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« 米国の黒人暴動は民主主義とは別次元だ | トップページ | トランプは軍を投入できるか? »

2020年6月 4日 (木)

トランプが守ろうとしているのは白人至上主義ではなく「秩序」です

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もう少しアンティーファ(ANTIFA・アンチファシズム) について続けることにします。
あれはいったいなんだったんでしょうね。

ミネアポリスで亡くなったフロイド氏の弟が、「お前ら何やってんだ!こんなことやっても俺の兄貴は帰ってこない」と言った時点で、穏健なデモに切り替わると思うのが普通です。
白人警察官の殺人行為について抗議することは国民の正当な権利です。いやむしろ市民の義務と呼んでもかまいません。
あのような過剰な警備を放置すれば、警察に対する信頼が崩壊し、「無秩序への渇望」が生まれるからです。

しかし治まる気配もなく、むしろ、ワシントンDCや、都市封鎖が明けやらぬニューヨークにまで暴動が拡がってしまいました。
暴動といっても、商店を略奪して火を着けるんですからタチが悪い。
ただの無届けデモでもなければ、警官とやり合ったなどというレベルではなく、完全な破壊活動です。
これも警官の暴行と別の意味で、「無秩序への渇望」です。

つまり警察権力と破壊分子が一対になって平和な市民社会を破壊して無秩序のカオスを作ろうとしているのです。
これに対してトランプが軍を投入するといったのは、この暴力沙汰に対してであって、平穏なデモに対してではありません。
トランプのツイッターです。

「悪党らはジョージ・フロイド氏への追悼をおとしめており、許せない。たったいまウォルツ・ミネソタ州知事と話し、軍は知事を全面支援すると伝えた。私たちは事態を掌握するだろうが、略奪が始まれば発砲が始まる」

トランプの軍投入発言に対して批判しつつもウォールストリートジャーナルは、一定の理解も見せています。

「ドナルド・トランプ米大統領は1日、全米各州の知事らに対し、店舗での略奪、建物への放火、警察への襲撃などの不法行為をしている人々により厳しく対処し、彼らを「制圧」すべきだと叱咤(しった)した。トランプ氏の言葉はいつも通りに直接的で非同情的なものだったが、州政府や自治体にとって公共秩序の回復が最優先という点では彼は正しい。
州知事や市長は、何の罪もない人々を守る必要がある。そうしないのであれば、連邦政府は、市街地をパトロールするため軍の出動を要請せざるを得なくなる」WSJ6月2日 『米暴動鎮圧、軍の出動は避けるべき』)
https://jp.wsj.com/articles/SB11497985399940914732104586421160438668264

このへんの感覚は日本人には理解するのは難しいかもしれません。
日本ではデモが略奪に及ぶことはぜったいにないからです。
日本にも少数ながらアンティファがいますが、彼らにできるのは首相の頭の人形をひき潰す趣味の悪い遊びていどのことで、略奪・放火などをやる凶暴さはありません。

Buftkguceaautwk 共産党系ブルドーザーデモ

日本でアンティファのような運動を探すには、50年ほど前の連合赤軍事件まで遡らねばなりませんが、米国の場合、左の暴力を放置すると、対抗的に右を繰り出す可能性があります。
米国のアンティファが誕生したのは、2017年、アトランタにあったリー将軍像を撤去した事件に対して白人至上主義と呼ばれる人々が抗議し、これに後にアンティファと自称するようになった極左勢が殴り込んだからです。
誕生の当初から暴力で反対派を黙らせようとする性格は変わらなかったようです。
この凶暴な暴力性がアンティスァの第1の性格です。

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ではなぜ、リーの銅像が撤去されたのでしょうか。それは南軍の将軍だったリーが奴隷を所有していたからだとされています。

「トランプ氏はこの日、ツイッターで「美しい像や記念碑が撤去され、われわれの偉大な国の歴史と文化が引き裂かれるのを見るのはつらい」と述べた。また「歴史は変えられないが、そこから学ぶことはできる」と続けた。(略)
 トランプ氏は今週に入り、リー将軍像の撤去が、歴史からジョージ・ワシントン元大統領やトーマス・ジェファーソン元大統領を削除しようとする動きにつながりかねないとの見方を示していた。この2人の元大統領は奴隷を所有していた」(ウォールストリートジャーナル2020年6月4日)。

これは今回、ミネアポリスで歴史的遺産とされた教会が焼き討ちにあったことと重ね合わせるとアンティファの2番目の顔が見えてきます。
それは歴史の抹殺です。
歴史をありのまま見ることを拒み、自分の考える「正義」で歴史を断ち切ろうとします。
奴隷を所有していたリーの銅像を撤去することも、白人教会に放火することも、間違った歴史は抹殺されるべきだと考えているからです。
おそらくこの考えを煎じ詰めていくと、トランプがいうようにワシントンもジェファーソンも奴隷所有者としてなで斬りにせねばならず、大統領就任宣誓式で聖書に手を置くことすらできなくなることでしょう。

そうそう、米国でリークリスマスを言うのももうダメだってトランプが嘆いていましたっけね(笑)。
えてしてこの「行き過ぎた正義」は、中庸と常識を憎悪し、伝統を破壊します。
アンティファは装いこそ目新しいものの、今、米国を覆っているポリティカルコレクトネスの鬼っ子にすぎないのです。
ちょうどかつての社会党・共産党といった既成左翼と、そこから生まれた過激派との関係のようなものです。

アンティファは、その時代において奴隷が合法だったことを無視して、現代の眼で過去を批判し、歴史の上から抹殺しようとします。
これは慰安婦時の日本のリベラルの発想と同じで、過去をその時代に腰を落として見ることを拒み、今の価値観でバサバサと斬っていきます。
当人は気持がいいでしょうが、やられた側はその歴史の上に自分が今生きていると考えていますから、とうぜん反発します。

リーの銅像の場合なら南部諸州にもたっぷりと言いたいことははあるわけで、今になって差別主義者なんてレッテルを貼られたらたまったもんじゃないでしょう。
しかも米国社会は極端な銃社会で、今回のコロナで銃の売り上げが6倍になったというようなぶっそうな国ですから、この両極端の抗争には必ず暴力と死が登場します。
今回の黒人暴動が更に燃え盛れば、まだなりを潜めている白人至上主義者も銃をもった「自衛」に乗り出すことでしょう。
かくして白人vs黒人の対立に、左右の対立が加わり、米国社会は銃を乱射し合うジャングルに変わっていくかもしれません。
トランプが止めたいのは、このような状況なのです。

リベラル・メディアは、トランプを白人至上主義者と決めつけていますから、この抗議活動を軍で頭から潰そうとしているように描いていますが、これは間違いです。
彼が守ろうとしているのは、あくまでも民主主義社会の基盤である「秩序」なのです。

そこで考えていただきたいのですが、昨日暴動が拡大した場所はどでしょうか。
米国中枢のマッハッタンやワシントンDCです。

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ブルームバーグ

「ミネアポリスの白人警官に膝で首を押さえつけられて死亡したフロイドさんの殺害事件を巡って全米で各地で抗議デモが続く中でこの警官は第3級殺人罪で起訴された。この事件は、過剰な警察力の行使に対する非難を再燃させ、黒人の命の尊重を訴える「ブラック・ライブズ・マター」運動に拍車をかけている。
ニューヨーク市のデブラシオ市長は、1日に発令した夜間外出禁止令を7日までは継続すると2日明らかにした。開始時間は午後8時に早め、翌朝午前5時まで実施する」(ブルームバーグ6月4日)

ニューヨークでは6月1日には五番街があるタイムズスクエアで暴動が起き、以下点々と市内で発火し、夜10時にはブルックリンまで拡大しました。
ワシントンにも暴動が及び、トランプがホワイトハウスの地下に避難したほどです。

トランプがアンティファを名指ししてテロ団体指定すると言ったのは、一般の平和的デモと極左を切り放すのが目的でした。
どこまで本気でテロ団体指定できるのかは未知数で、今まで国内の勢力をテロ団体指定したことはなく、あくまでも外国勢力の紐付きでなければ難しいとされています。
一方トランプは、アンティファが中国からいくつかのペーパーカンパニーを通して資金提供を受けているとにらんでいると思われます。
その可能性はあるかもしれませんが、どこまで証拠だてられるかは別です。
ただし、今の米中新冷戦のさなかに起きた事件ですので、中国の紐の線が徹底的に洗われることは間違いありません。
先ほどのウォールストリートジャーナルはこのように報じています。

「ビル・バー司法長官が説明したように、連邦政府には、法律違反者を追及するための別のより良いツールがある。バー氏は31日、「外部の急進主義者や扇動者の団体がこの状況を利用して、自分たちの分離的、暴力的かつ過激主義的な計画を遂行しようとしている」と述べた。同氏は極左グループ「アンティファ」にも触れた。アンティファは米国のシステムが腐敗していると考え、暴力が警察や財産と敵対するための正当なツールだと信じている自称無政府主義者のネットワークだ。
ニューヨーク市警察で情報・テロ対策の責任者を務めるジョン・ミラー副本部長は31日、暴力が組織化され、細かいところまで計画されていたことを示す類似の証拠を持っていると述べた」(WSJ前掲)

このニューヨーク市警察の情報・テロ対策責任者のいう「暴力が組織化され、細かいところまで計画されていたことを示す類似の証拠を持っている」というのが、具体的になにを指すのかは不明ですが、全米規模の同時多発破壊行動がなんの連絡も統制もなくなされるはずもありません。
「州外から来た」と当局者に言われている一定規模の部隊編成が必要で、その頭脳に当たる司令部や資金を提供する兵站も備わったグループである可能性があります。

その頭脳と兵站の先に中国の長い手がついているかどうかは、今後の捜査によるしかありません。
その証拠がみつかるかどうかはわかりませんが、今回の「行き過ぎた正義」であるアンティファに対してトランプが軍隊を出動させると述べたことに対しての世論調査の数字が出ています。

「米調査会社モーニング・コンサルトは、5月31日から6月1日にかけて世論調査を実施。その結果、回答者の58%が、全米で発生している抗議活動や暴動の取り締まりについて、警察とともに軍隊を動員することに賛成と回答した。反対は回答者の30%にとどまった。
さらに、回答者の3分の1の33%が軍隊の派遣に「大いに」賛成、4分の1の25%が「ある程度」賛成、と回答した。一方、米軍の動員に「大いに」反対するとした回答者は全体の19%、「ある程度」反対するとした回答者は11%にとどまった。この調査の誤差範囲は、プラスマイナス2ポイントとなっている。
軍隊を派遣する案を支持する割合は共和党支持者の間で高く、77%が賛成している。民主党支持者でも48%が賛成と答えた。また、無党派層も52%が賛成している」(ニューズウィーク6月3日『【世論調査】アメリカ人の過半数が米軍による暴動鎮圧を支持』)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93583.php

約6割がトランプの軍出動発言を支持ですか、少し驚きましたね。
アンティファが調子に乗ってニューヨーク、ワシントンを破壊した時点で終わったのです。

 

●お断り 大幅に加筆しました。

 

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コメント

真っ先に思い出したのは91年のロス暴動でした。被害男性は生き残りましたけど発端の構図は同じです。完全に無法地帯化して軍が投入されましたが、ロサンゼルスという都市に限定された上に被害者本人がマスコミの前で「こんなバカなことはやめろ!」と演説して終息しました。
昨年NHK BSプレミアムでもドキュメントが放送されましたね。

今回は、ネット社会になって情報拡散が圧倒的に速くなったということもありますけど、ロス暴動を参考にして勉強した連中(米国内なのかどこぞの追い込まれた反米国家絡みなのかは知りませんけど)が明らかに扇動して全米の都市に火をつけたとしか思えませんな!
加害者の警官はスピード逮捕されて個人情報晒された上に離婚です。
被害者の弟さんが「こんなバカなことはやめろ!」と言っても収まらないというのは、やはり裏で操作してるグループもしくは国家がいるのであろうと。。

 この一連の暴動を裏で煽ってる連中は、もしかして、今日、大きな事件をワシントンのホワイトハウスの前で起こすつもりなのでは?、と勘ぐってます。もしも軍の鎮圧活動による死者が発生すれば、本日の日付は、1989年に北京で起きた事件ではなく、2020年にワシントンで起きた事件として上書きされるでしょう。

 アメリカがこういうダメダメな社会になってしまったのは、アカデミーや文化人などによる行き過ぎた「ポストモダン思想」の影響がかなり作用していると思います。
差別問題や少数者問題は確かにあって、それは完全には無くなる事はありません。
それでも歴代米政府は積極的にぶ厚い手当てをし続けていますし、漸進的には改善しています。

つまり、50~60年代のアフリカ系差別問題と70年代以降の類似問題は別個に考えるべきです。
今回の事件も運動体にとっての一種の契機であって、問題を通じて自分たちの政治的主張を表現し達成したい欲求ゆえの行動だろうと思います。

政治的に「モダン」の意味するところは、ファシズムの事です。
だから、ポストモダンは「ファシズム後」と解されるところで、ファシズムは強力な官僚組織と完全な指揮命令系統に象徴される理性主義的社会を指します。
彼らはあえて自分たちを傍流に置き、つねに自国の政府などの中心体を弱める事を正義としますが、だからトランプの言う「強いアメリカ」など反吐が出るほどイヤなのです。

権力が生まれるのを嫌う彼らの中での「正義の人」は狂人であり、外国人であり、性的少数者などの決して主流となりそうもない人たちを指します。そういう人たちに力と発言権を持たせて、権力の一方向への集約を防ごうとし続けたから米国のパワーが萎えたのだろうと思います。

まさにアンティファはその進化系で、無政府傾向すら有します。
略奪や破壊に対しての米国民の反応は拒否的ですが、軍を投入するとなるとトランプさんにとって藪蛇となるのではないかと心配です。

こうしたアメリカ国家の欠点など中共は先からお見通しで、中共の手が全く入っていないと主張するほうが無理があるでしょう。

旗を燃やす集団と黒人の人権を真に願う人々は相容れない関係なのだと分かり、私は少しだけほっとしました。
星条旗は国家権力の象徴ではないのです。
アンティファは今見えている様相よりも実は恐ろしい集団になる可能性が高いと私は思っているので、今回米国にはひよらずにしっかりとテロ指定まで持っていって欲しいです。

数日の記事で米国が抱える深い傷としての黒人奴隷の歴史に触れられています。
移民の国ですので新しい移民が常に下層部分を引き受けながらステップアップしていくのはシステムとしてありなのです。元の生活をリセットして夢を託す地としての価値があります。
だからこそ、あの国で唯一望まずにあそこに連行されてきたアフリカ系黒人、彼等のスタート地点が夢ではなく絶望と死であった事は、一際深い傷として、常にそこここにあり続けています。
しかし私の知る限り、彼等は米国を憎むのではなくそこで好きに生きる自由を求めるUSAの一員である事を望んでいます。
ジトっとしたアジア的な感覚からすると「ああ!マジそれでもういいんだ!?」とずっこけるような展開でポジティブに状況をひっくり返したり終わりにしてしまうパワーで、今回も乗り越えてくれることを期待しています。
トランプ当選前後の頃は、ポリコレのやり過ぎで最悪米国分裂するのではないかと恐れていましたが、ポリコレ棒で壊した物が多すぎて国民ドン引き。私的にはその心配は和らいでいます。
と、敢えてポジティブに書くことにします。頑張れ米国の良心!

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