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2020年11月11日 (水)

バイデンとトランプの国際協調の本質的違いとは

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バイデンは、「外交上手」で、国際協調主義だそうです。
だからクアッドを推進することを誓っているはずの菅氏とも相性がいいし、対中融和姿勢のEU諸国ともうまくいくということだそうです。
わきゃないだろうって。

たしかにトランプ政権の始まりは鮮烈に「アリメカ・ファースト」を打ち出し、日米同盟すら銭勘定の秤にかけると言っていましたから、同盟国はたまげました。
無知なのか、蛮勇なのか、はたまたただの素人なのかってね。
しかし結局、トランプは徐々に「大人になって」、日米同盟にイチャモンをつけたい場合でも駐留経費増額ていどのことに納まりつつありました。
まぁ世情、安倍さんという猛獣使いに飼い馴らされたからだそうです。

それ以上にトランプはいわば野生の勘みたいなものがあって、中国の危険性をいち早く理解し、脅威のプライオリティ(優先順位)をレッドアラートに入れました。
最後まで中国を脅威と認識していなかったオバマとはえらい違いです。

そして誰よりも、安倍氏が提唱した「開かれた自由な太平洋・インド洋」構想を理解しました。
理解すれはトランプは早い。
たちまち日米同盟を基盤としたオーストラリア・インドまでウィングを拡げた4カ国の同盟関係が作られて行きました。
トランプはその意味で、国際協調主義者でした。

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バイデン氏勝利:米大統領選を振り返る - WSJ

いや違うという意見もあります。国際政治学者の六辻彰二氏はこのように述べています。
中国に対抗できるのはトランプだけ」の勘違い――バイデンの戦略とは ...

六辻氏は、「トランプ外交には派手さと剛腕ぶりがあったが、そうであるがゆえに穴も大きかった」としたうえで、米国が突出して中国と対決したことによって、「結果的に中国の行動範囲を広げることになった」としています。
ですから、むしろバイデンは「こうした穴を埋める形で、国際的な中国包囲網を形成していくとみられる」そうです。

「トランプ外交の最大の特徴は、第二次世界大戦後のアメリカの基本方針「超大国であること」を放棄したことにある。自由貿易をはじめアメリカ自身が生み出したルールや秩序をトランプが拒絶したことは、「超大国としての立場も降りる」と宣言したに等しい
しかし、相手を選ばず、一方的な要求を繰り返したことは、結果的に(中国ではなく)アメリカを孤立しがちにした。
これと逆に中国は、むしろ活動範囲を広げてきた。トランプがコロナ対策への不満から世界保健機関(WHO)脱退を宣言し、アメリカの利益が反映されていないと世界貿易機関(WTO)からの脱退をも示唆したことは、これらにおける中国の影響力を増す効果しかなかったといえる」
(六辻前掲 太字原文)

六辻氏が言う、トランプが性急に国際機関から脱退をしたことについての批判はそのとおりです。
まったくトランプのイラチにはがっかりさせられました。
腹が煮えくり返ろうとあそこは我慢すべきで、それをやめてしまえば中国に不戦勝を与えるだけのことなのに、どうしてこんな簡単なことに気がつかないのか、かえってそのほうが不思議なくらいです。
第2WHOにしても現時点では空論で、それをするだけの力は今の米国にはありません。それをさっさと捨て台詞を残してやめてしまう。
子供ですか、あんたは、と当時私も思ったもんです。

結局、アジア・アフリカの大部分を一帯一路で押えてしまった中国が、塵も積もれば山となるよろしく大多数を集めて、事務局長の座を握ることになりました。
中国は今や国連の多くの枢要な機関を独占し、支配を拡げています。
※関連記事
『国連が世界の市民監視機関となる日』http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2020/10/post-1d70dc.html
『国連を支配し尽くした中国』http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2020/10/post-6b4cfd.html

あげく
香港国安法という人権圧殺法に対しての中国非難決議は、あろうことか国連人権理事会において中国称賛案として可決されてしまいました。

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非難決議賛成国が青、反対国が赤です。赤の国々がいかに多いいか、トランプは噛みしめるべきでした。
これが世界の現実である以上、脱退を安易に繰り返すトランプの手法は、かえって中国にとって有利に働いたというのも一面の事実です。

では一方、バイデンが六辻氏が言うように、「トランプの穴を埋めて、いっそう強力な対中包囲網を作る」かといえば、そうはならないでしょう。
なぜならバイデンの国際協調主義はトランプのそれとは真逆だからです。
トランプの国際協調主義は、何と戦うのか鮮明にしたうえで行動を行います。
自由主義と民主主義の敵、法と秩序に対しての敵、これらに対して国際協調体制を作ろうとしました。
トランプが「アメリカファースト」という意味は、米国の自由と民主主義を守ることを通して、自由主義陣営共通の価値を守ろうという意味で、単純な自国さえよければいいという意味ではないのです。
初期の選挙戦ではその色彩が濃厚でしたが、徐々にもっと広い視野を持つようになってきています。

六辻氏は、中国との自由主義貿易に規制をかけたことで世界の盟主を辞めたことだと批判しますが、私はそうは思いません。
中国がいかに自由主義貿易を隠れ蓑にして、先進国各国からの技術を盗んだかを六辻氏はあえて視野からはずしています。
ですから中国の技術の盗用を止めさせるためには、厳しい法的規制が必要なことを見逃しています。

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バイデンの疑惑」を米国の大手メディアが追求しない理由 | Forbes ...

方やバイデンがいう国際協調は、目的そのものが欠落しています。
肝心要のなんのために米国が国際的なつながりを作っていくのか、という点が不明なのです。
別の言い方をすれば、宥和主義です。

当時中国特派員だった中国ウォッチャーの矢板氏はこのような光景を眼前で目撃したそうです。

「2013年12月、バイデン米副大統領(当時)が中国を訪問したとき、北京特派員として取材したことをいまでも鮮明に覚えている。同年春に国家主席に就任したばかりの習近平氏と約5時間も話し合った後、笑顔で臨んだ記者会見では「協力」「対話」といった言葉を繰り返し、具体的な中身がなかったことが印象的だった。
当時、日本メディアの大きな関心事は2つあった。1つはその約2週間前、中国が突然発表した東シナ海への防空識別圏(ADIZ)設定に対する米国の対応だ。ADIZは尖閣諸島(沖縄県石垣市)の上空を含んでおり、日本への挑発行為であることは明らかだった。当時の安倍晋三政権はすぐに中国に抗議し、ADIZの撤回を求めた。
バイデン氏は中国訪問に先立ち、東京で安倍氏と会談し、ADIZについて中国に対する共闘を求められた。しかし、習氏との会談でバイデン氏は懸念の表明にとどめ、撤回までは求めなかった。その後の記者会見ではADIZについて言及すらしなかった 」(産経2020年11月10日)

この段階なら、まだ中国の南シナ海侵略は止められたのです。
それを領土化した今では、実力行使しかやりようがないではありませんか。
オバマやバイデンが好んで口にする「対話」とは、ただ侵略国に既成事実化の時間を与えることにすぎないのです。

また、当時不当に拘束されていた米国人についても、5時間もしゃべってひとことの言及もなかったそうです。
自国民保護についてもこのザマです。
ましてや友邦の拉致被害者や香港市民のためにひと肌脱ごうなんて気持ちは、この男にはさらさらないはずです。
これが上院外交委員会の委員長をつとめ、自ら「外交通」を自認する人物の考える「外交」です。

ある国が、国際海洋条約を守らずに南シナ海を支配しようと、東シナ海にも五星紅旗をたてようと目論んでいようと、インド領を浸食しようとしようと、中国大陸唯一の自由の灯火だった香港を暴力でねじ伏せようと、はたまたウィグル民族を強制収容所に送り込もう、いいじゃないか人類皆兄弟、しっかり協調し「対話」していきましょうね、というのが宥和主義です。

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AFP

そりゃいちおう自由主義陣営の指導者としては、口ではぶつぶつ言いますが、優柔不断、薄志弱行。
言うだけでなにもしない。だってバイデンにすれば、中国だって国際社会の重要なパートナーですからね。
もめないことが一番だと思っていますから、実効性のある関税や輸出規制管理のような「刃物」は持ち出しません。
あくまでも紳士的に、国連学級委員会で非難するていどで済ませようとします。

現実には、トランプによって輸出規制緩和されたハインテク部品はまた元通り中国へと流入し、5Gで排除されかかったファーウェイも息を吹き返します。
正直言って、対中制裁によって困っていた米国財界や日本の経団連のお歴々は、バイデンが勝利したと聞いて祝杯を上げたことでしょう。

彼ら巨大企業の多くは、とっくに米国に本籍があるだけの多国籍企業となっていますから、トランプに価値観外交をやられれば中国市場から撤退せざるをえなくなって、大損をこくからです。
今回、バイデンを勝たせた勢力は、米国左翼リベラルだけではなく、むしろこの米国財界・金融界といった既得権益者たちだったのです。

だから、ハンターバイデンのテンコ盛りの疑惑の山も、彼らは見えないふりをしました。
その結果、バイデンは巨大な地雷を懐に呑んだまま政権運営をせねばならなくなりました。
だって、バイデンほど、中国に弱みを握られた政権はありませんからね。

福島香織氏はこう書いています。

「共産党政権サイドは、バイデン陣営の少なくとも1500人の政治家、官僚、支持者らの個人情報(档案)を握っているといわれています。その中にはグウィネス・パルトロウやコールドクラブのクリス・マーティンのような芸能人や元FBI長官のルイス・フリーのような人物も含まれているとか。
そして、その個人情報には、社会保障番号がやクレジットカード、銀行口座のアカウント、人間関係や嗜好、志向(不倫だとか、薬物だとか、売春記録だとか、同性愛者かどうか、とかも?)などが档案として整理されている、らしい?
バイデン自身のスキャンダルに関しては、すでに失脚、逮捕ずみの企業家、葉簡明(華信能源の創始者)との利益供与、癒着がすでに報じられていると思いますが、これはかつてリベラル大手紙NYTなども報じていますし、葉簡明自身が汚職(?)で捕まり、華信能源は破産させられてますから、概要としては事実であろうとおもわれます」
(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)NO.201  2020年11月3日)

その他、福島氏によれば裏がとれないバイデンファミリーと中国との癒着の数々があるようですが、今日はひとまずここまでとします。



 

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コメント

よくネット記事に出てきますけど、私も六辻氏の論評には懐疑的です。
切り口は鋭いんですけど、読んでいくと内容がグダグダで、最後は「なんでそんな結論になるんだ?」というのが毎度のパターンです。
なんか全く別の意味ですけど結論ありきで書いてて中身がグダグダな赤旗や週間金曜日みたいだなあ、と。
そんな単純なもんじゃないだろうと思います。
バイデンが大統領に就任したらどうなるのかマスコミはワイワイやってますけど、正直全く読めませんね。
だって民主党内ですら纏まってないんですから。かなりエキセントリックなバーニー・サンダースやそのシンパがいますし。。。

 六辻氏の記事を二度じっくり読んでも、バイデンがトランプ以上にどういうふうに中国に対抗しうるのか、さっぱり見えて来ません。説得力ゼロです。アフリカ諸国の意見を「途上国援助によって、西側支持を取り戻す」との事ですが、その具体例はまず「マスク外交」とか。

エチオピアへのダム建設援助中止のように、トランプが強権的だった事は事実ですが、中国と天秤にかける後進国の狡猾さに対応した意味を完璧にスルーしています。総じて既に経験済みの失敗例であるリベラル式の関与政策を復帰させるだけの話であり、またぞろ米国民の税金がドブに捨てられ続けるだけのもの。

ルール無視の盗人国家にどう対応するか? という視点が全欠落しているのも、本ブログ記事で指摘するとおりです。
そもそも六辻氏の記事から見るバイデンの対応策というのは、後進国に対する宥和ないし融和策であって、中共への「対抗策」とは言えません。

それと、今日の記事で最も重要な指摘は、「バイデンを勝たせた勢力は、米国左翼リベラルだけではなく、むしろこの米国財界・金融界といった既得権益者たちだった」という見解です。
主要メディアやGAFAは言うに及ばず、FOXのマードックまでが最終的に反トランプ陣営に鞍替えしたのも、この理由によるものです。

中共のイカサマに対抗するには、「政治と経済の分離」とか、「自由主義的価値観同盟と経済は別」というレベルの話では周回おくれです。
戦争嫌いなトランプ氏が経済分離で対抗して行こうとした事は無理がなく、理想論で行き詰ったリベラルが戦争を欲しやしないかの方がむしろ心配です。

日本やEUに対して撤退をちらつかせて防衛費を負担させるトランプのやり方は最悪でしょう。ビジネスの交渉ならともかく、外交でのやり方としては良くない。
日本のネット世論では対中だけ見てトランプ外交を評価する人はとても多いが中東からの撤退を進めたりとトランプがやったことは大英帝国の「名誉ある孤立」と同じです。  

 哲也さん
 
 最悪なのは「撤退をちらつかせて防衛費を負担させるトランプのやり方」ではなく、いつまで経ても国際約束の防衛費2%基準を履行しないEU諸国の方でしょう。EUはロシアの脅威を言いながら、その盟主であるドイツは、独露間でのノルドストリームなるパイプライン敷設に合意しています。
バイデンの「同盟国重視」が米国軍事力の浪費容認でなければ、どういったものになるのか? バイデンは防衛費削減に取り組むとの報道もあり、ますますわかりませんね。

また、トランプの中東外交はイスラエルとUAEやバーレーンとの国交を開くなど、画期的な成果を上げています。カタールも時間の問題でした。
イスラエルを敵視する民主党や、パレスチナに肩入れして長年事態を硬直化させ続けてきた欧州よりも、トランプの方がよほど立派な事は言うまでもありません。

バイデン氏が重視するグリーンディールを大義名分に中国へのすり寄りを再開する危険性は十分に考えられます。
世界2位の温室効果ガスを排出する国と協力しなくては環境問題は解決する事はないとか理由はいくらでも付けられます。
バイデン推進派の方々が主張する「この数年の中国の態度で民主党の親中派も考えを改めたのではないか?」という可能性も0ではありませんがもうすぐ78歳になる爺さんが数年足らずで根底から考え方を変える事なんでできるんでしょうかね?
リベートで突っ込まれた時は都合よくコロコロ意見を変えていたようなので、この人の発言の信憑性もトランプ氏と大差無いという印象しか待てていません。

哲也さんへ
トランプ政権は今年に入ってからイスラエルとのUAEとの和平を仲介役を務めていたりとアフターケアはしています。
軍事費削減によって中東での影響力を弱めて混乱を招く切掛けを作っただけのオバマ前大統領とは雲泥の差です。
日本に対する増額要求もボルトンの暴露本でそう記されて一時話題になっていましたが、日本政府がこれを完全に否定している以上なんの根拠もありません。
トランプ氏の条件反射的で乱暴な発言に関してはいかがなものかと思う所があるのは同意しますが、政権全体の総合力で外交面でもそれなりの「結果」を出しているのも事実です。

 バイデン氏が「21世紀のチェンバレン」になるのは間違いないですね。トランプ政権が一世一代で作り上げた脱中国政策も制裁緩和もしくは全廃で元の木阿弥です。日米メディアは「ただトランプ以前に戻るだけだ」と主張するでしょうが中国の世界戦略に「後戻り」はありません。最終的に米中冷戦は中国の勝利という形で終わるでしょう。

 今から考えれると中国はこうなる事を予測して行動していたのではないかと思います。やはり彼らは100年の計を描く戦略国家です。

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