米国メディアもハチャメチャな大統領選
皆さんもお聞きのように、NHKで流された大統領討論会は、同時通訳がかぶるというまれに見る現象のために、なにがなんだかよーわーらんという中継になってしまいました。
大方の責任は、被せてしゃべる悪い癖があるトランプが悪いに決まっています(うんざりしましたね)が、バイデンもバイデンでまるでロボット。
出るべくして、バックヤードからバイデンを操る電波が入っていて、その振り付けに従ってバイデンはしゃべっているのだという疑惑が出ました。
SAVOX
バイデンには、大統領選挙期間中あまりにボケがひどいので、陣営がSAVOXというコミュニケーションツールを使用していたのではないかというわけですが、トランプ支持のSNSから着火して、FOXも大きく取り上げているようです。
FOXは米国では少数派に属する保守系大手メディアで、白人保守層だけではなくヒスパニックにも厚い支持層を持っています。米国の産経みたいなもんでしょうか。
ちなみにFOXの世論調査ではトランプ支持が6割とか。
ほんとかよと思いますが、他のリベラルメディアがあまりに傾いた報道をするので、これであんがいバランスがとれているのかもしれませんが。
「米大統領選候補者による第1回討論会を前に、民主党候補のバイデン前副大統領が討論会でひそかにイヤホンを装着する計画だとのうわさがソーシャルメディアなどインターネット上で拡散している。バイデン陣営は否定した。
このうわさはフェイスブックとツイッターで多数に共有されたほか、陰謀論を広める右派サイト「QAnon(キューアノン)」が広めている。右派メディアのFOXニュースやブライトバートも取り上げた。
トランプ陣営の広報ディレクター、ティム・マートー氏は29日の声明で、バイデン氏の側近は討論前の電子イヤホンのチェックに数日前に同意していたが、この日になって突如、見解を翻したと述べた。バイデン陣営は注意をそらすようなものにすぎないとし、疑惑を否定した」(ブルームバーク9月30日)
トランプ支持者は、大統領討論会の真っ最中にバイイデンが襟にワイヤーを忍ばせていることを発見したと主張しています。
「ポリティファクトによると、討論会が中盤にさしかかった9時45分頃、フェイスブックに、「バイデンがワイヤーを身につけているのを発見」とコメントをつけて、バイデン氏の襟元に線のようなものが映る動画が投稿された。
13秒ほどの動画は、その後、トランプ支持者やQアノンに関連するページやグループで広く拡散された。AP通信によると、翌朝の時点で、フェイスブックで29万回、ツイッターで200万回以上再生された。さらに#JoeWIredがツイッターのトレンド入りしたという」
(mashup NY9月30日)
ただし、これには反証も存在します。
「これらの主張について、複数のメディアが検証を行い、誤りだと指摘している。AP通信は、ワイシャツの線は単なるシワだと説明。手首の影は、バイデン氏が息子のボー・バイデン氏を失って以来身につけている数珠だと述べた。バイデン陣営も、バイデン氏が討論会中に数珠を着用していたことを認めているという」
まぁどっちでもいいんですが、バイデンの発言が支持者たちから見れば「まっとう」、そうではない人たちから見ればまるで自分の意見を持たないロボットのような情感の乏しいものだったためです。
バイデンの素がでたのはトランプに対して我を忘れて「このレイシストめ」と叫んだ時くらいで、彼のような人物が大統領になった場合、そのスタッフによっていいように操られそうな気もします。
そしてそのスタッフが、スーザン・ライスとハリスときていますから、いやはや。
さて今回トランプもハチャメチャで充分批判に値しますが、報じる米国メディアもそうとうなもんです。
たとえば、今米国で騒がれているのが、トランプが討論会中に極右白人至上主義団体に「指示」をだしたというものです。
「トランプ米大統領は暴力的なネオナチ団体に「待機」を呼び掛けた。29日に行われたバイデン前副大統領との討論での一幕。
進行役のクリス・ウォレス氏に白人至上主義団体を非難する考えがあるかと問われ、トランプ氏は「もちろんだ」と答えながらも「誰を非難しろと言うのか」とはぐらかそうとした。バイデン氏が極右ネオナチ組織のプラウドボーイズを挙げたところ、トランプ氏はカメラに向けて、プラウドボーイズに「下がって待機せよ」と述べた」(ブルームバーク9月30日)
ブルームバークはこの団体について、嫌悪をこめてこんな解説をしています。
「人権団体のサザン・ポバティー・ロー・センター(SPLC)によれば、プラウドボーイズは「ポリティカルコレクトネス」と「白人であることの後ろめたさ」との闘争を掲げ、2016年にバイス・メディアの共同創業者ギャビン・マッキネス氏が始めた組織。全米で集会に参加し、18年にオレゴン州ポートランドで集会に反対するデモ隊と激しい衝突を引き起こした。17年にはバージニア州シャーロットで、他の白人至上主義グループと「右派の団結」を掲げた集会にも加わった」(ブルームバーク前掲)
保守系白人団体を解説するのに、左翼リベラルを使っちゃダメでしょう、ブルームバーク。
BLMの解説をプラウドボーイズにさせるようなもんです。彼らは完全な敵対陣営なんですから。
こういう報じ方をみるといつもは特にそう思わないのですが、ブルームバークさんも飛ばしていますね。
先ほど紹介した討論会の最中の「下がって待機せよ」というトランプ発言ですが、いくらトランプだって全米、いや全世界に中継されている討論会の真っ最中に白人至上主義団体に「スタンドバック(一歩引いて)、スタンドバイ(待て)」なんて言うはずがありません。
この発言の前後の流れをみれば、司会者の「白人至上主義団体をどう思うか」という質問に応えたもので、それについてはその場で(非難する考えがある)のは)もちろんだ」と答えています。
この発言に被せてバイデンがプラウドボーイズの名を上げた時に、この「スタンバック・スタンバイ」発言が出たのです。
つまり公平に見れば、トランプが言ったのは、BLMやアンティファと白人至上主義団体双方に「一歩引いて、待て」と自制を促したととれます。
さらに9月30日、ホワイトハウスで記者団にこのことを質問されてこう答えています。
「(プラウド・ボーイズについて)どのような存在か知らない。同団体が身を引いて法執行当局に仕事をさせるべきだ」
まぁ特になんということもない常識的な答えで、一国の統治者だったらどの国の誰でもこのように答えるでしょう。
法執行を民主主義社会の基本だと考えるのは、為政者として当然すぎるほど当然で、この間、あまりにも民主党系首長がアンティファ暴動におもねたために、警察活動が妨げられたり、予算を削減されたりした対応が目立ちました。
ニューヨーク市長は、略奪が拡がっているのにかかわらず州兵の出動を拒否し、同じ民主党系クオモ州知事と対立し、シアトルでも民主党系市長が、アンティファに占拠された市街地にあった警察署から警官全員を退去させる命令をだしました。
シアトル「自治区」に関しては明日にしました。あまりに長い(苦笑)。
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どちらになっても何か破茶滅茶なことは起きそうですが、ひとつ。
ニューヨークタイムズを中心に「トランプは2017年の所得税を払っていない!」と国民のルサンチマン煽りに必死で、NYTに従って日本のメディアも同調したままですが。
トランプ大統領は高額所得者・企業に課せられる代替最低税(AMT、高額所得者の控除・優遇を制限する税制)を支払い、タックス・クレジットという所得税を直接減らせる国の制度を使って節税、2017年の所得税額は差し引き750ドルであったと、NYTはまぁ小さめにちょろっと記事で触れています。
タックス・クレジットの中の具体的にどれを使ったのかNYTは書いていませんが、国の制度利用なので、記事には「フェアなようだ」のコメントが寄せられてもいます。
悪意の脱税者みたいな印象付けはよろしくないですね。
まぁ、2018年の通称トランプ減税の中でAMTは個人向けは削減、法人向けは撤廃しましたから、金持ちへの制限下げをセコいと批判するならもちろんそれは自由ですが、トランプ大統領が就任以来、大統領報酬を国立公園局などの連邦政府機関や新型コロナ対策に直接寄付してきたことにも触れてあげないと。
バイデン氏のリスクについてはスルーで、日米ともにメディアは自己都合に引っ張られ過ぎですね。
トランプ大統領がバイデン氏の顔を見る頻度に比べて、バイデン氏がトランプ大統領の顔を見る頻度が少なかったのが印象に残りましたが、「史上最低の」応酬は置いて政策話のメインを見ると、バイデン氏の「10年で3兆ドルの増税」「法人税増税」はキツいだろうし、トランプ大統領も1期目に続く減税プランの熱弁は無かったので、この点はどっちもどっち。
私アメリカ国民じゃないですから生暖かく見守りですが、対中共についてや、社会を極左側に傾けて警察無しのリアル「ロボコップ」化させることについてどう考えるのかとか、司会者やハンドラー無しのやり取りを聞いてみたいです。
投稿: 宜野湾より | 2020年10月 2日 (金) 12時26分
まさかのトランプ、コロナ陽性…
投稿: リム | 2020年10月 2日 (金) 19時15分
ホント、今かよ!と。。
投稿: 山形 | 2020年10月 2日 (金) 21時57分
トランプ親ビンが、新コロナ陽性ですわ。まあ私は、こうなるんじゃない
か?との想定もしてました。英国ボリス・ジョンソン首相は「新コロナの
罹病後の方が、カラダ調子いいぞい」と言ってるそうですが、米国にお
いて、親ビンの年齢の陽性者の発病率や重症率や死亡率はどうなん
でしょうか? 確率が高いとなれば、中共さん、ついに仕留めましたね。
もし万一(実際には十一?)のことがあれば、大統領選もブッ飛ぶような
事態になりそうな気もしますが、まったく判りませんわ。リメンバー・パ
ールハーバーのように沸き立つのか、似非リベラルさん達が中共から
のプレゼントとして政権を取って、何事も無かったように粛々と親ビン
の政策を反故にしてゆくのか、私はイヤですが後者の気がしています。
親ビンの座右の銘は「ヤラれたら、10倍にしてヤリ返せ」だそうですの
で、中華共産党帝国に飲み込まれそうな東海の蛮民の私としては、親
ビンの早々の新コロナ陰性を期待するしかありませんわ。なんやら学
術会議の任命がどうたらこうたらを見てると、残念ですが中共の敵とし
ての米国頼みなのが身に染みますわ。
投稿: アホンダラ1号 | 2020年10月 2日 (金) 22時18分
ペンス大統領代行の実務能力炸裂くるかψ(`∇´)ψ
投稿: 宜野湾より | 2020年10月 2日 (金) 22時47分
トランプ大統領の健康状態ってどうなんでしょうね。トップシークレットには違いないですが。
70代の致死率は8%程度だそうです。
https://gigazine.net/news/20200319-severe-outcomes-among-patients-coronavirus/
肥満と言うだけならICU入室または死亡リスクは通常の1.58倍でしかありません。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7283831/
白人は日本人と同じものを食べても血圧も血糖も上がりづらいので、あんな体型でも平気かもしれません。
まあ、亡くなったら弔い合戦の雰囲気が出るし、回復したら壮健ぶりをアピール出来るので、アリかなーと思います。
投稿: プー | 2020年10月 3日 (土) 00時31分