• 037
  • 048
  • Edgf9ztu8aabj3k_20211015102201
  • 201
  • 789
  • 1_20210814053601
  • 20210909oyt1i50007t
  • 734692164a4b84ed2df0c131938850c2_3
  • Dsc_5703
  • K10013294291_2110061542_2110061653_01_02

« あらかじめ仕組まれたとおりの都議会選結果 | トップページ | デニー知事、無能だから迷走したのか、迷走しすぎて無能になったのか »

2021年7月 7日 (水)

熱海土石流災害の原因をソーラー施設だと決めつけないで下さい

115

 熱海で豪雨による土石流が発生し、まだ多くの方が行方不明になっておられます。
一刻も早い発見と救出をお祈りします。

さて、SNSではまるでソーラーが原因であるかのような議論が盛んですが、いくらなんでも早すぎます。
あわてない、あわてない。なにも決まったわけじゃないんですから。

Kkgb3uqa5riqpfqftdpx4wuvxm

産経

土石流が発生した現場では、約10万立方メートルもの土砂が流れて、激流となって山腹を駆け下りました。
そしてその起点近くでは、人工的な盛り土があり、土砂の半分はこの盛り土だと言われています。
この盛り土は、15年ほど前に、宅地造成のため木を伐採した時に作られたものです。
このような盛り土は、土建業者が開発の際に出る残土の処理を兼ねて土地を広くするために作られるために一石二鳥です。

この盛り土の上南西20~30メートルにあるのが、今SNSで注目されるソーラー施設です。
ただしこの土地を所有する法人の弁護士は、J-CASTニュースにこのよう答えています。

「盛り土はしておらず、盛り土だとも知らなかった。
発電施設は、崩落地からかなり離れており、道路で分け隔てられています。施設からは崩落側に水は流れず、南側の沢に流れますので、崩落と因果関係はなく、施設を作ったのが原因というのは、根拠がないと思います」
(2021年07月05日J-CASTニュース)

J-CASTニュースが撮ったソーラー施設付近の空中写真です。
右側に見えるのが、くだんのソーラー施設です。

News_20210705205707

J-CAST

遠くから見るとソーラー施設から下が崩落しているようにも見えますが、実は接近するとそこから30メートルほど下が起点だとわかります。
もしこのソーラー施設から崩落を起こしたのなら、施設の下にある道が崩落するか土砂を被っていなければなりませんが、その様子は見られません。
またこの施設の弁護士を信じるならば、盛り土はしていないとのことですから、土砂に含まれていた多くの盛り土を説明できません。
したがって、私はこのソーラー施設主犯説は、細野豪志氏が調査団を出すと言っているのでそれを待たねばなりませんが、現時点での可能性は少ないと思います。
私はかねがね自然破壊を伴う大型ソーラー施設には強く批判的でしたが、山腹で土砂災害が出た、ソーラーが上部にあった、おまけに韓国資本だった、パネルが中国製だった、それだけで犯人扱いにするのは短絡というものです。
 ※関連記事『脱原発の妄想』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-9d9379.html

では、なにが原因なのでしょうか。
まず、当日の気象を押さえておきます。
当日は集中的に1日で豪雨が襲ったのではなく、3日間連続で激しい雨が降り続き、7月全体の降雨量の約2倍に達していました。
下のグラフは、現場近辺の箱根における7月3日夕方までの雨量の推移グラフです。

Image1625365817615

熱海の土石流 梅雨前線と"隠れ"線状降水帯が発生していた(森田正光)

「豪雨には、短い時間に80ミリとか100ミリとか激しい雨を降らせるものと、長時間にわたって中程度の雨が続くタイプとがあります。
上の図は箱根の6月30日午後からの三日間の雨量です。
 棒グラフは1時間雨量ですが、これを見ると強い所でも1時間に30~40ミリ程度、期間を平均すると10ミリほどで、特別激しい雨というわけではありません。ところが72時間の合計は800ミリを越えており、これは7月の降水量の1.9倍にもなります。つまり今回の豪雨は、やや強い雨がずっと続いたと言えます」(森田正光) 

このように連続する豪雨が3日間も続き、72時間で800ミリを超える長時間強雨でした。
線状降水帯の基準値に満たなかったために、発見しにくいいわば「隠れ線状降水帯」ですから、警報も出ませんでした。
しかし、7月3日土曜午前10時30分頃、熱海市伊豆山地区で斜面が崩壊し、大規模な土石流となりました。

ところで斜面崩壊には二種類あります。
ひとつは「表層崩壊」で、地表から2~3メートル以内の表土層のみが崩れます。
一方、「深層崩壊」は、それより深い場所にある岩盤から根こそぎ崩れる現象をいいますが、今回の斜面崩壊はこの岩盤から根こそぎにされるケースです。

山斜面はこのような多層構造をしています。
09b39def_20210706093001
ここに大量の雨が集中的に降ると、森林は水を吸い込めずに地表をえぐって、根こそぎ岩盤の上から崩落を開始します。
太田猛彦・東大名誉教授によれば、今の手入れをされない森林では著しく水の涵養力が低下しているということです。

2lrar4hbrvmutj2ibi42sxzmwm
産経

今回の崩落は、盛り土で造成した地点から始まっていることから、盛り土がなんらかの原因となったと考えられています。
盛土により出口を失った地下水が、逃げ場を失った水の運動エネルギーが間隙水圧の急上昇を引き起こしました。
そして岩盤から上の地層を一気に押し流す深層崩壊が発生したようです。

8664902_ext_col_03_0

熱海・土石流災害 起点の盛り土がすべて流出 開発行為が被害を甚大化 

「県によると、土石流の起点は海岸から2キロほど上流の地点。起点の周辺では幅およそ100メートル、長さ100メートルほどにわたって、深さ10メートル程度が崩れたとみられる。
 周辺には開発行為による盛り土があり、土石流との因果関係はわかっていないが、県はこの盛り土がすべて流れ出ていて、土石流による被害を甚大化させた可能性があるとしている」(ANN 7月4日)
 「ほかの谷や斜面は崩れていない。特殊な要因があったのではないか」(産経7月4日 )

ドローン映像で見ると、盛り土の箇所から崩落がはじまっており、谷の最上流部にえぐれた斜面から大量の水が吹き出す映像もあるようです。
これらを見ると、元々水みちがあった場所が開発行為によって盛り土されたために、水は逃げ場を塞がれてしまいました。
そして災害当日、大量の雨がこの盛り土を突き抜けて地中へと突き抜け、岩盤から上を崩落させる土石流の引き金となった可能性があります。

F762ed53-1

太田猛彦

本来は、このような谷を埋めたり、盛り土をする場合は、排水管などを通して水はけを確保する必要がありますが、施工が甘かったり、排水能力を超える量の雨が降ったりした場合、水みちが詰まって、その流水の運動エネルギーは地下に潜って岩盤に突き当たり、岩盤から上の地盤全体を持ち上げるようにして深層崩壊を引き起こしたと考えられます。

ソーラー施設の可能性もないとはいえませんが、調査団が派遣されるようですので、主犯扱いはそれを待ってからでも遅くはないと思います。

なお、小泉環境大臣はやっとソーラー施設と環境破壊との関係に気がついたようです。

「急傾斜地への設置を懸念する地域もあり、ここに建てるべきではないとの対応も必要ならやるべきだ」
小泉氏は閣議後記者会見で、太陽光発電所の立地規制の検討に言及。今回の土石流と同設備の因果関係は確認されていないが、不安払拭に向けた規制の必要性を省内で議論する構えだ」(産経7月6日)

遅いよ、鈍いよ。危険性はとうの昔から指摘さていたのですから、レジ袋なんてくだらないことやる暇にとっととやっているべきでした。

« あらかじめ仕組まれたとおりの都議会選結果 | トップページ | デニー知事、無能だから迷走したのか、迷走しすぎて無能になったのか »

コメント

昨日の静岡県公式でも、ソーラー業者の弁護士も関係は否定していますね。

また当該箇所を埋め立てた業者が無くなってるとか、またまた最近までしょっちゅうダンプが来てたという住民の証言があったとか(それだけでは関係あるのか分かりません)。

まあ、とにかく調査待ちですね。
本来沢になる部分が盛土でならされてたのは確かなようですが、そんなの日本中どこにでもあるので、なぜ熱海のあの場所だけ大規模土石流が発生したのか今のところ説明が付きません。


テレ朝ニュースによると

『地質学者の塩坂邦雄氏は「尾根部の開発を行ったために、今まで保水力のあった森が無くなったので、(雨水が)流出したんです。悪いことに進入路があるので、ここに樋(とい)のようになって、(土石流の起点)に水がたまって、水が全部この勾配で、ここに来ちゃった」と話しました。』

と、直接太陽光とは言いませんが太陽光パネルが設置してある部分を指して報道しています。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/amp/000221563.html?__twitter_impression=true

慎重な姿勢は大事だと思いますが、山の木を無くせば保水力が無くなり、水はそこから下に流れて、溜まる。なんて、常識だと思います。

30メートルぐらい離れてるなら、まさに、その図式にマッチしてるのでは無いですか?


 ソーラー設置業者に刑事責任を問える事はないように思います。けれど、設置により山全体の保水力を下降させた事はもちろん、水流経路や量が変わった事が原因の一つになった事は疑いないでしょう。

表層部が崩れるのは分かやすい理屈です。しかし、岩盤部分まで崩れたのは何故でしょう? 地元では長く「伊豆山は崩れない」と言い伝えられていたそうです。今回のは、単なる自然災害とは違いましょう。

そうであれば、ソーラーパネル事業含め、この間の変化のどれか、あるいは複数が要因になった事に間違いありません。
地元行政による不十分な「許可」や「申請」にかかわる低い条件基準も問題で、行政による不作為責任は必ず生じると思います。


阪神地区でも震災が起きるまでは「大きな地震は起きない」という根拠不明の定説がまかり通っていましたし、そういう不確かな言い伝えを鵜呑みにせずにハザードマップを確認し危険地域に住んでいるなら警報が出たらさっさと避難するという習慣は付けたいですね。

原因究明についても色々と言われていますが犠牲者が出ている以上、どこぞのお城焼失事件のように有耶無耶にされて終わらないことを願ってます。

こちらの記事の説明が個人的に腑に落ちました。
ただし、私自身に土木工学、造園学などの知識が無く、現地の様子も報道以上のことは知らないので、科学的信憑性は判定出来ません。納得できた、という程度です。
https://chikyumori.org/2021/07/05/緊急報告%E3%80%80熱海市伊豆山土石流~その発生プロセ/

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« あらかじめ仕組まれたとおりの都議会選結果 | トップページ | デニー知事、無能だから迷走したのか、迷走しすぎて無能になったのか »