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« 山路敬介氏寄稿 菅義偉次期総理と沖縄 その2 | トップページ | 長期保守政権だからできたこと »

2020年9月16日 (水)

山路敬介氏寄稿 菅義偉次期総理と沖縄「当たり前の沖縄」への期待 その3

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                                     菅義偉次期総理と沖縄その3
                                                         「当たり前の沖縄」への期待
                                                                                         山路敬介

 

■ 「沖縄振興と基地問題はリンクしている」は誰の目にも明らか

 沖縄タイムスは9/4の記事で、菅氏の「結果的には(沖縄振興と基地問題が)リンクしている」、「両方の課題を全体で総合的に推進していく意味合いにおいてはリンクしているのではないか」との発言を批判しています。
またまた十年一日のごとく「アメとムチ」論だとか「植民地的対応」と言うのですが、もう聞き飽きました。(笑)
せめて違うボキャブラリーで語ってほしいものです。

ただ、菅氏の言った意味合いは「いわゆるリンク論」とは少々違います。
沖縄二紙は仲井眞知事時代を黒歴史として消そうとしているので、菅氏の言っている意味内容を正しく理解しようもなく、粗雑な反応しか出来ようがありません。
ちなみに「リンク論回避」は自民党の党是でもなんでもなく、菅氏が実体験から考えを述べる事はごく自然です。
「結果的には(沖縄振興と基地問題が)リンクしている」という発言は、前段に「那覇空港第二滑走路工事について」があり、菅氏の経験に基づいています。

あの当時、沖縄世論は「辺野古問題」一色でした。
仲井眞元知事は変節漢の鳩山由紀夫、自身が素人である事を「これがホントのシビリアンコントロール」とおちゃらけた一川保夫、続いて田中直紀という無知なアホウどもを相手にしなければなりませんでした。
野田政権の後半になってようやく話が通じる森本敏氏が防衛大臣に就任しましたが、弱体化した政権自体の先行きが見えなかったし、仲井眞氏にとってさらに重大な問題は沖縄振興策が滞っている事にありました。
経済問題の滞りは森本氏の所管外です。話す相手方すらなかった状態が長く続いていたのです。

安倍政権になり、菅官房長官はこのような仲井眞知事の苦悩のありかを知悉していて、まず尖閣周辺を漁場とする漁業者への補償を約束しました。
次に、那覇空港第二滑走路完成を二年前倒しする事を330億円かけて行なう事にしたのです。
仲井眞の県経済政策実現のためには「二年前倒し」は重要な欠かす事が出来ない大問題で、その必要性や計画もキッチリしていたので菅も動きやすかったようです。
その他、複数の米軍用地返還など基地負担軽減策をはじめ、様々な合意を成すに至りました。鉄軌道建設など受け入れられなかった事、出来なかった事もありますが、仲井眞のこれまでの民主党政権・日本政府への不信感を払しょくする交渉内容でした。

辺野古「埋立て許可」の事務はもともと県側の裁量権が狭く、そもそも法に則った技術的審査をするだけに等しいものなので、「リンクしていない論」に立てば逆に、民主党の連中ように米つきバッタのごとくヘコヘコしてさえいれば、法的にはやがては埋め立て許可が得られる事になります。
しかし、政府との信頼関係もなく、一方で法律に基づいた沖縄振興策も滞ったままならば、やはり仲井眞氏は埋立て許可できなかったでしょう。

そうした自身の経験から菅氏は「両方の課題を全体で総合的に推進していく意味合いにおいては」と言い、「結果的にリンクしているのではないか」と表現したのです。
沖縄がナイーブで情緒的にすぎる「リンクしていない論」を強いるのは、「アメとムチ」とかいうヒガミ根性にあります。
ですが「アメ」でも「ムチ」でもない、「信頼を取り戻す」という経過を正しく経た方法によって結果的に許可を得たのであって、沖縄二紙の菅氏への批判はあたりません。

それと、基地を動かせば跡地の問題が出ます。普天間の跡地には土壌改良が必要だと言われていて、それだけで莫大な資金が必要です。
沖縄県だけでは十年たっても権利関係の整理が出来るとは思えず、境界の確定作業すら困難でしょう。
なお、沖縄県のためには公共性のある一体利用が必要で、そうした資金は振興費から賄われる部分が生じます。
かような跡地処理・開発も基地問題の一部ですので、「振興策は基地問題とリンクしていない」などと言う事はやはり困難です。

実際のところ、「基地問題と沖縄振興策がリンクしていない」などと言うウソっぱちを県民・国民の誰も信じてはいません。
振興費が付くからこそ当時、津堅、金武なども候補地として手をあげたのです。
私のところの伊良部島でさえ誘致運動が起こりかけました。すべては地域振興のためでした。そんな事は、恥ずかしくも何ともありません。

近頃、北海道の何とかいう小村が道内で二つ目となる「核廃棄物最終処分場」に名乗りをあげました。地域の永続性のための国からの振興資金等が動機でしょうが、同時に日本国にとって必要欠くべからざる役割を引き受けてくれようとしているのです。こういう場合も二紙は「アメとムチ」とか、「植民地主義」とか言うのでしょうか。バカもほどほどにしたらいいと思います。

事実を封じるこのポリコレ様の強要はつまり、沖縄の「やらずぶったくり」を実現させるための歴史改ざんに過ぎません。大田知事時代に沖縄関連予算が半減した事、その再来をおそれた県庁や経済界に諭されて変節した稲嶺知事しかりです。
「辺野古受け入れ」による名護市ほかへの北部振興費は、年間100億円です。これ以上は自明の事なので多くは申しませんが、いかに基地負担の見返りが広範にして多岐に沁み渡っているか、篠原章氏の「外連の島・沖縄」の第七章をぜひお読み頂きたいところです。

ついでになりますが、琉球新報がこの菅発言を批判する中で、対比的に1997年の復帰25年周年式典での橋本龍太郎首相の言葉を引用しています。
「(橋本首相は)振興策は辺野古移設の前提か?と問われ、「二つの問題を一緒にされるのは、とても悲しく聞こえる」との認識を示した」と書いています。
振興策に辺野古移設(海上案)への見返り(前提)が入っていないハズがありませんが、よくも橋龍の言葉を菅発言との比較に用いたものです。
1998年1/21の衆議院予算委員会で橋本首相は「海上基地案を変更しない」と明言し、「沖縄県がこれを拒否するならば、沖縄振興策に影響しかねない」との答弁をしています。琉球新報は自社の過去記事とも整合しない記事を書くのはやめたらどうか。

■ これからは本土納税者の意見こそ注視すべき

本土の人は沖縄に優しいので見落としがちですが、辺野古移設にさすがに9300億円の工事費がかかるとなると「それでいいのか?」という、納税者ならば当然の意見を最近多く聞くようになりました。
竣工時には、工事費は一兆円に到達すると思います。安倍政権時代に二度の消費増税があり、医療費や今次のコロナ対応での国費の支出は膨大です。

「普天間の固定化もやむなし」という方々の言い分にも一理あります。普天間移転は県民の悲願とはいえ、そもそも「世界一危険な基地」伝説を作り上げたのは沖縄二紙はじめ運動家連中だし、「世界一危険な基地」の虚偽性を指摘する米軍関係識者も実際います。米兵は中心街に近い普天間のままがいいと考えているとも聞きます。

ただ、米国との国際関係や政治的問題もあり、まさに沖縄県の故翁長知事が始めた訴訟において「普天間は世界一危険な基地」、「辺野古移転が唯一の解決策」、12年かかったとしても「現在においてなお、普天間の危険性除去のためには辺野古移転が最短・最速」が判決文となっています。
これで本土の政治家も辺野古以外に動きようがなくなりました。
思えば、翁長知事が最初の訴訟に踏み切る前、ここのブログ主様がしきりに辺野古陸上案を言っていた頃がラストチャンスでした。

沖縄が好きな本土の人々も、こと辺野古問題の帰趨には口をつぐみます。運動家まがいの反対派や、ええかっこしいの無思慮な連中を除けば、ですが。国民の多数層の意見は封じられ、表層としての普天間問題は反対派の独断場となりました。
けれどあの大田知事ですら、当初は県内移設を容認していたのです。故翁長氏が選挙のためにと稲嶺知事をそそのかし、仲井眞知事の二期目の時にも「県外を公約として言わなければ選対本部は受けられん」と突っぱねました。
それに疑念を持っていた仲井眞ですが、その後議会でどんなに「県内移設はないと言え!」と責めたてられても「県内移設」を排除した事はありません。分かりづらいといえばそれまでですが、公約違反とまでは言えない事はあきらかです。

結局、二紙に「沖縄を売った男」とまで言われた仲井眞氏ですが、「沖縄を売った男」との表題の本の帯には菅官房長官の顔写真入りで「「売った男」でない事は歴史が証明するはずです」とあります。仲井眞は「日本の枠内で、どうやって自立度を高めていくか」とし、「その弾み車となるのは県経済の発展しかない」と言っています。今の沖縄は仲井眞時代の遺産で食っているようなもので、そのうち案配の悪い方向に転げ落ちる可能性が大です。県経済がコロナの影響を受ける度合いも、全国トップクラスとなるでしょう。

沖縄独特の古い格言で「食を與るものは、わが主人なり」というのがあります。故翁長知事に従ったこの手の政治家の何と多かったことか。また、いつまででも振興予算に頼り切ろうとする性質も優れてこの格言があらわしています。このうえは韓国のように、あったものを無かったように、無かったものは歪曲して創り出しさえして、手前勝手な論理と運動を展開する方法を推奨し取り続けたのが沖縄二紙だと言えるでしょう。

                                                                                    (了)


                                                                           文責 山路 敬介

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コメント

山路さんの現実のリヴューとそれを記録することは、我々にとっても、いずれ有権者になる皆さんにとっても非常に有用です。

なんでも自由に発言発信できるが、その内容にあるおかしなところを理由付きで指摘されても、なぜおかしいのかが理解できない。なぜ自分がそんなことを言われるのかが理解できない。
そして、タオルを投げてくれるセコンドもいない。
そんな社や政治家やその他インフルエンサーを頼りにする人の数は先細りです。

さて2020年の現実は、飲食観光関連の他、数々の県産品が売り先激減で関係者の皆さんはピンチ、楽しみに求めにいく身としてもこれまで通りの選択肢を享受できず。
作ったものはもっとあったはずなのに何処へいったのか心配になったほど。
豚やサツマイモでは病気が発生しました。
弱れば必ずつけ入ってくる中共のことも案じなくちゃならない。
どれだけ試されるの。
知られていない試練はまだあるはず。

どうせ綺麗事を口にするならば、努力と金の話、譲歩と矜恃の話をいつも明るく堂々とやりたい、それが当たり前に、と私は言いましょう。

全三回の記事いつも参考になっています。
断片的でまとまりが付いてない情報の補完に大いに役立っています。

私は振興予算と基地問題とのリンクになると県の偉い方々が全否定をするのがいまだに腑に落ちません。
負担をするかわりに保証を得るのは一般社会でも普通にある事ですし、それが基地や軍事に関する事だからといって否定するのはおかしいと常々感じています。
ましてや交渉によって大きな利益を勝ち取った行為を「沖縄の魂を売った」と評価するのもおかしな話です。
しかもその予算を勝ち取った行為を全否定した翁長、玉城県政がなに食わぬ顔で使い続けているのはもっと納得がいきません。

結局は復帰前の世代が米軍統治下で闘った古臭いプライドがいまだに捨てられずに「基地と共存する」という現実的選択を認めるのを邪魔しているようにしか見えないのです。
だから軍用地返還でこれだけ経済効果があった、基地経済から脱却したと声高にアピールし、それと矛盾する振興予算と基地問題とのリンクは絶対に無いとキレる歪な主張が生まれる状況になってしまったと感じています。
辺野古移設に関しては四半世紀程度前の事案なのにまるで計画決定にあたり県の意見が全く聞き入れられなかったかのような前提で普通に語られるようになったのは寒気すらします。

今回のコロナ騒動で国外からの観光客がほぼゼロになりましたが観光地の近所に住む者としては静かになってホッとしたと感じるのもまた事実です。
数を呼び込むよりも質(一人当たりの消費単価)を上げていく観光事業の方向性の転換を行う絶好な機会でもあるはずなのですが、そういった声が全く聞こえてこないのは残念なかぎりです。

山路さん、ありがとうございます。ほぼ四半世紀の非常に重大な沖縄史、力作であり大変わかりやすい。永久保存版に値すると思います。稲嶺元知事のポピュリズム的言動にも合点がいきました。菅政権は決まった工程を淡々と進めて行くことでしょう。仲井真氏のような実は全くぶれずにリアリズムにのっとった施策を実行できる人が登場してくれたらいいのですが。

沖縄の人々は、ここが国境の地であり、辺境の地であることを自覚するべきです。与那国島の西のむこうにはニライカナイなんてとんでもない、この現代に一民族主義の強権国家という恐ろしい存在があります。海があることでかろうじて救われています。陸続きであれば香港のごとく飲み込まれたかもしれない。

皆さんもご存知でありましょう「最後の授業」のごとく大国の論理で飲み込まれた地域は母国語(公用語)まで変わってしまうのです。かつての琉球が中国に飲み込まれていたら…、とか考えるとゾッとします。

普天間基地を本気で動かす政治家が出てくるとは、沖縄の人たちも思っていなかったように思います。それが現実味を帯びたとき、沖縄の政治家たちは腰砕けになり何も決められず、おろおろするばかりです。
最近、写真週刊誌が基地反対運動の先頭に立つ元新聞記者で今は国会議員のスキャンダルを報道しました。その先生曰く「米軍は絶対に基地を返還しない。ならば基地反対運動を煽ったほうが軍用地料も米軍住宅の家賃も上がる」が飲んだ時の口癖だったと書かれていました。
だからこそ、世界一危険な基地と書きたい放題書いたのでしょう。これが沖縄の反米軍基地運動の実態だったののではないでしょうか。
結果的に普天間を動かす政治家が出てきた。近年の知事選は保守派に不利な状況です。本来は保守なんだけど普天間に既得権益を持つ人たちの票がごっそり、辺野古反対のほうに流れていると思うのです。
そんなこんなで、沖縄県は混乱状態が続いた。歴代の知事が何も決められず、時間だけが過ぎていく。そんなかで仲井真知事だけは自分たちが蒔いた種は自分たちで刈り取ると決めた。山路氏の論考にもあるように、民主党政権では話になりません。安倍政権誕生で機が熟したと判断したと思います。結果的には沖縄にとって最良の方法で決着させたのに、沖縄の心を金で売った呼ばわりです。沖縄のマスコミの言いなりにならないで沖縄のために仕事をやった政治家です。
2021年度で切れる、第5次沖縄振興予算。玉城知事に仲井真元知事のような駆け引きが出来るとはとても思えません。相手は筋金入りの菅総理です。

 いつも長ったらしく、読みづらい文章ですいません。
ただ、事象は沖縄の新聞が示すような単純なものではなく、それでどうしても説明し過ぎてしまうみたいです。
ありがとうございました。

基地問題解決を望まない基地反対運動に疑問を持った時、ネット検索をかけ、ここを読み、メディアがかけ続けている煙幕がはらわれる人達が幾人もいることでしょう。
まあ、だから沖縄関係の記事の日にはとんでもない荒らしさんが参上するのですが。
山路さん、管理人さん、コメント欄の在沖の方々の努力に感謝です。

興味深く拝読させていただきました。
ひとりでも多くの方々に読んでもらいたい論考だと思います。

もう四半世紀も経っているんですよね、この問題は。
「覚悟を持った人」には「覚悟を持ち得ない人々」はしょせんかないません。

基地問題解決を望まない反対派って、関空が出来て伊丹空港廃止案が出た途端に静かになった伊丹反対派と同類なんでしょうか。

遅れたコメントですいません。

Siさん。見ておられていたら。
同類です。
関空工場や開港後も「関空は沈む!」と過激に反対してた(実際に近年は台風で大きな被害ありましたけど)連中と諦めた連中でチューカク派がまたまた再分裂してますから。
辺野古のマヨネーズ地盤どうこう言ってる連中とそっくりですよ。

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