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2021年3月19日 (金)

米国、2+2で北朝鮮の人権を取り上げる

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流れなので、米韓2+2について続報します。
ブリンケン国務長官と鄭義溶韓国外交部長官の会談内容を米国側がアップしています。
Secretary Blinken’s Meeting with Republic of Korea Foreign Minister Chung
実に退屈な内容で、訪韓する必要があったのかさえ疑わしいものですが、私の退屈さをご理解いただくために載せておきましょう。

本日ソウルで、アントニー・J・ブリンケン国務長官が大韓民国(韓国)のチョン・イヨン外相と会談した。 ブリンケン長官とチョン外相は、米韓同盟は、世界および世界太平洋における平和、安全、繁栄の要であることを再確認し、幅広い世界問題に関する協力について議論した。
長官と外相は、北朝鮮の核・弾道ミサイル問題が同盟の優先事項であることを強調し、これらの問題に取り組み、解決するという共通のコミットメントを再確認した。
彼らは、米国の現在進行中の北朝鮮の政策の見直しについて議論し、同盟を強化し、武力行使に対して防衛し、アメリカ、韓国、同盟国を安全に保つという我々の共通のコミットメントを強調した。
また、自由で開かれた環太平洋を確保する上で、米国、日本、大韓民国間の三国間協力の重要性を確認した。 長官と外務大臣は、朝鮮半島に関するすべての問題について緊密に調整し、COVID-19に取り組み、民主的に選ばれた政府の回復をビルマ軍に迫り、気候危機と戦うことを約束した。

これを読むかぎり内容は限りなくありません。
「北朝鮮の核・弾道ミサイルが米韓同盟の優先事項だ」と言っていますが、そんなことはあたりまえです。
ただ韓国がネグってきただけのこと。

また国防長官との会談では戦時統制権の協議の進展がでたようですが、いつまでやってんでっかぁというお題にすぎません。
ちょっと説明しておきますか。
2006年のオバマと廬武鉉の間の移管交渉で、現在は「米韓合同司令部」が指揮権を持っていて、韓国側は司令官を韓国にするように求め、米国はそれを容認しました。
しかしそれはかんこくがうるさいので顔をたてただけのことで、この米韓合同司令部の指揮権は国連軍が握っています。
そして国連軍の司令官は米国なのです(笑)。

これをムン政権は正しく国民に知らせずまるで米軍が韓国司令官の指揮下になったように伝えてしまいました。
米国もしたたかで、それをあえて訂正せずに放置して、今回「平和な条件になったら移管計画を進める」なんてシラっと言っているわけです。 

まぁそもそもの話、戦時統制権返還要求も常時米軍の監視下に置かれているために意のままに動かせません。
必ず米国人司令官の了承が必要だからです。
これでは韓国軍は大統領の意のまになりません。
ちなみに特殊部隊と海兵隊は別系統で大統領の直接の指揮下にありますから、なにかうちの国に悪さ仕掛けたいならこれを使うでしょう。

それはさておきムン閣下は大統領になる前から米軍は統一の敵だと言ってきた人です。
北朝鮮も朝鮮半島から米軍を追い出せと言い続けていますから、南北で米軍は目の上のたんこぶなのです。
そこに北朝鮮の核武装化が国際社会で問題となって国連制裁までかけられてしまったわけです。
とうぜんムン政権は一貫して国連制裁破りしまくったのは知ってのとおりです。

米国は当然この韓国の背信行為を熟知しています。
したうえで「指揮権移管」がどーしたの、「新たな同盟強化」がどうじゃらと無意味な会話をしているというわけです。

今回はその白々しい芝居のうえに、「自由で開かれた環太平洋を確保するうえで日米韓の三カ国協力が重要」と言っているのを韓国も「確認した」と公表していますから、思わず私は失笑してしまいました。わきゃないっしょ。
隣国の核武装にたいしても協力した国が、クアッドなんていう高等なことに参加できるはずもありません。

私としては、こんな裏切り常習者に入ってほしくもありません。
日本人ならわかっていますが、事実上、日米韓国の三カ国連携は形骸化して久しいわけで、連携どころかいまや公然と日本を仮想敵国として想定していると見られています。

北朝鮮相手なら空母も戦略原潜もF35も要りませんし、中国には従属してしまっている以上、その矛先は日本だけですからね。
三カ国連携としてはGSOMIAだけが残っているにすぎず、それすらいつでも韓国は廃棄できるのだと公言しているしまつですから、素直に韓国が「三カ国連携の重要性を確認」するはずがありません。

そもそもクアッドに米国が重心をシフトしたのも、韓国が信用できなかったから前線を朝鮮半島から太平洋・インド洋に再構築したという側面もあるのです。
北に対しての三カ国連携ひとつできない韓国にクアッドという中国包囲網に加われるはずもありません。
そんなことをすればチャイナの怒りにふれて、THAADでのロッテのようなことになります。

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韓米外相「北朝鮮核は重大問題」 米長官は北の人権問題批判 | 聯合ニュース

ただひとつ興味深いのは、ブリンケンが北朝鮮・ビルマ・北朝鮮の人権問題を取り上げたことです。
さぞかし、今の今まで北朝鮮の人権に知らんぷりしてきたムン閣下にとって煙たかったことでしょう。
なんと返事したのか知りたいくらいですが、人権一般として仏像となって聞き流したのでしょうか。

「韓国政府が事実上沈黙、あるいは顔を背けてきた中国と北朝鮮の人権問題が今回具体的に取り上げられたことも、韓国政府にとっては頭が痛い部分だ」
(韓国聯合3月18日)

人権問題についてはブリンケンはかなりはっきり言っています。
外相会談前の記者会見の場で、中国の香港問題、ウイグル、チベットの人権、台湾圧迫、そして南シナ海での国際法違反などについて言及して、明確に中国の人権侵害非難しています。
これもさぞ耳が痛かったことと苦笑しますが、さらに突っ込んで北朝鮮についても「国民への虐待」があると述べています。
韓国が内心最大の友好国だと思っている中国と北朝鮮についての非難を求められたのですから、さぁどうします、「外交の天才」さん。
もちろんブリンケンはムン政権の行状を知らなくて言っているわけではないのですから、これはいつまでも二枚舌外交をしているなよ、という優しい警告です。

これを見ると、どうやらブリンケンは建前と理詰めで説いていく教師タイプのように見えます。
北朝鮮の核や中国に対する対応について、「このバカヤロー、駐留経費大幅値上げだ、さぁどっちを選ぶかはっきりしろぉ」と迫ったバクチ打ちの親分のようなトランプとは対極的です。
ブリンケンが国務副長官をしていた頃の大統領だったオバマもそうでしたが、民主党政権にはどうもこういう教師タイプが集まる傾向があります。

この一見マイルドなブリンケン・オースチンに対して、韓国は微妙な対応をしたようようです。

「米国は防衛費分担金問題の妥結を通じ、韓国に「同盟関係の復元」を大義名分として与え、その請求書として「対中けん制」と「韓米日協力関係の復元」を同時に要求してきたのだ。(略)
韓国国防部の関係者もこの日、ロイド・オースチン国防長官と徐旭(ソ・ウク)国防長官との会談について「(オースチン長官は韓米連合訓練などについて)われわれが聞き慣れた非常にマイルドなトーンで語った」と伝え、また今後の韓米連合訓練の拡大については「そのような話題は出なかった」と明らかにした」(韓国聯合3月18日)

なるほど分担金で韓国に妥協してみせ、「同盟の復元」を掲げられると、韓国としても確かにノーとは言いにくくなるのは確かでしょうね。
その上に、韓国に来る前に日本では中国を名指ししてクアッドを確認していますから、いっそう韓国の選択する余地は少なかったとはいえます。
米国のブリンケン・オースチンのコンビは「聞き慣れた非常にマイルドなトーンで語った」そうですから、よく言って上げれば紳士的な、悪く言えば日なた水のようなものだったようです。

ただこういうふうにブリンケンが詰めてくるのが見えてきた以上、うっかりムン政権が地金を出して、ニッポンが反省しないからぁ三カ国連携なんかやんないんだーい、なんて中学坊主のようなことを言えば、優しかった先生がいきなり廊下に立たせるのかも知れませんがね。
というわけで、ブリンケンの人となりが見えてきた今回の2+2でした。

ちなみに元慰安婦の抱きつきショーは晩餐会自体がなかったので、できなかったようです。ちょっと残念。

 

 

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コメント

 李容洙おばあさん がICJ付託のために、今度はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか? 怖いもの見たさで、ちょっとワクワク楽しみにしてましたが不発でしたね。(笑)

総じて日米の会談とは違って中国への名指し非難もなく、北核についても「重要な感心」にとどまる肩透かしぶりでした。
ですが、次の米中アラスカ会談では、ヒラリーが「最高の紳士」と呼んだ楊 潔篪 (ようけっち)が仮面を脱いで焦りまくっていたのが印象的で、米中親和こそが課題の中共メンツ丸つぶれの事態が発生しました。
このアラスカ訪問こそがブリンケンの日韓訪問総仕上げともいうべき目的だったので、その意味で韓国とは原則論の確認だけで十分だったのだと思います。

しかし私は、困窮する中国に塩を送るべく、この辺りで二階が経済界などの手下をつれて、またぞろ訪中団でも画策しているんじゃないか?と心配してます。

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