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2021年5月 6日 (木)

世界を飲み込む有効率5割の中国ワクチン

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中国ワクチンを大量に受け入れたブラジルでは、こんなお笑いの一幕があったそうです。

「ブラジル経済のかじ取りを一手に握るゲジス経済相は27日の閣僚会合で、録画されていることに気付かず、中国が新型コロナウイルスを「発明した」と主張した上で、中国製ワクチンは米国製よりも劣っているとこぼした。 発言は各メディアを通じて拡散。 ワクチンを中国に頼る政府は火消しに躍起となっている」
(時事4月28日)

おお、「中国が発明した」ですか。言っちゃいましたね。
どうしてこんなことをブラジルの大臣が言うのかといえば、要は効かないからです(笑)。
中国製ワクチンの有効性が低すぎることは、実は中国CDC自身が認めています。

中国疾病管理センターのガオ・フー局長は、中西部の成都市で開かれたカンファレンスの場で、新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性が低いとの認識を示した。フー氏は「現行のワクチンがあまり高い有効率を有していない問題を改善してゆく」と発言した。
現在のワクチンは高い有効率を持っていない。予防接種プロセスに異なる技術ラインの異なるワクチンを使用すべきかどうか検討中である゛と述べている」(AP4 月11日抜粋)

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中国の新型ウイルスワクチン、分かっていることは? - BBCニュース

中国CDC(←米国CDCのネーミングのパクリですが)すら低い有効率を認め、他の技術に置き換えることを検討しているわけです。
実際に、ファイザーやアストラゼネカが90%以上の有効率を示す臨床データーがあるのに対して、中国ワクチンは50%から、良くて70%の有効率を持つにすぎないようです。

「一方で中国では現在、集団接種用に5種類のワクチンを使用しており、各製造元は有効率を50%から79%と公称している。香港ヘラルド紙はファイザー製ワクチンの感染予防面での有効率が97%となっているのに対し、中国シノバック製は50.4%であったとの数字を伝え、有効率の低さを問題視している」(ニューズウィーク4月21日)

メーカー公称で50%なんですから、いったい実体はどんだけなんだよ、とつっこみたくなります。
ブラジルの研究チームによる有効性の臨床データーもでていて、これがなんと50.38%という箸にも棒にもかからない数値だったことに、ブラジル当局が仰天しました。
これならビタミン注射でもしたほうがまし。

「ブラジルの研究チームは12日、中国バイオ医薬品会社の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発する新型コロナウイルス予防ワクチンを巡り、後期臨床試験(治験)で示された有効性が50.38%だったと発表した。従来の発表からは30ポイント近く低い数値となった。シノバックのワクチンを巡っては、治験の透明性に対する懸念が強まっていた」(ォールストリートジャーナル1月21日)
https://jp.wsj.com/articles/SB11810575344700754897204587217793363360110

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ニューズウィーク ブラジルにおける中国ワクチン接種風景    

ところが中国ときたら、めげることなく既に大量に世界に中国ワクチンを供給してしまっているうえに、有効率が50.4%と報告されたシノバックに至っては増産のために工場を大規模拡張しているようです。


「シノヴァクの会長は中国国営メディアCGTNの取材で、新たに建設した敷地面積2万平方メートルの新工場で、毎年3億回分のワクチンを生産すると説明した。
他のワクチンと同様、シノヴァクのものも2回の接種が必要なため、1年に1億5000万人にワクチンを供給できる計算になる。これは中国の人口の10%強にあたる」(BBC1月15日)
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-55657280


中国はワクチン外交を国策化しています。

「アナリストらは、中国がこれらのワクチンでワクチン外交の競争に勝とうとしているとみている。習近平国家主席は先に、アフリカ大陸に20億ドル、中南米諸国に10億円のワクチン融資を行うと発表したと報じられた。ただし、どのような契約内容になるかは明らかになっていない。
MERICSのアナリスト、ジェイコブ・マーデル氏はABCニュースの取材で、「中国政府は確実に(中略)この救命技術から商業的・外交的利益を得ようとするだろう」と語った。
「中国はこれらの国が心底ほしい物を持っているし、ワクチン供給を慈善活動として印象付けようとするだろう」

特に中国が狙ったのは、中東欧諸国や南米、アフリカでした。

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ウォールストリートジャーナル  中国からベオグラードに到着したワクチンを迎えるセルビアのブチッチ大統領(1月16日)

「欧州連合(EU)が新型コロナウイルスワクチンの調達につまずき、欧米のワクチンメーカーが生産障害に直面する中、一部の欧州諸国は中国のワクチンに頼ろうとしている。そうした動きは、コロナ禍と闘う上で信頼できる同士として売り込もうとしている中国にとって、欧州での影響力を強める追い風となる可能性がある」(WSJ2月16日)

ワクチンという武器を用いて中国がやろうとしているのは、EUの分断です。
この交渉は中国政府が一元管理しており、商談の席に登場するのも製薬企業ではなく中国政府の役人でした。

「アナリストは、中国はそれにより、米国と影響力を競っている地域で優位に立てる可能性があるとみている。
欧州の当局者によると、中国側はワクチンメーカーではなく、政府が欧州の買い手との交渉を主導している」(WSJ前掲)

EU加盟27カ国分のワクチンを調達する役割を担うEUは、これまでにドイツ、米国、英国で開発された3種類のワクチンを承認していましたが、購入契約の締結や接種の承認に後れを取っている隙を狙うかのように中国がすり寄りワクチン供給の約束を取り付けました。
このことにより、ヨーロッパは国力が弱い諸国から次々に中国に陥落していくことになりました。

「ハンガリーは先月、EU加盟国として初めて個別にシノファームのワクチンを承認し、2月から4月までに500万回分を接種する計画に着手した。チェコも同じような計画を検討している。EU域外でも、セルビアが欧州で初めて中国のワクチンを使い始めたほか、モンテネグロと北マケドニアも2月中に中国製ワクチンの接種を始める計画だ。 一部欧州諸国の当局者によると、中国は契約締結後数日以内に100万回分のワクチンを当初分として出荷できるとしている。それに対し、欧米メーカーによる供給開始は契約後数カ月かかり、欧州では出荷も遅れている」(WSJ前掲)

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中国はワクチンを外交的武器に使うために、国内向けを意図的に遅らせて、外国に優先的に供給しています。
このへんは全体主義国家でなければ不可能なことで、自国の14億の民を放っていわば飢餓輸出をしようというのですから、民主主義国でそんなことをしたら次の選挙で倒れます。

「米国やEU諸国がまず自国民へのワクチン接種に全力を挙げているのとは異なり、中国はワクチンを世界に広く供給する考えを示唆していた。習近平国家主席は昨年5月、ワクチンを「世界の公共財」にすると語っていた」(WSJ前掲)

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いうまでもなく中国が国内向けを遅らせ、国外に盛大にバラ撒いたのは、ワクチン外交というと聞こえがいいですが、こっちの水は甘いぞ、ウェルカム一帯一路のためです。
すでに中国の植民地になりかかっているアフリカは軒並みチュウゴクワクチンに制圧されましたし、かねがねベネズエラのように食指を延ばしてきた中南米地域にも積極的なワクチン供給をしています。
特に南米の大国ブラジルが、中国ワクチンの城下に組み込まれたことは、コロナ後にも大きな政治的影響を残すはずです。

もちろん中国は慈善事業で無料配布しているわけではなく、法外な価格で売りさばいていることが分かっています。
なんと欧米ワクチンのモデルナが3700円見当なので2倍弱です。

「中国製ワクチンの価格は明らかになっていないが、BBCの取材班は今年初め、浙江省義烏市での接種事業で、注射1回が約400元(約6400円)だったことを確認している」(BBC前掲)

このように中国は、自由主義陣営を分断し、中華共栄圏に組み込む外交的武器としてワクチンを使っているだけではなく、しっかりと巨富を懐にしました。
ワクチンはひと粒で二度おいしい商売でだったわけです。

「アナリストらは、中国がこれらのワクチンでワクチン外交の競争に勝とうとしているとみている。 習近平国家主席は先に、アフリカ大陸に20億ドル、中南米諸国に10億円のワクチン融資を行うと発表したと報じられた。 ただし、どのような契約内容になるかは明らかになっていない。 MERICSのアナリスト、ジェイコブ・マーデル氏はABCニュースの取材で、「中国政府は確実に(中略)この救命技術から商業的・外交的利益を得ようとするだろう」と語った」(BBC前掲)

もちろん中国は外交ウェポンとしてのワクチンであることを自覚していますから、欧米のものをディスる情報を流しています。
それがEUで発覚し大問題に発展しました。
このディスインフォメーション作戦にはロシアも加わって、ならず者連合を形成している構図は、ここも一緒のようです。


「欧州連合(EU)は28日に公表した報告書で、ロシアと中国が政府系メディアなどを通じ、新型コロナウイルスの欧米製ワクチンやEUのワクチン戦略への信頼を損ねるための「偽情報」を発信していると指摘した。
自国製ワクチンを提供し世界各国への影響力を高めようとするロシアと中国の「ワクチン外交」に「情報操作が組み合わされている」と分析。 警戒感を強めている。
報告書は昨年12月からの動向が対象。 欧米製ワクチンの副反応について事実をゆがめて扇動的に報じるなどした偽情報が、ソーシャルメディア上でさまざまな言語で拡散しているという。
ロシアに関しては、ワクチン絡みの偽情報を1月以降に100件以上確認。 EUの欧州医薬品庁(EMA)を標的にし、ロシア製ワクチン承認を「全力で遅らせようとしている」と批判する報道もあったほか、ロシア政府高官もEUへの「敵対的な発信」を行っているとした。
中国は欧米のワクチン「囲い込み」などを非難しつつ、自国製ワクチンの入手しやすさを強調。 途上国やEU加盟を目指す西バルカン地域により適したワクチンだと主張しているという」(時事4月29日)

このように一気に世界を制覇するように見えた中国ワクチンは、肝心な有効性に大きな黄色信号が灯り、その政治的意図が露になろうとしています。

 

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コメント

「抜けがけ接種」と国民に非難された元大統領が夫婦共々感染、発症したという壮大なコントみたいな事案も発生してますね。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021042700329&g=int

技術的にはとっくに(流行開始前から?)完成しているのに、現場レベルでの粗悪品、水増し、偽物、横流し、によって全体として有効率が低いのだと思います。

自由主義陣営の戦略としては、2国を分断する方が有効と思います。より脅威の小さい1国だけは陣営に取り込むのです。
どうでしょうか。

プー さん。まったく中国行くところ腐敗ありで、仰せのようにブラジルではワクチン絡みで賄賂の横行、空打ち詐欺などが横行して社会問題化したようです。
また、やはり出たか偽造品で、インチキ商品もゴマンと出たとか。
ただでさえ、有効性が不透明なのに、いっそうわけがわからなくなっております。

今日のエントリー、プーさんのコメント、管理人さんのコメントを拝読して、「不穏なフロンティアの大戦略」の共著者ジェイクブ・グリギエル氏によるナショナルインタレスト誌での、新型コロナウィルスで混乱するヨーロッパ情勢下でロシアに中共との連合を思いとどまらせるには、という記事を思い出しました。

ロシアが都合よく中共と協力しようとするのを防ぐには、合衆国と同盟国たちがロシアに対して西への膨張は不可能であると解らせ、アジアに再び目を向けさせるのがベスト
ロシアの西進への可能性を絶てば、彼らは東の国境の安全のためにも中共との折り合いを模索することになる。
だがそうすると中共の膨張主義に手を貸すことにもなり、それはモスクワにとって都合が悪い
ロシアが中共にとって下位のパートナーであることは不快でダメージがあるとプーチンがわかれば、ロシアはアジアのパワーになり得る
https://nationalinterest.org/feature/deter-russia-ukraine-and-avoid-sino-russian-dual-alliance-182898

グリギエル氏は、「ロシアが西側のことを政治的に退廃し、軍事的にも弱くつまらないことで口喧嘩する国々の集まりと見る限り西進を続ける」と書いているので、西側がそのような集団でないことが、西へ拡張したいロシアの衝動を阻める方法だと考えているようです。
読んだ時私は、わかるけどそれは難しいっしょ?特にアメリカ民主党にとっては…と考えたし、たぶん多くの人も実現に疑いを持ちそうな提案だと思います。
でも、そんなの無理とか言ってないでやるんだって時が来るのかも。
またはそれより早く、中共国籍の人々にも非常に優秀或いは抜け目ない個人は多いにもかかわらず、中共という国は触るものを皆ダメにする才能がある国なのだと、世界に知れ渡るか。
ハーバート・マクマスター合衆国退役陸軍中将だったかが3月に、中共が「資本主義を部分的に取り入れようと、権力の追求のために他者を犠牲にする本質は変わらない」と述べたそうですが、幾つの国々人々が、それを身を以って味わうことになるか。

 シノヴァクのワクチンはローテクで弱毒化するだけの効果しかないもののように見えますね。ただ、そこは中国なので、効用のないワクチンを流布させながら市場を押さえつつ、西側からの盗みとパクリで効果ある新製品に置き替えて行く腹づもりでしょう。

中共による世界ワクチン戦略をくじくのは、プーさんの言うように中・露分断作戦が有効かと思いますが、宜野湾さんが詳しく書くように米民主党(特にバイデンでは)無理でしょう。

最近トランプは「ロシアを敵側に押しやるな!」として、さかんに警鐘をならしてます。バイデンの頑なな対ロ姿勢は、同時に中共との対立はかりそめのものである事をあらわしていると思います。

個人的には中露がまともに手を組めるとは思っていませんし、歴史的に見てロシアのお家芸とも言える手のひら返しを考えると下手に味方に引き入れようとする方がリスクが高いと考えています。
むしろ気になるのは現在検討されている米国メーカーのワクチンの特許権を手放す件で、これを無条件に解放してしまうと中露にmRNAワクチンのノウハウをむざむざ渡す事になるので、解放するのは政治的人道的な価値観を共に出来る西側諸国のみに限定するなどの制限は必要だと思うのですが…

どうやら左からの圧がバイデンを後押ししているようでこのまま押し切られそうですね。

今回のワクチンに利用されている核酸(RNA)の技術は、かなり昔から研究され、様々な国の研究機関が試行錯誤してきた技術ですので、まあ中国やロシアにも、それなりの技術はあると思います。有効性の肝は、壊れやすい核酸をいかに安定したものにするか、免疫細胞がいかに取り込みやすくするかだと思います。その部分が現在話題になっている特許部分なのではないでしょうか?特許が開示されても、現状のファイザーやアストロゼネカのワクチンの有効性に追い付くには結構時間かかりそうだし、そうするうちに不活化ワクチンが出てきそうな気がします。中国製ワクチンの有効性が低いのは、既に全世界的に知れわたっていることだし、それくらいなら自国で生産したほうが良いと考える国も多くなるのでないかと思います。

 しゅりんちゅさん

 トランプは、わざわざロシアを敵側に押しやる事をすべきではない、と言っているのであって、味方に引き入れる事まで画しての発言ではないです。
これはバイデンが「プーチンは殺人者だ」と言った事を批判してのトランプ氏の反応で、バイデンの発言はどう考えても実に無用で愚かなものでした。
きっと、冷戦の結末が米・中合作であった事の夢や経験から覚めないのでしょう。

米軍とて、軍事的に二方面作戦を展開出来ない事は明らかです。
当然の事、中・ロが軍事的に完全に手を組む事はなく、当面の共通の敵(米国)を退ければ中・露の直接対決は避けられません。
しかし、そうなってからでは遅いので、ロシアをして米国を敵として認知させない次元まではしておかないと、中国とガチンコで対決出来ないのが現実じゃないでしょうか。


そうした中・露を割る手段として、トランプ氏には欧州に評判の悪い「制裁の解除」が頭にあって、そのタイミングを図っているいるうちに政権が終了してしまったという事でしょう。

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