東京五輪、BBCに称賛される
日本を褒めたことがないので有名なBBCから、東京オリンピックを褒められてしまいました。
BBCはこう述べています。
「もちろん、どのオリンピックもほかとは違う。しかし「東京2020」は本当に、前例のない大会だった。この17日間で確かに、劇的なスポーツのドラマが相次ぎ展開された。しかしそれでもこの大会は今後もずっと、「コロナ五輪」、「COVID五輪」として記憶される。今のパンデミック下の初のオリンピックで、緊急事態宣言下で開かれる初のオリンピックで、そして無観客で行われた初のオリンピックだった。
これだけの難問を前に、この大会がそもそも閉会までこぎつけ、そればかりか実に多くの特別な瞬間を提供したことは、ある意味で小さい奇跡だったと捉える人もいるだろう。
スポーツの不屈の精神、そして開催国のたくましさを強力に示すシンボルとなったと評価する人もいるだろう。賭けは成功したのだと」
(BBC) https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-58133532
もちろん塩辛い英国人が簡単に褒めるわきゃないので、頭からよくできました、と言ってくれているわけではありません。
しかし、この考えられる限り最悪の条件下で、日本が勇気を持って対処しなし遂げたことは正当に評価してくれているようです。
ARIGATO」の文字|東京2020オリンピック・パラリンピック
一方、五輪中止団の団長格であった朝日は社説でこう書いています。
まずはいちおう褒めて見せます。
「本来のオリンピズムを体現したアスリートたちの健闘には、開催の是非を離れて心からの拍手を送りたい。
極限に挑み、ライバルをたたえ、周囲に感謝する姿は、多くの共感を呼び、スポーツの力を改めて強く印象づけた。迫害・差別を乗り越えて参加した難民や性的少数者のプレーは、問題を可視化させ、一人ひとりの人権が守られる世界を築くことの大切さを、人々に訴えた」
(朝日社説2021年8月9日)
https://www.asahi.com/articles/DA3S15004172.html
よく読むと選手全部を褒めたんじゃなくて、難民選手団とか性的少数者の人権を守った人らがエライと言っているたけのようです。
そして、こちらがほんとうに言いたい朝日の本音ですが、続けてこうも書きます。
「不都合な事実にも向き合い、過ちを率直に反省し、ともに正しい解を探ろうという姿勢を欠く為政者の声を、国民は受け入れなくなり、感染対策は手詰まり状態に陥っている。
安倍前政権から続く数々のコロナ失政、そして今回の五輪の強行開催によって、社会には深い不信と分断が刻まれた。その修復は政治が取り組むべき最大の課題である」(朝日前掲)
NHK オーストラリア選手団
もう失笑するしかありませんね。「反省せよ」ですか。
その言葉そのままお返しします。
五輪に直前まで頑迷に反対し続けて国民を動揺させ、次善の策すら議論させず、徒に国民の「分断を深めた」のはどこの誰だったのか。
東京大会が成功した今、「不都合な真実に向きあい」己の態度を省みる必要があるのは、政府か、メディアのほうか。
では、その選手達に直接尋ねてみるがいい。
今回のオリンピックは選手も厳しい制約下に置かれました。
ある意味、選手たちは日本国民以上の抑圧的行動制限下で戦ったのです。
なぜなら国民に対しての移動制限や外部での飲酒はしょせん「お願い」ですが、選手には厳しいレギュレーションであって、違反すれば選挙村からの退去、すなわち大会からの追放を意味したからです。
選手たちは観光はおろか、競技以外は選手村から一歩も出られず、競技を終えた選手は48時間以内に選手村から出て帰国せねばなりませんでした。
日本ができた「おもてなし」は、清潔で安全な住環境と競技環境、美味しい食事だけだったと言っていいくらいです。
大会が開かれたという大前提があったからこそ、選手たちが人類の到達可能の限界まで競うことが可能だったのです。
選手たちは、素直にその機会を与えたくれた東京大会と日本に感謝しているのです。
朝日の言うように大会そのものを中止してしまえば、すべては消えたのです。
きっと選手たちにとっては不満足な点も多々あったでしょうが、感染期の「コロナと戦うオリンピック」としては、それ以外わが国に選択肢がなかったことを、選手たちはよく理解してくれました。
万が一にも選手村で、あるいは競技会場でクラスターが発生すれば、大会そのものが中断される事態に陥ったからです。
終わってみれば、五輪が開催できたこと自体に喜びを表明する選手が圧倒的でした。
ある英国選手はこのように述べていました。
「昨年五輪が延期され本当に行なわれるか世界が疑問に思いました。もしできるなら東京しかないと信じていました。日本の皆さんの努力で夢が実現しました。不可能な時でも希望を見つけられると知りました。ありがとう」(英ボート代表E.クレイグ選手)
世界のスポーツ競技の頂点に立つオリンピックに参加し、そこでメダルを獲得するのを子どもの頃より夢見て来た人たちが集ったからです。
彼らはオリンピックに参加することを目指してトレーニングを重ね、参加できたことを生涯の誇りに思って生きていくことでしょう。
東京大会が中止されたなら、彼らの人生の目標を奪うに等しかったはずです。
そのアスリートたちに開催不安の思いを抱かせ、競技への集中を妨害したのは誰だったのか。
いったい誰が大会を妨害し続けたのか、それを問わずに「アスリートの健闘」もないもんです。
大会を開く英断をしたからこそ、「健闘」があったのです。
だから、閉会式の国立競技場の電子板に「ARIGATO」と浮きだしたのは、私たち日本国民の気持ちであると同時に、大会に参加できた全ての選手たちの偽りのない気持ちだったはずです。
私からも言いたい。ありがとう、世界から集まって来てくれた勇敢で強い選手たち、本当にありがとう!
ところが、そうは思わない、思いたくない一群がいます。
大部分の軟弱なメディアは転向してしまいましたが、いまだ残る頑固派がさきほどの朝日などのサヨクメディアです。
彼らは開会直前まで「オリンピックか命か」などという大前提自体が間違っている命題を立てて、反対し続けました。
産経と読売を除くほぼすべてのメディアがこれに加担し、まるでメディアスクラムのようでした。
これに煽られた国民の7割もが中止に傾いた時期すらあったほどです。
それを一気に吹き飛ばしたのが、日本柔道の快進撃でした。
レスリング女子では6階級中で4つの金を獲得し、卓球女子も活躍。スケートボードでは史上最年少の金メダリストが誕生しました。
苦戦続きだった競泳でも大橋選手が2冠に輝き、空手形の清水希容選手の凛とした演武の美しさは、恐らく世界を虜にしたはずです。
彼女らは自らの実力で出場権を勝ち取ったのであって、朝日が好む女性・人権枠で勝ち取ったわけではありません。
彼女らの超人的な努力の積み重ねと闘争心が、女性のいっそうの地位向上に繋がるのであって、その逆ではないのです。
こういう朝日の、政府・組織委員会=悪玉vsアスリートの栄光といった構図に対して、BBCは至って常識的な見方を示しています。
それは、アスリートの栄光を準備し、支えたのが他ならぬ政府・組織委員会だという事実です。
BBCはこうも書いています。
「実際のところ、東京2020に参加したすべてのアスリートにとって、出場したこと自体が勝利だ。大会の延期と相次ぐロックダウンにもかかわらず、いかに自分がたくましかったかの表れだ」(BBC前掲)
このような公平な報道に素直に感謝します。
このコロナ感染期に、オリンピックを開催できたこと自体が奇跡で、出場できたことが勝利だったのです。
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朝日新聞のしょうもなさは今更語るまでもありませんが、よくもまあお前がいうなあと驚きます。今回の記事をもじって朝日向けに書き直してみました。
「不都合な事実にも向き合い、過ちを率直に反省し、正しい報道を貫く姿勢を欠く朝日新聞の声を、国民は受け入れなくなり、読者を繋ぎ止める対策は手詰まり状態に陥っている。木村伊量体制以降も続く数々の誤報、ねつ造、そして今回の五輪批判一辺倒の報道姿勢によって、国民にさらなる不信を招いた。その修復は朝日が取り組むべき最大の課題である(無理だけど)」
お粗末。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2021年8月12日 (木) 06時38分
右翼も左翼も大嫌いさん、お見事(笑)
昨日は鈴木宗男(私は好きではないけど)がレポーター時代の玉川徹のやらかしに激怒のツイートしてましたねえ。。そりゃ怒って当然です。
投稿: 山形 | 2021年8月12日 (木) 07時19分
ワシントンポスト紙は下記記事の中で東京五輪の功罪について述べています。
前半部分では東京五輪の「功」の部分、後半は「罪」についてです。
日本の一部メディアは「罪」の部分のみを取り出し、「ワシントンポスト紙が東京五輪を猛批判」などと報じています。
実際は「功」の部分も多くのスペースを割いて記載されているのですが・・・
偏向報道にはウンザリします。
https://www.washingtonpost.com/sports/olympics/2021/08/08/olympics-tokyo-legacy-pandemic/
投稿: 一山口県人 | 2021年8月12日 (木) 07時53分
オールドメディアのダメっぷりがあからさまになりましたねぇ。選手村のダンボールベッドがー、食事がー、とか、くさしていたのを各国の選手達がSNSで称賛してしまいました。
有名選手達に「オリンピック開催していいのか…」みたいなインタビューを流したりもしたものの、終わってみるとほぼ全ての参加したアスリートが本音では「表だっては言えなかったけど出たかった」ってことを最大限の称賛とともにSNSで発信してくれました。アスリート達と関係者(特にボランティアの方々)に感謝感謝です。
夏の甲子園始まりましたね。
投稿: クラッシャー | 2021年8月12日 (木) 08時31分
マスコミはオリンピックとコロナ感染拡大を関連付けたいようですね。
私は、関係ないと思います。オリンピック関係者や選手、ボランティアの皆様からは、皆無とは言いませんが、感染者は出ていません。
その意味でも、菅総理が仰った「安全安心のオリンピック」だったと思いますよ。
市中感染はオリンピックとは別の問題があるのでしょう。
また、国民が自粛ムードの中でのオリンピックはけしからんと、マスコミは何かとケチを付けます。蓋を開けてみれば開催してよかったが国民の7割です。
オリンピック関係者の皆様、アスリートの皆様、ボランティアの皆様がそれぞれの立場で、努力した成果です。
投稿: karakuchi | 2021年8月12日 (木) 15時27分
2021.8.12 相模吾です。 外野のうるさかったオリンピックも終わってみたら大成功。世界中から集まったアスリート達の熱闘に感激しっぱなし。 コロナ禍の日本に行くことに躊躇のあった海外選手もいただろうが競技に集中できた面も、日本のできることすべてを準備した面を感じてもらえたこともあったのだろう。
個人的には、最近の日本選手の勝った瞬間に見せる歓喜の表現が、負けた相手の選手に対するレスペクトが足りないように感じていたが、柔道の高藤選手や空手の喜友名選手の試合後の相手への挨拶など感心した。
二人とも試合場所を去るときにも正座して中央に向かって深々と一礼していた。 この相手や試合の場所に対する敬意はもともと武道から来るものなのか、個人の資質なのかは知らないが、すごく日本スポーツ選手を感じられた。 いいオリンピックでしたね。
投稿: 相模吾 | 2021年8月12日 (木) 16時15分
全部良い、課題がないわけではない、問題点や反省点改善点はある、そんなことは誰もが分かっていることで、こんな時ですらちゃんとある良い話だって伝え、聞くのは当然なのですが、良い話が外信や選手のSNSや「海外の反応」サイトからばかり。
というわけで、AFPの報道も貼っておきましょうね。
英関係者「懐疑派は間違いと証明された」
https://www.afpbb.com/articles/-/3360943
感染対策の模索・継続と開催延期だけでなく、前後左右上下斜め、何処を向いても大声で聞かされるのは否定・文句・言い掛かり・嘘・曲解と非協力どころか邪魔ばかりでネガティヴなのもいい加減にせーや、なところから、選手、スタッフ、運営、業者、ボランティア、お家のテレビで満喫し応援した人、みんな良くやったと思います。
特に選手、メダルを手にするしないにかかわらず、競技史上開けられていなかった扉を開いた選手が多々あったのは立派で、良いものを見せて頂きました。
次はパラリンピックです。
今回は民放が初めて生放送もするんですってね。
投稿: 宜野湾より | 2021年8月12日 (木) 16時24分