• 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014

« 専門家会議議事録騒動について | トップページ | トランプが守ろうとしているのは白人至上主義ではなく「秩序」です »

2020年6月 3日 (水)

米国の黒人暴動は民主主義とは別次元だ

 Dsc_3419    

なんだか米国がひどいことになっています。
新型コロナで世界一の感染国となって一日1500人見当の死亡者を出しているときに、今度は黒人暴動です。
もう「三密」もへったくれもありません。密密です。

米国はせっかくの好況による失業率の低下が一気にコロナで暗転して、貧困層の持って行き場のない怒りが溜まっていたのでしょうか、日本では考えられない事態ですが、少し整理してみることにします。

まず、亡くなられた黒人のジョージ・フロイド氏の死因ですが、白人警官のデレク・ショービンによる窒息死です。
白人警官は「苦しい。息ができない。ママ」と叫ぶフロイド氏の首を膝で押さえつけ、咽喉を押しつぶしています。

3_20200603052001
少しでも柔道や合気道をやったことのある者ならわかりますが、5分にわたって喉を体重をかけて押しつぶせば、死に至って当然です。
おおよそ警官の所業とは思えず、言い逃れができない犯罪行為です。
なおこの警官は地元検事により第3級殺人で訴追され、その場にいた複数の警官も訴追されるようです。

では、なぜこのような事件が起きたのでしょうか。
それはフロイド氏がコンビニで偽20ドル紙幣を使ったと通報され、車にいた彼を拘束しようとして発生したようです。
これについては動画が残っています。
https://www.youtube.com/watch?v=EKV7Mi9YUAQ

そして、その後ミネアポリスだけではなく、全米で暴動と略奪が勃発しました。

2_20200603052001

問題とされるのは、これが平和的デモではなく、あるいは一定の暴力を伴うデモではなく、無関係なスーパーや店舗を襲撃し、略奪に走る行為まで頻発したことです。

Photo_20200603052001
ここに至ってトランプはこの暴動を強く批判し、軍の投入も辞さないと演説しています。
これに対して米国のCNNなどのリベラルメディアは、トランプが民主主義の危機をもたらしていると報じています。

中国は得たりとばかりに反米宣伝の材料にとりあげ、一党独裁国家よりも民主主義国の方が、国家運営が差別的であり、拙劣だと決めつけました。
中国外務省の趙立堅副報道局長は、記者会見の席で、「どうして米国は香港警察を非難し、一方で自国の抗議活動の参加者を銃で脅すのか。典型的な二重基準だ」と述べたようです。
もちろんこの中国の反応は、香港に対する国安法を押しつけて「一国一制度」にしようと企んでいることを帳消しにしたいからにすぎませんが、香港問題とミネアポリス事件はもちろんまったく別次元です。

というのは、ミネアポリス事件は、CNNや中国が言うような民主主義の問題ではないからです。
米国が歴史的に抱え込んだ人種問題は、民主主義では解決しないからです。
米国は黒人差別問題を民主主義で解決しようとして、60年代に公民権を与えました。
これにより外形的には「平等」となったのですが、問題は残り続けました。

今回の事件は、新型コロナによって貧困層が多い黒人が働けなくなったために恨みが溜まって爆発したのだという説明もできますが、失業したのは黒人ばかりではありません。
ヒスパニックも貧しい白人も同様に失業しています。

リベラルはここで貧困層は爆発して当然である、いや爆発しないほうがおかしい、とまるで大義があるような擁護の仕方をします。
これは一種の暴力革命待望論で、貧しい者は略奪や破壊行為をしても正当化される、なんでもしてよいのだ、ということになりかねません。
これは、保守白人層がいう、貧しいのはお前ら黒人が怠け者だからだ、全部お前らの自己責任だ、という考え方の裏返しです。
どちらも私には正しいとは思えません。

リベラルは理由を大義にまで誇張していますが、略奪に一切の大義はありません。
貧しい者が略奪・暴行を行い、街を破壊してもかまない、革命はお茶を飲むことではないと言ったのは毛沢東ですが、天災や伝染病が革命のきっかけとなる考えるのは、社会主義革命への幻想にすぎません。
トランプはANTIFA(アンティーファ)を名指ししてテロ集団指定すると息巻いていますが、私はここまでの力量はないと思っています。
また中国を黒幕のように言う人もいますが、一概に否定はしませんが、一定の資金面での工作はあったとしたら米国は巨大な中国工作員組織抱え込んでいることになります。
いずれにしても、あまり黒幕にこだわると陰謀論二なってしまうので気をつけましょう。
ただしANTIFAがやったかやらないかは別にして、テロ組織に指定された以上、これに関わる立憲民主や共産党の議員諸氏は、今後米国に渡航できなくなりますので、お気をつけ下さい。

Antifa

ではここで仮に、黒人警官が黒人市民を過剰な暴力で死亡させたとしたら、あるいは白人警官と白人の犯罪者、さらには黒人系が白人を殺害した、またはその逆という組み合わせだったらと考えてみましょう。
これで同じように暴動や略奪が起きたでしょうか。
おそらく起きなかった可能性があります。
つまり「白人が黒人を殺した」という単純化された構図が作られてしまった結果、暴動が起きたのです。
キイワードは、「黒人」「白人」という人種対立なのです。

この人種対立をどのように解決したらいいのでしょうか。
リベラルの言うようにトランプの独裁に抵抗して民主主義を守ればいいのでしょうか。
暴動は行き過ぎだが、話あいと選挙で解決しろというわけです。
ただ、そう言ったCNNが焼き討ちにあっているのですから、やや説得力に欠けます。

6_20200603071401

一方、米国のコンサバは、こんな暴動は軍隊を入れてでもねじ伏せ、行き過ぎた差別是正政策はやめろ、というでしょう。
今の米国は単純な白人=支配階級ではありません。
白人層からみればむしろ黒人は大学入学などにおいてアファーマティブ・アクション(積極的是正枠)すら与えられることから、黒人のほうが白人より優遇されている感じる者も多いのです。
特にラストベルト(錆びた地帯)と呼ばれる工業地帯の白人労働者たちにとって、黒人に与えられる差別是正政策は逆差別に写っていることでしょう。
しかも、黒人やヒスパニック系、あるいは中国系が、年を追うごとに人口増加し、いまや米国は白人の国ではなくなりかかっているのですから、いっそう危機感を募らせています。

なぜなら民主主義は詰まるところ数の論理ですから、人口的マジョリティを奪われれば、それは政治的マジョリティの喪失にもなりかねないのです。
そして今までマジョリティがマイノリティにしてきた如く、その歴史、文化、言語が奪われたり、改竄されていくかもしれません。
実際に今回の暴動では歴史遺産の教会も、白人文化のシンボルとして焼き討ちにあっています。

このように見てくると、民主主義は黒人問題の特効薬たり得なかったどころか、むしろ国民統合を妨げたともいえるのです。
自由選挙を禁じられた香港ならば、選挙によって民主主義を守ることで自分の意志を政治に反映させることが可能でしょうが、米国は既に半世紀以上前から自由選挙が与えられていることをお忘れなく。
しかし毎年のように黒人暴動は頻発しているのです。

ですから、中国がトランプにダブルスタンダードというのはあたっておらず、黒人問題は民主主義とは別の次元の問題なのです。
え、解決方法が書いてないって?あるわきゃないでしょう、そんなもん。
リベラルの方法をとってもオバマのようになにもできないことは自明ですし、逆にトランプ流でやっても分裂は深まる一方なのです。
とどのつまり、私たち外国人は、黒人暴動はあの国の歴史の歪みが生み出した固有の現象として突き放して見るしかないのです。

 

 

« 専門家会議議事録騒動について | トップページ | トランプが守ろうとしているのは白人至上主義ではなく「秩序」です »

コメント

ちょうど失業率が高くて暇で貧困で鬱憤の溜まっている人が多いところで火がついてしまいましたね。
中国が嗾けたとしても全然驚きません。

しかし、
デモ隊と警察が団結
https://www.huffingtonpost.jp/entry/george-floyd-police-solidarity_jp_5ed45842c5b6ac6590e9d9e6 (HUFFPOST 最終閲覧日2020年6月3日)

弟が「兄は望んでいない」
https://news.livedoor.com/article/detail/18353806/ (livedoor NEWS 最終閲覧日2020年6月3日)

といったような冷静な動きも出てきました。
差別や独裁は人類の叡智で乗り切れるのではないかと思います。

 黒人の暴動、民主主義とは無縁だというご見解に賛成です。暴行し殺してしまった警察官も起訴されるようですので問題ありません。

 トランプさんへの反対運動だと見ております。トランプさんも大変ですが、中国を封じ込めるにはあなたの力が必要です。どうぞご健康で頑張ってください。

 ueyonabaruさん、お久しぶりです。
最近見えないので、ご病気でもされているのでは? と心配しておりました。

米国のアフリカ系差別の問題は深刻ですね。
アファーマティブアクションや言葉狩りのようなリベラル好みの政策は自助努力を失わせるだけに思えますし、差別がなくなると困る勢力もリベラル側に見え隠れします。
ただ、アフリカ系への差別はまだ確かにあるのだし、それは他の民族に対する場合よりもひどいように思います。

今回の場合、「暴動」する勢力とデモを引き分けて考えるべきで、前者には騒擾を企図するどのような勢力があるのか、そこが知りたいところです。

仰る通り、民主主義の話ではございませんね。

ここからは僭越ながら私見。
先発が後発に、後発が先発に、多数が少数に、少数が多数に、地域が他地域に、民族・人種が他民族・他人種に…
集団が集団に嫉妬や差別の感情を持ち、それを何かの形で発露させるのは、多くの国や地域でも都道府県や州でも、多少なりともあることでしょう。
ヒトと違っていつも賢く平和な生き物だと一部の人たちが信じる野生のイルカの社会にも、そういう人たちが見たら卒倒するような虐めや暴力があります。
脳が発達してより複雑になった者の宿痾だと思います。
ただ、社会の破壊を目的に行動するイルカはたぶんまだいない。
イルカどうしでの集団虐めや暴力はどうしようもなくても、ヒト同士ではそうもいかなくて、それには人種や国や地域や政治体制や思想や宗教の区別は無いはずなのですが…
社会が悪い組織が悪いアイツが悪いと言うのはお手軽ですが、いちおう一番発達して複雑とされる我々ヒト、善良な考えもあれば、嫉妬や差別の感情、暴力や破壊や転覆への志向があっても当然で、個人の内心の自由と自己制御の話でもあります。
だから、暴力と破壊に積極的に走る人たち、煽られて取り込まれる人たちもいれば、「気持ちはわかるがそんな行為に何の意味がある」と、止める説得に回る人々があるわけですね。
ヒトの能力は様々でピンキリな故、私は自分を含めて現段階のヒトに期待し過ぎない、と度々考えます。
同時に、プーさんが仰るように、人類の英知、私的には集合知で乗り切りたい、自由と平等の相反に何とかバランスを見つけたい、本当にそう思います。
内心の発露に暴力や破壊行為を使うことを絶対に容認しないし、例え煽られても自分は無縁でいるつもりだけれど、ああいうことはこれからも何処かで起きるし、その度にせめて中身を自分でよく見て考えてみるのがせいぜいなのが現状です。
考えや見た目が違う者どうしが、明るくオープンに悪口も含めて言葉で遣り合って、都度そこまでで収められる(怒りや喧嘩は口に出すことで頭が整理されて落ち着くってことがありますから)、例えばそんな風に我々ヒトの標準仕様が進化できるのは、まだ気の遠くなるくらい先なんですかねぇ。

アメリカ在住のある人のつぶやき

「最初は平和的にデモ行進してた人たちが、だんだん盛り上がってきて暴徒化した」とゆーものじゃない。

デモをしてるグループと、略奪組は、基本的に全く違うグループ。

デモをしてるグループは義憤にかられてデモを行う人達で、行進して社会に訴えて行進終わればおとなしく家に帰る人達。

略奪組は、最初から目的は略奪・暴行にあるから、最初こそデモ組に紛れておとなしく行動してるのだけど、タイミングを見計らって投石・放火を始めて、略奪を始める、と。

理由は何でもよくて、「レイカーズが優勝した」でもいい。「黒人が白人警官に殺された」なんて最高の燃料。デモが目的なら自分とこの州でやりゃいいのに、わざわざ州をまたいで略奪に行く。

州外からわざわざ来るぐらいだから、捕まっても堂々としたもんで、「やってどこが悪い? みんな盗んでるのに、やらないの損じゃん」って、こうなると価値観の違いの問題になってきて、アメリカの標榜する「多様な価値観を共有する」という事なら、こういう価値観を持ってるタイプの人たちとも共存しないといけないから、まあ仕方がない。
(つぶやきここまで)

ある種の人々が大好物の「多様性」というのはこういう価値観の人達も受け入れるってことですかね。略奪も暴動もトランプが悪いって言いたげな人たちさ。

陰謀論にどっぷりかもしれませんが、香港のデモからアメリカ、カナダ、そしてテレビのニュースにはなっていませんが、日本のクルド人、なんか胡散臭い匂いもしてる気がします。たんなる偶然なのでしょうけど。

 貧しい人間による暴力革命のようなものを肯定することも当然よくないですが、民主主義もまた同時に合法的な一種の革命に過ぎない側面があります。

オバマが大統領に就任した際に「Change Yes We Can」という言葉を使いましたが多くの人がその言葉を称賛するなかで違和感があったのが変化していくことに不満を覚える人達が置き去りになっていないかということでした。それがラストベルトの白人労働者であれ教会や学校での祈祷や人口中絶の問題であれ自分達が守ってきた宗教的価値観や共同体が破壊されることに敏感になっている人達に対して民主主義は処方箋にはならない。なぜなら民主主義は所詮流動的なものに過ぎないからです。それはトランプは大統領になっても同じことです。

 人間とはそうした流動的な民主主義における政治や社会のなかで自分を超越した変わらない何かを守ろうとします。それが教会であったり、戦争に勝利した時の偉人の銅像といった物理的なものだけでなく、街の空気や言葉といった我々が歴史を築き上げてきたうえで身に着けた無意識の身体感覚といったものです。それは自由と民主主義という観念で潰せるものではないし、その何かがあることで我々は未来への不安を和らげ気持ちを落ち着かせることができる。

 だから多様性だとか寛容であるべきとか言う前にそれはそもそも何を守るための多様性なのかを定義しなければならない、そして何かを我々は守ろうした時にその過程でそれを脅かそうとする人達に対して差別や憎しみが生まれてしまうのは必然です。

 その際に観念論やルールを作ることで差別はだめだ、憎しみは分断を生むといったところで説得力はないし、ヘイト規制などをしても差別は闇に埋もれるだけです。だから宜野湾よりさんが言うように人の悪口や下品なことも気軽に言えるような場所が必要だと思うし、文化人もそれに対してユーモアな切り返しをして社会に余裕を持たせていく必要があると思います。暴力の問題についても、今回の警察官の事件は絶対容認できないですが本能を理性を抑えることが出来ないという人もいます。その本能を受けとめあえて争わせてやばそうになったら寸止めするというような本能と理性の平衡感覚をもった人間が必要だと思います。なぜなら私も含めて人間というのは基本的に愚かだからです。それを積み重ねることによってこれ以上やってはだめだという自制が生まれるのではないかと思います。

 昨日の私はその感覚を失っていた部分がありました。管理人さんにはご迷惑をおかけしました。

黄色としては、なんか身につまされます。これから米国では、中国人
に間違われて何らかの被害を受ける日本人が増えると思います。
護身用の格闘技でも習っておいた方が良いみたいですわ、自分の
身は自分で守れるぐらいじゃないと。実際、誤解した警官に喉を押し
ツブされて死んでしまわないといけないですから。せめてスルスルと
警官の手から抜け出して、両手を頭の後ろにして「落ち着けよポリ、
それ以上暴力を使うなら、秘技三年殺しをかけてやるぞ!」と言って
ニタニタ笑っていたいものですわ。米国はコワイです。

「米国の黒人暴動は民主主義とは別次元だ」には大賛成です。例の
ごとくリベラルを謳うインテリな人達は、ステレオタイプ丸出しの正義
を言い、どちらかと言うと脳足りんの内外のゲイノージンまでリベラル
脳を誇るように尻馬に乗っかっています。まったく普段から人種差別
に対する活動をしていたのなら本当に尊敬モンですが、死人の出て
いる暴動を利用してまでカッコつけている連中が大勢いるようにしか
見えませんわ。坊ちゃんリベラルの本質は、「オレが正義なんだぜ、
カッコいいだろ、オレを賞賛しろ!」ですから。

人間群において、白黄黒は元々別集団で、別集団であればお互い
に「ヨソ者」として排斥するのが人間脳の自然な反応ですわ。ただし
個人同士で仲良くなれば、排斥の感情が好意の感情に変わるので、
集団ではなく個人間の交流が深まるようになればいいですねぇ。私
など英語ができないので絶望的ですが・・

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 専門家会議議事録騒動について | トップページ | トランプが守ろうとしているのは白人至上主義ではなく「秩序」です »