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2021年4月

2021年4月14日 (水)

細野豪志の証言 その2

2021年4月13日 (火)

細野豪志の証言 その1

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福島第1原発事故の真摯な総括が出ました。
あの半狂乱に陥った首相に率いられた
官邸スタッフの中でほぼ唯一正気だったのは、当時首相補佐官(後原子力事故担当大臣)だった細野豪志でした。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-15e5.html

船橋洋一『メルトダウン・カウントダウン』 には、細野が対策統合本部事務局長として、混乱を極めた官邸内で専門家を中心とするチームを作ろうと奮闘している様が描かれています。

当時の官邸は、平時からキレ易い体質のカンが、3日間も寝ないで荒れ狂っており、「オレの言うことに答えればいいんだ」と絶叫する暗愚の独裁者と化していました。
政権側にいたのが、枝野官房長官、海江田経産大臣、そして細野補佐官でした
専門家といえるのは東電の代表としてて送り込まれていた武黒一郎フェローと斑目春樹原子力安全委員会委員長でしたが、彼らはカンの怒号に押しつぶされ、専門家としてなすべきことを放棄したばかりか、武黒などはカンの注水停止「命令」まで吉田所長に強要する有り様でした。
果ては、カンは学生時代のゲバ仲間を官邸に招集し、なんの専門性もない彼らに内閣参与の肩書まで与えて事故対応の「助言」をさせていたのですから、なんともかとも。
※関連記事『福島事故 「素人政治家」に屈伏した原子力テクノクラートたち』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-5977-2.html

この状況に抗して、独断で原子力事故の専門家による「助言チーム」を作ろうとしたのが細野でした。
彼は、近藤駿介原子力委員会委員長にこの助言チームのリーダーを依頼します。
 
近藤は、原子炉の確率論的安全評価の第一人者であり、この時期、海を隔てて同じく福島事故どのような対応するべきか苦慮していた米国原子力規制委員会(NSC)トップとも人的ネットワークを持っていました。  
この官邸側近藤氏と、現場の吉田所長らの働きによって、なんとか事故は収束に向かったわけですが、ほんとうに薄氷の危機とはまさにこの時期のことでした。

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このように細野について私は影の功労者といってよい人物だと評価していました。
しかしその後、その当の細野が野田政権で環境大臣だった当時、1ミリシーベルトという極端に低い規制値を設定したために、過剰な除染作業によって帰還が大幅に遅れる原因を作り出しました。

このあたりの矛盾した内情をぜひ細野から聞きたいものだとかねがね思っていたところ、福島現地から鋭い報告を送り続けた社会学者の開沼博氏との共著で一冊の本を出しました。
タイトルに「自己調査報告書」とあるように、他者への批判ではなく自らの犯した過ちについて率直に書かれています。

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『東電福島原発事故 自己調査報告書』(徳間書店)

この本に合わせて、細野はニューズウィーク(2021年3月11日)のロングインタビューにも答えています。
※『3月11日で東日本大震災と福島第一原発事故から10年。当時、民主党政権の担当相として、最前線で事故処理・対応に当たった細野豪志衆院議員が語る反省と課題と希望』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/03/10-127.php

冒頭彼は、いわゆる政治家本にはしない、と断ったうえで、「私は歴史法廷で、罪を自白する覚悟をもって本書を書いた」としています。

「細野:震災から10年なので、記憶の風化を考えるとここがラストチャンスと思ったんです。2012年に原発事故直後の対応については政府・国会・民間と3つの事故調査報告書が出ていますが、2011年から12年にかけての政策決定の検証は十分には行われていない。その中で、明確にいくつか検証されるべきこと、改善すべき問題があると思っていました。それを書きたかった」(NW前掲)

私はこのような証言を待っていました。
カンや斑目のような人外魔境の自己弁護は論外として、船橋氏や門田氏の優れたドキュメントを除き、当時事故対応に当たった側の記録は欠落したままです。
わずかに各種事故調に残されていますが、一種の黙契でもあるかのようにな口裏合わせじみた証言が見られるに止まっています。
このような粘ついた空気の中で、「歴史の証言台に立って罪を自白する」と語り始めた細野に拍手します。

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第1回】政治家に訊く:細野豪志 | 政治家に訊く

ではなぜ、1ミリシーベルト除染や甲状腺検査などの過剰な対応が生まれたのでしょうか。
それはゼロリスクに縛られていたためだ、と細野は言います。

「細野:そこはまさに一致する。ゼロリスクを求めたことの問題点です。あと、およそ科学的に分かっていることについて、言葉を濁すことの弊害。まさにワクチンがそうです。ワクチンを打つことが個人にとっても、社会にとっても必要だと言うこと。みなさんが打つ、打たないは自由と言わない方がいい。打ってくださいときちんと言うべき。
そのうえで、リスクとベネフィットを説明する。打たないことで、違うリスクが出ることの説明をすべき。
そこが十分やりきれなかった反省が、処理水や食品の安全基準の問題でした。のち甲状腺検査が問題になった時も、リスクをどう考えるかということが非常に影響した。今につながる問題です」(NW前掲)

事故後福島に対して政府がとった過剰な対応は、当時の世相に色濃くあったゼロリスク信仰におもねるものでした。
元来は運動家たちの大きな声でしかなかったものを、メディアがことさらに取り上げて増幅し、まるで国民が皆揃って不安だというような脚色を施して「民意」としてしまいました。
政府は科学的ファクトを伝えずになぜか口ごもり、行政責任者にも小池知事のように「安全だが安心ではない」ということを平気で言い出す者も現れてきます。
とどのつまり、政府はたとえば今回の海洋放出も満タンになるまで問題解決を先送りにするような迎合的対応を続けてきてしまいました。

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2021年4月12日 (月)

日本の「核のごみ」、カナダで受け入れ構想浮上?

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実現するかどうかわかりませんが、ひとつの可能性として核廃棄物の最終処分地の候補が登場しました。
それもなんとカナダです。

「カナダで日本からの高濃度放射性廃棄物(核のごみ)を受け入れる計画が検討されていたことが、複数のカナダメディアの報道で4日までに明らかになった。ラジオ・カナダが入手した2019~20年の電子メールで、カナダのクレティエン元首相から日本の原子力産業関係者に打診があったという。カナダ政府や日本政府の関与は明らかになっていない。
公共放送CBCによると、クレティエン氏は19年夏、日本の大手広告代理店幹部に宛てた書簡で、日本など他国の核廃棄物をカナダ北東部ニューファンドランド・ラブラドル州の処理施設で保管することへの協力を申し出た。打診を受け20年4月にカナダで予定されていた会合は新型コロナウイルスの感染拡大で見送られたが、元米政府原子力顧問のティム・フレイジャー氏やカナダの企業経営者、日本の原子力産業や広告業界の幹部が出席する予定だったという。
1993~03年に首相を務めたクレティエン氏はラジオ・カナダの1日公開のインタビューで「カナダは原子力発電に使われるウランを売ってお金を稼いできた。買った国が直面する核廃棄物の処理を助ける責任がある」と述べた。自身の所属する法律事務所が計画に関わるメンバーを法律面で支援しているとも明らかにした。
ただ、実現の可能性は不透明だ。ニューファンドランド・ラブラドル州のフューリー州首相は「州政府内で正式に議論されたことはなく、検討の余地はゼロだ」と否定した。20年夏にクレティエン氏から構想を聞かされたが、拒否したという」(日経2021年4月5日)

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 カナダのクレティエン元首相

うーん、ぜんぜん決まった話じゃないのね。まだ処分施設もできていません。
元首相のクレティエン氏が所属する法律事務所が、カナダのラブラドル州の楯状地ある最終処分場場に日本の核廃棄物を受け入れる「法律的支援」をする用意があるということのようです。 

「処分場建設の構想があるのは北大西洋に面したニューファンドランド・ラブラドル州で、米エネルギー省の元高官やカナダの企業家が加わっている。クレティエン氏は19年夏に別の日本側の関係者にあてた書簡で「地層処分構想を進めるためにカナダ(政府)や州、パートナー国での議論を調整し、そこに参加するつもりだ」として会合に招待。日本側は「情報が漏れないよう最大限の注意を払う必要がある」とした上で「個人として参加する」と返信したという」(毎日4月4日)

この「日本側」の原子力関係者や大手広告代理店(たぶん電通)は、カナダ側と接触しつつも「秘密にしてくれ」という状況のようです。
このやりとりのメールが漏洩してしまい、地元の州政府も反対を言い出してしまっては、この時点で話は座礁。

日本政府はこれについて消極的な対応をしています。

「梶山弘志経済産業相は6日の記者会見で、核のごみは国際原則に基づき国内で処分を進めると説明した上で「(構想に)政府は関与していない」と強調した」(日経4月7日)

「加官房長官は5日の記者会見で、日本の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)をカナダで受け入れる計画が検討されていたとする同国メディアの報道に関し、「政府として使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の海外での処分を検討している事実は全くない」と述べた。
 加藤氏は「核のごみ」をめぐる日本の対応について「発生した国で処分されることを原則とする放射性廃棄物等安全条約に基づき国内で処分地を探す努力を積み重ねている」と説明した」(日経4月5日)

まぁ、なににつけても慎重な菅政権らしくあっさりと断っています。
加藤さん、ウィグル問題でも人権で制裁する法律はないなんて平気で言っていましたが、ここでもまたしても前例踏襲ですか。
あっさりと否定しないで、実現は難しいのは百も承知のうえで、話だけでも繋いでおけばよいものを。
こういう断り方をすると、もう後はないですよ。
言ってくれている相手が、怪しげな人物ではなくカナダ元首相ですからね。

安定陸塊

一方日本において1万年単位で安定している地層を探すのは容易ではありません。
それは環太平洋造山帯に日本列島は位置しているからです。
上図の緑色の地帯がもっとも安定している地盤なら、下図の赤色はもっとも不安定な地帯です。

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太平洋を取り囲む「環太平洋造山帯」


環太平洋造山帯は、太平洋の周囲を取り巻く火山帯のことで、日本列島も含め火山列島や火山群の総称である。環太平洋火山帯には世界の活火山の約6割があり、大・小スンダ列島インドネシア)と西インド諸島カリブ諸島)を含めた広義の環太平洋火山帯では世界の8割近くの火山を擁している」(ウィキ)

日本列島は三つのプレートが集合する世界でも稀な不安定な地層の上に浮いています。
この中に10万年単位の最終処分地を見つけだすのが困難なのは子供でもわかります。
だから今候補に出てきている北海道だけではなく、広く世界に目を向けないとこのままズルズルと先送りするだけとなってしまいます。

ところで、処理済水の海洋放出も同じですが、これは廃炉問題と深く関わっています。
立憲民主などは、安易に海洋放出をヤメロと叫んでいますが、では廃炉作業は止めていいのかという二択の問題なのです。
東電が悪いのだから潰してしまえなどと言うひとがかつてはワラワラいましたが、そんなまねをしたら廃炉事業の主体と費用負担の先行きが見えなくなります。
電力会社の経営が安定して余裕があるからこそ、廃炉にできるのであって、そのためには原発を今は動かして資源コストを下げるしかないというパラドックスが、運動家にはどうも理解できないようです。 

また、もうひとつの大きな問題があります。
それは原発が、火力などと違って使用前の核燃料と、使用済み核燃料の二種類の核燃料を常に抱えていることです。

2011062303福島第1の使用済み燃料プール。

すべての原発の原子炉に、これと同じものがあり、約2万8千トンもの使用済み燃料が存在している。これは再稼働とは関係なく、残り続ける

すべての原発の原子炉に上の写真と同じ使用済み燃料が存在しています。
これは再稼働うんぬんとは無関係で、稼働用の未使用核燃料とは別のものです。
この使用済み燃料プールには全国で約2万8千トンに及ぶ核廃棄物が残ったままになっています。

この使用済み燃料もまた使用済み燃料プールに入れて、常に冷却しておく必要があります。
再稼働を止めたとしてもこの使用済み燃料は残り続けるのであって、これを忘れた再稼働停止や原発ゼロ論は机上の空論にすぎません。
反原発派は、ただ最終処分地がないことを無責任に批判の材料にするのではなく、持論の原発ゼロを実現するためにもそれが必要だと考えるべきです。

さて使用済み核燃料の処理方法は、ふたとおりあります。  
ひとつは、再処理することです。 
政府はこの方法を最も有望だと考えていました。

これは青森六ヶ所村の再処理工場で、ウラン酸化物+ウラン・プルトニウム混合酸化物と、高レベル核廃棄物の二つに分離して、後者のプルトニウムを除去した核廃棄物を300メートル地下の地層処分します。  

Photo                   六ヶ所村再処理工場

この再処理工場の最大の利点は使用済み廃棄物から、もっともやっかいなプルトニウムを取り出すことができることです。
これをリサイクルしてMOX原子炉で使います。  

MOX燃料(モックス)とはこのようなものです。

「混合酸化物燃料の略称であり、原子炉使用済み核燃料中に1%程度含まれるプルトニウム再処理により取り出し、二酸化プルトニウム(PuO2)と二酸化ウラン(UO2)とを混ぜてプルトニウム濃度を4~9%に高めたものである。
主として高速増殖炉の燃料に用いられるが、既存の軽水炉燃料ペレットと同一の形状に加工し、核設計を行ったうえで適正な位置に配置することにより、軽水炉のウラン燃料の代替として用いることができる。これをプルサーマル利用と呼ぶ」(Wikipedia) 

Mox
プルトニウムは、半減期がもっとも長く実に2万4千年もありるために、これをどう処理するかが最終処分の肝になるわけです。
このプルトニウムをリサイクルすることで、核廃棄物の体積は3分の1に圧縮できます。
今この再処理工場はさまざまな問題に直面していますが、たぶんこれを動かさない限り問題解決には近づかないと思われます。 

再処理ができなかった場合の次善の策としてあったのが、そのままプルトニウム+ウランごと埋却してしまうという方法です。 
再処理工程を省いて、プルトニウム+ウラン入り核廃棄物を、そのままキャスクという特殊なドラム缶に入れて埋めてしまいます。 

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この直接埋却方法は日本列島においてはそうとうに難しいと思います。
その理由は無人島に埋めればいいというような近視眼的なことではなく、列島の地盤が前述したように世界で最も不安定だからです。
だから、海外埋却まで視野に入れても損はないと思います。

 

2021年4月11日 (日)

日曜写真館 菜の花といふ平凡を愛しけり

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花菜ほの~香を吐いて白みそめし風 種田山頭火

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瞑れば菜の花色に安房の空 石塚友二

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ふところの菜の花雛はしぼみけり  三橋鷹女

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菜の花 なのはな 街から来た子に翼生えて 伊丹三樹彦

 

2021年4月10日 (土)

全漁連は処理水の海洋放出に「反対」していない

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菅総理が全漁連岸会長と会談をおこなったそうです。
菅氏がなにを言うかは決まりきっていますから、今さらなにか目新しいことを合意するという場ではありませんでした。
もうすでに政府の結論は動かす余地がなく、漁民団体の声も聞きましたよ、という儀式です。

「岸氏によると、菅首相からは「処理水の処分は避けて通れない。海洋放出がより現実的という有識者による政府小委員会の報告書を踏まえ、政府の方針を決定したい」と、汚染処理水の処分に理解を求められた。これに対し、岸氏は放出反対の姿勢を崩さなかったものの、海洋放出を前提にする場合は国民への丁寧な説明や風評被害の対策をすることなど五つの要望をした」(毎日4月7日)

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全漁連は反対だとしたうえで、「国民への丁寧な説明と風評被害対策」を求めています。
ここで注意していただきたいのは、メディアは「反対」の部分だけ切り取っていますが、全漁連は運動家と違って、海洋放出そのものに反対とは言っていないことです。
あくまでも、「風評被害を出すから反対だ」、といっているにすぎません。
これをメディアは「全漁連は反対した」と短絡して伝えます。
このニュアンスの違いを伝えないから、メディアはダメなのです。

確かに岸会長は「一貫して反対してきた」とは言っていますが、それは風評被害が起きることに対しての懸念からでした。
しかしあくまでも漁民の怒りは風評被害に向けられているのであって、事故の処理作業に向けられているのではありません。
ここで処理水問題を解決しないと、廃炉作業が止まってしまうえないことも、時間がないことも理解しています。
にもかかわらずあえて「反対」といわざるをえないのは、やすやすと賛成するとまた風評被害が再発する可能性があるからです。

これは10年前の福島事故による深刻な風評被害を受けた者なら、すぐに理解できることです。
私もそのひとりでしたから、理屈ではなく感覚でわかります。
全漁連が生産者の代表として恐れていることは、メディアが報じるような「放射性物質の海洋放出」そのものではなく、それを当のメディアが面白おかしく報じることによる二次的被害、すなわち風評被害なのです。

全漁連は、というより地元漁民は「放射性物質の海洋放出」について、福島県民の多くがそうであるように、そこらの記者などおよびもつかぬほど熟知しています。
福島の農民は、自分の農地に降った放射性物質と実に10年間もの間戦って、そこから収穫されるコメについては全袋検査という、世界の誰もがなしえなかった努力をしてきました。
漁民は一匹一匹を計測する作業をどれほど積み重ねてきたことか。
そして子供たち全員も、なんどとなく計測され、ガン検診を受けてきました。

その過程で、生産者たちはしっかりした実践的放射能の知識を身につけました。
まさに我が身を突き刺すような思いで学んだのです。
そこらのジャーナリストがお手軽に本を読んで訳知りになったのとはわけが違う。

だから言えるのです、もう放射能による直接の脅威の時期は終わった、と。
「フクシマ」には人は住めない、食べたら死ぬぞ、などと言ったら、精神が病んでいると言われます。
風評被害は消滅し、フクシマの農産物や水産物はまったく平常に流通し、食卓に上がっています。

だから、寝た子を起こすなというのが漁民たちの声です。
もう福島を放射能がらみで思い出さないでくれ、もう「フクシマ」と呼ぶなというのが住民たちの偽らざる声です。
自分たちは普通に生きて、普通にそこで生産を営んでいる者にすぎないのだから。

では、誰が風評被害を煽ったのでしょうか。
犯人はひとりに絞ることができます。それが「煽り産業」であるメディアです。
メディアがまるでハルマゲドンでもきたかのように騒ぎ立て、被災者に涙するふりをして商売にしたからです。
煽れば視聴率が取れる、部数が伸びるから煽ったのです。
そのメディアの煽りを100倍にして運動にしてしまったのが反原発運動家たちです。

今回のコロナ危機でも感じましたが、メディアは煽りを商売にするはいいかげん止めたほうがいい。
危機を焚きつけて不安材料をこれでもかと投下し、それでほんとうに国民が不安に陥れば「国民はこんなに不安なのだ。政府は無能だ」と国民の代表づらをして政府を叩きます。
これに野党や運動団体が乗って、お祭りになってしまう、これが「フクシマ」を作った構図でした。

彼らには終りというものがありません。
いつまでもどこまでも飽きることなく商売するためには、「フクシマ」は被曝地であり続け、農産物や水産物は放射能で汚染され続けていなければならないのです。
そしてこのような不安商売が拡がれば拡がるほど、風評被害は増幅していき地元住民を傷つけ続けるのです。
そして風評被害が起きれば起きたで、そらみたことか海洋放出が原因だと騒ぐわけです。
自分で不安を作り出して、火のないところを火事にして商売にする放火愛好者たち、それがメディアです。

これは平穏な生活と生産こそが願いの漁民の立場とはまったく違います。
漁民はこんな騒ぎは早く終わって欲しいと願っているから、放出そのものがやむをえないことを充分に理解しつつ、その処理水の扱いには充分に風評被害対策をして欲しいと言っているだけです。
要は、全漁連は政府が海洋放出するならば、責任をもってマスコミ対策しろといっているのですよ。
 

 

 

2021年4月 9日 (金)

ムン閣下、お腹を召すお支度を

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ご落城でございます、ムン閣下、お腹を召すお支度を。
負けも負けたり、首都ソウルと第2の都市プサンの市長選で惨敗です。
まずは、この間完全にムン閣下を見離した感がある中央日報からいきましょうか。

「青瓦台内部的では選挙敗北自体より予想よりも大きな得票率の差に衝撃を受けた様子だ。与党の核心関係者はこの日、中央日報の電話取材に対して「ソウルでこのような票差で負けたのは、2007年大統領選挙以上の完敗」とし「事実上、文大統領は与党の圧倒的議席(174議席)と関係なく野党が反対することを強行しにくい環境に直面することになった」と話した」(中央日報4月8日)
https://japanese.joins.com/JArticle/277415

ま、そうでしょうな。今回の2市長選は来年に迫った大統領選のいわば前哨戦的性格でしたから、負けるにしてもその「負け方」が注目されていました。
それを負けるに負けたり、グーの音も出ない負け方です。
いままで左翼陣営が強かったソウルで1.5倍、元々保守の地盤だったプサンでは2倍近い得票差での敗北です。
「共に民主党」執行部は共に総辞職だそうです。

●ソウル得票率  野党「国民の力」候補      ・・・57.5%
・                  与党「共に民主党」候補    ・・・39.2%
・ポイント差                                       ・・・18.3%ポイント(約1.5倍)
・ソウル投票率                                   ・・・58.2%
●プサン得票率 野党「国民の力」候補       ・・・62.7%
与党「共に民主党」                             ・・・34.4%
・ポイント差                                      ・・・ダブルスコア弱
・プサン投票率                                 ・・・52.7%

両市長選は、前任市長の辞任に伴う補選ですが、本選並の得票率ですから、いかに国民の関心が高かったかわかります。
もちろん高い理由は、単なる市長選びではなく大統領の信任投票だったからです。
ムン閣下は案外選挙に強く、いままで連戦連勝。去年のコロナの下の選挙すら「K防疫」で大勝しています。
支持率は、たしかいまでも32%くらいあったんじゃなかったかな。
あれだけムチャクチャして、そのすべてに失敗しているのに信じがたい高支持率です。

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news.livedoor.com

これだけ大きな経済停滞を招いて失業者の山を築き、外交的には日本と断交寸前になり、米国からは愛想づかしされ、北朝鮮からは相手にもされず今や馬鹿呼ばわり、おまけに不動産価格の高騰でただでさえ国民を怒らせているところに、韓国土地住宅公社職員による土地投機地雷がチュドンと爆発。
まぁえてして政権末期というのは、内外の膿がそこかしこで吹き出して手におえなくなった時に、よりによって政権の脇腹を刺すスキャンダルが火を吹くもんなのです。

ムン閣下に飽き飽きしたガソリンを充満させているところに、スキャンダルの火を投下すれば、そりゃ大爆発します。
一度こういう潰走モードに入るとムン閣下、待ち構えているのはレームダックなんて生優しいもんじゃありません。
文字通り崖っぷち。

次の大統領選で「共に民主党」候補が勝てなければ、ムン閣下の政治の師のノ・ムヒョン閣下のように、ほんとうに崖から飛び下りねばならないことになってしまいます。
さもなくば、前任者のパククネのように、一生牢獄につながれて獄死する運命が待ち構えています。
パククネを好きなはずがありませんが、それにしても彼女に降りかかったムン政権の冷酷な仕打ちは度はずれています。

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裁判を受けるパククネ やつれたなぁ。

実刑24年、罰金18億円!この歳ですから、終身刑ということです。
このように負けた大統領は全員揃って地獄行き。こういうオットロシイ国なのです、韓国は。

さて今回の選挙は市長候補そのものよりまるで大統領選びでした。
たとえば「共に民主党」のソウル市長候補のパク・ヨンソンは、初めは自分のことを「中央政府と意思疎通できる」と、ムン閣下とのパイプが太いことを自慢していました。
なんせ当初は、恐れも知らず「韓国はムンジェイン保有国だ」なんて快調に飛ばしていたくらいです。
それにしても「ムンジェイン保有国」ですか、まるでリーサルウェポンですな(笑)。

ここまで持ち上げておきながら、選挙戦がたけなわになるに従って、土地投機問題でのムン閣下の人気の絶不調ぶりにやっと気がつき、今度はムン閣下と距離を開け始めたのですから薄情なもんです。
終盤戦では、ムン閣下の不人気な土地投機問題への批判を始めたりしたようですが、時既に遅し。

韓国では、政権が交代するたびに検察が前政権の不正を摘発し、大統領前職者や、時にはその前までが芋づる式に逮捕され、牢獄に放り込まれてきました。

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朝日

ムン閣下はノムヒョンの大統領室長の時、師が目の前で崖から飛び下り自殺しているのをみていますから、自身が政権につくとやったことは「検察改革」でした。
ただ検事総長の首をすげ替えただけではなく、検察権力を事実上解体してしまったのです。
その「検察改革」の過程で、チュ・ミエ前法務部長官が、政権の不正捜査に乗り出していたユン・ソギョル検事総長を強引な手法で懲戒してしました。

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ユンは韓国には珍しい反骨の士として有名で、パククネ疑惑捜査で有名になり、ムン政権の支持団体である挺対協の不正にメスを入れています。
元挺対協の女ボスであるユン・ミヒャンの、仰天するばかりの不正蓄財が明らかになったのはこの時です。
それにしてもこれだけ慰安婦運動がトンデモだとわかっても、いまでも支持している人が日本にいるのは不思議です。
ユン・ソギョル元検事総長は国民的人気も高く、次期大統領選に出馬すれば勝利する可能性もあります。
しかしユンが政権に牙をむきかねないことを恐れたムン閣下は、「高位公職者犯罪捜査処」という組織を作って、司法を粛清できる体制を整えました。
もちろんその理由は単純明快。すべて「共に民主党」政権が永続するためです。

ところで、今後どうなっていくのでしょうか。
どうなろうと知ったこっちゃないと言うとそれっきりですから少し考えてみます。
どのメディアも一様にレームダック化するだろうなんてあたりまえのことを書いていますが、そんなことはしょせん韓国の国内事情にすぎません。

レームダックになろうとローストダックになろうと、知ったことではありません。問題はわが国にとってどうなるのかです。
より反日的になるだろうと占うメディアが多いことに、かえって驚きました。
わけないでしょう。
ムン政権は慰安婦合意を反故にし、徴用工という日韓基本条約に触れる反日カードまで切っています。
米国絡みでもGSOMIA廃棄を口にすることで米韓同盟を揺るがし、あげくはなにを血迷ったのか自衛隊機にレーダー照射までして軍事緊張を意図的に作り出してしまいました。
そのうえ離米親中親北という、お前どっちの味方なんだということをした張本人が、このムン閣下です。
これらの愚行はひとつの政権でせいぜいひとつくらいやればリッパなんですが、それを反日反米の大安売りをしたのがこの人です。
これ以上なにか積み増しできますかね。

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残るは、イ・ヨンバクのように竹島にでも上陸してブイブイ言いますか。
そんなまねをしても日本はただ馬鹿が吠えているとしか見ないでしょうし、イ・ヨンバクの二番煎じです。
バイデンになって、またもや日韓の歩み寄りを言い出している米国はさぞ怒るでしょうな。

つまりもう韓国の反日カードは種切れなのです。
ムン閣下としては日本がせめて首脳会談くらいしてくれればメンツもたつでしょうが、絶対にしません。
駐日大使すら首相はおろか外務大臣にすらいまだに面会できないわけで、日本のほうから折れて来る可能性はナッシングです。
そもそも一般的に末期政権になにをやっても次の政権で反故にされる可能性が高いので、外国政府は傍観を決め込むのが常識です。
それなのに、なんでいまさら日本政府が今まで煮え湯を飲まされ続けたムン政権になにかしてやらにゃならんのでしょうか。

かといって選挙で惨敗したうえに、ここでムン閣下のほうから日本に折れたら少数派に転落しかかっている「共に民主党」支持層が逃げてしまいます。
かといってもう反日カードも品切れ。
頼みの心の恋人北朝鮮は冷淡な上に、起死回生を目論んだ東京五輪共同出場の夢も消えました。
つまり、もはやムン閣下にはなにもできないのです。

ああ、どうすりゃいいのさ、この私。
ムン閣下の悩みは尽きないのであります。

 

2021年4月 8日 (木)

人為的炭酸ガス主犯説は仮説にすぎない

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炭酸ガスが地球を金星のようにくるんで、温室みたいにしてしまう、というのが温室効果ガス説です。
実際に、金星が分厚いガスにくるまれた惑星であり、内部は高温だということが発見されてから、ではそれは地球にも当てはまるんじゃないかと考え始めたのです。

温暖化効果ガスといっても何種類もありますが、そのうちの主犯と見なされたのが炭酸ガスでした。
ここで問題となるのは、この炭酸ガスの発生原因です。
自然由来なのか、それとも人間社会が生み出した経済活動によるものか、その原因によって対処方法が違うからです。

炭酸ガスは人間活動が作り出したのだとするのが炭酸ガス人為説です。
これがどうしたことか圧倒的に支持されて、いまやどの教科書にも載っているような「定説」となっていることはご承知のとおりです。
今日はこれについて考えてみましょう。

さてCO2が海洋や植物に吸い込まれることを、自然界の緩衝作用といいますが、いったいどのくらいの時間かかって吸い込まれているのかは大事なポイントです。 
というのは、海洋や植物に吸収されるまでに長い時間がかかるのです。
つまり、今この世界にあるCO2は、ただいま現在のものではなく、過去に由来して蓄積しているのです。
この蓄積期間にも説がいろいろとあるようですが、最短で5年間、長いもので200年間という学者もいるそうです。
 

このCO2が自然界に吸収されるまでの期間を、「滞留時間」と呼びますが、これを最短の5年間ととると、モロに人間の活動によるという証明となります。
 一方200年ととると、人間活動との関係が微妙になります。 
というのは工業化のきっかけとなった産業革命が起きたのが18世紀半ばから19世紀だからで、人為説ならばそこから有意な気温上昇がなければならないはずですが、実は19世紀にはテムズような河が凍るような小氷河期が到来しているのです。
また20世紀にも70年代には寒冷期が来ています。
その頃には氷河期がやってくると人類はおびえていたのをもう忘れたようです。

では、5年~15年間の短期滞留期間説を取るとすれば、CO2が気温上昇の疑惑の真犯人扱いですから、思い出されるのが、CO2と気温上昇がパラレルで上昇するという、マイケル・マンのホッケースティック曲線です。 
これは樹木の年輪の感覚から割り出した仮説です。

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これが地球温暖化を説明するのにつごうがいいことから、炭酸ガス主犯説の科学的根拠とされました。
しかしあいにく、このホッケースティック曲線には大きな誤りがありました。
最大の誤りは、上のグラフの右に見える19世紀以前の気温が単調に横ばいですが、現実の観測記録と大きく異なっています。
これでは10C~14Cの中世温暖期は無視され、19世紀の小氷河期もなかったことになってしまいます。

実はそのことはいまやIPCCですら認めているのです。ただし小声で。

「だがIPCCの第5次評価報告書(2013年)の示した過去の温度のグラフでは、中世(1000年前後)の温度は、現在とあまり変わらない高さまで上がっている。
政策決定者向け要約
「北半球では、1983年から2012年の30年間は、過去1400年間で最も暖かかった可能性が高い」「幾つかの地域において、中世気候異常(950年から1250年)の内の数十年間は、20世紀末期と同じぐらい暖かかった(高い確信度)」となる。(略)
ホッケースティック曲線の発表の後、古気候を巡った論争が起きて、結局、IPCCはホッケースティック曲線の使用を止め、最新の第5次評価報告書では北半球において中世の温暖期(今のIPCCの言葉では中世気候異常と呼ばれているけれども)が存在したことが明記されている」(『中世は今ぐらい熱かった:IPCCの最新の知見』杉山大志IPCC第6次評価報告統括代表執筆者)

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上図のIPCC(2007) 第4次評価報告書においてはホッケースティック曲線は消滅しています。
つまり20世紀に入って特異な気温上昇が見られたという説は、科学的信憑性が低いとIPCC自身が認めているということになります。

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また上のグラフは、中世温暖期は地球規模で見ても、中世の温暖期は現在よりも暖かかったとする複数の温度再現研究結果をまとめたものです。
中国においても同様の中世温暖期があったことが記録に残っています。

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また、このホッケースティック曲線が衝撃を与えた20世紀からの極端な気温上昇の中にも、下図のように1940年から1980年まで続いた「寒冷期」が存在します。
そういえば思い出しました。1970年当時の世界の気象学会はどんな警鐘を鳴らしていたのでしょうか。「来る小氷河期に備えよ!」でしたっけね(苦笑)。
そのわずか20年後に真逆ですか、まさに「君子ハ豹変ス」の見本ですな。 

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それはさておき、上の地球の気温変化グラフに、下図のCO2の排出量グラフを 重ねてみましょう。1940年~1980年にかけて、大気中のCO2濃度に低下が見られたのでしょうか、下図をご覧ください。

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 一目瞭然ですね。1940年のCO2排出量は50億トン弱、1980年には180億トン弱、つまり3.6倍になっているにもかかわらず、実際には寒冷期が来ているのです。
これをどのように、CO2の増大が地球の気温上昇につながったと整合性をもって説明するのでしょうか。 

下は極地における氷床ボーリングによる二酸化炭素とメタンの資料ですが、左端の現代と2万3千年前を較べれば同じだとわかります。
さらには1万3千年、3万3千年前にも高い時代がみられます。

The Vostok Ice Core: Temperature, CO2 and CH4
http://euanmearns.com/the-vostok-ice-core-temperature-co2-and-ch4/
 

Vostok_temperature_co2

CO2は20世紀以前にも大量に存在しました。あたりまえです。突然20世紀になって登場したわけでもなんでもありません。
たとえば、日本の古代縄文期、古代ローマ時代、そして中世など、人類がこの地球上に現れてからもなんどとなくその増大をみました。現在のCO2濃度以上の時などザラなほどです。 

ではCO2増大と気温上昇には相関関係があるのでしょうか?そう、確かにあるにはあります。
ただし、一般に流布されているように「CO2増大によって気温上昇が起きた」のではなく、その真逆のプロセスによって、ですが。 

それでは次の図をご覧ください。 

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上図の破線がCO2です。実線が気温です。一見パラレルですが、よく見ると面白いことに気がつきませんか。そうです、CO2の増大は気温上昇した「後」に発現していることが分かります。 
この現象はちょうどサイダーを温めるとブクブクと炭酸の泡が出てくるように、海水面の温度上昇により海水に含まれていたCO2が空気中に放出されるからです。 

現在の気温ですとCO2放出が支配的ですが、0.6℃低下するとCO2濃度の上昇は止まるとの説もあります。 
つけ加えれば、CO2は自然界からも放出されており、人間活動由来なのは、そのうちたかだか3%しかないのです。 
このように考えると、大気中の質量比0.054%にすぎないCO2が、その6倍もの0.330%の質量比をもち、5.3倍の温暖化効果をもつ水蒸気より温暖化効果があるというのは不自然ではないでしょうか。 

なんらかの原因で地球が温暖化した結果、海水温が上昇し膨大な水蒸気が発生し、それに伴ってCO2も放出されたと考えるのが素直だと思われます。 
また、そのCO2排出量のわずか3%ていどしか人間由来でないとすれば、人間活動由来のCO2「こそ」が地球温暖化の主犯であると決めつけるのは、あまりに飛躍がありすぎるように思えます。 

私は人為的炭酸ガスが増大していることは事実だと考えていますし、それが温暖化の一因となっていることも確かだろうと考えています。
また歯止めのない工業化が自然環境を破壊していることも事実だと思っています。
さらに
現在なにかしらの複合的原因で、地球温暖化が進行する時期に当たっていることも事実だとおもいます。
ここまではいわゆる地球環境派と一緒です。

ただしここからがちがうのですが、地球温暖化の原因とおもわれるのは、太陽黒点の変化などたぶん片手の指の数では足りないほど存在します。
そのうち黒点の変化説はこのようなものです。

太陽の黒点の数はガリレオの時代から観測されています。黒点数と地球の気候に相関があることは以前から知られていました。
黒点数はおよそ11年の周期で変動していますが、17世紀のマウンダ―期とよばれている時代にはほとんど黒点がありませんでした。

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太陽黒点数の変動 「気候変動とエネルギー問題」深井有

この時期にはロンドンのテームズ河が冬に凍り、氷の上でスケートをする絵が残されています。19世紀初めにも黒点数の少ないダルトン期があり、それ以降現在まで黒点数は上昇傾向にあります。
黒点数の変動周期と地球の平均気温をプロットしたのが下図で、太陽黒点と地球気温は
相関性を示しています。

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黒点数と平均気温の相関  深井前掲

つまり太陽の黒点が減り、その周期が伸びると地球は寒くなり、その反対は暖かくなるのです。
しかしこの太陽黒点の変動だけでも説明しきれず、宇宙線による変動説(スヴェンスマーク説) や地球規模の海流の変化など諸説があります。

これらをバッサリ切って視野に入れない、議論すらさせないでは、あまりに非科学的というもんではありませんか。
にもかかわらずその原因を一面的に人為的炭酸ガスのみに求めていき、経済や社会生活に大きな打撃を与えかねない現在の信仰にも似た風潮には疑問をもたざるをえません。

現在のグリーンファンドなどは巨額な資金を運用しており、いまや世界経済にも影響を与えるまでになっています。彼らの野望とこの人為的炭酸ガス説は無縁とは考えにくいのです。

 

※2019-年12月18日記事を 加筆修正して再録しました。

2021年4月 7日 (水)

炭酸ガス減らして日本滅ぶ

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菅さんは官房長官までの人だった、という気がしてなりません。
彼は安倍政権の継承を謳いながら、実際には二階と公明党に政局運営を委ねてしまい、いまや二階政権のようです。
少数派閥の悲しさといえばそれまでですが、中国には完全に腰が引けていますから、逆鱗にふれませんようにといわんばかりにウィグルや台湾では沈黙を通しています。
あげく聞こえてくるのは、脱炭素ばかり。
日米首脳会談では、まちがいなく脱炭素の取り組みを要求されますから、参ったね、これは。

「地球環境」を持ち出せばナンでも通る、それが今のご時世です。
ポリコレと一緒で大義だと勘違いしているようですからイヤダ。
人為的地球温暖化説は、ほんとうは仮説のひとつにすぎないわけですが、いったんシステムとして立ち上げてしまって経済・社会がそれに向けて走りだすと、もはや反論を受け付けない絶対真理になってしまいました。
メディアは大雨が降れば地球温暖化、干ばつが来れば異常気象、晴れても曇っても炭酸ガスが悪い、というわけです。
世界でも、冗談じゃねぇや、そんなことをしたら国内産業は壊滅するだろう、と言っているのは、唯一トランプ率いる米国共和党だけだといってもいいくらいです。
環境問題は人権を武器にできる中国相手よりも、ある意味でもっと反対しづらいことなのですが、トランプのこの反骨精神には脱帽します。

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どうしてそうなるのでしょうか。
たとえば生物多様性という大きなテーマがありますが、総論賛成、各論はなにもしないというのが現状でした。
それに対して地球温暖化人為説のほうは、それで儲かる企業がそれこそ掃いて捨てるほどできました。
脱炭素を掲げれば、営々と化石燃料エンジンの改良を積み重ねてきた自動車産業は、それを止めてEVというモノになるかならないかわからない分野に投資をさせられることになります。
するとバッテリー産業は儲かり、レアアースを扱っていた連中にもうま味があります。
そこに勝機を求めるテスラなどの新規参入グループもひしめいているわけですから、いつのまにか次世代自動車はEVと水素で決まりという「常識」ができてしまいました。

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しかし考えればすぐにわかりそうなものですが、EVほどの電気食いの商品はないわけです。
なんせ一晩中充電していなければいけない、走行距離も短い、おまけに充電インフラは未整備ときています。
しかし逆にいえば、だから新規の大規模投資ができる余地は巨大で、そこに商機を感じた企業が殺到するわけです。
するとそこに新たな既得権益が生まれ、政-財-官の三位一体の利権構造ができてしまう。これがわが国です。

そんな電気の大食いEVを主流にするには、大規模な発電能力の向上が必要ですから、本来はここで今の主力である火力発電を増やしていかねばならないはずですが、それは脱炭素でダメ。
では10年前までの主力電源の一角にいて、しかも炭酸ガスを出さない原子力はといえば、減らす議論はあっても増やす議論はついぞ聞きません。
水力さえ環境破壊ということで新規の建設は不可能です。
残るは再エネだけですが、気まぐれなうえに非力。
こんな脱炭素ブームが続いたら、遠からず深刻な電力不足の時代が来るのは目に見えていますが、一回立ち上がってしまった利権共同体による暴走はそうかんたんには止まりそうにありません。

いや止まるどころか、いっそう磐石にするために、税収に環境税を繰り入れることまでかんがえ始めました。
要は増税です。しかも時期が最悪です。
デフレを脱却しないうちにかぶるようにして今のいつ果てるとも知れないコロナ禍ですから、増税なんて言っている状況ではないはずですが、増税原理主義者には税金さえむしり取れるなら、そんなことは目ではないのです。
なんせ、脱炭素ほど税金をむしりとるのに適したフロンティアはありません。

本来なら、コレコレこういうわけで、このような負担をお願いします、と政府が課税の説明を縷々せにゃならんのに、「地球様のおためであるぞ、頭が高い。反対する奴は地球の敵」で済んでしまうのですからね。
しかもそれが手つかずでまっさらに目の前に拡がっているのですから、これはたまらない。
いまでも「地球温暖化対策税」という名で排出量トンあたり289円をとっていますから、新規の炭素税はどうなるのか、まだわかりません。

いずれにせよ、中井環境省事務次官のように、就任初日に「わたしゃ炭素税やる気です」みたいな官僚の権限を逸脱したことを、あろうことかコロナ不況の真っ只中の去年7月に発言してしまったりするくらい前のめりです。
いかに「地球環境」というのが、中井氏の出身母体の財務省にとっておいしいテーマなのかわかろうというものです。

ではこの炭素税ですが、消費税と違ってややわかりにくい点がありますので、説明しておきましょう。
まず、この炭素税は国際的な流れです。だからやっかいなのです。
日米首脳会談でバイデンは、この政権の大方針である、カーボン・プライシングをテーマにしてくるでしょう。
EUも今年の前半には「国境炭素税」を決めるはずですから、4月の気候変動サミットでは炭素税が世界の流れとして定着することになります。
このカーボン・プライシング、直訳すれば炭酸ガス値付けこそが、日本で言う「炭素税」です。

「国境環境税」という呼び方をしているのは、炭酸ガスにかけられる関税だからです。
いまでも炭酸ガスを売り買いするETS(排出枠取引制度)はありますが、それは温室効果ガスの排出権の枠の売買に止まっています。
基準量を決めて、排出量が多い企業は少ない企業から排出量枠を買うのです。

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排出量取引制度(キャップ&トレード)とは? – NPO法人 国際環境経済

今やこの排出量枠には市場ができてしまい、その売り買いに金融投資筋がへばりついて儲けをすすっていいるというダーティーな世界になっています。
ちなみにあのグレタ嬢を支援しているのは、この環境を食い物にしている金融投資筋です。

それはさておき、この温室効果ガスに対する税金を、すべての輸入品に拡げようとするのが「国境炭素税」です。
国境炭素税は輸入に対してかけられますから一種の保護関税と同じ働きをします。
たとえば日本からEU域内へ自動車や機械を輸出しようとすると、国内で消費した炭酸ガスの排出量から算出された「国境炭素税」を支払わねばならなくなります。
日本の場合、電力の75%が化石燃料だと判定されますから、非常に高い税率が背負わされます。
いままで書いてきているように、これは非常に不当な計算方法で、日本の火力は世界一の低炭素・高効率炉なのですが、火力=悪玉説に凝り固まったEUはそんなことは無視するでしょう。

さらにこの国境炭素税にはこのような抜け穴が容易されています。
国内であらかじめ炭素税を徴収してしまえば、輸出に関してはオフセット(相殺)されるのです。
これは国内炭素税と国境炭素税が二重取りにならないようにする措置です。
一般の関税にはこんな仕組みはありません。

するとどこの国もそうですが、外国に関税としてむしられるより自国で徴収しようとしますから、国内には炭素税を絶対に作ろうとします。
これが、今環境省が言っている炭素税です。
これを企業にかけた場合、いっそう企業は苦しくなり経済は停滞します。
企業にとどまらず、この負担は消費者に転化されるからです。
つまり結局、社会全体の負担は増大し、消費者たる国民が炭素税を結局かぶることになります。

ただ唯一、この炭素税がいいことは、今まで環境省や経産省が個々別々にばらまいてきた補助金や、FIT賦課金などを炭素税として一本化できることです。
おそらくEUなどと交渉する場合、一本化された炭素税としてやることになるでしょう。

とまれジュニアが夢見る2050年CO2排出ゼロを達成するためには、一説では今の倍の税収が必要とされるとされ、巨大な国民負担としてのしかかってくることだけは間違いありません。

 

2021年4月 6日 (火)

宮古島沖、遼寧空母艦隊が通過の意味

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今日は炭素税について書く予定でしたが、時期を失しますので、先に沖縄本島と宮古島の間を通過した中国海軍の遼寧空母打撃群を先に取りあげます。

「統合幕僚監部によると、場所は、長崎県の五島列島沖合に浮かぶ男女群島の南西約470kmの海域とのこと。空母「遼寧」のほかレンハイ級ミサイル艦 、ジャンカイII級フリゲート1隻およびフユ級高速戦闘支援艦1隻の計6隻だとしています。 2021年4月3日(土)午前8時頃に同海域を南東進し、その後、これら艦艇は太平洋へ向けて沖縄本島と宮古島の間の海域を南下したといいます」(トラフィックニュース4月4日)

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宮古島付近を通過する遼寧  警戒している海自艦艇からの撮影 防衛省

この遼寧艦隊は、近々編成されるであろう中国海軍の3セットの空母打撃群のひとつです。
遼寧自体がロシア空母の焼き直しの練習艦にすぎませんが、今回の艦隊編成を見るとレンハイ級防空艦にジャンカイⅡ級2隻の対潜艦を2隻つけ、さらに高速補給艦もつける本格的構成となっています。

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レンハイ級駆逐艦 防衛省

ちなみに、レンハイ級は中国海軍の排水量12,000~13,000トンの大型駆逐艦(055型)で、大きさからいえば駆逐艦よりひとつ上の巡洋艦に属する大型艦です。
ちなみに、大きいほうから巡洋艦→駆逐艦→フリゲート艦です。
このレンハイはピカピカの虎の子艦で、さぞかし海自や米海軍にみせびらかしたかったのでありましょう。

レンハイ級は、つい先だっての3月中旬、対馬沖を東に3隻の艦隊を組んで航行していきました。
その後、別行動をとっていた遼寧本隊と合流したもののようです。

「防衛省統合幕僚監部は19日、中国海軍のレンハイ級ミサイル駆逐艦など艦艇計3隻が対馬海峡から日本海へ航行するのを確認したと発表した。レンハイ級は中国海軍最大規模の駆逐艦で、日本近海で活動するのを海上自衛隊が初めて確認した。領海侵入や海自艦艇、航空機への危険な行動はなかった」
(共同3月19日)

この遼寧艦隊について、中国海軍はこう発表しています。

「北京時事】中国海軍の高秀成報道官は5日、空母遼寧を含む艦隊が台湾周辺海域で訓練を行ったと発表した。高報道官は「年度活動計画に基づく定例的な訓練」としているが、台湾の蔡英文政権をけん制する狙いもあるとみられる。
高報道官は「(これまでの)訓練の成果を検証することが目的だ」と主張した。さらに「国家主権、安全、発展の利益を守る能力向上に役立つ」と強調。今後も同様の演習や訓練を行っていくと述べた。」(時事4月5日)

目的は、台湾に対する威嚇と示威です。
この国が「国家主権・安全」という時は、彼らの言葉を使えば「神聖不可侵の領土の防衛」を指します。
彼らの「主権」はウィグル・チベット、香港・南シナ海・台湾にまで及びますから、これを軍事力で守るという意味です。
さらに「発展の利益」とは、まだ掌中にしていない東シナ海、特に尖閣周辺海域を「主権下」に置くことを意味します。

と、ここまでは中国海軍報道官が口にしたとおりですが、海軍は国際社会を相手にしている性質上、その動きは当該国の外交的シグナルだと判断されます。
今回の場合、あえて16日に開かれた日米2+2に来航していますから、日米2+2で中国を明確な脅威対象として名指しされたことに対する意趣返しの意味は当然あるでしょう。

「日米両政府は16日に東京都内で外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開催し、中国を名指しで懸念を表明した。防衛省は、この時期に日本付近で大型艦艇を航行させた中国の意図を詳しく分析している」(共同前掲)

また今回注意を促したいのは、中国が東シナ海を台湾侵攻時の想定戦場にしていることがいよいよはっきりしてきたことです。
まずは台湾の置かれた地理上の位置を確認してください。
尖閣諸島や与那国と国境で隔てられているものの、同一海域といってもいいことがお判りになるでしょうか。

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台湾の経済・社会的中心は台北のある西海岸にありますが、そこを中国が攻略すると仮定した場合、台湾海峡を力攻めで押し寄せるのは得策ではありません。
従来は、かつての国共内戦末期の金門島を巡る戦いのように、多くの漁船を使って力づくで押し渡ってくることが想定されていました。
もちろん今も中国はこの正面玄関を破って侵攻するポーズを隠してはいませんが、想像以上に苦戦することが予想されます。
とうぜん事前にミサイル攻撃をしかけたり、空爆をかけたりはするでしょうが、そう安易に崩せるものではありません。

となると、中国は守りの堅いに西海岸正面だけではなく、裏門の東海岸も同時に攻撃せねばならないでしょう。
いわば台湾島をぐるりと包囲する体制を整えて侵攻してくると想定されます。
その場合、中国海軍はその虎の子の遼寧などの空母艦隊をどこに投入するでしょうか。
東海岸に面する台湾海峡はあまりに狭い一方通行の溝のようなもので、大規模空母艦隊にとって自由な機動が不可能です。
台湾海峡でウロチョロしていたら、たちまち対艦ミサイルの飽和攻撃のよい餌食になってしまいます。

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となると、空母艦隊が自由に遊弋でき、かつ戦術的に意味がある海域は、台湾島の後ろに位置する東シナ海だけとなります。
すなわち尖閣諸島水域です。
上の概念図をみればわかるとおり、中国の大戦略である第1列島線上の要衝に尖閣と沖縄があるのは偶然ではないのです。
この尖閣水域を確保しなければ、中国は台湾を落とせません。
また、横須賀方面から台湾救援に急行する日米艦隊を阻止するには、この水域をおいて他にありません。

多くの日本人は、尖閣危機と台湾危機は別物と思っているかもしれませんが、実はまったく同一のテーブルの上の出来事です。
したがって、中国は台湾を攻略しようとするとき、あらかじめ尖閣を取りに来るでしょう。
さらに尖閣水域を支配するには、その後背地の宮古島も占領しようとするかもしれません。
そのように考えると、今回の遼寧空母艦隊がなぜ宮古島周辺から台湾に向かったのか、その動きの意味がわかってくると思います。

では、台湾に侵攻するのはいつになるでしょうか。
それついては米海軍太平洋艦隊司令官が答えています。

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ジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官  中国の台湾侵攻「多くの人が理解しているより切迫」 米軍司令官

「ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領から次期インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)は23日、上院軍事委員会の指名承認公聴会で証言した。アキリーノ氏は、中国による台湾侵攻が「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と警告し、対応策をとるべきだと訴えた。 アキリーノ氏は「台湾に対する(中国からの)軍事的脅威は増している」と指摘。「中国共産党が米軍を地域から排除することを目的とした能力を向上させている」とも強調した。
 その上で、中国軍の軍事的進出を押さえ込む「太平洋抑止構想」の実現に向けてインド太平洋軍が議会に要求した、2022会計年度(21年10月~22年9月)から6年間で270億ドル(約2兆9000億円)に及ぶ予算を承認するよう要請した」(2021年3月24日 産経)

いみじくも太平洋艦隊司令官が言うように、「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」のかもしれません。

 

2021年4月 5日 (月)

ジュニアの指導員は財務省

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ジュニアの考えの足りない戯れ言は笑殺すればよいことですが、彼に振付師がいるとなるとまったく違ってきます。
かなり知られてきたことですが、小泉ジュニアには指導員がいます。
中井徳太郎環境事務次官です。
この人物の現住所は環境省事務次官ですが、本籍地は財務省です。
中井氏は就任会見早々、財務省当時は主計官どまりだったのに、環境省では晴れて事務次官となった高揚感からかいきなり飛ばしています。
この発言にはSNSで批判が殺到したので、おぼえている方も多いことでしょう。

環境省の新次官、就任会見で炭素税の必要性強調
環境省
の中井徳太郎事務次官は22日、就任後初の記者会見で、二酸化炭素の排出量に応じて企業などに経済的負担を求めるカーボンプライシングについて、脱炭素社会の実現には「炭素税も含め有効だと本当に思っている」とし、前向きな姿勢を示した。

 ただし、新型コロナウイルスの感染拡大で経済が停滞する中、その影響を「よく見極める視点も大事」とも述べた。カーボンプライシングは欧州を中心に実施されているが、日本では諸外国並みのものは実現にはいたっていない。
 中井氏は財務省出身で、2011年に環境省に移り、21日付で現職となった」(朝日 2020年7月23日)

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地域循環共生圏「質的な成長」へ:中井 徳太郎環境次官 – オルタナS

おいおいダメに決まっているだろう、こんなこと言っちゃ。
ハッキリ言っておきますが、官僚には租税をどうするこうするということを言う権限は与えられていません。
それをもっているのは、あくまでも国民が選んだ代表によって作られる議会だけです。
官僚は議会が作った法律に沿って、それを忠実に執行する権限をもつだけにすぎません。
それを行政官が「オレは環境税が欲しい」なんて言ったら、この国は国民が選ぶことのできない、したがって罷免もできない官僚が国民の上位にそびえる官僚主権国家になってしまいます。
これを小難しい言い方で「租税法律主義」と呼びます。

「現在、全ての民主主義国家では、国民の代表者から成る議会が定めた法律によってのみ租税が賦課される。これを、租税法律主義と称する。言い換えれば、課税権者(国家)に対して、被課税権者=国民(の代表である議会)の同意に基づく課税を義務付けるという形を採っている。法治主義の現れでもある 」(ウィキ)

財務省は環境省を植民地だと長年考えてきました。
その財務省が中井氏を送り込んだのは東日本大震災直後でしたが、その時期、財務省は大震災を奇貨として復興増税を画策していました。
これは後に野田政権の消費増税として現実のものとなります。
そして満を持して財務省が現在環境省にやらせたいのが「炭素税」です。
そのための司令塔が中井事務次官であり、広告塔が小泉ジュニアです。

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女性自身

平たい話、ジュニアほど動静と発言が逐一報じられる大臣は、政界広しといえどいないでしょう。
女性週刊誌にまでしょちゅう登場し、オレってセクシー、マイスプーンもって歩こうよ、エコカーってカッコいいぜ、レジ袋なんてダサイよな、かっこよくマイバックをひろげてみようぜ、なんて言おうもんなら、キャー、ステキという声がかえってきます。
こんなトリックスターは政界でもほとんどいないでしょう。
強いていえば山本太郎ですが、ジュニアほど顔が女性向けではありません(笑)。
環境省は、いや財務省は、最高の広告塔を手に入れたのです。

そのイケメンがそっとささやくのです。
「地球環境はもう崩壊寸前なんだ、今ちょっとだけあなたの税金で地球を救ってくれないかなぁ。1日コーヒー一杯分でセーブ・ジ・アースできるんだ、ステキだろ。きみとボクでセクシーに楽しく増税しようよ」
ああ、言いそう、ほんとうに言いそう(笑)。

トリックスターとは物語で、わざと破調を作って世界を混乱させる悪戯妖精のような存在ですが、まさにジュニアはこの役割を心得て、中井次官の手のひらで踊っているのです。
だから、レジ袋やマイスプーンといったオードブルの後に、今ジュニアが言っている自動車産業のEV化や炭素税という胃もたれしそうなことをテンコ盛りにしたいようです。
長くなりそうなので炭素税については次回に続けます。

それにしても元環境大臣って、どうして小池百合子やジュニアみたいな勘違いタイプが多いんだろう。

 

 

2021年4月 4日 (日)

日曜写真館 桜堤を歩く

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太陽に挙りて桜咲きにけり 稲畑廣太郎

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中年の居場所眠たく桜咲く 児玉硝子

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川沿を海へと河津桜かな 阿部ひろし

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音楽やさくら散るとき澄みわたる 廣嶋美恵子

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遠き遠き遠き青春さくら散る 林翔

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余生こそ一刻千金さくら咲く 山中宏子

■お断り 最初にアップした日曜写真館は、見直したらあんまり陰気なので、全面差し替えしました(汗)。

2021年4月 3日 (土)

小泉ジュニアは超馬鹿です

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小泉ジュニアは超馬鹿です。
一般人ならただの馬鹿で済みますが、与党の政治家、それも大臣なのですから気の毒ですが「超」の栄えある冠を授けさせていただきます。
「超馬鹿」の受賞理由は、いい大人が中坊並の知識で中坊が言いそうなことを言うだけではなく、閣僚になってもやらかしてしまい、それをオレってカッコいいだろと自惚れているから超馬鹿なのです。

彼の言論の特徴は父親似で、ろくに考えもしないのに、しゃべってしまうということです。
後先がありませんから、こんなこと言ってどーするのということを平気で口にします。
たとえば、今進行している福島第1の廃炉作業でもっとも問題になっている、汚染水、もといトリチウム水の処理について、ジュニアはこんなことを発言していました。


「進次郎氏は12日、東日本大震災で被災した福島県の漁業関係者と面会し、東京電力福島第1原発の汚染水浄化後の処理水をめぐり原田義昭前環境相が「海洋放出しかない」と述べたことについて、「率直に申し訳ない」と謝罪した。 こうした一連の言動をめぐり、容認派と反対派からネット上で批判・注文が殺到している。
 今月下旬には、米ニューヨークで開かれる国連総会の環境関連イベントにも出席し“国際デビュー”を果たす予定だが、政治家として真価が問われるポストのようだ」(ZAKZAK9月13日)

これは既に環境大臣に就任してからの発言ですから、おいおいです。
そもそもトリチウム水の海洋放出の所轄は環境省ではなく産業経済省です。
信念さえあればなんでも言っていいわけじゃありません。
自身の発言のために政権の政策が拘束されてしまうからです。
小泉ジュニアは父親譲りの反原発を進めたいようですが、同じ理念をもっている河野ジュニアのほうは、閣僚になれば持論であった反原発を封印してしまいました。
これでいいのです。大臣が個人的人気取りで所轄外のことにいちいち口出ししてカッコつけていたら、内閣なんてただの学校のホームルームだからです。

ところがジュニアときたら、こんなことも平気で言っています。

「小泉進次郎環境相は11日夜、環境省内で行った就任記者会見で東京電力福島第1原発事故を踏まえ、原発について「どうやったら残せるかではなく、どうやったらなくせるかを考えたい」と述べた。2030年度に再生可能エネルギーの電源比率22~24%を目指すと掲げた政府のエネルギー基本計画に関し、さらに比率を拡大すべきだとの認識を示した」(毎日9月12日)

あーあ、不勉強なくせに頑固、というか不勉強だから頑固なんです、この人。
「どうやったら残せるのかではなく、どうやったらなくせるのか」ですって(笑)、そんなことは反原発運動家が言うせりふです。
運動家は経済がわかりませんから(というか、経済がわかっていたら運動なんか出来ませんからね)、即時停止、再稼働反対と脊椎反射で答えても許します。
しかし、閣僚、つまり政策を作り、それを責任をもって行政に落とし込んでいく職分の人間がそれをやったらシャレになりません。
だって、どうやるかの道筋をかんがえる、そしてそれを具体化するのが政治家の仕事だからです。

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私は経済を傷つけないためには、一定数の原発を残しつつ段階的に長期間かけて「なくす」のが、もっとも合理的な回答だと考えています。
脱原発をスローガンで言っているのなら、即時停止で済みますが、実際にそれをすれば化石燃料に依存し、輸入エネルギーの増大によって国富が流出していきます。
電力会社は疲弊し、廃炉コストを出せなくなり、電気料金は上りますから、国民を苦しめます。

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上図の薄い緑色が再エネで、図を横切るように上昇する黒線が家庭用電気料金を現しています。
再エネが増加すると電力料金も上昇していくのがわかります。
脱原発と再エネをセットで国策にしてしまったドイツ、イタリア、デンマークが、水力の多いカナダの倍であるのがわかります。
日本は現在中位の電力料金で済んでいますが、再エネを2倍にすると30円/kWhに跳ね上がって世界でも電気料金上位の国となります。
それでなくても福島事故以降、カンが原発ゼロにした祟りで、上り続けている電気料が更に国民生活を直撃していきます。
国民の経済と生活に打撃を与えて脱原発しても、それは本末転倒ではありませんか。

そのうえトリチウム水の海洋放出まで止めてしまっては廃炉作業すら出来ませんから、原子力は永久になくなりません。
そもそも廃炉した後の最終処分も結論がでていないのでから、原発ヤメロだけではなんの回答にもならないんですよ。
この「汚染水」の海洋放出も、許すなとか言っていられるうちはいいのですが、ここで止めたら廃炉作業を断念せねばならなくなります。
ならば福島第1の廃炉を放棄しますか?
そこまで分かって言っているのならアッパレで、ならば大臣なんか辞めて国会議事堂の前でシュプレッヒコールをしているほうに回って下さい。

また、原発を止めるということは、火力発電の比率を高めることと同義語です。
既存のエネルギー基本法でも、2030年に再エネを16%から24%にするためには火力を56%でキープせねばなりませんでした。
この火力を微減させるためには、再エネを20%台にして、原子力を今の3%からかつての水準に近い20~22%にまで増やさねばならないのです。

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この原子力を減らしたらそのぶんジュニアが大嫌いな火力も増やさねばならないのですか、この逆説がわからないとどうにもなりません。
言い換えれば、二酸化炭素ガスを削減するというジュニアのもう一つの政治目標は、火力や原発をある程度残していかねば達成されないのです。
だからそのバランスをどうとっていくのかが、政治家の政治家たるゆえんなのですが、化石燃料はヤメロ、原発もヤメロではまるでコレも欲しいアレも欲しいとおねだりすればなにか貰えると勘違いしているガキです。

ところで、つい先だってジュニアは超馬鹿語録に新たな一頁をつけ加えました。

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 「化石燃料、石炭・石油・天然ガス、これに依存して人間の経済社会活動が営まれる時代を変えよう!というのが、カーボンニュートラルであり、このプラスチックをもし使うのであれば、リサイクルが前提となる、ゴミが出ないサーキュラーエコノミーなんですよね。
石油の色もにおいもないから分からないと思うのですが、石油って化石燃料なんです。
じゃあこのプラスチックを、使い捨てを減らそうと思ってるかというと、プラスチックの原料って石油なんですよ! 意外にこれ知られてないんですけど」

ぶ、はは、ジュニアは国民がプラスチックが石油由来だと知らないと思っているらしいですね。
当人は啓蒙と思っているのかもしれませんが、ほんとうは愚民視というんですよ。
小学生でも知っているようなことを、爽やか柑橘系でしゃべってるんですから、まるでNHKの子ども向け番組のお兄さんみたいです。
ここでジュニアがかっこいいと思って使った「カーボンニュートラル」は、環境運動に多少関心がある人なら誰でも知っている考えかたです。
これは化石燃料に頼らない、という考えかたではありません。

カーボンニュートラルのほんとうの意味は、温室効果ガスの大気中への排出量と、消費量をプラスマイナスで均衡させるという考え方です。
米国ではすでに菜種のバイオエタノール化を義務化していますが、食糧になるものを燃やすというなんとも不道徳な考え方です。
実際に、これで得られる炭酸ガスをマイナスする効果と、化石燃料による温室効果ガスが打ち消し合うかどうかわかっていません。
だって、カーボンニュートラルなんていうのは、暇な学者が考えた机上の計算にすぎず、実際には作物の収穫、運送、加工には多くの工程を必要とし、その間炭酸ガスをガンガン排出するからです。

ついでにサーキュラーエコノミーっていうのは、循環型経済のことで、日本はすでに世界で首位を争うプラスチックのリサイクル率を誇っていますから、なにをいまさらの話です。
啓蒙としてはチンプなうえに間違っていますし、横文字で言うオレってカッコいい、と思うナルシストが言いそうなセリフです。

政策としてはコンビニのレジ袋を止めさせたり、プラスチックスプーンを取り上げたりしても、なんの意味もありません。
ただひたすら消費者が不便をして、コンビニやスーパーに行くたびに、進次郎め、次は落としてやるぞ、と思うだけのことです。
まぁかつては次期首相なんて呼び声がありましたが、絶対に首相になんかしてはいかんタイプでしょうな。

進次郎さん、あなたには育児休暇を永遠にとっていて下さい。

 

2021年4月 2日 (金)

過激なポリコレと同じになった脱炭素

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まったくヤレヤレな気分ですが、日本は温暖化ガスを2030年時点で4割削減するそうです。
なんでも2050年にはゼロにするのだとか。

「脱炭素に向けた議論が日本でも本格的に動き出した。2050年に温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするためには、30年時点で40%を大きく超える削減目標が必要だ。達成には、再生可能エネルギーの拡大や排出量取引制度の導入、技術投資などを急ぐ必要がある」(日経3月31日)

言うのは自由ですが、よもや本気じゃないでしょうね。
立憲あたりが言っているぶんには聞き流しますが、言っているのがいかにも実務肌の菅さんなので、なんだかなぁという気分になります。

政府は去年12月25日に、「グリーン成長戦略」を公表し、その中で経済と環境を両立させて2050年にCO2排出の実質ゼロを目指すとしています。
はっきり言って不可能です。
小規模な削減規模であれば、新型太陽光発電の導入や、電池の改良でなんとかなるでしょうが、大規模に脱炭素をするとなるとあのタブーに触れなければなりません。
ナニかって?そりゃ原発に決まっています。
元々、原子力は3.11まで約3割を占める主要の電源だったのですから、これを増やせとはいいませんから、せめて元の発電規模に復元させるだけでそうとうに脱炭素は実現するはずです。

しかしこれも東海第2の差し止め訴訟が勝訴してしまい、柏崎刈羽が東電のトンマのおかげで再稼働が延期されてしまったためにどうなることやら。
今のように素人の司法に再稼働の判断を握らせるような仕組みがあるかぎり、元の発電規模に戻すのにはどれだけ時間がかかるかため息がでます。

あと残る削減手段は、現在主力電源になっている火力の脱炭素化を進めることです。
電力会社は、原子力を封じられ、脱炭素を政府から要請されるという苦しい立場を、火力の低炭素化・効率化でブレークスルーしようとしています。
たとえば、我が国の先進的な脱炭素火力システムには、このようなものがあります。

●超々臨界圧発電方式(USC)
燃料を燃やして蒸気をつくる際に、極限まで高温、高圧にして蒸気タービンを回すシステム
●コンバインド・サイクル発電
高温のガスを燃やしてまずガスタービンを回し、その排ガスの熱を再利用して蒸気をつくることで蒸気タービンも回すシステム
●石炭ガス化複合発電(IGCC)
コンバインド・サイクル発電でガスタービンを回すのに使われる「高温ガス」を、石炭をガス化して作るシステム
●CO2分離・回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)
世界初、石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)の実証事業に着手 | NEDO

この低炭素化・効率化の火力技術は世界最高水準です。
火力というと、炭素ガスと硫黄酸化物をボンボン出しているものしか想像できないと置いていかれますよ。

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 資源エネルギー庁

上図を見ていただければ、中央の世界平均が941㌘CO2/kwhに対し、日本の超々臨海圧発電(USC)は795㌘、CO2分離・回収型石炭ガス化複合発電(IGCC)に至っては590㌘と半分です。
 同じ石炭火力発電とくくってしまうのがいかに乱暴かわかるでしょう。
日本の低炭素・高効率火力発電は、インドや米中のそれと比較すると、実に4割以下の炭素排出量となっています。
日本はひとことで化石依存と言いながらも、炭素排出の少ないLNG火力(グラフ右端)の比重を高め、新型の低炭素型に置き換えながら、従来型の旧式石炭火力を削減し続けています。
こういう実態を知ってか知らずか、結局火力なんだからみんな止めちまえ、輸出するなんて温暖化効果ガスを増やすだけだ、という馬鹿が出ました。
かのセクシー進次郎です。
セクシーくんは、低炭素石炭火力輸出に制限をかけると言い出して、エネルギー業界を呆れさせました。

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「小泉進次郎環境相は26日の閣議後記者会見で、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電所の輸出支援政策見直しについて触れ、相手国で脱炭素への移行が促進されることを輸出要件に含めるべきだとの考えを表明した。政府が6月にも策定する「インフラシステム輸出戦略」の基本方針に盛り込むことを目指す。
この日環境省の有識者検討会が、脱炭素化に政策転換するよう輸出相手国を支援する重要性などを指摘した報告書を取りまとめたのを踏まえ、環境省として新たな方針を示した。小泉氏は、石炭火力は新設後約50年稼働するため相手国のCO2排出量を固定化するほか、投資に見合った資金の回収ができなくなるリスクがあると指摘。「長期的なリスク評価が必要だ。ビジネス最優先で、売れるから売るというだけではだめだ」と述べた」(毎日2020年5月26日)

私はレジ袋は勇み足でしゃーない奴ていどに思っていましたが、この日本の低炭素排出・高効率火力の輸出に対する規制発言にはあきれ果てました。
規制どころか、もっと積極的に日本が生み出した低炭素・高効率火力を、官民が協力して世界に普及させることが、世界にとってもっとも効果的な脱炭素の方法なのに反対してどうする。
世界で二酸化炭素ガスの排出量ベストスリーの米中印に輸出するだけで、そうとうの削減が可能となるのに、環境大臣がこれに反対するというんですから超絶バカです。
そもそも二酸化炭素排出の圧倒的世界一位の中国の排出量をどうにかしないと、世界全体の脱炭素など絵に描いた餅なのです。
中国の二酸化炭素問題に触れない地球温暖論は偽善です。そういや、グレタさんもひとことも触れないよな。

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データで見る温室効果ガス排出量(世界) | JCCCA 全国地球温暖化防止

政府は、原子力に封印をしたまま、その代替をになっている安価な化石燃料の従来通りの利用に大きな制限をかけ、CO2の回収貯留を義務付けるといいます。
その代替は、不安定で気まぐれな電源である再生可能エネルギーをメーンに据え、まだ技術が完成していない水素エネルギーで代替するということのようです。

そのうえこの「グリーン成長戦略」により、2030年に年90兆円、2050年に年190兆円の経済効果があると捕らぬタヌキの皮算用をしているのですから、頭大丈夫ですか、菅さん進次郎化しちゃったんじゃないでしょうね、と心配になります。
カンが強引に進めた太陽光発電の普及の帰結として、国民は年間2.4兆円の賦課金を背負うことになりました。
この再エネ賦課金は、消費税と酷似していて、所得と無関係に使った電気使用料に均等にかけられるために、貧困層に大きく負担がのしかかります。
しかも再エネ振興のために、20年間固定価格買い取りとして制度化してしまったために、累進的に負担を増していくことになります。

またかつてカン政権は、再エネによるグリーン成長戦略だなどと言っていましたが、メガソーラーの多くは中韓の外国資本によって占められ、しかも太陽光パネルの大部分は中国製ですから、国内の富の流出を招いたにすぎませんでした。

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世界の太陽電池生産量・生産能力および太陽光発電システム導入量

これを今度は年間100兆円規模でやろうというのですから、日本経済が破綻する可能性があります。

なるほど今の世界のトレンドは、脱炭素です。
脱炭素はいまポリティカル・コレクトネスと同じ位置に納まってしまいました。
私が地球温暖化説に関心を持ち始めた10年ほど前には、環境問題に関心がある人だけのテーマでした。

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かつて私はアル・ゴアの有名な『不都合な真実』を読み解く中で、このゴアの主張には多くの過剰な装飾、ありていえば嘘が含まれていることに気がつきました。
これについては別な機会に譲りますが、ゴアが警鐘を鳴らした多くの事象が、温暖化とは別な原因で起きていることがわかったからです。

私はやがて、地球温暖化のバチカンであるIPCCの人為的二酸化炭酸ガス温暖化説は「根も葉もある間違い」 だと考えるようになりました。
たしかに人為的温暖化は存在します。そこまでは事実で、温暖化は起きていないというのは誤りです。
そしてその原因のひとつに、人類の経済的社会的活動があるのも事実でしょう

しかし地地球規模の気象変動を、温暖効果ガス、すなわち二酸化炭酸ガス排出だけですべて説明しようとするには、あまりにも無理があります。
地球の気候は周期的に変動し続けていますし、その原因は人類の活動とは無関係な太陽の活動や海洋の周期に影響されているからます。
脱炭素への取り組みを全否定する気はありませんが、二酸化炭酸ガスのみに特定して、それだけを中心に経済・社会を規制するのは行き過ぎです。
そのようなことをすれば必ず経済・社会活動の低迷を招くことになることはわかりきっているからです。

ところで私のような温暖効果ガス懐疑論は、10年前には自由に発言できる雰囲気がありましたが、現在はいささかの勇気が必要になってきています。
脱炭素運動が、一部の極端な環境活動家の手から日米欧の政治の中心に踊りだしてしまったからです。
まるで、かつてのポリコレが少数の運動家から、「世界の常識」と化していったように、です。

温暖化効果ガス削減は、いまや少しも疑ってはならない「絶対真理」、ないしは「絶対正義」と化したのです。
これに真正面から反対できる政治家は少なく、私が知る限り世界広しといえどドナルド・トランプしかいませんでした。
だから、トランプは「地球の敵」扱いされましたが、トランプの反骨は筋金入りだと感心させられます。

一方、風見鶏よろしく世間の風向きを計ることに動物的嗅覚を持つ小泉父子は、脱炭素に走ったというわけです。

 

※扉写真を差し替えました。

 

2021年4月 1日 (木)

公明党「ウィグル弾圧の証拠はない」と言った瞬間、米国務省がウィグル人権報告書を提出

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思わず苦笑してしまいましたが、公明党がウィグル非難に反対、いや「慎重」だそうです。

「公明党の山口那津男代表は30日の記者会見で、中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害をめぐり、日本が対中制裁に踏み切る欧米諸国と足並みをそろえるべきかについて慎重な考えを示した。「わが国が制裁措置を発動するとすれば、(中国当局の)人権侵害を根拠を持って認定できるという基礎がなければ、いたずらに外交問題を招きかねない」と述べた。 国内では超党派で、海外での深刻な人権侵害行為に制裁を科すための日本版「マグニツキー法」の制定に向けた動きも進む。山口氏は同法の制定についても、「日本にとってはいかがなものか。慎重に検討すべきと考える」と述べた。
山口氏は中国が日本にとって最大の貿易相手国であり、幅広い日中の交流の歴史があることを指摘し、「国際的な緊張の高まりや衝突を回避し、(緊張を)収められるような積極的な対話を日本こそ主導すべきではないか」と強調した」(産経3月31日)
https://www.sankei.com/politics/news/210330/plt2103300020-n1.html

なにを言っているのか、山口さんは。これが「小さい声を聞く力」の党のいうことだとは笑止です。
公明党には、中国の片隅の「小さな声」は聞こえないようです。
聞く気にさえなれば、BBCやWSJ、あるいは日本では産経が詳細な記事を多くアップしていますし、日本には3000人のウィグル人が暮らしていますから、少しは「聞く力」をつかってみたらいかがでしょうか。

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産経

この党は、先だっても重要施設近辺の土地利用についての法案にも反対したばかりで、よほど中国がお好きらしい。
この党は中国の友人を自認しているのですから、ならば真の友人らしく人権弾圧について調査に応じるように忠告すべきです。
それを踏まえての「対話」であって、人権弾圧に加担することが「交流」ではないはずです。
そもそも中国は人権問題の存在自体を認めませんから、「対話」そのものが成立しませんがね。
ですから、聞く耳を持たない相手の「積極的対話」なんて空論空語の極みなのです。

さてこの日本でも進められているマグニツキー法の元となったマグニツキーは、ロシアの税務当局が2億3000万ドルの巨額の横領をしていると告発したことで、当局に1年以上にわたって拘束され、2009年に獄中死しました。

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このロシアの人権弾圧事件を受けて、米国が2012年に制定したのがこの「マグニツキー法」です。
この法律によって、人権侵害をした個人や組織を対象に資産凍結やビザ発給制限などの制裁を科すことが可能となりました。

当初はロシアに対しての法律でしたが、今はグローバル・マグネツキー法となって、対象を全世界に広げています。
また米国のみならず、英国やカナダなどの国々も同様の法律を制定し、昨年末にはEUも承認しています。
今回のウィグルのジェノサイドに対しても、このマグネツキー法を根拠に制裁が課せられています。
※関連記事 『米国議会、ウイグル人権法案可決!』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-9ecfad.html

この反対するほうが難しい人権法に、公明党は「証拠がないから反対」だそうです。
国内の人権には日頃から人一倍敏感な公明党とは思えません。中国となると一気にその眼が曇ってしまうようです。
いまでもBBCの報道を先頭に多くのウィグル人の証言が存在しますが、物的証拠でもみせないと信用しないということでしょうか。
たとえば収容所内部の詳細な調査とかがご要望でしょうか。
だからこそ、国際社会は職業再訓練センターと呼ばれる300万人とも言われる隔離施設の査察を求めているのです。
国際社会が中国に見せろと言っている時に、「証拠がないから見るな」と言っているようなもので、このおかしさに気がつかないようでは、そうとうなもんです。

公明党が「証拠を出せ」と言ったら、それを知ってか知らずか同じ3月30日、米国務省が「2020年人権報告」を発表し、200国家と地域の人権および労働者権利状況についてまとめました。
この報告のほとんどの部分が中国で占められています。
この報告書をもとに、米国務省はすでに英国、カナダと合同で中国に対して制裁を実施しており、さらにEUなどの国際社会と広く共同して人権を守るために声を上げていく、と宣言しています。

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ブリンケンはこの報告発表の会見の席上で、このように述べています。

「バイデン大統領は人権問題を米国外国政策の中心におくことを約束している。これは国務省としても非常に重視している約束だ。我々は持てる外交手段を利用して人権を守り、人権侵害者の責任を追及していく」

バイデン政権もトランプ政権から変わらずに、米国の対外政策の基本に中国の人権問題を上げていくということです。
たぶんこんどの日米首脳会談でもテーマに登るはずですが、その時に「法律がないのでなにもできません。与党で反対する党があるのでなにもしません」とでも菅首相は答えるつもりなのでしょうか。恥ずかしい。
国際人権法がなければ、作ればよいだけのことです。
外圧を持ち出すのは好きではありませんが、わが国はこうでもしないと「証拠がないからぁ」などということを言う手合いを黙らせることが難しいのだから困ります。

今年の人権年次報告はおおむねトランプ政権時のものを引き継いでいますが、さらに中国当局によるウィグルの大規模な隔離政策や強制労働に焦点をあてています。

「2020年度の報告では、さらに中国政府における新疆の少数民族政策に着目。100万人を超えるウイグル人とそのほかのムスリム少数民族グループを強制収容し、さらに200万人に対して全日制の”再教育”研修を行った、と指摘。中共は学校、工場、監獄などの施設を改造し、さらに大規模な強制収容施設を拡張している、としている。
ブリンケンは報告の前言で、次に様なコメントをよせた。「中国、中共当局はムスリムを主としたウイグルのジェノサイド(民族絶滅)、およびウイグルその他の宗教と少数民族グループに対する監禁、拷問、強制避妊手術、迫害などの人類に対する罪を犯している。
さらに「強制収容所からの生還者は、執法人や刑事、強制収容所施設職員らによる、拷問やその他の侮辱行為について証言している。その中には電気棒による拷問、水刑、殴打、レイプ、売春の強要、避妊手術の強要などが含まれる。
華為などハイテク企業が開発したAI顔認証技術により、中共は”ウイグル警報”を打ち出し、ウイグル人やそのた少数民族を群衆の中で識別することに利用している、という。ヒューマンウォッチの報告によれば、中国国家安全部と情報技術企業の協力により、大衆自動言語識別監視システムが作られ、チベット語とウイグル語を識別するだけでなく、指紋、DNAなどの生物情報を収集して、データとして蓄積されている、という」
(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)No306)

更にこれが単なる強制収容にとどまらず、収容所で再教育という名の洗脳を受けたウィグル人を移送し、劣悪な労働環境で強制労働させていることも報告しています。

「今年発表されたこの人権報告では、新疆の収容施設、監獄、工場における国家の支援を受けた強制労働問題にも触れられている。報告では中共による強制労働、研修、移転計画を通じて新疆の収容施設のウイグルや現地の労働者に強制的に労働に従事させている大量の証拠が挙がっている。
特に農業、アパレル、電子産品分野など領域で強制労働が行われている。綿花、トマトの収穫と加工の工程における強制労働が深刻であると指摘されている」(福島前掲)

なお、この収容施設についてはウォールストリートジャーナルがすでに内部資料を入手していますので、一読をお勧めします。
これなど物的証拠の最たるものですが、公明党は知らないのでしょうか。
WSJ 2021年4月1日 『中国ウイグル監視の内部文書、収容所送りの理由も 拘束された311人の詳細情報が流出 』 
中国ウイグル監視の内部文書、収容所送りの理由も - WSJ

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WSJ

この政府内部文書を報道機関に公開したのは、新疆政府の職員だったウイグル族女性のアシエ・アブドゥラヘブ氏で、オランダに亡命時に内部文書を持ち出しました。

「 スプレッドシートからは、新疆ウイグル自治区の1400万人のイスラム教徒を厳しく取り締まる段階から次に進み、当局が新たな管理手法を取り始めたことがわかる。 カラカシュ県のリストにある住民の85%が少なくとも1年の再教育を受けた後、最終的に出所を勧告されていた。文書によると、かみそり状の鉄条網を張り巡らせた再教育施設を出た後も、彼らは引き続き政府の監視下に置かれる。
 大半の収容者は、監視された状態でコミュニティーに戻るか、または工業団地での仕事に就く。リストには再教育施設で習得した技術や知識についての記述はほとんどなく、法的手続きや司法審査にも触れていない。
 また、この文書はカラカシュ県の4つの主要な再教育キャンプを挙げている。最大規模の「第1訓練センター」は県南部の大規模な工業団地の端に置かれている。別のキャンプは元高校の敷地内にあり、国営メディアの宣伝動画の中で、収容者が調理や油絵などを学んでいるところが紹介された」(WSJ前掲)

このようにウィグルの人権弾圧については、これ以外にも多数の証拠や証言が上がっており、山口氏ら公明党は見ようとしないから見えないだけのことです。


 

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