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2020年7月22日 (水)

米国、米軍尖閣に配備か?

  
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この間の米国の尖閣についての兆候をふたつほどみておきます。
ひとつめはマッカーシー米陸軍長官の7月10日の講演の発言です。

[ワシントン 10日 ロイター] - 米陸軍のライアン・マッカーシー長官は10日、太平洋地域で中国に対し情報、電子、サイバー、ミサイル作戦を展開する2つの特別部隊を配備する計画を明らかにした。
部隊の展開は今後2年にわたる見通しだとし、「中国が米国の戦略的脅威として台頭する」ため、米陸軍は太平洋地域でプレゼンスを改めて拡大するとした。
新たな部隊の配備は中国とロシアがすでに備える能力の無効化に寄与する見通し。マッカーシー長官は、部隊が長距離精密誘導兵器や、極超音速ミサイル、精密照準爆撃ミサイル、電子戦力、サイバー攻撃能力を備える可能性があると述べた。具体的な配備場所には触れなかった。
また、公海や宇宙などの「グローバル・コモンズで中国は軍事化を進めている」と述べ、中国が行っている南シナ海の島での埋立てや軍事拠点化に言及した」(ロイター7月10日)

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米陸軍長官ライアン・マッカーシー   ロイター

米陸軍長官が東シナ海の米軍部隊の配備の新たな2箇所の候補地としてなんと尖閣諸島をあげたのですから、ビックリしないわけにはいきません。
この「陸軍長官」(Secretary of the Army )は、国防長官の指揮下にあり陸軍省を管轄する責任者です。
制服組ではなく文民が選ばれ(元軍人の場合は退役後5年以上)、作戦指揮ではなく、軍政を担当しています。

そして畳みかけるように、河野太郎氏のツイートにはこんなエスパー国防長官のツイートが乗っていましたから、またまたビックリ。
しかもご丁寧にも、アメリカ大使館の和訳つきです。

Dr. Mark T. Esper "Standing up for what’s right: @konotarogomame calling out China’s relentless attempts to change the status quo in the #EastChinaSea#JapanUSAlliance remains vigilant and together we will maintain a free and open Indo-Pacific. mod.go.jp/e/publ/w_paper "

正しいことのために立ち上がる:河野防衛相は東シナ海の現状を変えようとする中国の執拗な試みを非難している。日米同盟は今後も警戒を怠らず、共に自由で開かれたインド太平洋を維持する」とツイートしました。

ちなみにマッカーシー陸軍長官の前任者は現国防長官のエスパーです。

 この二つをつなぎ合わせると、米国のメッセージはこのようになります。
①米国は東シナ海の現状変更を企む中国を批判し、それに対する日本政府の立場を支持する。
②米陸軍は尖閣諸島に軍事基地を置く用意がある。
③日米同盟を機軸にしてインド太平洋地域の航行の自由を守っていこう。

う~ん、とりあえずこれで決まりじゃないですか。
なにが決まりかといえば、いままでの尖閣に対しての煮え切らない米国の立場がキチっと定まったのです。
いや定まったどころか、一歩踏み出して「基地を置いてもいいぜ」というのですから大きな前進です。
そもそも尖閣諸島のうち久場島、大正島は米軍提供施設・区域であることは1972年5月15日の日米合同委員会においても確認されているんで、米軍基地を作る法律上の障壁はありません。

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 尖閣諸島手前から 南小島、北小島、魚釣島 2010年11月撮影
https://abhp.net/geography/Geography_Senkaku-Islands_100000.html

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しかし中国となぁなぁまぁまぁでやっていきたい、国賓で習を招きたいという輩が与党にも残るわが国のほうが追い詰められたことになります。
二階なんか真っ青になって「オレは聞いていないぞ」なんて当たり散らしたんじゃないでしょうか。

そしてこのあいまいさは米国も似たようなものだったのです。
実は米国は東シナ海に浮かぶ尖閣諸島の領有権について、いままで言質をとられることを大変にイヤがっていました。
それは米国が尖閣は日本領土だと言えば、中国をいたずらに刺激することになると思っていたからで、言い方としては「合衆国は二国間関係の領土紛争には介入しない」なんて一般論で逃げていました。

ですから、日本はぜひとも尖閣は日米同盟第5条の範囲内だといわせたくて、オバマを銀座の寿司屋につれていったりしたものです。
この時、TPPに前のめりになっていたオバマは、なんとか日本の妥協を引き出そうとしてこのようなことを言っています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/post-e0a4.html


日本の安全保障に対する米国のコミットメントは絶対的であり、(日米安保条約)第5条は尖閣諸島を含む日本の施政権下にあるすべての領域を対象としている

実は似たことを国務長官時代のヒラリーも言っていました。
2010年9月23日、訪米した前原外務大臣に対する、ヒラリー国務長官の発言。


「(尖閣諸島)は明らかに日米安保条約(第5条)が適用される

 2008年から国務長官を務めた、ヒラリーの側近だったカート・キャンベルの発言。


「日本の施政権下にある領域(=尖閣諸島)で、いずれか一方に対する武力攻撃があった場合、共通の危険に対処するように行動することを宣言する」

この言葉を聞いてホっとしてはいけません。裏があります。
1990年代、クリントン政権時の駐日大使ウォルター・モンデール(元副大統領)の発言。 


尖閣諸島が第三国に攻撃を受けても、米軍は防衛には当たらない 

ほぼ同時期の、マイケル・グリーン元大統領補佐官の発言。 


同盟国間であっても領土紛争には不介入・中立の立場をとる

つまり、米国は、民主党政権時において尖閣の一件についてはあくまで不介入がベーストーンで、日本側からあえて聞かれれば渋々「いちおう日米安保第5条の枠内ですがね」ていどのニュアンスだったのです。

それが判るのは、日本が野田政権時に、米国になんの協議も行わないまま国有化をしてしまった時です。
米国は激怒しました。
2012年9月、野田政権の尖閣国有化後の日中冷戦についてのヒラリー国務長官の2014年6月の発言です。


センカクの自衛のために、なにが必要なのかということについて、検討を進める際には、「もし我々がこのように行動したら、結果はどうなるのか」とか、「どのようなメッセージを送ることになるのか」と絶えず自問してほしい

米国と中国から見れば、尖閣問題の微妙なバランスを破壊する徴発行為が、あろうことか日本側からあったと理解したようです。
旧民進党諸雑派の皆さん、あなた方が政権にいたころのこの唐突な国有化によって、日中関係を冷え込ませただけではなく、米国との関係もこじらせ、今や日常的に中国の尖閣海域への進出を合理化する口実を与えてしまったのですからね、お忘れなきように。

あ、そうそう、同時期にバカバトが移設は「国外。最低でも県外」なんて言い出して、日米同盟は深刻な危機に突入していましたので、この野田の国有化がその追い打ちをかけたということになります。

それはさておき、このように米国は東シナ海で中国を刺激することを避け続け、態度を保留し続けてきたのです。
尖閣と目と鼻の先にある沖縄現地に駐屯する海兵隊としては大いにワジワジ したことでしょう。
仮に中国の尖閣への侵攻があった場合、当時の米政権は日本を突き放しかねず、そうした場合日米同盟の信頼が根底から瓦解するのは目に見えていたからです。

そのへんの空気が判るのは、2010年ヒラリーが国務長官の初期に日本を訪問した際の、米軍のとある司令官のインタビューです。
実名、階級、職名などはわかりませんが、おそらく海兵隊の高位の司令官と思われます。 

中国が尖閣を侵略した場合、第3海兵遠征軍はなにをするのでしょうか? 
わかりません。それは政府が決めることです
尖閣は日本の領土ですよ。 
「 それはアメリカ政府にとって議論の余地あるところです。そうとはいわないまでも、すくなくとも明確になっていません 
 では司令官は、自衛隊が尖閣を守るのを、第3海兵遠征軍を支援するかどうか分からないということでしょうか?
そのように命令されれば、第3海兵遠征軍は必ずそうします 

そして今。南シナ海の中国の侵略によって状況はまったく変化しました。
7月13日、マイク・ポンペオ国務長官は、南シナ海問題に関して中国を痛烈に批判する声明を発表しました。

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日経 ポンペオ国務長官

「ポンペオ米国務長官は13日、南シナ海での中国の海洋進出に関して声明を出し「南シナ海の大半の地域にまたがる中国の海洋権益に関する主張は完全に違法だ」と批判した。米国が南シナ海での中国の権益などに関する主張を公式に否定するのは初めてとみられる。ポンペオ氏は南シナ海を巡る中国の主張を否定した2016年7月のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決を支持する考えを示した」(日経7月14日)

各国政府が新型コロナウイルス禍の対応に忙殺される中、発信源でありながら情報を隠蔽し続け、第三国の調査団も拒み続け、そのくせ一早く危機を脱した中国は、感染拡大で国際社会が地獄の日々を送っているその最中に、こともあろうに東シナ海を侵し続け、インドと国境紛争に興じるという傍若無人ぶりです。
もう見逃しにはできない、それが今の米国政府の判断です。
そしていままで明らかにしてこなかった南シナ海、東シナ海の領土、領海の権利がどの国にあり、そのために米国は何をするのかを明らかにし始めました。

というわけで、米国はいままで日本が投げ続けてきた尖閣は日米安保第5条ですよね、などという弱々しい問いかけを大きく超えて、尖閣を守りたかったら、米軍と共に戦うことだ、と言い始めたようです。

 

 

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コメント

 やっとアメリカが態度をハッキリしてくれた、というよりも、日本は国家安全保障も結局アメリカ頼みでしか成り立たないのか、、、という気分です。
 とは言っても、敗戦国で戦後散々いわれのない危険国・戦犯国扱いされて、アメリカのように太平洋を挟んだ向こう側にある国と、日本のように隣に危険な国があるのとでは条件も違うし、だいたいアメリカでさえいつハシゴを外す事をやりかねない状況下では、なかなか日本の舵取りは難しいことでしょう。

 しかも日本企業の中国依存度の高さを見たら驚きました。
https://www.asset-alive.net/article.php?mode=show&seq=2567

 要は名だたる日本の一流企業がズラッと中国依存度の高さを競っている状態です。
 企業というのは厳しい競争の中、従業員を食わせて、高い税金払って、そこから利益を出して株主に還元して、研究開発費も捻出していかないとと考えると、とにかく中国でもなんでも儲かるところに群がっていかないと、とてもやっていかれないのはあるでしょう。それでも驚きの依存度です。

 しかもアメリカだって、次の選挙で民主党政権になったら、手のひら返して中国共存体制になる可能性も充分あるというか、彼らならやりかねないので、日本が中国依存を脱出したと思ったら、状況一転してハバにされていたのは日本だった、という話にもなりかねないのが難しいところだと思います。
 

各国の中国依存度ランキングを調べてみましたところ
https://forbesjapan.com/articles/detail/10334
日本が5位というのはまあさもありなんという感じですが、台湾は本当にどうするつもりなのだ?という素朴な疑問がわきます。日本よりも桁違いに自縛度が高く、舵取りの難しさを感じます。

 現在の繁栄を捨てて、一度貧乏国になっても(独立問題も含めて)やり直す覚悟が果たしてあるのかどうか?
 日本とは同じ歴史を共有したこともあり、割と有効的な関係でつながっている信頼できる隣国であり、私個人としても友人が数人おり、好意的に見ている台湾ではありますが、本気で彼らはこれからどうするつもりなのだろうか?かなり心配ではあります。

 尖閣に米軍基地を置く計画を報道で最初に見たのは今年二月でした。
中国に対するブラッフかも知れないと考え、続報を待ち続けていましたが、これでハッキリしたと思います。

この間いろいろ考えましたし、安倍政権の対応も推測しましたが、もともと射爆場になっていた二島での米軍基地化はあげて歓迎すべきです。面積的に大したものは出来ないでしょうが、米軍施設であり駐在しているだけでも多大な意義があります。
そうなれば釣魚島か南小島には日本の公務員が常駐するなり、船溜まりを拵える事が出来ると考えます。

さらにこれで尖閣、与那国、石垣、宮古から本島まで重層的なラインが出来る事になり、これに勝る安心はありません。
台湾防御のためにも大きな意義があります。
右翼連中はきっと何か言うでしょうが、安倍政権は三顧の礼をもって迎えるべきだし、相応の費用負担もすべきです。

 TKさん

 台湾の経済見通しは心配ないと思われます。
蔡英文総統は2期目の目標の柱として経済伸長を掲げており、米中貿易戦争のあおりが懸念されていましたが、今のところ内需も堅調です。
経済でたおれた陳水扁さんの頃と全然違います。

よく観察すると、大きな経済政策はなべて米国のする政策をなぞっているようにみえ、生産拠点の国内回帰をすすめる事が逆に功を奏しているようです。
前四半期は3.5%成長で今四半期は1.8%強にダウンしましたが、失業率はコロナ騒ぎの中の4月でさえ4%強で、5月には3.7%以下と回復して来ています。

台湾は韓国と同じように輸出依存度の高い国ですが、韓国と違い技術的優位な分野が多くある点も幸いしています。
今後、米国が提唱する中国サプライチェーン脱依存国同盟のモデル的優等生になるのではないか、と私は考えています。
むしろ我が国の方が心配かと。

尖閣への米軍基地もしくは自衛隊との共用基地を置くとして、沖縄県側の基地反対運動がどのように起きるのか想像しています。
中国を刺激して戦地にするのか!
ヤギや自然を壊さないで!
新基地で沖縄の負担を増やさないで!

元々射撃場だとか、そこにはヤギはいないとか、個別のエビデンスを潰す条件闘争に安全保障マターを持ち込むのも反対派の目的です。一つ目のチャイナの脅威を主目的に反論できないかぎり、米軍から手のひらをいつ返されても文句は言えないかと思います。
尖閣を東京都にしておけば良かったなあ、と一瞬思いましたが、百合子の手の内に国防の島があるなんてデニーよりヤバイと思い直しました。

アメリカがここまで態度をはっきりしてくれたことは、歓迎すべきことだと思います。ただ、それもトランプ政権がこのまま続けば、という条件つきだというのが、国防を自国でなせない我が国が宿命的に抱える問題なのだと思います。自分の家を守るのに、大きな道路1本挟んだお隣の主を頼りにしなければならないというのは、とても不安なことだと思うのですが、かたくなに憲法改正を拒む方々は、ご自分の家の安全をどうやって守っていらっしゃるのでしょうか。いつも尋ねてみたくなります。

アメリカが態度をハッキリとしたということは日本も同様にどちらに付くのかハッキリとしろよという事でもあるので、もろ手を挙げて喜ぶべきことでもありません。
いよいよ後戻りの効かない段階へのカウントダウンが始まったのですから。

ひぐらしさんの懸念するトランプの再選と対中国への態度に関しては逆の見方でしてまして、むしろ民主党が政権をとるような事があればその後、発生不可避の米国内の混乱の矛先を逸らすために実弾の飛び交う全面戦争のリスクが高まると予想しています。
いずれにせよ米国有権者が冷静な判断で投票行動を行ってくれる事を祈るしかありません。

山路様

 レスを頂きましてありがとうございます。
 私自身としては台湾はうまく行ってほしい、頭のおかしい連中は第一列島線より大陸側に封じ込めておきたい、と切に願います。
 ただ管理人様が以前書かれていたように、台湾の現政権はリベラル路線でちょっと首を傾げてしまうような政策が多く、現実の政策としては本当に大丈夫だろうか、とちょっと心配になります。
 以前よく台湾人と独立問題を話したことがあるのですが、本当に犠牲を払ってまで独立をする気はあるのだろうか?(多分無いだろうな)、という感触でしたが、最近は香港問題を含め台湾にも切実な危機が迫っており、人々の意識も変わってきているのかもしれません。
 以前から台湾に米軍基地ができるのではないか、という噂がありますが、それが現実になれば、またひとつ安心材料が増える、そんな気がします。

やっと、やっと、・・ですね!。
トランプ大統領。 副大統領。国務長官。2020年、節目の年。
今、アメリカが、気付きと、明確な意志を 決言披露した事で、
中国を取り巻く、周囲の、地政学、軍事、経済的な、構造で、
今後、世界が大きく変化していく転機の年になりそうですね。

ブレーキが効かず、全方面に、甘りに暴虐的な 注目協賛糖。
大きな意味で、チベット、ウィグル、香港問題、武漢コロナや、
三峡ダム、洪水、等も、 地球の背後を統べる 主体神からの、
現政権への、何らかの警告意図の意味すら 感じたくなる程。

尖閣も、明確になるので、それに伴い、ようやく憲法改正の
ショット・ストレス(造語)にも、動きがかかってくると思います。
沖縄県民として、又 先島(宮古、八重山)出身として、今回の
アメリカの方針決定は、実行前ですが、ようやく安堵への道。

それにしても、ボルトン切りしながらも、単なる脅し言葉では
なく、これぞよく、政権内で真当な危機感を持って 決断決定
したものです。 レーガン氏に並んで、強い優れたジョーカー。

             らくがきモモ・(らくがき桃太郎)

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