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2020年12月10日 (木)

テキサス州ペンシルベニア州など4州を提訴

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仰天しました。まだこんな方法が残されていたんですね。
テキサス州が不正選挙の疑いがあるとしてペンシルベニア、ジョージア、ミシガン、ウィスコンシンの4つの州を連邦最高裁に提訴しました。

[ワシントン 8日 ロイター] - 米テキサス州のパクストン司法長官(共和)は8日、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に乗じて大統領選の手続きを不当に変更し、選挙結果をゆがめたとして、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州を相手取り連邦最高裁に提訴した。
不正投票の横行により「信頼が崩壊し、選挙の安全性や公正性が損なわれた」とし、4州の選挙人(62人)を選挙人団から除外するよう要請。また14日に予定されている選挙人団による投票の延期も求めた。
パクストン氏は「4州が正規の議会によって制定された法令に違反し、憲法にも違反した。州法と連邦法の両方を無視することで、当該州における投票の公正性を汚しただけでなく、テキサス州を含むあらゆる州における投票の公正性も汚した」とした。
連邦最高裁は、トランプ氏が指名した3人の判事を含め6対3で保守派が多数を占めている。最高裁にこの訴訟を審理する義務はない。
トランプ大統領はツイッターで、テキサス州の行動を支持すると表明。さらに他の州も訴訟に加わるよう呼び掛けた」(ロイター12月8日)

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「アメリカから見た日本」

正直言って仰天しました。
トランプさんは針の穴でも通るようなことがないかぎり勝てないと私は書いてきましたが、その「針の穴」に挑戦する気のようです。
提訴を起こしたテキサス男は州司法長ケン・パクストン、もちろん共和党員。この人は弁護士資格を持っています。

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テキサス州司法長ケン・パクストン

パクストン司法長官はバリバリの共和党員で、訴えられたペンシルベニア州のケンプ知事もいちおう共和党員ですから、バリバリ派vsなんちゃって派との戦いです。
バクストンは、かつてトランプがイスラム系の入国を制限したことに対して反対した州を偽善だと批判した人物です。

「テキサス州司法長官のケン・パクストンは、イスラム教徒が多数を占める6つの国を対象としたトランプ大統領の入国停止令を支持する16州の連合を指揮しているが、大統領令を差し止めた裁判所は、誰を入国させるかを決定する大統領の役割を偽善的に解釈しているとして非難した。(略)
他の大統領は1980年以来、合計44回、何らかの入国禁止を制定させており、オバマは6回課したことがあると彼は述べた」
(ドナルドトランプニュース2017年6月13日)
https://www.trumpnewsjapan.info/2017/06/13/texas-ag-accuses-lower-courts-hypocrisy-trumps-travel-ban/

さてここで面白いのは、「州が州を訴える」ということができるという米国国家の仕組みのわからなさです。
日本で神奈川県が千葉県を、しかも選挙のことで訴えるというのは想像もつきませんが、米国ではできるのです。
しかも今日参考にさせて頂いているブログ「アメリカから見た日本」様によれば、「この訴訟は複数の管轄区域にまたがって提訴することで、最高裁判所へまっしぐらで行けることになる」そうです。
https://note.com/yamatogokorous/n/n0ac61aa4f6b1

つい昨日も「最高裁不正選挙の訴えを認めず」という報道がなされていました。
Supreme Court dismisses Trump allies' challenge to Pennsylvania election
https://www.usatoday.com/story/news/politics/2020/12/08/supreme-court-wont-hear-trump-allies-challenge-pennsylvania-vote/6483060002/

「最高裁」はペンシルベニアで全面的に州当局の言い分を支持し、監視カメラに写っていた机の下のトランクはバロットキャリアーという公式の運搬具で、係員の動きも別にマニュアル通りで違法なしとしました。
これで終了、万策尽きたかと、私も考えていたところに飛び込んできたのがこのニュースです。

さぁここで問題です。今、ペンシルベニア州の言い分を認めた「最高裁」ってどこの最高裁でしょう?
はい、ペンシルベニア州の州最高裁なんです。

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ウィキ

ここが日本人には理解を超えます。
日本には県の最高裁なんてありませんからね。あるのは国にひとつ。
ところが、米国は州ごとに最高裁があるのですから、参ったね。
合「州」国という訳のほうが正しいわけで、ひとつひとつの州は日本人が考える地方自治体ではなく、半分独立した「国」(ステート)のようなものなのです。
だから、州政府はあたりまえ、法律は独自、州兵という戦闘機まで持つ軍隊も持っているし、州の最高裁まであるのです。

で、ここで争ってもどうにもならないことを悟っトランプ陣営はウルトラCをだしました。
どうやらこれが4日前にトランプが予告していた、重大なことが起きるぞという予告の中身だったようです。

さて、どのようにテキサス州はやったのでしょうか。
テキサス州は、合衆国憲法の第3篇2節に 「州と他州の市民との間の争訟」 について、連邦裁判所に裁判管轄権を与えている条項を使ったのです。
※参考『合衆国最高裁判所による最初の憲法判決 - 帝塚山大学』

この憲法条項によれば、「2つ以上の州の間で意見の食い違いや紛争などがある場合は、それらの複数の州にたまがる問題を解決できる元々の管轄権は最高裁判所がある」とされていますから、管轄権は州最高裁から連邦最高裁に移ります。
これは州をまたがる紛争解決では、州最高裁を使うことは不公正になるために、連邦最高裁が裁判権を持つという仕組みです。
だから、鉄壁のようにトランプ側をハネ返してきたペンシルベニア州裁判所も、相手がトランプ弁護団ならいざしらずれっきとした「他国」である州、しかもテキサス州を含む9つの州の連名ですから、州裁判所で門前払いができずに頭越しを許してしまうことになりました。

では具体的にどうやったのでしょうか。
訴えられた4つの州は、今回の大トラブルの元凶になった郵便投票を認めた手続きが杜撰でした。
郵便投票と聞いてピピンっときませんか。そうですこここそが、トランプが選挙前にあれだけ口酸っぱく不正の温床になると訴えても、民主党系知事の州だけではなく一部の共和党系知事すらイソイソとやった、まさに選挙不正の核心部分です。

これは作業員のルビィおばさんの机の下のトランクがどうしたといったチマチマしたことではありません。
かといって、あまりにも影響がワールドワイドなために、簡単に解明が進まないドミニオンシステムでもありません。
トランプ陣営が不正選挙だとする案件については、欄外に列記しておきました。

そもそもペンシルベニア州はどのような手続きを経て郵便投票を認めたのか、そんな行政措置はしていないし、だいたい投票日前日になって投票規則や手続きを突如変更したのは憲法の選挙人条項違反ではないか、これがテキサス州の提訴理由です。

そしてもうひとつ、訴えられた4州は、郡によって投票規則と手続きに食い違いがあってバラバラであり、それは憲法の平等保護条項に違反しているではないか、ということもつけ加えています。

う~ん、パクストンさん、面白いところを突いてきましたね。
たしかにペンシルベニア州などは、堂々と選挙方法の変更をしましたが、これは新型コロナがハンデミックになったということを理由にしているわけですが、その時に正当な行政手続や法的根拠を明らかにしなかったようです。
そりゃできません。だって新型コロナのような感染症は連邦の選挙法には規定されておらず、おそらく州の選挙法にもないからです。
今回疑惑をもたれているこれらの州は、それをいいことに州知事・州務長官の独断でやってしまったものとみえます。

ちなみに、彼らがパンデミックこわ~い、投票所はクラスターになるから行かないでぇ、だから郵便投票にして、なんていいながらご自分はレストランやヘアサロンに行っていたそうです。
直接の証拠にはなりませんが 、裁判官の心証形成にはマイナスでしょうな。

テキサス州はこのように提訴理由を述べています。

「これらの違法行為により、被告州は自州民の投票の完全性を汚しただけでなく、彼らの行動は原告州および憲法に忠実であり続けた他の州の市民の投票を弱体化することになった」

SNSでは早くも、連邦最高裁が受理したという報道もありますが、12月10日早朝時点で私は確認できていません。
受理されない可能性も高いので、あまり喜びすぎないように。
しかし受理されれば、この4州62人の選挙人は認められなくなりますから、一気にバイデン270票の過半数確保は崩れるだけではなく、12月8日からの選挙人による投票自体が流れてしまいます。
すると後は、下院が大統領を選ぶという結末になります。
ちなみにこれは下院議員投票ではなく、1州1票で割り当てらいるために共和党が多数を占めるのでトランプが有利とされています。

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米国の選択:2020年大統領選 米社会分断、色濃く 法廷闘争が現実味 ...

ただこうなるかならないか、私にはなんともいかませんし、ここまで米国の政治空白が続くことがいいことかどうか、判断しかねます。

とりあえず現時点でロイター以外の報道は確認されておらず、日本においては産経系のZAKZAKのみにあるだけです。

「米国情勢に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「トランプ氏らが提示する不正を裏付ける根拠や、『署名の検証がないジョージア州の再集計には意味がない』という指摘は個々には正しいが、連邦最高裁をはじめ各裁判所には『大統領選をめぐる判断に関わりたくない』という“逃げ”の姿勢が見える。その意味では、バイデン新大統領を迎えるムードは簡単には覆らないかもしれない」と指摘した」(ZAKZAK12月9日)
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/201209/for2012090008-n1.html

島田氏は連邦最高裁のみならず、各州裁判所も「選挙には関わりたくない」という逃げの姿勢があると述べていますが、濃厚にその空気はあります。
連邦最高裁に放ったテキサス州の一本の矢、届くか届かないのでしょうか。
最後まで諦めずに、しかし過度に熱くならないで見届けたいものです。

※追記
ロイターによれば、以下の州がテキサス州と共に連邦最高裁に提訴しました。

ミズーリ、アラバマ、アーカンソー、フロリダ、インディアナ、カンザス、ルイジアナ、ミシシッピ、モンタナ、ネブラスカ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、ユタ、ウェストバージニア

 

                                                                       ~~~~

●トランプ陣営が不正選挙だとする案件

①ミシガン州ではドミニオン・システムの欠陥のため、6万の票がトランプ氏からバイデン氏へと変更された。
②ミシガン州では大幅にリードしていたのに、午前6時31分に突然、149,772票がバイデン氏に入った。
③ジョージア州ではなぜか有権者の署名が本人の署名であるか確認されることなく、たくさんの票がバイデン氏に流れた。署名が本人の署名とマッチするか確認する必要がある。
④本人かどうかIDを確認されず、米国市民かどうかも確認されず投票した人々がいる。死者も投票した。
⑤民主党が強い都市では、選挙立会人が集計室から追い出された。不法な活動を行なっていたからだ。
⑥ペンシルベニア州では、多くの有権者が郵便投票用紙を2通も受け取ったが、彼らの多くは民主党支持者だった。
⑦有権者登録していない人々の中には、偽名で投票するようにと言われた人々がいる。
⑧締め切りを過ぎて到着した票が何千票も集計されたという証言がある。
⑨デトロイトでは、選挙管理人が、同じ票を何度もカウントした。また、複製された票もある。多くの票がみな同じ署名だった。
⑩ネバダ州では、署名を確認するマシンが低標準で設定されていたため、多くの票が集計に入れられた。実験的に、9人の人々に意図的に正しくない署名をしてもらったところ、うち8人の署名が正しい署名であるとそのマシンにより判断された。
⑪激戦州では、郵便投票の拒否率が非常に低かった。ジョージア州では拒否率が0.2%とほとんど拒否されなかったに等しい。一方、2016年の大統領選時の拒否率は6.4%だった。

 

 

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コメント

面白い!
さすがは成り立ちが独特の合衆国ならではですね。。州兵制度なんかと同じで裁判システムにもこんなトコがあるのね。。

ペンシルベニアとテキサスが州兵同士でガチ戦争になったら(どこでやるのか知らんけど)···そりゃ、テキサスが圧勝しますね。。

州法を改正して郵便投票を「ゆるゆる」にした理由に、新型コロナのパンデミックを挙げているみたいですが、その「パンデミック」は今年に入ってからのこと・・・・。でも、改正したのは「それ以前の昨年(だった)段階」ではなかったのかな・・・・?だとしたら改正を主張・実施した彼らは「パンデミックが発生することを事前に知ってたことになる」のでは・・・・?

連投すみません。
YouTubeが運営規約の変更を発表したみたいです。
「選挙に不正があったと主張する動画」や「選挙の勝者がシステムの影響で勝利したと主張する動画」などなどです。
いやはや物凄い状況になってます。

https://www.youtube.com/watch?v=bHmh_4AGmqU


ペンシルバニアはパンデミックから外れた時期に従来のルールを守らず、法の変更を行った。州知事、州議会、州裁判所がすべてグルだったのでしょう。三権分立なんてなかった。何故急に変更したのか?ある程度これから何が起こるか知っていないとできないと考える。

Twitter、Facebook、Googleは結構前からその兆候にありましたが、あからさまになりつつあるということでしょう。

不正があるかどうかと言う話はとうの昔に終えており、どう立証するか注目していましたがまさかこんな手段があるとは、素直に驚きです

これが映画ならピンチを迎えた後の反撃の狼煙って感じですけど、はてさて現実はどう転ぶやら

 追記に出ていますが、テキサスに続いて17州が原告に連なるというものすごさ。これぞ米国の真骨頂という感じです。

なお、ペンシルバニア最高裁で共和党上院議員が起こした分の訴訟について、単に「敗訴」という報道だけがありますが注意が必要です。
訴訟は継続していて、「州当局が(期日どおり)当選者を決定する事を妨げない」とした内容にすぎません。
このような途中判断も日本ではなじみがなく分かりづらいですが、「不正がなかった事が認められた」とか、「最高裁がバイデンを大統領として認定した」とかということではなく、州当局の権利をあきらかにしたもので、義務の履行が正しく行われたかどうかは審議中なのです。

こうしたさなか、今回の訴訟はまさに「爆弾」です。

連邦最高裁が受理するのか、したとしてトランプ応援団が期待する様な裁判になるのかどうか、見守るばかりです。
今提訴を表明したといわれる州を地図でマークしてみるといいです。
主に南部連合と当時の準州。
トランプ側に有利な展開がある場合、内戦の可能性は更に高まるのではと感じます。
それは米国の選択ですから止められませんし、日本を含む同盟国は弱い米国と共にどう踏ん張って中国と対峙するのか、難しい数年が続きそうです。

 早まって誤りをコメントしてしまったので、訂正させていただきます。
原告のテキサス州以外の17州は、テキサス州に賛同しサポートを行う事を公表していますが、どのように訴訟参加するかどうかは未確定との事。

ちなみに、ある賛同州においては、憲法違反を理由に民主党議員からの不在者投票規定改正提案を議会が却下していた経緯があります。
これが合憲だったとするなら、かつて却下した州議会の責任問題にもなる、という事情もあるようです。

郵便投票において「何が憲法か」を決定するのが最高裁の役割で、これは「違憲である」との判断をするでしょう。
ただ、これによってバイデンが得た選挙人数を覆す事にはならないのではないか。郵便投票の違法性をみとめつつ、結果を変えないという結果になるかもです。

行政上の法律関係はなるべく早く確定すべきものです。
原則では、行政行為の瑕疵においても、それぞれの行政行為で問題としなければならず、先行行為の違法性は後行行為に承継しないということになってもいます。
自戒をこめて、まだ喜ぶのは早いと思いました。

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