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2021年2月 5日 (金)

ミャンマークーデターの影の主役・中国

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もう一つのミャンマー・クーデターの主役は中国です。
今回、このクーデターに対して、自由主義陣営はなにもできない状況でした。
米国のジジ政権はあの調子ですから、なにかできるような状態ではありませんし、他の自由主義諸国もコロナ禍で出来るのは口先介入ばかり。

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ミャンマー国軍、中国の支援で権力維持 クーデター黙認と判断か - 産経

今回なんの意志表示もしなかったのはタイと中国だけですが、タイは自分が常に民政と事軍事政権に行ったり来たりですからなにか言えるはずもありませんので、中国のみだと見てかまわないでしょう。
果たしてこれが偶然でしょうか?

私は当初から、軍部は中国と何らかの合意があって踏み切ったと考えていました。
それは軍部が唯一事前通告した国がどこかを見ればわかります。それが中国です。

「ミャンマー、狙い澄ましたクーデター 直前に中国と接触
ミャンマー国軍が中国に事前通告せず、クーデターを起こしたはずがないと多くの専門家はみる。中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相はわずか数週間前の1月にミャンマーを訪問し、ミン・アウン・フライン氏、スー・チー氏とそれぞれ会談した。
関係者によると、ミン・アウン・フライン氏は20年の総選挙で不正行為があったと主張し、不満を漏らした。王氏はミャンマー国軍が「正しい」役割を果たし、国に積極的に貢献すべきだと応じた。軍が2国間関係のさらなる改善に貢献することを中国が期待しているとも語ったという」(日経2月3日)

ここで日経が書いている「狙いすました」という部分が重要です。
記事によれば、クーデターの数週間前に軍部のボスであるミン・アウン・フライン国軍司令官が訪中しています。
どうしてこんな時期に、ヤンゴンを開けて訪中したのか、特に想像を巡らす必要はありません。
朝鮮戦争前に中国を訪れた金日成がその可否を中国に尋ねたように、フラインは決行について最終調整をしに訪中したのだとしか考えられません。

王毅はこう言ったそうです。
「軍は積極的に国に貢献しろ。正しい役割を果たせ」
クーデターを決意したフラインにこう言えば、それはクーデターを実行しろ、という意味以外ありえません。
フラインの満足そうな顔が目に浮かびます。

もし王毅が反対なら、かつての金日成に中国指導部が言ったように落ち着いて考えろと言うでしょうし(後に毛沢東の一声で介入しますが)、そもそもこんなことを聞いたら外交ルートを使ってスーチー側に警告を発するはずです。
つまりこの瞬間、中国はスーチー派をバッサリ切って、改めて国軍側に立ったのです。

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王毅氏、ミャンマーのミン・アウン・フライン国軍最高司令官と会見

中国は、国境を接する国の内政に常に干渉し続けてきました。
中国にとって近隣国とは、いわば旧ソ連の東欧圏のようなもので、自由主義圏との緩衝地帯であり続けてもらわねば安心して眠れない地域なのです。
ですから、中国は国境を接する国が米国の影響下に入ることをなによりも嫌いますし、可能なら傀儡政権を作ってしまおうと常に狙っています。

そう考えて周辺国をみれば、北朝鮮では張成沢を使って正恩を排除しようとして返り撃ちにあってしまいましたし、言うことを聞かないベトナムには軍事侵攻して逃げ帰ったことさえあります。
東アジアで唯一中華帝国にまつろわなかったのは、古代より日本だけでした。

このベトナム侵攻の時に中国が使った言葉が香ばしい。
なんと皇帝が臣下に使うような「膺懲」(ようちょう)ですから、アナクロの極み。現代の話とも思えません。
膺懲の意味は懲らしめること。しかも対等な関係ではなく、歴代の中国王朝が冊封国に使った表現です。
中国がどういう眼で周辺国を見ているか、判ろうというものです。
彼らの脳みその中身は古代から不変なようです。

常に中国は周辺国に三つのことを要求します。
ひとつめは、中国に服従を誓う従順な姿勢。
二つめは、国を安定させること。
三つめは、中国の国家戦略への絶対的服従です。

服従、安定、従属、なんか香港国安法で言っていることと似ているでしょう。
逆に嫌うのは、自由主義諸国と友好関係にあって「帝国主義の走狗」がうじゃうじゃいるような政府。
彼ら西側の遣い走り共は、いつ何どき米国に寝返るかわかったもんじゃないので、ほんとうはきれいさっぱり収容所送りにしてしまいたいと考えています。

ミャンマーの場合、それがスーチー陣営であったのはいうまでもありません。
姫がいくら習にゴマをすって見せて属国宣言をして見せても、あれだけ骨の髄まで欧米流に染まって、いまでも息子が英国人のような奴をオレが信用すると思うか、お前の与党なんかブルジョワ自由主義分子揃いではないか、というのが本音だったのでしょう。

だから中国は、安定しているといえばこれ以上安定している存在はない軍事独裁政権が大好きです。
中国流の一党独裁と同じ構造だからです。
思うだけではなく、常にそのように工作していますから、中国の周辺国がほとんど独裁政権で占められているのは、偶然ではないのです。

さてその中国は、南シナ海で東南アジア諸国だけではなく、EUまで含んだ自由主義陣営全部を敵に回してしまいました。
いまや英仏独までが、艦隊をアジアに送ろうとしています。
もはや南シナ海方面は完全な手詰まりですから、内陸に眼を向けるしかありません。

中国-ミャンマー間では、重要な経済プロジェクトが動き出しています。

「スーチー国家顧問兼外相が17年12月1~3日に中国を訪問した際、習近平国家主席との間で「中国・ミャンマー経済回廊」に合意した。
これは、中国の昆明(雲南省)と、ミャンマーのチャオピュー(ラカイン州)やヤンゴンを鉄道や高速道路で結ぶ構想だ。
中国側の高速道路は既に開通しているが、ミャンマー側は山岳地帯の難所が多いため、時間がかかっている。中国と同水準のインフラ実現には巨費が必要で、中国側からの借款で賄われるとみられる」
(2月4日『ミャンマーが欧米に圧迫されればされるほど我が方に近づいてくる――中国「内政不干渉」という沈黙のルール』 西岡省二)
https://news.yahoo.co.jp/byline/nishiokashoji/20210204-00220959/


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試される一帯一路「債務の罠」の克服――中国-ミャンマー経済回廊の建設

上の地図は上海からインド洋に抜ける「上瑞高速道路」ですが、起点は中国経済の心臓部である上海から発し、杭州、長沙を抜け、雲南からミャンマーに入って南下して分岐し、一方はヤンゴンに、そしてもう一方はチャオピュー港に達します。

「中国が重視するのは、ベンガル湾に面するこのチャオピューだ。
中国は中東などの原油をマラッカ海峡経由で輸入せざるを得なかった。だが、このチャオピューを経由できれば、仮にマラッカ海峡が海上封鎖されてもエネルギー供給は滞らないからだ。
加えて、チャオピューは▽中東産原油▽ラカイン州沖合のシュエ・ガス田から中国に向けた天然ガス――の両パイプラインの起点でもある。中国国有の複合企業、中国中信集団(CITIC)を中心とする企業連合が15年12月、チャオピューでの大規模港湾と工業団地の開発権を取得している」(西岡前掲)

中国はこのような海洋に抜ける道路を何本か建設しています。
一本が、ウィグルからヒマラヤ超えをしてパキスタンを抜けてインド洋に出るカラコルムハイウェイです。

かつてロシアが温かい海を求めて南下したことで世界は動乱に叩き込まれましたが、いまの中国も同じように海に抜けるルートを作り続けています。
中国大陸沿岸は浅瀬が続いているために大型船が停泊できる良港に乏しいうえに、いったん米国と戦争になれば数日で機雷封鎖されてしまうといわれています。
だからその場合にでもサバイバルできる陸路で海洋に抜けるルートが欲しいのです。

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そして今建設中なのが、このベンガル湾からインド洋に出られる上瑞ハイウェイなのです。
これが、一帯一路の一環であることはいうまでもありません。

「この経済回廊はもちろん、習主席肝いりの広域経済圏構想「一帯一路」の一部と位置づけられている。習主席は20年1月17~18日にミャンマーを訪問した際、スーチー氏との会談で、経済回廊を実効段階に移すことで一致。33に上る覚書を締結した」(西岡前掲)

中国にとって、自由主義陣営ががん首並べてコロナ禍に足をとられ、しかも米国がジジ政権で迷走する今こそ、ミャンマーに介入する絶好の機会でした。
今この時期しかないと決心した軍部と、今なら自由主義諸国の寝首をかけると考えた中国、この思惑が一致したのがこのクーデターだったようです。

 

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コメント

昨日英国が中国放送局の英国内放送免許を取り上げたり、
少し前までベッタリだった中国から明らかに距離を取り、虎の子の空母まで南シナ海派遣。パンダをハグしまくって来たフランスやドイツも海軍派遣してくるという事態の中で、よくまあこんなカウンターパンチ打つなあ!と呆れながら見てますが、世界が新型コロナで弱ってる時だからイケル!と習政権は読んだのか?と。
コロナもセットでの「中国の夢」実現の過程なのかと。。

それにしても「ビルマ・ルート(援蒋ルート)」の現代版での逆流ですね。。ミャンマーを手に入れればベンガル湾まで直通。
流石は千年単位で歴史に学ぶ国だとむしろ感心するコースです。近隣国ではラオスとカンボジアも完全に落ちてますし、そこにも海へのバイパスルートが引けますねえ。
ついでに片手間で尖閣に常時圧力をかけることが出来るほどの国力をすでに持っている相手だとしっかり認めて対処するしかないです。
彼の国の農村部の貧しさや戸籍制度の歪みだのと負の部分を論って議論しても全く意味がありません。現在の中国共産党は実際にそれだけの実力と意志を持っているという厳然たる事実を認めるしかありません。
日本企業は表には出さずに速やかに撤退できる体制を整えるべきですね。。

あとは、ミャンマーは何故にラングーンからまるでブラジリアのような人工都市のネピドーに首都を移したのか?という、地理的なことも含めて考えていますが···まだよく分からんです。。。


おっと書き忘れたので連投失礼。

ここでアメリカの新政権が実際にどう動くかが問題です。表も裏も含めてという意味です。
トランプ政権だったらかつて80年代の日本に対してやったような貿易不均衡大バッシングキャンペーンでもしたでしょうが、当時の絶好調だった日本よりも今の中国は遥かに手強く肥大化してますからね。
ついでに多分浸透しまくられています。。

中国がいやらしいのはスーチー、フライン両氏と会談を設けている事と今のところ静観を決め込んでいる事でこのクーデターがどっちに転ぼうが中国の利になるように仕組んでいることですね。

ミャンマー国民の海外への情報発信を抑え込むために軍政府はSNSの情報規制、発砲許可まで出し自ら長期化すら許されない状況にしてしまい軍政に対して特に不満を感じていない国民すら敵に回す可能性が大きくなってしまいました。
当然こんな状況ではまともな経済活動なんて出来ませんので早々に国民の不満とストレスが爆発し大規模デモからの大惨事、中国をのぞく世界各国はやもうえず規制を強化というミャンマー国民にとって最悪な展開になる可能性が濃厚となっています。

経済的に相当苦しいようですね。IMFから緊急支援を受けてますし。ミャンマーの選挙には根本的な欠陥があるそうで、こういうことがキッカケで暴動が起これば経済的に苦しい中、投資引き上げをされてはたまりませんよね。

https://www.hrw.org/ja/news/2020/10/05/376599

ミャンマーの日本大使は欧米がミャンマーに圧力をかけたとき賛成できないと言っていましたが、民族問題を抱えている国は格差が暴動に発展しますので本当に難しい。

日本もミャンマーの投資に力を入れていたようですが中国には及ばずだったのでしょう。スーチーさんは態度を表明するのに困難な立場とも言えますが、日本からの支援を積極的に呼びかけていたので中国からの強すぎる影響力から脱したい意思はあったとは思いますが道半ばなのかなと。

日本からこの件で人を派遣するようで、早く解決するといいですね。

コメント欄お借りしまして、ありがとうございました。

ミャンマー軍と自衛隊は交流がありますので、政府は独自ルートで情報を得る事も可能かと思います。どう活用できるのかはまた別問題ですが、クワッドとして日印の協力実績を積む機会と見ることもできます。

  中共にとって、憲法改正優先のスーチー政権をもどかしく考えていたのは間違いないと思います。スーチーの言葉とは裏腹に、一対一路に必要な新たな40の案件のうち9本しか承認されず、着工したのは3件だけで、最近は中共ターゲットから逃れるために日本やインドとの関係を模索し始めていたようでもあります。

ただ、国軍側にしても、すぐには中共政府の思う通りには行かないと思うのです。
近年、ミャンマー軍はラカイン反政府武装集団に関して「中共が武器を提供した」として批判していますし、(反政府の)少数民族組織「合同ワ州軍は中国と密接な関係のある武装組織である」とも規定しています。これらの反政府武装集団は武器の出どころだけでなく、戦術や訓練まで人民解放軍によるものとして、そうした批判に中共は気色ばんで否定していました。

最低限の軍のねらいは憲法通りに25%の議席を確保して、スーチー政権の憲法改正の野望をくじく事にあるのではないかと思います。不正の存否はわかりませんが、スーチー政権の獲得票が80%というのがミソで、70%ならこうはならなかったのではないかと思うのです。

ミャンマー国民は当然に民主主義を言いますが、一方ではロヒンギャ問題に対する反応や、昨日ふゆみさんがコメントでふれたように、国民国家的要素を強く持っています。
民主主義では中共の悪辣非道は防げませんが、国民国家的な意識はきわめて有用と思います。

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