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2020年10月 9日 (金)

クアッドは日米豪印で中国包囲を強める

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日米豪印による外相会談が日本で開かれたのは、インド太平洋戦略(クアッド)の提唱者がわが国の安倍首相だったことに敬意を表してのことです。
これはフランス、ドイツなどが加盟するNATOと一対になった、世界的な集団安全保障体制です。
独仏もそれを判っていますから好意的で、今はまだ日和見をしているASEANの沿岸諸国も遠からず同調すると思われます。

ASEANは、かつてはさらに一体化してひとつの地域的政治ブロックに成長するかと思われていた時期もありましたが、今は中国の政治・経済圏に入って子分となった内陸国のカンボジアやミャンマーと、中国の傲慢さに対して戦おうとしているベトナムなどとは大きな温度差が生じています。
そのために総会をしても、中国という現実の脅威に対してなにひとつ具体的な文言を入れられない状態が続いています。
ASEANを学級委員会的に残しながらも、クアッド参加グループと、中国子分組に自然と別れていくことでしょう。

さて、クアッドは更に密度を濃くしていきます。
すでに2010年にオーストラリアとは自衛隊とオーストラリア軍が軍事物資や役務を融通しあう日豪物品役務相互提供協定(ACSA)を締結しています。
これは日本ではなぜかわずかな報道しかありませんでしたが、名称が「物品役務」なんて地味についているからなのでしょうか。
しかしこのACSAは、日本とオーストラリアが準軍事同盟関係に入ったことを宣言するものです。
ちなみに日本は米国はいうに及ばず、カナダ、インド、フランスともACSAを締結しています。

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ね、少しこのACSAの性格が見えてきませんか。英国・カナダはファイブアイズの国ですし、フランスも 旧民地をアジアには多くもっており、いまも一定の影響力をもっています。
これらの国々と「物品役務」で共同行動をとるということは、具体的に
ACSAは自衛隊とこれら6カ国との間で物品(食料、燃料、弾薬など)や役務(輸送・医療など)を相互に提供できるようになることです。
いままで、たとえばオーストラリア空軍が空自と共同訓練をしたい場合、いちいち国内に搬入する物品をイミグレにとおして検査させる必要がありました。
また入国する豪州軍人も同様に、いちいち一般人扱いで処理せねばならなかったのですが、このACSAで処理できることになりました。

米国とは1996年に日米ACSAを締結しており、当初は日米共同訓練だけがその対象でしたが、1999年には更にバージョンアップして後方支援や周辺事態、あるいは国際警察活動(人道的国際救援活動)までを対象とするまでになっています。
日米間では、武力攻撃事態、武力攻撃予想事態(ああややっこしい)に後方支援として弾薬を提供することができます。
「自衛隊を米軍に従って地球の裏側まで連れていく気だぁ」、なんて無意味なタガをはめたがるのが、日本の国会審議です。

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日豪、「準同盟国」明確に 部隊地位協定の早期妥結確認: 日本経済新聞

オーストラリアなどとのACSAは、日米のそれと比較すると周辺事態への対処、後方支援が脱落しており、さらに物品では弾薬・武器が対象となっていません。
ですから、現時点では日豪ACSAは、日豪共同訓練・PKO・人道的国際救援活動・大規模災害への対処と、緊急事態における自国民の避難に限定されています。

これはオーストラリアのせいではなく、集団安全保障を認めないという時代遅れの考えが日本,特に野党の中に根強く残っているからです。
単独安全保障だと、自分の国だけで戦争ができちゃいますが、集団安保だと他の加盟国の意志を聞かないとできないわけです。
NATOのように、仮にドイツが三度戦争をしようとすると他の加盟国全体から制裁を受けますが、逆にドイツへの侵略は全体で防衛することになります。
どちらが周辺国に脅威か、どちらが安全か、考えないでもわかりそうなもんです。

またこれらの国々と日本はGSOMIA(軍事情報包括保護協定)も締結しています。
これは韓国が駄々をこねた時にさんざん登場しましたが、米国が中心となって作られた軍事情報漏洩防止のための取り決めです。
情報の種類別によってアクセスできる人を限定したり、文書、写真、録画、電磁情報などの形態ごとに保管方法を共通ルール化したりします。
また、装備品の技術情報のほか、訓練情報、作戦情報などのあらゆる軍事情報が対象になりえますが、それは提供国の合意が必要です。

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http://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1574243299/ 

つまり、日本はクアッド4カ国と物品・役務・情報で共同化を進め、いわば准同盟国にまでなっています。
完全な軍事同盟までの道の8合目まで来たあたりで、個々の国で問題点を煮詰めてすり合わせていくのがこれからです。
それがなれば、クアッドは正真正銘の軍事同盟となり、アジア版NATOが成立します。

とまぁ、隔靴掻痒ですが、自衛隊を軍隊と呼べない国としてはよくやっているというべきではないでしょうか。

ではあと2合目はなにかといえば、米国がこれらの軍事的な側面だけではなく、経済分野においても中国と厳しく対峙していることからわかります。
米国は、国家の安全保障をいわゆるミリタリーに限定していません。
たとえば、中国への技術提供を阻止するための国防権限法(NDAA ) 、人権弾圧に加担することを許さない香港人権法、あるいはスパイ活動を許さない共産党員ビザ発給禁止措置などです。
関連記事 『米国の中国制裁は本気だ』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2020/07/post-a7c193.html

この米国の中国への技術漏洩対策と較べると、日本の政府や企業は呆れるほど鈍い、というか、ないに等しいのですが、これらの対中制裁に抵触すれば、いかに日本企業だろうと米国政府調達からはずされ、事実上市場アクセスが制限されます。
米国はおそらく同等の中国への対応を、クアッド諸国に求めているはずです。
そうでなければ表から見ればガッチリした軍事同盟に見えても、なかみの経済や情報、科学技術は中国にダダ漏れとなってまいますからね。
技術や情報が中国へだだ漏れの国と危なくって同盟は結べません。

ファイブアイズに英国の支持があったということですが、現況の日本は情報機関は統一されておらず各省庁がバラバラのままで、スパイ防止法すらないという信じがたいような状態のままです。
これではファイブアイズという、世界でもっとも進んだ情報同盟に入れるはずもないじゃないですか。

たぶん激しく尻を叩かれたであろう日本政府も、遅まきながら中国の「千人計画」への制限をかけ始めしました。
2020年6月26日、2020年度版「統合イノベーション戦略」の素案をまとめましたが、この素案では先端技術の海外流出を防止するための対策がいくつか盛り込まれています。

「素案は「各国の情報収集が活発化し、技術情報・技術人材の流出が既に発生している」と指摘。実効的な水際対策を講じるため、「関係府省庁の連携による出入国管理やビザ発給の在り方の検討」を盛り込んだ。大学や研究機関、企業での機微な技術情報へのアクセス管理を含む内部管理体制の強化を政府として後押しすることも明記した。
 また、国内の研究者が公的な研究資金の助成を申請する際の要件として、外国資金の受け入れ状況など情報開示を義務付け、虚偽申告などが判明した場合は「資金配分決定を取り消すなどの枠組みの具体策を検討」するとした。
 科学技術担当相は同日の記者会見で、「米国の大学で中国からの留学生らが技術流出に関わっているという話は聞いている。その実態を調べ、わが国の大学などでどういう対応をするか決めたい」と述べた」時事6月20日)

今まで無条件に受け入れてきた学生や研究者に対してのビザ発給に際して、経済安全保障上の観点から審査を厳重化するものです。
このため、国家安全保障局や外務省・法務省・経済産業省・防衛省などが疑わしい人物に対する情報を共有し、この情報をビザ発行業務を担当する在外公館でも活用できるシステムを構築する事業に2億2000万円の予算をつけました。
まだまだまったく手ぬるい限りですが、やっと少し問題点に気がつき、中国への技術流出を警戒し出したかどうかというレベルです。
それでも手放しで中国との技術交流を礼賛し、中国から多くの学生や研究者技術者を受け入れ、大学に中国の紐付き予算を貰ってもなんの危機感も感じなかった昨日よりは一歩前進です。
おなじように中国への頭脳流出にも規制をかけていただきたいものです。

このような中国の技術スパイ対策の一環として、たまたま改選期にあった学術会議に対して軽くジャブを打ったわけです。
え、学術会議は、本気で打つのは反則だなんて言っているって?
それは大人げなく騒ぐからですよ。
そうですか、ではこちらの自然科学系に差し替えますが、と柔軟に構えればいいものを、「学問の自由」まで持ち出して野党やメディアと騒げば和解は不可能となって、ではいっそ民営化したらいかが、という話になるというだけのことです。
雉も鳴かずば撃たれまいに。

 

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コメント

奥が深いというか全てが雑多で底知れない、というかハッキリ言えば魑魅魍魎だらけでわけの分かんないインドがどう動くかは大きなポイントですね。モディさんも内政で苦労しているようですし。
軍事に限れば基本的にインドはこれまで「非同盟」の自衛に撤してきました。装備体型も旧ソ連系やらフランス系やらの雑多な構成です。隣国パキスタン独立後の関係もあり長年そうしてきたのでしょうけど・・・
今や先に中国が軍事大国化して北部カシミールやヒマラヤ(弾は撃たずに投石や殴り合いって、おいおい)で圧迫を受け、お膝元のスリランカやモルジブといった所が中国一帯一路の「債務の罠」で属領化され、ネパールなんか毛派に乗っ取られ王政廃止ましたから・・・危機感はこれまでに無いほどに相当なものだと思います。
インドは本当に注目ですね。

南スーダン自衛隊派遣の時に、
後になってマスコミは「実はこんなに危なかった!」なんて検証ばかりしますけど、彼らの大好きな韓国軍が行ってた(ベトナムでもそうだったけど)ことはスルーなのよね。
そして、ゲリラにキャンプが包囲されそうになって自衛隊が弾丸を「貸した」のは、それだけ韓国軍が弾を消費していたわけでして。あれ、ちゃんと返して貰ったのか?

ちなみに、あの当時に周辺にいた部隊で5.56ミリNATO弾を持ってるのは陸自だけでした。
あと、そんな危ない所に陸自を派遣した時の政権って・・・

安倍政権の外交では世界に取り残されると主張されていた方はいまの状況をどう分析されるのでしょう?
どう見ても日本は中国包囲網のキーパーソンとしての立場を確立しています。
一方某半島国家は適当な理由を付けられてポンペオにドタキャンされるし、聞いてもいないのに「俺はクワッドには入らないぜ」と早々に自ら退路を断って孤立の道を歩んでいます。
さすが自称外交のエキスパート、素人には全く理解出来ません。

インドに関してはとりあえず「中国に組しない」という立場を明確にしてもらえればそれで充分かと思っています。
それよりも日本国内のスパイ同然の拗らせた親中派をどう抑え込んで行くかが課題になっていくでしょうね。
アカデミー分野以上に中国忖度が強いマスコミに対して今後どのような切り込みが計られるのか注目です。

日華議員懇談会の古谷圭司会長が8日、台北市の外交部庁舎でのリモート記者会見にて質問に答えて、「日本が台湾、米国と連携し、中国を封じ込むための安全保障プラットフォームの構築に着手している」と述べた
http://japan.cna.com.tw/news/apol/202010080008.aspx

「価値観を共有する国の参加を受け入れて段階的に地域の安全保障を広く論議する」
中国に対する日本の立場については、「市場としては重視するものの、同盟国とは見なしていない」

ガースー政権、目配りが利き、諸々なにかと動きが早いですね。
従前から練られてあったように感じます。

 なるほど、歴史は1996年には日米で初めてのACSA締結されて、2010年には豪とも同様になった時点でクワッドが芽吹いたという事ができましょうね。
その後にカナダ、仏、英国やインドが加わり、この集団安全保障のワク組みは「対中共」に資する最も強力なシステムとして機能しそうです。

私がもっとも注目する点は、クアッドのような集団安全保障体制を構築し、これの下に入る事で、現行憲法下でもっても理論上自衛隊による武力行使が他国並みに可能となる事です。
憲法の禁止する「国権の発動たる武力行使」ではなく、個別的自衛権とも警察力の行使とも違う、合法的な新しいパワーを有する事になるのです。
この事の対中抑止力は効果絶大でしょう。中共が正気なら、ですが。

今回の学術会議問題に端を発し、下村政調会長が任命問題とは別に学術会議の在り方を議論する場を設けるとしましたが、昨日は河野太郎行革大臣が問題意識を同じくして一致して進めていく方向性を打ち出しています。

学術会議改革は中共への技術漏洩を防ぐ一丁目一番地。
キジは泣いても泣かなくても打たれる運命にあったと思います。


学術会議側は千人計画への協力はデマだ、覚書を交わしても協力はほとんどしてない、と言い出しました。
彼等が今までとってきた論法によれば、疑惑はかけられた方が無実のエビデンスを出さねばならない訳で、ただ「そんな話知らない。デマだ」ではダブスタが過ぎますね。

とはいえ、発信源の甘利ブログの断定的な書きぶりの確固とした根拠を、研究者の名前や学校名団体名、また斡旋した企業などあれば社名等、私も知りたいものです。

山路さん。同感です。このクアッドによる集団安全保障体制の構築が、9条論争の長く不毛な議論の最終的解決だと私も思います。

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