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« 米軍より中国軍が優勢だって? | トップページ | 山路敬介氏寄稿 報道されない現代自衛官の本質  »

2021年4月28日 (水)

中国にとって台湾は「真珠湾」です

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 昨日からの続きで、我ながら地味なテーマだなと思いつつ、米中の東アジアでの軍事バランスをかんがえています。
もうしばらくおつきあいください。

よくメディアは面白おかしく「米中逆転」とか、軍事力ランキングなどと書いていますが、そもそも発想がまちがっています。
たとえば中国陸軍は89万人といった馬鹿げた数を保有していることに対して、在日米軍は陸軍は実戦部隊なし、海兵隊が1個師団で、しかもあっちこっちに派遣されているので沖縄にいる実数は3千人以下でしょう。
ならば89万vs3千ですから、比較しようがありません。やる前から勝負はついています。

ではこの比較が正しいのかといえば、あたりまえですが無意味です。
中国陸軍がいかにワラワラいようといまいと、台湾や尖閣侵攻にはなんの意味もないからです。
そりゃそうですよね、だってあれだけだだッ広い中国大陸に5つの軍区に分割されて配置されているのですから、ひとまとめでドーンと来るわけじゃありません。

そもそもまとめて来たくても(「兵力の集中」と言いますが)、あいにく狭い台湾海峡を渡ってこねばなりませんし、尖閣に至っては遠距離なうえにこれも絶海の孤島です。
兵力を敵地に送り込むことを「戦力投射」(パワーエジェクション)と言いますが、渡海する方法がなければ、いくら頭数がいても使えない、つまり無視できる兵力なのです。

軍事力ランキングも同じことで、軍事力はオリンピックじゃありません。

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2020年世界の軍事力ランキング」韓国6位、北朝鮮25位、日本は?

上のランキングは単純に軍事費や兵員や戦車・艦艇の数を比較しただけのもので、現実の力とは無関係です。
というのはそれぞれの国が、自分の国を守るに最適なスタイルと規模を持っているのですから(軍事ドクトリンと呼びます)、比較は本来できないのです。
日本なら9条の呪縛で、わが国だけを守るために適した規模とスタイルを維持してきましたが、今はもっと広い目で太平洋・インド洋地域の安定のために尽くさないと、自分の国も守れなくなりつつあります。

そのために今までは一貫して戦力投射能力を保有してきませんでした。
C-17のような長距離大型輸送機は保有せずに、国産のC1輸送機などはわざわざ航続距離を切り縮め、ファントムは付いている空中給油装置を取ってしまったたくらいです。
戦力投射にあたるからと兵員と戦車などを同時に送り込める強襲揚陸艦の建造も長年制限されていたために、沖縄の離島は無防備でした。
宮古、八重山に住む住民への防衛義務を捨ててきたのですから、ずいぶんとひどい話で、今やっと大きな脅威にまで成長した中国に対して警備隊を常駐させるなどして対処を始めたところです。

さて、中国軍と米軍とが鉾を交えるとした場合、その可能性が最も高いのが、昨日からお話している台湾です。
米軍の太平洋・インド洋司令官は、「来る、来ないではなく、いつ来るかだ」とまで議会証言しています。
米軍はこの5年以内に、中国が台湾への侵攻を計るだろうと見ています。
その場合、主戦場の舞台は海上と空中になります。
陸上戦闘が起きるのは、航空優勢と海上優勢を取ってからのことです。

中国には海軍が世界一になったと歓声をあげている輩がいると聞きますが、中国指導部までほんとうにそう思っているなら馬鹿です。
まぁ夜郎自大となりがちなのがこの国なので、警戒を怠ってはいけませんが、前頭ていどの実力では東の正横綱と勝負になりません。
ただし、前頭にも勝機はないわけではありません。
まともにやったら一発で土俵から投げ出されるのは分かっていますから、サイバー攻撃などの反則技を仕掛けたり、張手の弾道ミサイルを撃ってきます。

日経新聞の記事にあるとおり、中国が台湾、日本やグアムの米軍基地、洋上の米空母を攻撃するための主力兵器は、射程300-5000キロの中距離弾道ミサイルです。
米国はこの中距離弾道ミサイルはロシアとの制限条約で禁じられていたためにまったく保有していませんから、この部分は確かに「米中逆転」しています。

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空母キラー」、DF-21D対艦弾道ミサイル_中国網

よくメディアは、この準中距離対艦弾道ミサイルDF-21D(東風21D)を「空母キラー」などというオットロシイ呼び方をしますか、本当に米空母に当たるかどうかはわかりません。
だって、空母の位置は完全に情報封鎖されていますから、どこに向けて撃ちゃあいいんでしょう。
去年、米空母でコロナが乗組員に拡大したために、艦長が公開でその窮状を訴えました。
その結果、艦長は解任されたのですが、その理由は艦長のとった行為の是非ではなく、現在地を暴露してしまったことです。
それほどまでに秘匿されている空母の位置は、大海に落ちた針を探すようなもんですから、いったい中国はどうやってその場所を知るのでしょうか。
仮にその位置がわっかたとしても、十重二十重にイージス艦に守られている米空母に当てるのは、限りなく無理です。

そしてこの弾道ミサイルが使えると中国軍が判断できるのは、米国の報復がない場合に限られます。
米国は空母やグアムに対する攻撃は、米国に対する宣戦布告ととらえますから、米国は全力で敗北を回避するためにためらうことなく必要な手段を集中します。
米国のモットーは、一発殴られたら100発お返しする100倍返しですからね。
日本はかつて100倍返しで殴り返された経験があるので分かりますね。

さて、殴られた米4軍は直ちに反撃を開始します。
米空軍は、グアムから即応でB-1、B-52爆撃機が射程900キロ以上のステルス巡航ミサイルを発射するでしょうし、本土からはB-2ステルス爆撃機が精密誘導爆弾を投下するでしょう。

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米軍のB-1、B-2、B-52爆撃機がグアムに集結_中国網

米空軍はアラスカなどの本土から、F-22戦闘機4機と、支援機材、搭載兵器、整備員を乗せたC-17輸送機1機の「即応ラプター・パッケージ」を必要数、東アジアへ派遣し、到着後24時間以内にF-22の作戦飛行が開始されます。
嘉手納や三沢からも多くの戦闘機が攻撃に向かうはずです。

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アメリカ海軍 事前集積艦 USNS 1ST LT.JACK LUMMUS(T-AK 3011) 205m

海兵隊は、常に海上事前集積船隊に海兵隊の兵器・物資を積んでマリアナ諸島付近に停泊させています。
3日以内に日本や台湾へ回航し、沖縄の部隊と米本土から輸送機・チャーター機で飛来した部隊を合流させて現場に投入します。

海軍は、今も空母2隻体制が臨時でとられていますが、中東から直ちに空母戦力の集中が行われるはずです。
空母打撃群のひとつひとつが中規模国家の空軍力等しい規模をもっていますが、それを最低でも3個、可能なら4個打撃群を集中します。
増援はミニッツとセオドア・ルーズベルトになるでしょうが、集結まで数週間はかかるでしょう。

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海自と米空母3隻共同訓練 日本海、北朝鮮けん制

それ以外の陸軍本体は、州兵も含むために集結から投入まで更に時間がかかるでしょう。
ハワイや米本土に配備されている攻撃型原潜や巡航ミサイル発射型原潜の主力が到着するまで最速で1週間、最大で2か月間かかるとみられています。
これで米軍という巨大な戦争マシーンが完全に回り始めるわけです。
ですから、時間が立てばたつほど中国軍の勝利の可能性は急速になくなっていきます。

このように見てくると、中国からすれば、大戦前の日本とまったく同じ決断を迫られるのがおわかりでしょうか。
短期決戦で台湾を完全占領するしか勝利の方法はありません。
開戦するか否か、その場合短期決戦で勝利できるかどうか、中国首脳は苦しい選択を迫られるはずです。

逆に中国の攻撃を受ける立場からすれば、中国軍の先制攻撃の2週間を耐えて、増援を待てばよいということになります。
この約2週間の耐える期間を支える役割なのが在日米軍と自衛隊です。
在日米軍は、中国の初動の攻勢に耐えて増援部隊が来る時期まで持久せねばなりません。

いずれにしても台湾や尖閣への攻撃は、中国にとっての「真珠湾」となることだけは間違いありません。
ましてその時に米空母やグアムに「空母キラー」などを発射すれば、世界最大の戦争マシーンを起こすことになることをわかって、中国首脳部はやるのですね。


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コメント

なんか誰もいない?

遼寧を中心とした一応打撃軍的な艦隊が、またぞろ北上して宮古海峡を抜けて帰っていきましたね。
また英国も最新のQEⅡを持ってくるは、フランスやドイツまで艦船派遣してくるそうで、極東情勢(というか中国の軍事動向)はもはや世界の注目を浴びている状態です。

単純に金額や人数で各国のぐんし

おっと、変なとこでPostをタップしてしまったので続きです。

単純に金額や人数で各国の軍事力を比較するのは全くの無意味です。かろうじて陸軍歩兵だけくらいなら単純比較できなくもないかな?程度。

また各国の軍事予算のGDP比率も、正直無意味。
先進国だと生産額や人口が比較的少ないカナダやオーストラリア、ニュージーランドなんかは割と高くなりますし、
逆にイラン等は人々はビンボーしてても異常に高いですし···究極は北朝鮮ですね。
数字がどの程度正確かわかりませんけど90年代後半で、まだ金日成が生きてた頃で25%というとんでもない比率になってましたから。
いまじゃその倍以上か!?と。つまり総生産額の半分以上が軍事費。それでも軍人でさえマトモに食えなくて大変みたいですけどね。
ありゃあ、軍事費削って国民の福祉に使いなさいって、教条のように言ってる日本共産党は是非ともあちらの国にご意見して下さいな。

我が国のドクトリンはまだ沖縄返還前の日本を守る、あとは米軍の傘に入るで長いことやってきましたし、憲法9条というのはそもそもその前提です。
90年代になってなんとか自衛隊法で一応海外へ出ることが出来るようになりましたが、本格的に他国と共に戦うような場合には「集団的自衛権」がどうしたなんて話になるのが情けない話です。
ちゃんと法整備(改憲含む)をしないと、どこも守ってくれなくなります。
あとは先日の菅·バイデン会談の声明を見ても、防衛費増額と装備更新は必須ですね。
あとは少子化で成り手がいないのが悩みどころ。特に海自は定数割れまくり。新型FFMなんか、汎用護衛艦に比べて随分と小さく簡素になりました。
「もがみ」が進水したので、これで旧帝国海軍の県内の地名に因む艦名は出揃いました。。

中共をアゲて、日本や台湾・アメリカ・オーストラリアなどをサゲる論調の背後には、中共が対象国内世論を自国有利にする情報を流して操作する、所謂「シャープパワー戦略」の浸透があることは、我が国ではネット中心に「五毛かよ!」と距離を置いて突っ込める人々の増加とともに、近年他国でもよく知られるようになり、オーストラリアでの2018年の国内法強化などに繋がっているわけで、軍事で中共優勢の話も鵜呑みにはしないで、一旦止まって調べてみれば…というのは仰る通りですね。
また、合衆国は中共との競争において、現状のままで優勢である揺るぎない自信があるというよりは、イノベーションの必要性を認識し、予算を付けているようです。
合衆国で本年1月1日に成立した2021年度国防授権法第1251条に規定される「太平洋抑止イニシアティブ(PDI)」創設を受けて、必要な取り組みを述べたインド太平洋軍デイビッドソン司令官の報告書には、「個別の軍種よりも統合軍が地域の安定を保全」とし、必要なイノベーションを挙げているそうです。
ご参考のひとつに、森聡法政大学教授の説明
https://www.jiia.or.jp/column/post-84.html

軍種を超えた統合の力という点は、デイビッド・バーガー合衆国海兵隊総司令官が合衆国陸軍誌に「将来に備えて-競争する沿岸部での合同作戦を支える海兵隊」とのタイトルで寄稿していることからも、うかがえるように思います。
https://www.armyupress.army.mil/Journals/Military-Review/Online-Exclusive/2021-OLE/Berger-Future/

中共が何を選択するにせよ、我が方か向こうか、常に欠点を良く埋める者が優勢である、或いは生き残る、という話と考えます。

儒教的、封建的、序列的、氏族的、軍閥的、な中共ですから、間違
いなく「一番乗り」の大手柄をたてようと、後先考えない野心に燃え
た輩が、オラオラオラオラオラオラオラオラーと台湾でコトを起こすと
思いますわ。もう、合理性も理屈もヘッタクレもない、ただの成り行
き任せの勢いです。馬鹿は何処にでもいる、偶発という必然ですわ。

ピンチはチャンスでもあるので、中共支配を終了させようと米国ら
が、ここぞとばかりに中共中枢をピンポイント攻撃することも考えら
れます。ほとんどの中国人は中共など心の中では蛇蝎よりも嫌って
いるので、中共権力中枢が崩れれば、むしろ歓迎すると思いますわ。

旧大日本帝国も、軍部が天皇陛下の威信をカサにしてエグイ威張
り方をしていたので、敗戦後に、一般日本人は大々的なゲリラ戦を
することもなく新日本の体制へと舵を切りました。フヌケになってし
まったのは痛いけど、戦前の体制と縁を切れたのは間違いなく良か
ったと思いますわ。一般中国人も、中共の連中がいなくなれば戦争
を継続する理由などありませんわ。彼らは元々商売人ですし。

日本人が日本人でいられるのは、二度にわたる元寇への北条時宗の対応です。その日本人のDNAを引継いだのが日清戦争です。
大国が、力で小国をねじ伏せようとしても無理ですね。
アメリカとて、ベトナムで屈辱を味わっています。
台湾とて、中国が力でねじ伏せようとしても無理です。台湾人は戦うでしょう。今の日本人にそのような覚悟があるか疑問です。
その時になってみないとわからないですが、
一つ言えることは、今の日本は台湾のようにその時の準備ができていない。
それは、政治の責任でもあり国民の責任ですね。

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