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2021年3月 1日 (月)

オバマ時代に戻った尖閣対応

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あーあ、また戻っちゃっいましたね、バイデン政権の尖閣認識ときたひにゃ、昨日はアッチ、今日はコッチ。
まるでさまよえる難破船です。

「【ワシントン=永沢毅】米国防総省のカービー報道官は26日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島を巡って「米国の政策に変更はない」と述べ、尖閣の領有権について特定の立場をとらないとしてきた従来の見解を踏襲すると表明した。「日本の主権を支持する」とした自身の23日の発言を軌道修正した。
カービー氏は「米国は現状変更をめざす一方的な行動に反対する」と述べ、海警局の船を用いて尖閣周辺の日本領海への侵入を繰り返す中国を批判した。「バイデン大統領が菅義偉首相に強調したとおり、日米安全保障条約第5条のもとで尖閣を含めて日本を防衛する立場は揺るぎない」と語った。
カービー氏の23日の発言は日本の領有権を認めるかのような印象を与え、臆測を呼んでいた。同氏は26日の会見で「混乱を招いて申し訳ない」と釈明した」(日経2月27日)


同一の人物がこの発言のつい3日前にこう言っていたのですから呆れます。
「国防総省のカービー報道官は「中国は国際ルールを無視し続けており、我々はその活動への懸念を明確に示してきている。我々はインド太平洋でのルールに基づく秩序を強化するため、同盟国やパートナーと協力し続ける」と述べ、中国海警局の船による尖閣諸島周辺の日本の領海への相次ぐ侵入に懸念を示しました。  
その上で、「我々は尖閣諸島の主権について明確に日本を支持する」と表明。中国に対しては「重大な危害につながる可能性のある行動を避けるよう求める」と強調しました。(24日16:33)

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米国防総省報道官「尖閣巡る政策に変更なし」 発言修正: 日本経済新聞  

大国の外務省のスポークスマンが3日で発言内容を訂正とはみっともない。
たぶんポンペオ時代と同じことを言ってしまたので、政権中枢からお小言を食らってあわてて修正したんでしょう。

もちろん「尖閣領有権について特定の立場をとらない」と、「尖閣の主権は日本にある」では、1光年の違いがあります。
前者の「特定の立場をとらない」という意味は、尖閣は日本領土ではないかもしれないが、実効支配しているようなので日米安保条約第5条の適用範囲だ、からニッポンよ、安心しろ、という意味です。
領土問題で日本を支持するから、領土問題は存在しないへの180度転換です。
さすがに一回修正して再び修正はしないでしょうから、これで決まり。
これでは露骨なオバマ時代への逆行としか考えようがありません。

米国はオバマ時代には、一貫してこの「領有権には感知しないが第5条の適用範囲だ」というあいまいな立場でした。
これを体現していたのはカート.キャンベルです。
トランプ時代には下野していましたが、再びバイデン政権のアジア政策の司令塔として帰り咲きました。

「バイデン政権の対アジア、対日外交の方向なのだが、何でも直談判だったトランプと違ってバイデンは、オーソドックスなチーム外交。特にアジアの外交・安全保障問題については、国家安全保障会議に新設のインド太平洋調整官に任命されたカート・キャンベルが国務省、国防省、CIAなどを統括する司令塔的存在になりそうだ」(河東哲夫 1月23日)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79512

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カートキャンベル インド太平洋調整官
キャンベル氏、バイデン新政権でアジア政策「調整官」に: 日本経済新聞

「調整官」?はて、聞いた事のない謎のポジションですね。
おそらく裏の外交司令塔のはずのスーザン・ライス、ジョン・ケリーと並んで、キャンベルもオバマがバイデンに入れさせたのでしょう。
ちなみにライスが外交にしか関心がないのは誰も知っているはずで、この人物に国内問題をやらせるなどというのはとんだフェークです。
駆け出しのブリンケンを押し退けて、実際の外交政策を握るのは、間違いなくこのライスとキャンベル、そして元国務長官のジョン・ケリーだと思われます。
ケリーの肩書は温暖化対策特使ですが、ケリーは国務長官としてオバマの右腕だった人物で、これだけの大物を据えたのは単に党内左派に対する押さえだけではなく、肩書と無関係に外交をやらせるつもりだと見られています。

それはさておき、カート・キャンベルが知日派だからと妙に安堵する向きもあるようですが、「知日」という意味は特に日本を愛しているという意味ではありません。
むしろキャンベルなどは好きじゃないんじゃないのかな。ライスは完全な日本嫌いですし、ケリーは日本に慰安婦合意を無理やり飲ました当事者です。
この人の立場はある意味で一貫しています。
キャンベルは今日まで一貫してアジアを担当してきた民主党系の人物で、国防省の副次官補を務め、この2009~13年の期間は凄腕のジャパンハンドラーとして日本の首根っこを握っていましたので、日本の政界、官界には大きな人脈があります。

とうぜん、トランプ時代には干されていました。さぞ苦々しかったでありましょう。
キャンベルが権勢を誇っていた時期の尖閣についての発言はこうです。

[米国務省のキャンベル次官補(東アジア・太平洋担当)は20日、上院外交委員会小委員会で、日本と中国の間で深刻な問題となっている尖閣諸島(中国名:釣魚島)について、日本が攻撃された場合に米国が日本を防衛することを定めた日米安保条約の「明らかな」適用対象との認識を示した。
キャンベル次官補は、領有権に関する見解を示すのは控えたものの、日本が尖閣を管理していることを「はっきり認める」とし、「よって、(米国の対日防衛義務を定めた)日米安保条約第5条の明確な適用対象となる」と述べた」
(ロイター2012年9月21日)

これがオバマ時代の公式の尖閣に対しての立場です。
要は、日本が尖閣を「管理」しているんだから日米安保5条の防衛範囲に入っている、というだけのことです。
これは、民主党外交の基調で、今回もその延長です。
キャンベルと並ぶジャンパンハンドラーだったマイケル・グリーン元大統領補佐官は、クリントン時代こう言っていました。


同盟国間であっても領土紛争には不介入・中立の立場をとる

同時期のクリントン政権時の駐日大使ウォルター・モンデール(元副大統領)に至っては、第5条の範囲外だと明言していました。


尖閣諸島が第三国に攻撃を受けても、米軍は防衛には当たらない 

米民主党の尖閣方針の基本は、中国の膨張政策をただの二国間の領土紛争に矮小化し、結果それを容認する立場です。
このような言い方で、オバマは南シナ海でフィリピンが中国に領土を奪われ続けても「領土紛争不介入」とキレイゴトで見向きもしなかった結果が、今の南シナ海全域の軍事要塞化です。
オバマにはノーベル平和賞ではなく孔子平和賞こそふさわしい。

このグニャグニャと言質をとらせないオバマに業を煮やした安倍氏は、TPP妥結の餌を垂らして第5条適用範囲と認めさせたという経緯があります。
それをいまになって、オバマ時代と同じ人物をアジア「調整官」に立てて、寸分違わぬことを言い始めたわけですから、8年の間に起きた南シナ海の軍事占領や東シナ海への侵入は彼らの脳みそどう写っているのでしょうか。

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尖閣諸島手前から 南小島、北小島、魚釣島 2010年11月撮影
https://abhp.net/geography/Geography_Senkaku-Islands_100000.html

一方、トランプ政権時に米国陸軍長官をしたライアン・マッカーシーは2020年7月10日の講演の発言で、こう述べています。

[ワシントン 10日 ロイター] - 米陸軍のライアン・マッカーシー長官は10日、太平洋地域で中国に対し情報、電子、サイバー、ミサイル作戦を展開する2つの特別部隊を配備する計画を明らかにした。
部隊の展開は今後2年にわたる見通しだとし、「中国が米国の戦略的脅威として台頭する」ため、米陸軍は太平洋地域でプレゼンスを改めて拡大するとした。
新たな部隊の配備は中国とロシアがすでに備える能力の無効化に寄与する見通し。マッカーシー長官は、部隊が長距離精密誘導兵器や、極超音速ミサイル、精密照準爆撃ミサイル、電子戦力、サイバー攻撃能力を備える可能性があると述べた。具体的な配備場所には触れなかった。
また、公海や宇宙などの「グローバル・コモンズで中国は軍事化を進めている」と述べ、中国が行っている南シナ海の島での埋立てや軍事拠点化に言及した」(ロイター7月10日)

そしてマッカーシー陸軍長官は、東シナ海の米軍部隊の配備の新たな2箇所の候補地としてなんと尖閣諸島も候補に上げました。
第5条の適用範囲などという曖昧模糊のものではなく、共に尖閣防衛のために戦おう、米軍を配備してもいいぞ、というこれ以上頼もしい声は聞いたことがありません。
そして何度かふれているように、海兵隊2030年のシフトチェンジにおいて、宮古・八重山から南西諸島までズラリと対艦ミサイル網を配備する計画まで浮上しました。
係争地に米軍を配備できるはずもありませんから、尖閣が日本領であるのは合衆国政府の大前提だという立場です。

つまりトランプ政権時の尖閣方針はこう要約できます。

①米国は東シナ海の現状変更を企む中国を批判し、それに対する日本政府の立場を支持する。
②米軍は尖閣諸島に軍事基地を置く用意がある。
③日米同盟を機軸にして「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)を構築する。

一方バイデン政権を対比させるとこうなります。

①の認識はとりあえず同じ。ただし、なぜそうなってしまったのかという原因については口をつぐむ。
②尖閣の領有権には立ち入らない。
③?

さて、今後このオバマ時代に退行現象を起こしたような政権とつきあうにはどうしたらいいでしょう。
米国相手に何を言っても無駄です。糠にクギ。暖簾に腕推し。
仮に菅さんが安倍氏なみの外交的力量があるとすれば、バイデンとの首脳会談でなんらかの領土についての言質を引き出すことはできるでしょうが(たぶん無理です)、脳軟化ぎみのジジがなに言ってもすぐにライスにひっくり返されます。

そもそも中国が納得しないかぎり、この領有権問題は永遠に続くのです。
そして中国が納得などすることは、お日様が西から昇らないかぎり無理というものです。
考えられる対抗手段としては、今までにも何度か書いてきたように領海警備法を制定し、合わせて海上保安庁法も改訂し、有事には海保と海自が連携できる法的根拠を備えておくことなどがあります。

米海軍と海自が尖閣水域で共同訓練をするのもけっこうなことです。
なんなら尖閣水域で、日米豪英仏独印といった7カ国自由主義艦隊が航行の自由作戦をするのもいいでょう。

領有権問題というのは、市井でいう敷地の境界線問題のようなものです。
中国という隣人は、日本の敷地の柵を勝手に乗り越えて、こちらの敷地の中に自動車で乗り入れて我が物顔に乗り回し、困りますねとコチラが言おうもんなら、ここはオレ様の土地だ、お前は不法侵入しているゾ、と居直るというヤクザ屋さんまがいのことをしているわけです。

こういう手合いに棚上げにしようと決めてたじゃないかとか、騒ぐと係争地と認めるようなものだから大人の対応をしようなんていう外務省的センスではどうにもなりません。
ましてや、一部の人のいうように共同開発しようなんて、まるで共有地にするようなことを言おうもんならそのまま奪われてしまうこと必定です。

腹を据えて、国際司法裁判所にフィリピンンのように提訴することです。
中国が国際海洋法違反の海警法改訂をしたのはいい機会ですから、領有権も含めて国際的司法の場に出ることを宣言するのです。
どうせ中国は、申請な領土問題は内政問題だから、一切の国際司法の場に出ようとはしないでしょうから、国際仲介裁判所でなく、一国でも提訴できる常設国際裁判所に出ることを、公に宣言しましょう。

この常設国際裁判所は国際司法裁判所と同じハーグの平和宮殿にありますが、ややちがう性格をもっています。

「常設仲裁裁判所」は国家・私人・国際機関の間の紛争における仲裁調停国際審査を行うために常設されたもので、業務は国際法国際私法の両領域を含む。常設といっても、裁判官名簿と付属的機構の「国際事務局」と「常設評議会」があるのみで不完全なものとなっている。 国家をまたぐ企業の取引に関する紛争を仲裁する国際商事仲裁は、その都度主要各国で国際仲裁裁判所が開かれる。」(ウィキ)

 

中国はこの常設国際裁判所の締結国なので裁判になった場合、出廷を迫られることでしょう。
まぁ、いかなる判決が出ようと彼らにとっては「紙くず」でしょうが、ひとつだけ確かなことがあります。
それは今ここで海洋における法の支配がいかなるものかはっきりさせておかないと、このままグニャグニャのバイデンン政権の長い4年間に一気に既成事実を積み重ねられていってしまう、ということです。

 

 

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コメント

 ブリンケンはじめ、閣僚承認人事公聴会の場ではそろいもそろって対中強硬方針を唱えてましたが、「やっぱり」というか。しかし、化けの皮が剥がれるのが早すぎますね。あれだけ騒いだ孔子学院もフリーパスになりました。
人権問題で中国に一枚岩的な強硬さを見せる議会を、200兆円の使途をめぐって民主・共和の対立させておいて、そのスキを狙った感じもあります。

バイデン政権は中国の悪徳には左右されないし、オバマ時代のようにこれからも事実上のG2戦略を静かに追及して行くものと思います。グラハム上院議員が言うように、この政権の外交を握っているのはライス補佐官=オバマラインで、件の大統領令もバイデンのものではなさそうです。第三次オバマ政権ですね。

平和ボケして、ケンポーで自らの手足を縛っている事にまだ気が付かない
私達ですから、尖閣諸島へ、近平皇帝の占領軍がやって来るのも時間の
問題かも知れませんわ。意識高い系の平和主義者の自己満足に過ぎない
ケンポー第9条が、皇帝の前に見るも無残な真の姿を現すのは、ボケた脳
の覚醒には良いことかも。戦後処理の進駐軍が自分達の仕事がしやすい
ように作ったのが現日本国憲法であり、日本人の為に作られたのではない
のだし、何よりも日本人自らが作ったケンポーじゃないんだから。

米国と中国という当世2大国の間に入ってしまうと、日本なんてゴミみたい
なもんで、2大国が手打ちするとなると一番冷や飯を食わされるポジション
ですわ。そうならないように、日本は「山椒は小粒でもピリリと辛い」国
とならないといけないのに、軍は無い(自衛隊は軍ではないらしい)し、諜報
機関は無いし、超プロフェッショナルな外交能力は無いし、ウダウダのムラ
社会政治でリーダーシップを持たないしで、テンから丸出ダメ夫ですわ。

日本が侵略されるその日がやって来たら(儒教文化の中共は、先祖がヤラ
れたんだから子孫がヤリ返すのは忠であるというので、ハードル低いと思う)、
「遺憾砲」の連射ではドーにもならないですわ。

 かつて「バイデンの物事をダメにする能力はあなどれない」、と言ったオバマの言葉を思い出しますね。シリア爆撃は上院にかかり切りのカマハリ副大統領にも知らされていなかった、とか。
尖閣の主権の問題やら、大統領令と主だった閣僚の対中政策もちぐはぐです。
政権内の主導権争いがあると見て間違いないですが、バイデン自身スジの通った政治家ではないので、同盟国をまとめ上げるのも困難でしょう。
米国がイスラエルをないがしろにして、EU寄りになるのが最も危険です。

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