釈可能です。
中国政府の出先の香港行政府が「これは中国の安定を損なう」と判断すれば、いくらでも拡大解釈が可能で、しかもその範囲は「煽動的な文書の発行」という言論・結社の自由まで否定することができてしまいます。

おそらく董としては、中国に逆らう奴らは第23条を使って、全員牢獄にぶち込んでやる、実力で歯向かえば殺害もやむなしと思っていたことでしょう。
ちなみにこの董はまだ存命で、民主化デモにいたたまれずに、パンデミックの真っ最中を狙って親中組織を立ち上げています。

「董建華、梁振英の初代・前行政長官や、中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の譚耀宗常務委員(香港選出全人代代表)ら「親中派」の大物政治家が中心となり、香港の立て直しを目指した新たな横断組織が近く結成される」
(アジア経済ニュース2020年4月20日)

当然のこととして市民から「香港の自由を殺すつもりか」と強い反発が起きて、この案を発表した翌年の03年には50万人もの人々が抗議に駆けつける事態にまで発展し、頓挫したまま今に至っています。
去年の激しい香港民主化デモを見ていた中国は、香港行政府に自力で基本法第23条を作る力はないと見て、中国全人代が国家安全法を導入するという頭越しの策に走ったというわけです。

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この中国の国家安全法の導入は、中国国内法においてのみ合法であって国際法上は違法です。
なぜなら香港は1984年12月の英国と中国の協定によって、主権が保護されているからです。
国際協定とは国際法を意味します。
1984年12月19日「香港問題に関する英中共同声明」
ここにはこうあります。

●英中共同声明
第一付属文書
十三 香港特別行政区政府は法律にもとづき香港特別行政区の住民その他の人の権利と自由を保障する。香港特別行政区政府は、香港の既存の法律に定められている、人身、言論、出版、集会、結社、労働組合の組織と参加、通信、旅行、移転、罷業、デモ、職業選択、学術研究、信仰の自由、住宅不可侵、婚姻の自由、自由意思による出産の権利を含む権利と自由を保持する。

ご覧のとおり、言論・結社・出版・信仰の自由という自由主義社会の根幹は完全に保証されていました。
中国のような全体主義国家においては、これらすべての民主的諸権利を奪うことからすべてが始まっています。
中国の憲法に民主的権利のキレイゴトが書いてありますが、いうまでもなくただの飾り物で、国家は国民を権力者に縛りつけ、口を塞いで窒息させようとする牢獄の中の「自由」だけを認めているにすぎません。

それも今やデジタル共産主義は最先端ITによって、ひとりひとりの国民を生活の隅々まで監視し、それに得点をつけてスコアがなくなれば辺境の「職業訓練所」送りとなるという人類最悪のディストピアを完成させてしまいました。

Photo_3ウィグルにおける「再訓練施設」

香港はこの全体主義国家の誇り高き「異物」であり、中国大陸唯一の自由の砦でした。
香港に住んでいれば、あるいは香港に来れば自由にしゃべれて、自由に意見を公表することが可能だったのです。
香港の民主化デモの戦いは、この民主主義の「自由」を奪い返す戦いです。
いままさに砕け散ろうとしている自由を守ろうとする市民の戦いでした。
その意味で、香港こそが全体主義対自由主義の最前線でした。
今回、全人代による国家安全法の適用は、いよいよ香港行政府の影に隠れていた中国が自らの姿を、香港市民の前に露わにしたことになります。

「この法案は全人代最終日の28日に採決され、来月に再び開かれる会議で詳細が詰められる見通し。常務委員会の王副委員長は、香港での新法施行はその後になるとしており、同市では抗議デモがさらに激化する可能性がある。
昨年の騒乱のきっかけとなった大規模デモを主催した市民団体「民間人権陣線(Civil Human Rights Front)」のリーダー、岑子傑(ジミー・シャム、Jimmy Sham)氏は香港市民に対し、再び数百万人規模の街頭デモを行うよう呼び掛けた」(AFP前掲)

香港の熱い夏が再びやってきます。
このような時期に習の秋の訪日など問題外です。新型コロナの責任と合わせて絶対容認できません。

 

 

●国内感染状況(5月24日0:00 )
国内感染者16550
退院13413
入院治療を要する者2287
重症者168
死亡820
確認中32

以下ねこおぢ3より引用させていただきました。
2020/5/23
今日は+41

前々週70⇒前週23⇒今日41
累計感染者数16,570(+41)
累計死者数   840(+15)
累計退院者数13,340(+34)
現在患者数  2,390(▲8)

北海道+15
東京+14
神奈川+5関東+19
静岡+1
愛媛+1
福岡+3
検疫+2
以上+41

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コメント

国会で一国二制度を主張したり、一帯一路に組み込めとのたまうどっかの首長がいます。そら恐ろしいことです。

 すでに前段階として民主化の重鎮たちがコロナ禍騒動をスキをついて、軒並み逮捕されています。
中国外務省は各国大使館にあてて、「香港野党が外国政府と共謀して、政権転覆などを図っていて、法にしたがって即刻処罰するために対処する」という書簡を送っています。

中共政府は6/4の天安門記念日、6/9の民主化デモ一周年を警戒し、9月にある立法院選挙の結果を恐れていて、それが今回の香港弾圧法制定につながっていると見られます。

今回の国家安全法制定の具体的政策として、香港において中共政府による安全保障組織が設置される事は必定で、その地位は現存の香港警察や裁判所などよりも上位に置かれる事になります。
立法府は香港一つのはずですが、これで一国二制度も崩壊です。

習の国賓訪問に関し菅官房長官は5/22午前の会見のなかで、「前向きに進めている」とする中国国内報道に関する記者の質問に対し、「日中間において、意思疎通をこれから図っていきたい」と答えています。私としては、ぞんな馬鹿な事はしないだろうと考えたいですが、正直良くわかりません。

米国議会では今回の香港弾圧法制定の場合にそなえ、関連した中国人当局者に制裁を科す法案がすでに提出されている由です。
その成立があれば、日本国政府も習の来日を断念せざるを得ないと思うのですが。
ただ、根本的には日本のみならず、中国抜きの世界経済の確立を確立せねば解決しないのではないか。
21世紀も中盤になってこれほどの野蛮が行われるとは、本当におそろしい事です。

これで香港のデモ参加者の中からコロナクラスターが発生しましたとか発表されでもしたら中国政府はシメシメでしょうでね。
というか今の中国政府なら「感染者がいた事にする」程度のことはやっても全く不思議ではありません。

一方日本は、
中国公船による領海内での日本漁船の追い回しその後、公式に尖閣諸島を自国領土と主張するなど明らかな領土問題が発生している国に対して意思疎通もクソもないと思うのですが…
「こちらから招待してお断りするのは失礼なので」
といった理由で肯定できるものではもはやありません。
日本お得意の日和見外交で最悪な結果にならない事を祈るばかりです。

0200525 相模吾です。 ブログ主や山路さんの言う中国との経済を断つことは、非常に難しい。恐らく世界一の経済規模になるだろう国と一国では対抗しきれない。コロナ禍で評判を落としたとはいえ発展途上国には中国頼みがまだ多い。自由民主主義諸国においては、その信条から中国外しはできないだろう。当面中国には国際条約は守れ、という一点しか攻めどころがないのではないか。世界の評判を気にする点が強い中国政府は、世界中から約束を守れと言われるのが弱いはずと思う。香港の次は台湾、その次には日本、は目に見えている。日本も腰を据えて中国に物申す姿勢を内外に発信すべきと思う。一方で日本は、安全保障に関するものや仕組みを中国にたいしてより厳しくしていくことは急ぎたい。ものや技術、仕組みおよび安定した社会が優位にあれば中国からの経済制裁は避けられる。政治的な攻勢は自由民主主義諸国の連携に勝るものはない。

日本政府が逃亡犯条例の時も含めて中国に対してハッキリとした態度を示さないのは何故だと思いますか。私はやはり中国のシャープパワーによる影響が極めて大きいと思います。圧倒的な人口のアドバンテージを持つ中国が日本の市場に外国人労働者という形でどんどん参入してくる。外国人労働者の内訳で一番多いのが中国人です。そうすると日本の基幹産業は中国人に依存せざる負えなくなる。このような静かな侵略が10年以上にも渡って続いてきた。さらに言えば中国で不透明な形で日本人がスパイ罪という名目で拉致されるという事件が多数発生しています。これも民主主義と独裁という制度の違いを巧妙に利用したシャープパワーの一種で恐らく今回のコロナでサプライチェーンを日本に戻そうとしても中国は日本企業の資産を没収したりするぞと日本の政治家やその後援会などに脅しをかけてくることは間違いないでしょう。香港や台湾では自由と民主主義を守るといってますが果たして自由と民主主義だけで我々は中国に立ち向かうことはできるのか。自由という大義名分を掲げた結果アメリカやヨーロッパなどは移民によって侵食され民主主義によって分断される。そうした国々は衰退し、中国が力をつけていく現状を見せられてきました。恐らく日本でも自由と民主主義は本当に正しいのかと議論が行われると思います。その際に自由と民主主義を守るためにはナショナリズムが必要であるという結論に至るべきだと思います。具体的には中国に侵食される恐れのある離島や沿岸地域の雇用は中国人に依存しないことやそのために漁業資源などを国が管理し資源量を増やし、一次産業を魅力のある産業にしていくことなどが挙げられます。さらに自由とは単なる個人主義ではなく、家庭や地域社会があって初めて成立するものであるという共通認識が必要だと思います。そのような共通認識がないと、どんなに香港や台湾ように自由と民主主義という大義名分を掲げようがいずれ国は衰退し、中国の圧倒的人口に飲み込まれることは必然だと思うのです。中国の人質外交に対しては日本もスパイ防止法のようなものを作ることぐらいしか思いつかないのですが皆さんは中国のシャープパワーに対してどのように対抗すればいいと思いますか。私には今書いた程度のことぐらいしか言えません。何か良い提案があったら教えてください。

 私にはshunの問いかけに的確に答える能力はありませんが、習近平は何をやりたいのか?ようは結局ここをどう見るか、だと思います。

このまま行けば、香港の世界の金融センターとしての地位をすべてダメにする事は必至だし、それを恐れているふうにも見えません。
内政は矛盾だらけで、かわらず私有財産を認めない建前にもかかわらず、不動産投機は過熱して今にもバブルがはじけそうです。
中共は南沙問題以降、国際社会の評判など歯牙にもかけなくなりました。

異論はあるでしょうが、中共は党の維持・存続のために、毛沢東時代に似た鎖国政策のための準備をしているように見えてなりません。
韓国のように属国になりそうな国は「行きがけの駄賃」程度としてくっついてあれば良く、そうした国々を従えての民主主義陣営との二分化を図っているようにも見えます。

安倍総理は米・中どちらにつくのか問われ、「中国は世界の中で経済的に重要なプレーヤー。それにふさわしい責任を果たしてほしい」とし、「日本と中国が国際社会で期待されているのは、地域の安定と繁栄に責任ある対応をとって行く事。中国もそういう対応をする事を願う」、「普遍的な価値を共有する国々と手をたずさえ、中国も含めて助け合いながら国際社会が寄って立つ原則を築いて行くべき」と言っています。

これが安倍さんの本心だとすれば、どう考えても「周回おくれ」にしか見えない眠たい答えです。
「(中国の)孤立化が武力行使への道につながる」との、これは我が国の大東亜戦争の失敗について誤った学習をした成果でしかないし、もはや使い古された過去の論理にすぎません。
見透かされて日米同盟の弱体化に逆利用されるのがオチでしょう。


ソ連の崩壊は衝撃的でした。結局自由を求める人間の本能は暴力では抑えきれない。人間は奴隷ではないのです。
中国が崩壊するのは内部からではないでしょうか。
GDP世界第2位の大国ですが、その恩恵に与るのはほんの一握りの人達です。1日1ドル以下で生活する人も多い。一人っ子政策で少子高齢化も日本の比ではない。あまり報道されませんが暴動も年間20万件近くある。イケイケで経済成長している時期は顕在化しませんが、権力で抑え込んできた国内問題が爆発したとき中国がどうなるのか予想もつきません。その影響はコロナと同じく日本に世界に影響すると思います。

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