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2020年12月11日 (金)

米国は南北戦争の時代に逆戻りするのか?

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テキサス州の憲法違反の最高裁への訴えに、17の州が共闘に参加しました。
これにより18州が選挙結果に異を唱えたことになります。
しかも今後3州が訴訟同盟に参加するという情報もあって、もはや半分の州が選挙結果に異議を唱えたことになります。
これはバイデンが仮に勝利しても、半数近くの州がその勝利を認めないという意味です。日本のメディアは完全無視を決め込んで、GOTOトラベル叩きに勤しんでおられるようです。
それにしてもここまで大きな政治的な動きなのに、わがマスコミは一行たりとも報じませんな。まるで香港。

「米テキサス州のパクストン司法長官(共和)が大統領選の手続きに不当な変更を加えたとして激戦4州を連邦最高裁に提訴した裁判に、他17州が9日、追随する方針を表明した。
これら17州にはミズーリ州のほか、アラバマ、アーカンソー、フロリダ、インディアナ、カンザス、ルイジアナ、ミシシッピ、モンタナ、ネブラスカ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、ユタ、ウエストバージニアの各州が含まれる。各州とも共和党関係者が原告で、17州中14州の州知事が共和党員」(ニューズウィーク12月10日)

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ニューズウィーク

ほー、すごいですな。 みごとに南北戦争で破れたアリリカ連合国(Confederate States of America・CSE)の諸州が揃い踏みしました。
偶然なのかどうか、いわゆる南軍諸州は以下です。

・南軍諸州
テキサス、アラバマ、アーカンソー、フロリダ、ルイジアナ、ミシシッピー、バージニア、テネシー、ノースカロライナ、バージニア、サウスカロライナ

サウスカロライナ州 1860年12月20日 1861年2月4日 1868年7月9日 1876年11月28日
ミシシッピ州 1861年1月9日 1861年2月4日 1870年2月23日 1876年1月4日
フロリダ州 1861年1月10日 1861年2月4日 1868年6月25日 1877年1月2日
アラバマ州 1861年1月11日 1861年2月4日 868年7月14日 1874年11月16日
ジョージア州 1861年1月19日 1861年2月4日 1870年7月15日 1871年11月1日
ルイジアナ州 1861年1月26日 1861年2月4日 1868年6月25日
もしくは1868年7月9日
1877年1月2日
テキサス州 1861年2月1日 1861年3月2日 1870年3月30日 1873年1月14日
バージニア州 1861年4月17日 1861年5月7日 1870年1月26日 1869年10月5日
アーカンソー州 1861年5月6日 1861年5月18日 1868年6月22日 1874年11月10日
テネシー州 1861年5月6日 1861年5月16日 1866年7月24日 1869年10月4日
ノースカロライナ州

 

ウィキ  上図 左から 州名 合衆国脱退  連合加盟 合衆国再加入 地方自治の再建
地図にするとこんなかんじです。300pxusa_map_1864_including_civil_war_di
赤は南部連合、青が北部、白は当時まだ州に昇格していない準州でした。
これを今回トランプが勝った州(赤色)の地図と重ねて見ましょう。
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その前のヒラリーと戦った時のもののほうがもっとよく分かるかな。
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トランプが前回勝利したのは、旧南軍諸州の鉄板地盤に、中西部農民層地帯、中東部工業労働者地帯を共に押えたからです。
逆にいえば、民主党は海岸沿いのよく米国人にあそこはアメリカじゃないよと揶揄されるカリフォルニアやニューヨークなどを押えているにすぎません。
ただ都市部で人口が多いため、カリフォルニアが実に55、ニューヨークが29、この2州だけで84票も押えています。
民主党は全米を駆け回らなくても沿岸部だけで運動すればいいので、効率のよい勝ち方ができます。
今回ペンシルベニアとジョージアが焦点になっていますが、テキサスが訴えたのがジョージア、ミシンガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンです。
ジョージアを除けば、すべて北軍地域。
唯一の例外がジョージアですが、共に南軍で苦渋を呑まされたテキサスがジョージアをどう考えて提訴に踏み切ったのか、裏の感情を知りたくなります。
憶測の域を出ないとお断りしますが、ジョージアは前回選挙でトランプが勝った地域で、しかも磐石の共和党鉄板地域ですから知事もとうぜん共和党。
しかし、ジョージア州知事のブライアン・ケンプは見事に寝返って、相棒のこれまた共和党員の州務長官などに至っては仇敵のCNNに「ボク、ホワイトハウスと共和党からいじめられているんだーい、グスっ」なんていう始末。
そりゃ、これを聞いていたテキサスは怒るよね。この裏切り者め。
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さてもう少し歴史をみてみましょう。
日本人には南北戦争について根本的な勘違いがあるようですが、リンカーンは共和党です。
リンカーンは、大統領選挙に出馬する前の1858年の連邦上院議員選挙に共和党の候補として出馬し落選していますが、相手は民主党のダグラスでした。
1860年の大統領選挙に共和党は候補者として急進的な奴隷制度廃止論者となりそうでしたが、結局、穏健派と見られていたリンカーンが勝利します。
多くの日本人はリンカーンが奴隷解放を訴えて大統領選に打って出たと錯覚していますが、違います。
リンカーンは連邦政府の統一を重視しており、国家分裂を招くくらいなら、奴隷解放の主張は控えてもかまないという立場のリアリストでした。
オバマがリンカーンに親近感をもつのはこの辺かもしれません。
口では格調高く非核の世界なんていいながら、実はなんもしないクソリアリストってとこでしょうか。
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リンカーンはこのように述べています。
「連邦政府は半分奴隷制で半分自由という状態をいつまでも続けることはできない。私は、連邦が解体するのを望むものではないし、私の希望は争うのをやめてほしいのである」

ですから、リンカーンの1860年大統領選挙での公約は、奴隷制度維持派の民主党陣営を分裂させるために、今までどおり南部は奴隷制は維持してもかまわないが、今後州に昇格する準州は認めないていどのことだけで、解放宣言をしたのはそれからずっと後の3年後このことです。
それも南軍に勝つプロパガンダとして行った節があります。

しかしこのリンカーンの妥協案によって、北部民主党と南部民主党に別れて分裂選挙をせざるを得なくなり、リンカーンが勝利したわけです。
リンカーンは大統領に就任しても1861年3月の就任演説でこう述べています。

「直接的であれ、間接的であれ、奴隷制度が存在する州においてこの制度に介入する意図は全くない。国家を支える基本法には、たとえ明確に表現されていなくても、その存在の永遠性が合意されているものである」

おいおい、リンカーンは「奴隷制度を持つ州には介入しない」と言っちゃっているのです。
ところがリンカーンが当選するや否や、サウス・カロライナをはじめフロリダ、ジョージアとアラバマなど7州が南部連合を1861年2月に形成し、デイビスを大統領に選出してしまいました。
南部諸州の勇み足です。戦略ミスです。なにも国家分裂まで走る必然はありませんでした。
リンカーンなら時間をかけて南北宥和も可能だったはずで、段階的奴隷制廃止も可能だったはずで、実際、リンカーンはそう考えていたはずです。

後はご存じのように、売られたケンカとなったリンカーンは「強いられた戦争は受けて立つ」姿勢を明確にせざるをえませんでした。
有名な奴隷解放宣言が出たのは、南部諸州が分離に踏み切った後の1863年です。
勝敗はやる前から明らかでした。国力が違いすぎます。
南部は人口が900万人、北部は2200万人、そして工業地帯を有し、ワシントンDCの首都機能を押えた北部は勝つべくして勝ちましたが、その戦争の過程で同じアメリカ人が同国人にしたとは思われない残虐行為を働き、アトランタなどの多くの街を焦土に変えたのは北軍でした。
しかし、歴史書には悪玉=南軍と刷り込まれました。

当時19世紀後半まで米国においては黒人差別は合法でした。
現代の目でみれば、とてつもない人権侵害ですが、当時はそうだったとしかいいようがありません。
北部にも奴隷所有をしているものは大勢いたし、奴隷制度肯定論者も多くいたのです。
ところがいったん南軍が敗北を喫すると、すべての人種差別の罪を南部諸州にだけ被せてしまったのです。

この南部が民主党という構図がひっくりかえったのは最近のことで、大戦直前まで南部の大農場主が党首でしたが、これをルーズベルトは北部を地盤とする政党に変貌させます。
これにより行き場をなくした南部民主党に目をつけて取り込んだのが敏腕な共和党のニクソンでした。
ニクソンは、この南部民主党保守派を、巧みな政策で取り込みます。
これは、いわゆるサイレント・マジョリティと呼ばれる人々でした。
この階層が、今のトランプ支持層の源流です。

一方、黒人解放を掲げたケネディが民主党党首となったために、民主党は共和党に黒人差別主義者というレッテルを貼りますが、そんな単純な構図ではありません。
いずれにしても、南部諸州から見れば、南北戦争で大量虐殺の憂き目にあい、住んでいる街をことごとく焼き払われ、経済基盤を奪われたたという歴史的怨念をいまだ持っています。
日本で言えば、奥羽越列藩同盟、州都アトランタを丸焼きにされたジョージアなど会津みたいなもんでしょうか。

これがこの間の南部将軍銅像撤去や南部の基地名から南軍将軍名を削除する動き、そしてBLMなどの南部連盟旗の掲揚禁止要求によって、いっそう怒りをかきられたのです。
彼らにとってトランプは唯一の彼らの正当な代表であったわけで、この勝利が「盗まれた」とあっては黙っているわけにはいかなかったようです。

というわけで、この収拾を誤れば、今後米国はかつての南北戦争の時代に逆戻りしていく可能性が濃厚でしょう。
 

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コメント

日本ではペリー来航の幕末から明治維新(革命)期だけで話題になりがちですけど。特にそれからの近代化と帝国主義と悲惨な大戦への道なんて感じでしか近代史はザックリとしか教えませんしね。
同時期にアメリカでは西部開拓とネイティブ虐殺にガチンコの内戦というとんでもない事が起きていた事を並行的に考える必要があります。

今では全くありませんけど明治生まれの爺ちゃんの頃の世代までは、たとえば必死で抵抗してボコられた会津藩と助けに行かなかった米沢藩の出身者は本当に仲が悪かったなんていう話も聞いています。
米沢藩を立て直したことで知られる上杉鷹山公は薩摩出身の婿殿だしね。
また当時奥羽越列藩でも本間家のカネがあり新政府軍相手にも無敗だった最強庄内藩なんかは、降伏後も貧乏新政府軍総大将の西郷どんが(それこそカネ目当て)で寛大な処置をしてくれたと、南洲神社を建てたり、
現酒田市郊外のエリアの家では、仏間の先祖の遺影と一緒に西郷どんの肖像画が並んでるのは普通。
元庄内町(旧清川町)出身の庄内藩士の清河八郎が江戸薩摩藩邸を焼き討ちしたりしてたのでなおさら。

上杉鷹山さんは、日向(現宮崎県)の高鍋藩の出身になります。
当時、宮崎南部は薩摩藩の勢力区域ですので、薩摩出身とも言えるとは思うのですが、そこらへんは微妙でしょうか?

おっと、一宮崎人さんすいません。高鍋藩でしたね。失礼。

実際にそこそこ歴史好き程度のレベルだとこちらでもその辺は曖昧というかゴチャ混ぜ扱いで語られてるのが実情なのですいません。。

ってか、こっちをあまり掘り下げると本題から外れ過ぎるので、とりあえずここは撤収!

南北戦争まで1記事で端的にわかりやすく記される管理人さんの筆力に感動しています。

テキサスは宇宙やIT産業で力をつけ始めた頃から、リベラルな政策で揉める度に「テキサス州離脱さんじゃね」と冗談めいたコメントがネットに湧いていました。
勇足なく国力を出来るだけ維持して裁判に臨んで欲しいと私は願っています。
南北戦争と今回の大きな違いは、外戦用の米軍の規模と影響力です。
州兵と違い、南北双方出身の軍人がいますので、軍内でのパワーゲームも複雑怪奇になるでしょう。
テキサスの提訴は私には、クラーケンというよりミサイルロックオンに近い衝撃でした。

 訴えられた4州の側にワシントンDCはじめ22州が付くとかで、意見書を提出していますね。こういうのを見ると、まさに南北戦争時代の対立構図を現出しているように感じさせます。

ただ、他国に「誘導工作」(飯塚恵子)をもってカオス状態をねらうロシア等の共産主義国の策動は良く認識されているところでもあるし、憲法問題ひとつで米国がぐちゃぐちゃになる事はあるまいと思います。

最高裁が審議を始めるのかどうかまだ不明ですが、いづれにしてもトランプの返り咲きはないでしょう。
トランプに部分的戒厳令を出す肝っ玉はありませんし、そんなことをしないでも昨日の記事のように勢力を維持拡大できる目算があるのですから。
しかし、郵便投票がらみの違憲状態を正さない事には、これから先の選挙も真っ暗闇です。

4州の反論は訴訟手続きに対する批判ばかりで、本質的な反論にはなっていません。
4州側に与するワシントン州他の意見書も、「反論書提出期限が短すぎる」という程度のものです。
ペンシルバニアでは州と議会が割れていて、議会側がテキサス州側に立って意見書を出しました。

ミズーリら4州は原告入りを決め、大統領、下院議員106名が最高裁に審議を申し立てるなどしています。
60年ぶりにこの手の訴訟が実現するかも知れず、それでしか違憲状態を正せないのだろうと思います。

おおっ、アメリカン・ニューシネマの迷作『イージーライダー』を思い
出しましたわ。北部(ロス)のホモ野郎どもが、ヤク売人をして稼いだ
カネでもってチョッパーバイクを買い、南部ニューオリンズへ謝肉祭
を見に行き、そこの墓場で売春婦とラリってヤッて、また走り出した
ところをピックアップトラックに乗った農夫のオッサン達にライフルで
撃たれて死んでしまう・・  そういうスジです。

映画を見た当時(リバイバル)、「なんて無理のある脚本だ、アメリカ
人の兵隊でもない一般人同士が、殺すまで憎しみ合ってるワケが
ないじゃん」と思いましたわ。本日の記事を読んで、米国って今だ
に南北戦争を引きずってるんだと、認識を新たにしました。デニス・
ホッパーさん、無知な日本人が文句つけてすいませんでした。

いい時代です、撮影当時のロケの様子がYou Tubeで語られていて、
映画の予算があまりに低かったので、あの(コワ~イ)南部の人々は
プロの俳優さん達ではなく、現地で雇ったシロートさんだったとの事。
彼らは、北部の映画人に対してマジでコワイ南部の人達だったそう
で、身の危険を感じたらしい。南部の片田舎じゃ、そんな事はアタリ
マエなんですねぇ。

私は米国が分裂するより、中国が中共を追ん出して分裂する方が
好ましいのですが、現実はうまく行きませんわ。

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