• 20250117-013132
  • 20250117-015927
  • As20241225001545_comm
  • 20250115-143858
  • 20250113-081014
  • 20250114-011659
  • 20250113-133232
  • 20250113-134354
  • 20250113-134844
  • 20250113-135719

« 日曜写真館 沢も田もあやめの畦となりにけり | トップページ | 周庭さんの釈放と天安門事件32周年 »

2021年6月14日 (月)

やっと御輿が上がったG7

     047

G7が宣言を出して閉幕しました。

宣言は、中国が軍事的圧力を強める台湾に初めて言及し、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と明記。東・南シナ海で威圧的行動を続ける中国に「深刻な懸念」を示した。東京五輪・パラリンピック開催への菅義偉首相の決意に「支持」を表明した。
サミットは、覇権主義的な行動を強める中国に対し、自由主義陣営として結束して対抗する姿勢を明確にした。閉幕を受け、議長のジョンソン英首相は記者会見し、「G7が民主主義と自由、人権の恩恵を世界に示す必要がある」と表明。菅首相は記者団に「普遍的価値を共有するG7として国際秩序をリードしていきたい」と語った。
日米が重視する台湾海峡の平和と安定は、5月のG7外相会議の共同声明にも明記された。G7内には対中姿勢で温度差もあるが、サミットでは足並みをそろえた。首脳宣言は香港や新疆ウイグル自治区の人権問題にも触れ、中国に「人権と基本的自由を尊重する」よう求めた。
サミットは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大も主要議題に取り上げた。途上国などの感染収束を後押しするため、来年中に10億回分のワクチンを提供する方針を打ち出した」(6月13日時事)

五輪にG7首脳がゴーサインをだしましたので、今後いかなる変更もなくなりました。
小池さん、中止カード出し損ないましたね。
G7までの期間が、小池女史が国政のキャスティングボードを握れる数少ないチャンスだったんです。
この人としては、メディアの応援を得て中止カードで世論を集め、五輪に突っ走る政府と、国民の生命と安全を守るアタシ、という構図を作り、さらにはカッコよくこんな政府と五輪なんかやれんわとばかりに、辞表を叩きつけて小池新党を引っさげて衆院選に、という心づもりだったのでしょうが、こうなってしまってはもう遅い。

あ、小池女史なんかどーでもよかったんだっけ、本題に入ります。
G7において中国が重量級のヒールを演じました。
これほど世界の主要国から嫌われた国は、近年ロシアくらいなものです。
そのロシアだけが今の中国にとって、唯一無二の同盟国なんですから悲惨です。
これで中露ヒール連合vs日米英仏独加伊連合、という世界地図の色分けが見事にできあがってしまいました。
※すいません。イタリアを忘れてました。

中国の戦略的失敗です。
習は調子に乗って「中華の夢」を掲げて一帯一路を使い、世界帝国に急激にのし上がろうとしました。
鄧小平のように表面的には協調的に温和にふるまい、長い時間かけて仕掛けられたらダマされたのかもしれませんが、いかんせん10年かそこらで世界帝国になろうというんですから、摩擦を引きおこさないほうがおかしい。
なんせ「戦狼」路線で、噛み付き、殴りつけ、唾を吐き散らすんですから、たまらない。

これだけやれば、味方してくれるのはもはやロシアだけ。
中国は国際社会での深刻な孤立を、もうひとつの嫌われ者国家のロシアと同盟関係になることではねかえそうとしたわけです。
馬鹿なことを。
そんなことをすれば、独仏などの大陸国から中国はロシアと同じならず者国家と認識されてあたりまえです。
歴史的に見ても独仏にとって最大の脅威はロシアであって、今のNATOがあるのも、EUがあるのもいわばロシアがおそろしいからです。

ロシアに較べれば、中国なんぞ遠いから脅威順位が低いし、なんてったって金持ちですから、中国はただのいいお客さんくらいの認識しかなかったのです。
ですから、今まで独仏は自由主義社会の理念なんぞなんのそので、ドイツは自動車を売ることに夢中、フランスなんか中国海軍にレーダーまで売ってきました。
そのためにちょっと前までは自由主義諸国は、日米英の中国の暴虐と戦おうという諸国と、いやいや中国様はいい市場ですから、ぬるくぬるくという独仏に分裂しかかってきました。

その構図を書き換えてしまったのが、中国自身です。
プーチンも習を味方につけたので気が強くなったのか、ウクライナ国境で戦争徴発をしたり、ベラルーシの件でも独裁政権の肩を持つようなことをして、独仏の価値観と相いれないことを平然と繰り返すようになったわけです。

こういう時期に開かれたのが、今回のG7でした。
独仏がやっと中国の正体に気がつき、自由主義連合としての中国に対していく決意を確認したことが最大の成果です。
ですからG7は対中国政策をどうするのか、あらゆる分野で検討されました。

_118905899_g7carbisbay

BBC

まずは中国の一帯一路に対してです。

「イギリス南西部コーンウォールで開催中の主要7カ国(G7)首脳会議で各国は12日、 中低所得のインフラ整備を支援する新構想で合意した。中国の広域経済圏構想「一帯一路」に対抗する狙い。
アメリカのジョー・バイデン大統領は、同国が支援する「より良い世界再建」(B3W、Build Back Better World)構想について、中国の一帯一路に代わる、より質の高いものにしたいと述べた。
一帯一路構想(BRI)は多くの国で鉄道や道路、港湾の整備に貢献しているが、一部の国に借金を負わせているとの批判が上がっている。
G7首脳は声明で、「価値観に基づいた、高水準で透明性のある」パートナーシップを提供するとした」(BBC6月13日)
https://www.bbc.com/japanese/57450881

このG7で登場したキャッチフレーズが、B3Wです。
なんのこっちゃとおもいますが、Build Back Better Worldのことで、「復興して、いい世界作ろうぜ」くらいの意味です。
何に対して言っているかといえば、もちろん中国が今盛んにやっている属国になればワクチンやるゾ、というワクチン外交に対してで、これに西側諸国が連合して対抗しようというものです。

そしてワクチン供給だけに止まらず、米国が主導する発展途上国に対するインフラ建設支援構想までも背景にあります。

「米ホワイトハウスは6月12日に声明を出し、バイデンとG7の指導者とともに新たなグローバルインフラプロジェクトを打ち出すとした。これは民主国家による主導で、高い基準と価値を備えた透明性のあるインフラ建設パートナーシップ投資計画であり、世界の途上国の40兆元をこえるインフラ建設を支援するもの、という。
2013年以来、中国が提唱した一帯一路により、多くの途上国では鉄道、高速道路、港湾などのインフラ建設投資が行われたが、これは途上国を債務の罠にはめ、中国式植民地主義との批判もあった。
このG7サミットの声明では、価値観を同じくして、高い基準でかつ透明性のあるパートナシップを打ち立てたい、としている。
目下、B3W計画の詳細は明らかにされておらず、融資がどのように行われるかなどは不明。ホワイトハウスの声明では、この計画についてはまもなく発表されるサミットのコミュニケの中でより詳しく明らかにされるという」
(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)NO.360 2021年6月13日)

現在、発展途上国のインフラ建設において不足している資金は約40兆ドルと言われていますが、中国はこの資金不足に乗じてカードローンよろしくいらないものまで貸し付けて返済不能に追い込み、カタとして空港や港湾などを奪って拠点化する、というヤクザ屋さんのようなまねをしてきました。
これに対して西側諸国が結束して、将来にわたってまずは数千億ドルの投資を投じて、呼び水としようというものです。
いままでの世界銀行とは一線を画した、借り手の側に立った資金供給計画を作ると言っていますが、吝嗇なメルケルはまだ計画の詳細は決められないと言っているそうです。

「北京の一帯一路構想によって、すでに巨額の米ドルが途上国に投じられており、西側民主はこれに対してアクションを取らねばならなかった。
G7高級官僚たちは、西側の価値感が世界で風上を占めることを証明したいと望んでいる。彼らは中国の投資がもたらす代償が高すぎたと考えている。特にウイグル人の強制労働は道徳上きわめて悪辣であり、公平な競争の妨害であり経済上受け入れがたい。
バイデンは、この種の労働搾取行為がグローバルサプライチェーンの中にあってはならないと要求している。米国官僚たちは、これは中国に対抗するためでだけではなく、世界に向けて、一つのポジティブな選択を示すためであると考えている。
しかし、バイデン政府が提唱する新たな計画(B3W)で、西側世界がグローバルなインフラ建設にどれほどの貢献をすべきか、その期限と範囲についての問題はまだ明確にはなっていない。目下、はっきりしている点は、西側の大国の間で、再び、復興に向かってますます強大になっていく中国に対して、現在必要なアクションを取るための決心を下さねばならない、ということだ」(BBC6月13日)

BBCが言うように、代償は高すぎました。
今回のG7の結束が、せめてもう5年早ければウィルグの収容所列島化や香港の奴隷都市化は防げ、南シナ海の要塞化も未完成だったはずです。
また、今回のWHOのコロナ対応をみるまでもなく、主要国際機関の多くが中国支配になることも防げたはずでした。
いまや、アフリカを中心とする発展途上国は、10数年前から数兆ドルともいわれる巨額な資金によって属国化してしまいました。

しかも西側の対応は後手後手で、日米と欧州で分裂していました。
この分裂をいいことに、中国がウィグルでジェノサイド収容所を完成させ、香港の民主主義を暴力で押しつぶし、南シナ海全域を自国領土とするまで、自由主義諸国は傍観していたのです。
遅い、遅すぎると思うのは私だけでしょうか。
しかし遅いと言っても、気がついて共同のアクションをとろうとする姿勢を見せただけで大進歩です。
私としては次の一手で、揃って対中制裁論がでるようだとホンモノだと思います。

あ、そうそう、ムン閣下も行ったそうですが、こんな対中包囲網の相談に呼ばれてちゃって、どう中国様に言い訳するんだろ(苦笑)。

 

« 日曜写真館 沢も田もあやめの畦となりにけり | トップページ | 周庭さんの釈放と天安門事件32周年 »

コメント

イタリアが仲間外れだ。。(笑)

忘れてました。イタリアもです。そのくらい存在感ない上に、一帯一路に浸食されて、今回のコロナの引き金をつくっちゃいましたしね。
まーどうでもいいかと。

韓国ェ…

とはいえ、親分ロシアは別として唯一頼りにしたくなるくらいの国力を持っているのが韓国ですからねぇ。韓国も韓国で、自国の国力を考えたらもう何やっても小事となるような小国ムーブは無理なんですよね。一挙手一投足、とまではいかないとしても、こういう参加するだけで発信となるような会合への出席はチェックされると思います。何考えてるんだか。

> 今回のG7の結束が、せめてもう5年早ければウィルグの収容所列島化や香港の奴隷都市化は防げ、南シナ海の要塞化も未完成だったはずです。
また、今回のWHOのコロナ対応をみるまでもなく、主要国際機関の多くが中国支配になることも防げたはずでした。

 遅かったと後悔するばかりですが、人類はいつも対応が遅れるものなんだろうとも言えますよね。ナチスのズテーテン侵攻時にも英国は宥和政策をとり後になってひどい目に遭いましたしね。G7が今後においてシッカリした対応をしてもらいたいものです。

 日本は防衛予算を大幅に増強し、尖閣のセメギあいでは中国を圧倒してもらいたいと願っております。

 沖縄の反米運動にも見直しが必要であり、米軍の駐留と自衛隊の増強を図るべきです。強い防衛力こそが平和を守るのです。紛争抑止にもなります。

G7の足並みが揃うのは良いですね

ただ日本とて自民親中派と公明をどうにかしない限り、上客扱いしていたドイツと大して変わらんと思っています

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 日曜写真館 沢も田もあやめの畦となりにけり | トップページ | 周庭さんの釈放と天安門事件32周年 »