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2021年9月 1日 (水)

眠たい男の眠たい報告書

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バイデンが情報機関に提出を命じた、COVID-19の起源についての報告書が明らかになったようです。
気になるでしょうから、結論から言えば最悪の報告書です。
いかにも眠い人が出した報告書(以下バイデン報告書)だけあって、いちおうは追及しているふりはしています。

「バイデン大統領が米国の情報機関に命じた新型コロナウイルス起源の報告が27日に明らかになった。新型コロナウイルスの起源問題は依然としてグレーゾーンが多いが、専門家たちはいかなるゲノム操作の可能性も排除し、また新型肺炎が生物兵器である可能性も排除した。
同時に、実験室漏洩であるか、人と感染動物との自然接触によるものか、この二種類の理論にはともに合理性があるとした」
(福島香織の中国趣聞(チャイナゴシップ) NO.412 2021年8月29日)

「いかなるゲノム操作の可能性も排除し」とは、このCOVID-19が天然由来のものだという事になります。
つまりピーター・ダザックと石正麗がやっていたことが証明されている、コウモリのウィルスを使った機能獲得実験はこのCOVID-19とは無関係だとバイデンは言っていることになります。
とんでもない後退です。こんなものなら、出さなかったほうがよほどましでした。

その上に「新型肺炎が生物兵器であることを排除した」とは、ダザックと石、そして武漢ラボのオーナーの人民解放軍は世界の人々の健康のためにこのCOVID-19と97%同一の新型ウィルスを作成していた、ということのようです。
おお、中国共産党とその軍に栄えあれ!

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ピーター・ダザック

人民解放軍のウィルス研究所は、生物兵器に転用するなんて悪しきことは夢にも思わず、ひたすら人類の福祉のために日夜戦っていたのだと、ほかならぬ米国大統領閣下自らが裏書きしたのですぞ。パチパチ。
しかし解せないのは、人類福祉のため営々と作ってきたはずのCOVID-19のはずなのに、武漢ラボはこれを中国共産党に知らせていなかったというのですから、これいかに。

「中国政府がこの感染の大流行前にこのウイルスについて、おそらく知らなかったであろうと強調している」(福島前掲)

中国政府、ないしは共産党が配下の解放軍系ラボが何を研究しているのか知らないなどということは、まずありえません。
知らなければ政府は予算配分もできないはずで、バイデン報告書によれば中国政府は今まで石グループが費やしてきた巨額の費用の根拠を知らずに支出していた、武漢ラボが勝手に独走していた、ということになります。
一般の国でもそんなことはありえませんが、中国のような全体主義国の仕組みをまったく知らないとしか思えません。

またバイデン報告書は人工的にコウモリウィルスを改変した形跡がないと言っていますが、自然界のコウモリにはCOVID-19と同一のウィルスは見つかっていないのです。
もしそんな都合いいウィルスが見つかっていたら、ダザックと「コウモリ女」の石正麗はわざわざ長い時間と巨額の費用をかけて機能獲得実験などに取り組む必要などなかったはずです。

発生源の武漢海鮮市場ではコウモリは売られていませんでしたし、新型コロナウィルスと近似したウィルスを持つとされるキクガシラコウモリも武漢から遠く離れた雲南などにしか生息していないのです。
キチガシラコウモリのように飛翔力が弱い生物が、パタパタと武漢ラボまで飛んできたとでもいうのでしょうかね。
もちろん違います。石たちのグループが、コウモリランドができるほど大量に捕獲し、そこで改変実験をしたからです。

それについて石は論文を出しています。
FOXニュースの『ネクスト・レボリューション』の新型コロナウイルス「研究所流出説」によれば、アンソニー・ファウチのNIAID(米国立アレルギー感染症研究所)のために武漢研究所が行った作業は、2017年の助成プロジェクトの発表論文に詳しく説明されています。
この「中韓報告」の共同執筆者こそピーター・ダザックと石正麗で、彼らは「遺伝子変異体を構築した」と堂々と書いているのです。

「単一個体のフンのサンプルから、更に新型のSARS関連コロナウイルスRs4874の培養に私達は成功した。(中略)WIV1をバックボーンとする感染性細菌人工染色体 (BAC) のクローン群と、8種類の異なるコウモリSARS関連コロナウイルス由来のS遺伝子変異体を私達は構築した。(中略)Rs4231とRs7327の感染性クローンのみが変異後にベロ6細胞における細胞変性効果に至った」
(胡犇、ピーター・ダザック、石正麗 PLoS Pathogens誌2017年11月30日)

機能獲得変異研究について簡単に説明します。
これは実験室で反復し、より強力さと威力を持たせるように遺伝子コードを操作し、ウイルスが新たな機能を獲得する研究です。
このことによって、感染力が極めて強く、致死性の高いウイルスを実験室内で自由に設計でき、あらかじめ実際の流行前に治療法やワクチンを作っておくことが可能です。

この実験は一度誤ると感染力が強く、しかも致死性の高い新種のウィルスを作ってしまい、万が一流出すると大惨事になります。
なにせここで作り出された新型ウィルスは、自然界にあるものではなく、強力に感染し致死率が高くなるように人工的に作られた悪魔だからです。
転用すればウィルス兵器として絶大な効果を発揮することは、この1年8カ月を見ればわかるでしょう。

つまり彼等は、実験室でヒトの細胞をそれらに感染させ、自作の人工ウイルスが機能的ウイルスとして自己複製できる事を示したというわけです。
そしてこれにカネを出していたのが、他ならぬ民主党がホワイトハウスに連れてきたアンソニー・ファウチでした。

私はファウチやダザックが、中国の生物兵器製造を手助けしたとは思っていません。
おそらく機能獲得実験が、新しいウィルス感染の防疫に役立つはずだと考えたのでしょう。
ところが米国内ではウイルス漏洩事件が起きて実験が禁止され、やむなく武漢ラボの石グループと提携することにしたと思われます。

石は軍籍を持っている研究者で、武漢ラボ自体からして人民解放軍管轄の組織です。
中国の科学研究は、すべて軍事転用することを前提にしています。
とうぜん武漢ラボの石らは、米国のふたりとは違って生物兵器になりうるものとして研究をしていたはずです。

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アンソニー・ファウチ

米メディア「USAトゥデイ」などの昨年の報道によると、米国立衛生研究所(NIH)は2015年以降、コウモリ由来コロナウイルスの研究のために、このダザックのエコ・ヘルス・アライアンスに370万ドル(約3億8702万円)の助成金を提供しています。
この関連性を否定してしまえば、ファウチからダザックを通じて武漢ラボに多額の米国政府が助成金を出していたことに触れないで済みます。
ファウチはバイデンのホワイトハウス医療顧問ですから、ファウチまで伸びる疑惑は、バイデンを直撃する可能性があったのです。

ただし、こんないいかげんなものを出したら議会でメタメタに批判されているのは目に見えているので、とりあえず「実験室漏洩か、実験動物との接触はありえる」と言い訳のように書き添えたというわけです。
実験室からの漏洩でも実験動物との接触でもいいですが、ウィルスが洩れたのは当たり前で何をいまさら。
問題は漏れた漏れないというレベルではなく、いまの探求は中国が生物兵器として意図的に使用したのか、あるいは過失による漏洩か、に移っているのです。

トランプとポンペオはその可能性があると明言していましたし、前政権で国務長官特別顧問として新型ウイルス発生源の調査を進めていたデビッド・アッシャーは、報告書で、武漢ラボを名指ししています。
アッシャーは、生物兵器を含む大量破壊兵器の拡散防止や国際テロ対策の専門家で、現在はハドソン研究所の上級研究員をしており、今年5月に「中国政府の新型コロナウイルスの悪用に対する正しい対応」と題する報告書を同研究所を通じて発表しています。
その中で、武漢地域でのコロナウイルスの一般感染が知られるようになる直前の2019年11月頃に、武漢ウイルス研究所の所員3人が同ウイルス感染の症状に酷似した感染症にかかっていたことを、米国情報機関の情報として明らかにしました。

アッシャーはそのうえで、「100%の証拠はないが、今回の新型コロナウイルスは、武漢の研究所で進めていた生物兵器開発の途中でウイルスがまず所員に感染し、その後、市街へと流出したことが確実だ」と述べています。
そして武漢ラボのウイルス研究などに対して、米国の官民から資金援助があったことも記しています。
この「米国の官民」が、とりもなおさずファウチの米国立衛生研究所とダザックのエコヘルス・アライアンスのことです。
米国は意図しなかったとはいえ、こともあろうに新型ウィルスを用いた中国の生物兵器製造の研究を手助けしてしまったのです。

ただし、そのことで米国側に多数の証拠を残していってしまいました。
なにも武漢ラボを調べなくても、米国内に証拠の山があるのです。
ダザックとファウチを徹底的に調べれば、米国側の足跡(フットプリント)がでてくるはずなのに、バイデンの情報機関とやらはなにをしているのか。
私はここを調査するのかと思っていましたが、手をつけなかったようです。やれやれ。

そのうえ、バイデン報告書は「中国政府がこの感染の大流行前にこのウイルスについて知らなかった」とあらかじめ無罪を宣告してしまっています。
極論すれば、中国政府が知ろうが知るまいがどちらでもいいのです。
問題は、あくまでも人民解放軍が管理するウィルス研究所が新型ウィルスを作ってしまったことであり、それをこともあろうに流出させてしまった中国政府の責任なのです。

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バイデン米大統領 イスラエル首相との会談中に居眠りか? - Sputnik

ここまで腰が引けた無意味な報告書を作っておきながら、バイデンはこんな声明を出しています。

「この起源調査はバイデン大統領の要請で行われた。米国大統領がこの報告が出たあとに出した声明では、中国の透明性の欠如と情報の隠蔽について非難し、北京が国際的専門家チームの現場調査を許可すべきだと呼びかけた。「我々の監査任務が完了したとしても、この感染症の真相を追求することをやめない」とした」(福島前掲)

中国はWHOについても追加調査しないという念書を取っているのに、米国も含む国際調査団の現場調査なんか認めるはずがないでしょうに、バイデンはできるはずがないのを充分知っているくせに、自分の面子を繕うためだけにそう言っているだけです。
本気でそう思っているなら、バイデンが好きな国際的同盟で調査をするように圧力をかけたらいい。
それもしないでおいて、なにが「北京に呼びかけた」ですか。とんだ茶番です。

ちなみに、このバイデン報告書は情報機関が作ったという事になっていますが、関わった5機関の評価はバラけました。

「ボイスオブアメリカによれば、米国の情報機関のうち四機関が「ウイルスが動物から人類に感染した自然発生的な武漢にものである」とすることに「低い信頼度」を示したという。五番目の情報機関は「最初の人類感染と実験室が関係ある」とすることに「中程度の信頼度」を示した」(福島前掲)

大山鳴動ネズミ一匹の典型となりました。
こんな人物が大統領の椅子に座っているかぎり、大統領命令による調査のこれ以上の進展はないでしょう。
ただしこんな下院マッコーネル報告書に遥かに劣る内容で、議会が民主・共和に限らず満足するとはとても思えません。
議会を中心とした報告書が作られる動きが出ることを期待します。

なお、中国外交部は、米国がこのリポート結果を発表する前から米国の調査を攻撃し、中国側はWHOに、米陸軍のフォートデトリックのウイルス研究所を調査させよと主張しているそうです。
あ、そうそう、米軍が軍人オリンピックで武漢に新型ウィルスを持ち込んだからパンデミックになったんでしたっけね(笑)。

 

※ブログデザインが狭くなってしまっていることに気がついたので、通常サイズのものに変更しました。

 

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コメント

民主的な国々では、酷い失敗失態に対して憤る人々やアンチ運動をする人々などが、事あるごとに「綱紀粛正しろ!」「再発防止策を考えて示せ!実行しろ!」「解体して出直せ!」と迫るし、迫られた方も何かはせざるを得ないわけですが、この問題はそこに辿りつけるのでしょうか。
米国政府にとっても中共政府にとっても、政治以上に優先するべきものはないようです。
「起源や責任」の回避を万歩譲ってたとえ仕方ないとしても、「世界が再びこのようになる事態」の回避はどうしたら可能なのか、何をすればよいのか、そこへ進めないのならば、パンデミックはまたやって来ますね。

自粛生活が始まって1年と半年が過ぎました。
定例の同僚との週末の飲み会を最後にやったのが、2020年の2月14日です。豪華客船で感染者が出たとか隅田川の屋形船で感染者が出たと騒いでいた時期です。
個人的な趣味で、桜を追っかけて写真を撮っています。関東近辺では静岡県の河津桜で始まり、4月の山梨の忍野村で終わるのが恒例の行事です。河津桜祭りが始まるのがちょうど2月中旬です。ただその時期河津には沢山の中国人観光客が来ていました。
恒例の桜の追っかけも2年連続で自粛です。
確かヨーロッパでの感染拡大も、イタリアの中国人観光客から爆発的に広がっていきました。そういうことはWHOが何を言おうが、中国が何を言おうが事実として残ります。
情報を隠蔽し、武漢は閉鎖したのに、人の移動は止めなかった。
やはり中国の責任は重いと思います。意図的にやったのなら制裁を科すべきですが、今度の報告書では灰色決着で終わりそうですね。

 やっぱり、と言うべきか。
どうせバイデン政府なら、こんな程度になると思ってました。
この問題についての中共への責任問題を回避させ、米国民や議会の批判をスローランディングする目的しかバイデンにはなかった、という事でしょう。しかし、こんなのはNYTですら納得しません。

が、いまだ概要を公開しているばかりで、続いて非公開部分も順次公開されるそうです。このやり方は一応理屈を付けてはいますが、マスコミ対策と衆目の反応を見るためのもの。ケリーの中国訪問も関係あるのかも知れません。

そういえばケリーのこの時期の訪中は気候変動問題などであるはずがなく、アフガン問題への中共のコミットメントを得るためとの観測がもっぱらです。

バイデン政権は中共との合作でしか国際問題を処理出来ないと考えている、蜜月時代の美味しいビジネスが忘れられない勢力が後ろ盾の政権です。これじゃ「同盟重視」などと言われても、日本は中国批判をどこまでするかの判断が難しいです。
「二階に上げられて梯子を外される」、こういう言葉が浮かんできます。

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