産経ワシントン特派員の「角度のついた」報道とドミニオン問題の巨大さ
バイデンが新国務長官にフリンケンを指名したようです。スーザン・ライスではなくて、正直ほっとしました。
これで一定期間は対中政策は継続されることでしょう。
さて昨日のコメントを読んでいると、この選挙疑惑をいとも簡単に「陰謀論」として切り捨てるコメントが複数ありました。
う~ん、そうなんでしょうか。
トランプ陣営の反論は一切合切まとめて陰謀論だ、なんの根拠もない妄想だ、という記事はCNNから大量に発信され、それを受けて日本のメディアは産経までふくめてインボーだ、インボーだぁ、と書きまくっています。
CNNや朝日がいうならまだしも、産経までもが口調を揃えるとなるとややげんなりします。
古森御大がコロナでワシントンに帰任できないことを幸いに、黒瀬・平田両特派員はいつのまにかCNNを丸写しにすることが米国特派員の仕事と思い始めたようです。
小見出しからしてスゴイですよ。『「ウソの弾幕」 完全否定されるトランプ氏の「不正」主張』とは穏やかではありません。
まるでトランプがウソをつきまくっているような印象です。
なんせ「完全否定された」というんですから、逆にその根拠をお聞きしたいくらいです。
よく朝日は小見出しだけが煽情的で、中を読むとそのへんにころがっている一皿いくらの情報ということがよくありますが、とうとう産経も朝日に似てきたようです。くわばら、くわばら。
読者の半分は小見出しだけをザッと見て、興味を惹かれたものだけをピックアップしますから、小見出しで「ウソの弾幕、完全否定」と印象誘導されるとそれに従った読み方になってしまいます。
これを書いた産経ワシントン特派員はこの古典的印象操作の手法を使ったようです。
ところが中身を読むと、「ウソの弾幕」とまで書く平田特派員記事が書いたのはリードの部分だけで、本体はCNNとNBCの丸写しにすぎません。
私がデスクだったら、バカヤロー、自分で取材して書け、地方支局からやり直し、と一発怒鳴るところです。
「16日には米CNNテレビ(電子版)が、トランプ氏が先にツイートした9項目にわたる不正の訴えを「ウソの弾幕」と断じた」(産経11月20日)
https://special.sankei.com/a/international/article/20201120/0002.html
そして平田特派員は、米国メディィアがこう書いた、こう放送した、ドミニオンがこう反論したと書いているだけで、この特派員は事務所で米国メディアにどっぷり浸ることが特派員の仕事だと勘違いしているようです。
そんなことなら、わざわざワシントンにまで行かなくても、東京でもできます。
いや、東京どころか片田舎に住む私のようなブロッガーでもできちゃいますぜ。
平田特派員は、CNNがこう書いた、NBCがこう言ったから「ウソの弾幕だ」なんて書くくらいなら、少しは直接にドミニオンやペンシルベニア州務長官を取材すればよさそうなものを。
ペンシルベニア州は州知事も共和党、したがって彼が指名する州務長官も共和党です。
「共和党員で、トランプ氏を「誇り高く支持している」という同州のブラッド・ラッフェンスパーガー州務長官は20日、記者団に対して、「自分の政党が負けたのは残念」だが、「数字はうそをつかない」と述べた」(BBC11月21日)
https://www.bbc.com/japanese/55025954
この情報に価値があるとすれば、トランプ陣営の集計偽造だという訴えを、他ならぬ「トランプを支持する」と言っている共和党系州知事や州務長官が否定したことです。
共和党系州知事や議員に圧力をかけようとするトランプの作戦も、見事に空振りに終わったことも重ね合わせてよいでしょう。
これを見て、CNNに加担して反トランプの弾幕を張ることか記者として正しいのか、あるいは共和党内部になにか起きているのかもしれないとアンテナを立てて取材をすることのどちらが特派員の仕事なのか、少しは考えてみることです。
こういう記者の足を使った取材をせずに、はじめから結論がありきの「角度のついた記事」ばかり書いたあげく自爆してしまった築地の新聞社のようになりますよ。
ちなみに産経は他社を出し抜いて「パウエル解任」とスクープしていますが、各所から眉唾だとする声が集まっています。
真相は、パウエルがツイッターアカウントを1週間停止されてしまったためによくわかりません。
いずれにしても産経のワシントン記事は、古森氏が帰任するまで、CNNと同じで3掛けで読みましょう。
ところで、私がこのドミニオン疑惑を重く見ているのは、トランプがらみだけではありません。
今回これほど大きな混乱になったのは、米国の選挙システムがデジタル化したためです。
これが古くからある手作業によって選挙管理者の監視の下で一枚一枚確認しながら集計していくならば、このような大きな規模での不正選挙の訴えはなかったはずです。
衆院選開票風景
私はかねてから選挙はアナログが一番、デジタル化は10年早いと思ってきました。
この方法は一見遅いようにおもわれますが、手慣れた集計作業者がやれば機械集計と変わらないばかりか、なんといっても選挙結果を操ることは不可能です。
上の写真のように選管が選んだ作業者によって、少人数が一組になって行う日本式開票方式だと、集計操作はおろか集計ミスすらミニマムなのです。
一方、米国の集計の基本は機械集計であって、作業者が公務員が多い日本と違ってボランティアですから、操作方法のミスが多かったという報道もあります。
また投票所によって党派色があるようで、共和党系の監視人が入場を阻止されたり、窓に紙を張られた投票所もあったようです。
集計装置も実によく故障し、そのつど直し直ししてやるわけですから、結果に反映する可能性もないとはいえません。
いずれにしても、トランプ陣営の再集計の訴えに従って「手作業でやった」と州政府が言っても、それはこのような集計マシーンでしているわけです。
その上に、今回はこの機械集計を更に超えるドミニオン集計システムが全米半分の州で加わりました。
「選挙で使われる投票機の大部分を供給するドミニオンのような民間企業は少ない。ドミニオンの広報担当者によると、同社は2018年、ニューヨークのステープル・ストリート・キャピタルに買収された。手掛ける製品には投票機のほか、スキャナーや選挙管理ソフトウエアなどがある。
ドミニオンの投票機は今年6月、ジョージア州の予備選で導入されたが、波乱のデビューとなった。ジョージア州務長官室によると、多くの集計作業員が新たな機械の操作方法を知らなかったうえ、新型コロナウイルスを恐れて欠席した作業員もいた」(WSJ前掲)
ドミニオンは全米28州で採用されましたが、これほどハッキングに膳弱なシステムはないでしょう。
もちろんブロックしていると言うでしょうが、そもそも入れるソフト自体を恣意的に操作すればいいだけのことです。
アナログの手作業集計と違って、極めて簡単に証拠も残さずに選挙犯罪を遂行するかことが可能となります。
このドミニオンの資本関係は複雑です。
ドミニオン社自身は否定していますが、同社の株の保有者は3人のベネズエラ人が設立したスマートマティック社です。
大規模に不正選挙が行われたことで名高いチャベスの大統領選挙において、ドミニオン集計システムが使われました。
ドミニオン集計システムが完成したのが2003年、その翌年04年にはベネズエラのチャベスの大統領選がありました。
チャベスは毛沢東主義者と自称し、中国との繋がりを隠そうともしなかった反米主義者でした。
そのチャベスはありとあらゆる不正をやって勝利をしたのですが、スマートマティックはベネズエラ国家選挙委員会からVVPATと称される新たな選挙システムを受注しています。
このVVPATがドミニオンの原型です。
つまりドミニオンは、ベネズエラが最初の導入国だっただけではなく、むしろベネズエラ大統領選のためにあつらえた集票マシーンだったことを示唆しています。
そして2012年10月の大統領選挙の投票率は、実に80.94%。もはや失笑するような投票率です。
このようなバカげた投票率は、強制されて投票をする社会主義国か独裁国家でなければありえません。
接戦を報じられていた対立候補のラドンスキーとは大差をつけ、55%の得票がチャベスに流れたそうです。
いや流れたと「表示された」のです。
スターリンが言ったとされる「選挙は誰に投票するのではなく、誰が集計するのかで決まる」という言葉どおりです。
ちなみにこのドミニオン・システムを米国に導入したのは民主党元大統領だったジミーカーターでした。
2005年には、カーターの財団であるカーター・センターが安全性に保障を与え、12年には、カーター自身がベネズエラの選挙制度が世界で最も優れていると絶賛しています。カーターさん、冗談はほどほどに。
そして同年には早くもオバマが選ばれた大統領選には導入を果たしています。
スマートマティックやドミニオンに民主党の有力人士がひしめいているのは、果たしてただの偶然でしょうか。
まぁこのようにドミニオン・システムは米国民主党によって米国に導入され、率先して州レベルに拡大されたということだけは頭に置いておきましょう。
今回、この集計システムと選挙結果の因果関係は解明されていませんが、このような選挙集計のデジタル化にきわめて危険な落とし穴があることは間違いありません。
IT好きの菅さん、選挙制度のIT化だけはやめてくださいね。
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コメント
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オバマ旋風を起こした時のオバマの得票数が6950万票、現在のバイデンの得票数は7980万票を越えてなお増殖中。こんな状況でありながらマスコミ含め誰もバイデン旋風とさわがず得票数に触れない
こんな状況で不正なんて何もない、選挙報道に偏向もないなんて言われても‥と言った感じです
投稿: 普段はrom専 | 2020年11月24日 (火) 07時33分
そう言われたからそう書いた、記者が書く必要がないですな。AIにでも任せれるレベル。
過去にCNNがドミニオンはハッキングが簡単に可能と報じていて、今回はないと報じているのがまたなんともいえない気持ちになります。
どうやらパウエル氏のツイッターアカウントは復活したようです。
投稿: 銀 | 2020年11月24日 (火) 08時14分
2016大統領選でヒラリー・クリントン氏は、接戦州での表の数え直しを主張し、外国による不正侵入の懸念がある中で、証拠は無いが不規則なことがあった疑いにより、システムの信頼性を検査することが強く求められる、としました。
https://www.theguardian.com/us-news/2016/nov/23/hillary-clinton-election-vote-recount-michigan-pennsylvania-wisconsin
当時のガーディアンによればこの時、クリントン陣営内の人々だけでなく多くの学識者や運動家が、外国からのシステム侵入による投票結果の書き換えを想定して全ての票を数え直すよう、関係機関に要求しました。
学者たちが司法省に公開書簡を送ったり、トランプ氏側近とモスクワの関係を選挙戦期間中に調査していた民主党全国委員会の前コンサルタントは、「トランプ氏になるのかもしれないが、アメリカの民主主義が脅かされていないことを確実にすることが必要だ」と述べた、とあります。
なので、今回のトランプ大統領側にもやらせてやりなされ、というか、2016年にアメリカの民主主義のために不正の疑いを調べろといっていた人たちは今何処、というか、2016年の時に投票システムの問題点洗い出し不可避のムーブメントにならなかったのは何故…
投稿: 宜野湾より | 2020年11月24日 (火) 13時11分
「証拠が~」の皆さんは 「トランプが負けたのは証拠がないから」と勘違いしますが、そうではなくて、手続法を順守すれば道をあけざるを得ないからにすぎません。
最初から、一夜にして激戦州がすべてバイデン有利になっていた朝を思い出しましょう。夜トランプが70万票獲得して、翌朝にはバイデンが67万票のリードとか。郵便投票250万票のうち、バイデンが80%獲得してトランプが15%だった、とか。
こうした事は統計学上あり得ないことです。
ですが、たとえば日本でも統計学上の理論に基ずいてマスコミが出す「当確」がはずれる事もありました。
しかしながら、激戦州5州がそろいもそろっての事ですから、これはもう「ありえない奇跡」というしかありません。
こうした「奇跡」に対して、主流マスコミは本来の役割たる「調査して説明する」職責を果たす事なく、トランプ側が出した仮説に対して「証拠がない」と言っただけです。
つまり、「問題」は放置されたままだという事。
MITのシヴァ博士GRPによる、「党派性と大統領への投票行動」の分析研究も無視できません。
博士は投票行動の偏りは自然状態では説明がつかず、最も合理的な説明は「6500票のトランプ票がバイデン側に移された」、という結論に達しています。
「証拠がない~」は、提示した仮説に弁論上の対抗になり得ますが、それ限りの主張です。大事なのは論理上も科学的にも現出するはずがない現象が、なぜ、どのようにして起きたか?が探求される事です。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2020年11月24日 (火) 17時24分
私の若い頃はホントに、「欧米で流行ってるんだぜ、オイ!」と言われれ
ば、「左様でございまするか、ははーー」と低頭するしかありませんでした
わ。まあ、そんな世代が、現在の日本のアチラコチラにいてドヤ顔をして
いるのだと思います。確かに、昔は今よりもずっと欧米崇拝の気風があ
って、それをそのまま当然のこととして育ってしまった世代です。
よく、一本足らない朝口新聞が、そのお仲間であるやはり一本足りない
NVT新聞社に米国現地で一足早く記事を発表させて、「オイ!あのNVT
の記事を見たか?米国でも大々的に日本のことが報道されているんだ
ぞ、そら!これがその記事だ、目ン玉ヒン剥いてよく読めよ」と、己の角
度をつけた記事を、舶来として箔をつけて逆輸入しているアレもそうです
わ。
ただ悲しいのは、もうミドル以下の若い世代はウエブの世界でリアルに
接して育って来ているので、ジジイの欧米信仰など糞ほどにも思われて
いなくて、全然効果が無いばかりか、「何言ってんだよ、捏造常習の馬
鹿ジジイめが、テメエらセコイんだよ、どうせ現地のオールドメディアの
受け売りだろうが!」とバレバレで、もう記事にしないとエライ人に怒ら
れる、高給だけど無能丸出しのサラリーマン記者の哀れみしか感じら
れません。
でもでもとにかくバイデンさんが勝った?ので、似非リベラルさん達は
世界じゅうで勢いづいているみたいですわ。彼らの根本には、おなじみ
の「オレ達は正義でイイ人なんだ、オレ達みたいな人ばかりならこの世
界はレノンの『イマジン』の通りになる、そうならないのは極悪人どもが
まだまだ跋扈してるからだ、奴らを吊るせ、正義は捏造をしたって方便
として許されるのだ、さあ、米国大統領選に続け!!!」というのがある
んで、これからも似非リベラルさん達の大活躍が見られそうです、ホン
ト、ちったぁ手加減してもらいたいですわ。
投稿: アホンダラ1号 | 2020年11月24日 (火) 22時50分
本来の民主主義のあるべき姿を思い描き、それに向かって突っ走るだけでは足元をすくわれやられてしまう世知辛い世の中になっていますが、あだち充の青春野球マンガ『ナイン』で、主人公の新見克也選手の「たとえアウトでも・・・全力で走るのが高校野球なんだ・・・」というセリフと、そのあとに続く「冗談じゃないぜ!アウトになってたまるか!」というセリフを思い出します。
民主共和の区別なく、公正な選挙集計をもって、大統領選の決着を望んでいるアメリカ国民のために、次の大統領選までに不透明なドミニオンによる集計と郵便投票の見直しを次期政権が約束するならば、喜んで大統領の座を明け渡そうといった敗北宣言をしてでも、公正な選挙制度を再構築する方向性が示されなければ、これが民主主義か!ちゃんちゃらおかしい!という民主主義以前の世の中に強制的に振り子が戻されるように思います。
法治国家で、定められた現行法に沿って選出される勝者の方が、下院議員投票により選出される勝者より正当性があるというのは尤もな意見ですが、それ以上に無理が通れば道理が引っ込むのかという敗北感というか残念な思いがぬぐえません。
時間切れでウルトラCはないとのことですが、マスコミを味方につけて既得権益を守る勢力と金によって世論が左右されるのを今回目の当たりにし、違和感を感じる人々が4年後に向かってどう動くのか、本来のあるべき姿を示して環境負荷減らしていくのか、環境負荷を減らしていく口実で稼ぐ主導権を握る競争を加速させていくのかにも増して注視していきたいものです。
既得権益を持つもの同士、暫くは呉越同舟で、いずれウィナーオールテイクにならないことを願ってやみません。
投稿: 梅匂人心 | 2020年11月24日 (火) 23時58分
陰謀論=相手を黙らせたい便利なレッテル貼りの言葉。自身の価値観にそぐわない意見に対して使われることが多い印象
新聞=天気予報と広告と料理レシピ以外は輿論操作の道具、また陰謀論だの言われそうですがシオンの議定書というのに新聞の役割、みたいな内容が書いてあります。とてもえげつないです。
投稿: うどん | 2020年11月25日 (水) 05時44分
私はアメリカ大統領選挙で大々的な不正があったと認識しています。ただし全容が明らかになるにはそれなりの年月が必要でしょう。
12月には選挙人の投票を終わらせなければなりません。この「選挙人」という古臭い制度、ガバガバな選挙管理体制、無警戒に導入された最新の選挙機器。不正が起こらない方が不思議です。
最後にブナガヤさんも一言添えていらっしゃいますが日本での選挙のIT化には私も断固反対です。さらに言えば「手書き」での記名投票も維持するべきです。これが一番不正票の入りにくい方法です。
投稿: HY | 2020年11月25日 (水) 10時02分