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2020年11月27日 (金)

「肉屋に飼われた豚」はどちらでしょうか

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クリスマスまであと一月となりましたが、こんな表現が米国にはあるそうです。
"like turkeys voting for Christmas"、直訳すれば「クリスマスに投票する七面鳥」で、むしろ日本では「肉屋に投票する豚」と意訳されています。

あるサイトの説明によれば、「反知性主義・無知礼賛」な右翼の「豚」たちが、やがて政府が自分らを絞め殺すのを知らず、わけもわからずに支持している、としています。
日米共に、2009年頃からいわゆる「ネトウヨ」に対しての侮蔑的なレッテリングとして使われています。
私にははいはいご勝手に、という感想しか浮かびません。

私からみれば、個別具体のテーマで是々非々を論じない限り、そのようなレッテルは無意味です。
たとえば沖縄に限っても、知性豊かなリベラル諸氏がよく口にするオスプレイ反対、移転反対、米軍基地撤去などの主張が知性的だとはとても思えないだけのことです。

そもそも、現代はにおいて知識の独占は崩れ去ろうとしています。
かつてのように大学人だけが、資料にアクセスでき、学界に報告することで足りた時代はとうに去ったのです
米軍や国防総省の1次データーまでネットから入手できる時代あっては、専門と非専門の敷居は極めて低くなっています。
そのことに気がつかないのは、いまでも学者と名がつけばエライと思っている「赤い巨塔」の住民くらいなものです。

それはともかくとして、この表現は反知性主義という言葉を安易に振り回すことからも想像がつくように自らを知的選民と疑わない人らが、知的、あるいは経済的な弱者だと決め込んだ人たちを見下した表現です。
リベラル左翼に往々にありがちな鼻持ちならないエリート主義で、川勝知事や学術会議の諸センセイ方にも通じる特有の体臭です。
難しいことは学者センセに任せておけ、素人は煎餅でも齧りながらテレビのワイドショーでも見てろやということで、衆愚主義にたやすく転落していきます。

さてこの2回の大統領選では、この「肉屋を支持する豚」という表現がよく使われたようです。
「豚」と言われたのはトランプ支持の白人労働者で、言ったのは米国民主党の面々です。
民主党からすれば、社会保障制度やオバマケアを逆行させようとするトランプを支持するなんて自分で自分の生活を苦しくさせるようなもの、なんたる愚か者たちだ、ということのようです。
この見方は、リベラル左翼共通の富の再分配政策という立場からすれば、トランプなんて労働者の血を搾り取る悪魔だということなのでしょう。

今回もそう思ったのか、民主党では共和党上院が認めそうな民主党保守派から国務長官・国防長官を出したことに強い反発がでています。

「クライバーンは11月24日、出演したCNNの番組で次のように語った。
「(サンダース議員を)政権に迎えてほしいと願っている」「バーニーは特定の物事について、人々に理解させるすべを身に付けている」
クライバーンは「次期大統領」に対して大きな影響力を持つ人物。今回の大統領選に向けた民主党の予備選では、同議員の支持表明がバイデンの候補指名の獲得につながったと指摘されている。
一方、サンダース自身もCNNに対して次のように述べ、要請があれば労働長官として、バイデン政権の一員に加わりたい考えを表明している
「勤労者世帯のために立ち上がり、闘うことを許される立場を与えられるのであれば、そうするかと?」「ええ、そうしますよ」」(フォーブス11月26日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ee93c684e1703730005b75f3629318ba21fddd2

 Sensanderssocialsecurity

CNN.co.jp : バーニー・サンダース上院議員、大統領選への出馬を表明

私は個人的にはバーニー・サンダースというジィさんが好きです。
こういう折り目正しい古典的米国左翼をみていると、リベラルの仮面と保守穏健の仮面を交互に被ってみせるバイデンなんぞよりよほど筋目が通っているとおもってしまいます。

ただし、サンダースに代表される民主党リベラルがしがみつくのは旧態依然たる富の再分配にすぎません。
いかんともしがたいほど古いんだな、これが。
この立場では米国においてなぜ白人労働者に代表されるような中間層がトランプを支持したのか、まったくわからなくなります。

トランプの登場は、宮家邦彦氏に言わせれば「徐々に理想主義に向かってきた米国政治への反発から生まれた暗黒面の登場」だそうです。
まるでダースベーダーみたいね。
ではこの「暗黒面」の実体とはなんなのでしょうか?
「暗黒面」とは、米国が分厚い中間層によって支えられてきた社会から、貧富の差の激しい社会へと変貌しつつあることではないでしょうか。

たとえば激戦区だったミシガン州はラストベルト(錆びた地帯)と言われたほど長い凋落が続いて、製造業の空洞化による賃金低下、雇用率の減少などに悩まされてきました。
結果、そこで働く労働者は中間階級から転落していきましたが、全米自動車労組に代表されるような民主党系労組は、労働分配率にのみこだわるだけで、安易にレイオフを受け入れていってしまい、有効な救済策を持ちませんでした。

その結果、中間層から転落する国民が大量に発生する反面、イーロン・マスクの個人資産が13兆円を超えたというような、典型的貧富の格差現象が起きているのが米国なのです。
下図は一国の上位1%層の占める割合ですが、米国は実に10%ちかくを占めています。
ちなみに日本は3.1%で、中間層がおおくを占めているのがわかります。

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グラフの声を聞く:米国の債務比率と所得格差は表裏一体=市岡繁男 .

また所得格差による平均寿命の低下現象も存在します。
人口1人あたりのGDPが低い経済が振るわない地域の平均寿命は76歳以下です。
下図をみるとレッドステート(共和党多数州)が経済に活気がなく、したがって平均寿命も短いのは、いかにトランプに寄せる期待が大きかったかを表しています。

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図録▽米国における寿命・所得の大きな地域格差(日本との比較)

このような所得格差の頂点に位置する新興IT大富豪や、ソロスのような金融投資家、そして大財閥、ハリウッドスター、大メディアの知的エリートなどといったひと握りの人々は、こぞって民主党候補バイデンを応援しました。
民主党の実態は、サンダースが思い描くような「勤労者のための党」ではなく、富裕層の党なのです。

こういう文脈で考えると、民主党の主張する富の再分配政策は、いくら富あるものは富を、貧しいもには救済を、と美的な修辞を施してもその本質は肉屋が飼っている豚に与える餌でしかないのです。

また民主党が進めたアファーマティブ・アクション(人種積極的是正政策)によって、黒人のハーバートなどの大学進学は増えたようですが、一般の黒人階層は、白人労働者と同じく賃下げと失業に悩まされて続けてきました。
結局この積極的是正政策によって黒人エリートだけが富裕層になっていき、人種内にも貧富が生まれたのです。

白人にせよ、黒人にせよ、国民が望んでいるのはまともに働ける環境、働く機会の均等、所得格差の少ない社会であって、なにかを社会から恵んでもらって生き延びることではないのです。
働かないで暮らせる社会、これがほんとうに望ましい社会なのかと思うのです。
たぶんトランプと民主党の違いは、ここに深淵を発しているのではないでしょうか。

一方トランプが掲げた政策は、この貧富の格差は産業の空洞化によって生まれており、それはグローバル企業が中国に製造拠点を移してしまったことだと断じました。
そして米国民から職を取り戻すために取ったのが、完全雇用と一連の中って平均寿命も国に還流しました。

これに対してリベラル左翼は、「大企業ばかりを優遇する」と批判しましたが、その減税効果は企業の活性化を生み、更にそこで働く中間層までもが潤いました。
彼らか底堅く消費を支えた結果、空前の消費プームが起きて、米国は更に内需が活発化するという循環に入りました。

また、トランプはさまざまな規制を緩和しようとしました。
たとえばエネルギー政策に強い規制をかけていた地球温暖化対策から離脱は、原子力と化石燃料の再認識をもたらしました。
これはやくたいもないグリーンニューディール政策を掲げて、非効率的な再エネ促進に走り、中国ばかりを儲けさせてしまった民主党時代とは大きく異なります。

よくトランプの人種差別政策と呼ばれる移民抑止政策も、このように考えれば治安問題だけ強調されますが、実は安価な使い捨て労働者である移民を抑制することで国内労働需要を堅調にするためだと分かります。

安全保障政策においては、オバマ政権期時代の米軍予算削減から再び世界最大規模を維持しています。
トランプは、20年近くたとうとしていまだ離脱できないでいるイラク・アフガンからの整理撤退も視野にいれて、その軍事力を合衆国始まって以来最大の敵である中国に集中運用しようとしています。

このように見てくると、いったいどちらが「肉屋に飼われた豚」なのか、おのずと見えてこないでしょうか。

 

 

 

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コメント

先日のNHKでコロラド州のとあるノンポリの投票者に密着取材していましたが、トランプもバイデンも応援出来ないけど、オバマケアがあればもしかして親はちゃんとした治療を受けられたかもしれないことと、時給15ドルを公約にしたからバイデンに入れたと。
ああ、こういう人は結構な数がいるんでしょうねぇ、という印象です。

バーニー・サンダースなんてそれこそ高齢で分かりやすい左派。私もこういう人は嫌いじゃないです。が、政権に入れるとなると···もともと民主党内でも保守派で人気無かったジョー・バイデンとは水と油な訳でどうするんでしょうね。
日本で言うと菅政権の要職に石破を付けるようなもんです。安倍さんはなんでも取り込んでしまうサイクロン掃除機のような人事で河野のようなまるで考えの違う人まで味方にしてしまう凄みがありましたが。。

「肉屋に飼われた豚」ですか。
まさに先日コメント欄に乱入してきてブログ主に罵声ばかり浴びせて自らの考えが全く無くて、当然のように出禁にされたようなヤツが当てはまりますね。

 「肉屋を支持する豚」って比喩は、まさにバイデンを支持した労働者層にこそ当てはまる言葉です。
「再分配」などいう言葉自体はうるわしいですが、分配されるべき原資が枯渇すればすべて終わります。ようするに順序が違うんです。
そこで左派からMMTなる理論が誕生したわけですが、あんなものを公に採用した場合にはドルの信任が終わります。

黒人に無料の職業訓練学校を設立して就業率をあげる自立政策をとったトランプの方が、よほど現実的で人間本然の要求を満たしています。
「働いて、儲けて、バンバン使う」というのが米国人の美徳で、それがアメリカのGDPを支える稀有の消費社会を実現して来たのです。
もちろん、その為には公平性や機会均等などの前提が欠かせませんが、「再分配」は結果論であって解決策にはなりません。

そのあたりについて、バイデンは本質的な左派ではないので、財政出動によってグリーン産業に傾斜した雇用を生み出す予定との公約です。が、民主党が目指す社会を実現するためには、米国はじめ他の先進国が一方的な条件を呑まされるだけのもので、中共や他の発展途上国との足並みを揃えるのは不可能です。
結果的に中共の勢力拡大に利用されるオチとなるでしょう。
ここでも、「まず、中共が問題だ」とするトランプの命題の立て方が妥当でした。

だいいち、上院ではねじれが生じれば、大規模の財政出動は無理で、そうなればデフレに突入しかねません。
最近の株高は「バイデンの財政出動策を好感したもの」との解説がありますが、それは一般の群小投資家の話。
少し前に仕込んだヘッジファンドが悪さして、売り時を狙いすましているのが事実と思います。

いずれにしてもバイデンの米国は、どう見ても明るい材料がないと思います。

富の再分配といったところで仮想通貨やタックスヘブンがいくらでも存在するこの現代で高額所得者や大企業から即絞り取れるなんてファンタジーにしか聞こえません。
様々な法改正をへて逃げ道を潰すには長い時間が必要となります。
でも政策にはお金は必要なので取りやすい所からまず搾取しなければいけません、結局は中間層以下の国民への増税という結果になるでしょう。
民主党支持者の多くは政策実現のためには増税もやむなしと受け入れているようです。
しかしその負担がどれほどのものになるのか、それに耐えられる層がどの程度いるのか、自分がその中にいるのかすら自覚していないように感じます。
さらには経済の低迷が即治安の悪化に繋がる米国においてそのリスクの大きさは日本の比ではありません。

山形さんへ
コロラド州のノンポリさんはオバマケアがあったら時給15ドルのうち3ドルが摂取されてたかもしれないという事は考えないのですよね。
人は自分の都合の良い方に考えがちですし、それを狡猾に利用して自分の支持を集めたり場を混乱させたりすることができるという典型例ですね。

知らないうちにそのような深みにハマらないように日々注意深く情報に接していかないといけませんね。

オバマ前大統領が、25日に出演したラジオ番組で、トランプ大統領に投票したヒスパニック有権者を批判したそうなのですが。
https://www.bbc.com/japanese/55083601

BBCの記事によると、同番組でオバマ前大統領は、「違法移民を金属製のケージに収容するトランプ政権の移民対策も批判した」に続けて、「違法移民をケージに一時的に収容する対策は、オバマ政権で始まったもの」とあって微苦笑というより草不可避。(記事の文はシニカルな観察者としての英国流かね?)
記事中で共和党世論調査担当氏が「雑で怠慢な分析」と述べていますが、私も同感。
そしてどの立場かにかかわらず、雑な主張とは受け入れられ易く、それに頼るほど自身を劣化させ続ける毒があるものだなぁと考えます。

しゅりんちゅさん。

遅れてすいません。
うん、そのノンポリの有権者さんはこれまで投票など行ったことすらない40代で太ってて日銭暮らしで···だけどとりあえず家もクルマ(ピックアップトラック)もありダラダラ過ごしているというステレオタイプに典型的な「ダメなアメリカ人の中年」でしたけど、最近ガンの母親が急変して亡くなったとか、親父さんも持病で家から出られない。そこにコロナで自分も仕事をクビになったという状況でした。
アメリカならありがちな話だよなあ!と思いながら、そんな状況ではマトモに国論なんて考えられるはずも無いだろうし、テレビはあんな調子でトランプをこき下ろしてましたからねえ。
なんだかこっちで言うパートやバイト(アルバイトはドイツ語ですけど、米国ではすぐにクビにもなるから感覚は近いかと)の収入保証とかオバマケア復活なんて、なんか良さそうだなぁ!くらいには見えたんでしょう。
なぜバイデンに投票したか?だけで、それこそ細かい事には突っ込まない番組構成でしたし。。

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