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2020年6月25日 (木)

石垣市 登野城尖閣に改名の英断

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6月22日、石垣市議会が尖閣諸島の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更することに決まりました。
10月1日から正式に地名変更となります。
こういうニュースを聞くと、石垣島という小さな島に尖閣という重い課題をおしつけてきてしまった、国や県に対してなんともやりきれないきがします。
いうまでもないことですが、このようなことは政府や、デニー県政がやるべきことです。

石垣市議会議決の翌日23日、沖縄戦終結の日の国や政府の発言にひとことでも「尖閣」があるかと思ったのですが、だんまりを決め込みました。
慰霊の日は、誰しもが口を開けば「平和」を唱えますが、日本でもっとも隣国からあからさまに平和を犯されているのは「尖閣」であり、それを行政区とする石垣市と近隣地域の宮古島なのです。
尖閣を見ない「平和」談義のなんと虚しいことよ。

日本政府は菅官房長官がすげなく「市町村区域内の字の名称変更は、地方自治法で市町村の長が、市町村議会の議決を得て行う事項だと承知しており、政府としてコメントすべきではない」とスルーを決め込みました。
彼に言わせれば、ただの地方自治体字名の変更などに国が口バシを突っ込むべきことではないという理屈なのでしょうか。

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NHK

一方鈍い日本側と対照的に、「たかだか地方自治体の字名変更」に激しく反応したのが中国でした。
決議された当日の22日には、早くも海警が公船4隻を尖閣諸島沖に派遣、約4時間にわたって領海侵犯を行いました。

「22日午後、沖縄県の尖閣諸島の沖合で、中国海警局の船4隻が、およそ4時間にわたって日本の領海に侵入し、第11管区海上保安本部が再び領海に入らないよう警告と監視を続けています。
海上保安本部によりますと、尖閣諸島の南小島の沖合で、中国海警局の船4隻が、22日午後3時半ごろから相次いで日本の領海に侵入しました。
4隻はおよそ4時間にわたって領海内を航行した後、午後7時半ごろまでに領海を出たということです。
4隻は、午後7時40分現在、久場島の北東およそ27キロから31キロの領海のすぐ外側にある接続水域を航行しているということで、海上保安本部が再び領海に入らないよう警告と監視を続けています。
尖閣諸島の沖合で中国海警局の船が領海に侵入したのは、今月8日以来、ことしに入って11回目です」(NHK6月22日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200622/k10012480141000.html

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NNN

なんと中国は6月22日時点で実に連続70日間ぶっ通しで、海警を尖閣諸島周辺に侵入させ続けています。
これは2009年秋の尖閣諸島の国有化以降の最長記録で、コロナがあろうと、はたまた習の国賓訪日予定されていようと、雨にも負けず風に負けず、ただひたすら侵入を繰り返してきたというわけです。

しかも2009年当時と大きく異なるのは、今や海警局は6月20日に改正されたばかりの人民武装警察法改正によって、正式に人民解放軍指揮下の準軍隊になっているということです。
つまりこれは「公船」(中国語ですが)という警察機関の侵入ではなく、軍隊の侵入と捉えることも可能だということになります。

【北京=西見由章】中国の全国人民代表大会全人代)常務委員会は20日、中国国内の治安維持などにあたる人民武装警察部隊(武警)の指揮系統を明確化した「人民武装警察法」改正案を可決した。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域で活動を活発化させている武警傘下の中国海警局が、有事や合同演習の際に、人民解放軍海軍と同じ指揮系統の下で一体的に行動することが可能となる」(産経6月20日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f1c638b5e43c6f6afa2fbb2a4e983978f3ca298

今まで日本の海上保安庁は中国海警を同類のコーストガードとして取り扱ってきましたが、この中国の法改定によって、海警は「軍隊に準じた武装組織」として遇さねばならなくなりました。
なんせ海警は一見日本の巡視船と同じスマートな白い船を装っていますが、実は既に2018年には国務院(政府)の管理下から切り離され武警に編入され、さらに今回6月の法改正で人民解放軍指揮下に編入された立派な「軍隊」なのです。
そして平時に海警が担う任務は、「海上での権益保護や法執行」で、戦時には最高軍事機関である中央軍事委員会(主席・習近平)指揮下の人民解放軍「戦区」の下で軍事行動を行います。
尖閣に侵入した海警は、東シナ海を管轄する「東部戦区」に編入され、中国海軍と共に作戦行動をとることでしょう。

おまけにそれだけでは溜飲が下がらぬとばかりに24日には、中国自然資源部がこんな「地名変更」の発表をしています。

「中国政府は、(外交ルートを通じた)口頭および(中国海警局の艦艇編隊による尖閣諸島海域の)巡航で警告したのに続き、23日には釣魚島(尖閣諸島の中国名)周辺海域の海底地形50カ所に名称を付けたことを公表し、日本側の改名の動きに反撃した」と報じた。
記事は、中国自然資源部が23日、「地名の使用を一層規範化するため」として、東シナ海の海底地形50カ所に「釣魚窪地」や「釣魚海底峡谷群」などの名称を付けた一覧表を、公式サイトを通じて公表したことを取り上げた。
尖閣諸島付近の海底地形に「釣魚」と中国語で尖閣を指す言葉を使った地名を含む50の新地名を発表。尖閣諸島および周辺の海底の領有権を主張。新たに発表された海底地形名には「釣魚窪地」「釣魚海底峡谷群」「釣魚水道」などがある」((レコード・チャイナ6月24日)
https://news.so-net.ne.jp/article/detail/1998365/

レコードチャイナは「中国、日本の尖閣字名変更に倍返しで反撃」とタイトルをつけていますが、これは自分らがよくやる中華帝国風侵略の手口を石垣市に逆手にとられたことへの腹いせです。
勝手に他国の領土・領海に自分らの名をつけ、行政区に正式に「編入」してしまって、それを実効支配の法的根拠とするのが、中国が南シナ海でとってきた常套手段でした。
今回の石垣市の措置は、同じ「登野城」という字名が市内にあるので区別するために「尖閣」を入れただけなのですが(もちろん本意は違いますが)、中国からすれば、オレの専売特許をパクりしやがって、ということのようで、お怒りも激しいようです。

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「北京=羽田野主、ハノイ=大西智也】中国政府は19日までに、各国が領有権を主張する南シナ海に新たな行政区を設置すると発表した。中国民政省が海南省三沙市に行政区の「西沙区」と「南沙区」を新たに設けることを承認した。南シナ海の実効支配を強める中国にベトナムが反発しており、緊張が高まっている。南シナ海の諸島について、中国政府はこれまで海南省三沙市が管轄すると主張してきた。今後は三沙市に、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島とその海域を管轄する「西沙区」、南沙(同スプラトリー)諸島とその海域を管轄する「南沙区」を新設する。行政組織も設ける。
西沙区政府の所在地は永興(英語名ウッディー)島、南沙区政府の所在地は永暑(英語名ファイアリクロス)礁となる。いずれも中国が軍事拠点化を進めている 」(日経2020年4月20日 上図版も同じ)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58248150Q0A420C2EAF000/

このように勝手に他人様の土地にドカドカと土足で押し入り、ロープを張って「永興」とか「永暑」などと札を立て、ここオレんちと言い出すのですから、まるで田舎のヤクザです。
そして正当な住民が裁判所に提訴して勝訴を勝ち取ろうもんなら、「そんなものは紙屑だ」とうそぶくのですから、もうやくざ以上です。
ホントにホントに一国の外務次官がそう言ったんですからスゴイね。

「中国・劉振民外務次官:「フィリピンは判決が紙くずにすぎず、執行できないと認識して、判決を棚上げして対話のテーブルに戻るよう希望する」(テレ朝2016年7月13日)

なにが「対話のテーブルに戻ることを希望」ですか、きれいごとを。
中国は国際海洋法は守る意志がない、国際仲介裁判所の判決もゴミ扱い。
そして小国フィリピンとはあくまでも二国間「対話」、つまりは札束で頬を叩く外交で処理しようや、ということです。

これもまたいかにもいかにもチャイナのやり方です。
中国が狙っているのは、尖閣を「係争地」と国際的に認識させることです。
そのために牛のヨダレのように、海警を領海侵犯させ続け、そこでやっているのが「違法な日本漁船の操業の取り締まり」という「海上での権益保護や法執行」です。
侵犯行為?とんでもない。あたしらがしているのは自国領海の通常どおりのパトロールですぜ、というわけです。
今や中国海警は、尖閣海域で日本の海保に対して堂々と「日本の海警、いつまでもそこにとどまっていれば実力で排除せざるをえない」なんて退去命令を発しているそうで、盗人猛々しいというか、なんちゅうか、唖然となりますね。
どこの世界に泥棒が警官に逮捕スッぞと脅かすんですか。

中国は日本側が尖閣を係争地だと認めていないのを充分知っていて、ならば波風、いやなんなら台風の一発も送り込んでろろうか、そうすればイヤでも係争地になるだろうという目論見です。
係争地と国際的に認識されればしめたもの。そこで日本漁船をおおっぴらに拿捕しまくり、日本政府が抗議しようもんなら一気に海警を押し退けて海軍を出す、これが南シナ海でやったことです。

そういう意図があるのを日本政府は充分に分かっていますから、菅氏がああいう言い方をしてしまうのですが、デニー氏のほうは単にボケているだけです。
しかし日本が真面目に尖閣を守る気なら、今までのような挑発には乗らないだけでは通用しない時期に差しかかっています。
そのためには、最低でも尖閣に灯台や船着場を建てるていどの漁業支援整備が必要なはずです。
それは尖閣周辺の漁業を守ることが、そのまま実効支配のなによりもの証となるからです。

それを知っている中国は執拗に日本漁船を追い回す「警備行動」しています。

「海保などによると、尖閣周辺を航行中の中国公船4隻が8日午後4時ごろから相次ぎ領海に侵入した。そのうち2隻が与那国島の漁船「瑞宝丸」=金城和司船長(48)=に接近して追尾したため、瑞宝丸は海保の指示を受け、いったん領海の外に出た。日本政府は8日に複数のルートで中国側に抗議した。 
追尾は8日だけでなく、瑞宝丸が領海内に戻ると再び中国公船が現れ、9日から2日間にわたり領海内で瑞宝丸を追尾・監視した。電光掲示板で瑞宝丸に「退去」を命じ、約30メートルの距離まで接近することもあった。中国公船は領海内に約26時間滞在。瑞宝丸は10日午後7時ごろに漁を終えて与那国島に向かったが、中国公船の追尾は11日午前0時ごろまで続いたという。
 中国公船は「退去命令」にあたり、無線やスピーカーは使わず、放水なども行わなかった。瑞宝丸の乗員3人にけがはなかった」(産経5月24日)
https://www.sankei.com/politics/news/200524/plt2005240006-n1.html

海保もその実情を判っていて漁船の出漁に随伴しています。
今後、中国は激しく反発するでしょうが、それを折り込んで毅然として対応せねば拿捕どころか遠からず尖閣に赤旗が翻り「「釣魚」と呼ぶことになることでしょう。
そして彼らは必ず尖閣の実効支配の方法として、軍事拠点を建設するはずです。それも沖縄に向けて。
これらはすべて、南シナ海で実際に彼らがやってきたことです。

このような状況においては、石垣市のような直球勝負が正しいのです。
改めて石垣市の英断に拍手します。

 

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コメント

NHKをはじめとするメディアは「中国や台湾の反発」を報じる始末です。辺境の自治体が英断を下したのだからむしろ世論を喚起し後押しすべきなのです。「ひとんちに勝手にはいってくんな、ボケ」と。

 クラッシャーさんが言うように「中国・台湾の反発が予想される」と結語するメディアはNHKだけでなく、共同や時事・朝・毎もそうでした。
あえて経過を省略ことで、まるで中国からの反発を期待し、あるいは誘うかのような書き方になっている事にうんざりします。
また、台湾の反発と中国の反発の意味内容もぜんぜん事情が違います。

菅官房長官の言い草もひどいものです。
記者会見の場を切り抜ける方便のようなものでしょうが、非常に冷たく感じます。
石垣市の今回の決定は、八重山漁協の船だけでなく、漁労者の船が中国公船に追い廻される事態が頻発している事態を受けてのものです。こうした事態を打開するためにこそ、日本政府により強い措置をうながすことが目標だからです。

「このような状況においては、石垣市のような直球勝負が正しい」、まったくこの通りだし、これ以外の答えはありません。

米国議会では、領有権の主張に関する中立的立場をとるこれまでの姿勢をあらため、近く「中国側の領有権」主張を完全否定する案を超党派で採択される見通しです。トランプも即座に署名するでしょう。
日本政府もこれまでのような、曖昧模糊とした玉虫色の言葉遊びは出来なくなります。


 石垣市はよくやってくれました。これから後は自民党政府がどれだけの指導性をもって国民世論を方向付けていけるかが問題なんでしょう。ナショナリズムを高めることに精出してもらいたいものだ。

 アメリカが行っているように経済戦争を仕掛けるぐらいに本格的にやるべきだ、財界も従わらずを得ないほどのハッキリとした中国対峙の姿勢をとってもらいたい。

 尖閣海域から中国船が退去しないならば、中国との経済協力は難しくなるだろうぐらいのことは言ってもらいたい。現実にも実行してもらいたいが、とりあえず言ってみることだ。

https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/books/report2005/topics/p005-1.html
このちんまりした灯台をメンテナンスしに上陸するぶんには中共は文句を言わないと、虎ノ門で江崎氏が言っていました。
もうちょっと頑丈で立派な灯台に改築して日本の旗を立てたいですね。
八重山日報が書いていた、海保に付き添われて尖閣に出た漁船は無事に漁をできたようですね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c492ddf2ff1fcff7c37a2576e6d93baec40c4e5
いくら県が頼りなくとも、こういうことはあまり現場に丸投げせずに国が裏からでも支えるべきです。行政がやりにくいなら議員がやるのは当然だと思いました。

中共の痛いとこ突く石垣市、グッジョブ。
最近、細野豪志氏などが、中共海警に対して自衛隊が対応できるようにしないと、など勇ましいことを述べておられますが、これは危険な考えです。
それこそ中共の思う壺で、実態はどうであれ、そうなれば向こうは、出しているのは警察なのに日本が軍隊を寄越して挑戦してきた、と宣伝して回ります。
空は自衛隊に、海は海保に、感謝してお願いしますという他ありません。

直球勝負は本当にその通りで、(無理を承知でも)願わくば、施設を整備して漁業なり遊漁なり演習なり何なりで、石垣市登野城尖閣における日本人の日常を繰り広げ、海警が来ようが「あんたらなど怖くない、だって無害通行なんでしょう?違うの?」という日々であって欲しいと考えます。

たしか・・かつて幕末に、ドサクサまみれに帝政ロシアが対馬を占領
した時に、歴史的にはそれまで対馬藩の宗氏が侵入者のロシアへ
応戦するところだったのを、幕府の最高責任者だった勝海舟はロシア
との交戦を避け、当時最強国かつロシアの宿敵であった英国にむけ、
「露助の野郎、極東の地でこんなエグイ事してるんだぜ、アンタらの
目は節穴かい?コレ、どう落とし前つけやがるんでぃ!」と一喝した
という話があったような・・

もし侵略者といえども交戦したら、ロシアは自国民の安全確保という
名目で、対馬占領を正当化するところだった。勝さんはなんのかんの
と世界情勢を見る目があった。外交的に敵の敵は味方で、その中で
も全盛の大英帝国という、ロシアと宿敵同士の超大国にチクったのは
正解だったと思う。結果、ロシアは対馬から静かに撤退して行ったの
だから。

そんなんで尖閣諸島においても、中共は、日本側にたとえ自国防衛
の為だとしても武器の使用をさせようとしてきますわ。日本に武器を
使わせたら、あの手この手で「我が中共軍が被害を受けたぞ!どな
いしてくれるんやねん、ワレ!」とプロパガンダの嵐ですわ。

外交で米国を抱き込んで、さらにインド・ベトナム・台湾などの嫌中共
国家と足並みを合わせないと。(朝鮮は放っておくのが大正解です)
とにかく外務省の責任は重いですわ、良い仕事をして欲しいです。
現代に勝さんがいてくれたら・・爪の垢をもらって飲んで欲しいですわ。

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