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2021年6月28日 (月)

西村長官発言 言ってはならない時期に、言ってはならない立場の人間が、言ってはならないことを言った

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6月24日の、宮内庁長官の西村泰彦長官の記者会見発言が世間を騒がせています。

「――東京五輪の開会式や競技観戦の調整状況は。
 関係機関と調整中だ。ただ、五輪を巡る情勢として、天皇陛下は現下の新型コロナウイルスの感染状況を大変ご心配されている。国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念、ご心配であると拝察する。五輪・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい。
 ――陛下が五輪パラが感染拡大のきっかけになることを懸念されているのか。
 それは私の拝察だ。陛下は現状を大変心配されている。日々、私が陛下とお話ししている中で肌感覚でそう感じている。
 ――これは陛下のお気持ちか。
 私の受け取り方で、陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはない。そこは誤解がないように」

西村長官という人は警視総監を努め上げて、名誉職として宮内庁長官に天下った人ですが、警察官僚というのはよほどの世間知らずなのか、こんなことを言ったらメディアが、都合よく切り取るに決まっているでしょうに。
この時にも記者達がおおっとばかりどよめいていましたが、こんなおいしい餌を投げてくれてサンキューってなもんです。
あたふたと記事を本社に速報する姿が目に浮かぶようです。
とうぜんのこととして翌日の報道は、「拝察した」という部分を意識的に飛ばして報じました。

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アエラは皇室ジャーナリストの山下晋司氏にこう解説させています。

「宮内庁長官の拝察なので、天皇陛下が直接おっしゃったわけではないが、これが天皇陛下のお気持ちであることは誰も疑わないだろう。(略)推測だが、長官は今回の発言について、事前に官邸の了承を得ていたのではないだろうか。政府、関係機関としては、天皇陛下のご発言ではなく、宮内庁長官の個人的な考えと位置付ければいいし、感染対策においても、今までどおり「感染拡大防止に万全を期してまいります」と言えば済む話だからである。
ただ、多くの情報が集まる天皇陛下が感染拡大を懸念されているということは、現在の対策では不十分だと思っておられるからであり、陛下のこの不安が国民の不安をより大きくする可能性はある」(アエラ6月25日)

「天皇陛下のお気持ちであると誰も疑わない」ですって(笑)。
あたしゃ、疑うよ。
ついでに、ここでアエラは官邸と事前に打ち合わせていたと言っていますが、これもあり得ないと思います。

なぜならこの発言に対して、加藤官房長官は、即日、「長官自身の考え方を述べられたと承知している」とする政府側の見解で応じましたが、なぜここで政府が「あれは個人的見解を言ったにすぎない」と切り捨てたのかといえば、この西村発言は憲法違反の疑いが濃厚だからです。

憲法第3条の国事行為を押えておきましょう。

第三条天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

これはこのように解釈されています。

「本条は、日本国憲法第1条に基づき天皇の地位が象徴とされたことから、天皇が行う行為については内閣が責任を負うものとし、そのために天皇の国事行為が内閣の助言と承認に基づいてなされるべきものであることを明らかにした。天皇が国政に関する権能を有さず、国事行為のみを行うものと規定する第4条とともに象徴天皇制の柱となる規定である。国事行為については、第7条に規定されている」(ウィキ)

護憲と改憲の別なく、天皇の国事に関する全ての行為に対して責任を負うのは政府と解釈されています。
では、西村長官が政府に事前に相談をしたのでしょうか。
加藤官房長官は明快に否定しているところから、しているとは思えません。
オリパラを無事に乗り切ることが焦眉の課題の政府にとって、背中を撃つような西村発言は妨害行為そのもので、そんなことを政府が認めるはずがないからからです。

それをわかってアエラは、わざわざ皇室ジャーナリストに「あの西村発言は事前に政府の承認を受けているんだ」などとどこで聞いてきたのかわからない憶測を言わしたのでしょう。
朝日としては、陛下が五輪中止発言を述べたとすれば、これ以上ない百万の味方のはずですが、同時に憲法違反だということくらいすぐに気がついたはずです。
だから、政府の事前了承を得て、皇室が予防線を張ったという観測を記事にしたかったのでしょうね。

という具合にこの西村発言は、言ってはならない時期に、言ってはならない立場の人間が、言ってはならないことを言ったのです。
 では、いったい西村長官は誰に対して「言った」のでしょうか?
政府や組織委員会でしょうか、国民に向けてでしょうか。
広くは国民一般かもしれませんが、今上陛下はエリザベス女王と違ってこのコロナ禍に一回も励ましのお言葉を発信していないので、そうなると初回がこれでよいのですか、という別の問題が出てきます。

また政府ならば、先ほどから述べているように、明らかな越権行為であって憲法3条の国事行為の逸脱の可能性が濃厚ですし、悪くこじれると憲法1条の象徴天皇規定も揺るがしかねない事態になりかねません。
「悪くこじれる」とは、この西村発言を悪意のある外国メディアが、「皇室、オリンピックにノーをつきつける」というような報道を拡散した場合です。
実際にワシントンポストがやらかしたようですが、このようなことになると、皇室と政府がオリンピックを巡って対立を深めているという憶測を国際社会に呼ぶでしょう。

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いくら警察官僚ボケしている西村長官でも、そのくらいはわかっていると思いたいので、「私の受け取り方で、陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはない。そこは誤解がないように」とか、「拝察した」と言うことで予防線を張ったつもりだったようです。
しかし、こんなことを言うと、別の問題がでてきてしまうことに、なぜ西村さん気がつかないのか。
それは昨今よく話題になった官僚の「忖度」そのものだからです。

あの慎重な性格の今上陛下が、「長官、オリンピックなどできるのでしょうか。中止すべきです」なんて言うことは考えにくいですし、あるいはそれを匂わせるご発言があったとしても、国民は確認のしようがありません。
もし陛下がおっしゃたのなら、今上陛下の天皇としての資質に疑義が生じます。
でないなら、西村長官の主観や想像で勝手に「忖度」したということになります。

例のモリカケ事件時に、「忖度」というあいまいな、いかにも日本的な陰湿な政治風土を想像させる言葉が流行りましたが、これが官僚と政府の間ならともかく(それも大いに問題ですが)、皇室と政府、皇室と国民の間に存在するとなると、別のもっと大きな問題が起きてしまいます。
つまり、皇室は政治的な発言をしたいのだが、できないので宮内庁長官がそれを「忖度」して発言した、ということになってしまうからで、これはそうとうに危険な構図です。
なぜなら、宮内庁長官が勝手に自分の考え方や政治的意志を、「拝察した」という表現で「天皇のお考え」として表明できるという巨大な権力を掌中にできてしまうからです。 
すると一官僚にすぎない宮内庁長官は、天皇というわが国の精神的バックボーンの存在を背景にして、とてつもない政治権力を握ることが可能となってしまいます。

たとえば憲法を例にとってみましょう。
宮内庁長官がこんなことを言ったらどうでしょうか。
「私の拝察だが、陛下は現状の改憲の動きを大変心配されている。日々、私が陛下とお話ししている中で肌感覚でそう感じている」、なんて言えば、その時点で改憲の動きは瞬間凍結してしまうことになってしまいますもんね。

まぁそれは考えすぎだとしても、この西村発言によってなんらかの問題が生じた場合、いったい誰がその政治責任をとるのでしょうか。
宮内庁長官ですか、それとも天皇に助言し責任を負うべき政府なのでしょうか。

ほんとうに馬鹿なことを言いましたね、西村長官。

 

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コメント

これはなあ。。
マジでバカなの?アホなのタヒぬの?
と2ちゃん調で罵倒したいレベルの酷い発言でしたね。
ここぞとばかりに書き立てるアエラ等のメディアも毎度ながらたいがいですけど。。

君側の奸

いつも楽しみに拝読しております。
天皇陛下の権威を利用するやり方は戦前の軍部と同じです。アエラには軍靴の音が聞こえるはず、では?

「政府や関係者が万全の対策をし結果として国民が再び前を向ける切掛けとなれる大会になる事を期待している」
といった当たり障りの無い発言で充分だったのになぜ聞かれてもいないことを喋って誘導するかのような行為をしてのでしょうか理解出来ません。
仮に陛下がそのような発言をしたとしても、それを諌めて発言しなかった事とするのが宮内庁長官のお仕事だと思うのですけどね。

西村長官は「天皇がオリパラでの感染拡大を懸念していると拝察」と言ったわけですが、「天皇がオリパラでの感染拡大を懸念しており、感染防止に万全を期すことを望んでいると拝察」とすれば問題なかったのかなと思いました。天皇の心情を影響されての中止の意見が拡散することが問題であれば、天皇が中止を望んでいると取れないような拝察ならいいのではないかと思います。

長官が天皇のお考えを「拝察」として発表してはならないとは思わないし、憲法違反になるとも思いません。そういうのは何かと憲法違反に結び付けるイデオロギー的人々な言説に近いのではないかと。政治的介入に繋がらないような拝察発表はOKで、今回のが政治的拝察だったかどうかが争点ですが、この程度は自分にはそうは思えません。すでに政治的意思決定には遅すぎて何ら影響を及ぼさない時期です。

皇室フリークとしては、天皇家は実際に感染拡大を懸念しており、お出まし参加よりも場合によってはオンライン参加にしたいなーと語り合っている、という背景があると拝察します。
この1年半以上、天皇は人前にマスクなしで現れたことはなく、オンライン公務でもマスクを外しませんでした。秋篠宮家はオンラインではマスクなしでした。エリザベスさまのように率先してワクチンを受け、人々を励まし接種行動を促すこともありませんでした。

西村氏が、皇族の思いを後先考えずに暴露してしまう無能のおっさんなのか、陰謀を持ったゲーマーなのか、さらにはあっちのスパイみたいな人なのか謎です。今回の拝察は、「天皇は私と同意見で、心配してくださってありがたい」との国民感情から人気を高めることもできたので、この人なりにタイミングを考えているとも思います。

西村氏と言えば小室文書について「丁寧に説明されており、よく理解できた」と言い、「長官がここまで言うのは、眞子さまがごり押ししているせいだ」と国民orマスコミに拝察されてしまいましたね。その後の眞子さまたたきはこれまで以上に凄まじくなりました。男を見る目がないだけでここまで叩かれるとは驚きです。将来の皇統に影響があるから。。という意見はわかりますが、叩いてディスることと結婚を阻止することは別のことです。


話がズレましたが、この件から西村氏は少なくとも皇室嫌いであると思っています。

アエラ編集部には常時軍足の臭いが漂っているようです。。

コロナの流行が心配なのは日本人なら誰もが思っていることで、その中で程度に差があるだけの違いで、わざわざ陛下のお考えとして話すことでもない、と思うのですが。

朝日新聞に書き起こしがあったので読んでみましたが、
記者から長官の考えを聞かれて、「拝察」等を回答したのを、記者(と新聞社)が曲解したのかな、と思いました。

長官も脇が甘いと思いますが、これを「陛下のお考えは五輪中止」にまで延焼させるアエラとか朝日とか、卑怯者が板についていますね。何せ陛下のご意向を直接確認することが出来ないので、記事の誤りは悪魔の証明ですから。

陛下はお祈りくださるご存在。
国民が艱難辛苦にある時は一日も早い終息や回復を、安寧にある時は一日も長い継続を、つつがないことを、実りあることを常にお祈りくださる、ただそれだけ。
それだけであることを有り難く思っておればよろし。
誰のどんな政治的立ち位置からの話だろうと、「天皇のお考えを忖度する・させる」とか要らぬ。

 かく言えば、かくなる騒ぎになる事はあきらかなのに、警察行政のトップまで務めたにもかかわらず、優秀なハズの西村さんには分からなかったのですかね。 

たとえ陛下の五輪での立場をおもんばかった発言であったとしても、このような不用意な発言は不毛なメディアや世事にうとい緩んだ官僚体質では通用しません。

すくいは加藤官房長官がすかさず、「長官の考えである」とぴしゃっとやった事です。その後の丸川氏などの「長官の個人的な意見」との答弁で統一されている点も見事でした。


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