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2020年10月 1日 (木)

トランプ流討論会戦術とは

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トランプとバイデンのテレビ討論の第1回目が終わりました。
ウォールストリートジャーナルによれば「気の滅入るようなもの」だったそうで、「プロレスラーの方がトランプ、バイデン両氏よりも大統領にふさわしい」そうです(笑)。
ひどい言われようですが、こんなかんじだったそうです。

「エイブラハム・リンカーンとスティーブン・ダグラスとの討論のようなものは期待していなかったが、ワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)の試合のようなものにする必要はあっただろうか。この言い方はレスラーに対しても不当かもしれない。彼らの方が、29日夜に開かれた米大統領選の第1回候補者討論会のドナルド・トランプ大統領と民主党候補のジョー・バイデン前副大統領よりも大統領にふさわしい。
 討論会は、侮辱や頻繁な遮り、誇張、現在の米国政治のうその基準からも外れるようなあからさまなうそのオンパレードだった。恐らく数百万人の米国人が30分で見るのをやめてしまったのではないか。われわれも、これが仕事でなければ、やめていただろう」
(WSJ【社説】気が滅入るような両候補の討論会 9月30日)
https://jp.wsj.com/articles/SB12482633762737494654104587007383877795596

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WSJ

WSJによれば、トランプはいままでバイデンを直接やっつけるチャンスがなかったために、舌がもつれたというか、焦りすぎてアレもコレも詰め込みすぎたようです。
トランプが言いたかったことはどうやら、バイデンが左翼勢力と中国に操られているということだったようですが、いえなにWSJが嘆くような層に向けて、トランプは演技しておりません。
トランプの面白さというか、ハチャメチャなところは、初めからジャーナリストの不評など気にしていないことです。
そもそもCNNやNYTは歴然とした敵であり、よく言う道理がないからです。
彼が本気で相手にしているのは、こんなニューヨークやワシントンにいるインテリではなく、毎日汗のにじんだ金をにぎりしめて安酒場にビールを飲みに行くような連中なのです。

だから彼にとって大統領選挙討論会は、WSJがいみじくも言ったようにエンターティメント性溢れる「プロレス」なのです。
知っている人は知っているでしょうが、トランプは大統領をする前には、WWEにからんでいました。

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2007年に行われたWWEの最大の興行「バトル・オブ・ビリオネアズ」(10億ドル長者の戦い)と銘打たれた「髪切りマッチ」なんてものをやったことがありますが、双方とも代理のレスラーを立てて勝ったほうが敗者を丸坊主にできるという仰天のイベントであったようです。
勝ったトランプは、ほんとうにWWEオーナー兼CEOのビンス・マクマホンの髪をバリカンで丸坊主にしております(爆笑)。
まぁ後に少しは悪かったと思ったのか、大統領になった後に丸坊主にしたマクマホンの奥さんを閣僚人事で中小企業局長に抜擢したようです。

トランプはこれが持ち味です。いわばホワイトハウスでとぐろを巻いている朝青龍ことドルジみたいなもんです。
だから彼にリンカーンのような品位を期待するほうが間違いで、あえていえばそれでよいのです。
彼は東部のファッキング・エスタブリシュメントを叩き潰し、陽の当たらないラストベルトの労働者や、中西部のカウボーイ、農場主ら、今の世に乗り遅れた連中の世の中を作ると宣言したわけで、それなりに筋が通っています。

そんなトランプですから、本気で大統領選の討論会なんぞプロレスと考えている節があります。
ですから、相手が技を繰り出すとすかさず反則パンチを繰り出し、細かいファールを連発していらだたせて失言を引きだそうとしたようです。
ハーバートでディベートを習ったようなジャーナリスト諸氏には見る価値なしと言われたようですが、トランプは言った内容ではなく、いかにバイデンを叩きのめしたのかという印象こそが大事なのです。

「バイデン氏が民主党の左派にコントロールされているという主張以外、何を言いたかったのかがよく分からなかった。司会者のクリス・ウォレス氏が実績を強調できる経済などの問題について尋ねたときでさえも、トランプ氏は話題から逸(そ)れ、バイデン氏の攻撃に転じていた」(WSJ前掲)

だからトランプは宮家邦彦氏のような上品な外務省保守派に褒められでもしたら、青くなるでしょうね。今回の宮家氏の評はクソミソのようですから、よかったよかった。
とはいえせっかくコロナ前までは大成功していた経済政策の成功に、司会者から水を向けられたのですから素直に受ければよいものを、そんなことよりバイデンを殴ることに気がいってしまったようで、見ていたペンスなんかはアッチャーと思ったことでしょうね。
しかたがありませんよ、このワシントンの朝青龍は相手のウィークポイントを攻めることにしか興味がなかったし、それが彼の戦略というか「流儀」なんですから。

トランプの「戦略」はひとえにバイデンが隠している米国リベラルの正体を国民に見せつけることでした。
だから、バイデン最大の恥部であるハンター・バイデンの中国スキャンダルを言い立てました。

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米大統領に出馬したバイデン元副大統領の息子ロバート・ハンター

そもそもこのハンター・バイデンは、父親が期待していた長男を亡くした後に甘やかして育ててスポイルしてしまった人物のようです。
ハンターは海軍を薬物使用で追い出され(これはこれでリッパな汚点ですが)、その直後の2014年になんの資格も経験もないまま不正疑惑のあるウクライナのガス会社役員となっています。
当時父親はオバマ政権の副大統領でした。
ウクライナで最大月5万ドル(約530万円)の報酬を得ています。

「米議会上院は23日にまとめた報告書で、オバマ前政権の頃にバイデン前副大統領の息子が不正疑惑のあるウクライナ企業幹部を務めたことについて「利益相反の疑いがある」と指摘した。トランプ大統領がバイデン氏に対する追及を強めそうだ。
国土安全保障・政府問題委員会と財政委員会が共同で報告書をまとめた。ともに与党・共和党が委員長職を握る。報告書は政治色が強く、11月の大統領選の世論調査でリードするバイデン氏に打撃を与える狙いがあるとの見方が多い。
報告書によるとバイデン氏の息子ハンター氏は2014年、ウクライナのガス企業ブリスマの幹部に就いた。ブリスマは検察の捜査を避けるために裏金を使った疑いが出るなど不正疑惑があった。米外交官は同僚に送ったメールで「ウクライナの腐敗撲滅を推進する全ての米政府関係者にとってハンター氏の存在はとても困ったものだ」と嘆いた。
報告書は「オバマ政権はハンター氏の地位が問題であり、ウクライナ政策の効率的な実行を妨害していると認識していた」と主張。「オバマ政権の関係者が明白な警告を無視した」と断じた。一方でトランプ氏はバイデン氏がウクライナの検察官の解任を画策した疑いがあると主張していたが報告書では触れられていない」(日経2020年9月20日)

バイデンとハンターは不正疑惑を一貫して否定しており、今回の討論会でも「証拠がない」と主張しています。
また、ハンターの中国での活動も、バイデン氏の副大統領の任期と重なっています。
中国やウクライナにしてみれば、副大統領の息子と近い関係を築こうとし、多額の裏金を渡したり、なんらかの利益供与をしたことは不思議ではありません。
とうぜんウクライナや中国といった怪しげな国々がそれをタダで寄越すはずもないわけで、米国政府の政策になんらかの影響を期待してのことであったと思われます。

これらの触ってほしくないことを突っ込まれたりするとバイデンは地金を見せ始めて、リベラル左翼特有の言い方でトランプを罵り返し始めたようです。

「バイデン氏も大して変わりがなく、同じくらい相手の発言を遮っていた。また、人々を結束させたいと言う発言とは裏腹に、悪態だらけだった。トランプ氏を「人種差別主義者」や「愚か者」と呼び、「お前は黙れ」と口にしていた。また、トランプ氏と同じくらいのペースでうそを並べ立てた」(WSJ前掲)

「人種差別主義者」というような言い方は、今のブラックライブマター(BLM)の人たちが好んで多用する表現で、この言葉がバイデンの口から出た瞬間、トランプ支持層は飲み屋で仲間の方を叩きながら、ほら見たことか、これがバイデンって奴だよ、ファッキン、ボーシットと思ったことでしょう。

というわけで、トランプは例によってハチャメチャでしたが、支持層にはグッドジョブと言われるでしょうし、バイデンもスタッフとシナリオを沢山作って丸暗記したかいあって、民主党候補者討論会のような痴呆症疑惑をもたれることは避けられたようです。

こうして第1回は終わりましたが、WSJは実は討論会で決める奴は少ないんだよね、なんて白けたことを書いております。

「調査では討論会に大きく左右されることはないと答えた有権者が70%を上回った。討論会の内容に全く左右されないと答えた有権者も44%に達し、2000年以降では最多となっている」(WSJ9月20日)

なんだ、ならばなおさら、どんな政策を討論会で主張したのかではなく、トランプは人種差別主義者だと印象づけたいバイデン、BLMや中国の手先をホワイトハウスに送り込んでいいのかと叫ぶトランプの、まさに「プロレス」で終わってしまったのはむべなるかなです。

トランプは、この大統領選で民主党系の州が郵便投票をすることは不正の温床だと批判しています。バイデン陣営が自らに有利を操作をする疑いがあるというのです。
鈴置氏によれば、実際に韓国の前回の選挙で郵便投票が実施されましたが、統計学的にありえない同一数字が何度も登場したり、操作の疑いが濃厚だという指摘もあります。

「統計的な疑惑は韓国メディアがすでに指摘していましたが、ニューシャム大佐は票を計算する機械などが操作されたとの技術的な疑惑にも言及しました。それらにはファーウェイ(華為技術)の部品が使われているとされ、中国が遠隔操作しうる、と言うのです。 ニューシャム大佐は「この機械が白票も未来統合党への投票も『共に民主党』への投票に数えているビデオが存在する」とまで書きました。以下です。ただ、その画像は示していません」
(鈴置高史新潮デジタル 9月29日)

このようなことは米国でも起こり得ることで、中国がITを使って遠隔で選挙介入をする可能性があります。
それに備えて、トランプは、勝とうが負けようが必ず連邦最高裁にまで持ち込まれて裁判となることを見越しています。
そのために最高裁判事のリベラル派の欠員として保守派を送りこんだようです。

 

 

 

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コメント

 昨日、生中継で最後まで見てしまいました。同時通訳の方は大変なご苦労だったですね。

メディアはこぞって「バイデン有利」としましたが、私はトランプの方が押していたと思います。討論が終わった直後にANN系だけが、「トランプやや有利」と打っていたのが印象的でした。

バイデンはトランプと目を合わせない弱々しさが見えて、特に「中国はバイデンのランチを食っている」としたハンター疑惑のくだりでは、小声で「証拠がない」と繰り返すだけ。

バイデンのコロナ政策はトランプの経済活動再開を否定するもので、学校再開などにも反対。
法人税を5%上げて、それをオバマケアの拡大にあてるとか。
こうした事が現実になれば、ますます米国の斜陽に拍車がかかるでしょう。

本来なら、バイデンは黒人犯罪取り締まり強化法を成立させた張本人です。それだけ保守派に近い面が売りだったハズ。
それが、今はすでにリベラル左翼に牛耳られた事しか言えない事に対して、トランプは「この、社会主義者め!」と連呼していました。

しかし、バイデンは「ボケ疑惑」だけは払拭したように思います。

日本としては、どっちが大統領になっても茨の道っぽいですが、東アジア情勢を考えた場合、トランプがのぞましい事は言うまでもありません。

トランプがスマートでない事は確かですが、公約達成率は歴代大統領で群を抜いてます。
それと、アメリカのここ30年のリベラル狂いの元凶は最高裁にあり、カバノーに続きエイミー・バッレト判事を最高裁に任命できるなら、それだけで十分な功績だと考えます。


トランプが吠え捲って、バイデンもイライラしながら無理に笑顔を作って(側近のプロデューサーの指示でしょう)いなしながら大人のマウント取ろうというだけにしか見えませんでした。。

米国の恥とかと米国メディアが言っちゃってますが、

かつて初のテレビ討論だったケネディvsニクソンの時は、白黒ブラウン管に映ったそれこそ仕草や見栄えでケネディ圧勝となった伝説もありますけど・・・当時まだ圧倒的に多かったラジオで音声だけ聞いてた庶民多くにはニクソンの完勝だと思ったとも。

なんですかね、こういうポプュリズム。
日本だと小泉が総理になった時の支持率90%がピークかなあ。

ちなみに米国がベトナム戦争始めたのがケネディで、終わらせたのがウォーターゲート事件やらでボロボロだったけど配下のキッシンジャーのニクソンだという強烈な皮肉な事態がありましたねえ。。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=44&v=5NsrwH9I9vE&feature=emb_logo

髪きりマッチて↑これですね。
レフリー、レスラー両氏と見た目で負けてない迫力も政治の場で
必要なんでしょうか?
お行儀のよい政治家には出来ない実行力?は感じます。

SIさん:勘違いするような書き方しちゃったかな。
私はこれがトランプ流だと書いただけであって、トランプが政治家として果たして正しいかどうかはまた別次元のことです。

私はトランプは米国の分断期に現れた政治家だと思っています。
この時期でしか現れないでしょうし、このトランプスタイルはこれっきりにしてほしいとは思っています。
私はペンスかポンペオになって欲しいと常々思っていますが、,こればかりは仕方がない。

しかし、かねてから書いてきているように、トランプの外交政策や経済、内政では肯定できるものも少なくないと思っています。
ただ、それと彼の「流儀」は又別のようで、プロレスもどきのことをやっちゃうんだな、これが(笑)。

その理由は今日書いたとおりです。
大統領は一般的に万人受けする高邁なことをいいますが、分断期の大統領であることを自覚している彼は、そういう誰にでも受けるスタイルを止めたということです。

 トランプさんがアメリカ大統領であることをとてもうれしく思います。品がないともいえましょうが、今の時代は品位よりも優先するものがあるのでしょうう、それは、安全と平和(秩序)だと思うのですよ。

 私たちは大変な時代に遭遇しているのでしょう。

 アメリカでは民主党の極左たちが社会に大きな影響力を与えており、彼らのポリティカル何とかいう規範がアメリカ人を実際には困惑させているのではないでしょうか? このアメリカ左派の社会変革への動きがどこまで行って、どこで終息するのか、大変に気になるところです。彼らの反温暖化の動きも常軌を逸しておりますし・・・・・。

 こんな時代にバイデン大統領なんてあり得ない選択肢ではありませんか? トランプさんが勝つべきです。そうでないと、アメリカは滅びの道を辿るしかないでしょう。

 もう一つ国際的な問題としては中国問題があります。この国も常軌を逸した独善の動きをしていて、結局は、世界の安全と平和を乱しております。中国をたしなめてその拡張主義を終息させるには、トランプさんによる力の外交とプロレス的な単純な政治がいいのではないでしょうか。宮家さんのようなお上品なアプローチは現在通用しないでしょう。

 

ペンス氏を共和党が推して大統領になればきっとスマートで筋が通るんでしょうが、彼だときちんと手順を踏む事を皆が期待する分、中露のエグさに対抗するには不利かもしれないですね。
全編は観ていませんが私の個人的感想は、トランプ氏の横槍の方がしつこく悪印象かなあ。次回どういう修正を両陣営がかけてくるのか‥エスカレートするかもしれません。

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