• 20250112-044948
  • 20250112-050804
  • Dsc_1204
  • Dsc_1204_2
  • Dsc_1206_2
  • Dsc_1210
  • Dsc_1211
  • Dsc_1208
  • Dsc_1188
  • 20250110-053936

« 山路敬介氏寄稿 報道されない現代自衛官の本質  | トップページ | GW明けから6月にかけてワクチン接種はメドが立ちます »

2021年4月30日 (金)

山路敬介氏寄稿 報道されない現代自衛官の本質 その2

140

                          報道されない現代自衛官の本質 その2
~沖縄タイムス「防人の肖像」は現代自衛官の姿を表していない。コロナ宮古島派遣自衛官の姿から ~                 

承前

話がそれました。

宮古島では重傷者用の病床が足りず、自衛隊のヘリで本島に搬送される事態にまで至った事はご存知のとおりです。このことの原因としてメディアはGOTOトラベルをあげましたが、この時点で県内宿泊施設からは一人の発症者も出していません。どこでも同じだと思いますが感染は家庭内が多く、宮古島でのクラスターは特養老人ホームや障がい者用などの施設で発生しています。

 メディアとちがい、そうした状況を正確に地元の自衛隊は予め把握していて、デニー知事から出動要請が出た時点ですでに必要派遣人数や、やるべき事も十分に練られていました。

むしろドタバタしたのは沖縄県の方で、派遣自衛官(看護官)の宿舎の手配や要望、支払いなどの細々した事は同時進行的に市役所や現場で了知されて行ったのです。

 派遣自衛官は朝7時には宿舎となったビジネスホテルを出て、駐屯地から差し向けられたマイクロバスで目的の施設に向かいます。この車は窓から内部の様子がうかがえず、私は乗降口方向から中を覗いてみましたが、沢山のビニール間仕切りが徹底されていて、席毎にさえ区分してあるように見えました。

 現場では施設ごとにやる事がちがいますが、当初は感染者の出た部屋や棟全体への消毒など、またリネン類の処分や取り換えなど事後処理が行なわれました。

それから今度は、今後感染者が出た場合の従来動線と別のラインの確保、厨房が使用不可の場合の予備的な対応などを想定した措置をしています。

 これらの事は同じく派遣された看護師たちとの共同で行なわれましたが、参加した看護師によれば「感染を防ぐ目的として、自衛隊の措置は徹底しているだけでなく、最新の予防医学に基づいていたよう」だとの感想を私に話ました。

 当初私は根拠なく、これら自衛隊の関わりは主として施設へのピンポイント的な対応でしかなく、漠然と「不十分なのではないか」と考えていました。けれど、ワイドショーなどで「コロナ地獄の島」のように興味先行の報道をされていた宮古島市が、自衛隊着任後一週間を経ずに新規感染者数がゼロ近くになったのです。いかに合理と徹底・集中が重要であるか、それを行なえる自衛隊の叡智はさすがだと感じざるを得ませんでした。

9d562f97bbdf8d5f8138385c0f70d71a

宮古毎日 http://www.miyakomainichi.com/2021/04/139370/20210414

今はまた感染者数が徐々に増えてはいますが、件の施設等へのワクチン接種は行きわたり、月末には高齢者一般への接種が始まります。感染者数や保菌者数はともかく、今後は宮古島から死者は出ないだろうと見られています。

 ところで、前に「県の手配がバタバタしていた」と書きましたが、それはたとえば県が用意した宿泊施設は隊の要望を満たすものではありませんでした。派遣された隊員自身が現地で直にホテル側とていねいに相談して、すでに交渉済みの予算枠の中でほぼ100%の協力が得られたものです。

 彼らはまず、万々が一を考え、隊員からの二次感染など夢にも起こらぬように、フロアーを貸し切りにする交渉をしました。キーは各自持ち切りにして出入りは外の非常階段からのみとし、他の宿泊者だけでなくホテル従業員にすら相対しない方法をとりました。

食事も夕食と翌朝の朝食(パンと飲み物程度)が夕食時に一緒に駐屯地から届けられ、狭い部屋で各自別々に済ませます。

 洗濯は自前の洗濯機を一台フロアーに設置して、他の客と接触する可能性のあるホテルのランドリーは使用していません。ホテル側による部屋の毎日の掃除は断り、シーツ交換などはリネン類とともに所定の場所に用意してもらって、それで各自でしています。

もちろん、夜間外出などという事はなく、休日もフロアーから出る事はありません。

体がなまってしまうとかで、フロアーに出てバランスボール運動とかマットを敷いての柔軟体操を良くしていたそうです。

 ちなみに同ホテルには県から派遣された看護師の皆さんも宿泊していて、そちらは一切が他の宿泊客と同様で朝食会場にも行くし、コインランドリーも使っていたとの事。

自衛隊なら、より厳しく万全の体制をとる事の命令があっただろう事は理解できます。

ただ、派遣されたチーム自身が朝夕のミーティングによって、自ら課して常に改善していた点が特筆されるべきでしょう。

 また、報道のせいで看護師団同様に予定の二週間で任務を終えて帰っていったように理解されていますが、その後10日間はホテルで待機し続けています。

感染状況がぶり返さないかどうか注視する目的もありますが、自らが感染源になる事のないよう念を入れての意味が重要だったようです。ですから待機中の10日間も、それまでの二週間と同じように同じフロアーに缶詰め状態で過ごしていたわけです。

000205695_640

 私ら市民有志はこのチームに対し記念的な謝意をあらわすべく奔走しましたが、丁重に辞退されています。唯一、かかわりのあった施設から駐屯地経由で夕食時に届けられた質素なフルーツ折だけが届けられました。

 コロナ禍中だったので仕方ありませんが、私だけでなく市民の誰もが名すら知らないままで感謝の言葉を届ける暇もありませんでした。チームの皆さんの声をじかに聴くことも出来ないままでした。


フルーツ盛に添えられていた小さな栞に「自衛隊の皆さん、感謝します」と書いてあって、それをチームの誰かが自分のドアの真ん中に誇らしげに張り出してあった事を私に話してくれた清掃担当のおばちゃんがいて、ポツンと「ちょっと、泣けた」と言いました。

                                                                                                                         了

                                                                                                         文責 山路敬介

« 山路敬介氏寄稿 報道されない現代自衛官の本質  | トップページ | GW明けから6月にかけてワクチン接種はメドが立ちます »

コメント

「非常時対応マニュアル」がしっかり周知されていて、まだ手探り状態かと思われていた昨年のDP号患者の自衛隊病院でも2次感染を起こさなかった導線作りができていたのかと。
あとはロジスティック(兵站)力の圧倒的な差と、隊員の意識の違いでしょうね。。。恐れ入ります!

まあ20万人規模の組織集団ですから、ちょいちょい悪い奴もいて当方の第6師団でも毎年のようにダラけた不届き者がいて、やたら地元紙では大きな扱いされますけど、まあ大体が酒気帯び運転や営内での小金の窃取、あとたまにパワハラくらいですね。


それにしても変異株E484Kが増えたと報道されて間もなく、もうN501Yに入れ替わっていて、さらに複合株とか実に厄介な状態です。ワクチン普及を待つ以外にまず手が無いというのが歯がゆいですが、まあ我慢です。


ちょっと逸れます。
当初親父の手術を正月明け直ぐに行うスケジュールが組まれていたんですが、年末に県内感染者の増加とはじめは軽症者でもなんでもとにかく拠点病院の県立にぶっこんでいたので病床ひっ迫しました。
先週ようやくストーマ取り付け手術ができたんですけど、その間にかなり腎臓機能が低下してしまいました・・・また外部の人間は病棟に入れないので、数日置きに指定の時間に行って消毒しまくってから別室で対面して「交換の練習」しているところです。

大変貴重な現地からのお話を聞くことができ、感謝いたします。
昨年のDP号の際の圧倒的な力量を見ても、やはり自衛隊の危機管理の力量はたいへんなものだと感じます。

27日に政府から、自衛隊が運営する接種会場を東京都に設置する旨発表がありましたが、たいへんありがたい決定だと思っています。

しかし、この決定に対して立憲民主党の福山氏は「唐突感がある」「行き当たりばったりとの危惧を持たざるを得ない」と批判したそうです。私には、単に福山氏を含む立憲民主党の諸氏が、こうした自衛隊の危機管理の力量に無知なだけではないかと推測しております。

山路さん、ありがとうございます。不覚にも泣きそうになりました。自衛隊には感謝感謝です。多くの新型コロナ患者を受け入れた自衛隊病院のノウハウがまさに国民に享受されました。これもまさに国防です。

相変わらす沖縄のメディアは十数人だか数十人だかの自衛隊反対運動ばかりとりあげますがね。

上の方も触れてますが、現時点でワクチン接種を広く速やかに実施することほど有効な手段はないというのに、自衛隊の大規模ワクチン接種会場の設置に言いがかりをつけるどこぞの党は日本人を守る気があるんでしょうかね。

バッカじゃねーの!?

山路さん、ありがとうございます。
宮古を離れていても、
宮古の血が体に流れている者なので・・。
ずうーっと、以前の山路さん寄稿の写真絵も・・・。

災害が起こる毎、厳しい条件の中、
黙々とこなす、自衛隊の、プロ意識。
いつも、その都度、毎回こころ打たれつつ、感謝です。

マスコミの報道しない、貴重な真実の姿、
丁寧に、多くの人にも分かり易いように、
寄せて下さり、有難うございました。
そして、今回の自衛隊の隊員、派遣の看護師の皆さん、
医療関係者の方々、本当にありがとうございました。


早く自衛隊を、シン・日本軍として、憲法で定めて欲しいですわ。現在、
中途半端な存在なので、彼らは表立って、自国民からの称賛・感謝・
尊敬の念を受け止める事が出来ません。人間、やっぱり面と向かっ
てそれを表明された方が、そりゃ、仕事に張り合いが出るってもんで
すわ。清掃担当のおばちゃんでなくても、感謝の小さな栞のエピソード
にはちょっと泣けます・・ 本来なら、素直に気持ちを通い合わせたい
のに、マスゴミどもらに気を使わないといけないなんてヒドイですわ。
ヘタすりゃ、『宮古島の老人達を泣かせた自衛隊』と報道されそう。
実は嬉し泣きなんだけど、たしかに泣いた事には違いない。

それにしても、感染者数のグラフ推移には瞠目します、プロですわ。
もう以前から、新コロナの感染防止には老人介護施設や医療施設
(トシとると病気になりがちで、必然的に老人が多い)を重点ピンポイ
ント攻撃すべし、と言われていましたが、やっぱり効果絶大みたい
ですねぇ。若者の多い大都会のホテルやデパートや飲食店やらを
自粛させても、近所の老人同士が昼間からくっちゃべるやらカラオケ
するやらで外出していては、まったく意味無い気がします。新コロナ
に対して最も脆弱な部分を保護するのが理にかなっていますわ。

報道されない、報道とはまた違った一面を、こうして知ることができるのは有難いものです。
ご紹介頂いた、宮古島での自衛隊の皆さんの様子は、自分自身の感染予防策を徹底しながら同時に自分自身がウィルス保持者である可能性を前提として行動すると、叶う或いは達成されていくものはあるってことの証左のひとつであり、我々レベルでもそのように行動することで、日々の目的や希望欲望をある程度満たすことができる日々に繋がるのだろうと、今また考えます。
カラオケ大好き老人の親戚にご機嫌伺いの電話をしたら、某有名チェーン定食屋で見たという、食べながらウェーイ!な若者グループへの怒りをひとしきり打った直後に、自分については「ワクチンさえ打てばコロナと縁が切れる」と言ったので、それもちょっと違うぞと小一時間。
言い訳は、「テレビニュースの街のインタビューで東京の人がそう言っていたから」ですってよ。

自衛隊の実際の仕事の仕方が、わかって有り難かったです。

栞のはなし、わたしも泣けました。

貴重なお話、ありがとうございました。

今更の投稿ですみません。また、山路さんご寄稿ありがとうございます。いつも楽しみに拝読しております。
このような内容の事実を、原始情報というか1次情報として、我々が報道機関のバイアスなしに知ることができるようになったのは、大変貴重なことではないかと思います。同じ流れで、韓国のやり方が国民に広く知れ渡り、今の日本政府につながっています。国民のためにコロナと戦う自衛隊が、本当に国の敵と戦う「軍隊」になるのも、そう遠い将来ではないように感じています。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 山路敬介氏寄稿 報道されない現代自衛官の本質  | トップページ | GW明けから6月にかけてワクチン接種はメドが立ちます »