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2020年10月28日 (水)

国連が世界の市民監視機関となる日

015  

菅総理の見事としかいいようのない所信表明演説がありました。
よくもまぁあれだけ理路整然とやるべきことを述べたものだと思います。
さぞかし官房長官時代に書き留めておいたノートが何冊もあるのでしょうね。
インデックスだけで、そこらのシンクタンクの出したものなんか足元にも及びません。優秀な官僚を引っこ抜いているだと思います。
具体的には引っ掛かるものもいくつかありますが、これを立憲みたいに「中身がない」なんてよーいえるもんです。
中身がスカスカなのは、あんたらの頭のほうです。これだけ具体的に言っているんだから、個別具体論で批判したらどうなんです。
逆に細かく書きすぎていてグランドデザインが見えなくなるほどなので、今日は置きます。

さて昨日、中国は国連を換骨奪胎して中国の機関に変えようとしていて、それが8分どおり成功しつつあることまでお話しました。
中国と国連は大変に体質的に相性がいいのです。
中国は前世紀から始まるグローバリズムの果実を最も沢山受け取って、今や調子に乗って世界支配をしようとしています。
ま、いま高転びにコケかかっているのですが、それはともかく中国は世界的なグローバリズムがなければ存在しえなかったことでしょう。
そして国連もまた、「国境なき世界」を目指すという意味で、グローバリズムの発想をとっています。

中国は長期的戦略に基づいて国連を乗っ取ろうとして、西側諸国の無関心に助けられて成功しました。
それはただ人権理事会やWHOなどで中国寄りのことを言わせるだけにとどまりません。
むしろ、中国がほんとうにやりたかいことは、国連を積極的に世界支配のツールに活用することです。

こう書いたからといって、国連軍を中国軍の指揮下に置くなんていうことではありません。
まぁ、完全に国連を支配すれば国連憲章に従って常備軍として国連軍を置き、その指揮権を中国が握ることもまんざら不可能ではないかもしれませんが、それは米露が覇権国から滑り落ちた場合にのみ可能ですので、まだまだ先のことです。

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WSJ 上海の監視カメラ。中国は世界一の国民監視網を構築している。

今の段階で中国が考えていることは、ビッグデータの収集に国連を使うことです。
中国はビックデータを一手に押え、それに基づいて一帯一路政策に乗せて世界の隅々まで行き渡る監視網を作ることを目指しています。

中国はその布石を着実に打っています。クローディア・ロゼット(米ハドソン研究所非常勤フェロー)がウォールストリートジャーナルに寄稿した『『監視網拡大に国連を利用する中国』 は衝撃的な内容です。

「米政府が中国政府への情報の流れを制限しようとしている一方で、ニューヨークの国連事務局は、中国政府と協力して、世界規模の合同データハブを中国国内に構築しようとしている。この計画では、国連加盟諸国のデータを分析するための研究センターや、中国の偵察衛星の高い能力を活用する地理空間情報の研究センターも設けられることになっている」
(ウォールストリートジャーナル 2020 年 10 月 8 日 )
https://jp.wsj.com/articles/SB10376991142537874311504587023251947032494

ゾッとしました。中国政府と国連事務局が、加盟各国のデータ収集のセンターを中国国内に作るというのです。
これは米政府が中国政府への情報の流れを制限しようとする流れに逆行し、中国政府と積極的に協力して世界規模の合同データハブを中国国内に構築しようとしていることになります。

この国連経済社会局の肩書で契約の署名をしたのが劉振民事務次長などの中国人2名、この人物は中国政府から送り込まれた出向者です。
中国側は寧吉喆国家統計局長が署名しています。
なんだ、双方とも中国の官僚じゃないですか(笑)。

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中国国家統計局・寧吉喆局長 

「中国国家統計局の寧吉喆局長と国連経済社会局の劉振民事務次長は2019年6月に上海で面会した。そこで2人は、「国連―国家統計局ビッグデータ研究センター」というタイトルの覚書に署名した。その目的は、「中国の官民セクターと協力し」、ハイテク分野における中国の手法と専門知識を利用することにある。この組織は、簡単に中国にとってのグローバルな情報ネットワークになり得る」(WSJ前掲)

 国連経済社会局の建前では、このプロジェクトについて歯の浮くような美辞麗句を散りばめています。
いわく、貧困なき持続可能な社会を作りのためのプロジェクトのために、ビックデータを収集する世界の合同ハブを作る、ということのようです。

「公式には、この計画の目的は、データへの依存度が高まりつつある国連のさまざまなプロジェクトを円滑化、強化することだ。この中国と国連の複合組織は、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」のマスタープラン(基本計画)と一体化される予定だ。同アジェンダは、貧困の根絶、「平和と公正」の実現など17の「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成を目指している。必要データの収集で困難に直面した国連は、193の加盟国と傘下の多様な機関、部門、計画を網羅する情報発信能力の向上と基準統一の取り組みに乗り出している」(WSJ前掲)

これには加盟国すべてと国連すべての機関が網羅されて、データの基準を統一し、それを一括して中国国内の浙江省に置くというのです。
「デジタル共産主義国家」である中国は、世界有数のハイテク監視国家でもあります。
中国は、この計画を喜んで支援してしているどころか、この世界のビックデータ共同ハブ作りを構想したのは、この中国です。

これについて習近平が国連総会演説で、チラっとしゃべっています。

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毎日

「中国共産党のトップである習近平国家主席は9月22日、バーチャル形式となった第75回国連年次総会の一般討論演説の中でこの合意を発表した際、「国際問題に関して国連が中心的役割を果たすのを支援する」と約束。「中国は国連の地球規模地理空間情報イノベーションセンターとともに、2030アジェンダの実施促進に向けた持続可能な開発目標のためのビッグデータ国際研究センターを中国が開設する」と宣言した」(WSJ前掲)


この習演説のかなり前から、その場所は中国国内に置くことは選定済みであり、この国連経済社会局は事務総長の直轄機関ですが、このトップは2007年から一貫して中国が握っています。

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劉振民事務次長

この劉振民事務次長も中国外務次官の要職を努めており、朝鮮関係などを扱っていたようですが、この大物を国連事務局に送り込んできました。

「 [新華網] 国連6月10日 国連のグテーレス事務総長は8日、中国外交部の劉振民副部長を現職の呉紅波副事務総長の後継として、国連で経済社会事務を担当する副事務総長に任命したと発表した。呉紅波副事務総長は今年7月31日に任期が満了する」

「国連の文書によれば、何十もの国連関連機関が中国の同構想を支援するための合意書に調印しており、その中には世界銀行、国際通貨基金(IMF)など国連の15の全専門機関も含まれている。これら専門機関のうち4つは現在、中国人のトップによって運営されている」
(WSJ前掲)

なんのことはない、劉の前任も呉という中国人、その前も中国人、そして協力する国連関連機関15のうち4つは中国政府の出向者がトップを占めています。
いかにこの国連事務局を掌握することに中国が力を傾注していたのか、そしてそれを「国連事業」という金看板で飾ることに腐心してきたのかわかります。
この呉と劉が中国政府から与えられた使命は、このビックデータのセンターをなにがなんでも中国に持ってくることでした。

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杭州市 アリババ本社

ところで中国は文句なく世界一の監視国家です。
すでに中国では、スマホを利用したアリババ系のアリペイ、テンセント系ウィチャットペイなどの電子決済システムを利用しないと、市民が買い物ひとつできないまで浸透しています。
笑い話のようですが、乞食までが電子マネーでお恵み下さいという札をぶら下げていたとか。
すでに山間僻地を除いて7割の10億人の国民が使用を事実上義務づけられており、国民はこの電子決済システムを利用しなければなりません。
この電子決済システムを利用するためには、現預金、預金以外の資産、交通違反まで含む一切の刑事罰履歴、交友関係まで登録せねばなりません。

つまり中国政府当局は、10億人の財布の中身、どこでなにを買ったのか、どこへ行ったのか、なにを食べたのか、誰とつきあっているのかにいたるまで一切合切を掌握でき、それを随時ビックデータに収めることをしているというわけです。
そしてそれらをもとにして、AIが「社会スコア」と呼ばれる点数をつけていき、罰則を犯したり、政府が好まない発言をしたりすればようしゃなく減点していきます。
逆に政府が好むことをすれば、加算されて海外旅行のWI-FIがタダになったり、無担保でカネを借りられるといった特典がつきます。
こうしてスマホを通して完全な市民監視が可能な支配ツールが、電子決済システムなのです。

ですから、同じくように中国式電子決済システムの下に置かれている香港では、デモに行くときはスマホを持たない、集合地点に行く場合には現金で払う、連絡は盗聴されるので携帯は利用しないといったことを徹底したといわれています。

また、中国政府は国内においては、ネット検閲システム「グレート・ファイアウォール」経由で国内のインターネット・アクセス状況を管理するハイテク技術を導入しています。
当局の海外向けのプロパガンダ以外、 フェイスブック やツイッターなど米国のSNSはアクセス禁止で、いかなる政府批判もすべて探知され公安警察に踏み込まれることになります。
まさに「デジタル共産主義」社会であり、これをひな型にしてこの人権ディストピアの中国に世界中のビックデータを集積しようというのがこの国連構想です。

「習氏が提唱した国連と中国による地理空間情報、ビッグデータ情報センターは、地形、インフラ施設から人の行動に至るまで、全てのものを時間にかかわりなく全世界規模で明確に描き出すことを可能にする。中国は既に全世界レベルで膨大なデータを独自に収集したり、場合によっては勝手に盗んだりしている。しかし、国連という合法的なバッジを得ることになれば、中国は国連加盟国からのデータ取得、それらのデータ収集に関する国連の基準や規則への影響力の行使、結果の引き出し、それらを国連のシステムに織り込むことが一層容易になるだろう。そして、中国共産党による全世界を対象とする技術的独裁の企ても一段と容易になるだろう」(WSJ前掲)

中国式監視社会を世界に拡げ、世界各国の市民のデータを中国杭州市のハブに集中しようというのが、この構想です。

 

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コメント

アメリカは弱体化したのではなく、弱体化させられたと考えるべきですね。企業は利益を追求する集団ですから、アメリカ本国で作るより半分の金で作れるなら、我先に中国に進出しますよね。
中国には三戦と言う言葉があります。
政治、経済、思想まで支配する。
金のないアフリカ、東南アジアには金で。どんな国でも国連では1票は1票です。そしてアメリカには社会的に不満を持つ層に入り込む。
アメリカは西部開拓史が物語るように、自らが血を流し開拓した国です。
その象徴が、星条旗です。その星条旗も移民やら孔子学園やら多種多様な綺麗な言葉で、蝕まれた。
自分が開拓した農場に無断で入ったら撃つ。それが本来のアメリカです。前に沖縄の米軍基地で仕事をした時の話をしましたが、米軍基地の一日は星条旗に始まり星条旗に終わる。
その時の、覇気が今のアメリカから感じ取れないのです。
それは、マスコミが流す一方的な情報であり、本来のアメリカ人はジョンウェインだと私は今でも思っています。そういえばトランプ大統領ジョンウェインに似ていますね。


 ブナガヤさんこんにちは、HYです。私は大紀元で知りました。

 北京の独裁者が国連を通して世界中のビッグデータを管理できるようになったら、香港国安法にあった「外国人が外国で香港民主化活動すれば処罰する」というのも可能になるでしょうね。もちろん膨大なデータ量ですから人工知能で……となればまさにSF映画「ターミネーター」の世界です(丁度中国には『天網』がありますし)。映画の世界では戦争が起きて混沌とした世界になるのですが、現実の世界では「平和裏」に進められている分質が悪いです。

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