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2021年6月12日 (土)

日本から米空母ががいなくなる

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バイデンが、東アジアに展開する唯一の空母ドナルド・レーガンを引っこ抜いてゼロにしてしまうそうです。
日本メディアがまったく報じていませんので、ウォールストリートジャーナルからやや長いですが、引用します。

「横須賀母港の米空母、中東派遣へ アジア展開の空母ゼロに
米国防総省はアジア・太平洋地域に唯一展開している原子力空母「ロナルド・レーガン」を中東に派遣する見通しだ。アフガニスタン駐留米軍の撤退を後方支援する狙いがある。国防当局者が明らかにした。

 横須賀を母港とするレーガンは、今夏にアフガンに向けて出港し、中東地域に最大4カ月配備される予定だ。
 当局者によると、レーガンが中東に派遣されている間、米海軍は少なくとも一定期間、アジア・太平洋地域を空母なしで展開することになる。日本を拠点とする米海軍第7艦隊は、他にも多数の艦船や軍用機を有しているが、唯一の空母の再配置は、ジョー・バイデン大統領が米軍の最優先地域に掲げるアジアから、米軍のリソースを一時的に著しく引き揚げることを意味する。

 バイデン氏は先月、9月11日までに米軍と同盟国による連合軍をアフガニスタンから撤収させる計画を発表。米当局者はこれを受け、アフガンから撤退する間、中東地域の安全を確保するため、空母と空母打撃群を維持する考えを示していた。
 中東で現在展開している空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」は、母港のバージニア州ノーフォークに帰還するため、7月までに出港する必要がある。アイゼンハワーは過去3年に2度配備されており、安全性の観点からこれ以上延長して展開することはできないと当局者は話している。

米海軍はコメントを控えた。 マイク・ギルディ米海軍作戦部長(CNO)は今月、中東での空母展開によって米海軍に大きな負荷がかかっている問題に触れ、バイデン政権が進めているイラン核交渉が再び合意に至り、中東で空母打撃群を展開する必要性が低下することを望むと述べていた。
 バイデン氏はアフガン駐留米軍の撤退計画を発表した演説で、イラン核合意への復帰を目指すことを決めた背景には、アジアに米軍のリソースを振り向ける狙いがあると説明している」(ウォールストリートジャーナル2021年6月12日 太字引用者)
https://jp.wsj.com/articles/u-s-aircraft-carrier-leaving-asia-to-help-with-afghanistan-troop-withdrawal-11622051990

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WSJ

つまり、こういうことのようです。
バイデンは、アフガンから4000名もの兵の完全撤退を目指しています。
その撤退支援ためにドナルド・レーガン空母打撃群が欲しいということのようです。
もちろん空母レーガンだけではなく、打撃群は7隻のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦 と3隻のイージス巡洋艦で成り立っていますので、これらの艦艇もアフガン水域に移動するはずです。
その中には、この間航行の自由作戦の中心で気を吐いていたマスティンなどのイージス艦も入っています。
これによって、南シナ海と東シナ海方面の米海軍は出払うことなります。

おいおいレーガンは極東有事に備えたもの、担当水域が違うじゃないか、と思いますが、本来なら、これは中東海域に派遣されているドワイト・アイゼンハワー空母打撃群が担当するべきです。

しかしなんとアイゼンハワーのほうが、過去2回派遣されていてこれ以上の任務延長ができないので、いったん母港ノーフォークに戻して点検整備をせにゃならん、だからレーガンを回すということです。 
え、なんでこんなにタイトなのとおもうでしょうが、米海軍は世界一の空母保有国ですが内実をみれば、かつての13隻体制が11隻、やがて9隻と順調に減っていきました。

そもそも空母に限らずすべての艦艇は、オンステーション(任務)→休養・整備→訓練とシフトしますから、現実に即時作戦行動できるのは、常に保有数の3分の1です。
ですから米海軍の稼働空母は、せいぜい3隻からよくて4~5隻ていど。
そのうち大西洋から地中海にはロシアへ押さえで3隻程度置いていますから、アジアとペルシャ湾に1隻ずつということになります。
それが今回アフガン撤退という予定外の任務が加わったために、アジア配置のレーガンを引き抜くということになったようです。
かくして米軍の東アジアの海軍力は、一時的にであれ、ほぼゼロになってしまいました。

さてアフガンから兵を抜くという方針自体はトランプ時代に策定されていたものですが、バイデンはそれを就任早々に前倒ししてしまいました。
撤収の理由は、これ以上アフガンに留まっていることに、さすがの米軍も耐えられなったからです。 

アフガン戦争は既に20年間にも及び、米国最長の戦争と化しています。
アフガンにおける兵士の死亡件数は2006年から増加し続け、その93%が米軍の領域で起きています。
2006年から2020年までの期間で、就役中に死亡した米兵の数は実に1万7645人。
米議会調査局のデータによれば、死亡件数の31.8%が不慮の事故、24%が自殺、17.5%が病気やケガによってで、戦闘による死亡は3.2%、2.9%の死亡が「説明しがたい状況での死亡」だそうです。

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この自殺数の多さや、原因が特定できない死亡数の増加がなにを意味するのかといえば、アフガン駐留米軍がかつてのベトナム戦争の悪夢を再現しつつあるということです。
つまり、アフガン米軍は内部崩壊の危機に瀕しているのです。

では、今後米軍なきアフガンはどのようになるのでしょうか。
これもかつての南ベトナムと同じ道をたどらざるをえないでしょう。
かつての北ベトナム軍の代わって、アフガンにはタリバンが戻ってくるのです。
そして意気揚々と狂信的なイスラム原理主義国家を復活させます。
そして世界からテロリストの聖地として崇められ、テロの一大温床に戻ります。
なにひとつ20年前とかわらない状況です。

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BBC 米軍基地の返還

上の写真は米軍基地が撤収にともなって閉鎖され、アフガン軍に移譲する式典のものですが、タリバンはこの基地を使用すると公言しており、たぶんそうなるはずです。
アフガン軍の腐敗のひどさは世界有数で、その腐りっぷりもかつての南ベトナム政府軍以上だとさえ言われています。
軍規は乱れに乱れて軍閥化しており、米国が支給した最新装備はそのままタリバンに横流しされ、米国が補てんしていた兵士の給与は、勤務さえしない兵士の名義へ振り込まれて、将軍どもの私腹を肥やします。

下の写真はタリバン軍ですが、手前の戦闘員など着ている戦闘服から銃器までメイドインUSAのようです。

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BBC タリバン軍

米国議会調査局の報告に出てくる「説明できない死亡」の多くには、アフガン軍兵士による米兵殺害事件も入っています。
米軍はこの戦争に州兵まで投入しましたが、兵士にとってアフガン行きの命令は地獄行きと同義語だったことでしょう。

一方タリバンとの和平交渉はどうなったでしょうか。
米国がいなければ交渉自体にタリバンが乗らなかったことは確かですが、それは裏返していえば、米軍という強大な軍事力がいなければ、直ちに元の状況になるということを示しています。

事実、タリバンの幹部は、こう言っているようです。

「タリバンは、自分たちが勝利したと確信している。ハジ・ヘクマト氏は緑茶を飲みながら、「私たちが戦争に勝ち、アメリカは負けた」と断言した。駐留米軍の完全撤退の期限を、昨年合意された5月1日を超える9月に延ばすとジョー・バイデン米大統領が決定したことに、タリバンの政治指導層は激しく反発している。勢いづいているのは、タリバン側のように思える。
「私たちはあらゆる事態に対応できる」と、ハジ・ヘクマト氏は言う。「和平の準備は完全にできているし、ジハード(聖戦)の準備も完璧にできている」。隣に座っていた司令官も、「ジハードは信心の行為だ。信心はいくらやっても飽きない」と話した」(BBC 2021年4月16日)

タリバンが言うように、「我々が戦争に勝ち、アメリカは負けた'We have won the war, America has lost'のです。
あとはどのように国際社会に悪影響を与えないで撤収するか、という技術的問題が残るだけだったはずですが、ここでバイデンは急ぎました。
段階的とはいいつつ、内実は即時撤退です。

戦争は停戦と決まった時に、もっとも激しくなると言われています。
戦闘意欲をなくして逃げる敵軍の背中を追いかけるほど、楽な戦闘はないからです。
タリバンもこの戦争の鉄則に従って、一気に版図を拡大するでしょう。
一時的にはアフガン軍閥と激しい戦闘になるでしょうが、勢いはとうにタリバンにあります。

だから米軍撤収支援のために航空支援が欲しいということで、ドナルド・レーガン空母打撃群が引き抜かれてしまったのです。
しかしこれは中国にとっては、願ってもない福音となるでしょう。
一時的とはいえ、対中国シフトの空母打撃群がゼロになるのですから。
中国はタリバンに密かに軍事援助を送って、米軍の撤退が長期化し、泥沼化することを支援するかもしれません。
撤退作業が難航すればするほど、中国にとって美味しい状況になるからです。
中国はそのような状況をつくるためなら、タリバンを公式政府として承認してもいい、くらい言いそうです。

元アメリカ海軍准将のマーク・マクガマリー氏らが5月下旬に発表した論文はこのように述べています。

「アフガニスタンの米軍を短期間に全面撤退させるという作戦には当然、海と空からの擁護が欠かせず、中東での空母の存在が必要となるが、そのための空母を西太平洋から動かし、その結果、西太平洋に空母が不在となることは危険だ」
「西太平洋に空母が皆無という状態はアメリカの地域的な海上戦力の低下となり、南シナ海、東シナ海、台湾海峡などでの中国の軍事脅威への抑止力の減少となり、中国を利することになる」
「バイデン政権のアフガニスタンからの米軍全面撤退は本来、中国への米軍全体の抑止態勢の強化という戦略意図を持つのだろうが、皮肉にも先を急ぐ撤退計画と空母の移動で西太平洋に空白が生まれ、対中抑止態勢が弱まることとなる」(古森義久2021年6月11日)

残念ですが、長年の米国の出血を止めるためのアフガン撤収は、中国に誤った信号を送りかねないでしょう。

 

 

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コメント

うーん、要は大国アメリカでさえ空母減らしてたのがここで出ましたね。

1つ抑えておかなければならない流れは、アフガンへの攻撃は9·11で頭に血が登ったブッシュからですけど、「イラクからアフガンにシフトする!」と増派してドロ沼にハマったのはオバマです。
トランプはゆっくりと引こうとしましたが、バイデンは急ぎましたね。
日本のメディアでは「置き去りにされる通訳等でアメリカに協力した現地民の運命は?」という、確かに見過ごせないけど、どっちにしてもアメリカ批判出来る記事書いてますな。。

アフガンの民衆からしたらソ連、アメリカ(19世紀を辿ればイギリス)と大国が介入して国が荒廃して失敗国家ができてしまったのだからアメリカに撤退して欲しくない気持ちは強いでしょう。

アフガンは何処の勢力が支配しても荒廃する時点で国家としては既に詰んでいる状態なのか?

哲也さん。
はい、アフガニスタンって有史以来大国の支配が続いたことが無いという中東でも特殊な地域です。あのかつての大英帝国ですらです。
しかも民族が主に4つ。同じイスラームでも多様すぎてどうにもならん状態が1000年以上続いてますね。。

 アフガン撤退を「アジア方面に注力するため」という論評を見かけましたが、ぜんぜん違うと思いました。
むしろ、中共に対しても暗にバイデン政権の穏健な方針をメッセージした、という事。

北朝鮮に対しても、4月の対北戦略の決定内容は「注意深く調整されたアプローチで、制裁緩和に応じる」としています。ふたたび北の非核化のフェイク行動だけで、段階的な制裁解除の流れになるでしょう。

バイデン民主党には「圧力強化でレジームチェンジ(政体転換)を目指す」という発想はみじんもありません。
「そんなの無理かつ無謀だよ」という考えなので、習や正恩は国内問題の引き締めに集中していられる、って事です。

あ、いま「トランプよりもバイデンの方がマシ」と言った保守系ユーチューバーの顔が浮かびました。

およそ40ヶ国を訪れ、70以上の演習をする長い作戦航海に出た英国HMSクイーン・エリザベス空母打撃群には、合衆国海軍ミサイル駆逐艦USSザ・サリヴァンズや、オランダ海軍フリゲートHNLMSエヴァーツェンが参加していますね。
航空勢力は英国空軍と合衆国海兵隊です。
インド太平洋展開中だったフランス海軍艦船が「衝突回避操艦せざるを得なかった(ピエール・ヴァンディエ仏海軍参謀総長)」接近をしたという中共は南シナ海で、今度も航行の自由を勝手に阻む何かをやるか、やらないか。

貧しい国の人たちは、貧しければ貧しいほど、欧米など先進諸国の
生活や文化に憧れてしまう。しかし、自国の経済力で自分たちが豊
かな生活(その憧れは欧米などのセレブの生活だったりする)をする
のは、ハナっから無理。カネが無いんで。

でも、ホンの一部の人間に限るのならば、セレブ生活は可能になる。
ナンのことは無い、一部の者が武力にモノを言わせて、大勢の他人
を力で押さえつけて彼らの富を収奪して、先進諸国の富豪なみの生
活を手に入れる。

貧しい国の住民だから、豊かな国の富豪なみの生活をしてはイケナ
イ、貧しい国の住民は皆んなが皆んな全員ビンボーしてろ!とは言
えない。それは、ホンの一部の野心を持った成功者の為に貧しい国
のほとんどの者はドツボのような貧困状態に据え置かれていろ!と
言うに等しいし、事実、アフガンに限らず、現実はそうなってしまって
いる。

そんなワケで、アフガンなどに平和(日本人の思うところの)は訪れま
せんや。ヤッたもん勝ちなんだから、暴力バンザイですわ。米軍がい
くら優秀でも、「経世済民」の経済力の無い地域では、武力は用を為
しませんわ。安全に順次撤退するのは得策ですわ。不本意でも仕方
ありません。

中共組織は、近平皇帝によりより専制国家になったので、「一発手
がらをたてて、出世してやるぞ!」という旧関東軍の精神を持った輩
が多くなったようで、東アジアから米空母部隊が抜けたらヤリそうな
気もします。バイデンさんというか米国中枢(両党)は、ワザと中共に
スキだらけの背を向けて誘っているのかも?

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