馬鹿が始めて、馬鹿がめちゃくちゃにしたアフガン戦争
一回アップしましたが、都合で落とした記事です。大幅に加筆修正してあります。
どの国が最初にタリバン国を承認するかと言われていますが、当然あの国しかいないでしょう。
もちろん今回の崩壊劇のプロデューサーだった中国です。中国はトンビが油揚をさらった気分でいます。
ロシアも続くことでしょうが、もう少し高見の見物をしてからにするかもしれません。
欧米は絶対にタリバン政権を承認せず、米国のようにアフガン政府の資産凍結と支援停止をします。
ドイツなど1セントたりとも出すか、と言っているようです。
それにしても世界が驚愕したのは、一晩でカブール政権が崩壊し全土制圧されてしまったということです。
私たちは、公称30万人の兵力を抱えたアフガン政府軍が一瞬にして消え失せてるマジックを見させられたんですからね。
それも大規模な戦闘があればまだしも、ろくに戦いもしないで消滅です。
常識的に言って、いかに腐り切っていたとしても、30万の大軍が一晩で蒸発してしまうとは考えられません。
30万と一口でいいますが、ヨーロッパのどの軍隊より大きく、もちろんわが国の日本の自衛隊よりも大きいのですから、ウソだろという気分にもなります。
アフガン治安悪化を懸念 政府軍の能力不足指摘―米司令官:時事ドットコム
いちばんウソだろうと思っているのは、当の米国政府です。
米国はアフガンに米国型民主主義を築こうとして、2兆ドル(200兆円!)以上の支援を投入し、大量の武器を与え、政府軍兵士を訓練しようとしました。
これはかつての南ベトナム支援を上回る規模で、ここには南ベトナムにはしなかった地下資源の開発でメシが食えるようにする経済計画まで含まれていました。
まったく余計なお世話で、そんなことでまともな民主主義国家が生まれる道理がないのは、かつてこの国に徹底した国家改造をされた経験がある日本人ならわかります。
日本でまがりなりとも米国型民主主義が出来上がったのは、明治から一貫してヨーロッパ型民主主義国家だったからにすぎません。
それを砂漠に点々と都市があるだけの、ケシ栽培以外まともな産業がない部族国家相手にやってうまくいくわきゃありません。
この不毛な戦争を始めたブッシュジュニアは、「我々は日本で民主主義を成功させたから、今回も成功する」なんてトンチキなことを言っていましたが、バカですか。
とうぜんのこととして、いつまでたっても民主化と安定化はいっかな進まず、米国の富と若者の命だけが虚しく費消されていきました。
そこで10年前になって時のオバマ政権は、店じまいを決めたのですが(その副大統領が誰あろうバイデンだったことをお忘れなく)、撤退するといってもここまで深入りすると容易なことではなく、ズルズルとした状況だけが続きました。
NW
「アフガニスタンでは治安部隊は戦場での証拠集めに忙しい。武器、空になった弾丸ケース、簡易爆発物(IED)の部品、文書、携帯電話、爆薬を使った痕跡......。反政府勢力の戦闘員を拘束して裁判にかけても証拠がなければ有罪にできないからだ。しかも身柄を拘束しても、賄賂で裁判の前に自由の身になることが珍しくない」(ニューズウィーク2017年9月9日)
米軍アフガン増派、「勝利なき戦争」という大誤解|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
まさにアフガンは、米国の抱える回収不能の不良債権そのものとなっていたのです。
これに目鼻をつけようとしたのがトランプ政権でした。
彼一流のビジネス感覚でアフガン派兵をサンクコスト(回収不能資金)として割り切り、いかにそれをソフトランディングさせるかに心を砕きました。
トランプはアフガンの泥沼から足を抜き、2期めは全軍事力を対中軍事作戦にシフトする気でした。
そのためにタリバンと和平協定を結び、彼らが違約すればすぐにお仕置きをするといった硬軟取り混ぜた秩序ある撤退を完了しようとしていました。
ところが、あろうことかトランプが大統領選で「敗北」しバイデンに替わると、この協議は空文化してしまいました。
本来は、いかに政権が替わろうと、前政権が取り交わした協議の上にバイデンは撤退を進めるべきだったものを、タリバンや現地政府にも計らずに、今まで共にアフガンで戦ってきたNATO諸国とも協議をしないで、ひとり勝手に「夜逃げのような撤退」を進めてしまったのです。
米軍主力はさっさと逃げてしまい、取り残されたカナダ軍や英軍は怒り狂っています。
特に今まで米国と緊密な連携を取っていると思ってきた英国は怒り心頭です。
「ジョー・バイデン米大統領は、火曜日のG7首脳のリモート会議で、人道的空輸が8月31日を超えて続くという英国からの嘆願を拒絶した。
英国保守党議員は、「特別な関係」が終わり、米英関係は「スエズ以来最低になろうとしている」と主張し始めた。
ある英国大臣は、「バイデンのアメリカは自分たちの逃げの算段がついたら、途端に撤退することを選択したようだ」と発言した」
(ガーディアン8月24日)
UK evacuation from Kabul to end within ‘24 to 36 hours’, defence sources say
https://www.theguardian.com/world/2021/aug/24/us-has-no-plans-to-delay-afghanistan-exit-beyond-31-august-pentagon-says
この英国の怒りは、米国が数千人の本来保護すべきアフガン人らを避難させずに逃げたことに対して、英国が8月31日の撤退を延ばすように要請したことをバイデンが一蹴したためです。
このガーディアンの記事は、議員らが「スエズ以来最悪の裏切り」だと言っていると伝えていますが、それはかつての1956年のスエズ動乱において、米国が土壇場で英仏を裏切ってソ連と手打ちしてしまったことを指しています。
今回の背信行為も英国は事前になにも知らされておらず、同盟国との協議ひとつしない一方的撤退であっただけに、バイデン政権に対する不信感として後々まで響くはずです。
英軍やカナダ軍は、アフガン人保護のために8月31日を過ぎても保護活動を継続するでしょうから、仮に両軍に死傷者がでるようことにでもなれば、両国関係は最悪になるかもしれません。
日本だって、アフガン復興のため20年間にわたり約68億ドル(約7500億円)も支援してきたのですから、バイデンに厭味のひとつも言う資格があります。
「本来は、軍の撤退前に、米政府関係者や在留米国人、米軍協力者の国外退避を完了させる。それなのに、バイデン氏が「米国史上最長の戦争を終わらせた大統領」という勲章欲しさに急がせたため、約1万5000人の米国人と、約10万人のアフガン人協力者を置き去りにした。虐殺の危険がある。
駐留米軍の撤退作業は5月から本格化した。バイデン氏は「8月末には撤退完了」と内外に公言し、タリバンに作戦の詳細を教えてしまった」(加賀孝英8月25日)
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210825/for2108250002-n1.html
今、米国議会ではバイデンを公聴会に召喚し、辞任を求める動きまででていますが、クビにされて当然です。
一瞬で20年間の努力を灰にし、山賊まがいのタリバンごときに完全敗北し、あまつさえ保護すべきアフガンの協力者を置き去りにして、同盟国との関係を最悪にしたのですから。
そのうえバイデンは「自分の国を守る意志がない国は助けない」などと言わずもがなのことまで言ってしまい、同盟国を更に不安におとしいれてしまいました。
わかりきったことを言うんじゃないよ。安定した同盟関係を復活させるというのが、この人の最大の外交公約だったはずでしょうに。
馬鹿が始めて、馬鹿がめちゃくちゃにしたのがこのアフガン戦争だったようです。
大統領たる資質を持つかどうかを問わず、トランプ憎しだけで大統領選をやるからこうなるのです。
どこかの国の知事とご同類です。
私はこの無能な米国大統領をデニー・バイデンと呼ぶことにしました。
それはさておき、この期を見逃す手はないと見たのが中国でした。
中国はアフガン撤退の後に米国が中国と全面対決に入ることを予想していました。
そこでそうはさせじと大きな打撃を米国に与えることを考えたのです。
それがタリバンのアフガン全土掌握というカードでした。
米軍撤退と聞いて浮き足だつ政府軍を地方都市から攻め上げて支配関係を逆転させると、一気にカブールまで落としてしまったのは、私たちが見てのとおりです。
下の写真はフォトショップで作ったのではなく、本当にタリバンがネットで流しているものです。
硫黄島と並べて米軍装備で身を固めたタリバン兵が彼らの旗をこれ見よがしにひるがえしています。
米国も小馬鹿にされたものです。
ところで、バイデンは8月一杯の撤退公約にしがみついた時は30万人の兵士がいるゾと盛んに強調していました。
素人がそう思っているだけではなく、軍トップの統合参謀本部議長のマーク・ミリーまでが、「アフガニスタン軍には国を守る能力も装備も規模もあったのに失敗したのはリーダーシップの問題で、私を含め誰が11日間であの規模の軍隊が崩壊すると予想できるだろうか」なとと、マヌケなことを言って恥をかく始末です。
誰かミリー将軍に、アフガン軍は今やカブール空港で米軍と共に警備に当たっている500人だけだ、と教えてやらなかったものなのでしょうか。
自分の国以外はまともな報道をすることもある韓国中央日報は、こう報じています。
「ワシントン・ポストのファクトチェッカーは実際にアフガニスタン軍が30万人だったならNATO加盟国のうちトルコに次いで多い水準なのは正しいと評価した。 しかしこれは軍人と警察を合わせた数字である可能性が高いとみた。 英シンクタンクの国際戦略問題研究所(IISS)の今年の報告書ではアフガニスタン政府軍の規模を17万8800人とみた。陸軍が17万1500人、空軍が7300人だ。 ここにアフガニスタン国家警察と呼ばれる組織が9万9000人で、これを含めて30万人と指定したということだ。 警察とはいうが地域武装勢力だ。装備と訓練が足らず、安全な地域ですらまともに役割を担えない水準だったとIISSは分析した」(中央8月19日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9840bd051551aaaa606fd511fc61ee44c25a90e0
つまり、バイデンが信じた「公称30万」とは、英シンクタンクの国際戦略問題研究所(IISS)の今年の報告書によれば、アフガニスタン政府軍の規模を陸軍が17万1500人、空軍が7300人、ここにアフガニスタン国家警察と呼ばれる組織が9万9000人を足して総計で30万人という計算が根拠だったようです。
警察と言ってもまともな訓練も受けない地域軍閥の私兵で、その中には多くのタリバンさえ含まれていたようですからアジャパーです。
頼りの正規軍さえも、兵隊の多くは名だけ登録すれば給料をもらえると思っていたような幽霊兵士で、それを仕切っている将軍どもも中央政府からの兵隊の給料をネコババし、装備も流していた、というどっちもどっちの関係だったみたいです。
まぁ政府予算といっても、カブール政権には財政などあってなきが如し。
ざるに水を注ぐようなものでした。
彼らカブール政権にとっては、しょせん米国さんから汗をかかずに貰ったカネですからね。
それにしてもよく米国議会や予算監査当局が黙っていたものです。
米国は正規軍建設を半ば諦めて、約870億ドル(約9.5兆円)を支出して治安維持軍を作ったのですが、これも失敗。
またもや米国の富をドブに捨てるようなことになってしまいました。
U.S. Army photo by Sgt. Kyle Wagoner
かくして数年前から、公称30万の大軍といっても内実は多めに見ても7.5万人もいれば万々歳、タリバン兵力が12万に対してカーブール政府軍ほうが劣勢という兵力の逆転が起きていました。
米国が撤退の意志を明らかにするや、見捨てられればタリバンの血の報復に家族もろとも合うことを恐れた兵士たちは、我も我もとタリバンに武器をもったまま部隊丸ごと投降してしまいました。
いまやタリバンは米軍がカブール政権に供与した装備を公然と使用しています。
下のようなタリバンがハンビーに乗ってパトロールしているカブール市内の様子は、20年間タリバンと戦ってきた米軍兵士にとって悪い夢のような風景のはずです。
タリバンには数万丁の新型米軍自動小銃や戦闘服、ハンビーなどの車両、多くの火砲が渡ったと見られています。
タリバンは自軍でも使うだけではなく、その多くを武器の闇市場に流し、それがテロ集団の手に渡っていくことになります。
さて、旧政府軍は雲散霧消してしまいましたが、反タリバン勢力はまだ健在です。
「アフガニスタンで、イスラム主義勢力タリバンの支配に反発する動きが目立ち始めた。北部では軍閥がタリバンを追い出し、一部の地区を奪い返した。支配地域の奪還は、タリバンが権力を掌握して以降、初めてとみられる。各地で市民のデモも起きている。 2021年8月16日のBBCの戦況図をご覧いただくと、どす黒い赤に塗りつぶされたアフガン全土の中に唯一小島のように抵抗している地域があります。地元メディアによると、北部バグラン州で21日、地元軍閥が一斉攻撃を仕掛け、タリバンから3地区を取り戻したという。SNS上では、軍閥メンバーとみられる男たちが、崩壊した政権が使っていた黒、赤、緑の3色の国旗を屋根の上に飾る動画が拡散した。 東隣にあるパンジシール州の住民によると、同州では第1副大統領として政権を支えていたサーレ氏や、タリバンの猛攻から逃げてきた政府軍兵士ら数千人が地元軍閥に合流し、武装闘争の準備を進めている」(朝日8月22日)
ここが北部同盟(ノーザンアライアンス)の拠点パンジシール州です。
かつて1990年代、「バンジシールのライオン」と称されたアフマド・シャー・マスウードの拠点だった場所です。
マスウードは高潔で魅力的な人柄として知られており、もしこの人物が健在なら、カブール政権もここまで腐敗しなかったと言われています。
しかし彼は2001年9月にタリバンに暗殺され、今はその息子のアフマド(同名)が指揮をとっていると言われています。
父親の遺志を継いで息子もまたタリバンのイスラム原理主義支配に批判的で、全土の反タリバン勢力を糾合しようとしています。
このバンジシールには、多くのアフガン軍兵士や旧北部連合などの戦士が集まってきており、持ちこたえられれば、各地で今は声をひそめている反タリバン勢力が反攻に立ち上がる可能性も残されています。
タリバンは4割を占めるパシュトーン族が権力を独占していますが、内部は複雑だといわれていますので、今後いかに展開するのか慎重に観察したほうがよいでしょう。
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まるで重慶会談から国共内戦そして中共政権誕生の過程を見るようですね。米国は国民党軍に莫大な軍事援助をしたのに、国共内戦で脆くも瓦解し、その装備が軍ごと中共軍に渡ってゆくような情景です。そして米国国内でWho lost China? と叫ぶ声が発生したように、今後、Who lost Afghanistan? って避けぶんでしょうかね。その答えは‥‥「あんただろ、大統領閣下」でしょうか。
投稿: | 2021年8月26日 (木) 05時38分
バイデンの意志や能力不足を別にして、ちょっとだけ擁護すれば、「情報機関からの報告(あるいはコンセンサス)が不十分であった」という事があげられるのだと思います。それならジェイク・サリバン補佐官やバーンズ情報長官の責任は免れませんが。
しかし、現地大使館員からは「タリバンは数日中にカーブルまで達する」と報告されている事実が明るみに出てしまっています。
今はタリバンとの秘密交渉が試みられているようですが、バイデンが何を譲歩するのかが気にかかるところです。全くの邪推ですが、退避協力と引き換えにタリバン政権の国家承認まで行くのではないか?と考えています。
オバマが、「バイデンの物事をダメにする能力を侮らない方がいい」と言った事を思い出さずにおれません。
前ラトクリフ情報長官の時、大統領選挙に対する外国政府の不正関与についての報告書も情報機関相互のコンセンサスがなく、不十分な結論に終わった事が思い出されます。ロシアに対しては「関与」と言い、中共に対しては「影響力」と配慮されている。
この分ではバイデンが命じたコロナ起源調査も推して知るべしです。
早速「中国からの情報不足のため、結論に達しない見込み」なる報道が出始めています。しかし、米国では「証拠の優越性」という考え方が法廷で適用される場合が多く、情況証拠の積み重ねを経て「ある事実が“ないというよりはある”と言えるかどうかで判断する」こととして、挙証責任を転換して判断されるの場合も普通です。
脱線しましたが、バイデン政権の人権外交も同盟国重視も、それはきわめて限定的で、原則的でもない事があきらかになった出来事でした。
習近平はこのところ自ら内向きになり、自滅政策をひた走っているのですが、逆に民主党政権が武力戦争に突っ込む場合もこんな場面からのように思われ、まったく気が揉めるところです。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2021年8月26日 (木) 12時24分
自由のために命を賭けるという思想が無いと、だめですね。
キリスト教はうまい具合に自由主義に思想転換出来ましたか、アフガンのイスラム教徒はこれが出来なかった。
キリスト教は神は1人1人を愛するという思想から人権主義が芽吹いて行きましたが、イスラムでは、結局神の思し召しが個人の尊厳より上のままなので、個人の尊厳を守ろうと言う殉教者が生まれなかった。
いや今後生まれてくれば良いのですが。
タリバンはアフガンが貧しいママでも、構わないのでしょうかね。
たとえ自分の子供らが病気で死んでも神の思し召しで納得出来る価値観なのでしょうね。
ある種北朝鮮みたいな価値観かもですね。
タリバンと中共の結びつきが強まらない様に国家承認して国交を結ぶべき。そして、こちらの価値観を伝えてタリバンを変えるのだと主張する人たちが居ましたが、それで北朝鮮や中共が変わらないのに、タリバンが価値観を変えるわけがない。
国際承認されたくて、少しは変えた風に見せるかと思ったら中共より腰が座ってなかったですし。
米国や自由主義諸国がやれる事はマスウード派に対する継続支援だけでしょうね。
それが持ち堪えて、自由主義的価値観がアフガニスタンに定着すればと願います。
投稿: 田中 | 2021年8月26日 (木) 15時21分
> 現地大使館員からは「タリバンは数日中にカーブルまで達する」と報告されている事実が明るみに出てしまっています。(山路さん)
バイデン政権内の幹部の責任も重大ですね。現地からの報告と全く乖離した状況を妄想をしていたかのようです。現実把握能力が弱いです。頭(大統領)の能力不足が部下にも悪影響を及ぼしているのではないでしょうかね?
習近平はこのところ自ら内向きになり、自滅政策をひた走っているのですが、逆に民主党政権が武力戦争に突っ込む場合もこんな場面からのように思われ、まったく気が揉めるところです。(山路さん)
習近平が内向きになっているのかは私には分かりませんが、「民主党政権が武力戦争に突っ込む場合もこんな場面からのように思われ、まったく気が揉めるところです」のくだりは、そうかも知れないと思います。今のアメリカ民主党に対しては、わたしはとても不安感がありますね。トランプさんの動きは納得いくものが多かったのですが、バイデンさんには大きな不安感を持ちますね。今一度、アメリカの立ち直りを期待しております。
> 国や自由主義諸国がやれる事はマスウード派に対する継続支援だけでしょうね。
それが持ち堪えて、自由主義的価値観がアフガニスタンに定着すればと願います。 (田中さん)
現実的には実現可能かどうかわかりませんが、マスウード派の勇気ある行動を支持したいですね。これは正義だと思いますよ。腐敗したタリバンに期待はできないですからね。
投稿: ueyonabaru | 2021年8月26日 (木) 20時22分
イスラム教はキリスト教より600歳若い宗教ですから、まだまだ宗派も対立が激しく部族単位で命をかける事に宗教的意義だけでなく社会的意義があるのでは。
まだまだ殺し合う時代を持つ気で自分の配下や村を維持する人達の方が多い場所で、民主主義の恩恵でもって暮し向きの良さを与えても、都市民の一部までしか真の自由について実感できなかったのでないかも思っています。
自戒を込めて書くと、異文化や他国について考察する際には自分がエクセルシートの関数ではなくセルになるくらいの気概で日本人的なフィルタを意識的に外さないと、彼等の真意や動機付けについて誤解と嫌悪感ばかりが膨らみます。
日本人が普遍的と思い込んでいる民主主義や自由の概念ですら、欧米の常識とはかなり開きがある事を頭の端に置く事を勧めます。
完璧に排除する必要はなく、頭の端にペンディングの箱を置いておいて決めつけない事です。
カブール空港に邦人がたどり着けない報を見ました。タリバンは日本人には居てほしい、自衛隊は帰ってほしいとの事で。空港を出て脱出誘導作戦を取れるのでしょうか…。
投稿: ふゆみ | 2021年8月26日 (木) 21時11分
いつも更新ありがとうございます。
元駐アフガニスタン特命全権大使で、現拓殖大学海外事情研究所客員教授の高橋博史氏が宮家邦彦氏と現状分析をされています。
CIGS外交・安全保障TVー緊急討論!どうなる、アフガニスタン情勢ー - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=fe-XEeOL4Fg
衝撃的だったのは、アフガニスタン人は、殆どがタリバン的考えを持つ人達で、いま出国しようとしているアフガニスタン人は難民でなく、単なる移民だと。
歴史的な背景から、周辺国との関係まで一気に見入ってしまう内容でした。
トランプの撤退の判断は米国の国益からはまったくもって正しく、バイデンの撤退戦は不様で日本の政治家なら撤退の延期を言い出しそうなところを何が何でも貫徹しようとする姿勢は評価できると思いました(異論は認めます)。
投稿: いつもはロム専 | 2021年8月27日 (金) 01時44分