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2020年9月26日 (土)

地球温暖化を利用する中国

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最後の最後になるまでわかりませんが、日本にも大きな影響を与える米国大統領選挙は、バイデンが首ひとつ優勢のようです。
私としてはペンスかポンペオが大統領候補だったら、どれだけ安心かとは思いますが、ま、しゃーない。
彼らは優れた保守政治家ですが、トランプほどまでの破壊力はなかったのは確かですしね。

とまれ、前回のようなドンデン返しもあるんでなんともいえませんが、現時点ではバイデンが勝つことを考慮に入れて考えておかねばなりません。
米国の民主主義社会の土台は法と秩序だ、いくらなんでもBLMはやりすぎだと思えばトランプに入れるでしょうし、米国分裂の責任はトランプ野郎だという米メディアを信じてバイデンに入れるかもしれません。
いずれにしても、この米国の黒人と白人の人種対立には普遍性はありません。
米国固有の歴史のゆがみから生まれたもので、私たち外国人にはどうしようもありませんから、BLMでもなんでも気が済むまでやってくれ、という気分です。

さて、バイデンが大統領になったら、ということで少し考えてみましょう。
いいニュースと悪いニュースがあります。
いいほうからいきますか。米国の対中政策には大きな変化はないと、おおよその米国ウォッチャーは見ています。

「バイデン政権の対中外交も、トランプ政権の対中政策同様強硬なものになるであろう、という推測をする者もいる。現在アメリカでは、超党派で中国についての見方が厳しくなっている。とくに今回の新型肺炎の問題では、中国の隠ぺい体質が党派を超えて強く批判されている。
 トランプ政権の対中政策はその強硬姿勢で目立っているが、最近制定された中国関連の法案は、ほとんどが超党派で、すなわち民主党が多数党となっている下院も同調し、多数の民主党議員の賛成のもとに可決されていることは事実であり、議論の前提として確認しておく必要がある」(『バイデン政権」の外交を考える』久保文明東京大学大学院法学政治学研究科教授)

下院で多数派を握っている民主党も、香港問題などではトランプの尻を叩きまくっているくらいで、対中問題が今や「自由と人権」領域に入ってしまった以上、ここから後退することは、民主党の自殺行為です。
懸念材料としては、あの二大国主義者のスーザンライスが、今度は国務長官で帰ってくる可能性か噂されていることです。
この人物はオバマの安全保障特別補佐官時代に、「中国が提案した大国間関係」という新しいモデルを円滑に運用すべく模索中である」なんておっとろしいことを述べたことがありますので、要警戒です。

オバマが「アジア回帰」と口ではいいながら、まったく動かなかったのは、このライスが反対し続けたためです。
バイデンが彼女を入閣させた場合、いくら大統領が強硬なことを言っても、ライスが骨抜きにしてしまうでしょう。

「アシュトン・カーターはオバマ政権の最後にして4人目の国防長官であるが、前任者同様、自分の以前のボスに厳しい言葉を浴びせている。すなわち、彼は南シナ海での航行の自由作戦の着手について何度もホワイトハウスに打診しながら、そのたびにオバマ大統領とライス補佐官に拒否されたことを、批判的に語っている。それはようやく2015年終わりに実行に移された。
人権や通商でいくら強い態度を示しても、最終的かつ本質的には力の論理に依拠した言動でないと、中国に対しては迫力を持たないであろう」(石井前掲)

いずれにしても米国の大統領制特有の前政権否定はやります。
トランプのプラス面、マイナス面を先日の記事で箇条書きしたことがあります。
関連記事『「バイデン政権」の外交を考える』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-2bb890.html

・トランプ外交のプラス面
①中国に厳しい態度を取り続け、自由主義陣営の結束を呼びかけた。
②安倍氏と良好な関係を保ち、友好関係を作った。
③北朝鮮と非核化交渉を現実化させた。
④パリ協定から離脱した。

・トランプ外交のマイナス面
①反同盟的態度が目立ち、従来の同盟関係を破壊するような言動が目立った。
②日米同盟についても金銭勘定で量るような根本的な認識に疑問がつく言動が目立った。
③衝動的、かつ感情的な言動が日常的になされた結果、トランプ劇場に世界は振り回された。
④国連などの国際機関と敵対した。

さてトランプ外交のプラス面として、前記事にパリ協定からの離脱を追加しました。
というのは、北京が今練っている「バイデンの傾向と対策」のトップに出てくるのがこの地球温暖化による米国のたらし込みだからです。

これに警告を鳴らすウォールストリートジャーナル(9月23日)『【オピニオン】中国に譲歩しても温暖化は止まらず「バイデン大統領」は対中姿勢の緩和を求められるだろう』はこう述べています。
https://jp.wsj.com/articles/SB11022691738936953480704586646601828746470

「米国でバイデン大統領が誕生した場合に備えて、中国政府の政策立案者たちは自分たちの選択肢を見極めている。その中で、最も関心が高いと思われるテーマの一つが気候変動だ。
民主党大統領候補のジョー・バイデン氏は気候変動のペースを遅らせるという目標を米国の外交政策の中心に据えると繰り返し発言している。民主党の政策綱領によれば、米国はパリ協定に復帰し、地球の気温の上昇を産業革命前の水準からセ氏で1.5度に抑えるための対策を立法化するよう各国に求めるという」(WSJ9月23日)

WSJは、地球温暖化という本来は中国の最大のネックを逆手にとって、米国の譲歩を引き出したいと考えているとしています。

「中国政府の政府関係者の目標は、バイデン政権内部で議論させることだろう。つまり地球を救うために対中強硬派を抑えるよう、積極的な気候変動対策を求める人々が大統領を説得することである。
気候変動と戦う人々はこう言うだろう。気候変動の鍵は中国政府にある、米国が貿易に関して中国に嫌がらせをしたり、中国企業に制裁を科したり、台湾に武器を持たせたり、中国の近隣諸国に反中同盟を構築するよう求めたりしても、地球の気温を下げることに協力するよう中国を説得することはできない――」(WSJ前掲)

おもわず、やるねぇと感嘆してしまうほどの見事な瀬戸際戦略です。
つくづく平壌の、潰れるぞ、潰れるぞ、潰れんかったらミサイル撃つぞ、核つくったるぞ、イヤならカネくれ、食糧よこせ、おんどりゃ妥協せんかい、という金王朝のお家芸を思い出します。北の師匠が中国なのがよくわかります。
自分の国の野放図な工業化のツケである地球温暖化ガスを、さぁ減らしたいんだったらオレに譲歩しろや、なにが対中包囲網や、ケッ、というわけで、まるでヤクザ屋さんの言い分です。
実際に、中国は飛び抜けて二酸化炭素排出量でトップを走り続け、減る様子も見えません。6yoof5co

2015年のCOP21の時の中国のCOP21代表団は、こう述べたことがあります。 


「【パリ時事】パリ郊外で開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、中国政府代表団の蘇偉副団長が5日、時事通信などの取材に応じた。2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みに関し、途上国グループに所属する立場から「歴史的責任に基づき、(各国が取り組む対策に)差をつけることが必要だ」と強調。過去に温室効果ガスを大量に排出してきた先進国が、より重い責任を負うべきだと改めて主張した。
 気候変動枠組み条約には、先進国の責任をより重くみる「共通だが差異ある責任」原則が明記されている。
これについて、蘇氏は「根本的な原則だ」と指摘。温室ガス削減や資金支援といった新枠組みの重要な論点で、この原則を反映させる必要があるとの認識を示した」(時事2015年12月5日)
 

わ、はは、まともな神経を持っていたら言えるこっちゃありませんなぁ。
中国はこういう自国にとって不利なことになるといきなり「発展途上国」となって、先進国と差をつけた取り組みが必要だ、なんて言い出します。
どこに核ミサイルを持ちたい放題持って、太平洋を二分割したいと空母作って周辺国を脅しまくっている「途上国」があんだって。ああいかん素で応えてしまった(笑)。

中国は、このコロナのパンデミックでいきなり空気がキレイになったそうですが、それもそのはずこういった状況でした。
この大気汚染は、昨日今日に始まったものではなく、2013年頃から隠しきれないものとなっていました。


「環境省によると、10日夜から北京市を中心に中国東部で大気汚染が発生、14日まで主要都市で汚染が確認された。同市内の濃度は多い時には大気1立方メートルあたり約500マイクロ・グラムで日本国内の基準(1日平均35マイクロ・グラム以下)の十数倍にあたる。」(読売新聞2013年1月30日)  

この分厚い雲の下はこうなっています。 

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この写真は2013年冬の真昼に撮影されたものですが、夕暮れではなく昼間です、念のため。 
撮影した共同の特派員は、10数メートル先も見えないと書いています。 

 

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この分厚いスモッグが晴れるのは、オリンピックと、抗日70周年なんじゃら軍事パレードの時、そして今回のコロナの時だけです。
北京周辺の工場を止めたり、車の乗り入れ規制をするからです。
大気汚染の主原因は硫酸塩エアロゾルで、エアロゾルとは大気を浮遊する微小粉塵のことで、工場や自動車などから排出される二酸化硫黄が、大気中で化合・吸着した微小化されたものです。
この硫酸塩エアロゾルは、普通の風邪引きマスクていどは簡単に透過して、気管支、肺にまで達しあらゆる気管支系の病気の原因となります。


「専門家によると、霧には多くの有害物質のほか病原菌も付着。気管支炎やのどの炎症、結膜炎などのほか、お年寄りや疾患を抱えた人だと高血圧や脳疾患を誘発する危険があると指摘した。」(ロイター)

マスクでブロックする気なら、N95仕様のマスクが必要です。 
この有害ガスの「濃霧」は、北は長春、瀋陽、珠江デルタ、東は済南、西は西安まで、中国の広域に広がっています。  
この汚染地域は、中国の7分の1に相当する130万平方キロと日本の3倍という途方もない面積に達します。
大げさな表現ではなく、まさに地球環境史上空前絶後の汚染規模だと言えます。
下の写真は2013年冬にNASA が撮影したもので、もはや地上はみえないほどです。金星か、ここは。
 

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ちなみに、この硫酸塩エアロゾルは、黄砂に乗って日本列島西部に流れて、喘息の原因となっています。Photo_9
※http://www-cfors.nies.go.jp/~cfors/index-j.html

話を戻します。
とまれこういう国ですから地球温暖化ガスなんて削減する気はいささかもありません。
むしろボンボン出しまくって、むしろこれをネタにして米国の妥協を引き出せないか、とねじれて発想します。
実はさもありなんですが、バイデン率いる民主党は環境問題が飯より好きなのです。
いや、単に好きというより環境利権に深く足を取られているというべきでしょうか。
米国民主党のスポンサーには、環境マフィアの有象無象がひしめいています。

彼らは外見は環境運動家のような顔を繕っていますが、その内実は環境利権、たとえば排出量枠のバイヤーだったり、それに投資する投資銀行だったりします。
共和党政権がパリ協定から離脱できたのは、この環境利権を持っていなかったからです。
そもそもこの地球温暖化説に火をつけたのが『不都合な真実』で、温暖化の宣教師となったアル・ゴア副大統領でしたから歴史的にも筋金入りです。

そして民主党は、オバマ政権に典型的なように、地球気候変動問題で中国に妥協を迫りたいあまり、中国の術中にはまってしまいました。
冒頭の石井氏はこう述べています。

「とりわけ民主党が共和党と著しく異なるのは、地球温暖化問題がもつ政治的重みである。中国は2014年11月に北京で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議において、気候変動問題に関する米中協力宣言を発して、この問題での協力姿勢を初めて鮮明にした。ここに至る道のりではオバマ政権からの働きかけも重要であった。ある意味で「中国に協力させた」オバマ大統領の功績は、地球温暖化問題を深刻視する民主党の熱心な支持基盤にとって、まさに画期的な重要性をもつものであった。
その後、2015年12月パリで開催された第21回 UNFCCC締約国会議(COP21)におけるパリ協定交渉で米中は指導的役割を果たし、さらに2016年9月のG20会議における米中首脳会談にて、米中のパリ協定の批准ならびに締結を発表した」(石井前掲)

つまりオバマとその副大統領だったバイデンにとって、中国と気象変動の米中協力宣言はレジェンドであり、不可侵だったにもかかわらず、不動産屋のトランプが一蹴しやがった、許せない、元に戻してやる、と考えているわけです。
となるとバイデンが恐れるのは、中国を刺激しすぎて、オバマのレガシーだった地球温暖化の米中協力宣言まで廃棄してしまうことです。

「同年11月4日、パリ協定は発効した。逆に、オバマ政権からすると、アメリカが南シナ海やウイグルの問題などで強く中国を批判し過ぎ、中国が地球温暖化問題での前向きの姿勢を撤回してしまえば、一大事となる」(石井前掲)

おそらく中国はバイデンに対して、表向きは今までと変わらぬ硬直した「戦狼」姿勢を見せながら、舞台裏では民主党政権に対して使えるカードの一つとしてこの地球温暖化を持ち出して妥協を迫ると見られます。

 

 

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コメント

うーん、北京等でのスモッグの酷さがオリンピック前には顕在化していたのに・・・
COPで鳩山さんが出したかなり無茶な「日本国内の削減案」を一笑にふされてしまって何も言い返せないなんて、全く舐められてた時もありましたね。ああ恥ずかしい。

欧米はもちろん日本の金融機関の投資も脱石炭だそうで。
いやねえ中国の古い石炭発電所を全部日本の最新の物に置き換えただけでどれだけ温暖化ガス減らせるのかなんて話も過去記事でありましたねえ。
正に中国にベッタリだったメルケルさんが日本の震災を見て「原発廃止」を謳いつつ主力の石炭(主に亜炭)も止めて、再生可能エネルギーにシフトと打ち出したらドイツの電力事情が大変になったことなんか皆忘れて無いですかね。
カンさんのFITなんかもありましたけど、新しい立民の政策らしきものは10年前の夢をもう1度なんでしょうか。。未だに某元官僚さんが唱える「ドイツに倣え」なのかと。

中国に関してはもう面の皮が厚すぎる上に領土や経済・技術での野心を隠さなくなったのに、こんなときだけ「私たちは途上国です」って・・・どうしようも無いですね。
言うこと聞かねえなら汚染しまくってやるぞ!では本当にヤクザです。。

 温室効果ガス排出問題は、すぐれて「中国問題」です。
中国共産党を内側に入れて「協定」で目標達成しようとしても、ハナから上手く行くはずがありません。
せめて基準を、中共が「何を言ったか」ではなく、「何をしたか」で判断すべきです。

環境問題が新たなムーブメントを生み出し、それに接着した極端化したビジネスが政治に影響を与え、悪意の中共を肥え太らせていく悪循環。資本主義の欠点をみごとに突いた中共のやり方に、米民主党は手もないように見えます。

トランプ氏がパリ協定離脱という方法をとったのは、そうした抜本的な問題定義もありました。
もはや、世界の製造業を中国から引き剥がすしか方法はないと思います。

私はトランプの再選が成るとみていますが、バイデンなら環境問題のイニシアチブは中共のものとなるでしょう。

コロナで世界を破壊し、温暖化ででも世界を破壊する。
経済で、途上国をサラ金地獄に追いやる。
最近の中国は諸悪の根源ですね。それを隠そうともしない。
日本でも毎年風速50m以上の風が吹き、日本のどこかが災害に巻き込まれます。当然中国にも影響があり三峡ダムが決壊するとかしないとか大騒ぎしました。いっそのこと三峡ダムが決壊し下流の工業地帯が壊滅すれば、世界の工場としての役割。同時に中国の暴走も止まると思っています。そういう天変地異でしか中国は変わらないし、多大な犠牲を払わないと目が覚めないでしょう。中国に依存する日本企業も同じことです。

正にヤクザの恫喝的振る舞いで、では国際社会は暴対法を以て処するのかという問いが今あるのだと思います。
実際、暴対法によって日本の暴力団図式はどうなったのかを見てみると、表から消えた分地下に潜り、組織の縛りを離れた新勢力(半グレや外国系マフィア)の台頭があります。
気候変動や勢力争い・米国との対立を経ておそらく共産党独裁は何らかの変容を遂げるのでしょう。
それ自体が混沌を生み出し世界的規模で経済や治安の悪化を引き起こしながら新しい形態を大陸で作り直していくはずです。
その手口、ありがちなパターン、被害を最小限に食い止めるノウハウを、日本政府も企業も個人も、なるだけ多く知っておく必要がありますね。
セキュリティダイヤモンドの概念は、「自分だけでなんとかしようとするときっちり型に嵌められる」パターンを回避する有効なものでもあります。
たとえ習近平が失脚して独裁体制が崩壊しても、ハッピーエンドでは決してなく、人の業が為す悪魔の物語は続きます。根負けせずにいなければ、と思います。

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