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2021年4月20日 (火)

菅さん、台湾有事の腹はできていると答えよう

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さて、日米首脳会談も終り、次の段階に入ります。
今回の首脳会談についてアレコレ言う人がいますが、ハト氏が言うように食ったのがハンバーガーだろうが、豪華晩餐だろうが関係ありません。
菅さんの日程がコロナ対策で詰まっていたからトンボ帰りしただけのことです。自分だってハンバーガーを食ってきたくせにヨー言うよ。
菅さんのズボン丈がだって(爆笑)。まさにどーでもいい。
スガのおいちゃんの持ち味は、この野暮ったさなんですからね。

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さらに、オリンピックについてバイデンが出場を明言しなかったことをとやかく言いたがる人がいますが、これも無視してかまいません。
だってこの時期は、やるやらない、出る出ないの時期ではなく、「やる以上どのようにキッチリやるのか」という方法論の詳細を詰めるべき時期だからです。
米国がコロナを理由に来ないのなら、ここまで孤立無援のオリンピック準備を進めてきた日本に対しての重大な裏切り行為にほかなりません。
万が一米国がそんなことをしたのなら、日米首脳会談の前提たる日米同盟に深い傷を与えますから、これは利敵行為じゃありませんか、と問い返せばいいのです。

ですから、外野のくだらない雑音に気を取られる必要はありません。
日米会談で与えられた宿題は多いのですから、それに順位をつけて、緊急度が高いものから対応を決していけばいいだけのことです。

なんといっても肝は台湾についてどうするのか、です。
共同声明の文言は、「台湾海峡」でも「台湾」でもかまいません。
共同声明は外交文書ですから、あのていどにボカしておいたほうが、文言に拘束されなくてよいのです。

むしろ、今「台湾」と書き込まれて困るのは台湾のほうじゃないでしょうか。
なぜなら、それは台湾が「地域」でもなければ「大陸の一部」でもないあいまいな国際的地位ではなく、国家としての台湾承認を求める「台湾独立」を意味しかねないからです。

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では台湾国民が「独立」を望んでいるかといえば、時代によって変化しますが、熱烈支持はおおむね3分の1ていどです。
中国が懐柔政策をとった「三通」時代は大陸との統一や現状維持を望む者が増えましたが、習が「戦狼」路線で野望をむき出しにし、香港の惨状を目の当たりにすると独立が急増しました。
このように台湾人の多くは現状維持をとらないと中国から侵攻を受けてしまうと考えており、独立の旗を高く掲げるには至っていないのです。
ですから、このような時期こは日米両国は台湾の形式的地位に拘泥せずに、実質で台湾を守っていくことを宣言すればいいのです。

さて、そこで問題がひとつあります。
米国はいいでしょう。バイデンには危惧が残りましたが、いまや現政権が台湾防衛に立ち上がることを疑う者はいません。
問題は日本の国内問題です。
日本国民の多くは、特に沖縄県民は台湾の命運と沖縄のそれを重ねて見ようとはしていないからです。

なぜでしょうか。
それは為政者が台湾有事とは日本有事のことだ、このふたつは連動して動いているということを国民に訴えないからです。
そのために日本国民の多くは、台湾をほんものの友人と考えていますが、自分自身のセキュリティ問題と関連づけて考えません。
ですから、台湾-尖閣-宮古の危機は連動しているといわれても、ピンとこないのではないでしょうか。
台湾有事といわれても、そりゃ気の毒だ、パイナップルでも買って応援しようていどで終わってしまいます。

ではこういう質問をしてみましょうか。
中国軍が台湾に侵攻した場合、台湾上空のみならず両軍の戦闘機は広い範囲で交戦するでしょうが、日本の国境線で彼らは引き返してくれますか?
だいたい国境線は可視化できませんから、そんな保障はありません。
ではその時、自衛隊は中立を守るのでしょうか、それとも台湾を守るために共になんらかの形で戦うので.しょうか?

仮に自衛隊が中立を守ろうとすれば、防空識別圏に侵入した軍用機の所属を問わずスクランブルをかけて追い払います。
さらに領空に侵入された場合、これも所属を問わず撃墜することが国際法上は可能です。
これが「中立を守る」ということの意味です。
実際に大戦中、スイスはドイツ機も英米機も、平等に迎撃しました。
したがって、領空に台湾機が逃げ込んで来た場合、自衛隊は台湾機を撃墜することがありえます。
このように「中立」というのは優しげにきこえますが実は真逆で、冷酷で厳しい立場のことです。
いわば自国だけが平和なら後は知ったことか、というミーイズムの権化ですからね。

これが従来からのわが国が「紛争の解決手段としての戦力を放棄」したことの必然的結果で、それは中国がまだ軍事的膨張を開始する以前の牧歌的時代の産物でした。
しかし前政権において、集団的自衛権を一部容認し、周辺事態の有事においては重要影響事態であると認識して行動を起こすことが可能となりました。
中国の膨張政策に対応したのですが、具体的になにを指すのかは明確にされていませんでした。

今回それが明示されたことになります。
それが台湾有事です。
日本は、「台湾海峡」の防衛義務を負うことを国際公約としました。
したがって台湾有事に対して、重要事態安全確保法が適用されます。
重要事態とは、そのまま現状の危険な事態を放置すれば、日本の平和と安全に重要な影響を与えると考えられる事態のことです。

●重要影響事態安全確保法
平成十一年法律第六十号
重要影響事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律
(目的)
第一条 この法律は、そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態(以下「重要影響事態」という。)に際し、合衆国軍隊等に対する後方支援活動等を行うことにより、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安保条約」という。)の効果的な運用に寄与することを中核とする重要影響事態に対処する外国との連携を強化し、我が国の平和及び安全の確保に資することを目的とする。 

(重要影響事態への対応の基本原則)
第二条 政府は、重要影響事態に際して、適切かつ迅速に、後方支援活動、捜索救助活動、重要影響事態等に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)第二条に規定する船舶検査活動(重要影響事態に際して実施するものに限る。以下「船舶検査活動」という。)その他の重要影響事態に対応するため必要な措置(以下「対応措置」という。)を実施し、我が国の平和及び安全の確保に努めるものとする。
 対応措置の実施は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。

現行法で可能なのは、後方支援・捜索救助船舶臨検等に限られていますから、その範囲をどうとるのかという運用面の解釈になります。
たぶん野党は国会審議で、枝葉末節にこだわってアレはどうだ、コレはどうだと根掘り葉掘り聞いてくるでしょうが、首相は官僚的答弁ではなく、直接に国民に語りかけるべきです。

台湾を守ることは、日本の安全と平和を守ることに直結している。わが国が最良の友である台湾を見捨てることは断じてない、可能な限り米国と共に支援を惜しまない、と。


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コメント

>日本国民の多くは、特に沖縄県民は台湾の命運と沖縄のそれを重ねて見ようとはしていないからです。

>なぜでしょうか。
それは為政者が台湾有事とは日本有事のことだ、このふたつは連動して動いているということを国民に訴えないからです。

 今日のお説はまったく賛成です。

 微力ながら、状況の本質を世間に伝えていきたい。政府がやらないといけませんがやらないので、草の根運動として自身がやらざるを得ませんね。我那覇真子軍の一員として頑張るつもり。

 台湾有事と尖閣有事が起こった際に懸念されるのは島嶼部における住民保護の視点です。台湾有事とか尖閣有事の話になると軍事面の議論が中心になっていますが住民をどのように避難させるかというのが重要な視点であると思います。沖縄戦の教訓もあるわけですから自衛隊の駐屯を認めてもらうためにも必要な議論だと思います。

 例えば台湾や尖閣で有事が起こった場合に八重山地域から全ての住民が避難するために民間の輸送艦で3週間程かかると言われています。その間の住民の安全をどのように保護するのか山路さんは宮古にお住まいですが自衛隊が配備される際にそのような議論はおこなわれていたのでしょうか?個人的には避難先の住民の生活を補償するシステムを確立するなどの配慮が必要だと思うのですが議論の経緯を知っているのであれば山路さんにお聞きしたいことがあります。具体的には以下の3点です。

 1、宮古には陸自のミサイルが搬入され 
  ているがミサイル有事が起こった際の
  避難場所はどのような場所が指定され 
  ていてそこは避難場所としてミサイル
  有事耐えうる適切な場所であるか。改      
  善してもらいたい点はあるか。

 2、インフラが制約されている島嶼部に
  おいて有事が起こった時のための食料
  や水の供給は義務付けられているか。

 3、普段からミサイル有事が起こるとい
  う前提の住民も含めた訓練をしている  
  のか。しているとすればどれ位の頻度
  でおこなわているか。

 左派の中には自衛隊がいるからミサイル基地なんて置くから島が狙われるんだという人がいます。私はめちゃくちゃな論理だと思っているのですが台湾有事や尖閣有事に備えるためには住民との信頼関係が大事だと思っているのでこうした議論も活発に行うべきだと思います。

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