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2021年6月29日 (火)

ロシア軍、英国艦艇に発砲

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 「航行の自由作戦」(FONOP) を実施中の英国軍艦に、ロシアが発砲しました。

「ロシア国防省によると、本日11時52分に「ディフェンダー」は黒海の北西部でロシアの国境を越えた。(クリミア半島)フィオレント岬の付近3kmの領海に入った。
領海侵犯が発生した場合の武器の使用について事前に警告されていたが、イギリス艦はこれに反応しなかった。12時6分と12時8分に、ロシア国境警備隊(FSB所属)の巡視船が警告射撃を行った。
午後12時19分、黒海艦隊のSu-24M攻撃機が警告爆撃を行い、駆逐艦の進路上に4発のOFAB-250爆弾を投下した。
午後12時23分、誘導ミサイル駆逐艦ディフェンダーは、黒海艦隊とFSBの国境警備隊の共同行動によりロシア連邦の領海の国境を離れた」
(JSF様による和訳による)
黒海でロシア軍が英駆逐艦に警告爆撃。英側は否定(JSF)

英艦ディフェンダーに急接近するロシアの警備艇  BBCNews/YouT
ニューズウィーク6月24日https://m.newsweekjapan.jp/kimura/2021/06/4-2_4.php 
そしてロシア軍から、撃つゾと脅された英国「ディフンダー」は下のとんがりマストの上に球がかわいい駆逐艦です。
下の写真は無事に黒海を抜けて帰還中のもののようです。

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JSFより引用  英海軍駆逐艦HMS ディフェンダー
ポイントは、このロシア軍が発砲した位置です。
当初の日本の報道ではただ黒海とあったのですが、正確には黒海は黒海でも、クリミア半島突端にあるセヴァストポリ軍港の眼と鼻の先フィオレント岬付近3kmの地点です。
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乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/108446

この位置がわからないと、英海軍がここでナニをしていたのかさっぱりわかりません。
このクリミア半島はウクライナ領です。
だからそれを示すために英国軍艦がわざわざ遠くから来て、その領海を航行して見せたのです。
意味するところは鮮明ですね、英国はクリミア半島のロシア領化は認めていないという意志をロシアに突きつけたわけです。
このクリミア半島は、本来ウクライナの領土でした。
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ロシアのクリミア侵攻は「ヒトラーのズデーテン侵攻」の繰り返し

ところが2014年、ロシアが電撃的に軍隊を送り、いったんはウクライナから分離させてクリミア共和国として独立させた後に、住民投票の形をとって併合してしまいました。
この時、ロシア軍が出撃拠点としたのがセヴァストポリ軍港で、ここだけはロシアは租借していたのです。
ウクライナ紛争については相当数の記事をアップしていますので、検索してみて下さい。

今日はウクライナ紛争には立ち入りませんが、ロシアにとってみればディフェンダーは自国領海内を航行していたと見られるわけです。
しかし英国などの自由主義陣営は、クリミア半島はウクライナ領土であるという前提に立っています。
ですから仮になにかしらの警備行動をとるなら、ウクライナ沿岸警備隊がでてくるべきで、ロシア沿岸警備隊などはそもそも顔を出す資格さえないのです。
これを示すために、HMS ディフェンダーは堂々とセヴァストポリ軍港の鼻先を航行してみせたわけで、これは英国版「航行の自由作戦」(FONOP) で、米国が南シナ海でやっている一連の作戦と全く同じです。
BBCも指摘していましたが、とうぜん英国政府トップのハイレベルな意志決定によっています。
ですから艦長は、いかにロシア軍が大砲をぶっ放そうと、戦闘機を低空飛行させて脅かそうが、決められたルートに沿って淡々と南下してジョンブル魂を見せつけたわけです。

本来なら、ロシアは黙って通過させるべきでした。
しかし英国の釣りにまんまと引っ掛かって、国境警備隊(FSB)巡視船から大砲は撃つわ、戦闘機から爆弾は落とすわと大騒ぎし、しかもその一部始終をBBCに撮られてしまって世界に発信されるという醜態をさらしてしまいました。
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轟音を立てて上空を飛ぶロシアの戦闘機    BBCNews/YouTube NW同上

こちらはロシア軍が発表した戦闘機の照準に入っている英軍艦です。
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ロシアの戦闘機が捉えた英駆逐艦ディフェンダー(ロシア軍が公開)    BBCNews/YouTube
しかも百歩譲ってここがロシア領海だとしても、領海内を他国の軍艦が航行してもそれが危害を加える意図がないとわかっていた場合、航行する権利があります。
いわゆる「無害通航権」です。海洋に関するさまざまなルールについて定める国連海洋法条約(UNCLOS)17条には、危害を加える意図がないと示された軍艦は、いかに他国の軍艦であろうと航行させねばならないことになっています。

もちろんロシア海軍もそれを知っているはずで、2016年6月8日に、わが国尖閣周辺の接続水域を堂々と艦隊で「無害航行」してみせたことがあります。
しかも中国艦隊と同時に航行したおまけつきのエグサです。
これなんぞ、ロシアが通過される立場だったら、大砲撃って、戦闘機飛ばして爆弾落としてといった大人げない歓迎パーティをするのでしょうな。
さて、そのロシアの撃ったはずの大砲と爆弾ですが、いずれも話をロシアが盛っていたことがバレています。
JSF氏は意地悪くこう書いています。

「FSB巡視船は英駆逐艦が水平線付近で豆粒のように小さく見えるほど遠くから射撃しており、発砲している30mm機関砲AK-630では全く届きません。イギリス側が「警告射撃とは認識していない。ロシア艦艇は離れた場所で演習でもしていたのでは?」という反応をしたのは無理もありません。
巡視船の低い視点(海面から高さ10m前後)から見ても水平線までの距離は12kmくらいあります。しかし機関砲の有効射程は数kmしかありません。警告射撃として相手に気付かせるには発砲炎を見せたり海面に機関砲弾を撃ち込んで水柱を上げる必要がありますが、この距離では見えないし届きません。遠くで小さな発砲音がしているくらいしか分からないでしょう」
ロシアが警告射撃の映像を公開。遠すぎて英駆逐艦は気付かず(JSF

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JSF様より引用

爆撃のほうも、された英海軍はされてねぇよ、と言っているようですので、大砲は届かないことを知って撃っただけ、爆弾は落とさず、照準器に入れて見せただけということになります。
ロシア側の公表した警告射撃時の動画では、上の写真のように警備艦艇は空に向かって機関砲の銃身を指向し、かつディフェンダーとの距離も相当離れた状況で発砲していることから、初めから当てる気がなく抑制的な警告射撃だった、オレは紳士だぞ、とも見えます。
ですから、ロシア側も英国との戦闘を望んではいないという政治的ポーズは繕えたことになります。
とはいえ、他国領海で国際法に違反して、外国軍艦を射撃したという事実は残るわけで、ならず者国家であることがまた露になってしまいました。
英国海軍さん、今年中にはこちらに虎の子のHMSクイーンエリザベスを派遣していただけるとのこと。
南シナ海でこの気概をご披露下さい。心よりお待ちしております。

 

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コメント

この航行計画の議事録が入った英国情報部の資料がバス停に置き忘れられて、拾った「匿名さん」がBBCに届けたというタイミングは出来すぎではないかと。。

 デフェンダーは兵器は覆いで隠し、搭載しているヘリも格納した状態でした。「国際的に認められた一般的な航行ルートである、ウクライナの海域を通過していた」とする英国側の言い分は国際法上正しいものです。

対して、ロシア側は事実としてつられた過剰反応はしていませんが、やってもいない対応をウソ発表しなければならなかったのは、中共に似て民族主義的価値観でまとめてきた国民への苦しい配慮からのものでしょう。

ウクライナは再三再四NATO加入を希望していて、バイデン政権になっても放っておかれています。
英国の意思はこうした国際社会の諸問題に積極的にかかわっていく事を示したもので、件のバス停置き忘れ機密書類の中にはNATOに代わってアフガン駐留を継続する可能性にもふれています。

それにしても機密書類の置き忘れ事件は奇怪ですね。
意図的なリークなのか、反軍的行為なのか、あるいは単に間抜けがいただけなのか。


私は、ロシアについて、かつての超大国のひとつ旧ソビエト連邦の
時代から、共産主義専制国家であるということはさておき、超大国
のクセに暗いというか冴えないというか国民のほとんどがアル中の
イメージというか、どーにも民間人のパワーというものが感じられま
せんでした。中国についても同じですわ、旧英国統治の香港はさて
おき、超大国に成り上がったのに、どーにも一般人はがヤラレっぱ
なしで、小競り合いはあっても天安門の頃の熱気はありません。

そりゃ、おっかない共産党統治だからさ、といえばそうですけど、逆
に言えば、元々一般民衆に自分の国は自分で作るんだという気概
が無かったので、共産党みたいなモンを受け入れてしまったのだと
思いますわ。歴史的に見て、家畜のように飼われるような存在だっ
たので、狼が犬になってしまった。

ロシアや中国という、「何でこんな国が21世紀にあるねん、もし無か
ったら、どんなに世界の人々(共産党員は除く)は安全で豊かになれ
たのか!」、と怒ってる人は私だけではないハズです。どうもロシア
では、イワン雷帝が歴史上のクソ人物みたいですわ。スターリンや
プーチンさんも、頭のどこかに雷帝への憧れがあるように思います。
16世紀のロシア・クリミア戦争なんかも、今だ引きずっているハズ。

ロシアにしろ中国にしろ、古い時代から民は家畜のように躾けられ
る存在だったので、ルネッサンス以後に科学技術がここまで発展
しても人間側の社会構造は古いままで、グロテスクでコミカルな姿
になってしまっていますわ。隠れ同盟国?の英国には頑張って欲
しいです。グロじゃないけど日本もコミカルで、イマイチなんで。

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