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2021年4月21日 (水)

安保は米国、経済は中国という二股をどこまで続けられるか

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昨日の記事は中国に対するいわば「心構え」のようなことを書きましたので、なんだ精神論かと思われた方もいらっしゃったと思いますので、今日は具体的にお話していきます。

今回の日米共同声明は外交若葉マークの菅首相がしてやられたと考えている国民はいると思います。
というのは、かなりキツイ内容なのですよ、あれ。
同じ内容がトランプ-安倍でやっていたなら、今頃はメディアと野党が発狂状態だったかもしれません。
だって日米共同宣言には、中国との対話を前提にしながらも、実質米軍による核の持ち込みを示唆する部分がありますし、日本が求めた尖閣防衛が日米安保5条の範囲内にあることを認める代わりに、台湾「海峡」防衛と南シナ海防衛に日本が参与するということも言っているわけです。
これって完全な「戦後」からの離脱じゃないですか。

そのうえ後半では、中国経済とデカップリング(分離)しろと言われているのです。
自民党の伝統的な対中政策といえば、中国はやっかいな国だから、怒らせないで手なずけていこう、ご機嫌取りも厭わない、というものでした。
それは「安全保障は米国だより、経済は中国だより」という日本の基本構造があったからです。
韓国とは違った意味での二股外交だといわれても致し方がないものでした。

ところが、対中宥和に走ると見られていた米民主党政権が、これを頭から否定し、そんな安易なことは許さない、経済と安全保障は一体のものだというトランプ路線をそのまま継承したどころか、「同盟重視」という言い方で日本にも同調を強く求めたのですから、さぁ困った。
そこででてくるのが朝日の「その覚悟があるか」という論調です。

たぶん今の自民党にその「覚悟」はないでしょうね。
菅さん個人は分かりませんが、党内には多くの親中派を抱え、同盟関係には日本最大の親中政党の公明党、そして支持母体には日本最大の中国大好きの財界が控えています。
バリバリの保守派はむしろ少数。
ですから、日本は一見米中の外交バランスをとって来たように見えて、実は政財界そしてメディアに磐石に存在する親中派に支配されてきたのです。
だから、この中国経済とデカップリングしろという米国の要求ほど、つらいものはないわけです。

ではなんでこのような強固な親中派が国内に、しかも政権内に存在するのでしょうか。
それについては多少説明が必要です。
よくある誤解に、日中貿易において日本が赤字を垂れ流していて、中国が貿易黒字・日本は貿易赤字で弱小だからしたかがない、というものがあります。
それは身の回りにメイドインチャイナか溢れているし、日本経済が誇る世界のトヨタも中国市場が命と思っている節があるので、そう感じてしまうのですが、実際はそれほど単純なものではありません。
財務省が出している貿易収支をみて下さい。

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図録▽対中・対米の貿易収支・経常収支の推移

2012年~16年という円高時代を除けば、日本は中国に一貫して貿易黒字になっています。
これ自体意外ではありませんか。なんとなくイメージでは日本は雪崩のようなメイドインチャイナに圧倒されているようなかんじじゃありませんでしたか。
しかし違うのです。直近でも、先日新しい貿易統計が出ましたが、真っ先に輸出が伸びた先は中国相手でした。
全体主義は危機に強いのです。人権もクソもなく国家が強権的に統制できますからね。
今年後半には米国も回復してひっくり返すかもしれませんが、残念ながら今のコロナでよろめいている日本経済にとって中国とデカップリングするのは死の苦しみに等しいというのも事実なことは事実です。
ただし買うほうではなく、売る方で。

さて中国税関総署が、2021年4月13日に最新の貿易統計を出しました。
対日貿易ではなく世界貿易です。

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ちなみに、すべての統計数字が政治的に改竄されているといわれる中国において、貿易統計だけは相手国のデータがあるために正確だとされています。
これはを見ると2021年1~3月のドル建て貿易統計は、過去最高を記録しています。
輸出品目は、マスクやパソコン、ワクチンなど新型コロナウイルス関連がけん引し、輸入は資源のほか化粧品などの最終製品も伸びています。
輸出は前年同期比49%増の7099億ドル(約77兆円)、輸入は28%増の5936億ドル、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は1163億ドルです。

一方、2020年の日中貿易総額は前年比0.8%増の3175.38億ドルで、うち中国の対日輸出は1426.64億ドル、日本からの輸入は1748.74億ドル、貿易赤字は322.1億ドルです。
これまで中国は10年以上にわたって日本最大の貿易相手国なことは確かです。

ただし日中貿易は2011年に3429億ドルのピークに達した後、2012年に尖閣諸島問題をめぐって関係が悪化し、今も完全に回復していません。
2015年には中国の対日赤字が73億ドルに減少した後、徐々に増加し、2018年には335億ドルに達しています。

次に中国が日本から輸入している商品をカテゴリー別に見てみましょう。
2018年のトップ5の輸入商品は、第1位が機械・電気機器および部品で852億ドル(47.2%)、第2位が精密化学製品(肥料、化粧品など)が203億ドル(11.2%)、第3位が車両・船舶などの輸送設備が187億ドル(10.4%)、第4位が光学・医療機器が165億ドル(9.1%)、第5位が金属製機械類で149億ドル(8.3%)となっています。
これら5品目だけで全体のほぼ9割近くを占めています。
典型的な科学技術部品と精密製造設備類といった中間財輸出型が、中国においても完全に成立しているのがお判りでしょうか。
これに比べれば、ユニクロなんかたいしたことはありません。

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一方、日本が中国から輸入している主な商品は、2018年度で機械・電気製品で789億ドル、繊維品が218.8億ドル、原材料、家具・玩具が107.5億ドルなどとなっています。
これもよくレアメタルが輸出禁止になったら日本経済が潰れるなんて言う馬鹿がいますが、別に他の輸入先を見つければいいだけのことで実際に前回の騒動で日本は代替を見つけています。

これからわかることは、日本が技術的に高い機械・電気関係の中間財を輸出し、中国からは低価格で技術水準が低い製品や身の回りの消費財を輸入しているということです。
このように見てくると、韓国に対しても言えることですが、中国もまた日本から精密加工機械や電気製品といった中間財を輸入して、それを加工して製品化することで成り立っているということになります。

つまり科学技術でマウントしているのは日本であって、中国ではないのです。
もちろん日米共に中国市場を失うことは大きなダメージですから、財界は巨大な輸出市場を失うことを恐れています。
しかしより大きな打撃を受けるのは、中国のほうです。
なぜなら日本にとって中国製品でなくてはならない商品はありませんが、逆はまた真ならずで、中国とっての日本製品は死活的な位置を占めているからです。

たとえば中国は建築ブームでしたが、そこで重用されているのは日本製のユンボやブルです。
中国製はあることはあるし安いのですが、すぐに故障してしまいます。
結局は日本製が世界一だということになって、高値で取引されています。
同じく中国の国有企業のほとんどでは、日本製の工作機械が使われています。

また穀物についてもかつては輸出国でしたが、いまや輸入国に転落し家畜の飼料の多くを米国に依存しています。
トランプ政権の輸出管理規制強化に対抗して、米国に報復関税をかけたものの、飼料が逼迫し豚肉が高騰し、国民の怨嗟をあびたのは記憶に新しいことです。
大豆の輸入に報復関税をかけたら、じぶんの国の豚に食わせるものがなくなって大騒ぎ(苦笑)。
今じゃアツモノに懲りてナマスを吹くではありませんが、世界の大豆を買い漁って国際市場価格を高値に張り付け、世界の畜産家から恨まれています。
かといって、他に報復できる品目はなしですから、初めから米中経済戦争の勝負は見えていたようなもんです。

ですから、米国と日本が本気で中国と経済でデカップリングを開始したら、中国経済は致命的な打撃を受けるでしょう。
中国にとって経済失速は、他の国のようなただの政権交代を意味しません。
共産党支配そのものが崩壊する危険を常にはらんでいるからです。
だから中国共産党はなにがなんでも中国経済を守ろうとします。

このような構造を知った上で、中国市場べったりの構造から、半導体市場のように日米で力を合わせて中国から足抜きして新たな市場をつくろうではないか、というのが米国の提案なのです。
これは考えようによってはなかなか魅力的な提案じゃないですかね、財界さん。

 

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コメント

技術的に高い機械・電気関係の中間財を(高価格で)輸出し、技術水準が低い製品を(低価格で)輸入して、貿易黒字を保っているという考え方は、長い目で見れば国力を低下させるのかもしれません。

繊維産業に例えれば、綿花を輸出しても輸出額が増えないから、まず糸にして輸出額を増やし、後に最終製品にして輸出額を増やし、国際競争力がなくなって内需向けの工場だけ残し、値段の通る(高級な)綿花栽培だけ国内に残してといった感じになります。

繊維産業として、新たに高価格で輸出できる原材料や中間財もしくは製品創出できなければ輸出額減少し、繊維産業単独での貿易赤字が広がるといった感じになります。

繊維以外の工業製品についても、いずれ中間財を買ってくれなくなり、日本国外で製品を調達し日本国外で売り上げを伸ばしていこうとする、多国籍企業が幅をきかせるようになるでしょう。

そういったことを踏まえ、繊維に限らず工業製品全体として、中間財頼みでなく、技術的にはそこそこだが安全で安心して使える製品をつくり海外に直接輸出する産業スキームを再構築し、地方の再生や外国人就業者受け入れといった既存のスキームを見直し組み合わせ、日本で付加価値を生み出していくことにつながればと思います。

新たな市場をつくっていくというのが二股外交続けざるおえない既得権益者の梯子をはずすことなくということになるのかも知れませんが、こういったことを機会きっかけとして将来を見据えた方針を示し、腹をくくって舵を切っていく、次代のリーダーが輩出されることを願ってやみません。


先の日米首脳会談では、「日米気候パートナーシップ」なる仕組みの創設も合意され、その仮訳を見てみました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100178078.pdf

2 気候・クリーンエネルギーの技術及びイノベーションの段落では、イノベーションに関する協力を強化するいくつもの分野の中に、「革新原子力」と挙げられています。
現時点で、SMR小型モジュラー原子炉のことでしょう。
日米政府ともに、製造業が国内に残って国際競争力のある製品をつくれる環境、その電源構成に何が必要かを、或いは何を無しにはできないかを認識し、SMR自体でも中共との競争に勝つ考えを共有しているようです。

 今日の記事内容は大方納得できるものではありますが、一つ分からないことがあります。中国の新幹線やリニアーは極めて技術的に高い水準にあるのではないでしょうか? 今は中間財を輸入に頼っておりますが、いずれは彼らの技術水準も高まり、諸分野での技術革新を
成し遂げるのではないのかという不安はあります。さて、そのあたりはどうなんでしょうかね?

 日本人でも大変な努力を重ねてきて一流の技術大国になったわけであり、決して生半可のものではなかったと思うのです。中国が簡単に世界の強国にはなれないという消極論があり、これに真実味を私は感じ取るのです。例外的なものはありますが、まだ世界レベルまでの工業水準は達成できていないのではと思います。

 身の程知らずで驕り、アメリカを追い抜くなんて言いますが、軍事力で抜きんでていてもこれだけでは一流の経済国家にはなれないでしょう。多くの工業分野での水準の高さが得られてから後に、本当の強国、経済繁栄国家も成し遂げられるのではないか。

 軍事力だけ飛びぬけている現状は非常に危険ではないか。軍事力で他国の領土、富を奪うということが危惧されます。気をつけましょう。

:ueyonabaru さん。新幹線は完全に日本のJRの技術の丸パクリなことは有名です。
そのうえ日本のJR東海の車両基地の写真を名前だけスゲかえてつかっていたという破廉恥。
しかも日本だけではなく他国からもパクりまし。
ですから集大成といえばきこえがいいが、要はコピーのパッチワークです。

ところが彼らはハードにはカネはだしても(初めだけですけどね)、ソフトの価値を知らないから困ります。
新幹線技術のキモはソフトにありますが、これは自己流。
台湾ですら高速鉄道を日本唐導入するときにソフト導入でもめました。
中国はハードは外国から丸パクリ。ソフトは中華式でやるというキメラですから、うまくいくはずがありません。
案の定大事故を起こしましたが、すぐに事故車両を埋めてしまいました(笑)。
リニアもドイツから丸パクリ。これも事故を起こしたらドイツの責任にしました。

ちなみに軍事技術もまずは丸パクリして土台を作り、その後に個別の技術は各国から導入あるいは剽窃してしてパッチワークする。
たとえば戦闘機はロシアのスホーイ27の丸パクリ。まともにライセンス料もはらわないで大量買いつけするとウソを言ってパクったので、
ロシアは激怒したが後の祭りでした。

艦船も元はロシアの丸パクリで、レーダーなどはフランス、といった具合にいいとこ取り。
こういうことをすると、互いに体系が違う技術がキメラになってしまって火器管制がうまくいかなくなります。
ですから中国軍は実際にやるまで実力は未知数なのです。

そして最後はこれをメイドインチャイナとして発展途上国に売って儲ける、ということで一巡します。
丸バクリ→複数国の技術を接ぎ木→キメラを作ってソフトだけは中華→メイドインチャイナで売りさばく、というこのチャイナ商法をそっくりそのままマネたのが韓国です。

これが中華流のイノベーションです。技術や情報の流出に大いに警戒しなければなりませんが、そういったものだと思って下さい。
今やこの先進国からの情報流出は、頭脳にまで及んでいるのはご承知のとおりです。
いま米国が締めようとしているのはこの情報・技術流出です。

ところで私は全体の貿易バランスを言っているので、この技術は高い、これは低いということはあまり意味がありませんので念のため。

管理人さん、ありがとうございました。 

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