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2020年5月28日 (木)

逆ギレした中国

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中国という国の悪い癖が全開になっています。
香港に国家安全法を押しつけたことに対して、国際社会から一斉に批判を受けるとキレて自己正当化に走ります。
責任は自分にはない、悪いのはあいつだ、と自分より弱い者を名指しして罵倒してみたり、露骨に恫喝をかけたりしてしまいます。

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日経 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59459800S0A520C2MM8000/

批判を浴びたのは全人代の李克強政府報告です。

●全国人代・政府報告結語
・習近平強軍思想と新時代の軍事戦略方針を深く貫徹し、政治建軍・改革強軍・科技強軍・人材強軍・法治強軍を堅持する。
・国防動員システムを完備させ、軍と政、軍と民の団結を終始、盤石のものとさせる。
・香港特別行政区の国家安全を維持、保護する法律制度と執行機構制度を健全に打ち建て、香港特別行政区政府の憲法制度の責任を根づかせる。
・広範な台湾同胞と「台湾独立」反対で団結し、統一を促進する。
・富強・民主・文明・和諧の素晴らしい社会主義現代化強国を建設し、中華民族の偉大なる復興という中国の夢を実現させるため

●要約
①習の強軍思想に従って軍拡に邁進する。
②国民を有事に動員できる国防動員法を完備させる。
③香港に国家安全法を適用する。
④台湾統一をめざす。
⑤中華帝国を復興する。

これでは中国がハリネズミのように、外にも内にも準戦時体制に突入するプロセスに入ったと受け取られかねません。
こんなもの騒がせなことを全人代で基調報告としたら、そりゃ国際社会から、お前、頭大丈夫かと言われるに決まっています。
国産社会はひとことくらい、「すいませんでした。ご迷惑おかけしました。故意にやったわけじゃありませんので、今後も協力してがんばっていきましょう」くらいは期待していたのでしょうが(わが国なら言うよな)が、案の定「戦狼モード」に突入してしまったわけです。

これは下っぱの外交官も、外相も同じで、上から下まで「戦狼」のようです。
記者会見の席で、王毅国務委員兼外相は、こんなことを息荒くしゃべっています。

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王毅国務委員兼外相
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/2017032...

「香港国家安全法は一刻の猶予も許されない。必然的な流れだ」

香港だけではなく台湾についても、米国による台湾への武器売却についても、「台湾の統一は歴史の必然で、いかなる勢力も阻むことはできない」として、ここでも大仰に「必然」という言葉を持ちだしました。
ほー、「必然」という大仰な言葉をもちだしましたか。
王さん、あんた馬鹿ですねぇ。頭を冷やしてみなさいよ、世界に新型コロナで真犯人と目されている時に、外相まで「戦狼モード」になってどうしますか。

この「必然」という言葉を一般人が常識で解釈しては間違えます。いちおう王さんはこれでも共産主義者なんですからね。
ですから、コミュニストが口にする「必然」とは、「歴史法則に基づいた必然的結果」くらいの意味なのです。
こういう表現をしてしまうと、もういかなる妥協も「歴史的必然」に反する悪行となってしいますから、やれやれ、外相のくせに政治的妥協の余地を自ら閉ざしてしまいました。

こういう外交の下手さが中国の特徴です。
なぜなら、中国で成り上がるためには共産党内部の熾烈な党派闘争に勝ち抜かねばならないからで、それに8割のエネルギーを投じてしまいます。
トップのチャイナ7(政治局常務委員7人)にになればなったで、追い落されないように他派閥を切り崩しておねば、いつ寝首をかかれるかわかったもんじゃありません。
習の「反腐敗闘争」とは他派閥潰しでした。
あまりにもやりすぎたために習は何度も暗殺されかけています。

というわけで内部闘争に8割、あと1割が内政、残り1割が外交で、彼らの念頭には国産社会とか外交なんて概念自体がすっぽり欠落しているのです。
一見外交方針に見える今回の香港・台湾への方針も、実は強気に出ないと党内部の反習派から袋叩きに合うからで、内向けの宣伝みたいなもんです。

ちなみに中国人の行動原理を表わす言葉に、「指桑罵槐(しそうばかい)」というものがあります。
桑を指して槐(えんじゅ)を罵(ののし)る)、という意味で、相手を倒すために別の相手を叩くという意味だそうです。

「中国人が怒っているとき,その言葉を鵜呑みにしてはいけない。中国人は、どんなときも表立って誰かを批判したり,攻撃することはけっしてない。当事者を直接批判することはほとんどなく,この「桑を指して槐を罵る」というやり方を採る。つまり、ある相手を攻撃しているように見せて、実は別のところにいる人を批判しているのである」(池内の読書録)
https://ameblo.jp/heisei-socrates/entry-10662981652.html

1996年の台湾初の総統直接選で、中国はミサイルを台湾近海に発射する暴挙をはたらきました。
実はこれも指導部に反対する反主流派の牽制だったと言われているようです。

このように中国の外交は内政の続き、外交を舞台にした内政の争いである場合が大部分です。
ですから、政府報告にもわざわざ「習近平強軍思想と新時代の軍事戦略方針を深く貫徹し」なんて個人崇拝もどきのことを書きこんだり、台湾を併合する、香港を平定するというのは、「別の誰か」に向けて言っているのもしれません。

「中国の政治制度上、大方針を修正する場合、再び共産党大会を開く必要がある。それは5年に一度しかなく、次回は2年後の22年秋だ。だが、習近平が事実上のトップの地位を維持するなら大方針は変わりようがない。もし大転換するなら失敗の責任をとって習近平が退く時である」(5月27日日経)

次の共産党大会までなにがなんでも権力にしがみつくためには、香港の民主化デモを平定し、コロナで作られた国際包囲網を打ち破り、台湾にもグーの音もでないようにせねばならないのです。
そうしないと、次の共産党大会までの残り2年間を乗り切れません。
対外的緊張を高めて、国内的に自分に権力を集中する仕組みを作らねばならないのです。
習は、「戦時国家首席」となろうとしているようです。

といっても、それは習の勝手。
もちろん「歴史的必然」であろうとなかろうと、そんなことは中国共産党内部のスラングみたいなもんで、国際的にはまったく通用しましせん。
ではかんじんのそこに住む人に「お前らは中国領土になることが必然と思うか」と聞いてみたらどうですか。

香港基本法は英国と中国が結んだ香港の地位を定める協定に基づいて50年間民主制度が維持され、その間中国は香港の内政に干渉し得ないのです。
ですから、仮に香港において、自由選挙を求める市民たちの要求が通っても、それは香港の自治権の範囲の決定であって、中国には口ばしを突っ込む余地は寸分もありません。
「歴史的必然」と言いたいなら、むしろ一国二制度で保護されていにはずの民主主義を徹底させようとする市民の側にあります。

また台湾は、日本統治を経て、国民党政府が実効支配し、後に自力で民主化を行って自由選挙によって選ばれた政権が今の合法政府です。
米国が台湾を中国領土と認めたことは一度もなく、米中が国交回復した時に台湾に対して使った表現は「聞き置いた」("take note ")です。
これは中国の台湾に対する主張があることはわかったが、同意はしませんよ、という意味です。
だから米国は中国と国交を結びつつも台湾関係法を作って、中国が侵攻した場合には防衛することをうたっています。
このように台湾の中国による併合には、何らの「必然性」も認められません。

もし「必然」をいうなら、国家の三要件である「領土」「国民」「政府」のいずれも具備しているにもわらず、中国の札束で頬をたたくが如き切り崩しで国際的に孤立した現状を、正常な地位に復することです。
香港に対する国家安全法が、準独立地域である香港に対する主権侵害に当たるなら、台湾併合もまた事実上(de facto)の独立国家である台湾に対する侵略にすぎないのです。

このように中国は自分から進んで国際社会を敵に回しています。
それは習が権力を維持したいからにすぎません。
そのためにはコロナ禍の時期にあえて火種を作る、これが内部闘争だけでのし上がってきた習近平という人物の限界、というか性なのです。

かつて王は日本に歴史問題で「心の病を治せ」と言っていましたが、その言葉そのまま今の中国にお返しいたします。

 

 

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コメント

私がガキだった80年代の話(まだ絶賛冷戦時代)ですが、長くドイツに在住していた親父の幼馴染で東大出の秀才が帰国してきた時に言ってたんですが・・・長年ドンパチやってきたヨーロッパだと人口1000万越えるような国とか民族はそれだけで周辺からのものすごい憎悪の対象になるのが常識だそうで。
日本は1億人もいるのに憎まれずに安泰なのは、島国であることと敗戦後ひたすら頭下げてるからだと。。

さあ、長いことそんな常識があったヨーロッパに人口14億もいる中国が偉そうに言ってきたら・・・一時のノリばかりで動く困窮したイタリアやギリシャみたいにホールドアップしてカネ目当てにすり寄る国もあれば、ほとんどの国は「成り金のイエローが、ふざけんなよ!」というのが本音です。
が、中国が高飛車成り金になったのも市場目当てでドイツやフランスのせいなんだよねえ。。もちろん日本もそうだけど。
特にドイツが中国にすり寄る時は、世界的にろくでもない時代です!日本にとっては特に歴史が証明してます。


あー、大中華帝国を言うのであれば、
漢民族ではなくモンゴルこそが世界史上最も偉大であったのでは?という素朴なお話ですね。

 胡錦涛の頃までは、中共外交は「スマートで理知的、合理性のある紳士的集団」という米国の政治家・専門家の評価でしたが、今や化けの皮が剥がれて山賊の本質を誰もが認知するようになりました。ここまで長っかったです。

それにしても習はこのようなリスクを冒しても行かざるを得ない、それほど党内で追い込まれているという事。
近くインド国境で戦闘が始まるかも知れず、あるいは根こそぎの党内粛清に走る可能性もあるのかも。

ブログ主様が言うように、台湾についての米国の認識は中国側の「一つの中国原則」など認めていません。
特に「台湾は中国の不可分の一部である」という中国の主張には、「お聞きしましたよ~」というあいさつ程度のものです。
日本も承認まではしておらず、「中国の立場を理解し、尊重する」というにとどめています。

蛇足ですが、トランプ訪中のさい、朝日新聞は「トランプ大統領が、中国と台湾は不可分の領土の一部であるとする「一つの中国原則」に同意した」と報道しましたが、全く嘘っぱちのデタラメ記事でした。

中国側の「一つの中国原則」と、米国が従来保持している「一つの中国政策」は別のもので、内容がぜんぜん違います。
トランプは後者の米国の立場を言ったものに過ぎず、新華社でさえ正確に報道しました。それを知らぬはずもない朝日新聞の意図をさっするに、非常に悪質で危険な新聞です。

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