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2021年7月

2021年7月31日 (土)

さっさとアストラゼネカを東京に集中投下しろ

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ワクチンの接種ペース早めるために、アストラゼネカ(AZ)ワクチンを使うようです。

「英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省は公費接種で原則40歳以上への使用を検討している。30日の厚生科学審議会の分科会で判断する。60歳以上への接種を推奨する案で調整していたが、外国の推奨年齢や安全性に関するデータから、より若い世代への活用も視野に入れる。」(毎日7月29日)

遅いですが、始まっただけでいいとします。
なんといっても、AZは日本でも作っています。これはファイザーにない圧倒的強みです。
ファイザーはいくら契約数量を確保してあっても、日本の接種状況が予想を超えて速かったりすると、たちまち供給の前倒しを要請せねばならなくなってしまいました。

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 ニューズウィーク

なんてったって、日本に工場があり、既に6000万人分を確保できているのですから、これを使わないてはありません。
日本人の半分が打てるだけのワクチンが、既に国内にありながら使っておらず、にもかかわらず本格的都市封鎖しろなんて馬鹿まで現れるのです。
本末転倒じゃありませんか。防ぐ有効な手段を持っていながら使わず、手を尽くさず、なにが都市封鎖だ。

しかもファイザーのワクチンの供給の障害だった超低温流通(今は緩和してマイナス25度から同15度)がいらず、2度~8度ていどの冷蔵施設で済むのです。

「アストラゼネカは、承認されれば、新型コロナウイルスのワクチンを、国内の製薬会社に委託して6400万人分以上を製造することにしています。
このうち原液は、兵庫県芦屋市に本社がある製薬メーカー「JCRファーマ」が担当し、神戸市内の工場で製造します。
工場では、専用の部屋に、新型コロナウイルスの遺伝子が組み込まれた、ワクチンのもととなる溶液が運び込まれ、培養を進めます%(NHK 2021年2月20日)

下の写真は、日本で製造を請け負っている兵庫県JCRファーマーのプラントですが、この会社は遺伝子治療の実績がある企業のようです。

「JCRファーマの本多裕上席執行役員は、ワクチンの国内生産について「遺伝子治療の研究をしているチームが社内にあり、技術をワクチンや原液製造にいかせるところが、技術的には大きなポイントだと思う。国内でスムーズに生産していきたい」と話していました」(NHK前掲)

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日本国内の工場でアストラゼネカ製ワクチンの原液を製造する様子(JCRファーマ提供)

アストラゼネカ製使用当面見送り 年齢など接種対象の限定も検討|

ところが一部に血栓がでたというので、ワクチン消極論が強い厚労省はビビってしまいました。
厚労省が恐れるのは感染拡大ではなく、むしろ後から子宮頸がん訴訟のようなものを起こされることようです。
だから小役人根性はイヤダ。
専門家部会を開いてどうのこうのといいますが、会議の前に方針を定めて、それにあった人選をして「落とし込む」のがいつもの日本の官僚のやり方でじゃないですか。
有効性が確認され、認可も降りているものを、感染拡大が1日全国で1万人を超えた、なんて騒ぐ時にもお蔵入りさせてしまう、何かんがえてるんだか。
つまるところこんなもんは、小役人の我が身かわいさにすぎません。

「厚労省は21日、専門分科会でアストラ製は当面使わない方針を示した。これに対し専門家から「英国でかなりの接種実績があり、効果も確認されている。選択肢として排除すべきでない」との指摘が出た。保管がしやすく、国内で原液が作られているという利点もあり、引き続き使用法を議論する」(東奥新聞62021年5月20日)

実際に英国でアストラゼネカのワクチンを打ったロンドン在住の菅野泰夫氏はこう述べています。

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毎日

「英国では5月中旬の時点で、3,300万人にアストラゼネカのワクチンが接種されたが、血栓症を発症したのは309人、うち56人が死亡していることも事実である。ただ足元は、血栓が発症しても対処方法が確立されており、2回目のワクチン接種では死者は出ていない(そもそもコロナ感染時の血栓リスクの方が数十倍高い)。
それ以上に、英国人の多くがコロナ危機を戦時下にたとえ、何とか乗り越えようという点で一致団結している。副反応の懸念が報道されても、危機収束のための唯一の方法として積極的にワクチン接種に向かう人が主流である。
日本でもアストラゼネカワクチンの許認可が下りたため、順次、接種が開始される予定であろう。どこの国でも、接種を受ける時期に供給されているワクチンが優先的に接種されるため、当日アストラゼネカワクチンと判明しても、過度に心配する必要はない。ぜひ思い切ってワクチン接種に踏み切ってほしいものである」(菅野泰夫 ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト) 。

危機において一定のリスクを承知のうえで、それを乗り越えようとする英国、1年半たっても平時の感覚が抜けきらず決断が遅れ続けるわが日本。

たしかに厚労省が危惧するようにAZワクチンによる副反応は発生しています。
ただし100万件で約8件。0.08%です。
これは菅野氏が指摘するように、コロナに罹った場合になる血栓の確率の8倍から10倍です。

[ロンドン 22日 ロイター] - 英医薬品規制当局は22日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチン接種者からの深刻な血栓症の報告が168件あったと明らかにした。発症率は100万回の接種当たり7.9件という。
先週は100件報告された。発症率は100万回の接種当たり4.9件だった。
血栓による死亡報告は合計32件。先週は22件だった。ただ、血栓による致死率は22%から19%に低下した」
(ニューズウィーク2021年4月23日)

ワクチン未接種の人がコロナに感染した場合の血栓による死亡率について、オックスフォード大学はこのように発表しています。

[ロンドン 15日 ロイター] - 英オックスフォード大の研究チームは15日、脳内で血栓が生じるリスクは、英アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンの接種よりも、未接種でコロナに感染する場合の方が8-10倍高いとの分析結果を発表した。
米医療データベースに基づく研究で50万人のコロナ患者の脳静脈洞血栓症(CVST)を調べたところ、発症率は100万人当たり39人の計算になったという。一方、欧州医薬品庁(EMA)はアストラゼネカのワクチン接種後の同発症率を100万人に5人としている」(ロイター32021年4月16日)

このようにアストラゼネカワクチンを血栓を理由に使わない理由はもはやなにひとつないのです。
アストラゼネカワクチンは、すでに日本国内でも2021年5月21日に厚生労働省が承認しています。
接種の対象は18歳以上で、日本政府は年内に6000万人分を供給する契約を結んでいて、厚生労働省が承認さえすれば直ちに国内の製造拠点から4500万人分以上が供給される見通しです。
それを使わせなくしているのが、厚労省の政治的判断なのですから、もはや犯罪的といっていいでしょう。

今、このAZワクチンを東京都に集中的に投入して、人心の動揺を押さえ込むべきです。
広く薄く使用するのではなく、1日陽性判定者が3000人を超えたとメディアが臨時ニュースするような東京都に集中的に使用すべきです。
ただし、私は東京都の保健局責任者が言うように、去年の暮れと比較して特段に危機的だとは思っていません。

「東京都内で新型コロナウイルスの感染者数が過去最多の2848人となった27日、都は吉村憲彦福祉保健局長が報道各社に現状を説明した。年末年始の2千人台とは医療提供体制やワクチン接種などで状況が違い、死者が急増することはないと強調。「いたずらに不安をあおることはしていただきたくない都局長は述べた」(

わざわざ東京都の担当官が「いたずらに不安を煽らないでくれ」と注意勧告をしても、「速報!東京都で3千人を超える」などいうテロップをオリンピック中継の間に流すのが、この国のメディアです。

では、東京都の感染状況を押えておきます。
都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト (tokyo.lg.jp)

●東京都陽性者数の推移(2021年7月29日現在) ・・・              3,865 
入院患者数・・・                                                                           3,039 人
・確保病床・・・                                                                               5,967 床(50.9%)
・重症患者数・・・                                                                                 81 人
・確保病床・・・                                                                                  392 床(20.6%)

  一方、東京都のワクチン接種率を見てみましょう。
東京都コロナワクチン接種状況・接種率の最新情報 | NHK特設サイト
まずは一番重症化しやすい65歳以上に対しての接種率です。

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●東京都の65歳以上のワクチン接種率
1回目・・83.42%
2回目・・71.94%

つまり高齢者の8割以上は既に1回目の接種を完了させているのです。
これが陽性判定者が3千人超えなどといっても、重症者が少ない理由です。
年代別を見るとこうです。

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これを順調と評しちゃいけませんか。
仮に今の感染拡大を大水にたとえれば、一番脆弱な箇所はガッチリ補強されてているということです。
ですから、コロナによる決壊の心配はほぼない、都市封鎖なんてまったくやる必要はないのです。
だから大げさに騒ぐな、と都の吉村保健局長がわざわざ言ったのです。
メディアは、国民が平和に暮らすのを見るのが、ほんとうに嫌いなようです。

しかもこの接種者数は常に2週間ほどズレているので、来週にならないと正しい数字はわかりません。
全国的にみると、控えめにみてもこのような状況だと考えられます。
チャートで見る日本の接種状況 コロナワクチン:日本経済新聞 (nikkei.com)

●国内のワクチン接種率(7月28日現在)
・全国の接種率
・1回接種・・・38.0%
・2回接種・・・27.0%

・65歳以上の接種率
・1回目接種・・85.3%
・2回接種・・・27.0%

おそらく来週には1回目接種率40%を超え、2回目も30%を超える勢いです。
おそらく8月中にはアストラゼネカも加わって、一気に5割を突破するはずです。

国民全体の接種率が40%から5%を超えるラインに達すると、感染は激減を開始することは、イスラエルなどの先行事例で分かっています。

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 日経

「イスラエルのワイツマン科学研究所のエラン・セガル教授も4日、60歳以上で新型コロナ陽性と確認された例が過去3週間で41%減ったとツイッターで報告した。入院した人は31%減、うち重症患者は24%減ったという。
イスラエルでの接種は2020年12月に始まった。優先対象となった60歳以上の8割が接種を受けた。後回しになった若い世代と比べて感染や重症化のケースが顕著に減ったと同氏は指摘する」(日経2021年2月5日 )

このイスラエルの事例研究はデルタ株以前ですが、デルタ株優勢の現在でもイスラエルの新規感染者数はピーク時の5分の1ぐらいに抑えられています。
また死亡者でも、ピーク時は1日100人近く死んでいましたが、この7日間で1人しか発生していません。

アストラゼネカのワクチンの副反応で血栓が出たことが使われない理由ですが、イスラエルも副反応が0.3%でたことが報告されています。
仮に血栓が出ても、対処を誤らねば死亡者が多数でることは、まず考えられません。

新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンをめぐり、イスラエルの保健機構が14日、ワクチン接種には発症を94%減らす効果があるとの研究結果を発表した。未接種の人と比べ、重症化するケースも92%の減少がみられたという。
陽性判定者の92%が、ワクチンを打たない人だという報告もあります」(朝日 2021年2月15日)

また、デルタ株に置き換わっているということですが、先ほどのイスラエルの例を見ると、全体の2回目接種が5割を超えればそれほど大きな脅威にならないと思います。
メディアが過剰に騒ぎ立てることによる心理的動揺を抑えるために、アストラゼネカワクチンを東京都の中年・若年層への集中接種を進めるべきです。

 

 

2021年7月30日 (金)

オリピック開会に合わせてチベットに行った習近平

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す、すごい、濱田とウルフ!
柔道がこんなに面白いとはおもいませんでした。
試合開始して数秒で寝業とは、すごすぎ。
いや、いままでのコロナ、コロナでクサクサする日常がオリンピックで輝きを取り戻したようです。

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オリンピック 柔道 濱田尚里 金メダル 女子78キロ級 | 柔道 | NHKニュース

それを尻目に、ほらほら、やはり出てきた五輪と感染拡大をくっつける煽り。
時事は(「東京五輪に厳しい目」 感染急増で海外メディア」なんて、外国メディアを使ってディスっています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bd99881c4c3ef2bc5e1c315de26de2686f4cb16b?tokyo2020

専門家会議なんか「オリンピックの高揚感」を原因に上げています。
おいおい、専門家さんよ、高揚しちゃいかんのか。一般ピープルは部屋に閉じこもって、手酌で酒飲んでりゃ満足なんか、と毒づきたくなります。
統計を踏まえた説得力のある議論を展開できず、こんな国民の「高揚感」すら敵視するような言い方をするようになったら「専門家」もお終いですな。

政府はアストラゼネカを投入するようです。
遅すぎたくらいで、AZなら日本で作っていますから、迅速に接種可能です。
これについては明日書くかもしれません。

黒い雨訴訟の上告断念にしてもそうですが、菅さんは積み残した懸案をどんとん片づけていくつもりのようです。
こういうアグレッブな気持ちになったことは大いに結構。

さて、このオリンピック期間中にも、習近平は大忙しのご様子です。
なんとこの時期にチベットに出かけています。

「訪問は2012年の総書記就任以来初めて。中国軍が進駐しチベットを『解放』したとする1951年から70年に合わせた訪問で、統治の正当性を誇示し、米国などからの人権侵害批判に反論する狙いがあるとみられる。
党トップの総書記の訪問は、90年の江沢民氏以来31年ぶり。習氏は『解放60周年』の11年に国家副主席として訪れたことがある。
中心都市のラサなどを訪問した習氏は『解放から70年で人民の生活は大幅に改善した。中国共産党がなければ、新中国も新チベットもなかったことを実践が証明した。党のチベット政策は完全に正しかった』と自賛。チベット仏教寺院『デプン寺』では、党の指導、社会主義制度、祖国の統一を擁護する寺の取り組みを評価した」(7月24日 時事通信)

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中国・習近平 チベットを訪問 2日後に報道 習主席視察西藏林芝 

ああ、いやだキナ臭い。
習がチベットに来たのはこれで3回目。98年の最初は福建省知事、2度目は2011年の副首席時代です。
では、なぜこの時期にチベットにでかけたのでしょうか。

たぶんオリンピックの開幕にぶつけておけば、中国国内のニュースはイヤでも習のチベット訪問を1面に持ってきますから、メンツを保てます。
オリンピック開会式には、来ると思われていた孫春蘭副首相(スポーツ行政担当)を訪日させず、選手団長の苟仲文(国家体育総局局長)に格下げすることで、日本に対してのマウンティングした気分になったことでしょう。

また、来年の北京冬季オリンピックをボイコットすると見られる米国・欧州へ先手を打ったとも考えられます。
日本よ、欧米の尻馬に乗ってボイコットするなら、ただじゃおかんぞ、ということです。
日本がボイコットに乗るかどうかは、わかりませんとしかいいようがありません。
二階-公明が権力に居すわっているうちはそうとに難しいでしょうが、米国からも強力な圧力が行くがはずですが、その時に小池がからんでいたらそれで決まり。
今年やった国が来年は反対に回るというのは、ただでさえ難しいですからね。

ところでチベットを選んだのは、ひとつはG7サミットが「対中対策会議」となったことに対する、習なりのリアクションです。
共産党創立100周年がむき出しのプロパガンダだったことに対して、チベット訪問はデモンストレーションです。
いかに内政がうまくいっているのかを、自由主義諸国と党内反習派に見せつけるための政治ショーです。

G7で批判を浴びたのは、南シナ海への露骨な侵略と、香港、ウィグルの奴隷化でした。
ですからこの時期に、中国としてはなにがなんでも「うまくやっている植民地」を見せておく必要があったのです。

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変貌するチベット】(下)「脱貧困」奏功も強まる党介入 少数民族優遇

収容所と化したウィグル、民主主義が刈り取られた暗黒の香港と比して、今やチベットは中国の植民地のショールームとなっています。

「習近平指導部が今年末までの実現を目指す「脱貧困」政策ではチベットが最重要の地域。山間部の牧畜民26万人を都市部に移住させ、就業機会も提供した。「経済発展や貧困脱却こそが不満を解消し社会が安定する」と自治区政府当局者。
自治区第2の都市シガツェに新しくできた工場はハダカムギ(青●、●=のぎへんに果)を農民から市場価格より高く買い上げてクッキーなどを製造、就業の場も増やした。ここで働く20代女性は「大学で食品安全検査技術を学んだ。工場が開設されたことで地元で就職できた」と話す。月給は5800元(約9万2300円)で大都市と大差ない。両親は青●(●=のぎへんに果)を工場に売る契約農家という」
【変貌するチベット】(下)「脱貧困」奏功も強まる党介入 少数民族優遇で漢族と軋轢 - SankeiBiz

このように経済発展に力を注ぎ、かたちだけ宗教を保護するふりをして見せたことで、中国は融和的姿勢を見せたと思っています。
一方で漢族を大量移民させることで、チベット族を逆に少数民族化させようとしています。
チベット族は言語を奪われ、宗教を奪われる代わりに腹が一杯になりました。
腹さえくちければ人民は抵抗しない、民主主義なんてコジャレたことをいうのは外国かぶれのインテリだけ。
だから分断しておけばいい。これが中国の人民統治の要諦です。

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チベット統治もこの方法を踏襲しています。
流入した貧乏人の漢族よりチベット族をやや待遇をよくしてやることで、彼らがチベット族を敵視するように仕向けました。
チベット族が経済発展の恩恵に預かり、自治政府や警察に取り立てられ、30年前から一人っ子政策が解除されたのに比して、漢族は収入も低く官職につくのも困難です。
彼らが憎むのは、まずチベット族です。
チベット族が少数民族の権利を訴えて立ち上がるとき、それに最も敵対するのが貧乏人の漢族です。
この構図はかつての2009年7月のウルムチ暴動でもあったことですが、ぶつかるのは漢族のならず者とウィグル族で、それが騒乱に拡大すると調停する形をとって武装警察が鎮圧します。

「目撃者らによると、デモ隊は少なくとも1万人に上り、こん棒や刃物などを持ってウルムチ市内を行進。デモ隊の一部は「ウイグル族を襲え」と叫び、ウイグル族の商店を破壊、ウイグル族住民との間で投石も起きた。警官隊はデモ隊を解散させるため催涙ガスを繰り返し発射したが、デモ隊は警察の非常線を一時突破した(時事2009年7月7日)

下の写真はウィグル族を襲撃する漢族です。
関連記事『2009年7月5日、ウルムチで何が起きたのか?  自国民に銃を向けた中国政府』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-fdc3.html

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漢族住民がデモ、暴力ざたも:時事

まだチベットではこのようなことは起きていませんが、チベット族が民主化デモを行えば、まず出てくるのはこのような漢族住民だということを頭に置いて下さい。

ウィグルや香港とは違ってチベットでは統治が安定している、ということを内外に示すことができる、と習は考えたのでしょう。
「戦狼」外交による失点続きで世界を敵に回してしまった習にとって、もっとも怖い党内の反習派を押さえ込むには、この内政の安定が鍵なはずです。

ところで、この習のチベット訪問と同時期に、初の米中高官級協議が行われました。

「中国・天津で行われている米中の政府高官協議で中国側は26日、アメリカが中国政府を抑圧していると批判し、制裁や関税を撤廃するよう求めた。
王毅外相は、訪中しているウェンディー・シャーマン国務副長官との協議の中で、米中関係はアメリカが「正しい選択」をするかどうか次第だと述べた。
シャーマン副長官は、アメリカ政府は中国との衝突は望んでいないと話している。
中国はアメリカ政府に対し、ドナルド・トランプ前政権で破壊された米中関係を改善するよう繰り返し求めている。しかしジョー・バイデン米大統領は、人権や制裁などの面では特に、中国に対する厳しい態度を崩していない」(BBC7月21日)

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26日、中国・天津で、中国政府と会談を行うシャーマン米国務副長官(左から3人目)=AP  中日新聞 

さて習という人物の特徴がなんだかご存じでしょうか。
この男、尊大に振る舞っていますが、今まで外国に行ったことはありません。中国しか知らない胃の中の蛙なのです。
毛沢東もそうでしたが、党内政治で勝ち上がってきただけの人物で、正直、外人が怖い。
外国に行くのはイヤ。外交は国内政治の延長だと思っています。

外交経験もなく、海外の要人とのパイプも知識もまったくなく、国際社会との交流があった政治家はみんな「反腐敗闘争」で粛清してしまったために、いまや残っているのが、楊潔篪(ようけつち)や王毅だけという有り様です。
ほんとうは彼らはがいこくとは揉めたくない。
実は楊潔篪や王毅 彼らはそれが不毛な行為であることを理解してはいるようです。
特に外相の王毅などは、外国メディアがいる時は、面白くもない中国共産党のプロパガンダをがなっても、退出するや手のひらを返したように猫なで声に代わって宥和的になることは有名でした。
彼はひと頃小澤一郎の書生だったという噂がたったくらい日本語がペラペラですし、冗談まじりの会話を自民党幹部と交わしてご機嫌伺いができました。

この東洋的腹芸が効かないのが欧米です。
彼らはブリンケン-楊潔篪会談のように、真正面から議論を挑んできます。
今、欧米政府は、新型コロナの世界的パンデミックを生みだしたのが、他ならぬ「戦う狼」路線だと認識するようになっています。
このふたつは不可分ではないため、中国との交流を遮断し、中国を封じ込め、感染発生とその拡大について責任をとらせようとしています。
それは新型コロナ対策にどどまらず、一帯一路潰しと不可分で行われて来るようになりました。

このような風向きの下で、クイーンエリザベスを中心とする欧州連合艦隊が南シナ海をいままさに通過し、やがて最終寄港地である日本に到着しようとする間際というわけです。
このような状況下で習はチベットに行ったのです。

ということを頭に入れて、話をチベットに戻しましょう。
このような「戦狼」路線が必然的に招いた窮地の習にできることは、いかに支配が安定しているかを内外に見せつけることでした。
そして政治ショーの部隊に選んだのがポタラ宮でした。
習はこのチベット族の聖地で、ダライラマでなく自分を拝ませることで、支配者はいったい誰なのか、おまえらを食わしてやっている主人は誰なのかを目に見える形で明らかにしたかったんでしょう。
ヒトラーのパリ占領のようなもので、実にエグイ。

「ラサにある、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマの居住地だった世界遺産、ポタラ宮などを訪問。少数民族や宗教事情について報告を受け、住民らと交流した」(東京7月23日)

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中国・習近平主席、チベット視察 党総書記訪問は30年ぶり:東京新聞

また、チベットの地理的位置はインドとの緩衝地帯です。
版図の最西端に当たり、ヒマラヤ山脈を隔ててインドと国境を接する要衝です。
ここでは去年、銃は使わないものの激しい軍事衝突が起きています。

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中国、昨年のインド軍との衝突映像を公開 写真3枚 国際ニュース:AFP

「2020年8月末、インドと中国の緊張関係は、ヒマラヤ山脈の高地での兵士の戦闘につながった。
戦闘は、インドのラダック地方パンゴン湖周辺の係争中の実効支配線沿いで起こり、500人以上の兵士が関与して約3時間続いたと報告されている。
インドは、中国の侵略に対応したものだとし、数日後には特殊作戦部隊がステルス作戦で中国の野営地を押収したと述べた。
この事件は、同じ地域で同様の衝突が起き、インド人兵士20人と中国軍の兵士(人数は不明)が死亡してから2カ月以上が経過した後に起きた。死傷者の数字はまだ報告されていないが、インド人兵士1人が地雷原に入って死亡し、1人が負傷したという」(AFP 2020年3月30日)

驚いたことには、このインド軍部隊には、インドに亡命した多くのチベッタンたちが含まれていたことです。

「それらの兵士はチベット人で構成されるインドの秘密部隊、特別フロンティア部隊(SFF)の一員だった。この件をきっかけに、この秘密部隊は注目を浴びることになった。創設から約60年を経た今、この部隊のメンバーをはじめとする多くのインド在住チベット人が悲願とする「中国への挑戦」を始めている」(AFP前掲)

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青蔵鉄道

今回の視察でも、中国南西の四川省県と山岳国境地域とつながる未完成の鉄道の現場を視察したようです。
この鉄道開発の表向きの理由は、チベットの経済発展と観光誘致ですが、もう一つの理由は有事に際して大量の軍隊を院旬でチベット高原に展開するためです。
ロイター通信によると、習が帯同させたのは、中国中央軍事委員会副議長と人民解放軍上級将軍らです。
衣の下のなんとやらというやつでしょう。 

習がそんな政治ショーにかまけていたら、河南で人災といわれる大水害が起きてしまいました。

 

 

2021年7月29日 (木)

自分がやった狂い咲きサンダーロードは自分で清算するしかない

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日本人はいかにいいニュースに飢えていたのかわかります。
大橋悠依が金2つ取るすさまじい力泳を見ていると、コロナなど吹き飛ばす喜びがつきあげてきます。
今日はあまりに多くの驚きがあって、書き切れません。
よもやサッカーでフランスに4-0で勝つとは。
野球がどう見ても強いベネズエラに、土壇場で逆転ホームラン勝つとは・・・!
水泳の大橋が2冠なんて、もう声にもなりません。

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オリンピック 競泳 大橋悠依 2つ目の「金」 200m個人メドレー | 競泳

朝日と毎日の一面は黒い雨訴訟だそうで、とことんオリンピックが憎くて憎くてたまらないようです。
遠からず、オリンピックでコロナ激増なんてキャンペーンをやり始めることでしょう。

さて、 珍しくコリアをテーマにしています。
国民的祝祭の日々に、なんでこんな馬鹿を相手にせにゃならんのか、と自分を恨んでいます。
馬鹿を馬鹿と言っても、少しも面白くはないですからね。
なんか遠い国、神秘的なまでにヘンな国、致命的にイっちゃった国、それが私のコリアに対するイメージです。

さてそうは言っても、うるさいことにかけては世界に比類がないのがあの国です。
オリンピックにかこつけて、大統領閣下が来るの来ないのと大騒ぎ。
そして来る理由が、「三大懸案」を首脳会談で直接解決したい、というのですからたまげました。
それも自分の人気取りなんですから、やれやれ。

そもそも今さら会っても、解決できるはずがないでしょうに。
だって「三大懸案」なるものは、昨日も触れたように、コリアが勝手に作った一種の幻影みたいなもんで、うちの国としてはどうすることもできないからです。
ハッキリ言って、彼らの国内問題にすぎません。
私たちから見れば、自分で勝手に誤解して、勝手に大騒ぎし、米国まで巻き込んで狂い咲きしたわけで、こんなもん日韓首脳会談で解決出来る性格のものではないからです。

というわけで三番目の「懸案」なるもののお題は、「輸出規制」だそうです。
ふーん、その言い方からして間違ってんだけどね。ま、それはあとにして、こ、ういう筋立てです。
韓国サイドの言い分を読むとまるで鏡の国にいるように頭がクルクルになりますが、まずはお読みください。

日本は1カ月後の2019年8月には韓国をホワイトリスト(輸出審査優待国措置)国から除外し、露骨な「韓国叩き」に入った。日本が2度の輸出規制を断行して前に出した対外的な名分は「輸出管理などの理由」と「安全保障上の懸念」だった。韓国が日本から輸入した戦略物資をまともに管理していないため北朝鮮などに入る可能性があるということだった。
しかしこれは表面的な理由にすぎず、その裏には2018年10月の強制徴用被害者が提起した損害賠償訴訟で韓国大法院(最高裁)が原告勝訴判決を出したことに対する不満があった。過去の問題による政治的な対立を日本が輸出規制報復で経済的対立に置き換えたということだ」
 (中央日報2021年7月25日)
「輸出規制撤廃」最後の峠を越えられず…文大統領の訪日見送りの背景(1) | 中央日報

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コリアメディアが言うには、徴用工裁判の報復で輸出規制したんだから、日本が原因だ、だからニッポンおまえが解決しろ、ってことのようですね。
まずは、用語の使い方からして間違っています。
だから、シャッツの初めのボタンを賭け間違えると最後にヘソが見えてしまう、ということになります。
日本が韓国に課したのは、「輸出規制」ではなく、「輸出管理規制」です。
2019年7月時点では、NHKをはじめすべてのメディアが「輸出規制強化」という書き方をして、徴用工裁判の報復だと解説していました。
慰安婦問題もそうでしたが、日韓紛争の火元は日本のメディアです。

当時、朝日などこんな筋違いの説教を始める始末です。

政治的な目的に貿易を使う。近年の米国と中国が振りかざす愚行に、日本も加わるのか。自由貿易の原則をねじ曲げる措置は即時撤回すべきである。 安倍政権が、韓国への輸出の規制を強めると発表した。半導体をつくる材料の輸出をむずかしくするほか、安全保障面で問題のない国としての優遇をやめるという。
 日韓には、戦時中に朝鮮半島から労務動員された元徴用工への補償問題がくすぶっている。韓国政府が納得のいく対応をとらないことに、日本側が事実上の対抗措置にでた格好だ」(朝日2017年7月3日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S14079670.html

日韓がもめると、ろくに調べもしないで自動的に日本を悪玉にして政府に謝罪を要求する、というのが本能となっています。
朝日は経済産業省をよく取材しないで書くから、こういう頭の悪い中学3年みたいなことを書くのです。
メディアは、当時の経産相の世耕氏がツイッターで、メディアに誤表記を改めるようにといくら書いても素知らぬふりを通しました。
コリアはこの日本メディアの「輸出規制は徴用工裁判への報復である」という誤った論調を読んで、日本が報復に走ったと思ったようです。
ホント罪が深いよ、こいつら。

では、この「輸出規制」と「輸出管理規制」は、どこが違うのでしょうか。
ここがわかって いないと、この問題を理解できませんから説明するとします。

「輸出規制」という用語は、わが国が特定の物資を特定の国に輸出することを制限する場合に使われます。
たとえば、かつての日米戦争に突入する引き金になった米国の原油・鉄の輸出禁止のようなケースや、共産圏に対するココムなどは、この「輸出規制」に該当します。
近年では、米国のワッセナーアレンジメントによる対中輸出規制もそうです。

ちなみに戦略物資とは

「戦略物資とは地域、時代背景によって差異があるが、一般的には一国の安全保障上または戦争遂行上不可欠で、その帰趨を左右するほど重要な影響を及ぼす物資、資源である 」(ウィキ)

平時においては、相手国の産業にとって死活的に重要な物資のことです。
これは外為法と輸出貿易管理法で定められている、兵器、原子力関連、電子機器、数値制御工作機器、レアメタル、石油、食糧などが該当します。
このフッ化水素もそれに入っています。
 輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号

今回、日本は韓国にフッ化水素など3品目を輸出禁止にするなんて言っていますか。
いませんね。ここが肝心なのです。
サムスンはよく分かっているはずですが、当時も今も日本の輸出管理さえきちんとパスすれば、まるっきり以前と同じように輸入できるのです。
これは日本のネット民の多くも誤解して、当時サムスンがこの3品目を禁輸されて干上がったみたいな言い方をする人がいましたが、間違いです。
確かにサムスンは当初は混乱したようで、内製しようとしたようですが、すぐにネを上げて、日本からの輸入に再び頼るようになっています。
日本が言っているのは、一回一回しっかりと製品の用途・保管方法・保管場所を明示して審査に受かればOKというだけのことですから、いまではサムスンは別に密輸なんかじゃなくて日本製のフッ化水素を堂々と使いつづけていられるのです。

つまり、「輸出管理規制」という概念は、禁輸するしないというオーバーな話ではなく、一定の輸出手続きの基準を満たしているかどうかを審査するというだけの、あくまで手続き上の問題にすぎません。
別の例で見ると分かりやすいでしょう。
たとえば外国への渡航では、日本がある特定の国に向けて渡航禁止を命じることが「輸出規制」に当たりますです。
国交がない北朝鮮などのケースですね。
一方、渡航便に乗るため空港で手荷物検査やパスポート審査をされますが、あれが「輸出管理規制」に相当します。

下図の説明にあるように、日本が輸出したものが大量破壊兵器に利用されないようにしっかり管理していこうね、というのが輸出規制管理です。

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貿易管理について ~安全保障貿易管理とワシントン条約~ E!KANSA

貿易の場合、今まで韓国には「輸出管理規制」をフリーパスにしてきました。
従来の日本は、韓国に対してイミグレなしの状態でパスさせるという「ホワイト国」(現「グループA」)という特恵を与えていたのです。
これは国際的に見ても大変に特別な待遇であって、世耕大臣が言うように「EUは韓国にホワイト国待遇していない」のです。
米国も同じで韓国を特別扱いしていません。
していた日本のほうが特異であって、日本が韓国の貿易上の扱いを世界標準に戻しただけのことです。

それで特に差し障りがないのは、「ホワイト国」ではない台湾やインド、東南アジア諸国など大多数の国といたって波風立たない貿易関係を続けていることを見ればお判りになるでしょう。
だから「輸出規制」(禁輸)ではもちろんなく、「輸出管理規制強化」というのもオーバーな、たんにフツーにやるぞというだけのことです。
それをギャーギャーと国家緊急事態だとかなんとか、うるさいこと、うるさいこと。

日本は世界標準に戻したことの理由を、コリアの輸出管理があまりに杜撰で、大量破壊兵器を作る材料をアブナイ国に横流している疑いが濃厚だと見たからです。

当時の日本政府はこう述べています。

(1)従来から韓国側の輸出管理(キャッチオール規制)に不十分な点があり、不適切事案も複数発生していた。日韓の意見交換を通して韓国が制度の改善に取り組み制度を適切に運用していくとの信頼があったが、近年は日本からの申し入れに もかかわらず、十分な意見交換の機会がなくなっていた。
(2)また近時、今回輸出許可を求めることにした製品分野で韓国に関連する輸出管理を巡り不適切な事案が発生している。
(3)さらに今年に入ってこれまで両国間で積み重ねてきた友好協力関係に反する韓国側の否定的な動きが相次ぎ、その上で、旧朝鮮半島出身労働者問題については、G20までに満足する解決策が示されず、関係省庁で相談した結果、信頼関係が著しく損なわれたと言わざるを得ない。
(4)輸出管理制度は、国際的な信頼関係を土台として構築されているものであり、経緯(1)〜(3)を勘案した結果、韓国との信頼関係の下に輸出管理に取り組むことが困難になっていると判断し、厳格な制度の運用を行い、万全を期すこととした。
なぜ韓国は「ホワイト国」から外されるのか(時系列まとめ) - ITmedia NEWS

公には公表されていませんが、日本は韓国企業がフッ化水素などを北朝鮮やイランに横流ししたり、第三国を経由して迂回輸出している証拠を握っていたようです。
だから、ひとつひとつ丁寧に用途と行き先を調べるために何度もカウンターパートの韓国政府に協議を呼びかけたのですが、なんの前進もなかったために、今までの特権的待遇を止めたということです。
そして、所定の文書を出し下さいと、コリアに言っているだけのことです。

●外国為替及び外国貿易法 第48条第1項
国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなると認められるものとして政令で定める特定の地域を仕向地とする特定の種類の貨物の輸出をしようとする者は、政令で定めるところにより、経済産業大臣の許可を受けなければならない。

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輸出管理の基礎| 安全保障貿易情報センター(CISTEC)

繰り返しますが、日本企業が韓国にフッ化水素など3品を輸出してもまったくかまいません。
どうぞご自由に、ただし帳面だけは前もって出して審査を受けなさい、というただそれだけのことです。
ところがコリアは、日本メディアに煽られてまるでわが国が韓国に対して「禁輸」措置を取ったが如く驀進を開始します。
いわく、徴用工裁判の報復だ、国家緊急事態だ、ならば我等もWTOに提訴するぞ、GSOMIAなんか破り捨ててやるわ、というご承知の一連の狂い咲きサンダーロード路線に突入してしまいます。ハレホレ。

徴用工裁判はただの背景にすぎません。
日韓関係が、ムン閣下によるかび重なる背信行為で緊張の度合いを高めていたことは事実でしたし、徴用工裁判が日韓基本条約そのものを廃棄すると言うに等しい暴挙であることはいうまでもありません。
当時、日本政府はムン閣下が起こした徴用工裁判を見て、日韓関係の基本部分を壊すつもりだと判断しました。
実際、ムンは閣下は日韓基本条約を一方的に廃棄し、賠償金をさらに取るつもりだったのでしょう。
だから日本は「信頼関係が崩れた」といったにすぎません。
信頼できない国に、戦略物資を無審査で渡すことなんかできませんもんね。

その後のコリアの報復のGSOMIAに至っては、無関係な軍事協定までウェイアウトしただけのことで、当時から米国に馬鹿か、お前はと怒られていたことです。
※関連記事 またまた韓国がGSOMIA廃棄だって: 農と島のありんくりん (cocolog-nifty.com)

おかげ様で、日本はコリアから謝罪カードをちらつかされて無理難題の吹っ掛けられると、たちまち譲歩して「大人の解決」を図る、という悪習慣から自由になることができました。
歴史カードが使えないというのは大誤算でしたね、ムンさん。

また、日本がこれで最終的にコリアを見限ってしまったために、朝鮮半島を大陸からのバッファ(緩衝帯)としていた従来の発想を改め、その眼を太平洋・インドに転じることになりました。
これはFLIP(自由で開かれたインド・太平洋)という新たな戦略構想として米国にも影響を与え、中国・ロシアの防壁はいまや朝鮮半島から台湾海峡へとシフトしてしるいました。
となると、もうコリアはかつてのように北朝鮮と中国の抑えはウチがやっているんだなんて言えませんから、ただのコウモリ国家にすぎません。
こういう大きなシフトチェンジは、習閣下の暴走だけではなく、それをアシストするかのようなムン閣下の並走なくしてはありえなかったことです。

とまれ、これはすべて彼らのひとり相撲ですから、日本が解決の手を差し伸べる必要はまったくありません。
というか差し伸ばせば、日本が原因を作ったかのような了解が二国間に生じてしまいます。
勝手に勘違いして、勝手にひとり相撲を取ったあげく、ひとりで土俵の外にころげ落ちたくせに会談しようって、あんたねぇ。
いくら泣いても餅は上げないから。

2021年7月28日 (水)

韓国がいう「三大懸案」とは

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オリンピック、いったん始まってみればメダルラッシュ、卓球の瞬間視聴率はなんと40.5%、感染爆発するぞぉなんて言われていた五輪関係者からも、想定内の陽性判定者がでているだけです。
昨日は女子ソフトボール、強敵米国を破って優勝です。スゴすぎ!
メディアは手のひら返しして歓声を上げています。どのツラ下げて。

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よし!」女子ソフト金メダル 宇津木元監督が連呼した ...

終わってみれば、いったいなんで国論を二分する勢いで中止を叫んでいたのか、当人らもわからなくなることでしょう。
というか、反対してたなんてスルーしちゃいそうですね、特にメディアは。

さて、今回のオリンピックでも、伝統芸能のようになったコリアの一人相撲がまたもや炸裂しました。
ムン閣下が日本に来るの、こないのと騒いだ挙げ句、結局来ないことに。ふー、うるさい人、うるさい国。
そりゃ会談目的で来ると言われりゃ、いらっしゃっても首相はお会いできませんよ、と答えるしかありません。
ムン閣下は、きっとオリンピックの来賓となれば、日本側が譲歩するんじゃないか、なんて思っていたようで、甘いこと。

うちの国としては、更迭された駐韓公使じゃないが、「そんなこたぁ、お前の国の手慰みみてぇなもんだ。今、こちとらの政府は忙しいんだ」というのが本音でしょう。
オリンピックだ、コロナだ、ワクチンだ、選挙も近いというのに、そんなムンの人気取りにかまってられっか、てことです。
この公使発言は、オフレコを韓国側がリークしたようですが、下品ですが、よく言った。
このくらいガツンと言わないと、コリアには伝わりませんからね。

さて、この行きたいが行けないユン閣下の悲劇、いや違った喜劇について、中央日報はこう書いています。

「連日の悪材料で対立局面が長期化する状況でも議論は少しずつ進展した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の日本訪問が見送られるまでの過程のことだ。
韓日両国は、文大統領が訪日して菅義偉首相と首脳会談を開催する案について、1カ月間ほどマラソン協議を行った。
結果的に文大統領の訪日は実現しなかったが、両国が首脳会談の議題とする懸案を点検・調整しながら深みのある実務協議が行われたのは不幸中の幸いだったというのが、政府の内部的な評価だ」(中央7月23日)
「輸出規制撤廃」最後の峠を越えられず…文大統領の訪日見送りの背景(1) | 中央日報

やや驚くことには、中央日報は「問題点がはっきりした」と評価しています。
おいおい、そんなことは以前から明瞭だろうにとコチラは思いますが、アチラさんは分かっておられなかったようで、かえってそれにびっくりします。
韓国側は、ムン閣下が来日した際の協議対象は3点あるのだぞ、成果を用意しないと行かないからな、と恩着せがましく事前協議で言っていたようです。

「首脳会談が開催される場合、韓日は①慰安婦・強制徴用被害など過去の問題②日本政府の福島汚染水放流③日本の輸出規制措置--を3大懸案に設定して議論する予定だった」(中央前掲)

こんなもんを「三大懸案」なんて出されたら、日本側は話になりませんな、と席を蹴るしかありません。
それそもこの「懸案」とやらは、めちゃくちゃに歪んだコリアバイアスなのです。
記者は官僚の言った言葉遣いで書いているのでしょうから、この用語の使い方を見ただけで、こりゃダメだと日本側は思ったはずです。

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聯合

まず①の「慰安婦・徴用工被害」問題がとっくが終わっていることは、その仲介者だったブリンケン国務長官と当時の彼の上司ったケリー元国務長官に聞いてみればわかるはずですから省きます。
そもそも無理筋でムン閣下が始めたのは、司法判断があるぞよ、三権分立だから従うしかないのだというのが建前でしたが(ほんとうは単に閣下がやりたかっただけですが)、いまやその頼みの司法判断も、国際法的には無理だからあきらめなさい、という判断だったはずですが、もう忘れたのかな。

「日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者と遺族85人が日本製鉄(旧新日鉄住金)、日産化学、三菱重工業など日本企業16社を相手取り損害賠償を求めた訴訟でソウル中央地裁が7日、訴えを却下したことについて、原告側は「大法院(最高裁)判決に反する」として即時控訴する意向を明らかにした。
却下は訴訟要件を満たしていない場合に、審理を行わず下す決定だ。原告敗訴と同じといえる。
原告の訴訟代理人を務めるカン・ギル弁護士は報道陣に対し「詳しい内容は判決文を見なければならないが、きょうの判決はこれまでの大法院の判例とは正反対で、非常に不当だ」と述べた。(聯合6月7日)

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ね、だからもう徴用工なんか、コリアの国内事情でもこれ以上やりようがないのです。
※関連記事『初めから無理筋だった自称「元徴用工」裁判終わる』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-f62760.html

2番目の「福島汚染水」とやらも、テーブルに出してくること自体が、馬鹿フルスロットルです。
そもそも、用語が間違っています。「汚染水」ではなく、汚染を取り去ったあとの「処理済水」です。
今どきこんな言い方をするのは、立憲共産党(え、まだ正式には統一してなかったんだったね)くらいなものです。

その処理方法について放射性物質の国際監視機構であるIAEAも日本のやり方を100%支持しており、継続して監視すると表明していますから、なにゴネているんだか、です。
トリチウムは海洋放出するしか方法がなく、それを国際基準に則って、国際監視機関の指導下てやることのどこに問題があるのでしょうか。

政府は8日、東京電力福島第1原子力発電所の敷地内にたまる処理水の処分を巡り、国際原子力機関(IAEA)と協力することで合意したと発表した。2023年春の海洋放出に向けて21年内にIAEAの使節団が来日し、放射性物質の除去や放出後の海洋モニタリングなどを科学的に評価して世界に発信する」(日経2021年7月9日)

福島第1がやろうとしているトリチウム水の希釈海洋放出は、そちらの国でも福島の6倍以上を日常的に出していることを都合よくお忘れなんでしょうかね。

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www.gunjix.com

まぁ忘れなきゃ、こちらの福島食材をイイカゲンな方法で図って見せたり、恥ずかしくって「放射能フリー弁当」なんてもんを作れませんもんね。

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どうでもいいですが、上の写真は韓国公共放送KBSが流したものですが、安っぽいガイガーカウンターで空中を計っているようです。
私は福島事故の後に、ガイガーカウンターを自腹で購入して散々図りましたが、食品を計れないくらい知らないのかな、この人らは。
あのね、福島のホウシャノー食品が怖いっていうんなら、空間線量をいくら計ってもダメ。
しっかり検体ごとにスクリーニングしなければダメです。それもガイガーみたいな安物ではなくてね。

ちなみに、福島ではこういう工程で全袋検査しています。

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消費者、生産者双方の不安解消を図るため、県内で生産された全てのコメについて放射性セシウム濃度を調べる全量全袋検査の取り組みが2012(平成24)年に始まった。
出荷前に約36万トンのコメを漏れなく検査する体制構築は至難とされたが、11年に佐藤雄平知事が「安全宣言」した後、検査をすり抜けた基準値超のコメが相次いで見つかり、県が導入に踏み切った。県は、市町村やJA単位で構成する36の地域協議会に米袋のまま放射性セシウム濃度を測定できるベルトコンベヤー式放射線測定器を192台導入した」(福島民友2021年3月2日)
「全量全袋検査」スタート 福島県産米の安全確保、不安解消へ:記憶・2012年:福島民友新聞社 みんゆうNet (minyu-net.com)

コリアさん、36万トンのコメを一袋残らず、毎年計測するってどういう作業かわかっています。
しかも2012年からずっと休まずたゆまず続けたのです。
大げさではなく、人類初の偉業のはずです。これを福島農民はやり抜いた。
それが選手村に出されている福島米です。
なにが「放射能フリー弁当」だつうの、放射能防護の初歩が分かっていないのに笑わせます。

コリアは米国も独自に給食センターを作っているぞ、と妙にはしゃいでいましたが、あれは国際大会で士気を高めるためによくやること。
わが国だってワールドカップの時はコックを帯同して、食材を持ち込んできましたしね。
根本的にコリアの「放射能フリー弁当」とは次元が違うのは、コリアの目的が放射能デマをプロパガンダして、福島県をヘイトするためだからです。
だから日本人は怒ったのですが、こんなこともわかんないのかな。

まぁ、勝者に贈られるビクトリー・ブーケについてもホウシャノーがぁ、なんてコリアは大騒ぎしているようです(笑)。

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もはや病気。
まぁ、コリアは貰う機会がほとんどないので、「被曝」する機会が少ないからいいんじゃないですか。

そして三番目。「輸出規制」だそうですが、用語の使い方からして間違っていて、脱力します。
正しくは「輸出管理規制」です。
ここが分かっていないから、馬鹿サンダーロードとなってしまっています。
しかしどうやらこれが一番の「懸案」のようですから、明日お話しすることにします。

 

 

 

2021年7月27日 (火)

飲食店の面従腹背、いや、今や面背腹背

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オリンピック、しらけると思いきや、気持ちよく盛り上がっています。
あれだけ執拗にメディアからディスられたのですから、嬉しい予想ハズレです。
メディアの作った同調圧力を強いるような「感動」は御免ですが、このような静かですが強い喜びはいいもんです。

それにしても、いかに日本国民がこのコロナ下で抑圧されていたのか、分かります。
コロナがほんとうに怖いのは、この閉じ込められて行き場を失くした抑鬱感です。
それを国民がため込んでしまっています。
かつての東日本大震災とそれから延々と続いた風評のトンネルにいた時にも感じましたが、怖いのは自分がひとりであると思うこと。
そして、この暗いトンネルはどこまでも続くと思うことです。
国民は今、ひとりぼっちに切り放されて、とぼとぼと果てることがない暗いトンネルを歩かされている気分なのです。
だから、オリンピックでの日本選手の涙ぐましい力闘が、いつもの年以上に身に沁みるのです。

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卓球・水谷隼&伊藤美誠が悲願の金!王国中国の壁破り 卓球史上初 ...

もちろん終りのないトンネルなどないのは頭では分かっていても、あまりに理不尽な暗闇を強いられると、人はやがてうなだれていき目先の地面しか見なくなります。
ひとりひとりの精神が張りを失くし、ひからび始めていきます。
それが国民全体にひろがりつつあったのが、オリンピック前夜でした。

首相はこともあろうに、無観客オリンピックの圧力に屈してしまいました。
この瞬間、菅氏は状況のハンドルから手を離してしまったのです。
決断できない人、勝負に出られない政治家、一流の官房長官だが二流の首相、そういった評価が自民党支持者の間にも定着しかけています。

緊急事態宣言の乱発が、この陰鬱な空気を作り出した張本人です。
「百年緊急事態宣言」でもやるのか、というくらいと思うくらいの長期の、しかも飲食店を狙い撃ちしたような抑圧状況が続きました。
飲食店など庶民に残された、数少ない行き場のないやりきれなさの捌け口だったはずです。
これを取り上げてしまい、家に閉じ籠もっていろと言われ、旅行にも行くな、スーパーにもひとりで行けと命じられ、そしてその自宅こそがクラスターの大きな発生源だと言われるのですから、どこに行けばいいんです、私ら国民は。
公園でチューハイでも飲みますか。 おっと、これもダメなんだったっけ。

私が好きだった店など、2軒あったのを1軒にまとめ、従業員には暇を出し、それでも耐えられず、7月一杯休みにし、先日行けばまだ休業の札がかかっていたとか。
人知れず潰れてしまった店など、かぞえるのが馬鹿馬鹿しくなるほどありふれた風景になりました。
沖縄など、緊急事態宣言を出し放しなので、主力の観光がゴーストタウンです。
デニー知事はその無能が故に、県の経済の息の根を止めたのです。

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沖縄、夜のスポット「栄町」もにぎわいなく 飲食店「生殺し状態だ

「シャッターを閉めた飲食店には、店主が書いた「考えてもわからん うつさないよう、うつらないよう直接的なつながりはひかえます」との張り紙があり、葛藤しながら閉店した様子がうかがえた。(略)
宮古島市西里の繁華街、通称「イーザト」はスナックやクラブなど多くの飲食店が立ち並ぶ。普段なら午後8時ごろには酔客が行き交うが、今は多くの店が営業を自粛する。西里で飲食店を営む50代の女性は「この状況が続くともたない。どの店も同じ状況だと思う。どうにかならないかね。毎日、ため息しかでないよ」とつぶやいた 」(琉新2020年5月20日)

この状態が、1年2か月前の去年5月です。
それが今年になっても、一瞬のGOTO期間を除いて、このような状況をいつ果てるともなく続けていれば、どうなるのでしょうか。
その典型が沖縄県です。

「沖縄は近年、観光業が絶好調だった。入域観光客数は2018年度に初めて1千万人を超えるなど、6年連続で過去最多を更新してきた。しかしコロナ禍の直撃を受け、県の統計によると2020年度の入域観光客数は約258万4千人と前年度より72・7%も減少。各地で土産物店や海外客向けの免税店の閉店が相次ぐ」(朝日2021年7月1日)

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出店4、5年待ちの通りがシャッター街に 大逆風の沖縄:朝日新聞デジタル

観光客が宮古で72%減少だそうで、景気判断指数の地価もメタメタです。

「沖縄県内の最高路線価は、那覇市久茂地3丁目の国際通りで、1平方メートルあたり143万円。昨年は40・8%も上昇したが、今年は1・4%のマイナスと10年ぶりに下落に転じた。人気観光地の宮古島市・西里大通りは0%(前年プラス45・8%)と横ばい、石垣市の市役所通りはマイナス3・3%(同11・1%)と下落した」(朝日前掲)

いまなら、国際通りでもすぐに開店できるとのこと。
そりゃそうだ、観光客がひとっこひとりいないので、シャッター通り一歩手前ですもんね。
どうこれを考えるんですか、デニーさん。このまま無能の証明でしかない緊急事態宣言を続ければ、あなたは県の息の根を止めた知事として歴史に名を刻みますよ。
それでもいいんですか。どうせ再選なんかないんですから、もう少し意地を見せて欲しいものです。
寂れ切った市街地からそそり立つのは巨大な県庁と市役所だけ。
これはそうとうに恥ずかしい風景ではありませんか。

ところでここまで来ると、国民はどうすりゃいいんでしょうか?
もうあまり選択肢がありません。
お上の言うとおり潰れるのを待って多額の借金で苦しむのか、いっそさっさと潰れて廃業してしまって借金を背負い込まないようにするか、あるいは、宣言はしょせんただの「お願い」と見切って、従わないだけのことです。
現に多くの店主が、罰金が食らっても、そんなものより営業してしまったほうがいい、と判断したようです。

「新型コロナ: 都内飲食店の5割超、時短応じず 協力金遅れで離反
日本経済新聞の記者が緊急事態宣言が発令された後の16日と19日に、新宿、渋谷、池袋、新橋、上野の各駅周辺の5地点で、営業していた個人飲食店100店舗ずつを目視調査した。全体の52%、262店舗が午後8時以降も営業していた。
開いていた店の割合が最も高かったのは新宿駅周辺で、7割に迫る68店舗。サラリーマンが多い上野駅周辺は6割、新橋駅周辺は5割だった。渋谷駅と池袋駅周辺はそれぞれ4割だった。
6月下旬にまん延防止等重点措置に移行したとき、都は「午後7時まで」「1組2人まで」などの制限つきで酒類提供を解禁。宣言の再発令を受け7月12日から再び禁止した。午後8時以降に営業している店の大半は酒類を提供している。
要請に従わない背景には、協力金の支給の遅れがある。1月に申請した協力金が7月まで支給されなかったケースもあり、店の資金繰りを支えられていない。新橋で深夜営業する40代の居酒屋店長は「売り上げは急激に下がっており、経営は回らない」と話した」(日経7月25日)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC197590Z10C21A7000000

東京都では、繁華街の酒を出す飲食店の半分は時短にも酒類提供禁止にも従わなかった、ということです。
当たり前です。そうなりますって、ならないほうがオカシイ。
半分の店が面従腹背、いや今や公然と面背腹背を開始したのは、協力金の支払いが遅れたことにあるそうです。

1月に出した申請が7か月後にも支給されなければ、誰が言うことを聞きますか。
税金を取る時だけは、重箱の隅をつつくようにして迅速、かつ執拗。
ところが出す段になると、申請が煩雑な上に、7か月遅れでも平気。これで言うことを聞くと思うほうが異常です。
今になって去年のコロナ予算の使い残しが30兆円なんていわれても、そんなものはただ執行が遅れただけのことだろうと思っちゃいますよ。

「新型コロナの感染拡大を受けて去年春から積み増してきた国の予算73兆円のうち、約30兆円を使い残している事がわかった。
家計や企業への支払を確認できたのは約35兆円と名目GDPの7%程度にとどまっている。
GDPの13%を支出した米国と比べると財政出動の効果が限られている」(日経モーニングプラスFT2021年6月24日)

30兆も残したから、今期は引き締めろというのが緊縮財政派です。
ちがうのです。対策費の執行の遅れが問題なだけで、それが致命的に遅れているために、国民を苦しめているのです。

私も2011年の放射能風評被害時に半年叩かれて、経営が破綻しかけた経験がありますから、今の飲食店の苦境は肌身でわかります。
回転資金がショートし、その累積が経営を押しつぶすのです。
その時に高齢だったり、後継者がいなかったりすれば、決断はたやすい。さっさと見切りをつけて離農します。
それと同じことが、今、飲食店で起きているようです。
こんな簡単なことが、ナマチュー一杯、菜っ葉ひとつ売ったことのない学歴エリートには判らないと見えます。

緊急事態宣言はとうに曲がり角にきています。
このまますっぽ抜けの破れザルと化した宣言を継続しても、無意味なばかりか国民の忍耐の限度を超えてしまうでしょう。
それがこの飲食店に現れています。
その見返りは、次の衆院選で自民の歴史的大敗として現れるはずです。
といっても、自民に代わる勢力はゼロコロナ=ゼロリスクを掲げる立憲か、緊急事態宣言が大好きな小池なのですから、ちゃーならんさぁです。

 

 

2021年7月26日 (月)

山路敬介氏寄稿 一律給付金というポピュリズム政策は是か否か その3

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見たかぁ、スポーツの力!
しょぼくれた日本人が青空を見上げたぞ!
これがオリンピックをする意味だ、わかったか朝日、毎日!

「優勝者インタビューで阿部詩は「東京五輪があるかどうかわからない状況だったが、開催していただいて、金メダルを獲ることができた。4年間、この大会だけを目指して努力していた。報われてよかった」と涙をこらえながら喜んだ」(スポニチ7月25日)

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そう、彼女が言うとおり、アスリートは「やっていただいて感謝する」と涙を流しているのだ。
やらなければ、このはじけるような笑みは見られなかった。
今21歳という最適な年齢の彼女に、次のパリ大会が待っていてくれるとは限らないからだ。

そして日本人の、食い入る視線も存在しなかった。
あの時間、どれだけの日本人がテレビを通じて声を枯らしていたか。
有観客だったら、武道館をどよもす歓呼の嵐だったはず。
そういう時にこそ素直に日本人の連帯が始まるのだ。
コロナでひとりひとりに分断された今の日本人に今必要なものは、この素朴な一体感じゃないのか。
日本人として、スタジアムで戦っている同胞に声援を送り、明日は自分が戦う番だと思う、それがスポーツの力なのだ。

こいうホジティブなことすべて無視して、なにがオリンピックは太平洋戦争開戦と一緒だ、ふざけるな。

さて今回で山路さんの投稿は終了です。

                                          ~~~

                                   ■一律給付金というポピュリズム政策は是か否か その3
                                                                                             山路敬介

承前
■ 再度一律10万円とMMT、そしてベーシックインカム

 田中さんの論理を「補償対象として補足出来ない人々がおり、そうした方々に行き届くためには再度一律10万円給付金するしかない」としてまとめましたが、そのような言説と同路線で最も極端な主張をする専門家に井上智洋駒沢大准教授が上げられます。
「コロナ禍にバラマキが必要な理由を専門家に聞く」7/9ヤフーニュースの中で、「可能であれば毎月、毎月がダメでも数か月に一回は10万円の一律給付金を全国民に一律で配るべき」とし、その理由を「このままでは困窮している全ての人を救済することが難しく、手続きに手間取ってしまい、“今すぐに支援すべき人”を救えない」からと言っています。

企業対策もそうで、「例えば、無条件で『15万円×従業員数』といった給付形式を採用するべき」とし、「様々な条件を設けて複雑化してしまうと大打撃を受けている企業を救えないリスクがあります。給付形式を可能な限りシンプルにしたうえで、一律での現金を給付することが望ましい」としています。

また、井上教授と同様の主張をする政治家に山本太郎がいます。井上教授の著書には「資本主義から脱却せよ」(光文社)や「MMT現代貨幣理論とは何か」(講談社)などがあり、そのテの若者に人気がある新進気鋭の学者さんです。山本太郎と接点があるのかどうか知りませんが、主張するところは重なります。

上記主張については、あまねく補償や支援金を行き届かせるためにする給付金が、必要でない裕福な人々にも一律にばら撒く無駄を厭わない滑稽さを誰しも感じるところでしょう。
こうした無駄を意に介さないのは、この二人に共通するMMT理論のせいです。
「インフレにならない限り、紙幣は無尽蔵に発行してもよい」という過ちを基にものを考える。
ならば、高所得者への給付の無駄という考えは捨てられるので、弱者を救う事だけに集中出来るというワケです。

それにしても厄介なのは、現に困った人々がいて、そのような人々や国民100%を救う事を「道徳的である」とする観念です。
「道徳的で、無垢で正しい人」がこの場合のポピュリスト支持者であり、逆にその道徳性を損ねた存在が菅首相や厚労省・経産官僚や自民党議員だという事になります。
あるいは「人の命を救うのに、財源の問題を問うのはおかしい」と言う人々もいます。けれど、先の一律10万円給付金ですら、40万人の手元に届いていないのです。
最初の10万円が毒薬となって、すでに山本太郎や井上教授だけでなく、新自由主義を掲げて現実を動かしてきたタレント政治家や学者たちが、この給付金を「ベーシックインカムにつなげるべき」という言説を吹聴し始めています。
再度の一律10万円給付金を期待する人もなんと多いことでしょう。しかし、コロナが収まれば、あらゆる補償も支援金も無くさなければなりません。

■結語
 ネットの空間では、「再度一律給付金」を待望する声が若者を中心にとても多いです。
そのために様々な理由が付けられるのですが、少数者保護を理由とした言説もその一つです。コロナによる隠れ生活困窮者がまだあるのは事実で、それらの人まで隅々に補償を行き届かせる努力は大事でしょう。
しかし、それは低所得者向け給付金では補足できず、しかし一律給付金だとなぜ届くと思えるのか? そこが不思議です。
また、実際には国がまんべんなく施策しても、つねに漏れが出るのは事実です。
その原因は再地元たる自治体に原因があります。市や町も町内会などにも呼びかけて努力しますが、全部が全部補足しきれるものではありません。家族形態に多様性がみられる現代においては尚更です。

私個人の考えですが、一律給付金も含めたポピュリズム政策が息苦しくイヤなのは、利益を大衆に帰属させるという観点から、個は全体に従属するものという観念が含まれていると思うからです。
一方、20年度の税収は過去最高の60兆8000億円と過去最高です。
財務省があらかじめ試算したものよりも5兆円も多いようです。この増収分は消費増税効果と言われています。
ですから、そこから政府の施策を経て再分配するのではなく、消費減税こそが本筋です。
けれど、減税はどの政党も党の方針とはしません。おそらく、減税するくらいなら12兆円使って一律給付金とした方が、まだ為政者の立場としてメリットがあると考えるのでしょう。
そここそが本当の問題だと思う次第です。

                                                                                                                                         (了)

                                               文責 山路 敬介

2021年7月25日 (日)

日曜写真館 人間のもっとも近くに棲む野生動物

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朝はこの伸びから始まります。

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うるさいオスは嫌いです。

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とはいえ、朝の挨拶は欠かしません。

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隠れているつもりです。

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黙っていると、神秘的だと言われます。

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小高い所が好きです。

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狭い場所が落ち着きます。

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なかなかダンディな色使いです。

先週に続いて好評のHN「ビーバーかぁさん」からの投稿でした。ありがとうございました。

 

 

2021年7月24日 (土)

山路敬介氏寄稿 一律給付金というポピュリズム政策は是か否か その2

193

すったもんだあったオリンピックが始まりました。どうなりますことやら。
私はひねくれていますから、開会式にはなにひとつ期待していなかったのですが、なんじゃこりゃというかんじ。 
多様性ですか、それで大阪さんを最終ランナーですか。
はぁ、なんて浅い。まるでポリコレ開幕式。
私なら、東日本大震災の時に子どもだった青年にやってもらいますが。
大阪さんをトリにもってきたのは、組織委員会が小山田事件などで国際社会に与えたネガティブイメージを払拭する意味だったのだとは思いますが、なにか引っかかるのです。

そもそも「多様性」というテーマほど、オリンピックになじまないものはありません。
ありていに言って、オリンピックはサッカーワールドカップと同じく弾が飛ばない「戦争」なのです。
たとえば、「多様性」なるものを求めて、中国は700名もの代表団を送ってきんたんでしょうか。
わきゃない。中華民族の優秀性を誇示するためです。
で、その彼らが「多様性」を認める国だとでも?
世界でもっとも少数民族の歴史と文化の多様性を拒否している国ではありませんか。
閉会式では、東京からペキンにバトンを渡すという胸くその悪い式典があるわけで、なにをかいわんやです。
※東京がバトンを渡すのはパリでした。すいません。

「多様性」というと、ストリート系を踊らせ、森山君に前衛的な舞踏をさせて悦に入る。
いかにも広告屋が考えそうな筋立てです。
電通さん、森山くんはイスラエルの舞踏団仕込みですが、いいんでしょうか、イラン選手団から抗議されますよ。
彼の舞踏はよかったですが。

そのくせ、ドメスティックな国民的英雄の長島さんを引っ張りだして、なにをしたいのさ、組織委員会。
長島さんを知っている世界の人が、どれだけいるのよ。

福島復興やコロナ復興を、ストレートに前面に掲げたほうが、よほどわかりやすかった。
復興の「ふ」の字もない復興五輪開幕式ってなんでのでしょう。
その意味でも、福島の食材で固めた食堂は素晴らしい。
それにイチャモンつけて「放射能フリー弁当」なんか作っている国の馬鹿さが浮きだしますしね。

それにしても、ブルーインパルスの美技が雲に邪魔されたのは痛恨でした。
楽しみにしていたのに~(泣)。
途中で台風も来そうですし、大成功ははじめから無理なのはわかりきっているので、せめてほどほどの成功で納めて下さい。
かくして、ほぼすべてのメディアが全面中止を求めていたオリンピックが始まりました。
どのツラ下げて放送するのか。

山路さん、すいません、ひとこと言うつもりが長くなりました(汗)。

さて山路さんの寄稿2回目です。
宮古は今台風の真っ只中ですので、お見舞い申し上げます。
HN「無学」さんがおしゃっていただいて助かっていますが、反論したい方は月曜が最終になりますので、そちらでなさって下さい。
途中でやりとりが始まってしまうと、収拾がつかなくなります。

                                                               ~~~~

                  一律給付金というポピュリズム政策は是か否か その2
                                                                            山路敬介

承前

■ ポピュリズム政策は必ずしも「悪」ではない  私はポピュリズム政策を一律全部が「悪いもの」とは考えていません。
そして、そのような考え方のほうが理解不足で不寛容なゴリゴリの一部保守派や頑迷固陋な財政規律派をのぞけば、一般的な理解であり通説でしょう。
むしろ「いわゆるポピュリズム政策」と定義しうる政策は世の中にあふれかえるほどたくさんあります。

私が「再度一律給付金」というポピュリズム政策を批判的に言っている理由のひとつも、自民党は民主党に政権を奪われる前からポピュリズム政策ばかりやってきた批判からでもあります。
「自民党という責任政党がそれでは困る」との主旨を言っているのであって、ゆえにどなたかが言われるような「自民党に寄ったポジショントーク」でもありません。
かつての民主党はもちろん、自民党もポピュリズム政策を多発します。民主主義について廻る「影の部分」として仕方のない事かもしれません。
しかし憲法改正や安全保障問題、資源エネルギー問題などの「ポピュリズムでない政策」の方は常に置き去りにされて来ました。


おそらく「田中」さんも保守派的にポピュリズムというものへの危険性を感じておられる方と思います。
ポピュリズムがファシズムを生んだ例は世界中にあるのだし、国の財政を困難たらしめる要因にもなると私も考えています。
しかし、その事をもってして、ポピュリズム政策そのものの意味や範囲を狭小に捻じ曲げて誤魔化すのはやめて頂きたいものです。
つまり、「そのポピュリズム政策は是か非か」という問題なのです。そこで、昨年支給された10万円給付を考えてみましょう。
昨年支給された一律10万円のバラマキも「ポピュリズム政策」だった事に間違いはありません。ただ現在の目からみればやむを得ない政策だったと考えられるからです。

野口悠紀雄氏は2/18のダイアモンドオンラインの記事「コロナ「10万円給付」は史上空前のバラマキ政策だった」のなかで、バラマキによって実収入が増加した(前年比26.6万円増)、消費は伸びず、その事によって預金額が増加した事から見れば最低最悪の政策だったと批判しています。
あの時にまず山口那津男氏が(給付金10万円は)「日本政府と国民のきづな」と言い、安倍総理は「国民との一体感が何より大事」と言いました。麻生大臣は財務大臣の立場として名目が大事なので、「緊急経済対策として」と言っています。

「あの10万円で助かった」と言う人ももちろん少なくなかったでしょうが、「緊急経済対策」というのは、全体として「実収入が増えた」事実からみれば苦しい名分でしょう。
ただ、あの時の状況を振り返れば、現在とは全く違います。ワクチンはおろかコロナの何たるかすら分からず、着地点も見えませんでした。
そのうえ県や市でも補償体制が今ほど整っていたとは言い難かったので、「田中」さんが言う「補償対象として補足出来ない人々がおり、そうした方々に行き届くため」という見解は緊急措置としては正しいものでしょう。「あの時点としては」ですが。

政権が求心力を失い民心が離れてしまえば、矢継ぎ早に適切な政策を打ったとしても機能しなくなる恐れさえありました。しかし、副作用もあります。
あのような巨大なバラマキをすれば、状況が好転し経済回復が基調に乗っても、二度三度と求める声が必ず出る。
そこで利用されるのはいつもの「少数者の意見」だったり、MMTのような新奇の説を用いた税制無限論だったりします。さらに悪いのは地方政治への波及効果です。

■ ポピュリズム政治は地方が本場
 この、ばらまきポピュリズムは地方でこそ問題が深刻となっている点を指摘しておきたいと思います。
地方は選挙制度が首長も議員も直接選挙で選ぶ二元代表制になっているゆえに、ポピュリズム政策をかかげ、バラマキ公約が横行する要因になっていると言われています。もともと細かい住民サービスも地方の役割であり、住民と政治家の距離が近い事もあります。

出来もしない「辺野古撤回」を公約して当選した無能な知事がすぐに思い出されますが、優勢といわれた現職をポピュリズム政策によって逆転した林時彦丹波市長選のバラマキ公約についてちょっと触れたいと思います。 ( コロナ禍で増える“バラ色“公約|1/20NHK政治マガジンから)
林時彦氏は現職有利と言われた選挙戦を大逆転して制し、丹波市長に当選しました。その時使われた公約は「とにかく、5万円!」、「コロナ対策として、全市民5万円給付!」、「何が何でも5万円!」のスローガンは強烈だったそうです。

しかし、市長に就任したところが、財源がないというオチで、二万円すら給付出来ない状況に直面しています。水道料を上げて対応するとか、しないとか。
ところが、コロナ禍を利用したポピュリズム公約に走る新人地方首長たちは後を絶ちません。
いえ、現職候補さえそうです。プレミアム商品券と市長給与カットの座間市長選、全市民5万円配布の愛知県岡崎市長選、減収企業に20万円配布の青森市長選、長野県中野市、鹿児島市長選、三万円の商品堅の桑名市長選等々、沖縄県知事も真っ青のポピュリストぶりです。

いうまでもなく、口を揃えて「市民の生活を守る」とか、「現に困っている人が救えない」というのですが、困窮世帯への対応はそもそも国と県が協力して手当しています。
それでも漏れはあるでしょうから、いちばん住民に近い市としてはピンポイントで手当すれば足りる話です。しかし、それではダメなんです。候補者たちの目的が達成できませんから。有権者に配る事が目的であって、生活困窮者は含まれていさえいればいいのです。
まぁ、それは皮相的な言い方すぎるかもしれません。しかし、生活保護政策が制度としてあり、国・県・市と多重のセーフティーがあって、それでもなお「「補償対象として補足出来ない人々がおり、そうした方々に行き届くためには再度一律10万円給付金するしかない」というのは肯首しかねますね。


■ 「再度一律給付金」に関する各党の動向
 立憲民主党はこの2月に低所得者向け給付金を立案しました。その条件と対象の補足方法に問題がなければ、いつおう検討に値すると考えます。もちろん、これもポピュリズム政策ですが。

しかし、そのような方法をとるまえに、これまで政府がとって来た個別具体的な補償政策が不十分かどうか、自治体における対応はどうか、十分に検証する必要があります。その指標となるのが失業率の推移です。
5月度の失業率は3%です。厚労省は「雇用調整助成金がなければ、失業率は5.5%であった」との分析結果を発表しています。
この5.5%という数値は民主党時代の失業率と同じか、むしろ低いくらいです。

ただ、3%と言ってもその中身も問題なので、なお精査する必要があるでしょう。前月よりも0.2%上昇した点も留意する点です。
なお、緊急事態宣言が全解除されれば、雇用調整助成金などの支援策を打ち切る圧力が強まります。ですから、新たな低所得者向け給付金は、逆に一定の合理性が出てくると思います。

立憲民主党が「再度一律一括交付金」の要求にカジを切らなかったのは、合理的で賢明と言えます。かつて民主党時代にガソリン値下げ隊だの、高速道路無償化、あげくに埋蔵金云々のでっち上げに足を取られ、事業仕分けなどという無駄なポピュリズム政策にばかりうつつを抜かして大批判を浴び、支持率を落とした経験から多少は現実的になったのかも知れません。

そして、自民党です。自民党は衆院選をひかえ、立憲の低所得者給付金案をうけ、選挙基盤が固まっていない一回生など若手を中心に4月ごろから「再度一律給付金10万円案」を言いはじめました。
しかし、さすがに良識的にそれはありそうになく、下村政調会長は「住民税非課税世帯やひとり親家庭、生活困窮者を対象とした1人10万円の定額給付金」の追加給付を政府に提案したにとどまりました。
また、低所得者向け10万円再給付は「衆院選の公約に必要」としています。

この経過をみると選挙対策の動機も色濃く滲み出ています。再度一律10万円給付を主張した議員の中には「予算が確保されている」事を理由にしたものも多く、ゆるみ易い自民党の特色も示しています。
ただ、自民党は人権的観点から個人への補償拡大もずっとやってきています。年金生活者への上乗せ給付、性風俗産業で働く女性にも雇用調整助成金を出す事にしたり、雇用調整助成金の申請を雇用者本人でも出来るように切り替えたりと、細かく手を入れました。
一方では上限を設けたり、企業向け持続化給付金を廃止、家賃支援金を打ち切ったりと下方調整も見られます。一概に批判されるべきでありませんが、野党からの恰好の批判の的となっています。

国民民主は今年の3月頃までは予算枠をさらに30兆円拡大し、再度一律給付金10万円に加え、低所得者層にはプラス10万円を給付すべきとする要求をしていました。
緊急事態宣言の発出毎に一律10万円の補償措置があるべきとの考えだったようですが、このような主張は最近ではされていないようです。衆院選に向けての公約としては、立民・自民と同じく低所得者層向けに絞ったものになると予想されています。
また、各種補償措置の長期化にも重点をおいているようです。
こうして見ると、「田中」さんの主張のような「再度一律10万円給付案」は、各主要政党の視野から外れている事が分かります。

                                                                                                            (次回完結)

  

2021年7月23日 (金)

山路敬介氏寄稿 一律給付金というポピュリズム政策は是か否か その1

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山路敬介氏から寄稿をいただきました。ありがとうございます。
通常の氏の寄稿と異なり今回の寄稿は、記事のコメント欄から派生した論争ですので、初めてのケースとなります。
私としては「そっち行っちゃうのね、オレ書いてないんだけど」という感があるのは拭えません(笑)。

しかし内容的には興味深いものですので、寄稿を受けることに致しました。
なお今日から、デザインが夏仕様に変わりました。
東京オリンピック・パラリンピックの成功を心から祈念します。

                              ~~~~~

                              ■一律給付金というポピュリズム政策は是か否か
                                                                                            山路敬介


 まず最初に、「一律10万円給付金」がポピュリズム政策である事を理解出来ない人がおられるので、この点を説明しておきます。
そんな当たり前の事をなぜ?と思われる向きには退屈かもしれませんが、後段では再度一律10万円給付金というポピュリズム政策がなぜダメなのか? そこは議論があるところだと思うので詳しく考えを述べたいと思います。

■経緯

 7/13の本ブログ記事「西村発言、これで自民大敗の道は敷き詰められた」のコメント欄において、批判的に「「再度の10万円給付」などというポピュリズム政策~云々」と記したところ、最初にgymさんが「再度10万円給付はポピュリズム政策なのか?」と疑問を投げかけました。
その理由らしきものとして「十分な補償措置をしない限り、緊急事態宣言をかけても中途半端な感染抑制にしかなりません」とコメントしています。

gymさんが後段にて言われる内容はその通りと思います。ちがうのは「補償」と「一律給付金」をごっちゃにしている点です。
逆にいえば「補償」と「一括給付金」を混同しているゆえに「再度の一律10万円給付」はポピュリズム政策ではないのでは? というお考えになってしまったのでしょう。

対して私は(ポピュリズム政策であるところの)「再度の一律10万円給付金」と「補償」はちがうもの。なぜなら、一律給付金の支給があったからといって補償措置が受けられないとか、減額されるべきものではないからだ」と申して来ました。
この事の意味は未だに理解されておられないようで残念です。このgymさんの考えに同調して参戦してきたのが田中さんで、田中さんによれば「再度の一律10万円再給付金はポピュリズム政策でなく、むしろ必要不可欠」としています。

「必要不可欠」でないもの=「ポピュリズム政策」との理解をされているようにもみえます。その理由みたいな感じの事を長文で縷々書いておられましたが、要約すると「補償対象として補足出来ない人々がおり、そうした方々に行き届くためには再度一律10万円給付金するしかない」とする論理につきるようです。

途中、支給された給付金を貯金に廻すのは「先が読めない不安」からなので有為であったのだとか、申請書類が煩雑で書けない人が出るのは憲法上の「法の下の平等」に反する、などという屁理屈や誤謬まで繰り出してきて辟易とさせられました。
しかしまた、私が「それなら再度一括交付金とは何なのだ?」と問うても、それに対して田中さんは答えていません。
また、田中さんは「政府の行なった政策によって、生活が苦しくなった人々が出るのであれば、その責任は政府にあるのだから再度の一律給付金支給は政府の義務である」と述べていますが、これも誤りです。

いうまでもなく「再度の一律給付金」が「政府の義務」などであるハズはありません。
その文脈で言いたいならば「政府や地方・行政当局は補償措置を講ずるべき義務がある」とすべきところです。
それはそれとして、田中さんの主張の重要な核心は上記要約部分の問題と考えて差し支えないでしょう。
このポイントはMMT理論の信奉者たちの主張とも関連して掘り下げて考える価値があるもので、後半で詳しく述べたいと思います。

ところが、田中さんが私に対して執拗に求めて来たのは「元々、再度10万円一律給付がポピュリズム政策であるか否かの話だ」としてと収斂させてしまい、議論をつまらない方向に決めつけてしまったのです。
しかし、そう言われるなら仕方ないので、まずは「一律給付金」=「ポピュリズム政策」である事から詳らかにしなければなりません。

■ ポピュリズム政策の定義から 
池田信夫氏は「軽減税率というポピュリズム」の中で、ポピュリズム政策を「無知な大衆に迎合して打ち出す、無責任な政策」としています。weblioでは「政治家が大衆の抱く感情や情緒に寄り添うカタチでする政策」と定義しています。
しかし、原初の基本定義は「国民の意見を最大限にきき、再配分などをつうじて国民の利益を最優先・最大限にして実現する政策の事」です。
左派的に無理に大衆とエリート層を分けて論じられる場合や、国家と国民とを分離して語られる場合、行き過ぎた状態に警鐘をならす目的の保守派からの論説など多々ありますが、それらは価値判断や、あらかじめ副次的な負の要素を組み入れてしまっている点で完全ではありません。

で、ここで言う「再配分」とか、「「国民の利益」とは何か」は様々に取りざたされる部分ですが、少なくもそれは「補償」の事ではありません。「補償」とは、「償い。事象による損害によって生じた足らず目を埋める」という意味です。

それでも「広い意味では「補償」も定義上の「国民の利益」だ!」と言い張る人もあるかもしれず、まぁ、一般にそう捉えても無理はないのかも知れません。
しかし、それでは逆に「補償」までをもポピュリズム政策の範囲に含める事になるので、「再度一律10万円給付金はポピュリズム政策ではない」と主張する田中さんたちには余程の不利になります。
いずれにしても一律給付金を得たからと言って、規定による補償の額が減額される事があっては困るのです。ですから、ここは国民の側から明確に線引きが必要です。
なお、一律給付金はポピュリズム政策でいう明瞭な「国民の利益」であり、「所得再配分」です。
ポピュリズム政策の一員であるところの俗にいうヘリマネとか、バラマキ政策も所得再配分と言って良いでしょう。
次に、経済財政分野においてのポピュリズム政策とは、具体的に何か?という点です。
加藤創太国際大教授によれば、①過度に積極的な財政金融政策、②大幅減税策、③恩恵的な医療福祉政策、④財政バラマキ政策をあげています。
また、「短期的には有権者に利益をもたらし、長期的には不利益をもたらす政策」、としています。(私はこのように否定的な事ばかりではないと思うのですが、水島治郎著「ポピュリズムとは何か?」や、他の主要な研究者たちも同様の見解をしています)
いうまでもなく、「再度一括給付金」はここでいう④のバラマキ政策にあたります。支給条件をただ単に「日本国民である事」だけを要件とし、金額も全くの一律である事からも、とりわけハッキリしたバラマキ政策です。

また、一律給付金を再度バラまけば、「短期的には有権者に利益をもたらし、長期的には不利益をもたらす政策」にもあたります。
再度の給付金支給があれば、再び12兆円の支出が必要です。この金額は国の借金であり、麻生大臣が言うように将来世代に対するツケとなります。
ちょっと話が脱線しますが、私は高橋洋一氏や上念司氏のいう事と同様に、財政破綻やハイパーインフレがこの日本ですぐに起こるとは考えていません。
巨額とされる国の借金も貸借対照表を用いて精査するなら、実は大分少ない額であると思います。
でも、新たに積み上がった借金はインフレにならない限りいくら増えてもよい、というMMT理論派の誤った言い分には与しません。
「実は日本財政は、財務省が言うよりも懐が深かった」というだけの話です。
ですから、「将来世代へのツケ」とする麻生大臣の話は正しいものです。ちなみに上念氏はその懐の深さを「実質、少なくもあと一千兆円程度は問題ないだろう」としています。
ここまでで一律10万円が定義上も、「ポピュリズム政策」と言って良い事は理解して頂けただろうと思います。

                                                                                                                                (3回連載の1)

 

 

2021年7月22日 (木)

データーで見る東京都の感染状況について

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では、改めて東京都の新規感染状況を見てみましょう。
都は「 東京都 新型コロナウイルス陽性患者発表詳細」を出しています。
都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト (tokyo.lg.jp)

●東京都の検査人数8,462,7人 
                陽性率 10.7%

●東京都の感染状況
・報告日別による陽性者数の推移
1,387 人(2021年7月20日) 日別値・前日比: +660 人
●モニタリング項目1
・新規陽性者数
1,180.0 人(2021年7月20日)7日間移動平均・前日比: +79.6 人

●入院患者数 2,466
・確保病床 5,967 床
・使用率  
41%

そして重症者は

モニタリング項目7
・重症患者数  60 人(2021年7月20日)前日比: 0 人
・確保病床 392
・使用率
15.3%

新規陽性者は増えていますが、重症者は増えていないことに留意ください。
これは重症化する65歳以上に感染者がまったく増えていないためです。
改めてワクチン接種の進展が重症化をくい止めていることが証明されています。

都の専門家会議の分析では7日平均が131%になったことで、危険と分析しています。
最新のモニタリング項目の分析・総括コメントについて  東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)

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専門家会議は「新規感染者の増加比は継続しており、人の流入や変異株で増加比率が高まると、早期に第3波を迎える」としています。

さて、ここでもうひとつおさえておかねばならないのは、陽性判定者のうち医療従事者と高齢者が占める割合です。
なぜ注目するのかといえば、重症者が感染した場合の致死率が高いことで、医療従事者が重症化すると医療崩壊を引き起こすからです。これも都からオープンデーターがでています。
まずは高齢者から。

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65歳以上の高齢者が、陽性判定者に占める割合(赤線)は、今年3月23日には21.9%でしたが、7月6日には約5分の1の4.1%に激減しています。
75歳以上(青線)になるともっと顕著で、同じ期間で見ると13.4%から1.7%と一桁落ちています。
これは下図の新規陽性者の年齢別とも符号します。

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圧倒的に多数を占めるのが、上図の10代から30代半ばまでの30.9%、次いで30代半ばから50代半ば(茶色)の18.3%です。
なんども書いてきていますが、この青年から中年にかけての年齢層の死亡率は限りなくゼロです。
稀に30台で死亡者が発生するとメディアは大騒ぎしますが、全体の傾向を見てください。

次に医療体制の要となる医療従事者の割合を見てみましょう。

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独自】医療従事者の感染、月525人から47人に激減…「ワクチンの

東京都内で5月に新型コロナウイルス感染が確認された医療従事者は47人で、今年最も多かった1月の10%以下に減ったことが、読売新聞の調べでわかった。全感染者に占める割合も下がっており、専門家は3月から本格化したワクチン接種の効果とみている。(略)
医療従事者向けのワクチン接種は、2月に全国100の医療機関で先行接種が、3月からはその他の医療機関で優先接種が行われている。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「医療従事者が対策に努めていることもあるが、ワクチンの効果が表れていると考えられる」と指摘している」(読売2021年6月13日)

ただし、医療従事者の接種はかならずしも順調とはいえません。
「医療従事者への新型コロナウイルスワクチン接種が滞っている。2月に先行して始まったが、2回接種を終えた完了率は14日時点で35%となり、東京都や神奈川県が28%となるなど都市圏で低い傾向がある。分配の「司令塔」不在で大規模病院でワクチンが滞留するケースも出ており、管理体制の見直しが急務だ」(日経5月10日)

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日経

東京都は40~45%にとどまっています。
都は医療従事者へのワクチン接種の加速について至急対策をたてるべきです。

とはいえ医療従事者の新規陽性者全体に占める割合は、5月末から6月初旬あたりで1%を割り込み、直近だと0.5%以下で推移していることがわかります。
これはワクチンの医療従事者への選考接種の効果が現れていることを示しています。

以上を踏まえて、最も危険な年齢層である高齢者に対する東京都のワクチン接種率は下図のような状況です。

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新型コロナウイルス感染症に関する市長コメント・メッセージ | 多摩市役所

以上、オープンデーターから感染状況を見てみました。
このデーターからも、もっとも危険な高齢者の重症化はワクチン接種により有効に阻止されていると思います。


関連記事COVID-19ウィルスはなくならない: 農と島のありんくりん (cocolog-nifty.com)

 

2021年7月21日 (水)

「感染者数至上主義」が五輪無観客を招いた

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どうにも落ち着きが悪くてしかたがありません。いえなに、コロナのことです。
連日連夜飽きもせずメディアは「感染拡大」とガナっています。
米国のプレスなんぞ、こんな時期に五輪をやるのか、と早々と「失敗した」なんて宣言し始めています。
まるでダイヤモンドプリンセス号の時のようです。

あいにく私は、今でも自分の国のほうが感染者数が多いのに、日本に「失敗した」なんて言ってのけるそちらの神経のほうがわかりません。
世界的に見ても、うちの国の感染対策はそこそこ「成功」した部類です。
もし「失敗」があるとしたら、感染者が止まらない、ワクチンが足りないなんて言い散らしているメディアのノイズを、まるで絶対的国民の声と押しいただいてしまったことです。

おっと、いま「感染者」なんてうかつに書いてしまいましたが、正確には「陽性者」ないしは「陽性判定者」です。
これはいままでも書いてきましたが、まったく変わる様子も見えないので、何度も言っておかねばなりません。
メディアが、あたりまえのような顔で「感染者」と呼んでいるのは、PCR検査で陽性と判定された人たち、すなわち「陽性判定」を受けた人のことにすぎません。
メディアがこう呼ぶのは、専門家会議・医師会がそのように呼称しているからです。

PCRは大変にイイカゲンで、大変に幅がある検査方法にすぎません。
そもそも死んだウィルスまでカウントしてしまうために、偽陽性を3割も出してしまいます。
3割ですぜ、3割。100人PCR検査したら30人ハズレが出るというのですから、はれほれ。
検体を採る部位によっても判定に違いが出ますし、逆もしかりで、偽陰性も3割出すというオイオイの検査方法なのです。

だからまともな医者は、これを確認のためにしか利用しません。
そもそもそういう限定的な性格のものなのに、国民皆PCRなんて風潮が生まれたからおかしくなったのです。
特に東京都ではPCR全盛です。

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ドライブスルー方式」PCR検査開始 東京 江戸川 コロナ | NHKニュース

たとえば、上の写真は江戸川区のものですが、自治体が率先して軽い気持ちでPCRをするようになっています。

「新型コロナウイルスの感染が広がる中、東京 江戸川区はPCR検査の検体を車に乗ったまま採取する「ドライブスルー方式」のセンターを開設し、22日から運用を始めました。
江戸川区はPCR検査の体制を強化しようと、地元の医師会と連携して、車に乗ったまま検体を採取する「ドライブスルー方式」の検査センターを22日開設し、午前、デモンストレーションが行われました。
このセンターは江戸川区民が対象で、かかりつけ医が必要と判断した場合に、指定された日時に原則、マイカーでセンターに行きます」(NHK4月20日)

もうひと頃のニューヨーク並ですな。もちろん悪い意味で、ですが。
ニューヨークのクオモが医療崩壊を起こした原因は、PCRの過剰な実施なのになにも学んでいないから呆れます。
当時メディアは、うらやましげに進んだNY、遅れたニッポンというふうに報じていました。
当時のNYです。

無料で希望者全員に検査、ニューヨーク州の実施は1日6万6000人
予約なしの検査が受けられるのはクリニックや病院、教育、薬局、ドライブスルーの駐車場など無数にある。受けられる場所は、市役所のウェブサイトで自分の住所を入力して検索できる。Google Mapとも提携し、出先で「コロナ検査」と打ち込むと最寄りの検査施設が表示される」(津山恵子2020年7月10日)

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上は当時のNY市のv[IiE;地区での無料PCR検査サイトです。簡単に検索できて無料です。
こういう検査方法をとれば、そりゃ「感染者」が急増して医療崩壊して当然です。
100人検査すれば、偽陽性も比例して同時に30人出るのですからね。
必然的にNYは医療崩壊を起こしました。
ひと頃は、死亡者を埋葬できずに、公園に埋めようかなどという声がでたほどです。

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ですから、「感染者」と判定されても人生をはかなんではいけません。
数日後に再検査すると、ありゃ陰性に変化しているゾ、なんてことがよくあるからです。
だから、感染者を探しだすためにPCRを使っては絶対にいけないのです。

にもかかわらず、日本にはPCR原理教とでもいうべきものが生まれ、民の不安を鎮めるためにはなにはともあれPCR、かけつけ一杯PCR、いい子はみんなPCR、みたいな風潮が生まれました。
とくに常々「メディアが援軍」と公言している小池知事は、PCRをしまくりました。
PCRは七難隠すではありませんが、これさえやっていれば、「都は私らのためにやってくれている」という雰囲気が出来てしまうためポピュリスト知事に愛好されました。
そしてそのようなPCR愛好者知事が率いる自治体は、揃って「感染爆発県」とあいなりました。

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東京都や沖縄県が典型ですが、デニー知事など「いつでもどこでも何度でも」なんてやってしまい、いまだワースト県に貼りついたまま、非常事態宣言も出しっぱなし。観光業などの地場産業は壊滅です。

政府までもがそれに染まらなかったのは不幸中の幸いでしたが、もしこのPCR原理教が権力を握っていたなら(当時から立憲はPCR拡大することを叫んでいましたが)、日本は去年の春に早々と医療崩壊を引き起こして、ほんとうに地獄の蓋を開けてしまったはずです。

メディアのPCRをしないのは感染隠しだ、なんていう声をしのいで、あえてPCRを制限して医療機関を守ったのが勝因だったはずですが、その理由を明らかにしなかったために、再び感染が拡大するとまたもやPCR原理教が頭をもたげてしまいました。
しかも感染拡大初期とは違い、今はなまじPCR検査が簡単にできるように機器が改良され、豊富に出揃ったために、東京都を中心にジャンジャンされるようになっていきました。
その結果、今や東京都など一日1万件もやっていますから、とうぜんそれに比例して陽性判定者が激増していて当然です。
それを丸ごと「感染者」と呼んで、「感染者数」が増えたの減ったのということが間違っています。
陽性判定者は、イコール発症者ではないのです。

このよう考えると、東京都だけでどうして「感染」が爆発し続けて見えるのかわかるでしょう。
連日「感染者数」が右肩上がりで、東京都だけが他県の千倍の感染爆発するなんてありえない現象ではありませんか。
まず東京都の人口が比較にならないくらい多いのが前提。
そこでポピュリストの首長がジャンジャンPCRをやれば、検査件数が増えるのに比例して「感染者数」も増えていく仕組みです。
他県ではせいぜい数百件程度の検査数ですから、2桁違った「感染者数」が出てきて当然なのです。
しかもそれは陽性判定者であって、発症者ではなく、ましてや隔離病棟に入れねばならない重症者ではありません。

一部の感染症学者は「最大の危機だ」と言っていますが、私は首を傾げています。

「東京都の感染状況「最大の危機 1日の感染者3000人超の可能性」
オリンピック開幕を直前に控えた東京都内の感染状況について、都の「専門家ボード」の座長を務める東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「これまでで最大の危機を迎えている」と述べ、しっかりとマスクをつけて人と人が出会う機会を少なくするなど、対策を取るよう訴えました」(NHK7月20日)

しかし現実には、重症者洋病床も隔離施設も充分に余裕があるのです。

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新型コロナ】東京都の重症者病床使用率

これは5月のものですが、この状況は特に大きな変化はなく、今でも重症者用病床は10%台をキープしています。
つまり、問題は陽性判定者の増加ではないのです。
陽性判定者からどれだけ発症したか、そしてその中に重症者がどれだけいたのか、そしてそれを受け入れる医療機関の病床キャパが充分なのかどうか、そこが大事なのです。

逆にいえば、陽性判定者が増えた、重症者も増えた、医療機関が逼迫した、という三拍子揃えば、これは危険度が増したということになります。
今の東京都の状況は、陽性判定者は増えたが、重症者は増えておらず、医療機関の病床もしっかり確保されています。

今回の一連の五輪中止論や無観客論を眺めていると、こういう専門家会議、医師会、都知事、そしてメディアが、COVID-19の状況判断を誤ったことが、問題の根っこにあるように思えます。

賀来氏が「最大の危機」と呼ぶ今の東京都の「感染者数」すら、国際比較すれば「さざ波」(by木村盛世氏)であることは世界の100万人あたりの感染者数をみればわかります。
日本だけ取り出して、これだけしか見ようとしないから判らなくなるのです。

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日本は主要国で下から3番目。ワクチンで収まったとしている英米よりいまだ少ないのです。
こういう国際比較をメディアがするのは、ワクチンが遅れている(それでも世界6位ですがね)という煽りをしたい時だけでした。
しかしその理由を伝えていないから困ります。生産国からの供給が遅れたのは、日本の感染状況は逼迫していないからもっと深刻な国を先にしただけのことです。

そして、このような「感染者数至上主義」とでもいうべき認識のために、当然、対策も歪んでいきます。
ワクチン接種が解決の大道なのに、ひたすら国民と経済に大きな犠牲を強いる緊急事態宣言を乱発し始めたのです。
先ほど述べた三拍子のうちの最初の陽性判定者の増加だけをとって、国民の生活に極度の制限をかける緊急事態宣言を乱発すれば、そりゃ国民はまたかい、従うふりをしておくか、という気分になりますって。
すると、メディアは「国民がたるんでいる」と説教を垂れて、尾身会長までもが15日の閉会中審査の中で、「人々の行動制限だけに頼る時代は終わりつつある」と述べています。
これは行動制限だけに頼るのではなく、別な方法があるかもしれないから検討してみようという柔軟な意味ではなく、ひたすら制限を強めようという意味です。

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尾身会長ら専門家、東京五輪・パラの提言を18日に公表

この尾身さんの言動を見ると、もう専門家会議は自分が出させた緊急事態宣言の効果も信じてはいないし、かといって取り下げることもできなくなるジレンマに陥っているようです。
そういえば尾身さん、ずいぶん痩せてしまいましたね。
功労者であるだけに痛ましい。

この専門家会議の「失敗」は、去年の間の感染状況を国際比較において木村盛世医師がいみじくも評したように「さざ波」と認識することが出来ず、過剰、かつ過敏に認識してしまったために、緊急自体宣言以外の多様な医療設計を自ら封じてしまったことに始まっています。

「日本のコロナ感染状況は最初から「さざ波」でした。そんな状況を恐怖に変え、初期治療の紹介もせず、医療設計を怠って医療逼迫(ひっぱく)を放置しておきながら何を言っているんだろうと思っています。いまごろになって東京都医師会長がラジオで治療薬として期待されるイベルメクチンに言及する始末です」(大和田潔・医師・東京医科歯科大学臨床教授から秋葉原駅クリニック院長)

こういうパンデミックにおいて、まず専門家がしなければならないことは「国民を落ち着かせること」だったはずです。
その時に有効な指標は断じて陽性判定者数ではなく、重症者と医療医機関の重症者用病床数のはずでした。
重症者は少ない、重症者ベッドは万全である、そしてCOVID-19に罹患して重症化するのは65歳以上の高齢者層である、この3点を専門家として徹底的に国民に周知させるべきでした。

さらにはワクチンは万全の手配りをしてある、接種体制も着々と準備している、いざという時には国産のイベルメクチンもある、という二重三重の体制が理解できれば、どんなにか国民は落ち着いたことでしょうか。
しかしメディアの煽りに負けて、冷静になるべき専門家会議まで煽りに乗って加担してしまいました。

非常事態宣言という悪手に走り、無意味な制限をかけまくったあげく、国民から恨まれ、効果が上がらず、さらには「国民がたるんでいるので効果が上がらない」から悪循環に陥ります。
かくして、さっぱり宣言の効果がみえない→宣言の延長→国民はさらにダレる→さらに宣言を引き延ばす、ということになります。
ここまで乱発するなら、いっそ専門家会議、医師会、行政は「永久非常事態宣言」を出して、100年間出しっぱなしにしたらいかがでしょうか。どうせ「新しい生活様式」とやらは、この先もずっとやるつもりなんでしょうから。

あるいは、緊急事態宣言方針を改めて、正しい認識を国民に与えることです。

「日本では明確に高齢者に被害が集中していました。厚生労働省の『新型コロナウイルス感染症の国内発生動向(速報値、令和3年6月30日18時時点)』によると、80代以上の死亡率は50代の47倍、40代の100倍以上です。全国各地で入院中、入所中の高齢者にまで接種が完了しつつありますから、ほぼ完了したと考えて良いと思います」(大和田前掲)

これをミソもクソもいっしょにしてゴッチャに報道し、大流行がまたぶり返したという報道をしたため、五輪無観客というばかなことになったのです。
だから五輪は観客を入れてやっても、なんらかまわないのです。

 

 

 

2021年7月20日 (火)

宜野湾くれない丸氏寄稿 「小山田圭吾のイジメ問題」を発端に感じたことその2

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組織委員会は小山圭吾氏の辞任を発表しました。  

「東京五輪組織委は、23日の五輪開会式のクリエーティブチームのメンバーとして音楽を担当していたミュージシャン小山田圭吾の辞任を正式に発表し、午後10時から武藤敏郎事務総長らが緊急会見に臨んだ。武藤総長は「小山田氏の作曲した楽曲は開会式では使用しない」と明言した。」(報知7月19日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2ba9c163caba98a8714806fae7f82231d9bc1a9

当然です。
組織委員会の対応の鈍さ、そもそもこのような鬼畜男をえらんでしまったことの失態は大きいと思います。
くれない丸さんが書いておられるように、音楽業界には才能さえあればいかに異常人格であろうと許容される、という歪んだ文化があります。
それをくれない丸さんは「サブカル臭」と指摘されていますが、まさにそのとおりです。
彼らは勝手にやって自滅すればよいと思っていますが、オリンピック、そして何よりもパラリンピックは全く違う次元のことです。
障害者に排泄物を食べさせて得々としていた男が、パラリンピックを祝賀する公式音楽を書く、なにかの悪い冗談でしょうか。

小山田のように実は終わっているが、ゾンビーのようにそこかしこに生息していて、感性だけのふわふわした存在なので論破されることもない、状況が変化するとまた社会に出てきて同じことを言い出す、 こんな「サブカルな文化人」たちが支配しているのが今のメディア業界です。
組織委員会の音楽担当の電通が知らないわけがありませんもんね。やれやれ。
     

                                 ~~~~~~~

        「小山田圭吾のイジメ問題」を発端に感じたこと その2
                                                                          宜野湾くれない丸

承前

■良薬にも麻薬にも変化するエンタメ
凡そ、文化芸術いわゆるエンタテイメントに携わる者は変わり者が多いのは事実だし、広く一般の人たちも当然分かっていることだと思う。
特にアーチストと呼ばれるような作り手・作家さんには「変わり者」は多い。下世話な言葉でいえば「いっちゃってる人」だ。
程度の差こそあれ普通にいる。特に不思議なことではない。それこそ「多様性」を皆が理解し「心の中でお互いを尊重し合っている」から「エンタメを安心して楽しめる」のだと私は思う。
肝はこの「関係性」だ。一旦この関係に綻びが出てきてそれが悪化すると、これは途轍もない「修羅場」と化していくこともある。
現在世界中でこの「関係性に綻び」が噴出してきているように感じる。
お互いがお互いを詮索しあい、裏読みをしながらエンタメなんてのは「楽しめるはずもない」であろう。

私はエンターテイメントというものは一種「心の薬」だと思っている。この「薬」は時々「麻薬」になってしまう。
エンターテイメント全般の見方を変えれば、以下のようにも言える。

エンターテイメント(芝居、音楽、絵画、映画、、)=薬(酒、麻薬、覚せい剤、コカイン、LSD、、、)
エンターテイメント業界(企画制作会社、芸能事務所、、、)=製薬会社、薬局(麻薬製造販売会社、元締めマフィヤ組織)
エンターテイナー・アーチスト=お調子者、詐欺師、サイコパス、ペドフィリア(幼児・小児性愛・性的嗜好)
売れっ子=ヤバサが半端ない詐欺師
そんなアーチストが創作したものを我々は観たり・聴いたり・体験をして、、、「凄い」「とても良かった」「感動した」と、、、、これはつまり「このクスリ、スゲーキクーーーッ!!」ってことなんですね。

■二つの顔
スポーツもこのエンタメ色を多く含んでいて、五輪に関しては特にロス五輪あたりからビジネス度合が増していき、つまりはエンタメ業界(麻薬製造販売会社)の介入が深くなり、「ヤバサが半端ない詐欺師」が集まってきた。
五輪レベルの大規模なエンタメだから長い時間をかけて、政財官あげて水面下での「闇取引」や「駆け引き」も多発してくる。
その意味では、森喜朗の組織委員長は「適任」だったと思う、、、が、先にもあげたメイン会場設計白紙撤回やその他もろもろの件が立て続けに生じ、挙句の果てには、どーでもいいような「女の話は長い」問題で森は失脚させられてしまった。
上手く進展している・成長している組織やグループにはだいたい「二つの顔」が見える。

・ソニー(盛田昭夫、井深大)
・アミューズ(大里洋吉、山本久)→(サザンオールスターズや福山雅治などが所属)
・サザンオールスターズ(桑田佳祐、原由子)
・ローリングストーンズ(ミックジャガー、キースリチァーズ)
・ビートルズ(ポール・マッカ-トニー、ジョン・レノン)
・東京都政(石原慎太郎、浜渦武生)
・日本国政(安倍晋三、菅義偉)→これは・・・・?
民間企業はもっと沢山あるだろう。

この定義で見ると東京五輪組織委員会からは「森喜朗」の顔しか浮かびません。有能・敏腕なソフト系片腕がいたなら、、、といまさらながら思ってしまう。

■感性と理性
少し前にトランスジェンダーの重量挙げ選手がニュースになった。同じくトランスジェンダー・カップル間に生まれた赤ちゃんにおっぱいをあげるニュースもあった。(「体は男で心は女」の「母」からおっぱいを吸う赤ちゃん、、、、)一体どうなっていってしまうんだろうか。

世界中いたるところで「感性」と「理性」の火花を散らしたぶつかり合いが発生している。それは思想背景をもったもの同士のぶつかり合いだとも言えるし、それを煽っている者たちも見え隠れする。
そしてそこには必ずと言っていいほど「カネ」の匂いがついて周ります。「利権」と言ってもいいと思う。
「利権」はつきものだが、それを「長く持つ」とおかしな方向になっていく。いつの世も同じよな事を繰り返して、違うのは「舞台(装置)」と「役者」だけです。

浅学な私が、思想がどうのこうのと偉そうなことは言えないが、大学生の頃に「共産党宣言」や「資本論」に初めて目を通し、その難解さから相当時間がかかりましたが、とても面白く、なるほどなーと感想を持った。
でも何だか窮屈だ、ガチガチの理論で固められ責められている気がして、どうしても窮屈な気持ちが残った。
「人間ってそんなに理路整然とやれるのかなー」と。でもロジックが正しければそうなるに違いないよなーと。
が、しかし「そうはならなかった」のだ。

■「感性左派」が支配する世界
ロジカルな思想基盤が崩壊し、拠りどころが「感性」しかなくなってしまった人々(私はこれを「感性左派」と言ってます)、言い方を換えれば、マルクス主義の思想基盤崩壊(歴史的事実)を受け入れられなくなって、感性にしか訴えることが出来ない人たち。
そんな人たちの行き着く先は、そう、「感性だけで訴え、運動することが出来る」文化芸術や環境系、LGBT系という枠なのである。
そしてそれが世界規模で「尖鋭化」しつつある段階が、現在である。
つまり「感性に訴える」ことを意図して、周到な計画の元に「実行」すれば、果たしてどのような事が起きてくるのか、はこれまた歴史を顧みればおのずと分かってくる。
逆に「見せたいようなロジック構成」が出来れば、「理性」に訴えることも可能かもしれない。いずれにせよ「歩んで来た道からひとつひとつ判断していく」こと以外近道はないのではなかろうか?

■大きな「利権構造の中で
横道にそれてしまいましたが、今現在、世界は「大きな利権の枠組み」で構築されていると思う。
最たる利権が「エネルギー利権」である。石炭、石油、原子力、そして半導体。何処の誰がそれを「牛耳る」のかで世界構図が変わってしまう。
いきなり小さな話ですが、沖縄のいわゆる左右のグループは実は「一枚岩」となって政府に対抗していることは、そこそこ県民の皆が気がついている。
「左が騒ぎ」「右がマネー交渉」と、勿論それぞれのグループ内でのお家騒動も頻繁にある。
この「左」「右」「政府」というトライアングルが、実は世界規模でも存在するのではないか、、、、と最近感じている。

①米を中心とした「自由主義陣営」→物事を進めるのに時間がかかる。
③中国を中心とした「共産主義陣営」→物事を進めるには「鶴の一声」でやれる。
③カネを中心とした「グローバル資金(マネー)陣営」→よく言われるところのディープステート。

①のトップは4年ごとに入れ替わる(可能性がある)。
②はここ暫くは同じである。
では③といえば、私にはよく分からない。
言えることは、①②③の「共通項目(共通語)」は「資金(マネー)」ということである。

世界各地で同時多発的に起こっている様々な出来事も、一件関係ないような出来事すらさえ、この①~③の基盤をもとに繰り広げられていくような気がしてきているように思えてならない。

                                                                                                    (了)

2021年7月19日 (月)

宜野湾くれない丸氏寄稿 「小山田圭吾のイジメ問題」を発端に感じたことその1

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宜野湾くれない丸氏より寄稿を頂戴しました。ありがとうございます。
五輪に起用された小山田圭吾の唾棄すべきいじめ問題についてです。

氏はそれにとどまらず、さらに背景となったもの全般についても、眼をむけられておられます。
なお、内容的に2分割し、文末は「である」に統一し、構成の一部を編集しました。

※事件についてはこちらから。
障害者支援団体 小山田圭吾いじめ加害に声明「強く抗議」雑誌告白「極めて露悪的」組織委「重い説明責任」
2021年07月18日 23時43分スポニチアネックス
https://news.nifty.com/topics/12278/210718492250/

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ヤマハ | 今月の音遊人:小山田圭吾さん「唯一の趣味が音楽だった .

私も教えられてこの「ロッキング・オン・ジャパン」(94年1月号)の当該記事を読んでみましたが、この男の獣のようないじめ行為もさることながら、小山田がこう言ってのけたことにのけぞりました。
はっきり言って、人間のクズです。

「この場を借りてお詫びします(笑)。だってけっこうほんとキツいことしてたよ」とその「ヤバさ」のほうに話を転化した上で、「それがサブカルってものだった」という言い方で自己肯定してしまっていることです。

もちろんなにひとつ反省はおろか、楽しい青春の差別虐待事件だったようです。
またその時に舞い戻れるなら、もっと新手の虐待を楽しみたい、といわんばかりです。

さらに件の事件が発覚し、逃げきれないでした言いわけが、もはやこの男の人格の救いのなさをよく現しています。

「多くの方々を大変不快なお気持ちにさせることとなり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます」と通りいっぺん頭を下げた上で、続けて「熟考した結果、自分の音楽が何か少しでもお力になれるのであればという思いから、ご依頼を受けるに至りました」ですと。

この男が「熟考の末すこしでもお力になれるのであれば」といった東京五輪のテーマは、こともあろうに「多様性と調和」です。
障害者や特定の目をつけられたクラスメイトに言葉にするのもはばかられるリンチを加えたことを「ほんとうにキツイことしたよ(笑)と笑って言ってのける人物が「多様性と調和」だそうです。
笑わせないでいただきたい。この男がした「いじめ事件」の数々は、死人が出なかったことが不思議なくらいの刑法犯罪ばかりなのです。

その上、この男をそのまま使うとした組織委員会のいいわけがこうです。
「本人は当時の発言については後悔して反省しており、現在は高い倫理観を持って創作活動に献身するクリエーターの1人である」だそうで、「高い倫理性」という言葉はこういう時に使われる便利な概念であることを初めて知りました。

すいません、長くなりました。ではどうぞ。

                                                             ~~~~

                              「小山田圭吾のイジメ問題」を発端に感じたこと
                                                                          宜野湾くれない丸

■27年前の自慢げな記事
「小山田圭吾のイジメ」については、随分以前から知ってはいた。
今回一連の報道からも分かるように彼は、94年当時(発売)音楽雑誌の取材で「それらの行為」を語っている。
当時私はその雑誌を読んだ記憶があるからだ。鮮明に記憶しているのは彼(ら)の行った行為は、言葉では表現できないくらい下劣極まりないものであるにも関わらず、そのインタビューではさも「自慢げ」に語っていたので、そのことに強烈な印象があったからだ。
記事からは「反省」「悪いことをしてしまった」などの気持ちのカケラなど全く感じられなかった。
不快で、憂鬱で、どうしようもない気持ちになった記憶がある。それまで彼らの音楽は少しは知っていたが、その事があって以来、現在に至るまで聴いてない。メディアなどで彼らの名前や活動を目にしたり耳にしたりしても「あ、あいつか」で済ましていた。

■小山田の件は日本国民皆で真剣に考えなければならない
仮に仮にではあるが、小山田が「釈明会見をし、五輪を潔く辞退した」のなら、そうすることが社会の構成員としてのルールであり、倫理ではなかろうか?
しかも五輪という「世界が見る舞台」でのことだし、「無責任極まりない小山田と組織委員会の話」ではすまないことである、と私は思う。
仮に彼が辞退してたら、私個人のモヤモヤした気持ちは少し変わったかもしれない。
勿論、被害を被った方々の事を思えば何ともしがたい拭いきれない思いは残る。
しかしながら、変わり者のアーチストが創る創作物を国民は皆共有してたではないですか。そこからそれなりに「生きる糧」とか「活力」とかを自分なりに見出してきた人たちがいることも事実である。
私は彼の音楽から「糧」とか「活力」を受けたことは一度もありませんが、他人事では済ませられない気持ちがあるのも事実だ。

益々混沌とする世の中で人々に潤いを与えてくれるひとつの財産が「文化芸術」「エンターテイメント」であることは誰しもが認めてくれることでしょう。

■なんともやるせない気分になる
小学校の頃、まだ特殊学級とか仲良し学級とはなく、ハンディがある子どもたちも皆同じクラスにいた。
私は担任の先生からそんなハンディがある児童の「お世話役」に指名された。
隣の机に座り手取り足取りその子のお世話をするのです。昭和40年代(60年代後半~70年代半ば)の奄美群島でのことである。
当時奄美は国境の島々でした。どのクラスにもひとりやふたりくらいはハンディがある児童がいた記憶がある。街でもけっこう見かけた。
いわば、それが「普通」な状況だったのである。子供たちは身勝手で、やんちゃで、騒々しく、残酷でもある。それが子供だ。
「やってはいけない事はダメだ!」と大人が先生が言い聞かせないと子供は分からない。面白いと感じれば色んなことをへっちゃらでやってしまう。
悲しいかな小山田は「やってはいけない事」が分かってなかったのかもしれない。
もしかしたら教えてくれる大人が身の回りのにいなかったのかもしれない、そう思うとなんともやるせない気持ちは拭い去ることが出来ない。

■何だこのサブカル臭さは、、、?
今回の報道で、彼が東京五輪の開会式の音楽を担当してた事を知り驚嘆したと同時に、あの当時の「憂鬱」な気持ちが蘇ってきた。
メイン会場設計白紙撤回にはじまり、エンブレムの盗作、豊洲移転にまつわる周辺道路工事の遅延をはじめ小池都政による一連の騒動、たたでさえcovid19で大打撃を受け続けているのにも関わらず、ここへ来ての極め付けで「無観客開催」「小山田問題」、、、、何となくぼーっとネットニュースを眺めてきたら「代々木の生首気球」が目に飛び込んできた、これも五輪関係のイベントとのこと、、、あー、、、。
「表彰式でのユニフォームのデザイン」といい、音楽の小山田といい、なんだか「サブカル色」が悪い方向に突出しすぎているような気がしてならない。正直言って、開催直前になんだか嫌な気分になってしまう。そうそう、大阪ではあの「表現の不自由展」が再び開催されてますねぇ。

「すべての人が自己ベストをめざし(全員が自己ベスト)」
「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と協調)」
「そして、未来につなげよう」

開催1週間前にして、「大会ビジョンはただのお題目を並べただけのもの」であることを世界へ向けてアピールしてしまったも同然です。
ピンチをチャンスに変えることは出来るはずなのに・・・・何故に。
組織委員会や小山田側からのコメントは既にネットに溢れるほど出ているので、ここでは触れないが、一言だけ言わしてもらえれば、
それでも「小山田圭吾はこの仕事をやる」のだそうだ。
27年もの間、被害者やそのご家族へ対してお詫びのひとことも無いにもかかわらず、である。

                                                                                              (次回完結)

 

2021年7月18日 (日)

日曜写真館 ふてぶてしくも隙だらけ

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図々しくも可愛らしい 

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可愛らしくもふてぶてしい

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ふてぶてしくも隙だらけ 

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隙を見せてもすぐ逃げる

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逃げるくせに寄って来る

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寄って来るから撮ってやる

※今日の写真はHNビーバーかぁさんからご提供いただきました。

2021年7月17日 (土)

五輪無観客は、二階と小池の企みだった

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バッハ会長が有観客を首相に要請したそうです。
IOCとしては当然のことで、ヨーロッパでユーロ2020を見ている彼らからすれば、奇怪至極なのが日本の無観客のはずです。

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EURO決勝&準決勝はウェンブリーに観客6万人以上入場へ

さぞかし欧米メディアは、今でも日本の感染は激甚で、いまだコロナが燃え盛っていると発信することでしょう。
私たち日本人が、感染は君らの国より桁違いに少なく押さえ込んだのだと力説しても、ならばなんで客入れないの、と問い返されるだけのことです。
一枚の無観客の絵写真は、百の弁解より雄弁に語るからです。

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朝日新聞 大相撲担当 on Twitter: "無観客開催の春場所が始まりました

日本は無人観客とすることで、日本に対しての大きな偏見を招来させることになってしまいました。
日本は危険な国、行ってはいけない国、日本人はコロナを持ち込む、防止策がデタラメだそうだ、こういう誤ったイメージを日本みずからこれでもかと見せつけしまったのですから、なんともかとも。
これでは五輪は国威発揚どころか、逆噴射です。

なにか虚しい気分になりますが、いちおう日本の感染状況を世界との比較で見てみましょう。
メディアは世界との比較でデーターを見せません。
比較する時は、ワクチン接種の遅れといったネガティブなことばかりです。
客観的にみれば、日本の感染者数はヨーロッパや米国と比べて100万人あたりの数が桁違いだとわかるでしょう。

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※クリックすると大きくなります。

上のグラフは2021年3月1日から6月13日までの100万人あたりの感染者数で、日本は右下に見えますが、いまでも主要国で下から三番めです。
ウエンブリーに6万入れてしまった英国より1日の感染者数は桁違いに少なく、まさに「●ざ波」(自粛)です。
まぁ、英国はその仕返しに感染拡大がまた始まってしまったのですが、英国民の士気はいや増しなったはずです。

さて元々、菅氏は観客数を制限して実施する気でした。
ところが五輪を潰せ、五輪か命か、と金切り声を張り上げるメディアと野党にたじろいだ菅は、次第に追い詰められていきます。
時系列で、この無観客への道を見ていきましょう。
いかにして菅が頑張った有観客方針が包囲されていき、潰されていったのかがわかると思います。

まず動いたのは、感染症対策分科会会長の尾身茂でした。
尾身は、かねてからゼロリスク論に強く傾いていました。
医療サイドの人間としてはわからないではないのですが、現実の世界は、では経済が死滅してよいのか、国民はこれ以上負担に耐えられるのか、あるいは五輪を中止することによる国益の損失をどう考えるのか、といったさまざまな要素を天秤にかけねばならないわけです。
これら複数の変数を考慮して、菅は非常事態宣言の打ち止めと五輪の有観客で実施する腹を固めていました。

これに不満をもったのが尾身で、彼は国会の閉会中審査でこう言っています。

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尾身会長「五輪は無観客が望ましい」…都内の重症者増に「開幕前に対策

「政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は7日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、東京オリンピック・パラリンピックの開催について、現在の感染状況では医療逼迫(ひっぱく)の恐れがあると指摘したうえで、開催形式については「無観客が望ましい。大会関係者も最小限にすることが重要だ」と改めて述べた」(毎日7月7日)

尾身は五輪中止論者で、無観客が彼の妥協点だったようです。
この時点では、菅は上限1万人までと妥協しながらも、当初の姿勢を保っています。
それに苛立ったのが尾身でした。
そしてなんと、尾身はこともあろうに天皇を使ったのです。
だから専門バカは嫌です。尾身は自分に政治的良識が欠如していることに気がついていません。
専門的にまちがっていないと確信すれば、やっていいことと悪いことのけじめがなくなり、天皇すら利用します。

尾身は、 6月25日前後の陛下へのご進講の場で、直接に五輪の危険性を訴えたと言われています。
それは6月26日の西村長官の記者会見にはっきりと現れています。

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「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになる五輪・パラリンピックの開催が感染拡大に繋がらないか、ご懸念、ご心配であると拝察する。五輪・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないように、組織委員会をはじめ、関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい」

この西村の「拝察」発言は、陛下による五輪中止要請に等しいものです。
ここまで陛下にいわせてしまった尾身の常識を疑います。
この男は憲法3条国事行為を知らないのか。

同時期に菅もご進講していますが、口下手な菅のこと、パッとしない話をパっとしないボソボソした口調で述べたにとどまったようです。
陛下は尾身の側に心を動かされ、それが西村宮内庁長官のあの「拝察」発言へとつながります。
※関連記事『西村長官発言 言ってはならない時期に・・・・』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-22f312.html

陛下が政府方針を快く思っておらず、五輪中止を望んでいるのではないかという「拝察」発言は、自民党中枢に強い衝撃を与えます。
メディアや野党だけなら耐えた菅も、この一撃にはたじろいだようです。
菅の脳裏に、開会式に陛下が欠席し、名代を立てる、などという悪夢がよぎったことでしょう。

この空気を敏感に読んだのが小池です。
当初、小池はあえて発言を禁欲し、どっちつかずの態度を取っていました。

「東京都の小池百合子知事は21日、東京五輪の観客上限を1万人とすることを決めた5者協議の後に取材に応じた。政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長らが「無観客が望ましい」と提言したことなどと矛盾しないかを問われ、「急激な変化があった場合には速やかに5者協議を開催をして、その中で無観客も含めた検討をするという、そのような盛り込みになった。尾身先生をはじめとする有志の方や東京都医師会がおっしゃってることと重なる」との認識を示した」(東京6月21日)

これは主催都市の首長としての判断というより、都議会議会選挙を前にしてここで出っぱらないほうが得策だ、選挙で勝てればなんとでもなるという狡猾な読みがあったからです。
だから「無観客を視野に入れて」と後の豹変を視野に入れた含みのある言い方をしています。

そして都議選にタヌキ寝入り勝利をし、実像より自らが巨大になったと見た小池は、一気に無観客に舵を切ります。
7月8日、小池は5者協で突然無観客を主張します。
組織委員会事務総長の武藤は、この会議で小池が強く主張し、それが決定打となったという意味のことを言っています。

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小池百合子都知事、東京五輪・パラ「無観客も軸に考える必要ある

「東京五輪の観客のあり方について、政府や東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)の5者は8日にも代表者会議を開き、最終判断する方向で調整に入った。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、大規模会場を無観客とする案が浮上している。
一方、
東京都小池百合子知事は2日、「感染状況を注視しながら、無観客も軸として考える必要があるのではないか」との認識を示した」(朝日7月2日)

わずか10日で態度が180度転換できるというのが、この小池という異形の政治家のスゴサです。
普通の政治家ならば多少の矜持があるので、恥ずかしくてできません。
しかもこの人物は、この国益に反する無観客方針を、自分は表に出ずに、菅に言わせたのですから、たしかに「天才的」ではあります。

そしていったいん自分が政局の舵を握ったとみるや、都議選勝利の翌5日には二階、公明党の山口と相次いで会談をもっています。
この席でなにが話されたのかはわかりませんが、表のテーマは五輪無観客とコロナ対策でしょうし、更に突っ込んだ話もされたのでしょう。
たぶん小池の国政復帰くらいは話されたのかもしれません。

もしも小池さんが都議選前に無観客を全面に出して動いたらたちまち政局になっていた。選挙後を待って一気に動いたのは戦略的でした。小池さんは投開票の翌日(5日)、自民党の二階俊博幹事長、公明党の山口那津男代表とそれぞれ面会し、5者協議を控え、無観客の大きな流れを作った。さらに7日には小池さんと尾身会長は電撃面会し、官邸の度肝を抜いた。
話し合いは2時間近くにも及んだそうです。
コロナ対策への意識共有と、緊急事態宣言下での五輪開催のあり方に関する認識の調整がなされた。いちばん重要な局面で、2人が面会しタッグを組んで菅首相、組織委、IOCを追い詰めた」(自民党幹部) 」
(AERA7月9日)
小池百合子知事と尾身茂会長のタッグに五輪無観客で完敗した菅首相の末路〈dot.〉(AERA dot.) 

この「自民党幹部」とやらが誰かわかりませんが、二階の周辺でうごめく連中のひとりでしょう。

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五輪都内無観客開催うけ橋本会長が埼玉、千葉、神奈川知事と話し合いへ

7月9日、この与党内に作られた五輪有観客包囲網を前に、橋本組織委員会会長や丸川五輪担当大臣は早々と屈してしまいました。

「東京五輪で1都3県の首都圏会場が無観客に決まったことを受け、大会組織委員会の橋本聖子会長は8日夜に記者会見し「残念だが無観客を決定した方がより多くの方に開催の理解を頂けるのではないかという判断」と述べ、批判を強める国民に大会開催への理解を求めた。チケット収入が減り、ボランティアや医療態勢は縮小を図る」(共同7月9日)

橋本が言っている「より多くの方にご理解いただける」というのは、メディアが作り上げた五輪中止の世論圧力に負けました、という意味でしかありません。
そこにはかつてのメダリストとしてのスポーツ人の誇りもなければ、組織委員長としての大局的な五輪観もなく、与党としての国益に対しての考慮すら一片もありません。
あるのはひたすら醜悪な自己保身だけです。
これで離陸すらできないままの五輪は、片方の翼をもがれることになりました。
森ならもう少しもちこたえたでしょうが、森追い落としあたりから策謀は始まっていたようです。
これで菅は完全に包囲されました。

それにしても思ったとおりです。
二階-小池-山口ラインにとって五輪などどちらでもいいのです。
政治的人間の彼らにとって、実は五輪など自分の政治的野心を遂げるためのただの道具でしかありません。
やろうがやるまいが、有観客だろうが無観客だろうが、どちらでもいい。
五輪無観客も科学的根拠があって言っているわけではなく、メディアが国民に植えつけた反五輪の空気を読んで、有観客に固持する菅を潰したい一心にすぎません。

彼らが本当にやりたいことは、菅を追い落とすことで安倍-麻生ラインから自民党のイニシャチブを完全に奪い、二階が自民党の新たなボスとして君臨することです。
今まで面従腹背で安倍-麻生に仕える顔してきた仮面を脱いで、小池という傀儡を立てて自らが実験を握ることです。
二階は、小池を自民党に復党させるだけにとどまらず、衆院選の顔として戦い、その勝利を持って、こう自民党員達にいうことでしょう。
「菅なら100議席失っていたぞ。そうなればお前らはただの人になっていたはずだ。それを救ったのは、他ならぬこの小池サマだ、次の総理はこの人以外いない!小池サマを総理にしろ!」
そして大多数の無節操な自民党員たちは、「小池百合子」という新たなアイコンの前にひれ伏す、というわけです。

「それがあれだけの小池パワーを見せつけられれば、自民党から頭を下げてでも解散総選挙の前に国政に戻ってほしい。菅首相では100議席くらいは減るという声もあります。
小池さんは本当に巧者。無観客の言い出しっぺにさせてチケット代900億円を都に押し付けてしまえ、と政府は狙っていたのに、派手な言動に走らず、水面下で根回しをした。
菅首相は完全にしてやられました。求心力は一層低下し、もはや自らの手によって解散が打ちづらくなっています」(前出の自民党幹部)
二階幹事長も菅首相との会食の翌日(8日)にはテレビ番組で「(小池氏が衆院選に出て)国会に戻ってこられるならば、大いに歓迎だ」と持ち上げた」(AERA前出)

というわけで、無観客五輪は五輪の枠を超えた政争の具に転化してしまっています。
いまさらこの二階-山口-小池3人については論評を差し控えますが、それに屈してしまった菅の政治責任は大きいでしょう。
なんの科学的根拠も、菅の政治家としての信念も見えません。
菅はこの程度の器量だったわけで、安倍氏ならば有観客を貫く強さと、それを実現するしぶとい政治力を持っていたことでしょう。

とはいえ国としては、過ちては改むるに憚ること勿れ、です。
今からでも遅くはない、くるくる変わったと言われて本望。
どうせ菅政権は五輪限りなのですから、ここを死に場所に定めて、最高の「コロナに人類が打ち勝った大会」にするべきです。
このまま言うがままに無観客をすれば弊履のように捨てらたあげく、その後には二階と小池の天下になるはずです。
ならば一矢報いなさい、菅さん。

そして、もはや安倍に再登板してもらうしかないでしょうね。
私は安易な待望論は良くないと思って禁欲してきたのですが、ことここに至っては、二階による自民党乗っ取りを押え込み、小池の復党を許さないパワーを持つのは自民党内に安倍しか残されていない状況になってきたようです。
後は安倍自身の心次第です。
隠居してフィクサーにでもなる気なら、火中の栗を拾わないでしょうし、いまが国家的な危機だと認識するならあるいは、あるいは・・・。

 

 

2021年7月16日 (金)

ワクチン不足狂想曲

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このところ、なにかと言うとメディアが騒ぐネタは、西村大臣とワクチンが足りない、です。
テレビなんかでは、わざわざ自治体の接種担当に「あたしらはこんなにガンバッテいるのに、ドンドン打てという政府の号令を聞いたらこのザマです」といったようなことを言わしています。
今日は、知事会に河野大臣が謝罪、などと書かれています。
ワイドショー民など、政府の言ってるワクチン備蓄が充分だなんて嘘ッパチだ、と早とちりしちゃうことでしょうね。
メディアと野党はここぞと菅政権を水に落ちた犬は叩けモードに入っているようですが、国民の生命に関わることなのですから、もう少し落ち着いて見ていきましょう。

まぁ、自治体の気分はわからないではありませんが、がんばって打ったからこそ予定供給のスケジュールがくるったのです。
ですから、足りない自治体が出始めたのは、自治体のみなさんが頑張ったからであって、結果であって原因ではありません。

予定が狂った一つの原因が、VRS (ワクチン接種記録システム)です。

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ワクチン新システムに不具合頻発 データ入力、自治体に負担 - 産経

よく1日100万回打った、いや200万回に達している、などという意見の違いが生まれていますが、その原因はVRSにあります。
VRSとは、自治体や医療機関が接種者情報を国が提供するクラウドに打ち込み、この接種記録に基づいて、いつ・どこで・どのワクチンを接種したか記録される仕組みのことです。

そもそもVRSでは、接種情報をデータ化するまでに2~3か月かかります。
なぜなら、ファイザー社製のコロナワクチンでは3週間、モデルナ社製では4週間、アストラゼネカ社製では4~12週間の間隔で2度の接種が必要だからで、1回目、2回目の間隔ができるためちに、どの時点で「1日100万回」とカウントするのかによって違いが生じるからです。
そのために近頃は、1回目何万人でなん%、2回目何万人で何%というような分けた表記が使われるようにになってきました。

また、 市区町村ごとに異なる方法で接種情報を管理しています。
そのために自治体ごとにやり方が微妙に異なったり、打ち込みが迅速にできる自治体とできない自治体に差が出ました。

「国から配布されたタブレットを使って接種会場の担当者が接種券に記載された18桁の数字列を読み取り、接種記録を蓄積する仕組みだ。 これまでの予防接種では住民の情報が予防接種台帳に反映されるまで2~3カ月かかることもあったが、このシステムは瞬時に接種記録を把握することが可能で、市区町村間での共有などのメリットがある。
 国は4月から高齢者接種が始まるのに合わせ、計約4万台のタブレットを市区町村に配布。だが、現場ではタブレットが18桁の数字列を読み込まなかったり、フリーズしたりする不具合が頻発しているという。
「手持ちだと、手振れでタブレットが数字を全く読み取らない」と東海地方の自治体担当者。数字の部分に汚れなどが付いていた場合は全く違う番号を識別し、最悪の場合、接種を受けた住民ではない人物の接種記録が蓄積されることもあるという。」(産経5月15日)

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自治体職員を手間取らせたのが、18桁にものぼる数字を打ち込まないといけないことで、小さなタブレットの画面に18桁ですから、年配職員には難しいことになります。
するとどうなるかといえば、接種作業に追われて打ち込みを溜め込んだのです。

「リアルタイムで入力せずに、後でまとめて作業をするケースも出ており、入力を行わない自治体や医療機関が出てきた場合は、実際の接種状況と政府の発表する接種状況が合わない事態も想定される」(産経前掲)

ありそうな話です。接種作業に追われている自治体職員はその日その日で打ち込まねばならないところを、数日間まとめて打ち込んでしまったようです。
すると接種数字に、数日ごとに、まるでしゃっくりのようなありえない急増現象が生じます。
たとえば6月19日までは1日120万回打っているにもかかわらず、翌20日からは急落し、また25日には急上昇し、26日からはまた落ち、7月10日頃には200万回に達したかと思うと、12日頃には再び70万回に急落する、このような周期的波動が生まれてしまいます。
だからどこの時点で切るかによって、100万回なんてホラだという者もでるし、いや200万回に達したという者もでることになります。

「全国知事会、揃ってワクチン不足に抗議」みたいにメディアが報じていますが、ひとことで自治体とはいえません。
大きくバラつきがあるからです。
たとえば接種回数がワーストになってしまった大阪市が、政府からワクチン供給を減らされましたが、その原因がダーっです。

「政府は新型コロナウイルスワクチンの供給量について、“大阪市には在庫がある”として、8月前半の配分を1割削減する方針です。
政府は、8月前半の新型コロナウイルスワクチンの供給量について、VRS(ワクチン接種記録システム)を基に“一定の在庫がある”とみなした自治体の配分量を1割削減する方針です。
 これにより、大阪市は164箱(19万1880回分)から148箱(17万3160回分)に削減されるということです。これについて大阪市の松井一郎市長は次のように話しています。
大阪市松井一郎市長は7月12日、
 「どうしても(VRSの)打ち込み作業というのは非常にちょっと時間がかかる部分もありましてね。今の時点でも32万件ほど打ち込めていない状況です。これをもってワクチンの供給量を1割削減されるというのは少し違うのではないかなと思っています」
(7月13日M&Sニュース)

松井さんは大阪のオモロイおっちゃんですが、これはダメでしょう。
32万件も溜まっているということ、それだけ供給量に狂いが発生するからです。
だから河野ワクチン担当大臣が、そういう自治体は減らして調整をするしかない、と言ったのです。
このへんの自治体に競争原理を導入するという発想が、河野さんらしいところです。
ただし河野大臣は、ただ自治体のケツを叩いたわけではなく、打ち込みを溜められるとワクチン供給がメチャクチャになるからです。

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点描・永田町】ワクチン担当河野氏の正念場:時事ドットコム

その際、頼りになるのがVRSの接種記録でございますので、自治体におかれてはなるべく速やかにVRSへの入力をお願いしたいと思います。
VRSの入力にかかる人件費について、もしアルバイト等にお願いをするということであるならば、人件費については国が全額お支払いをすることになりますので、自治体においては遠慮なく人の手当をしていただいて、なるべくリアルタイムに近い形でVRSへの入力をお願いしたいと思います。
VRSの入力が遅れますと、システム上、その分、その自治体に在庫が積み上がっているように見えてしまいます。我々としてはそれがリアルな在庫なのか、入力遅れのための在庫なのかが分かりません。VRSを見ながらかなりの部分、判断していくことになりますので、VRSの入力の加速化は重ねてお願いをしたいと思っております 」
 (河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年6月23日)
https://www.cao.go.jp/minister/2009_t_kono/kaiken/20210623kaiken.html

河野さんは、打ち込みが大変なのはわかっている、打ち込みのためのバイトを雇ってくれれば、そのコストは国が持つ、とまで言っているわけです。
それでも、まとめて入力するなら、政府からみれば「在庫が積み上がって見えてしまう」ために減らさざるをえないと説明しています。
それだけではありません。供給しているのか保存が効き、運送が簡単な乾物ではなく、零下70度以下で運搬・保管しなければならないmRNAです。

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日本でもコロナワクチン接種開始!コールドチェーンの備えは万全か

一回自治体に送ると、転送が効きませんから、さきほどの大阪市のように実は接種していて打ち込んでいない自治体は、集計上は不足して表示されますから余分に送り込んでしまってダブつくということになります。
するとそのぶん他の自治体が圧迫されます。
国として備蓄不足の韓国などとは違って、全体としては充分な量を数種類確保してあるはずの日本ですが、このような余っている自治体と不足している自治体が出て、それをつかまえてメディアは「ワクチンが足りない自治体が出ている」という上っ面だけを報じて煽っているのです。
こんな国全体が大変な時期くらい、少しは協力する気がないのか、と思います。
つくづくメディアって何のためにあるの、と思うことしきりです。

打ち込み担当のバイトを雇ってくれれば国が持つとまで河野大臣が言っているのに、メディアにかかるとこうなります。

「またワースト? 新型コロナウイルスワクチン接種率の政府公表に、大阪府の担当者はカンカンだ。(略)
「府内の市町村によっては、政府が接種実績を一元的に管理するために構築した『VRSシステム』への入力が遅れ、タイムラグが生じています。VRSに反映されないと接種実績として上がってきません。現場では接種が進んでいるのに、システムに入力していないため、接種が見かけ上は進んでいないことになってしまう。
それで接種が遅れていると決めつけられたら心外です。大都市は接種対象者が多く、各市町村も事務手続きが煩雑になります。接種自体に人員を投下しているのに最後の登録だけを委託業者に任せるにしても、手間がかかります。この数字だけが独り歩きされたら困ります」(担当者)」(日刊ゲンダイ7月9日)

この大阪市の担当は「接種が進んでいるのに入力が遅れただけでVRSに反映されないので実績にはならず数字が一人歩きして心外だ」と言っていますが、当たり前でしょう、そんなこと。
VRSに入力しないで実績数値に反映されてしまったらどないなるねん、虚偽の数字がそれこそ一人歩きするやろ、アホか(なぜか河内弁)、と思います。

これと同じことが医療機関にもいえるようです。

「ある自治体の担当者によると、医療機関側が、新しいシステムへの理解や入力への手間を嫌がり、ワクチンの打ち手を確保することが難航したことがあった。
また、先行してワクチン接種が行われた医療従事者の記録がシステムに登録されていないケースもあり、今後、一般の接種が本格化した際、同様の事態が起こることは容易に考えられる。自治体関係者は、「システムに登録されるデータが信頼できないものになってしまう」と不安視した」(産経前掲)

実はこの医療機関の打ち込み遅れもそうとうなものだといわれています。
特にかかりつけの医者に行って接種を受ける場合、その実態を完全に掌握しきれないようです。

このワクチン不足騒動は、子宮頸ガンワクチン有罪判決以降、日本がワクチン接種政策を事実上完全放棄してしまったことによります。
朝日を先頭としてメディアが煽りに煽ったために、日本からほぼワクチンは姿を消しました。
残っているのはインフルエンザくらいなもので、これも自治体や学校の大規模接種ではなく、希望者に対して医療機関が打っているに止まっています。
厚労省すら、ワクチンは危険だ、ワクチンは作らなくてもいい、製薬会社は手を出すな、という空気に支配されてしまった結果、国産ワクチンは作れず、打てずという時代が長きに渡って続きました。

そのために、自治体や学校・職場などの接種拠点で、大規模接種のノウハウがまったくなくなってしまったのです。
大規模接種を知っている職員はとっくに退職しているし、自治体にマニュアルで残されている所のほうが少ない、クラウドなんかさわったこともない、18桁の打ち込みなんか眼がクラクラする、-70度の保管だって、ヒェーという不慣れのために、今回のドタバタ騒ぎが生まれました。
それを面白おかしく煽るメディアがことあれかしの野党と一緒になって、まるで日本全体がワクチン不足に陥った、政府を糾弾しろ、といわんばかりの報じ方をしたために、騒ぎがいっそうひどくなりました。

ちなみに日本のワクチン接種の進捗状況はこんなかんじです。

       ・日本のワクチン接種回数・・・6300万回超
       ・高齢者の2回接種完了者・・・50%超
       ・総接種回数                 ・・・世界7位

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怪しい水ワクチンの中国、ワクチン製造国の米国に挟まれていますから、日本なんぞ世界でもドンケツかとおもいきや、健闘しとるではありません。

早晩、英国を抜き、世界6位になるでしょう。
これで無観客など筋が通りませんが、それについては明日に続けます。

 

 

 

 

 

2021年7月15日 (木)

麻生太郎副総理のグッジョブ

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昨日、ワクチン接種の2回目を終了しました。
接種が終わったまわりの人達に聞くと、腕が腫れて痛いいう私のような人あり、まったくなんともないという人あり、頭痛がするという人ありで、それぞれです。
全部正常な抗体反応で、中華ワクチンなんぞ副反応がないというのが「自慢」だそうです。そりゃただの水ですから。
我が自治体は、車がない人のためにタクシーまで用立ててがんばっているようです。
会場には、わらわらとスタッフがいて、関所を何カ所も作り、接種にたどりつくまでのほうが大変。
自治体の大規模接種の経験が、反ワクチン運動を煽ったメディアのおかげで、この十数年なくなってしまって、マニュアルも知った人もないそうな。

さて、ちょっと遅くなりましたが、麻生さんグッドジョブ!
本業の財務大臣では財務省のいいなりで早く替わってほしいくらいですが、安全保障関連ではいい仕事しています。

「麻生太郎副総理・財務相は5日、中国が台湾に侵攻すれば安全保障関連法に基づく「存立危機事態」と認定し、集団的自衛権の限定的な行使もありうると言及した。都内の講演で語った。
麻生氏は「(台湾で)大きな問題が起きると存立危機事態に関係しても全くおかしくない。そうなると日米で一緒に台湾を防衛しなければならない」と指摘した。麻生氏は政府の国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合のメンバーだ。
中国の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)が中国共産党創立100年の記念式典で台湾統一を「歴史的任務」と語ったことにも触れ「台湾の様相が極めて厳しいものになってきた」と述べた」(日経7月5日)

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この発言は、台湾有事は日本の有事として受け止めて、日米で台湾防衛のために集団的自衛権を行使して戦うという意味です。
いままで「台湾海峡の安定と平和」といったように、故意にぼかした言い方しかしてこなかった日本政府にとって、副総理という政府ナンバー2のこの発言はエポックメーキングです。
いままで日本の政治家といえば、台湾有事は台湾だけのこと、わが国は関われないという態度をとり続けてきましたから、日本有事と台湾有事は一体であって、共に集団的自衛権の行使を可能とする存立危機事態なのだ、というこの麻生発言は大きな前進です。パチパチ。

この麻生発言に敏感に反応したのが中国です。
習路線を代弁する「戦狼外交官」の趙立堅が、実に分かりやすいリアクションをしてみせました。
ほんとうに、ここまでまッ正直な反応をされると好きになっちゃいそうです。

「北京=三塚聖平】中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は6日の記者会見で、麻生太郎副総理兼財務相が5日の講演で、中国が台湾に侵攻すれば安全保障関連法の「存立危機事態」として対処すべきだとの見解を示したことに対し、「中日関係の政治的な基礎を損なう」と反発した。「強烈な不満と断固たる反対」を表明し、既に日本側に厳重な抗議を行ったことを明らかにした。
趙氏は「台湾問題への介入を絶対に許さない」と発言。その上で「中国人民の国家主権を守り抜く強固な決心や意志、強大な能力を見くびってはならない」と強調した」(産経7月7日)

おー、またまた出ました、習の100周年演説の決め台詞、「見くびるな」です。
「戦狼」症候群の連中の流行り言葉なんですかね。
習は福島香織氏によれば、常にクーデターや暗殺にさらされ続けているとか。
もう一杯一杯なんでしょうが、習さん、身内にご注意下さい。

さて、現実問題として、中国がいかに「台湾独立を粉砕する。見くびるなよ」とリキんでも、現状では中国に台湾への武力侵攻を図る能力はありません。
中国が台湾侵攻する意図を持ち、その準備を進めていますが、現実問題としてそれはそうとうに困難だと米軍は見ています。

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米軍制服組トップ交代へ トランプ氏、ツイッターで:朝日

今年6月17日の、米軍のトップであるマーク・ミリー統合参謀本部議長の米議会上院歳出委員会での発言があります。

「米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は17日、米議会上院歳出委員会の公聴会で証言し、中国が台湾に軍事侵攻する可能性を巡り、「近い将来に起きる可能性は低いと思う」との見解を示した。
 ミリー氏は「中国がそうしようとしても、台湾全体を攻め落とすだけの実際の能力を持っていない」との分析を明らかにし、現時点では中国にとって動機が薄いとの見方も示した。
一方、オースティン国防長官は、同じ公聴会で「台湾統一は間違いなく中国の目標だ。それを裏付けるたくさんの情報が得られている」と警戒感をあらわにした。その上で「台湾の防衛能力の向上支援を行っていく」とし、台湾への武器売却などの協力を続ける姿勢を強調した。

「近い将来」というのがどの程度の時間的スパンか分かりませんが、ミリーは「中国には台湾侵攻の能力がないし、動機が薄い」とみているようです。
それに強く反発したのが習の100周年演説で、総大将御自ら「なめるなよ、独立の気配を見せやがったら本気でやるぞ」、と叫んでいました。
これが米国と中国の掛け合いです。

たしかにミリーが言うように、今の中国が真正面から台湾海峡を押し渡ろうとした場合、膨大な兵員を運ぶ船舶数が足らず、制空能力も不足しています。
おそらくは、台湾周辺の島を落とすことすら困難でのではないでしょうか。
それほど渡海作戦というのは大気補な準備が必要で、それを隠しおおせることは困難です。
準備を開始すればすぐに衛星で探知されてしまいます。

ちなみにミリーは陸軍出身ですので、常に南シナ海や東シナ海において緊張関係にある海軍とは温度差があるようにもかんじます。

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ジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官  中国の台湾侵攻「多くの人が理解しているより切迫」 米軍司令官

アキノリー太平洋艦隊司令官はこう見ています。

「ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領から次期インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)は23日、上院軍事委員会の指名承認公聴会で証言した。アキリーノ氏は、中国による台湾侵攻が「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と警告し、対応策をとるべきだと訴えた。 アキリーノ氏は「台湾に対する(中国からの)軍事的脅威は増している」と指摘。「中国共産党が米軍を地域から排除することを目的とした能力を向上させている」とも強調した。
 その上で、中国軍の軍事的進出を押さえ込む「太平洋抑止構想」の実現に向けてインド太平洋軍が議会に要求した、2022会計年度(21年10月~22年9月)から6年間で270億ドル(約2兆9000億円)に及ぶ予算を承認するよう要請した」(2021年3月24日 産経)

中国との矢面に建ち、真っ先に矛を交えねばならない立場の海軍は、「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と考えているわけで、その「大多数」に陸軍のミリーが入るのかもしれません。
※関連記事宮古島沖、遼寧空母艦隊が通過の意味: 農と島のありんくりん (cocolog-nifty.com)

そこで中国がとるのが、いわゆる「三戦」で、そのルーツは人民解放軍の喬良、王湘穂両大佐が1999年に出版した『超限戦』です。
三戦とは、世論戦(輿論戦)、心理戦、法律戦のことで、要するに国際世論を味方につけ、相手をありとあらゆる手口を駆使して揺さぶり、そして勝手に自国の法律を作ってしまって合法とすることです。
これを現実にやって成功してしまったのが、南シナ海の軍事要塞作りです。

ロシアは「三戦」という表現こそ使いませんが、2014年のクリミア半島侵攻で実際に用いました。
まず所属不明の武装集団が突如登場してクリミア独立を叫び、ウクライナ軍司令部には強力なサイバー攻撃が仕掛けられて部隊との連絡さえつかないまま、併合される憂き目になってしまいました。

ちなみにこのときロシアがクリミア住民にやらせたのが「住民投票」という手口で、住民の自己決定権といった法的体裁で、他国を侵略してしまいます。
沖縄を中国が取りに来る場合、この手段を必ず使いますのでご注意下さい。
デニーがやった県民投票なども、その下慣らしですが、当人にその自覚はないでしょうがね。

それはさておき、ロシアはさらにクリミア半島だけではなく、東ウクライナでも、同じ手口で親露派軍事集団を出現させ、内戦に持ち込む事態になっています。
ただし国際世論を味方にするという部分は、中国ロシア双方仲良く失敗しており、いまや世界を敵にまわしてしまう結果になっています。

このようにこの「三戦」はある意味で非常に政治的な戦いで、米国は今から13年前に「三戦」を「ハイブリッド脅威」として理解していますし、遅まきながら日本もわかりかけてきました。
これはサイバー戦に備えるといったハード面だけではなく、政治戦でもあるのです。

たとえば、米国は台湾にワクチンを供与しましたが、その時三人の上院議員を台北に運んだのは米空軍15連隊所属のC-17戦略輸送機でした。

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米が台湾にワクチン75万回分、上院議員が米軍のC17輸送機で台湾を訪問

【台北共同】バイデン米大統領に近い米上院のクーンズ議員やダックワース議員ら一行が6日、米軍のC17輸送機で台湾を訪問し、新型コロナウイルスワクチン75万回分を国際枠組み「COVAX(コバックス)」を通じ提供すると発表した」(共同6月6日)

ここで米国は慎重に訪台の日づけと、その運搬手段を吟味してみせました。
まず、到着したのが6月6日、この日は米軍のみならず世界の軍事関係者ならピンと来るはずのノルマンディ上陸作戦日における決行日(D-Day)当日です。
しかも、中国が保有しないC-17という巨大長距離輸送機を使い、降りたところが台北のど真ん中の松山空港の短い滑走路です。
こじつけではありません。三人の議員とワクチンを運ぶだけなら、C-17などいりませんから。
民間航空機をチャーターすればいいのに、なぜ米軍一大きな輸送機で、それも台湾の首都に乗りつけたのでしょうか。

これだけでゲップが出そうなくらい意味がこめられています。
もし中国が、愚かにも台湾に侵攻したなら、米国は1944年6月6日のように、最大規模の台湾支援軍を送るぞ、それでいいんだな、という意味です。
中国はその意味に気がついて、珍しく妙に静かでした。

日本の政治家で、この「三戦」を理解しているのはごく少数で、安倍氏はその希少なひとりです。
安倍氏は岸氏などと共に、第2次天安門事件が起きた6月4日に合わせて台湾にワクチンを届けるという快挙をなし遂げました。
気がつかないのは日本のボケーっとしているメディアくらいなものです。
これは天安門事件がまだ終わっておらず、ウィグル・香港を忘れない、台湾を守り抜くぞという世論戦です。

もう既に台湾と尖閣諸島の防衛のための戦いは始まっており、このような一挙手一投足がすべてハイブリッド です。
そのためには、台湾-日本-米国の三カ国の連携をレベルアップせねばなりません。
米国はすでにトランプ時代から、台湾を代表事務所からワンランク上げて準大使館にする構想を持っていました。
そのために大きな建物を作っています。
この構想はバイデンにも受け継がれていますので、やがてここの警備要員として海兵隊が小規模配置されることでしょう。

また、台湾が常に曝され続けているハイブリッド戦の状況を、リアルタイムで日米台が共有する情報システムの構築も構想されていると聞きます。
日本も法律戦の一環として、尖閣に侵入され放題の現状から、領海法をしっかりと定めて法律戦で対抗する必要があります。
※関連記事『領海法がなくて、どうやって戦えというんだろう』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2020/08/post-77192f.html
『尖閣水域、なにが出来てなにができなのか?』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-61b0a9.html

このような日常的なハイブリッド戦対応こそが、中国の仕掛けてくる「三戦」に対する最大の防御なのです。

 

 

2021年7月14日 (水)

那覇市議会選挙、デニー知事のコロナ対策を無能と判定

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那覇市議会選挙で、「オール沖縄」の城間市長与党が大きく後退しました。
この市議会選挙は、全国ワーストの感染拡大県である沖縄におけるデニー知事のコロナ対策についての審判でした。
答えは不信任です。
今やデニーが底無しの無能人だということは、知らぬ人とていないわけですが、これが大票田の那覇市であからさまに数値化されてしまったというわけです。

那覇市議選 野党躍進19議席  与党1減14、市政に打撃 /沖縄
任期満了に伴う那覇市議会議員選挙(定数40)は11日、投開票された。野党系は19議席で改選前に比べて5議席を増やし、躍進した。与党は14議席で、改選前から1議席を減らした。中立は7議席となっている。投票率は46・40%と過去最低だった。
今回の市議選は城間市政への評価や新型コロナウイルス対策などが主な争点だった。秋までに実施される衆院選や来年の市長選、知事選の前哨戦にも位置付けられていた。城間市政や玉城県政を支える「オール沖縄」勢力にとって痛手となり、対立する自公は今後の選挙戦に向けて弾みをつけそうだ」(毎日7月12日)

党派別内訳は

「計63人の立候補者の内訳は、現職32人、新人28人、元職2人、前職1人。大票田の県都那覇の市議選結果は、秋までの衆院選沖縄1区や、来年の那覇市長選、県知事選の指標ともなる。
 政党別の公認は自民12人、公明7人、共産7人、立民3人、社大2人、政治団体「新しい風・にぬふぁぶし」2人、社民1人、維新1人。推薦は自民1人、社民1人。その他の政治団体から1人が立候補した。推薦を受けていない無所属は25人になる」(琉球新7月10日)

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那覇市議選、野党6増で過半に迫る 与党1減 女性最多 投票率最低46.40

●那覇市議政党別結果
・自民・・・12(3議席増 )
・公明・・・7(全員当選)
・共産・・・7(2議席減)
・立民・・・3(2議席増)
・社大・・・2(選挙前と同じ)
・社民・・・1(1議席減)
・諸派・・・1
・無所属・・・12議席
・過半数・・・21

デニー知事の与党である「オール沖縄」を支える共産・立民・社大・社民は、合計で1議席減らし14議席でした。
まぁ、元々ここの中核政党は共産党でしたが、翁長系が消え、財界人系が消え、社民と社大は存在感ゼロ、というわけで事実上デニーの支持与党は共産だけということになってしまいました。

一方、これに対抗する自民・公明は、過半数まであと2票と迫りました。
いままで翁長が残した新風会の後遺症に苦しんできましたが、やっとすっきり保守が貫けると思いきや、公明というおんぶお化けがくっついているんでしたっけ、あ~あ(ため息)。

さて今回の市議会選挙は史上最低の投票率46.4%でした。

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投票率低下に歯止め掛からず...那覇市、各種選挙で軒並み下がる<那覇

これはコロナ下では、当然です。
なんせ行政が音頭をとって、ウチナンチューが大好きな外で酒飲むな、友と語るな、選挙運動も自粛しろと、言っているのですから仕方ない。
こういう手足を封じられたような選挙では、組織を持つ政党が強いのはあたりまえで、風が吹かないと勝てない政党は苦戦します。

東京都議会選挙もそうでしたが、選挙運動ができない選挙では、鉄板の組織票を持つ党派しか勝てません。
共産党や公明党などがその典型で、公明など支持者の病人を車椅子に載せて投票所まで運んだなんていう話が武勇伝として残っています。
共産党員など、高熱が出ようと、親の葬式があろうと、子どもに熱があろうと、這ってでも行きます。
沖縄に限らず、日本には左翼の岩盤層が2割ほどいるといわれていますから、この鉄板の左翼支持票欲しさに立憲などは共産党にすがりつくことになります。
今度の衆院選は共産党が立憲にしがみついたのではなく、立憲が共産党に抱きついたのですからお間違いなく。
安易に「野党連合」など組むと、その政策が一気に共産党化していき、間違って政権でもとろうものならかつての民主党政権の二の舞になるのですが、ま、知ったことではありません。

自民も組織票があることはありますが、職能団体の支持と議員個人の看板が頼りですから、公明、共産ほどではありません。
最も怖いのは保守分裂です。
この悲劇が起きたのが、2014年末に起きた「翁長の反乱」でした。

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地方選挙はえてして泥臭いものですが、敵対陣営のトップがひそかに寝返って、自陣を切り崩すなどというのは聞いたことがない醜聞です。 
当時の翁長氏は、いわば仲井真内閣の官房長官なのです。
いままで辺野古移設を誰よりも推進してきた、当事者中の当事者、それも現場指揮官でした。
 
その彼が、仲井真氏から知事後継指名を受けなかったことを巡って、左翼陣営に寝返ったのですから、そのインパクトは凄まじいものでした。
その手足となって実行部隊を演じたのが、自民党那覇市議団・新風会でした。
彼らは翁長クーデター直後の名護市議会選では切り崩し工作部隊として暗躍し、翁長氏の「オール沖縄」合流への手土産とします。

しかし新風会の末路は哀れでした。
寝返った先の「オール沖縄」は、共産党が完全に支配していたからです。
当時、山路敬介氏はこう述べています。

「今や、会派としての那覇市議会新風会は消滅し、社・社・民に合流という憂き目となったのです。 
まさに「内側から食い破る」、共産党の面目躍如と言ったところです。 
共産党は公明党とは違うのです。そこに「話し合い」や「妥協」といった、緩いメンタリィーは存在しません。 
選挙協力欲しさに、政策的妥協が成立する事のない共産党と共闘を欲したすえの結果は明らかで、積極的な自由主義的経済政策は打てませんし、国からの正当な補助金を要請をする事もままなりません。 
翁長氏は経済政策について当初、「仲井眞知事方針の踏襲」というカタチで共産党にも一応これをのませましたが、続いて新規の色を出す事は困難な状況に追い込まれています。
さらに安慶田前副知事の失脚があり、憶測もありましたが断片的にも明らかになった事実からその経緯が語られる中で、深刻なオール沖縄内の確執の存在も浮かび上がりました。」(2017年8月19日)
『山路敬介氏寄稿 沖縄県の政治状況と翁長知事の実相その3 「新風会」の凋落と、伸長する共産党の思惑』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2017/08/post-7015.html

共産党が率いる「オール沖縄」と合流したことによって、恋い焦がれていた県政トップに立った翁長氏でしたが、彼には政策の自由はありませんでした。
知事としてしゃべっていいことは、ひたすら基地反対、移設反対だけ。
本来、翁長氏の得意だった基地を交渉材料にして、各種の補助をとりつける手法は封じられ、柔軟な対応はすべて禁止。
ひたすら九官鳥のように、「基地反対」と言っているしかない傀儡と化しました。

このあたりは、今のデニー知事と瓜二つです。
翁長氏もデニー氏も、共に沖縄革新陣営という老舗大店に婿入りしたよそ者です。
なにもしなくていいから、いや、しちゃならないから、基地反対、移設阻止とだとだけ言ってなさいと、姑姑や小姑から言い渡された入り婿のようなものです。
アチラの大店に跡継ぎがいなかったので、急遽婿に決まったようなもの。
初めは玉の輿と浮かれてみたものの、なにもやることがなし。
アクが強い、ギトギトの自民党地方政治家だった翁長氏と較べ、
デニー氏は県政について格段の持論もない薄口の男ですから、共産党は衛生無害な広告塔として彼を知事に据えただけのことです。
ほんとうは猿田氏が率いる新外交イニシアチブ(ND)などを県政に入れたかったのでしょうが、万国津梁会議にNDに便宜を図った談合疑惑で自爆。
そして予想だにしなかったコロナの襲来で、感染拡大は全国ワースト、県経済は壊滅です。

この新風会も合流するや、たちまち無力な「オール沖縄」陣営の異物として干されていきます。

「これは、「やがて新風会勢力の伸長とともに、共闘しても共産党等を押さえ込めるだろう」とか、「共産党ともイーブンの話し合いや妥協が可能だろう」と考えた翁長知事の誤算です。
翁長氏は経済政策について当初、「仲井眞知事方針の踏襲」というカタチで共産党にも一応これをのませましたが、続いて新規の色を出す事は困難な状況に追い込まれています」(山路前掲)

さてその新風会は、今回わずか3議席を残して、中心議員は枕を並べて全員討ち死しました。
もはや用済み。誰ひとり惜しむものもいません。
裏切り者の末路といえばそれまでですが、神格化されて「島の英雄」とさえ祭られる翁長氏に比して、その子分たちの末路はまことに哀れではあります。

もう「オール沖縄」なんて言い方は、新風会は事実上消滅し、財界人も去った今、誇大表示ですからさっさとやめていただきたい。
「オール左翼」か、いっそう「ぜんぶ共産党」と名称変更したらいかがでしょうか。
そもそも、「野党共闘」などという人民戦線方式は、この沖縄から始まって、その成功に気をよくした共産党が全国に広めたものです。

というわけで、那覇市民はデニー氏のコロナ対策に、きっぱりノーを突きつけました。
彼は再選をめざすかどうか言葉を濁しているようですが、デニー氏としてはやりたくないでしょうし、共産党もとっくに彼を見離していることでしょう。
なにも自由に言えない籠の鳥。自分の政治勢力を作ろうとすれば叩き潰されるし、基地基地チバッタ以外なにも求められていないのですから。
デニーさん、あなたは知事に、というか政治そのものに向いていない。
悪いことは言わないから、元のタレントに戻るのがいちばんです。

とまれ、デニー知事には不信任を突きつけられ、とっくに政治生命を失っていた翁長県政の残り香である新風会も消滅しました。
沖縄の政治構図はいっそう鮮明になり、自公vs共産の直接対決が浮かび上がってきました。

 

 

 

2021年7月13日 (火)

西村発言、これで自民大敗の道は敷きつめられた

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とうとうやっちゃいました。 西村発言と4回目の緊急事態宣言、そしてとどめに五輪無観客のトリプルです。
五輪メーンスタジアムの横の神宮では、連日満員で野球やっているのにね(失笑)。
つられて福島の五輪も、なぜか無観客にするとの福島県知事。
茨城県知事も、夏のロックフェスも中止としたそうで、大井川さん、あたしゃあんたに二度と入れない。

これらすべては、菅首相の政治判断ひとつでやらずに済んだことですから、メディアの同調圧力の「風」に負けた菅首相に責任があります。
なにが「先手先手」です。先手なのは秋の衆院選の大敗の先取りだけです。
直近の読売の世論調査では、内閣支持率37%、自民党支持率36%、合わせて73、青木率がここを切ると敗北するとした60%台ラインまでもう一歩です。
自民党大敗、過半数割れの道は敷きつめられたと見てよいでしょう。

まさに小池と二階の思うつぼです。
自民党には入れたくないが、かといって立憲に入れれば共産が付録で着いてくるし、もう二度とあんなハトカン時代の悪夢は見たくない。
となると、外見はいちおう保守で、自民よりちょっと左のところに入れるしかないのです。
ありましたね、そんな自民党におしおきしたい気分にピッタリの政党が。
もちろん都民ファーストです。この全国版を作れば雪崩的に勝つでしょう。
浮き足だった自民にはもう止められない。
中谷のように、小池がまだなにも言わない内から合流しようと秋波を流す始末です。

この人、バリバリの保守が売り物なんですがね。

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「自民党の中谷元・元防衛相は7日、谷垣グループの会合で「政局を安定するために、衆院選後に『小池新党』と保守合同を真剣に検討すべきではないか」と述べた。今後、東京都の小池百合子都知事が国政で新党を立ち上げた場合、連携すべきとの見方を示した。
 中谷氏は、4日投開票の東京都議選で自民党の議席が伸び悩んだことを受けて「おごりとたるみの体質への反省が足りない。こういうことはしっかりと踏まえないと(衆院選に)勝てない」と強調。その上で、「政権安定のため」として、小池氏が今後新党を結成した場合に協力すべきだと訴えた」(朝日7月7 日)

しかし私は中谷の読みは違っていると思います。
中谷は「新党を小池がたちあげたら」といいますが、もうそんなまだるっこいことを小池がするとは思えません。
第一、そんな小池新党には誰がくるんでしょうか。
かつての旧「希望の党」が出来た時のように、旧民主党が大敗・分解したという状況はない以上、新規党員一般公募でもするんでしょうかね。
そんなものを作っても、都民ファのように高邁な理念しか言わない使い物にならない者の烏合の衆にすぎません。
小池はそんな手間隙をかける気はない。

彼女がやるとしたら、二階に受け皿を作らせて自民党の古巣に戻り、そのご威光を背にして小池党を党内党として作ることです。
受け入れる二階のほうは、小池を総理に押し上げ、彼女を使って事実上の二階政権をつくることができるでしょう。
文字通り二階建て政権で、これで今までナンバー2に甘んじていた二階は自民党の隠れ党首となることができます。
つまり今既に出来上がっている小池と二階のウィンウィン関係を、党内に持ち帰るだけのことで、互いに「自民党内小池新党」のほうが、早い安いうまいの三拍子揃っているわけです。

一方、寄生される自民党の側には、小池アレルギーは強烈にあるでしょうが、いくらでも処方薬はあります。
なんといっても、小池が自民に戻ることで、すぐそこに迫る衆院選に過半数割れを起こさないかもしれないことです。
あの東北の鈍牛では勝てない、小池サマなら、という迎合気分は横溢しています。
小池があの都議会議員選で見せた大衆的人気とやらを利用すれば、自民から離反するであろうオシオキ票はつなぎ止められるかもしれないという幻想を多くの議員に与えることができる、あんた落選しなくていいよ、これは効くでしょう。
これが中谷のいうように「保守は安定」し、自民は大敗を回避できるという自民側の色気です。
ただし、この私も含めてですが、そんな小池-二階連立政権などには、なんの未練もないという層が大量に生まれることでしょうが。

ところで件の西村の発言はこうです。

「政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき東京都に4回目の緊急事態宣言を発令するにあたり、西村康稔経済再生担当相が打ち出した対策が波紋を広げている。西村氏は、コロナ特措法に基づく休業命令などに従わない飲食店に「金融機関を通じて働きかける」と表明したが、法律的な根拠が不明確なうえ、脅しめいた手法だとして内外の猛批判を浴びている。政府・与党は火消しに躍起だ。
「金融機関は(飲食店と)日常的にやりとりを行っている。法律に基づく要請や命令なので、順守していただけるよう金融機関からも働きかけを行っていただきたい」
問題の方針は8日夜、西村氏が記者会見で明らかにした。飲食店に融資している金融機関と情報共有して働きかけを行うため、関係省庁と協議を進めているとも説明した(産経7月9日)
西村氏「働きかけ」発言、政府火消しに躍起 「圧力」「恫喝」反発強く(産経新聞)

呆れてモノが言えない。私が首相なら、即時に辞表の提出を求めます。それも即座です。
こういう国民をナメた発言をした担当大臣は厳罰に処さねば示しがつきません。
それが正しいダメージコントロールですが、菅は遅い。
そもそも西村は自分がナニを言ってしまったのか、わかっているのでしょうか。

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西村氏「酒提供店に金融機関から働きかけ」 発言、与党幹部からも苦




いわく、グルメサイトから利用客情報を取って種類を出した飲食店に圧力をかける、今回は「金融機関を通じて圧力をかける」ですか。
これが密告の奨励、金融機関を使った陰湿な締めつけだと気がつかないのなら、西村はそうとうに馬鹿です。
これを聞いた国民の側は、酒類出したらチクラれる、ただでさえ遅れ気味な休業補償も出なくなるそう思うでしょう。
思って当然です。そう言ったんですから。陰湿にもほどがある。
この緊急事態宣言が4回も引き延ばされて先が見えない状況下で、金融機関に資金繰りのカネが引き剥がされたらのたれ死ぬしかありません。
こんな簡単な国民心理がわからないから、灘高、東大法学部、経産省官僚という偏差値秀才は嫌いです。
西村は、飲食業界からこういう声があがっていることを知っているのでしょうか。
たぶん知らない。
この締めつけは、霞が関3官庁で仕組んだといわれているそうですが、生きた世間を知らない世界の住民でしたできないことです。
「ただ、飲食業界だけが〝狙い撃ち〟される不信感や反発から、酒類を提供する店は増えているとの指摘もあり、規制強化が悪循環に陥っている恐れもある。
「信頼関係で成り立っているのに(店から酒を)頼まれて断るなんてできない。考えた人間はよっぽど世間知らずだ」。東京都新宿区の業務用酒販店「佐々木酒店」の佐々木実社長(66)はそう憤る。
内閣官房と国税庁は8日、問題店舗との取引を止めるよう、卸売業者に文書で要請した。佐々木氏によると、飲食店は納品に訪れる卸売業者に店の鍵を預けるほど、普段から強い信頼関係がある。いくら政府の要請でも、強制力のない今回の措置に「従う業者はいないだろうね」と話す」(産経7月12日)
西村さん、正気ですか?
正気だと言いたいなら、酒類提供とクラスターの因果関係の科学的データーを見せて下さい。
ついでに西村が好きな緊急事態宣言と、その効果の科学的因果関係をきっちり証明するデーターも下さい。
どちらもないから、今まで出せなかったのでしょう。
去年くらいまでは、重症者様ベッド数がこれを割り込んだら医療崩壊につながるので緊急事態宣言を出す、という目安がありましたが、いまはなにがなんでも出す。これしかやりようがないから出す。為政者がやっているふりができるから出す。
政府と自治体は、経験を重ねれば重ねるほど判断が劣化していくという珍しいことをしています。

西村は批判を受けて独禁法の強い立場を使った圧力に当たるという言い方で発言を撤回したようですが、言い方が違います。
こんな時期に国民の間に密告を奨励し、金融機関に圧力をかけるなんて愚かな発言をして申し訳なかった、です。
その上、既に実際に国税庁は同様の「お願い」を酒類卸売に出しているとも聞きます。
撤回するなら、こちらも撤回しなさい。

そもそもクラスタ発生場所における飲食店の割合は低いのですから、なぜここまで親の仇のように酒類提供をやり玉にあげるのでしょうか。
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上のグラフのように、職場と家庭内が最も多いのです。よもや「不明」が全部飲食店だとでも。

西村の本来の肩書が奮っています。こともあろうに「経済再生担当大臣」です(苦笑)。
「経済焼け野原担当大臣」に変えたらどうですか。
さっさと辞表を書いて、飲食店の懺悔行脚でもしなさい。
それそも、どうしてここまでナーバスになるのか、私には理解できません。
現在の東京都の感染状況です。
70代が激減し、60代も減少傾向、増えたのは40代から50代です。
逆にいえば、増えたといっても発症率が低い世代だけのことです。
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NHK
これがNHKのフィルターを通すとこういうことになります。
新型コロナウイルスに感染して重症となった患者は、感染が再拡大している東京都では40代から50代で増加し、ことし春以降の感染拡大の「第4波」のピーク時をすでに上回っています。
全国の重症患者数は、ことし5月26日の1413人をピークに減少が続き、10日時点で428人となっている一方、感染が再拡大している東京都では先月26日には37人だったのが、10日時点で63人と増加しています。
特に増えているのが40代から50代の重症患者で、先月18日には4人でしたが、徐々に増え、先月27日には11人、そして今月6日には26人と感染拡大の第4波で最も多かった5月11日の25人を超えました。今月7日には28人となっています」(NHK7月11日)
ここでNHKは70代で重症患者が減っているということにポイントを置かず、40代~50代で増えたということを前面に押し出しています。
そりゃ増えもしますよ。経済のエンジンのアクセルをほんの少し踏み込みましたからね。
うちの国は今、「コロナ対策」と「経済」というふたつのアクセルペダルがあるのですが、去年GOTOトラベル・イートで少し吹かしたところメディアから感染が拡大したのは政府のせいだぁ、とねじこまれ、たちまちびびって、以後「コロナ対策」のベタ踏みです。
かくして何がおきたのでしょうか。
国民のコロナ疲れです。
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上は東京都の65歳以上のワクチン接種者ですが、1回目で75.25%、2回目で48.58%です。
つまり65歳以上のもっとも危険な年齢層においては、すでに接種済みが過半数に達しており、遅くともあと数週間でほぼ8割に達するでしょう。
1日100万回はおか200万回に達しようという勢いです。
この状況はのどこが、緊急事態宣言4回目(!)などするような状況なのか、私にはまったく理解できません。

神宮でプロ野球見ている横で無観客のオリンピックだなんて、もう力なく笑うしかありません。
さぞかし世界の笑い物になることでしょう。
もはや菅の西村更迭しかありません。それも対処療法ですが、やらないよりましです。
いずれにしても、菅の続投はこれで消えました。

 


2021年7月12日 (月)

習近平の中国共産党100周年記念演説を原文で読む その2

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土曜日に一回アップした記事の後半です。大幅に加筆いたしました。
加筆すればするほど書かねばならないことが山積しているのに気がつき、われながら仕方ないこれでいったんは打ち切るか、という気分です。
この中国共産党史は、今の中国がなぜこのような「異形の大国」になってしまったのかを知る上で大変に重要ですので、そのうちシリーズでゆっくりやってみたいと思っています。
それにしても今回このテーマを取り上げると、中国共産党関係史料の9割までが、中国共産党の眼からのみの視点に沿っていることに、あらためて驚かされました。
特に学界関係はひどい。
日本側証言も、戦争がからむと完全に贖罪一色で、メディアは「反戦・親中」の方向からしか証言を採集してきません。
自然、出来上がるものは、中国共産党礼賛、毛沢東マンセイというものばかりです。
これでは中国共産党100周年に対して、「困難な時期を乗り切った偉大な党」などと平気でオベンチャラを言う日本の政治家が出て当然だ、と感じた次第です。

というわけで、今回は生煮えですので、ご勘弁下さい。

                                              ~~~~

承前

習がいう「解放戦争」とやらは、日本軍相手でヘロヘロになっていた国民党軍を、満を持して台湾に追い出した内戦にすぎません。
当時「八路軍」(第8軍団ていどの意味です)と呼ばれていた共産党軍は、日本軍とはまったく戦おうともせずにひたすら逃げ回って勢力温存し、「その後」に備えました。
これについてはこちらの記事をお読み下さい。
※関連記事『戦争中に何もしなかった中国共産党軍 ケーススタディ平型関大捷』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-b7ff.html

そもそも日中戦争は、延安に逃げ込んでいた共産党を救い、連合国からの援助をもたらす福音だったのです。
毛沢東は「オレたちが勝ったのは日本のおかげ」と常日頃口にしていたそうです。
日中戦争なくしては、共産党は権力を握るどころか、国民党の討伐の本格化によって崖っぷちに追い込まれていました。
単に国民党軍による包囲網が狭まっただけではなく、1930年の江西紅軍1万人処刑事件にみられるような粛清の嵐が原因でした。
たぶん日中戦争が勃発しなければ、1930年代の末には延安の辺境で山賊として消滅していたはずです。

1944年4月から12月にかけて実施された本日本軍50万人に及ぶ大陸打通作戦は、作戦自体は成功したものの、結果としてはまったく無意味に終わりました。
目標は桂林のB29基地壊滅だったのですが、作戦終了時には、すでにサイパンから東京空襲がなされてしまっていたからです。
しかし、蒋介石の率いる国民党軍を追い散らしながら南下したために、蒋介石軍の受けた損害は巨大でした。
一説で約60万もの国民党が全滅したために、連合国軍中最弱の中国国民党軍勢力を叩くという目的には成功しました。
副次的には、米国はこの弱いくせに援助ばかり欲しがる国民党軍に愛想を尽かし始めていました。

一方、この大陸打通作戦により、華北の国民党軍は一掃され、ここに大きな軍事的空白が生じました。
その隙間を縫って共産党軍は、華北に軍事的拠点を置くことに成功しました。
日本が敗勢に追い込まれた1945年頃には、共産党軍の温存した兵力は127万に達し、元々日本軍が手薄だった華中にも浸透しました。

この時点になると、米国は国民党を見限るようになります。
いくら支援でカネと軍事物資を与えてもザルのように横流ししてしまい(その一部は共産党軍に渡りますが)、私腹を肥やすことになったからです。
そして同時期に、アグネス・スメドレーやエドガー・スノーなどの共産党員ジャーナリストによる、「毛沢東はコミュニストではなく、清廉質朴な民族主義者だ」という宣伝が米国内に浸透していきます。
これも巧妙に仕掛けられた世論操作でしたが、米国はその支援の軸足をやがて国民党から共産党軍に置くようになります。
たとえば華中では米軍と共産党軍との間に、緊密な情報網の構築がなされ、米軍上陸時の共同作戦のために軍事物資の提供が行われたほどです。
この米国の国民党切り捨て・共産支援のスタンスは、日本の敗戦後も継続され、米国の国共内戦における共産党の勝利の背景になっていきます。

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上の写真は、終戦直後の1945年8月に撮られた延安時代の毛沢東のものですが、前列左から朱徳、張治中(国民党)、イヴァン・イートン大佐、後列右に小さくなっているのが毛沢東で、その横にいるのが顔は見えませんがハーレー駐華米国大使です。
毛沢東が米軍将校の後ろで縮こまっているのが笑えます。
このように日中戦争が起きることによって、滅亡寸前の共産党は首の皮一枚で救われることになったのです。
ある意味、共産中国を作ったのは、日本と米国なのです。
まるで、今の「GDP世界2位」のモンスターを作ってしまったのが、これもまた日米であるように。

それが習の意識の中では、こういうことになってしまうのですから、失笑します。

「中国共産党と中国人民の勇敢で強固な奮闘をもって中国人民は立ち上がり、中華民族が搾取され、辱めを受けていた時代は過ぎ去ったことを世界に厳かに宣言する」

わ、はは、なにをおっしゃるウサギさん、共産党は少しも抗日戦争で戦わなかったし、むしろ当時の中国の正規軍たる国民党軍が日本軍に敗退し続けることを喜んでいました。
そして外国によって「辱めを受ける」どころか、勝たせたのは米国ではありませんか。

共産党が戦ったのは、あくまでも同胞たる中国人だけであって、中国共産党の歴史とは他の中国人同胞を迫害し、粛清し続けた歴史なのです。
これだけ権力を取るまでに人を殺しまくった集団は世界にもありません。
権力を握ってから粛清しまくったのはソ連も一緒ですが、中国共産党は取る過程で敵味方の区別なく殺戮しまくったのですから、なんとも凄まじい。
それが習にかかると、こういうふうに表現されます。

「歴史を教訓とし、未来を切り開くには、人類運命共同体の構築を絶えず推進しなければならない。
中華民族は平和、和睦、調和を5000年以上に渡って追求し、継承してきた。中華民族の血には、他人を侵略し、覇権を追求する遺伝子はない。
中国共産党は人類の将来の運命に心を配り、世界のすべての先進的な力と協力して前進する。中国は常に世界平和の建設者であり、世界の発展の貢献者であり、国際秩序の擁護者である」

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www.newsweekjapan.jp

「世界平和の創造者」で、「中華民族の血には他人を侵略し、覇権を追求する遺伝子はない」、ってアキサミヨー、どの口が言うかね。
中国ほど露骨に他国を侵略し、南シナ海を要塞化し、少数民族を奴隷化した国はありませんでした。
中国共産党が持っている遺伝子とは、富んだ者を殺して盗んだ匪賊の血。
そしてその体内に残るのは、党内粛清で屍の山を築いた遺伝子です。
大躍進政策、文革と、中国人同胞を数千万人単位で殺しまくり、その遺伝子がいまや世界の覇権を求めて、世界に向かっています。
それが一帯一路です。

しかし今や世界第二位の経済大国だ、文句あっか、ふんふんと、と習は大いばり。鼻息が荒いこと荒いこと。

「閉鎖や半閉鎖から全方位開放への歴史的転換を、生産力が相対的に遅れていた状況から経済の総量で世界第2位に躍り出る歴史的突破を、人民の生活で衣食が不足していた状況から総体として小康社会を、さらに全面的に小康社会に向かう歴史的な飛躍をそれぞれ実現した」
中華民族の偉大な復興の実現のため、新しい活力にあふれた体制上の保障と急速発展の物質的条件を提供した。中国共産党と中国人民は勇敢で強固な奮闘をもって世界に厳かに宣言する。改革開放こそが現代中国の前途と運命を決める鍵となる一手であり、中国が大股で時代に追いついたのだ」

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習はよく知っているはずですが、鄧小平路線を否定し、鄧を粛清した毛沢東の頃に戻ろうとしているのが、この習です。

「歴史を鑑として、未来を切り開くには、中国人民が団結して美しい生活のために奮闘しなければならない。江山(天下)は人民であり、人民は江山である。江山を勝ち取り、江山を守るのは、人民の心を守るということだ。中国共産党は人民に根ざし、血液は人民にあり、力量も人民にある」
「中国共産党は常に最も広範な人民の根本的な利益を代表し、人民と苦楽をともにして一致団結し、生死を共にし、自らのいかなる特殊な利益もなく、いかなる利害集団、いかなる利権団体、いかなる特権階級の利益も代表しない。中国共産党と国民を分割して対立させようとするいかなる企ても、絶対に思いのままにならない。9500万人以上の中国共産党員も、14億人余りの中国人民も許さない」

聞くほうが恥ずかしいような美辞麗句ですが、共産党が「人民と苦楽をともにして一致団結し、生死を共にし、自らのいかなる特殊な利益もなく、いかなる利害集団、いかなる利権団体、いかなる特権階級の利益も代表しない」ですって。
共産党が代表しているのは一握りの9500万人の党員の富と特権だけ。
ダイヤモンドを散りばめたスマホを持ち、フェラーリに乗って、愛人を数十人囲うことが、共産党員の「江山を守る」ことです。
その一部の共産党員という絶対富者を守る体制を維持するために、デジタル監視網で国民を監視し、いささかの異論も許さない社会を作ったのです。
それがどのようなものかは、ウィグルと香港の人々がもっともよく知っているはずです。
世界最悪最強の全体主義国家、それが中国です。

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特別リポート:中国習近平の「強軍戦略」、米国の優位脅かす | Reuters

そして詰まるところは、独裁を擁護し、全体主義を守るための軍隊がこの国の大黒柱です。

「新しい道のりでは、新時代の党の強大な軍隊の思想を全面的に貫く。新時代の軍事戦略の指針を堅持し、人民解放軍に対する党の絶対的な指導力を維持し、中国の特色ある強大な軍隊の道を歩み続ける。
政治建軍、改革強軍、科技(科学技術)強軍、人材強軍、法に基づき統治された軍隊を全面的に推進、人民解放軍を世界一流の軍隊へと建設する。より強力な能力と防御するための信頼性の高い手段で人民解放軍を建設すれば、国家主権、安全、発展の利益を守ることができる」

中国にあっては、政府は軍隊であり、軍隊は共産党なのです。
世界最大の私兵集団、それが人民解放軍、いや今様の「紅軍」です。
「政権は銃口から生まれる」といって暴力で政権を握り、軍隊を使って国内をまとめ上げ、そして今や世界の覇権を軍隊の力で握れ、それが習の言う「政治建軍」の意味で、このあたりはまったく山賊時代の共産党「紅軍」となんら変わりません。

こういうブラッディ・チャイナに100周年だといって祝辞を贈る者もいるのですから、ため息しか出ません。

 

 

2021年7月11日 (日)

日曜写真館 そよ風に座る者待つ蓮の花


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かたなりに花吹きこほす蓮哉 正岡子規

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むすめと母と蓮の花さげてくる 種田山頭火

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さきいても声おとなしや蓮の風 正岡子規

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しづまりて微動だもせぬ大蓮田 山口誓子

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一輪の蓮田に咲けり人遠く 山口青邨

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いまが死にごろか白蓮花ひらく 桂信子

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2021年7月10日 (土)

習近平の中国共産党100周年記念演説を原文で読む その1

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中国共産党建党100周年での習近平の記念演説、いわゆる「七一演説」は退屈でした。
日経7月2日で、原文に当たっておきます。
さまざまなところで言われているように、キモはこの「台湾独立を粉砕する」と言い切った部分です。

「台湾問題を解決し、祖国の完全な統一を実現することは、中国共産党の変わらぬ歴史的任務であり、中華の人々全体の共通の願いだ。
一つの中国」の原則と(それを認め合ったとする)「92年コンセンサス」を堅持し、祖国の平和統一プロセスを推進する。
両岸の同胞を含むすべての中華の人々は、心と心を一つにし、団結して前進し、いかなる「台湾独立」のたくらみも断固として粉砕し、民族復興の美しい未来を創造しなければならない。いかなる人も中国人民が国家主権と領土を完全に守るという強い決心、意志、強大な能力を見くびってはならない」

福島香織氏によると、これを習が言ったのは初めてだとか。
ただしこの演説全体のトーンが、すべからく受け身なんですよ。
だって顔色悪いんだもん。人民服を着込んで、さえない表情で、「台湾独立のいかなる陰謀も絶対粉砕する」なんて言ってもなんだかな、です。
下の写真のようにブイブイ言わしていたのは至って少なく、それも「中国人民が国家主権と領土を完全に守るという強い決心、意志、強大な能力を見くびってはならない」で受けてしまっては、ただ「みくびんなよー、わかってんだろうな、人民よ」と言っているだけになってしまいます。

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中国共産党100年記念式典 習近平氏、一党支配の優位を強調

あらら、ここで「見くびってはならない」ですか。
これは完全に主権国家として別個の民主主義国家に成長している台湾に対する侵略宣言なのですから、こんな受け身の言葉を使ってはならないのです。
見くびるななんて言葉を、独裁者が安易に言ってはいけません。
これではプライドを傷つけられたから、侵略してやるということになってしまいます。
どうやらG7が「中国対策委員会」となったために、やっと遅ればせで世界の孤児となったことに気がついたようです。
たぶん党内で、お前が突っ走ったからこうなったんだ、という突き上げにでもあったのでしょうか、習は大変に追い込まれた心理状況にあるようです。

こういう心理になると、今までは思う存分周辺国をいじめ抜いてきたくせして、鼻柱を押えられるといきなり「被抑圧民族」に変身して見せるのですからなんてご都合主義。

「中国人民は正義を重んじ、暴力を恐れない人々である。中華民族は強く、誇りと自信を持つ民族である。 中国人民は、いじめや圧力、他国の人を奴隷のように酷使するようなことは、過去も現在も未来も決してない。同時に、中国の人民は、外部勢力によるいかなるいじめ、圧力、奴隷のように酷使されることを決して許さない。故意に(圧力を)かけようとすれば、14億人を超える中国人民の血肉で築かれた「鋼鉄の長城」の前に打ちのめされることになるだろう」

「奴隷にはならない。14億の人民の血肉で築かれた鋼鉄の長城作れ」って、おいおいこれ以上血を流すつまりですか。どれだけ殺したら気が済むのか。
現在進行形でウィグルでは民族絶滅を図り、香港で民主主義を根絶やしにしておいて、なにが「過去も未来も正義を重んじ」もないもんだ、と思います。
しかし習の脳味噌の中だけでは、自分ら中華民族は外国の暴力にさらされるひ弱な存在なのだ、という倒錯した自画像があるから困ります。
小心なのでキレやすいのです。

だからこそ今さらの如く、中国共産党政権の怪しげなレジティマシイ(正統性)にしがみつきます。

「中華民族の偉大な復興を実現するため、中国共産党は中国人民を束ねて率い、血まみれになって戦い、幾度の挫折にも屈せず、新民主主義革命による偉大な成果をあげた。
我々は北伐戦争、土地革命戦争、抗日戦争、解放戦争を経て、武装した革命をもって武装した反革命に対抗し、帝国主義、封建主義、官僚資本主義という(中国人民を苦しめた3種の反動勢力である)「3つの大きな山」を覆し、人民が主人公となる中華人民共和国を立ち上げ、民族の独立と人民の解放を実現した」

ここで習が並べてみせた北伐戦争、土地革命戦争、抗日戦争、解放戦争ですが、4つのうち三つまでが内戦です。
つまり中国共産党の正統性とは、内戦、すなわち中国人相手に血を流した結果得られたものにすぎないということになります。
それもここで並べた最初に出てくる北伐戦争を行ったのは、蒋介石率いる国民党軍です。
北伐とは、蒋が孫文の遺訓に従って北の軍閥を打倒した戦争でしたが、それが始まったのは1926年。
当時共産党は自力の軍隊はおろか、独立した政治グループですらなく、ひたすら身元を偽って国民党内部に潜入していた浸透作戦の真っ最中でした。
周恩来は広州にあった国民当軍士官学校「黄埔軍官学校」の副校長で、蒋介石は上司にあたる校長でした。
毛沢東の肩書など、国民党宣伝部長(プっ)です。

これを「第1次国共合作」などと言っていますが、実際に共産党がやったのは、統一の戦いではなく、ひたすら国民党の内部に潜入し、遺伝子を書き換えて多くの共産党幹部を作ることでしかなかったのです。
実際にこの黄埔軍官学校からは、後に共産党軍の大将クラスが輩出することになります。
なんのことはない、蒋介石は自分の党内に共産党の人材ソースを作ってあげてしまったわけで、これにやっと気がついた蒋は1927年に、共産党を叩き出します。

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黄埔軍官学校副校長兼政治部主任の周恩来 。着ているのは国民党軍の軍服。

まるでCOVID-19みたいでしょう。
この他の体内に静かに潜入し、遺伝子を書き換えて我が物とするという浸透戦略は、いまだ共産党のオハコです。
自由主義国の内部に浸透し、公的機関を乗っ取ったり、政党や民間団体をいつのまにか共産党の拠点に書き換えていってしまいます。
気がつくと国家のあらかた中国に乗っ取られてしまい、属国になってしまっています。
これが露になったのがオーストラリアで、サイレント・インベンジョン(静かな侵略)と呼ばれています。
米国も散々やられていますし、日本も当然最大の標的です。

それはさておき、共産党は、追い出されてヤケのやんぱちでやらかした南昌蜂起が大失敗に終り、ほうほうのていで農村に逃げ出しました。
ちなみにこの1927年8月1日を、人民解放軍は建軍記念日としています。
ほんとうはただの失敗記念日なんですがね。

では、逃げ出した先の農村で共産党が何をしていたかといえば、「一村一焼一殺」です。
当時、共産党が掲げていたスローガンは、1927年の「蜂起決議案」にありますが、血みどろのものでした。
作ったのは当時の党首だった周恩来ですが、そこで三つの方針を定めます。
周はハンサムなんでだまされますが、共産党のスパイ網のボス、そして虐殺作戦の総指揮官で、毛沢東とは違ったタイプ゚の冷血漢です。

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一村一焼一殺

その周が叫んだのが、「我々は反革命軍人を殺さねばならない」。これは国民党軍と血みどろの戦いをするぞということですが、2番目からがスゴイ。
「我々は反動的官吏たちをいっさい殺戮せねばならない」、「我々はすべての土豪劣紳を殺さねばならない」。
ほとんどの日本人には意味すらわからないでしょう。
なぜなら、日本でこんなことをやろうとした政治団体など、連合赤軍かオウム真理教くらいしかいないからです。

これは当時国土のほぼすべてを占めていた農村で、「土豪劣紳」、すなわち旧家、素封家を殺し尽くし、彼らの財産を奪えという指令だからです。それをノルマ化したのですからなんともかとも。
彼ら共産党がこういう富農や地主相手にとったのが、「一村一焼一殺・外加全没収」です。
これはひとつの村で必ず一人の地主を家族もろとも殺せ、必ず一軒の地主の家を焼いて見せしめにしろ、全財産を没収しろ」というものでした。

これを実際にやったのが、「紅軍」と名乗っていた毛沢東とその配下の流民、つまりゴロツキやお尋ね者たちでした。
地平線を見て凛々しく進む人民大衆なんてシャレたもんじゃなく、暴力に馴れ親しんだあぶれ者たちが作ったのが中国共産党軍だったのです。
だから「三大規律・八項注意」なんていう、軍規というのも恥ずかしい盗むな、犯すな、命令なく殺すな、なんてわかりきった規則を作らざるをえなかったのです。

このように習のいう「土地革命戦争」とやらは、地主や富農を殺しまくった虐殺の歴史のことで、とうぜんのこととして当時の政府にから殺人強盗として追跡され、逃げ道を失って辺境にまで逃げたのが長征でした。
長征というと前に進め、という感じですが、後ろに向かっていたのです。
ひたすら国民党に追跡されて、命からがら逃げ回っただけのことですからね。
しかも逃げながら大量の仲間殺しさえ発覚しているのですから、こんなときにも粛清嗜好は直らないとみえます。

(続く)

 ※当初一回分でアップしましたが、あまりにも長すぎたので後半を切りました。月曜日に回します。

 

2021年7月 9日 (金)

熱海土石流原因続報

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熱海の斜面崩落の起点と見られる盛り土について新事実が公表されました。

「静岡県は、土石流の起点となった場所をドローンで撮影し、4日に映像を公表した。起点は、熱海市内を流れ逢初(あいぞめ) 川の河口から約2キロ上流にある。
県は2010年以降のデータから、起点付近に開発行為で約5・4万立方メートルの盛り土があったと推定。今回の土石流で、このうち5万立方メートル以上が崩落したとみている。1ヘクタールの土地を5メートルかさ上げするだけの量に当たり、県は「この崩落が土石流を誘発したかは不明だが、被害を甚大化させたと推定される」としている。
専門家からは、崩落した盛り土の安定性を問う声が上がる。東京大の堀田紀文准教授(砂防工学)は「一般的に、盛り土は自然の斜面より崩壊の危険性が高い。今回崩れた盛り土は、水が集まりやすい谷に造成されたため、大雨で著しく不安定になっていた可能性もある」と指摘する。 一方、土石流が複数回発生した可能性もあり、三重大の堤大三教授(砂防工学)は「盛り土よりも下の斜面で先に崩れたり、大雨で浸食されたりして土石流が発生し、盛り土が支えを失って崩れた可能性も否定できない」としている」(読売7月5日)

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1ヘクタールを5mのかさ上げとは唖然となる規模です。
この業者はいわゆる札付きで、今までなんどとなく違法行為を働いていて、県から指導を受けていたそうです。

「今月3日、静岡県熱海市で発生した土石流で、土石流の起点にあったとみられる盛り土は、12年前からの造成工事で土砂が搬入されましたが、静岡県によりますと、届け出よりも開発地域を広げたことや、盛り土に産業廃棄物が混じっていたことが発覚し、盛り土を行った事業者に対し、当時、県と市が是正するよう指導していたことがわかりました。
熱海市伊豆山で起きた土石流で、静岡県は、上流の崩れた盛り土が「被害を甚大化させたとみられる」として、盛り土がされた状況などの調査を進めています」(NHK2021年7月7日)

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そもそもこの盛り土のある場所は土砂流防保安林ですから、当然伐採や盛り土などの開発行為自体が禁止です。
しかし開発許可なく盛り土がされていたわけです。
監督官庁の静岡県は、なぜかこのページを閉めてしまいました。
意図的に見せなくしたわけではないと思いたいのですが、監督責任が問われている時期だけに、静岡県は梨花に冠を正さずであるべきでしょう。

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この神奈川県小田原市の業者は当該の土地を取得し、熱海市に造成許可を得た後に、無許可で申請外の地域(しかも土砂流防保安林!)の森林を伐採して盛り土工事を始めたそうです。
そしてそこに産廃の木屑とか土砂をどんどんと投げ込んで造成してしまった、ということのようです。

「7日午後、会見を開いた静岡県の難波喬司 副知事によりますと、平成18年に神奈川県小田原市の不動産業者が土地を取得したあと、平成19年「静岡県土採取等規制条例」に基づいて、1ヘクタール近い土地で造成工事を行う計画を市に届け出たということです。
しかし、無断で開発地域を広げていた林地開発許可違反が発覚したため、県が是正するよう指導し、是正が完了したとして、12年前から土砂が運び込まれるようになりました。
3万6000立方メートル余りの盛り土を行う計画で、平成22年の8月には造成工事がおおむね完了したということです。
その後、盛り土の中に木くずなどの産業廃棄物が混ざっていることがわかり、熱海市と保健所が指導して搬出させたということです」
(NHK7月7日) 

ならば、違法造成が始まった段階で熱海市、ないしは静岡県がどんな「指導」をしたのかが問われてきます。
たぶん、よくて口頭で注意した程度だったと思われます。
こんなことは、本来は警察案件だったはずです。
だってぜんぜん工事を止める様子もなく、産廃を捨てまくっていたのですからね。
こんな行政の「指導」など屁とも思わないのは、この業者が自民系同和団体だったからのようですが、次元が別のテーマなのでそちら方向に私は深入りしません。
ただ、森友問題で解同の影がちらついたように、このような産廃処分や開発には、いつもこんな影が見え隠れすることは確かです。

さて、この盛り土が主犯であることは、もはや疑い得ないことでしょう。
崩落した土砂を検証したところこのようなことがわかりました。

地質学者のA. Ennyu氏のツイートです。
A. Ennyuさん (@r_isotope) / Twitter
熱海の伊豆山周辺は安山岩の山で、山の斜面には岩がゴロゴロ転がっていて、露頭には風化した白茶色の砂や粘土や角礫が見られます。このような岩石で出来た山が崩れたのであれば、土石流にこれらの岩石が含まれるはずです。
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伊豆山周辺は安山岩
ところが7月3日の熱海土石流(泥流)に含まれる物質を観察すると、安山岩質の岩や土砂は含まれず、全く別の種類の石やタイルの破片、コンクリ片等から成ります。これは、土石流で流れた泥は伊豆山の岩石由来ではなく、別の物質であることを示唆します。
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土石流の泥
その土石流は沢の源頭部に盛り土された残土(建設発生土)に由来することは、①露頭(地山)の土、②盛り土(残土)、③土石流の泥を見比べると明白です。つまり、②が崩れて③になりました。
そんなわけで「熱海の土石流で流れた泥は山の岩石に由来する土砂ではなく沢の源頭部に盛られた残土である」という仮説の答えが出ました。次は泥をふるいにかけてどんな石やゴミが出るか調べるとか、泥流が傾斜12度の平斜面をどう滑るかについて検討しますかね」

さて下の写真は和歌山県のものですが、ソーラーパネルの下には防草シートが敷きつめられています。
これは農業などでもハウス周辺に用いられる頑丈で分厚いシートです。

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このシートは草が生い茂るのを防ぐ目的で張られるものですが、斜面でこのような大規模なシートを貼ってしまうと、ただでさえ森林を伐採して保水力が弱まっている土地が、いっそう軟弱化されるだけではなく、排水される雨を逃がす水みちが影響を受けます。
熱海の場合もソーラー施設に防草シートがびっしり敷きつめられていたことが、ドローンで確認されています。
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またドローンから撮影した映像には、ソーラー施設の直下に異様なひび割れ(クラック)が生じているのが観察できます。
これがどのような働きをしたのかは、現地調査を待たねばなりませんが、
関西大学社会安全学部・小山倫史教授はこのように述べています。

「ソーラーパネルが載っている山の崩壊が起きた側のほうですよね。おそらく、崩落に山の斜面が引きずられるように引っ張られて、クラック(亀裂)が入ったというように想像されます。

クラック(亀裂)から水が入るというのが、一番我々が懸念するところで、崩壊が起こって土砂が流出したとはいえ、不安定な土塊がまだ残っていると思いますので、そういった土塊が少量の雨で崩壊するということは考えられます」
【現地報告】続報・熱海大規模土石流 捜索続く 被害甚大化の理由は?新たな崩落の恐れも(読売テレビ)
小山氏は、この亀裂が広がっている部分から雨が流れ込むことで、崩落せずに残った部分の不安定さが増し、新たな崩落が起きる二次災害を警告していますが、この斜面崩落の原因とからみあっている可能性も出てきました。
一方、先ほど崩落した土砂を検証した地質学者A. Ennyu 氏はこれについて
熱海のメガソーラー脇に亀裂とかで昨日テレビに出演していたどっかの大学の人が土砂崩れの影響とかブルーシートで応急処置をとか言ってましたが、これ単に雨水に侵食されて削られた溝で、亀裂ではありません。盛り土崩壊とは何の関係もありません。
という否定的見解を述べています。
私には、どちらが正しいのか断定できる知見をもちません。
いずれにしても行方不明者の創作が急務ですから、その後の現地の専門家による調査を待たねばならないでしょう。

 

2021年7月 8日 (木)

デニー知事、無能だから迷走したのか、迷走しすぎて無能になったのか

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沖縄県立中部病院で大規模クラスター発生だそうです。
沖縄の感染拡大は、いまや全国ワーストです。
まず一枚目が、去年2020年8月28日~9月3日における全国感染者人口10万人あたりの感染者数マップです。
沖縄一県だけが真っ赤。10万人あたり10人以上で、突出した感染甚大県となっています。
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全国)直近1週間の人口10万人あたりの感染者数
続いて直近の今年2021年6月14日~6月20日のものです。
ここでも沖縄は、紫色の10万人あたり15人以上のワースト県です。

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一貫して揺るがぬ全国一のワースト感染県です。しっかりしてください、デニーさん。
「「私に責任がある」 玉城知事が発表遅れを謝罪 県立中部病院で大規模クラスター
沖縄県立中部病院で5~6月に起きた51人の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生の発表が遅れた問題で、玉城デニー知事は4日、県庁で会見し「県民に不安と心配をかけたことを深くおわびする」と謝罪した。責任の所在を問われ「当然、知事である私に責任がある」と述べた。
また、知事は6月3日の県新型コロナ対策本部会議で「中部病院内で13人が感染し30人が濃厚接触者として隔離されている」との報告を受けていたことを明らかにした。
 クラスターと判明した時点で公表する手続きになっていることから「その手順にのっとって公表されるものだと考えていた」と述べ、特段、公表などの指示は出していなかったという。
 知事は①県立病院でクラスターが発生した際の公表基準がなかったこと②本庁内での情報共有の在り方―の2点に問題があったと指摘。4日に幹部会議を開き、部局間の連携と情報共有の強化を指示したと説明した。 11日に期限を迎える緊急事態宣言の延長の可否に関しては、5日以降に専門家会議や経済界と意見交換し、「新規感染者数などの数値を精査して検討していきたい」と述べるにとどめた」(沖タイ2021年7月4日)
毎度のことで怒る気にもなれませんが、なぁにやってんだか。
報告を受けたのが6月3日、それから一カ月県庁内にその情報が眠っていたというのですから呆れます。
公表基準がなかったからなどは、理由にもなっていません。
知事は県病院にクラスターが発生したのに、それがまったく公表されていないことになんの疑問も持たなかったのか、そちらの感性のほうが不思議です。
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沖縄タイムス
大型病院がクラスターになった場合、そこをハブにして四方八方に拡散していくから、もっともだしてはいけない場所で発生させているのです。
これが去年の春くらいならまだ仕方がないとはいえますが、いったいあれからどれだけ時間がたって いるのですか。
発生から1年半も経過して、クラスターが県施設から発生しても、それに対する発表のマニュアルひとつなかったということになります。

私は医療現場を責めようとは思いません。
行政が「日本一の感染拡大県」などにしてくれたツケを引き受けて戦っているのが医療現場だからです。
拍手こそすれ、非難するなどもっての他です。
ただし、責任者たる行政は違います。
県病院でクラスターを出した責任をどう考えるかです。
デニー知事は「公表が遅れた」ばかりを言って、それで頬かぶりする気のようですが、なにより、今どきになってクラスターが県の主力医療機関で出てしまったことについてどう考え、どのように今後対処していくのかを、知事とその与党である「オール沖縄」の皆さんにお聞きせねばなりません。
県病院のみならず、県の感染防止策が適正に回っていたならば、発生当初から今に至るまで全国ワースト一位のはずがないではありませんか。
他の県のようにカネに困っているはずがありませんね、たとえば何百億もかけて米国に「大使館」を作り、米国政府に工作する担当者を置くカネがあるのですから。
そんなくだらない反基地運動に使うカネのナン分の1かでも感染対策に回せば、違ったでしょうに。
断線しますが、沖縄県が翁長時代から米国に「大使」をおいて、反基地運動のロビイングさせていたのは周知の事実です。
「開示された平成28年度予算の内訳書によると、ワシントン事務所の活動費は全体で7369万円を計上し、このうち約93%に当たる6849万円が委託料だった。委託内容は(1)駐在員設置と活動支援で4549万円(2)米国政策調査で2300万円-となっている」
(産経2016年7月29日) 
もちろんなんの成果あるはずもなく、ろくに米議会関係者とも面接できないようです。
そもそも県が「県外交」なんかしてどうするんですか。
この悪習は翁長前知事から引き継がれて、デニー氏になっても変わりません。
こんなものはさっさと畳んで、ECMOの一つでも買いなさい。
また、政府からの医療支援などいくらでも受けられました。
実際に先月に、県病院に人工心肺装置「ECMO(エクモ)やCTスキャンを援助してもらっています。
CTスキャンは肺の影を検出するに必須のもの、ECMOは重症患者になくてはならない装置です。
いずれもCOVID-19に対する医療対策の基本中の基本、イロハのイです。
COVID-19対策は、重症患者を出さない、医療機関を守る、この2点に集約されるといっても過言ではないからです。

「沖縄県、コロナ医療機器を追加整備 北部病院などには簡易病室も
(略)新型コロナウイルスの患者受け入れ体制を強化するため、県病院事業局は人工呼吸器や人工心肺装置「ECMO(エクモ)」、CT撮影装置などの医療機器を新たに購入し、各地の県立病院に整備する。北部病院や八重山病院には、入院などの調整が難しい時間帯の患者らに一時的に対応できる「簡易病室」も確保する。
これらの経費約12億8700万円と、防護服やマスクなどの材料費約1億9千万円を含む補正予算案が15日、県議会6月定例会の文教厚生委員会(末松文信委員長)で審議され、全会一致で可決された。財源にはコロナ対策に関する厚生労働省の緊急包括支援交付金を活用する」
(琉新2021年6月17日)

けっこうなことです。やっと県病院にECMOが入りましたか。
いままで満足な隔離病室がなかったのが、やっと増設できましたか。
ひと頃は県が軽症者用隔離施設を押え忘れて、医療機関を圧迫していましたからね。
そしてそれに使った財源が、県の独自財源でなく厚生労働省の緊急包括支援交付金だということにも目をつぶりましょう。
しかしいったいいつの話です、そこが問題です。
これもつい先月のことですよ。それまで何をしていたのですか、沖縄県は。
そんなことはとっくに一年前にやるべきだったはずです。

しかも重症者に絶対に必要なECMOに至っては、操作する人まで本土から送ろうというのですから、至れり尽くせりです。
「加藤勝信厚生労働相は17日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く沖縄県に県外から看護師や保健師を派遣するため、全国知事会と協議を進めていると表明した。さらに感染者が増えた場合に備え、体外式膜型人工肺(ECMO=エクモ)の操作に習熟した医療従事者の派遣や患者の県外搬送についても関係機関と協議する。
看護師派遣は玉城デニー知事が全国知事会に要請し、16日の橋本岳・厚労副大臣との会談でも話し合った。加藤厚労相は県が当面1週間で10人程度、最終的に50人規模の派遣を要請しているとした上で「知事会と調整する」と述べた。要請があれば防衛省から医官や看護官を派遣する準備も進めているとした」
(日経2020年8月17日)
デニー知事は、県がその無責任な管理で首里城を燃やしても、調査も終わらず原因が究明もされていない時期に、おっとり刀で本土政府にカネを出して貰いに走って行ってしまいました。
その後全国から善意の支援金が集まるわけですが、常日頃は本土政府に「抵抗」することがあいでんてぃてぃとしながら、ちょっと困るとまず自力でどうしようかと発想する前に、政府にすがるのですから、こういう人達に「琉球独立」などと行って欲しくはないですね。
それはさておき、沖縄県が満足な医療支援ができなかったのには、相応の理由があります。
沖縄県がPCR検査を、「いつでもどこでもなんどでも」できるようなまねをしたからです。
PCR陽性者を見つけ出すためのサーベイランスで使ってはいけません。
いままでなんどとなく書いてきましたが、それをした行政は、洋の東西を問わずすべて医療崩壊の危機に陥りました。
これをすると、検査を求める人が保健所や医療機関に殺到し、医療機関が本来の治療にあたれなくなるからです。
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沖縄県HP
下図が去年夏の感染状況です。
去年の夏当時全国は小康状態を回復した小康期間でしたが、沖縄県だけはこのありさまです。
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去年夏に増加した時、これをGOTOトラベルが原因だ、本土からナイチャーがコロナを運んできたんだ、と言って、観光県でありながら訪問者に責任を押しつける発言がありましたが、下は同時期の北海道です。
2020年8月は一番右端ですから、比較してみて下さい。
北海道はGOTOキャンペーンでもビクともしませんでしが、沖縄は感染爆発です。
南に行った観光客だけがウィルスを持っていったのでしょうか。
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あげく医療崩壊を起こし、PCRが継続できなくなって、お手上げで方針転換です。
「沖縄県は7日、県内で新たに10歳未満から90歳以上の男女100人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たり最多の確認数で3桁台は初めて。玉城デニー知事は同日の記者会見で、死亡リスクの高い重症患者を確実に医療につなげる県独自の緊急措置として、PCR検査の対象範囲を見直す方針を発表。発熱などの症状が出ていない濃厚接触者の検査について全員実施をやめ、重症化リスクがある人と医療・介護従事者を優先することに決めた」(沖タイ2020年8月8日)
もうハチャメチャ。目先5センチだけ見て県政をするからこうなります。
左翼メディアが絶叫したPCRをするのがカッコいいと思えば「世田谷モデル」の沖縄版を始めて医療危機。
緊急事態宣言で観光業が干上がり、国際通りが閑古鳥とみればGOTOバンザイと叫び、感染者激増。
激増して看護師が不足したら、今度は本土政府にすがって自衛隊から看護官を派遣してもらう。
デニーさん、どこまで情けないんだ、あんたは。カッコ悪くても県民を守れたのならまだしも、かんじんのそこがダメダメ。
できることといえば、緊急事態宣言を延長して、県の主力産業の観光業を壊滅に追い込むことだけ。
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県議会をすっぽかしてせっかく東京まで出かけても、口にするは反基地ばかり。
他にやることがないから反基地運動やってます、といっても今やるべきことなんでしょうかね。
反基地運動など、しょせんは政権与党の「オール沖縄」へのサービスにすぎません。
それと県民の生命のどちらがだいじか、なんて野暮は聞きません。
デニーさん、悪いことは言わない。
なにもない時なら、反基地をやっていればサマになったのでしょうが、今は違う。
コロナとの戦争の真っ最中なのです。
この1年半で改めてはっきりしたのは、あなたには勤まらない。
あなたのような無能の人が首長の椅子に座っていてはいけない時期です。
あなたはもはやただの無能ではなく、有害な無能になってしまいました。
11日に那覇市議会議員選挙が迫っていますが、これはデニー知事への信任を問う選挙です。

2021年7月 7日 (水)

熱海土石流災害の原因をソーラー施設だと決めつけないで下さい

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 熱海で豪雨による土石流が発生し、まだ多くの方が行方不明になっておられます。
一刻も早い発見と救出をお祈りします。

さて、SNSではまるでソーラーが原因であるかのような議論が盛んですが、いくらなんでも早すぎます。
あわてない、あわてない。なにも決まったわけじゃないんですから。

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産経

土石流が発生した現場では、約10万立方メートルもの土砂が流れて、激流となって山腹を駆け下りました。
そしてその起点近くでは、人工的な盛り土があり、土砂の半分はこの盛り土だと言われています。
この盛り土は、15年ほど前に、宅地造成のため木を伐採した時に作られたものです。
このような盛り土は、土建業者が開発の際に出る残土の処理を兼ねて土地を広くするために作られるために一石二鳥です。

この盛り土の上南西20~30メートルにあるのが、今SNSで注目されるソーラー施設です。
ただしこの土地を所有する法人の弁護士は、J-CASTニュースにこのよう答えています。

「盛り土はしておらず、盛り土だとも知らなかった。
発電施設は、崩落地からかなり離れており、道路で分け隔てられています。施設からは崩落側に水は流れず、南側の沢に流れますので、崩落と因果関係はなく、施設を作ったのが原因というのは、根拠がないと思います」
(2021年07月05日J-CASTニュース)

J-CASTニュースが撮ったソーラー施設付近の空中写真です。
右側に見えるのが、くだんのソーラー施設です。

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J-CAST

遠くから見るとソーラー施設から下が崩落しているようにも見えますが、実は接近するとそこから30メートルほど下が起点だとわかります。
もしこのソーラー施設から崩落を起こしたのなら、施設の下にある道が崩落するか土砂を被っていなければなりませんが、その様子は見られません。
またこの施設の弁護士を信じるならば、盛り土はしていないとのことですから、土砂に含まれていた多くの盛り土を説明できません。
したがって、私はこのソーラー施設主犯説は、細野豪志氏が調査団を出すと言っているのでそれを待たねばなりませんが、現時点での可能性は少ないと思います。
私はかねがね自然破壊を伴う大型ソーラー施設には強く批判的でしたが、山腹で土砂災害が出た、ソーラーが上部にあった、おまけに韓国資本だった、パネルが中国製だった、それだけで犯人扱いにするのは短絡というものです。
 ※関連記事『脱原発の妄想』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-9d9379.html

では、なにが原因なのでしょうか。
まず、当日の気象を押さえておきます。
当日は集中的に1日で豪雨が襲ったのではなく、3日間連続で激しい雨が降り続き、7月全体の降雨量の約2倍に達していました。
下のグラフは、現場近辺の箱根における7月3日夕方までの雨量の推移グラフです。

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熱海の土石流 梅雨前線と"隠れ"線状降水帯が発生していた(森田正光)

「豪雨には、短い時間に80ミリとか100ミリとか激しい雨を降らせるものと、長時間にわたって中程度の雨が続くタイプとがあります。
上の図は箱根の6月30日午後からの三日間の雨量です。
 棒グラフは1時間雨量ですが、これを見ると強い所でも1時間に30~40ミリ程度、期間を平均すると10ミリほどで、特別激しい雨というわけではありません。ところが72時間の合計は800ミリを越えており、これは7月の降水量の1.9倍にもなります。つまり今回の豪雨は、やや強い雨がずっと続いたと言えます」(森田正光) 

このように連続する豪雨が3日間も続き、72時間で800ミリを超える長時間強雨でした。
線状降水帯の基準値に満たなかったために、発見しにくいいわば「隠れ線状降水帯」ですから、警報も出ませんでした。
しかし、7月3日土曜午前10時30分頃、熱海市伊豆山地区で斜面が崩壊し、大規模な土石流となりました。

ところで斜面崩壊には二種類あります。
ひとつは「表層崩壊」で、地表から2~3メートル以内の表土層のみが崩れます。
一方、「深層崩壊」は、それより深い場所にある岩盤から根こそぎ崩れる現象をいいますが、今回の斜面崩壊はこの岩盤から根こそぎにされるケースです。

山斜面はこのような多層構造をしています。
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ここに大量の雨が集中的に降ると、森林は水を吸い込めずに地表をえぐって、根こそぎ岩盤の上から崩落を開始します。
太田猛彦・東大名誉教授によれば、今の手入れをされない森林では著しく水の涵養力が低下しているということです。

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産経

今回の崩落は、盛り土で造成した地点から始まっていることから、盛り土がなんらかの原因となったと考えられています。
盛土により出口を失った地下水が、逃げ場を失った水の運動エネルギーが間隙水圧の急上昇を引き起こしました。
そして岩盤から上の地層を一気に押し流す深層崩壊が発生したようです。

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熱海・土石流災害 起点の盛り土がすべて流出 開発行為が被害を甚大化 

「県によると、土石流の起点は海岸から2キロほど上流の地点。起点の周辺では幅およそ100メートル、長さ100メートルほどにわたって、深さ10メートル程度が崩れたとみられる。
 周辺には開発行為による盛り土があり、土石流との因果関係はわかっていないが、県はこの盛り土がすべて流れ出ていて、土石流による被害を甚大化させた可能性があるとしている」(ANN 7月4日)
 「ほかの谷や斜面は崩れていない。特殊な要因があったのではないか」(産経7月4日 )

ドローン映像で見ると、盛り土の箇所から崩落がはじまっており、谷の最上流部にえぐれた斜面から大量の水が吹き出す映像もあるようです。
これらを見ると、元々水みちがあった場所が開発行為によって盛り土されたために、水は逃げ場を塞がれてしまいました。
そして災害当日、大量の雨がこの盛り土を突き抜けて地中へと突き抜け、岩盤から上を崩落させる土石流の引き金となった可能性があります。

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太田猛彦

本来は、このような谷を埋めたり、盛り土をする場合は、排水管などを通して水はけを確保する必要がありますが、施工が甘かったり、排水能力を超える量の雨が降ったりした場合、水みちが詰まって、その流水の運動エネルギーは地下に潜って岩盤に突き当たり、岩盤から上の地盤全体を持ち上げるようにして深層崩壊を引き起こしたと考えられます。

ソーラー施設の可能性もないとはいえませんが、調査団が派遣されるようですので、主犯扱いはそれを待ってからでも遅くはないと思います。

なお、小泉環境大臣はやっとソーラー施設と環境破壊との関係に気がついたようです。

「急傾斜地への設置を懸念する地域もあり、ここに建てるべきではないとの対応も必要ならやるべきだ」
小泉氏は閣議後記者会見で、太陽光発電所の立地規制の検討に言及。今回の土石流と同設備の因果関係は確認されていないが、不安払拭に向けた規制の必要性を省内で議論する構えだ」(産経7月6日)

遅いよ、鈍いよ。危険性はとうの昔から指摘さていたのですから、レジ袋なんてくだらないことやる暇にとっととやっているべきでした。

2021年7月 6日 (火)

あらかじめ仕組まれたとおりの都議会選結果

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ああ、イヤなものを見てしまった、という感じです。
なに、日曜の東京都議会議員選挙のことです。
自民党はかろうじて第1党となったものの、現実的には大敗しました。
このひどい負け方だと、次の衆院選とその後の総裁選も見えた気がします。
今のままだと、相当の確率で菅は衆院選と総裁選を乗り切れないでしょう。

「自民党は4日の東京都議選で、公明党と合わせて過半数奪還を目指したが伸び悩んだ。
 新型コロナウイルス感染対策や東京五輪をめぐる菅政権の対応への反発があるとみられ、秋までにある衆院選に向け危機感を強めている。
「このままでは衆院選も厳しい」。党幹部の一人は4日夜、衆院選への焦りを隠さなかった。
山口泰明選対委員長は党本部で記者団に「残念。どこが足らなかったのか精査し、衆院選に臨んでいかなければいけない」と語った。
伸び悩みの要因は、菅政権のコロナ・五輪対応だ。東京都の新規感染者数が選挙期間中も前週の同じ曜日を上回り続ける中、菅政権は五輪の開催と有観客にこだわった。「切り札」のはずのワクチン接種をめぐる混乱も明らかになった。
党関係者は「都民ファーストの会を引き離せないのは、都民ファが無観客開催を公約に掲げたから。都民は五輪に敏感だ。怖がっている」と指摘した。公明党の石井啓一幹事長は4日夜のNHK番組で「政府は無観客も真剣に検討してほしい」と求めた。
 前回の2017年は、小池百合子
都知事が都民ファを率いて旋風を巻き起こし、自民党は過去最低の23議席に沈む歴史的大敗を喫した。このため、同党は知事選での支援などを通じて小池氏に接近。小池氏から「少なくとも敵対しない」との感触を得ていた」(時事7月5日)

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時事は自民が楽勝どころか一転して惨敗に終わったことを、菅政権の「コロナ・五輪対応」のせいにしていますが、違うはずです。
たしかにメディアの菅のCOVID-19対策に対してのディスりはオリンピックさえ潰してしまえ、というほどの域に達していましたが、それが主原因とは思えません。
現実の東京都の感染状況は、先
日も記事にしましたが、重症患者数47人(6月23日現在)、重症者病床使用率は29%(6月23日現在)ですから、これで医療崩壊など起きるわけがありません。
ワクチン接種も進んでいますから、いくらメディアのディスりがひどくても、それが原因でこの結果ということはないはずです。
メディアは自分たちの力を誇示したいから、こう書いているにすぎません。

たしかに菅の発信力は悲惨の一語に尽きます。官房長官ならパーフェクトでしょうが、一国のリーダーとしてみると落第点です。
そして官房長官までもが、似たようなタイプの地味な加藤ですから、まったく華がありません。
ですから菅政権は、その実力に較べて国民の眼には鈍重な農耕牛のように写ってしまっています。

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逆に、ニューヨーク州知事のクオモや小池がなぜたいしたこともやっていないのに支持率が高いのかといえば、メディアの使い方を知っているからです。
彼らは、元ニュースキャスターという特技をフル動員して、露出しまくり、しゃべりまくり、まるで有権者たちと対話をしながら政治を進めているという錯覚を与えることに成功しました。
小池など、定時のニュース番組で毎日毎日ご尊顔を拝していた気がします。
ああ、この顔見ない国に行きたいと思ったくらいです。なにか露出してキッパリものを言っているだけで知事はやってくれている、という錯覚が起きるのでしょうかね。

実は東京都でダラダラ宣言出したり、延長しまくったり、マンボーをだしているのは他ならぬこの人なんですが、なぜか無傷。
オリンピックをやるやらないも、観客がどうのというのも主催都市でありながら、なぜかこれまた無傷。
都合の悪いことはみんな政府に押しつけて、いつの間にかみんな政府が悪いんだ、と言う声に小池与党の都民ファに加担させています。

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東洋経済 

一方、菅は対照的。もう少し自己顕示をしてみたらどうなんだ、とこの私でさえ思います。
「大言壮語しない政治家はもてない」と野口武彦氏は『徳川慶喜』で書いていますが、菅はまさにこの典型です。
実務家肌の政治家は、スター性がある政治家と組んで初めて輝きます。
まさにその理由で、官房長官時代の彼は輝いて見えたのです。

首相になってからも、契約どおりの量を寄こさない米国の製薬会社に直談判してブン取ってきたり、医事法を楯にして医師と看護師以外に接種させない医師会を相手に、ならば別口を当たると超法規ができる蛮勇ができる持ち主なのに、国民には顔が見えません。
秋田の農民顔のままで、会見はボソボソと役人が書いたペーパーを読むだけ。これじゃあね。

これが小泉パパだったら、バカデッカイ声で、「医師会をぶっ壊さねば、コロナの勝利なし!」「オレがグダグタ言ってるファイザーの社長の襟首つかんでワクチンをブン取ってきた!」くらいは吠えたかもね。ああ、目に見える(笑)。
小泉パパを政治の師と仰ぐ小池なら、医師会を諸悪の根源に仕立てて、征伐してやる、くらい言ってのけます。
こういう敵を作って、それと戦う構図を作るのが、この人のやってきた政治手法でしたからね。

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国民は、菅の蛮勇が官僚の頭越しにやっているとはつゆ知らず、首相なんて役人の振り付けどおりにしゃべっているだけだろう、くらいに思ってしまっています。
官房長官時代には、スター性がある首相の女房役でしたからこれでよかったのですが、このスタイルを変えない限り次の衆院選でも負けるでしょう。

それはさておき、自民の最大の敗因は、二階が小池と談合していたからです。
二階はこの選挙の総指揮官のはずですが、この男がこともあろうに最大の敵であるはずの都民ファの小池とつるんでしまったのですから、話にもなりません。これで勝てる道理がありません。

小池はだいぶ前からこのまま都議会議院選挙に突入したら、メディアの予想どおり都民ファは惨敗することを予想していたはずです。
そこで同時期に行われるオリンピックを、なにかに使えないかと思ったのでしょう。
ポピュリストの小池としては、反対が半数以上の世論を追い風に使うことを発想したはずです。
開催都市首長としてオリンピック反対を唱えて辞表を叩きつけ、次の国政選挙に打って出る、というシナリオも頭をよぎったはずでした。

しかしそれではあまりに能がない。
このシナリオどおりやってしまうと、完全に自民党と正面衝突コースに入りますから、仮に国政選挙で自分が国政選挙で勝ったとしても、かんじんの自分の与党がいないために政界の孤児となってしまい、悲願の「初の女性首相」など夢のまた夢となります。
では、小池はどこから与党を連れて来るのでしょうか?

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自民・二階幹事長「もう発言しない」小池都知事の再選支持で - 産経

決まっています。それはもちろん自民党以外ありえません。
正確には、二階幹事長をボス猿に頂く林幹雄幹事長代理、山口泰明選対委員長一派です。
よく知られていることですが、小池と二階はきわめて近い存在です。
どこかこのふたりは波長が合うと見えて、小池を都知事に据えたのも二階、再選をさせたのも二階でした。
二階は、このじゃじゃ馬をどこかでなにかに使える弾とかんがえていたのでしょう。

今回も、須田慎一郎氏がユーチューブで言っていましたが、二階と小池が自民復党で合意している、というまことしやかな噂が永田町に流れていたそうです。
自民党復党し、かつての選挙区である東京10区で衆院議員に出馬するという案です。

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二階と林幹雄 www.nhk.or.jp

私はこのような政界の情報について、真偽を判断できる立場にはありませんが、ありえることだとは思いました。

「今回の都議選で小池氏の影響力が健在なことが改めて示され、自民内からは「衆院選で小池氏が『初の女性首相』を掲げたら、どれだけ票を集めるか分からない」(閣僚経験者)との懸念が出ている。
一方で、自民には小池氏を取り込む動きもある。二階氏は小池氏と定期的に面会を重ねて強固な関係を築き、小池氏を自民へと引き戻す選択肢を探る。「首相候補カード」として手元に置く狙いで、二階氏は周囲に「小池はよくやっている」と賛辞を惜しまない」(読売7月6日)

二階派には総裁を狙えるスター性を持った人材がいませんし、小池も独力で支持母体を作ることは前回であきらめたはずだからで、相互の利害は一致します。
彼ら二人は共に親中派ですし、そもそも政治理念がどうのこうのいうタイプではありません。
二階はいずれどこかの時期に、安倍後継内閣である菅のはしごを外して、従順なパペットを総裁に据える気だったのかもしれません。

ただしその場合、問題になるのは、小池が自分の支持母体として作った都民ファをどうするか、です。
小池は、都民ファに対して愛情のひとかけらもないはずです。
都民ファの国政版を作るつもりで失敗した小池女史にとって、いまやいかにスマートにこの素人政治集団を切るのかのほうが問題のはずです。
その扱いに失敗すれば、冷酷に同志を切り捨てたという、かつての希望の党の悪評の二番煎じになりかねません。
そもそもこの小池復党案は、彼女を押し立てて総裁選で次の次を狙う戦略と一体ですから、ソフトランディングしてもらわねば受け入れる立場の二階-林-山口らも困るのです。

そこで、二階と小池が練った戦術がこうでした。

①小池はオリンピックをこのまま開催することに協力する。
②第1党から都民ファを若干後退させ、自民党に譲る。
③東京都の勝利に固執する公明党には勝ちを譲ってメンツを保たせてやる。

つまりそこそこ都民ファには華を持たせて餞別代わりとし、自民は二階に責任追及が及ばないていどに勝たせてやり、実際は敗北させ、公明には恩を売る、ということです。
そのためにとったアクロバティックな離れ業が、小池の雲隠れと都民ファの事実上の切り捨て、そして菅の追い落としを狙った自民の敗北だったのかもしれません。
タヌキ寝入り入院を、業師とか天才とか言う人もいるようですが、ただの詐欺師でしょう。

まず、自民党はこの都議会議院選挙を大敗と総括すること。
そしてその責任者である幹事長、幹事長代行、選対委員長の3人を更迭すること。
そして次の執行部は、小池の復党はありえないと言明すること。
このていどの外科手術ができないようでは、次は決定的大敗を喫することになるはずです。

 

 

2021年7月 5日 (月)

COVID-19ウィルスはなくならない

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DOVID-19について、永久にもぐら叩きをしていたいのか、と思う時があります。
やれ第5波が来た、新しい株が発見された、そらリバウンドだぁ、今日は東京都は何百人の新規感染者がぁ、ああキリがない。
だから、あえて言います。あーた、だからナンなんなんです。
そんなに大騒ぎすることなんでしょうか。

先週紹介した西村秀一医師によれば、感染症は今までの歴史的経験から必ず弱毒化していき、病毒性を発揮できなくなっています。
これは願望ではなく、科学的知見です。

「最初のうちは毒性が強く、亡くなる人が多かったとしても、宿主である人を殺してしまってはウィルス自体が生き残れません。そこで、長期的には人を殺さないていどに毒性が弱くなる方向へと変異していきます。
感染する人は多いが、軽症で済む、という状態なります。すると多くの人が免疫をもつようになります」(西村『新型コロナの大誤解』)

それは別にCOVID19が改心して善良になったということではなく、強毒株と弱毒株が同時に流行すると、ふたつの株の間でなわばり争い(獲得競争)が起きるからなのだそうです。
結果は、宿主を殺してしまうような凶暴な株は淘汰されて極小派に転落していきます。

ただし、弱毒株が制圧するまで獲得競争が続いていますから、弱毒株が優勢だったり、強毒株が優勢だったりのブレがあります。
これがただいま現在2021年夏の状況です。
今は強毒株といわれる変異株が表面に出て、メディアは1.7倍強いとか吹聴していますが、それはどの時点で誰がどうやって計ったかによって大きく数値が違うので、丸飲みして、うわーたいへんだぁ、強くなってるとなんて思わないでほしいと、西村氏は注意しています。
またPCRをくぐり抜けなどといった説は、悪質な風評にすぎず、この部位で採集出来なければ別の部位で採るだけのことだそうです。

あ、そうそう、脱線しますが、私はこの間、「新型コロナ」という表記を「COVID-19」に変更しております。
世間では単に「コロナ」と略してしてしまっていますが、季節性インフルエンザも、かつての猛威をふるった「スペイン風邪」も、みんなコロナウィルス一族のなせる業なんですがね。
今回の「新型コロナ」を制圧したとしても、必ず次の「新型コロナ」が出現することはまちがいありませんから、その都度、「最新型コロナ」「新型コロナマークⅡ」とでも呼ぶんでしょうか。

いっそうのこと、「武漢肺炎」とか「武漢風邪」と言ってしまってもいいのでしょうが、呼称自体が政治的価値判断をもってしまっています。
この表現を使う人たちは、中国を批判する目的も含意しているようですが、そういう政治的スタンスと科学的に解明することは次元が違うことなのです。
そこで「COVID-19」という価値中立の呼称にすることにしました。

話を戻します。さて、COVID-19ウィルスは、いかに制圧が終了してもなくなることはありません。
かならず社会のどこかに潜んで顕在化しないだけのことで、なくなりはしません。
いや2003年にこれも中国で流行したSARSや、2012年のMERSは消滅しただろうと思いがちですが、いずれも患者の肺の中でウィルスが増殖するタイプでした。
ですから、宿主が重症化するために移動が限定され、ウィルスも一緒に移動制限がかかってしまって、感染拡大が限定的でした。

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新型コロナによる肺炎 通常の肺炎と何が違うのか|NIKKEI STYLE

それに対して、COVID-19は上気道という呼吸器系の上部で繁殖し始めるために、上気道に止まっていれば軽症ですみますが、その代わりウィルスは簡単に体外に出てしまって感染を拡げることになります。
軽症者や無症状者のほうが圧倒的に多いために、患者がキャリアーとなって感染を拡大します。

ワクチンは有効な対抗手段ですが、あくまでも体内に抗体ができる「だけ」のことです。
「だけ」といってもこれは大変に偉大なことで、社会の感染拡大を阻止することが可能です。
しかしワクチンで抗体ができても、呼吸器表面のウィルスをワクチンで消滅させているわけではないので、ウィルスは残存し続けます。
ただ罹らないだけなのです。

さぞかしゼロリスク論者の人たちは気持ちが悪いだろうな。
COVID-19は感染が終わっても、「いる」のですからね。
つまり現在は、この2年間のCOVID-19の感染拡大フェーズから、「共存」フェーズへの過渡期なわけです。

これと似たようなことは、2011年の福島事故時の放射能でも起きました。
放射性物質は半減期が長いために30年も40年も残存します。
山に降下した放射性物質は、当初は地表表面に溜まりますが、その上に毎年膨大な量の落ち葉などの腐植物質が積み重なっていき、一年で約5㎝下に押し込められていきますから、あれから10年、ずっと下の地層にまで追いやられているわけです。

具体的数値で見てみましょう。
まったく除染していない福島県の放射性物質が降下した森林における計測によれば

2011年9月における福島森林の汚染数値
・福島山木屋地区(標高600m)・・・1万7千bq
●山木の土壌の放射性物質分布
・0~7㎝下の層・・・・98.6%
・7~15㎝下の層・・・1.4%

このように、放射性物質は地下5㎝下の地層にほぼすべてが存在し、その地層は微生物がもっとも活発に活動する腐植層と呼ばれています。
そして、毎年営々とに落ち葉が落ちて積み重なり、分解されて新たな土に変わり、新たな地層を形成していくことになります。
かくして、今やかつての福島事故の影響を受けた放射性物質を含んだ地層は、はるか下に入ってしまっています。

これでいいじゃないか、と私は思います。
人間に触れられず、人体や環境に悪い働きをしなければいいだけのことじゃないですか。
ところがゼロリスク原理教の人たちは「気持ちが悪い」といって完全除染を叫んでほじくり出して袋詰めにして処分地に持って行けといいます。
湖や河ならば、浚渫しろ、と言います。
一種の穢れ信仰ですから、ひとりで永遠にやっていなさいと思います。
地表数メートルで機嫌よく眠っていただいたほうがよほど安全で、処分地で薄いビニール袋に入れて積み上げることのほうがよほどリスクじゃないですか。
社会的コストをかけてかえって危険にしてどうするのか、と思います。

COVID-19も同じことです。
気持ちが悪いでしょうが、COVID-19はなくなりません。
ただ人間にとって肺炎をおこして死に至らしめるようなことが、極小化される「だけ」のことです。
やがてウィルスの法則に従って弱毒株が優勢になり、落ち着いていきます。
負けた強毒株もどこかにいるでしょうが、人間に抗体が発生しているために悪事を働けません。

おそらくは社会活動が活発な若年層を宿主にし、目立った重症化も引き起こさずに「いるだけ」ですが、PCRをすればそのつど感染者がカウントされることでしょう。
それをそのたびに感染の新たな波が来たというのは、正確ではありません。
ましてやいちいち第何波などと数えることは、徒に不安心理を募らせるだけで無意味な煽りです。
高齢者にうつすとリスクがありますが、ワクチンで有効に阻止されているはずです。

したがって、問題は一にかかってワクチン接種の進行いかんにかかっています。それに尽きます。
イベルメクチンとかアビガンに期待する人が多いのは理解できますが(日本人の発明ですしね)、それらの薬剤は本来別の病気に対して作られたものであって、COVID-19に対しての治験がまだ出揃っていません。
そもそも薬剤は症状が出てから使うもので、ワクチンは抗体を作って事前に防ぐものですから、置き換えが効きません。
ワクチンの代わりにイベルメクチンを投与するわけにはいかず、逆に罹ってしまった患者にワクチンを打ってもしょうがないのです。

今は状況が落ち着いていませんが、このようなどっちつかずの過渡期は必ず終了します。
たぶん冬までには一定の落ち着きをみせるはずです。
そして長き共存期に入ります。
その時は、かつてのスペイン風邪が今の季節性インフルエンザの祖先だというように、COVID-19も季節性インフルエンザの一種となっているかもしれません。

2021年7月 4日 (日)

日曜写真館 何事もいつかは終わる花木槿

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それがしも其の日暮らしぞ花木槿  小林一茶

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夕暮の一本道の木槿かな  小川軽舟

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木槿咲くトランペットの破調音  遠山弘子

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よく眠れて木槿の白さ讃へをり 長谷川倫子

※槿 むくげと読みます。

2021年7月 3日 (土)

日本のCOVID-19の死亡者が少ないのには理由があります

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気になるので、やはり書いておくことにします。
アホンダラさんのご意見はいつもは腹を抱えて楽しく読まして頂いているのですが、この部分については私の考え方とは違います。
こう書いておられます。

「今回のCOVID-19の被害が、欧米などの諸外国に比べて二桁低いのは、ただ偶然か運が良かっただけで、対応策がバッチリ功を奏したわけではありませんから」

う~ん、そうではないと思いますよ。
偶然だけで、日本が2桁低い死亡者数という結果がでるはずがありません。
 感染症専門医の忽那賢志氏の各国の死亡者数比較のデーターです。

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新型コロナ 世界と日本の流行状況(2021年1月)(忽那賢志)

 ・米国の100万人あたりの死亡者数・・・1139人
・日本                                      ・・・    31人

人口が約3倍違いますから100万人あたりに砕いてある数字ですが、しっかり死亡者数が2桁違うのがお判りになると思います。
これだけ違っていて、偶然はありえません。
日本政府のCOVID -19対策がブレまくっている、遅れている、デタラメだというコメンテーターは佃煮にするほどいますが、ならばどうしてこんなに死亡者数が世界指折りに少ないのでしょうか。
メディアは政府はデタラメにやったが、うまくいったという矛盾したことを平気で言っているわけですが、悔しいので今になってワクチンが遅いのなんのと言い始めています。
おやおやアエラさんは、つい半年前まで『医師1726人の本音、ワクチン「いますぐ接種は3割」(2021年1月25日)なんて露骨な反ワクチンキャンペーンをやっていたはずですが、いかがしたことでしょうか。
しかしメディアは、日本の接種が諸外国より遅れているとみるやいなや豹変して、なぜワクチンが遅れているんだ、自治体に国から届かないぞなんていうふうにコロっと変わるのですから、はれほれ。に

事実として、日本におけるCOVID-19対応は半ば「成功」したと言ってかまわないのです。
まだ終了していないので、「成功」にはカギカッコをつけておきますね。
ただ国民感情として、オリパラが控えているためにケツを切られた気分になって、緊急事態宣言を繰り返す行政に対して、なんだかなぁ、いいかげんにせぇよ、という「気分」になっているだけです。

ちなみに緊急事態宣言はなんども書いていますが、ほとんど意味がありません。
市民の皆さん、ちょっと自粛して下さいね、というのを行政用語で命令口調で言うからカンにさわるだけで、実態はただのガンバローという掛け声にすぎません。
それを夜の酒類提供の禁止などとエスカレートさせる首長(入院してた人です)がいるから、飲食店への被害が甚大に増えていったのです。

では、日本が「成功」した原因はなんでしょうか?
さまざまな要因があるでしょうが、一つ考えられるのは、初動時にPCR検査に制限をかけたからです。
こういうことを言うと、ナニ言うてんのという声が聞こえてきます。

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中国広州市のPCR検査風景 ニューズウィーク

テレビでは、今でもPCRが万能だと思っている人が大部分のようです。
金髪のオバさんタレントがこんなことを言っていたそうです。

「番組では、先月の東京の新規感染者数を日別に紹介。6月20日から、新規感染者数が前週の同じ曜日を11日連続で上回っているという結果が出ていた。 松嶋は、「なんでか知らんけど、絶対にこのPCRの数はおかしいと思うから、ずっと言ってるけど、700人なわけないでしょ」と指摘。「
東京の様子見てて、そこら中でクラスター
起きたとか聞いてるのも、ニュースになってないし、ちゃんと調べてみ、えぐいから」と話し、「ほんなら若者たちも、数を見たらちょっとは感じると思う。700人くらいやったらさ『まだ大丈夫』って思うよ?ピリピリしない年齢も。でも6000(人)とかバーンって出たら、ビビるもん」と持論を述べた」(スポニチ7月1日)

このPCRが少ないのは、政府がほんとうの感染拡大を隠したいからだ、ホントはもう爆発的に拡大しているんだ、という台詞はひと頃ずいぶん流行りましたね。
まだ言ってんでっか、というかんじですが、都民全員を調べてみ、えぐいことになるから、がほんとうです。
日本は初動でPCRを制限かけたから助かったのです。
諸外国のように、PCRをサーベイランスとして大規模に実施した国々の大部分は医療崩壊を起こして、徒に死亡者を増やす結果になってしまいました。

国立病院機構仙台医療センター・ウィルスセンター長西村秀一医師はこう述べています。

「PCR検査は、鼻の奥の粘膜を拭った液や唾液を検査対象にし、その中のウィルスの遺伝子があるかどうかをみるだけの検査方法です」((西村秀一『新型コロナの大誤解』)

PCRに限界があるというのは、この採集する部位が鼻の奥や唾液という限られた場所であることです。
身体の部位によってウィルス量は違うので、同じ人でもどこの部位の検体を使うかで、検出されるウィルス遺伝子の量が違ってきてしまいます。
ですから、唾液は陰性でも鼻の奥は陽性ということもありえるわけです。

「注意しなければならないのは、あくまでも『遺伝子の一部見る』という点です。つまり完全な状態の生きたウィルスだけではなく、死んだウィルスの残骸も検出してしまうことになります。これを誤って増幅させることがあります」(西村前掲)

死んだウィルスまで増幅してしまうために、陽性判定される場合があります。
これが偽陽性発生率30%という驚異的な誤判定の原因です。

逆に偽陰性となるケースの原因としては、検体を採集してから検査まで日数がかかることです。
検体はマイナス20度以下で保管することになっていますが、ウィルス遺伝子の分解はそれ以下でも進行しますから、減少した検体を調べて陰性と判定してしまうことがままあります。
また苦しくないお手軽なPCRとして用いられる唾液は、ウィルスが減少することが多く、偽陰性を大量に生み出すことになりました。
このように検査部位や検査薬、システムによって大きく判定が左右されるのが、PCRの宿命なのです。

たとえば小学校で生徒全員にPCRをするとします。
仮に百人とすると偽陽性だけで30人もでますから、学校はパニックです。
そのうえその中には真性の陽性感染者もいるわけで、それを選別するだけでも大変なことになります。
抗体検査もありますが、抗体検査は「過去にかかったことがある」のはわかっても、今かかっているかどうかはわかりません。
あるいは抗原検査では、ウィルス量が少ないと実際は感染していても陰性判定してしまいます。

そしてCOVID-19は2類感染症に区分されるために、学校閉鎖はむろんのこと、これらの子供たちを隔離せねばなりません。
後にややゆるやかになりましたが、当初は無症状の人も隔離施設がないために病院に収容されていたために医療を不必要に圧迫しました。

実際にポピュリストの区長が人気とりで、いつでも誰でも何度でもPCR検査を受けられる「世田谷モデル」なるものもありましたが、結果は財源の枯渇と保健所の崩壊だけだったようです。

「いつでも誰でも何度でも」という、「トンデモ発言」に近い形で実施されていたら、保健所はもちろん、区役所はコロナ対応だけで崩壊していたに違いない。原型を留めないほどに変更に変更を加えられた、大幅縮小かつ対象者3割しか希望しないという、不徹底検査の現行モデルだからこそ、まだこの状況でなんとか踏みとどまっている、とも言える。つまり、“世田谷モデル”は失敗して正解だったのである」
(稗島進 2021年1月13日)
失敗してよかった“世田谷モデル”:保健所はすでに崩壊寸前 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp) 

それをこの芸人さんのお望みのように、東京都という1300万人の小規模国家並の人が住む地域でやれば、どんなことになるかわかりそうなものです。
医師は検査方法の特性をよく知った上で、その方法を組み合わせて選択しているのであって、まるで犯人探しのように「この中から患者を見つけ出せ」とばかりに、大量のPCR検査をすれば、即医療崩壊の道を辿ることになってしまいます」

「やみくもに検査をすることで、必要な所に必要な人的・物的資源が行き渡らなくする可能性があります」(西村前掲)

この危険を世界でほぼ唯一事前に察知して制限をかけたのが、感染初動期の日本政府でした。
日本政府は、限られた感染初期における医療体制の人的・物的リソースを、PCR検査に全力投入する愚を回避しました。
もし当時政府が、当時全国民にPCRをしろぉと絶叫していたメディアや野党の言うがままにPCRをしまくっていたら、病院に国民が殺到し、医療崩壊を起こしたことは火を見るより明らかです。

国民はワイドショーで煽られて政府不信を強めましたが、政府は医療体制が充実する時期まで検査を引き延ばし続けました。
この一見鈍重に見える対応によって、たとえば米国のように初期に早々と医療体制が崩壊するという危険を回避できたのです。
「ニューヨークの小池百合子」ことクオモ知事は野外テントやドライブスルーでPCRをしまくった結果、偽陽性の山を作ってしまい、病院は廊下まで患者が並び、医療用手袋もエプロンもないというていたらくになりました。
最後は軍の病院船までかりだすほど医療体制が逼迫しました。

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 第8回 医療ボランティアが見たニューヨークの医療崩壊 – Humony

ニューヨークの医療崩壊の生々しい有り様です。

「この病院では、ICU扱いとして管理する病床を合計40床に増やすなどの受け入れ対応をしていましたが、ピーク時には全病床の約8割が新型コロナ感染症患者で埋まり、ICUは常に満床。救急外来ではすべての個室が相部屋として使用され、それでも収められない患者が廊下にストレッチャーで10台、20台と並びました。
常時40~80人ぐらいの患者さんが溢れていて、ほぼ全例がコロナウイルス陽性。通常時だったら一刻も早く気管挿管して人工呼吸器に乗せたいような重篤な患者がたくさんいました。
救急車のサイレンは鳴り止む気配がありませんでした。多い時には呼吸不全、低酸素血症を起こした重症患者が1時間に3~5人の頻度で緊急搬送されてきました。地獄絵図そのものです」 (ヒューモニー2020年07月13日)

これが真の医療崩壊の姿です。
日本でこんな光景はありませんでしたね。それが「成功」と言っている私の理由です。
この少し前まで、欧米メディアは日本のダイヤモンドプリンセスへの対応を嘲笑して、COVD-19は「アジアの風土病だ」と高見の見物を決め込んでいたのですが、その数カ月後には自分がどしゃぶりの豪雨に見舞われるはめになったのは皮肉です。

もう一つの「成功」理由は、感染防止措置の焦点を絞ったことです。
重症化しやすい高齢者60歳以上の階層にを重点的に保護し、ワクチン接種をすすめると共に、感染を受けやすいが発症しにくくい20代~50代の年齢層を遅らせたことです。
これが功を奏して最も危険な年配者の死亡数が目立って減っていきました。

日本は、春節の中国人客を受け入れるという大きなミスをしますが、それも乗り切り、その後にヨーロッパから帰国する日本人によって変異株をもらってしまうという失敗を冒しますが、とまれこの初動の措置が医療崩壊を防いだために、死亡者数が著しく押し下げられたのです。
だから幸か不幸か、気合を入れるにすぎない緊急事態宣言でもなんとか凌げてしまったわけです。
もし初期に先ほど紹介したニューヨークの医療崩壊のようなことを起こしていたら、と思うとゾッとします。
にもかかわらず、今まだPCR真理教がワイドショーには大量に巣くっているようです。

アホンダラさん、野村さんの「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」なんて名言があるそうですが、日本のCOVID-19の場合、「成功」にも理由があるんですよ。

 

2021年7月 2日 (金)

感染がリバウンドしたというが、ほんとうに危険水域なのか?

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感染がリバウンドしたということで、一斉にメディアが第5波到来、五輪危うしと報じています。
東京すでにリバウンドの兆し 第5波、五輪直撃の懸念も
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が解除され、まん延防止等重点措置に移行して間もない東京都内で、感染者数が再び増加に転じる兆しが見え始めている。23日の新規感染者数は619人で、5月28日以来の600人超えとなった。同じ水曜日だった前週の16日と比べても118人増えた。7月23日に開幕が迫る東京オリンピック(五輪)期間中に「第5波」が襲う懸念が高まっている。

リバウンド(感染再拡大)の兆しは、この数日で顕著になりつつある。
3度目の宣言最終日の20日に確認された感染者数は376人。同じ日曜日だった前週(13日)を72人上回り、その日以降4日連続で前週の同じ曜日を上回った。1週間平均の感染者数の前週比も日に日に上がり、23日時点で109・9%となった」
(朝日2021年6月24日)

たしかに東京都では再び新規陽性者数が増加に転じています。
都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト (tokyo.lg.jp)
●東京都の新規陽性者数(6月30日現在)・・・714人(前日比+238人・前週比+138人)
・7日間平均値                                ・・・490人(前日比+20人・前週比+58人)
単純に感染者数だけみるとリバウンドしているとはいえますが、果たして危険な水準なのでしょうか。
感染者数は陽性判定を受けた人の総数ですから、20代の若者もいれば80代の老人もいます。
既往症がある人もいれば、ぴんぴんした健康体の人も含まれています。
そして若年層で既往症がない人は、仮に感染しても重症化することはないと言われています。
下のNHKの出している感染者年代別感染者数と死亡者数グラフを見て下さい。
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このように20代~50代がもっとも罹る率が高い年齢層だとわかります。
それはこの年齢層がもっとも社会的活動を担う中心世代だからです。
では、死亡率はどうでしょうか。
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一転して、20歳代から50歳代までの死亡者は極小で、圧倒的に60歳代以上が大部分を占めます。
つまり、若年層は罹るが重症化することは稀で、高齢者のほうが重症化する率が高いということです。
厚労省のデータによれば
(厚生労働省『新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識』)
●年齢による重症化率推移
・30歳代を1とすると
・10歳未満・・・0.5倍
・10歳代 ・・・0.2倍
・20歳代・・・0.3倍
・40歳代・・・4倍
・50歳代・・・10倍
・60歳代・・・25倍
・70歳代・・・47倍
・80歳代・・・71倍
このように罹る年齢層は高齢になるに従って高くなり、重症化率も同じく80代は20代より約20倍ほど危険性が高くなります。
政府が高齢者を優先的にワクチン接種をしているのはそのためです。
ですから、去年の経験から危険だと言える状況は3つです。
第1に、60歳以上の高齢者の感染者が増えること。
第2に、その高齢者から重症患者が増えること。
第3に、重症患者用ベッド数が不足すること。
この重症者が増加してしまうと、 人工呼吸器管理(ECMOを含む)可能な病床が満杯になって、新たな重症者を受け入れられなり、最も恐ろしいといわれる医療崩壊を引き起こします。

「第1波となった今春は、医療崩壊につながりかねない重症患者が急増した。5月初旬には患者全体に占める重症患者の比率が5%台に達した。一方、感染再拡大が始まった7月以降の1カ月間の重症患者比率は1%台にとどまる。
重症化しにくい若者の感染者が増えたことが理由の一つだ。第1波では3割強だった20~30代の割合は6月下旬以降、6割近くまで上昇した。これに対して60代以上の割合は3割強から1割まで減っている」(日経2020年8月15日 )

現状は、重症化率を見るかぎり危険水域とはいえません。
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多摩市

東京都の重症患者数は47人で、まったく問題がない数です。

●東京都の重症者用ベッドの使用率
344床使用/1207床・・・
29%(6月23日現在)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/hospital/

重症者用ベッド使用率30%弱ですから、医療崩壊など起きるわけがありません。
メディアはこの部分をほとんどスルーしています。

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都内の最新感染動向 | 東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト (tokyo.lg.jp)

たしかに6月以降新規陽性者数は増加しています。
重症者は増加に転じず、病床にも余裕があるが、新規感染者は増えている現象を取って、メディアはリバウンドしたと言っているようです。
偏った報道だと思いますが、いかがでしょうか。

増加している理由は具体的データーがないので断言できませんが、おそらくは検査数の増加です。
感染拡大初期と違って、検査による医療崩壊の危険性が遠のいたので、今は必要があれば検査を実施しています。

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ですから1年前とは比較できないほど検査が多く行われ、その結果、陽性判定が多くでるのは当然のことです。
また社会が活動が再開すれば、感染は必然的に増加に転じます。
問題は、どの年齢層に増加したのか、です。
東京都の場合、増加したのはあくまでも感染してもリスクの少ない若年層が中心です。
たしかに若年層から高齢者に感染を移すこともありえますが、その高齢者で今猛烈な勢いで進んでいるのがワクチン接種だということを思い出して下さい。

少し前まで、メディアは菅首相の「1日100万回接種」という目標を実行不可能、口から出まかせ、とせせら笑っていましたが、今は6月23日に早くも100万回を超えました。
このペースで行くと、7月初めには軽く100万回を超えていると思われます。

       ●高齢者ワクチン接種率(6月30日現在)
       ・高齢者・・・1回目60.26%
                      2回目26.46%

ワクチンは1回目でそうとうの有効性を発揮することがわかっていますが、2回目接種も高齢者は7月中旬までにはかなり終了に近づくはずです。
そのように考えると、リバウンドというのは単なる陽性判定者の増大にすぎず、実体の危険性はそう高いとはいえないと、私はかんがえます。

 

 

2021年7月 1日 (木)

中国、結党100周年でなお感染止まらず

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中国共産党100周年だそうです。
香港では例年この7月1日に行われてきた民主化要求デモは禁止、いままでにない暗い「祝祭日」となったようです。
大陸のほうも、すさましい厳戒体制が敷かれています。
インターネットは遮断されて自由な通信はできず、包丁の販売まで禁じられています。
いかにも小心な習近平らしく、ちまちまと市民生活の隅々まで規制しています。
情報ブラックアウトですから、市民は自宅で官営メディアの中継を眺めて、デリバリーのメシを食うしかないようです。

「北京のネット民たちは、ネットが断続的につながらず、大部分の企業は28日から4日まで休みに。建設現場も全部作業停止。青島市教育局は教師と学生に29日から7月2日までインターネットを切断すると通知を出した。また北京在住のジャーナリストら、当局から要注意人物とみなされている人たちは警察の監視がついたり、強制的に旅行に行かされたりした。
北京の金物店では、包丁などのネット販売について制限が通知されている。金物屋にいっても包丁は買えない。
北京故宮近くの東華門大街では、キッチンで使う天然ガスの供給が一時的に停止された。7月4日に回復するといい、それまでは社区の党組織が食事をデリバリーしてくれるという」(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ)NO.372 2021年6月30日)

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中華人民共和国駐名古屋総領事館 (@ChnConsulateNgo) | Twitter

一般人に対してもこうですから、ジャーナリストに対しては、2週間前からマンツーマンで監視され、この数日は軟禁状態に置かれました。

「高喩ら異見人士に対しては、警官一人、保安員二人の厳しい監視がついた。天安門事件記念日の6月4日にも監視が就いたがその時は、6日前からだった。この7月1日のためには二週間以上前から監視がついたという。
天安門事件再評価のための活動家の季風は、北京から離れて河北省白洋淀リゾートに強制旅行させられている。また北京市大興区に住んでいる陳情活動家は、自宅軟禁状態だという。
また陳情者のある女性は、家の備え付けの台所用の天然ガスボンベを持ち去ったという。
「警官がやってきて、家の中を調べて、目についたガスボンベを奪っていった」(福島前掲)

こんなに暗い記念日はなかった、さっさと済ましてくれ、と北京市民はぼやいているそうです。
熱烈祝賀は、日本の河野洋平氏や小澤一郎氏くらいなようで、このおふたりにおかれましては、習近平同志の広大無辺の懐にお住まい頂くことをお勧めします。
このような方々があぶり出されることだけが、この中国共産党100周年記念日のよいところです。

ところで、党記念日とは別に、広州市に移動制限がかかりました。
おやおや、とっくのとうに感染が止まっていたはずですが、どうしたのでしょうか。
メディアが報じないことを、現地駐在員のために淡々と流してくれるJETROビジネス短信(2021年06月09日) からです。

「中国広東省の広州市新型コロナウイルス予防控制指揮部(以下、広州市指揮部)は6月6日、同省での新型コロナウイルス変異株の感染拡大を受け、5月30日に発表した移動制限(2021年6月1日記事参照)に加え、6月7日正午から市外・省外へ移動する人に対して、48時間以内のPCR検査陰性証明の所持を義務付けた。
広東省では、広州市で5月21日に変異株のデルタ(インド)型の最初の感染者が確認されて以降、相次いで感染者が出ている。「南方都市報」によると、6月7日午前0時時点の同省のデルタ型にアルファ(英国)型も加えた変異株の累計感染者数は94人(広州市84人、深セン市1人、仏山市9人)、累計無症状感染者は32人(広州市14人、深セン市15人、仏山市、茂名市、湛江市各1人)となった(ともに輸入症例を除く)。広東省衛生健康委員会は6月8日、前日の7日に確認した省内の新規感染者は19人で、うち9人は無症状感染者から有症状者になったと発表した(市別では広州市14人、深セン市3人、仏山市1人、湛江市1人)。
仏山市も6月7日正午から、市外・省外へ移動する人に対して、48時間以内のPCR検査陰性証明の所持を義務付けた。深セン市では7日正午から深セン空港を利用する旅客に対して「グリーンの健康コード」と72時間以内のPCR検査陰性証明(うち、広州、仏山の身分証を所持、あるいは直近14日以内広州、仏山で滞在したことがある旅客に対しては、48時間以内のPCR検査陰性証明)の所持を義務付けるとした」
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/06/48440426eca1ffef.html

PGR検査の強化というレベルではなく、広州市は都市封鎖にまで踏み切ったようで、市外に移動することに制限がかかっています。

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日経

「中国南部広東省の広州市政府は30日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため住民などの移動制限に踏み切ると発表した。31日午後10時(日本時間午後11時)から実施し、PCR検査の陰性証明がなければ公共交通機関で市外に出られないようにする。インド型の変異ウイルスとみられる感染者が20人以上確認されたことに対応する」(日経2021年5月31日)

中国の自慢は、感染を世界で一番早く制圧したということでした。
まぁ、自分の国がウィルスを漏らしたという噂が絶えない国ですから、一番先に制圧できても不思議はありませんがね。
中国ワクチンの接種も推進しており、既に中国国内での接種回数は6億回を超えたと豪語するほどです。
ただし1回接種と2回接種の区別はつきません。

全体主義国家は統制局面では無類の強さを発揮します
なんせ私権の制限、つまり民主的諸権利を認めないことが全体主義統制国家の大前提ですから、通常モードを強化するだけのことです。
統制の規模と強度が異なるだけで、やっていることは一緒だからです。
ですから都市封鎖、移動制限、私権の大幅制限などはおてのもの、PCRやワクチン接種にしても強制的に実施することができます。

私権制限ひとつ満足にできず、接種も当人が希望すれば、などというわが国とは大違いです。
全体主義が隅々まで行き渡っている中国と、まともな都市封鎖ひとつできないほど国家統制が極度に制限されているわが国、という両極端です。

では、感染が完全に中国政府の公式発表のように撲滅されたかというと違うようです。
中国はほんとうの感染者数を隠蔽する傾向がありますから、むしろワクチン接種の伸びで見るほうがいいでしょう。

「5月に入ってからの全国の新規感染者数の累計は50例を超え、5月に入ってからは毎日平均1247万回のワクチン接種が行われ、4月の平均回数と比べると2.58倍になっている」(遠藤誉 ニューズウィーク2021年6月2日) 

特にこの数カ月間は、地方都市など局所的に感染例が報じられてきました。
しかし、広州のような北京や上海に次ぐ経済・人口規模を持ち、自動車産業が集積する大都市で感染拡大が止まらず、都市封鎖に入るのは異例です。
広東省の人口は1.2億人。日本の全人口に匹敵する規模ですから(スゴイね)、こんな過密な都市で一気に全住民対象のPCR検査をしようというほうが無理があります。

日本の全人口に匹敵する人口密集地域で、PCRとワクチン接種を同時に行えば、当然修羅場となります。
もう三密もクソもあったことか、混乱で倒れたら踏みつぶされるような風景となりました。
下の現場の写真を見ると、ソシャールディスタンスなんてどこの世界という様子がうかがえます。
日本だと、検査日と接種日は完全に別けて、それぞれ行政が通知を送り、当日は問診から始まって、接種後の副反応観察までするのでしょうが、広州では野天テントでジャンジャンやっています。

英米でも似たようなもので、街頭で「そこ行くお兄さん、ちょっと打ってかない。映画券あげるよ」なんてやっていますから、むしろこちらのほうが世界の常識なのかもしれません。
英米なんぞ、注射する前に消毒綿で拭きもしないんだとか。
そういえば映画『ブレイド』では、血清をろくな消毒もしないでウェズリー・スナイプスの首にブスブス打ってましたね。
国民性といえばそれまでですが、日本ももう少し柔軟性をもって、こういう時期には多少ジャパンプレミアムは控えたほうがいいのでは・・・。

ちなみに遠藤氏はこのNWの記事で、日本でも中国並にPCRをやれ、それが国が国民を守る気迫だろう、五輪止めろ、などとわけのわからない気合を入れていますが、PCRは死んだウィルスの残骸までカウントしてしまう非常に精度が低い判定方法です。
ですから、この中国がやっているようなサーベイランス(監視)にこのPCRを使うやり方は厳に慎むべきで、日本のように医療機関や入管などが必要に応じて実施するものなのです。
遠藤さん、こんなプラスマイナスが3割も出るような検査を、全国民に強制する非常識な中国流を賛美しないで下さい。

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NW

「5月26日から大規模PCR検査に入ったので、検査のために「密」を招く可能性もあり、そこにワクチン接種に殺到する住民が加わったので、ワクチン接種会場では雑踏事故が発生しそうな状況に至り、その区域のワクチン接種を一時中断したそうだ。すると「一回目の接種を終わらせ、ちょうど2回目の接種に入ろうとしているのに、ここで中断されたら、一体どうすればいいんだ!」という類のクレームがネットに溢れた。報道では「コロナで死ぬのを免れるために、雑踏事故で死んだのでは本末転倒だろう」などと書いている」(NW前掲)

広州市では、この中国当局の対応に不満をもった市民のデモが行われ、武警も出動して一時はにらみ合いとなったようです。
昨日の記事にも書きましたが、中国ワクチンの効果が眉唾な以上、感染拡大が止まったかにみえたのは、むしろ全体主義的統制の結果によるものだと思われます。
そして中国は早々とシャパンを開けて、世界最速の経済再開を誇ったのですが、かんじんのチャイナワクチンが「水ワクチン」だとすれば一体どうするのでしょうか。
チャイナ・ワクチンを供給された一部の国のように、もう一回英米のワクチンを打ち直すことなど、メンツにかけて中国共産党指導部はしないはずです。
ですから結局、この広州市のように再度の都市封鎖に踏み切り、PCRを徹底し、2回目接種を急ぐしか方法は残されていないことになります。

 

 

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