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2021年3月 8日 (月)

尖閣水域、なにが出来てなにができなのか?

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中国公船や漁船の侵入についてもどかしく思う人が多いことでしょう。
腹だたしさのあまり「EEZに侵入した中国漁船はみんな実力で沈めてやる」というコメントがあったと宜野湾さんに教えていただきました。
違うだろうと入れると、今度は「親中派め」ということになるようで、なら私も親チャイナか(苦笑)。

ふー、負けますよ、そんなことを言っていると。 
今、中国とどういう競り合いを尖閣で演じているのかわかっていないと、すぐにダンビラをこちらも抜けばスカッとすると思っているようでたまらんなぁ。
まず、いま中国が仕掛けてきているのは尖閣を既成事実の積み重ねで奪うことです。
まるでサラミを薄くスライスしていくようなのでスラミスライシングなんて言葉すらありますが、気がつけば尖閣はおろか宮古・八重山まで中国の海となりかねません。

そのくらい危険なことを彼らはやっているのは、長きに渡って大陸に閉塞していた彼らにとって太平洋とインド洋は「未知なるフロンティア」だからです。
ウィグル・チベット、そして周辺諸国はベトナムを除いてひれ伏したから陸続きの膨張にかぎりが出ました。
そこで、今度は海洋という
フロンティアに向かったんです。
大航海時代じゃあるまいに、そんな余地は寸土もありゃしませんから、南シナ海、西沙諸島、そして尖閣が浮かぶ東シナ海でことごとく抵抗にあっています。

中国のやり方は、俗に「三戦」と呼ばれています。
三戦とは、中国共産党が言う世論戦(輿論戦)、心理戦、法律戦のことで、要するに国際世論を味方につけ、相手をありとあらゆる手口を駆使して揺さぶり、そして勝手に自国の法律を作ってしまって合法とすることです。
これがうまくいけば中国は戦わずして勝つ事ができるという寸法ですが、もちろんその背後には今や世界第2位となった強力な軍事力が控えているのはいうまでもありません。

防衛白書は三戦をこう定義しています。
平成21年版防衛白書


「輿論戦」は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を築くとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的とするもの。
「心理戦」は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとするもの。
「法律戦」は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処するもの。
中国人民解放軍政治工作条例 - Wikipedia

慰安婦問題を国際的に流布したのは韓国グループでしたが、その背後でカネを出していたのは中国でした。
気がつけば、日本は女性を奴隷狩りよろしく慰安婦にしていたという汚名を被せられていました。
これが世論戦です。

そして勝手に領海法や防空識別圏を設定した国内法を作り、海警を中国海軍の傘下に置き、さらには尖閣・沖縄すら中国領だと主張していますが、これが法律戦です。

三番目はひっきりなしに公船を領海や接続水域に侵入させ、軍用機や空母に宮古海峡を通過させて揺さぶりをかけ、私たち日本人がそれにすっかり馴れてしまったり、逆にカッとなって先に手を出すことを誘うことが心理戦です。
平成29年7月に中国軍はH6爆撃機6機に宮古海峡を通過させましたが、この時に言った中国報道官のセリフがこづら憎い。

「中国国防省の任国強報道官は14日、中国軍機による13日の宮古海峡上空の飛行について「関係各国は大騒ぎしたり、深読みしたりする必要はない。慣れれば済む話だ」

さらに海警が日常的に尖閣水域に侵入し、日本漁船に「法執行」を働いているのは知られていますが、それに抗議されようもんなら、居丈高にこう言ってのける始末です。

「中国公船が領海内で法執行活動を行うことは、正当で合法かつ議論の余地のないものだ。引き続き常態化して実施している」

日本人を揺さぶりイライラさせつづけること。これが心理戦です。
お前がおれらの横車に馴れろ、これがニューノーマルだというわけです。
ああ、あの国とは、しっかりソシャールディスタンスをおきたいもんですが、しかたがない。
だからこそ彼らのペースに合わせてはダメです。
切れたほうが負け。
このようにいま中国が日本に挑んでいるのは、三戦のうちの法律戦と心理戦です。
ここで負けると、後は一気に日本悪玉論という世論戦に完敗することになります。

では、何ができて、何ができないのか考えてみましょう。
それを知らなければ法律戦で勝てるわけはありませんもんね。
まず、この尖閣諸島水域で、海保の巡視船が侵入した中国漁船を取り締まれるかどうかです。
今回もEEZにで事故ったと思われる中国漁船を沈めてしまえ、なんて蛮声を張り上げていた人がいたようですが、あんた幕末の攘夷派か。
ダメに決まっています。

よく、侵入した中国漁船をなんと58隻も爆破してしまったインドネシアと比較されます。

Photo_2

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160819-00000711-fnn-int

あれは中国漁船が、インドネシアの領海ないしはEEZで不法操業していたからまとめて爆破してしまったので、今回のようにEEZ内で転覆していただけでは国際海洋法に則って無害通航権を主張されます。
いかにこちらの領海であっても、外国船は自由に通航できます。
ただし領海に無断で侵入した場合、不法入国で排除する事も可能です。

ただしこれは民間船だけで、軍艦はモノ騒がせなので艦砲を旋回させるなとか、艦載機を飛ばしてはならないとか相手国を脅かすことは禁じられています。
潜水艦は潜行したままで通過できません。必ず浮上して国旗を掲揚して通過せねばなりません。
中国海軍はこれまで数回、密かに潜って通過して海自の力量を判定しようとしたあげく、すぐにバレて浮上を迫られて大恥をかきました。

では、今問題となっている海警などの公船ならどうでしょうか?
EEZや接続水域までは問題ありません。それらの海域は領海そのものではないからです。
問題は尖閣の領海に入った場合ですが、これは排除できます。
これも細かくは領海侵犯が成立するために以下の条件を満たす必要があります。

①侵入した船舶が、政府公船であること。
②侵入した外国公船に対しては、海保は国際海洋法に則って無害通航権の有無の判定を行う。
無害通航に当たらないと領海国、つまり日本の海保が判断すれば、初めて排除宣言で出て行けと通告できます。
以上二つの手続きを経て、なおも外国公船・軍艦が出て行かない場合、初めて領海侵犯による実力排除ができます。

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といってもすぐにバリバリと撃つわけではなく、船体を寄せて領海外まで押しやるか、せいぜい放水するのが精一杯です。
海警が撃ってきた場合、法益が侵害されているか、または侵害がさしせまった状態にあるとして急迫不正の措置をとることが可能です。
ね、国際法に従って対処するというのは、実力行使するまで実に多くの段階をクリアせねばならないのがわかってきましたか。

次に、民間船が日本のEEZ(排他的経済水域)で違法操業した場合はどうでしょうか。
その操業した水域の場所によります。

原則としては、他国のEEZ内で操業する場合には、相手国の許可が必要です。
当然、相手国漁船を取り締まることもできます。
今回の転覆した中国漁船がEEZ内で操業していたなら、文句なしに排除の対象となります。

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ただしここらかやっかいなのですが、尖閣水域はまるで迷路です。
日本と中国は日中漁業協定を結んでいて、細かく水域がゾーニングされています。

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日中漁業協定によって北緯27度以北は「暫定措置水域」として、互いに許可なく操業が可能で、ここに尖閣が入ってしまっています。
暫定措置水域とは、要するに今きめられないから棚上げにしておこうという意味ですが、
この北緯27度線以南は日中漁業協定第6条(b)によって棚上げとなっています。
上図のFがそれで、この水域で操業された場合
、日中漁業協定の枠外として海保は領海にまで侵入されない限り、退去勧告すらできません。

  • 暫定措置水域内では、いずれの国の漁船も相手国の許可を得ることなく操業することができ、各国は自国の漁船についてのみ取締権限を有する(§7)。
  • 同水域における操業条件は日中共同漁業委員会が決定する。同水域において相手国漁船の違反を発見した場合は、その漁船・漁民の注意を喚起すると共に、相手国に対して通報することができる(§7-3)
    日中漁業協定 - Wikipedia

日本は約束を厳守しますが、中国の発想は上に政策あれば下に対策ありというお国柄ですから、この暫定水域にまで大挙して漁船を入れてきています。
そもそもこんな「お互いにもめたくないから棚上げにしておこう」、という尖閣密約にとらわれた漁業協定をするからメンドーになるのです。

こういうスッキリしないことをしているから、こんな無法な中国船など、公船だろうと漁船だろうと海上警備行動を発令して海自が打ち払ってしまえ、という勇ましい意見が出るようになります。
気持ちは分からないではありませんが、まったくダメです。
何が中国の意図か、よく考えて下さい。
ずばり、
中国の狙いはエスカレーションなのです。
海保を挑発し、海自を引きずり出して小戦闘を交えて、この水域が紛争地域だと宣伝することが目的です。

そのために尖閣水域は中国の施政権が及ぶと法律戦をしかけてきたので、ここで海自が中国公船を排除すれば、中国の思うつぼです。
それは日本が先に軍隊を投入したことになるからです。
そうなれば
当然中国は、「日本が中国の領海周辺で軍事挑発を開始した」とプロパガンダするでしょう。
一気に中国にとって世論戦に勝てる材料を日本のほうからくれたことになるので、うれし涙を流すことでしょう。

中国軍艦はいままでなんどか接続水域に侵入して挑発してみせましたが、原則は北緯27度線以北の海域を巡回しています。
この状況で、日本が先に27度線以南の水域で海自を出せば、日本が先にエスカレーションの階段を登ったと国際社会は理解します。
米国ですらいい顔はしないでしょう。今のバイデンなら日本のほうを非難すかるかもしれません。
このように軍を動かすということは外交の一部なのです。
常に、「このように行動したら、結果はどうなるのか。どのようなメッセージを送ることになるのか」を考えて行動しないと国際社会まで敵にまわしてしまいます。
国際社会を敵にしてから正義は我にありといっても、満州事変後のかつての日本のようなことになるだけのことです。
二度と同じ轍は踏まないこと。
とうぶんの間、イライラする神経戦は続くでしょうが、絶対にカッとならないようにしましょう。
今尖閣でくりひろげられているのは、仕掛けられた心理戦なことをお忘れなく。

といっても、尖閣は自分のもんだと公然と宣言しちまったんですから、日中漁業協定も暫定水域もあったもんじゃないんですがね。
中国の脳の中で、これらはどう整合しているのか知りたいもんです。

 

 

 

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コメント

作文の中でもうちょっとだけ中国と仲良くできればいいのにね。。なんて書いたら私も媚中扱いされるんでしょうかね(笑)

まあ、今の習体制の中共では仲良くできそうも無いですけど、経済的に既に大企業から田舎の中小企業までドップリ浸かってしまってるというのは現実ですし。一気に足抜けなんて無理です。
これをヤツらに騙されたー!とか騒ぐかどうかはご勝手にとしか。そんなの分かっていてリスク取ったのが会社経営者ですから。。

王毅さんが「国際法に則っている」とか宣ってますね。中華思想的には世界は中華帝国の中にあるんでしょうけど、いくらなんでも無理筋!
これはちゃんと発信して世界を味方に付けないとです。

中共はまるで戦前のようですね。皮肉屋のサヨクさんが今の日本をよくそのように例えますけど。今の中国ってまんま戦前で海洋法が国際的に定まらない帝国主義丸出しで、正に砲艦外交(ワクチン外交まで始めやがった)で「力こそ正義!」というね。。

 まずは「海警法の改正は国際法違反」と、ハッキリと国際社会に向けて声高に訴えるべきです。
「文言が曖昧で解釈が困難だから」とか言って「懸念を伝える」などという生ぬるい姿勢では、今後とも味方する国も少なくなるでしょう。
つぎに解釈に頼るのではなく、きちんとした領海警備法を整備すべきです。

 その前に自民党は非難決議を毅然として出し、それを基に衆参両院それぞれで抗議声明を出す事です。
出来もしない船溜まり建設や公務員の駐在よりも、自民党や国会をひとつにまとめる事が物事の大前提です。

 さらにその前に、対中外交の主導権を二階氏から取り上げるべきです。
自民党国会議員諸氏は二階氏に公認権を握られていて、外交部会も外交調査会も非難決議を出せなかった香港問題の時と同じあやまちを繰り返すのみ。それを知っている「反権力記事を書くべき」と自称するマスコミさんたちも、こと中国問題となると自民党親中派と一体化して国民にとって必要な記事を書くことがありません。

このような日本側の消極的な態度が、米軍の動きに影響を与える結果になるのではないか。
二月に予定されていた米軍による尖閣周辺での軍事演習が中止されたことや、主権の存否に関わる米側の発言も日本側の態度に起因するのでは?と勘ぐりたくもなります。

王毅外相は7日の記者会見で、海警法は「特定の国を対象にしたものではなく、国際法に完全に合致している。日本を含む多くの国が類似の法律を制定している」「協議を通じて海上の争いに対処し、武力による威嚇をしないことが中国政府の一貫した立場だ」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210307/k10012902671000.html

これが方便なのは当たり前で、中共海警法が外国艦船・公船に対して武力攻撃ができる解釈・運用が可能な立て付けになっている点が我が国と国際社会に対して挑戦的である、とだけ日本は言い続けるべきだと考えているのですが。
この王毅外相の会見で、我が国の方が先に、国内法で外国公船に対して危害射撃を含む強制力を行使できると明言しちゃった体になるんですよ…
加藤官房長官が今日の記者会見で、「海警法は国際法との整合性の観点から問題がある」と述べたようですが、無駄に勇ましい人たちに引っ張られて罠に嵌っていくの、本当に考えてもらいたいです。

いつか中共が来るのはガチですから、その時すぐにwwwに向けてナマ映像
を発信できるようにしておくべきですわ。日本のオジサン・オバサン以上は
すでにハイテク役立たずなので、台湾のオードリー・タンさんみたいな才能の
ある若者を大抜擢して、AI制御のドローン部隊などを使い、中共の侵略を映像
で刈り取って晒し者にしてやるのです、海のドライブレコーダー作戦ですわ。

中共は中共脳ですから、世界中に映像が流れても「どうよ、スゴイっしょ?」
「近平皇帝は偉大なり!」とか、大はしゃぎするのは既定路線なので、後に
非難ゴウゴウを受け、大恥さらしてどんな言い訳するのか楽しみですわ。

しかし、軍隊も持たず(ケンポー9条)核兵器も持たない日本が中共に伍する
には、米国との固い同盟が不可欠ですわ。バイデンさん、どうも煮え切りませ
ん。米中で手打ちをされると、もう日本はどないもなりませんわ。逆に言えば、
米国さえ「ゴラァ、俺んとこの舎弟のシマ荒らすとシメルからなぁー」と言って
もらえれば、もうそれで済む話なんですが・・

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