WHO武漢調査は中国の強要だった、調査団長の証言
アフガン情勢が緊迫したためにアップが遅れていた記事を拾遺しておきます。
米軍撤退完了とのことですが、アフガンについては明日にまた書くことになるでしょう。
さて、またまた武漢ラボ起源説が強化される証言がでてしまいました。
それも例の怪しい探検隊ならぬ、怪しいWHO武漢ウイルス調査団の団長の証言ですから、これは重い。
デンマーク公共テレビ局TV2は、調査団長だったぺーター・ベン・エンバレクが武漢で撮影したビデオと、同氏との長時間にわたるインタビューを公開しました。
https://nyheder.tv2.dk/udland/2021-08-12-dansker-var-chef-for-WHOs-mission-til-wuhan-maaske-er-nogen-slet-ikke-interesseret
覚えておられる方もいるかもしれませんが、このエンバレク氏は武漢ラボからの漏洩はないと記者会見した人物です。
「北京時事】新型コロナウイルスの発生源解明のため世界保健機関(WHO)が中国に派遣した調査団は9日、湖北省武漢市での調査を終え、中国側の専門家と共に武漢市内で記者会見した。WHOのピーター・ベンエンバレク氏は「実験室からウイルスが流出した可能性は極めて小さい」と述べた。米国は中国科学院武漢ウイルス研究所から流出した可能性を主張していたが、WHOは同研究所の現地調査を踏まえ、これを否定した」(時事2021年2月9日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020901262&g=int
この間の武漢ラボ起源説を証拠立てる数々の証言が積み重なり、世界のCOVID-19を見る目がすっかり半年前とは変わった空気を受けたものなのでしょう。
「WHO調査団の使命は、人類がCovid-21、Covid-23、Covid-25に直面しないためにも発生源を明らかにすることだ」と考えていましたが、同時に「ひよっとしたらCovid-19の発生源を掴めないかもしれないといった懸念があった。それはすでにこのCovid-19の発生源問題が政治問題化したからである」
「発生源の解明に関心を持つ人(国)とそれにはまったく関心がないばかりか、誤導しようとする人(国)で混乱していたからだ」
結局、後者が勝利し、武漢ラボで機能獲得実験を石正麗と共同研究していたピーター・ダザックまでもが大きな顔をして調査団にもぐり込むに至って、既に当初からこの調査団の公平性は失われていました。
エンベレク氏は、中国側は調査団のビザの発給を一時拒否する圧力をかけることで、中国が望む結論を出す人物を入れたいのだ、と感じたと語っています。
そしてそれは、中国指導部内に発生源を隠蔽したい勢力がいることを物語っている、とエンベレク氏は感じたそうです。
※関連記事『もうひとりの重要人物・ピーター・ダザック』
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2021/06/post-6b47e5.html
ダザックはCOVID-19を作り上げた人物のひとりですが、調査団員としてシャラっとしてこんなことを言っていました。
「米国の動物学者、ピーター・ダザック氏はAP通信の取材に対し、調査団が訪問したい場所や面会したい人のリストを事前に中国側に提供していたとし、いずれも拒否されなかったと述べた。米国のトランプ前政権がウイルス流出疑惑を唱えた武漢ウイルス研究所への訪問では「洞察に満ちた質問をすることができ、(中国側の)重要人物がみな出席した」とも語った」(テレ朝2月6日)
実際はどうであったのかエンベレク氏は、中国側の科学者と満足な質疑すら保証されなかったと述べています。
WHO調査団を迎え入れる17人の中国科学者チームは、自由に調査団と意見交換することを禁じられ、接触すら禁じられ、その討論は当局が監視するオンラインに限定されていました。
調査団は自由に外に出て独自の調査をすることが禁じられ、調査初期の14日間は検疫の名目でホテルに缶詰にされました。
軟禁から自由になったものの、調査団の科学者たちが自らのテーマに沿った調査は一切認められず、中国当局の引き回す場所に連れ回される一方であったそうです。
当局の許可した場所で、当局の許可した人物とだけ面談し、決められた答えを聴取するだけ、これか「調査」の名に値するのでしょうか。
こういう当局が完全に主導権を握った「調査」や「取材」は共産圏ではあたりまえのことで、証言者がすべてあらかじめ公安当局が選んだ「仕込み」であることは特に珍しくはありません。
今回の調査団も、中国共産党の常套手段の、仕込みと隠蔽、そして誘導に遭遇しただけのことです。
調査団は数少ない現地の人間との面談で、COVID-19に最初に感染したといわれる人物と引き合わされましたが、この人物は2019年12月8日に感染症状が出たことになっているということでしたが、発生源とされた武漢海鮮市場を訪れていなかったそうで、ならばどこで感染したのでしょうか。
この時、エンベレク氏はこう感じたそうです。
「新型コロナ感染は2019年中に我々が考えていたより拡がっていたことを感じた」
ですから、2019年9月から2020年1月にかけての、研究所関係者のの医療カルテの開示が必要なのです。
もちろんそんなものは提供されるはずもありませんでしたが。
それどころか驚くべきことには、武漢の血液バンクには20万本の血液サンプルが保管されているが、血液テストは実施していない、と中国当局は堂々と答えていたそうです。
その理由が奮っています。個人情報を遵守しなければならないので、調査団の調査も拒否したとのこと。
あの国民の財布の中まで見張っている監視国が、発生源の武漢市で血液サンプルを取ったが、「個人情報保護」で検査をしていないとは笑止です。
面白いのは、調査団は武漢ラボのP2施設が2019年12月2日という最初患者が出た直後に移転したことを、その時知ったそうです。
この初発の患者発生と同時期の研究施設移転は、研究所の移転作業が難しいことを考慮すると疑惑に満ちています。
エンベレク氏がこう考えたのは当然でしょう。
「研究所の移転は決して容易なことではない。中国側が何かを隠蔽するために必要となったと考えられるからだ」
そしてその1人は家庭クラスターで感染したと説明していましたが、ここでも血液サンプルは取っていません。
家庭内から感染したのなら、家族の誰からで、どういう経路で感染したのか発生動向調査されるべきですか、もちろんそんなものはされるはずがありません。
「ひょっとしたらその1人が新型コロナの最初の感染者であった可能性があるが、その人物が今どこにいるのかなどについては中国側は何も明らかにしていない」
このP2施設がある別棟は、武漢ラボ本館から分離されて武漢海鮮市場に近い場所にあります。
どうやらここで「コウモリ女」こと石正麗はコウモリの遺伝子操作実験をしていたようです。
つまり、石正麗は本館のP4を使わず、もっとバイオセキュリティが低い別棟のP2実験室でウイルスの機能獲得研究をしていたようです。
なお、予想されていたことですが、海鮮市場には猫一匹いなかったそうで、中国当局は市場を徹底的に整理し、消毒しまくって証拠隠滅した後で、さぁご覧下さいというわけです。
まことに公明正大な態度です。
いや失礼、ちゃんと見せてくれていました。それが外国から輸入した冷凍品の倉庫で、中国当局に言わせるとこれが発生源だとのご託宣です。はいはい。
これも調査団は、義理堅く感染源の可能性のひとつとして上げています。
彼らは外国人といえど、絶対に中国内で不利益な発言などさせる気はないからです。
調査団が透明性を確保したいなら、WHO本部か国外の第三国ですべきでした。
つまり自分らが発生源だという軍人オリンピックにも、なにひとつ証拠がないということになります。
むしろここからウィルスが入ったのではなく、逆に米国などにここから持ち出さた可能性が指摘されています。
ウィルスの入り口ではなく、世界への出口だったのかもしれません。
詳細な報告書である米国下院マッコーネル報告書は、この新型ウィルスを世界に拡散したのは、2019年10月18日にあった第7回軍人オリンピックだったとしています。
米軍ウイルス持ち込み」の根拠は?新型コロナウイルス感染源めぐる米中
「さらに、マッコールは2019年10月の世界軍事大会に言及し、9,000人が入国したと述べた。外務委員会のデータによると、インフルエンザのような症状で母国に戻った人もいた」(FOX前掲)
この第7回軍事スポーツ世界大会(ミリタリーワールドゲームズMWGs)は、「軍人のオリンピック」として世界109カ国から9308人の選手が集まり、27種類の329競技で競いました。
中国政府は23万6000人のボランティアを募り、90のホテルを用意しましたが、参加したカナダの選手は「街はロックダウン状態だった。私は到着後、12日間、熱と悪寒、吐き気、不眠に襲われ、帰国する機内では、60人のカナダ選手が機内後方に隔離された。私たちは咳や下痢などの症状が出ていた」とカナダ紙に証言しています。
マッコーネル報告書は、この軍人オリンピック大会の競技会場も、6つの病院も、さらには大会参加後に体調不良を訴えた選手がいた場所も、すべて武漢ラボの周辺に位置していたことを指摘しています。
上図で赤点が武漢ウィルスラボ、黒点が軍人オリンピック会場、青点が軍人から出た患者が収容された病院、緑点が選手のホテルです。
この2019年9月の軍人オリンピックにより、新型ウィルスは世界的に拡散し、パンデミックを引き起こしたとマコーネルは報告書で結論づけています。
マッコーネル報告書は、「軍人のオリンピック」参加国のうち、イタリアとブラジル、スウェーデン、フランスの4カ国について、具体例を示しながら「2019年11月から12月にかけて、国内での感染発生を確認した」と記しています。
このマッコーネル報告書が正しいとすれば、欧米には既に2010年1月以前にウィルスが侵入していたことになります。
そう考えると、米国CDCがあれだけ厳重な中国とのアクセスを遮断したにもかかわらず、侵入を許してしまった理由がわかります。
COVID-19は生物兵器として作られ、まず2019年9月頃に実験動物から研究員に感染が移り、さらにそこから一定の広がりを持ったところで10月の軍人オリンピックで世界に拡散していった可能性が高いと思われます。
とまれ、このような調査の名に値しない調査結果発表でも、中国は強い介入をしてきました。
エンバレク氏はこのように述べています。
「中国共産党は武漢海鮮市場からヒトへの感染説を主張し、武漢ラボ漏洩説はその可能性は皆無だという立場を強調した。武漢ラボ漏洩説を報告書に記載するか否かで長い議論があった。最終的には、中国側は「漏洩説」に言及することを受け入れる一方、今後の調査は必要ないという言質を取った」
ならば調査団の科学者が連名でこの調査の経緯を正直に語り、改めて第2回の調査をWHOに要求することです。
それが科学者の良心ではないでしょうか。
もうやらないとWHOに言質をとっていますしね。
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このような情報をもってメディアが語ってくれたら良いかと思うのですが。
投稿: 田中 | 2021年8月31日 (火) 19時03分
エンバレク氏はWHOの調査がどのように中国側に偏った催しであったかを暴露しただけでなく、重要な仮説も立てています。
エンバレク氏によれば、もう一つの実験室である武漢市疾病予防センターに注目すべきと言っていますね。
そこのスタッフがコウモリのサンプルを採集しに行って、そこで感染して持ち帰った可能性を調査すべきだ、と。
そういえば、コウモリ洞窟の清掃作業員が肺炎で亡くなった事件があって、その死因が当局発表と違い、何らかのウイルス感染が原因だったとする医院生の論文が注目を集めていた経過がありました。
人に感染するように改造した機能獲得実験での流出による説と違い直接感染説です。
必ず中間宿主が必要だとするファウチら学者の経験的見解は、機能獲得実験という方法で単一でない可能性が出て風穴があきました。直接感染がどうなのか我々素人にはわかりませんが、時期や事象を振り返れば検証する価値があるものと思います。
ともあれ、バイデンの起源調査の結果がどうでも、中国の全世界に対する責任は重いと言わざるを得ません。
中国がWHOの規定に違反して情報開示や報告を怠ったために、450万人が死亡した、これは犯罪性を含む事件です。
「その責任を取らせる」としたトランプと違い、バイデンのスタンスは後退していると言わざるを得ません。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2021年8月31日 (火) 22時47分