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« ミャンマー国軍の虐殺を止めろ! | トップページ | 公明党「ウィグル弾圧の証拠はない」と言った瞬間、米国務省がウィグル人権報告書を提出 »

2021年3月31日 (水)

もうPKFを入れるしかないのか

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ミャンマー国軍の虐殺はエスカレートする一方です。

「[29日 ロイター] - 2月のクーデターで実権を掌握した国軍に対する抗議デモが続くミャンマーで29日、最大都市ヤンゴンなどで新たに14人が治安部隊に殺害された。人権擁護団体によると、クーデター以降の死者は少なくとも510人に達した。
ヤンゴンの南ダゴンでは治安部隊が通常よりも大口径砲の武器やグレネード・ランチャーなどを使用し、デモ参加者が設置したバリケード撤去したという。
国営テレビは、治安部隊が「暴動用の武器」を使用し、「暴力的なテロリスト」の群衆を追い払ったと報じた」(ロイター3月30日)

また地元のミャンマー・ナウは、3月29日のヤンゴンで軍がデモ隊に向けRPGロケット砲を発射したツイッター映像を公開しています。
ここには着弾と同時に、デモ隊が隠れていた土嚢が一瞬で吹き飛び、生き残った者が逃げる様子が写っています。

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この二つの情報を付き合わせると、どうやら国軍側は銃器だけではなく、ロケット弾まで使い始めたようです。
ミャンマー国軍は、ソ連製のRPG7の焼き直しの中国製69式40mm対戦車ロケットランチャーを使用しています。
中国は武警((CAPF)にこれを装備させていますが、世界常識ではこんなもの騒がせな兵器をデモ鎮圧に用いることは絶対にありえません。

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なおこのミャンマーナウは、現地から貴重な情報をフェースブックに発信していましたが、3月31日現在切断されてしまいました。
外国メディアの決死的取材でかろうじて現地情報が伝えられていますが、このような状況においてまっ先に排除されるのは彼ら外国人記者です。
アフリカの崩壊国家の紛争において、軍隊が最初に標的にしたのは外国特派員たちでした。
まだとぎれずに報道が続けられていますが、これがすべて遮断されればどのようなことが起きるのか、想像しただけで慄然とします。

さてアホンダラさんのおっしゃるように、このままいくとミャンマーの虐殺を止めることができないことは確かです。
その理由は、仰せのとおりミャンマー「国軍」が私たちが考える国民を守る軍隊ではなくただの軍閥、つまりは私兵集団だからです。
彼らは「国軍」と言う名の軍閥であるために、自らの権益が冒されると危惧すれば軍事クーデターを起こし、国家を転覆しようとさえします。
自分で作った憲法には、議席の4分の1と内閣の要職がふたつ準備されているというのに、それでもまだ不足とみえて完全支配しないと気が済まないようです。

そもそもこの大虐殺の発端となったクーデターの理由すら、もう忘れ去られてしまいました。
不正選挙だなんだと言っていましたが、こんな大虐殺をしてしまったら二度と国民は彼ら国軍を許さないことでしょうから、以後何回やり直し選挙をやろうとも国軍が惨敗することは必至です。
したがって、このまま国軍が民主デモを押し潰すことに成功すれば、選挙は二度と行われないか、軍の管理下のものにすげ替えられることでしょう。
言論は統制は長期間におよび、結社・集会の自由は失われます。
すなわち、今の香港のような社会がもうひとつ東南アジアに誕生するわけです。

もはやクーデターを起こした理由などどうでもよい。
いま問題となるのは、国軍が仕出かしたこの大量虐殺をどう止めるのか、その一点に尽きます。
そしてあえてつけ加えるならば、虐殺を止めた後に国軍という悪逆非道な私兵集団をどのように解体し、民主主義を回復するか、です。
ただし現時点では、あくまでも虐殺の即時停止こそが緊急の課題なのはいうまでもありません。

私はなんらかの国際的平和執行行動による住民保護しかないと思います。
現在、ミャンマーには正統な政府が存在しません。
クーデターで成立した国軍による独裁政権が「政府」を名乗っていますが、いまやいかなる意味でもあのようなものを政府と見なすことはできません。

とはいえ、国連PKOには必要な要件の多くを欠いています。
まず「受け入れ国」がありませんし、紛争の一方が獄中にあるために当事者間の交渉自体が成立せず、したがって「停戦」しようがありません。
これは政府を乗っ取った私兵集団による国民の一方的虐殺だからです。

現在のミャンマーの状態は、住民の保護をすべき主権国家がその任務を自ら放棄し、虐殺を繰り返す当事者となっています。
ミャンマーは統治制度が崩れ去った崩壊国家になっています。
これは一種
の無政府状態であって、この真空空間で「国軍」と自称する軍閥が国民を殺害しまくっているととらえてかまわないと思います。

本来このような任務は、国連がPKFとしてするべきですが、安保理でロシアが反対にまわり、中国もそれに同調するか棄権にまわることでしょうから厳しいと思われます。
そもそも
このような「政府」を簒奪した集団による、国民の一方的殺戮という状況を国連PKOは想定していませんでした。

国際社会はミャンマーの虐殺を停止するためにいわゆる有志連合を結成し、多国籍平和維持軍として介入するべきではないでしょうか。
もちろんその前段で、いまの国際的制裁を強めていくのはいうまでもありませんが、それではあまりにも時間がかかりすぎてしまいます。
国際社会が足並みを揃えた頃には、国軍は抵抗する人々のほぼすべてを殺すか、牢獄に放り込んでしまっているでしょう。

現時点では大変に困難なのは百も承知ですが、私には有志連合による平和維持部隊の介入しか思い浮かびません。

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日本軍の前で演説するアウンサウン将軍

なお、日本がODA援助を停止したそうです。


日本の援助はインフラ関係が主ですが、軍事政権は痛くもかゆくもないでしょう。
こんなことをすると国民に迷惑がかかるという人もいるようですが、今それを言う時期ではないはずです。
今せねばならないのは虐殺の即時停止です。

そもそもこんな軍事政権を「政府」として認めているから、ODAを切るだの「軍事政権と太いパイプがある」だのと生ぬるいことを言えるのです。
繰り得しますが、ミャンマーはいまや統治が崩壊した無政府国家にすぎません。
統治者が存在せずに、「国軍」を自称する私兵が国民を殺しまくっている状況なのです。
したがって、国軍にODA停止を交渉材料にして考えを改めさせる必要はありません。
軍事政権にいうべきは、銃を置け、国民を殺した責任者を出せ、これだけしかありません。

日本は「国軍」というの名の私兵集団を作り、それを育てしまった責任があります。
今、しっかりとそのツケを清算するべき時期なのです。

 

 

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コメント

過去に外国での内戦の調停をしてきた専門家が日本にもいるわけですが、こういう一方的に軍が国民を蹂躪しているような状態ではどうするのやら。。

私も国連安保理なんか全く信用していないので、やるとなったらどっかの大国(この場合アメリカしか候補が無いんだよなあ)が有志連合組んで武力介入する以外に処置無しですかねえ。。ASEANの周辺各国が同調してくれればいいけど、ここでもデカくなりすぎた上にワクチンばら撒いてる中国に尻尾振る国がけっこうありそうなのが困ったもんです。
我が国はどうするのやら。1番援助してきた日本のODA停止は効くでしょうね!まあ余計に中国の浸透を許しそうですけど。。
もし軍事介入となったらどうするのやら。イラクや南スーダンみたいに参加できるのかどうか。。

そうですか。とても残念ですがどう考えるかは自由ですものね。ただ根本で言うなら資源ナショナリズムによるデリバティブの運用に端を発する南北問題または南南問題ですからそこを置き去りにするとミャンマーでなくとも同じことは繰り返しますよ。ミャンマー国軍がクーデターを起こさなくてもアジアのベネズエラになったかもなと思わなくもないし。投機が駄目とは言いませんが…。民族主義に火をつけて歩いてるのが誰かはわかりませんけど。カチン州はイギリスの植民地時代のインドでしたね。押しつけがましく度々訪れましてご迷惑おかけしました。

https://myanmar-express.com/interview/satouseiichiyou/

https://poste-mm.com/dailyinfo/20190829-817

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM16BFR0W1A310C2000000/

 ミャンマーに平和維持軍を入れるというのは、安保理以前に民主主義陣営ですらまとまる可能性が低いですよね。ミャンマーは立派に「民主主義国」を言いながら、スーチー政権にしろ、ミャンマー国民(70%のビルマ族)は自国のロヒンギャへの国軍の虐殺行為をほぼ支持していたからで、これは今まさに国際司法の場で争われている最中です。

また、デモ参加者たちは「国軍は中国に国を売り渡す」としていて、中国大使館前での抗議デモや不買運動をし、国軍に影で協力していると見られる中国系の工場を焼き討ちしたりしています。
しかし一帯一路が進行するなかで、スーチーは主要な港湾に中国海軍の駐留を認める方針を打ち出し、それを阻止したのが国軍です。その国軍を支持しているように見えるのは自国の天然ガスパイプラインなどのインフラを維持したい中国です。しかし、ミャンマーでの中共の浸潤を警戒するインド軍はさらに強い国軍支持とみられ、近年はインドからの武器購入の方が多く、潜水艦の無償供与まで受けています。

元内調の藤和彦氏は国軍のクーデターの原因を「NLDが中共と近すぎるため、これを警戒した」事を一因としています。かつ、民主派の活動資金にはソロスの財団資金が入り込んでいて、中央銀行の調査中です。スーチーのミャンマーも民主主義ではなく、国軍の力の源泉である経済既得権を排するとしても、次に控えるのはさらに薄汚い資本です。

民主派は敵対していたハズの中国製の武器で武装した少数民族軍複数と結託するそうです。このような民主派は果たして内戦志向で、これをして「ミャンマー民衆」と言えるのかどうか、かなり疑問です。

このような場合、日本がやれる貢献は他にもあると思います。
内戦、あるいは中・印代理戦争にまで発展する懸念を考慮し、ミャンマーからの避難民をタイや他の隣国に受け入れてもらう手はずを整える事をすべきです。

もともと武闘派の少数民族がいくつもある。
だとしても国軍のカレン族空爆に正義は無い。
かといってスー・チー氏が善というわけでもない。
というか武闘派少数民族組織にデモ隊と共に戦えと呼び掛けているスー・チー氏側にも正義は無い。
デモ隊からも距離を置いて静観する仏僧たちに反感を持つ民衆も現れているという。
制裁を課す側があり、支援してやる側がある。
良くも悪くも中露のお陰で国連はどうせ何もできない、とミャンマー国軍は思っているはず。
より普遍性が高い価値観を説きながら、ミャンマー内戦の止めようは無いのかもと考えつつ何かをやる日米欧。

> 元内調の藤和彦氏は国軍のクーデターの原因を「NLDが中共と近すぎるため、これを警戒した」事を一因としています。

 どうでしょうか? 分からないことが多いですね。

 軍部が中国共産党と通じているのか、スーチー女史がそうなのか分かりません。 今後の軍部の動きがどうなるかで、未来は推定できそう。
民衆のデモ弾圧は中国共産党のやり方に似ている。

名無しさん、HNは必須です。宜しくお願いします。
さて山路氏も書いているようにミャンマーの国情は複雑怪奇です。
少数民族まで視野を延ばすと、もつれあった糸が更にもつれます。
少数民族が使っているのは中国製の武器で、それを弾圧し続けた軍部も使っているのは中国製の武器です。
つまりどちらにも中国の糸はついているわけです。

私も過去ログで何回かふれましたが、当初の見立てでは「中国に接近しすぎたスーチーを軍が押しとどめようとしてクーデターを起こした」というものでした。
これは読んでいませんが、藤氏の見方とほぼ一緒で、日本の保守論客でも高山氏などはかつてから、国軍に同情的でした。

しかしこの虐殺のとめどない進行を受けて、私はこのようなミャンマーの国情をいったん忘れることにしました。
ここに拘泥すると、結局はスーチーを支持するか、国軍を支持するかという〇〇味のカレーとカレー味の〇〇のどちらかを選べといういわゆる究極の選択になるからです。

私たち外国人にそんなことを選ぶ資格はないし、その必要もありません。スーチーが中国の利益に沿っていようとなかろうと、港をどうしようとパイプラインをどうしようと、とりあえずは置くことにします。
そのようなことは、虐殺が停止された後に考えればいいのです。

この記事でも強調したつもりでしたが、いますべきはどちらかの陣営の支持ではなく、「虐殺の即時停止」です。
これ以外、現況で言うべきではないからです。
ですから私の主張は大変にシンプルとなりました。
マグネツキー法に従って虐殺者である軍部を制裁し、更に人道的介入をすべきだ、と私は思います。

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