河野・石破同盟、結成さる
河野氏が石破氏に協力を要請したようです。
これで河野氏は無派閥となりました。
麻生派の支援と石破氏人気を秤にかけたのでしょうが、この判断どうなることやら。
憮然とする麻生氏の顔が目に浮かびます。
これで麻生氏は、次には首相にしてやるかくらいに考えていた河野氏と手切れをしたことになります。
麻生爺さんが大嫌いな石破氏と組まれてはヘルプレスです。
速報】河野氏が石破氏と会談、総理就任した場合の協力要請|TBS NEWS
「自民党総裁選への立候補を表明している河野太郎行政改革相は13日、立候補を検討中の石破茂元幹事長の衆院議員会館事務所を訪ね、支援を依頼した。20分の会談後、河野氏は周囲に「(石破氏に)総裁選後は衆院選、参院選もある。『もし私が総理総裁になったら力をお貸し下さい』と伝えた」と打ち明け」(朝日9月13日)
河野氏は石破氏との会談で「党運営や保守のあり方について完全な一致をみた」そうでから、もう捨て身ですね。
「同盟」を結ぶことで、党内左派を形成したとはっきり他派閥から認識される事になります。
これで保守の高市-中間派の岸田-左派の河野という色分けができてしまいました。
このような色分けが、果たして若さと突破力を売りものにする河野氏にとって、得か損か、よく考えてみることです。
とまれこれで河野氏は石破氏に大きな借りを作った事になり、仮に当選した場合、石破氏を幹事長か副総理待遇で入閣させねばならなくなりました。
これはかつての第2次安倍政権の麻生氏の位置です。
これで河野氏は麻生派はもとより、自民支持の保守層のすべてと、自民党議員の過半数を敵にしてしまいました。
私も少額買っていた河野馬券を全部捨てます。ゲルがついてくるなんて冗談ではない。
石破氏は、自分は出馬を断念したようですが、それはたった20人の議員の推薦も集まらなかっただけのことです。
党内で極端に不人気だからです。
だから、出る出ないをジリジリ延ばし、党内で孤立無縁となりそうな河野氏の焦りを引き出し、晴れて「同盟」にこぎ着けたというわけです。
さすが泡沫派閥で、党内敵ばかりの中でサバイバルしてきた男らしく実に周到、かつ陰険なやり方です。
こういう陰湿なやり方をするからあなたは嫌われる。
その上に、麻生ジィさんに何度も止められたのに出たことで、ただでさえ悪かった自民党ベテラン勢からは、もうあいつだけはお断りだという空気が支配的だそうです。
同時に彼らは高市氏もライトすぎるとみているようで、岸田氏の可もなく不可もなく微温的なスタイルは「安定感がある」ということのよう。
となると大勢は、生意気な河野、右すぎる高市、結局、岸田支持が予定調和に支持を固めていき、一位となるのは確定的かもしれません。
すると、顔つきまで谷垣氏に似ているといわれる岸田氏ですから、あれに似たリベラル増税緊縮政権ができそうです。
う~ん、つまらん。
といっても党員投票では河野第1位という報道もありますから、まだなんとも言えません。
党員票は383票で国会議員票と同じですから、けっこうあります。
「日本経済新聞社とテレビ東京は菅義偉首相の退陣表明を受けて9~11日に緊急世論調査を実施した。事実上の次の首相となる自民党総裁に「ふさわしい人」を聞くと河野太郎規制改革相が27%で首位だった。2位は石破茂氏の17%、3位は岸田文雄氏の14%で、高市早苗氏は7%の5位だった」(日経9月1日)
単純計算で河野氏は103票、岸田氏は53票、高市氏が29票となります。
これに石破氏の65票が乗ると168票となります。
そしてさらに若手議員票が丸々70票乗ると、308票で過半数は取れないものの、第1位ということもありえるかもしれません。
もちろん机上の計算ですから念のため。
仮に総理になれても、母体であった麻生派とは完全に断絶。
麻生氏は当然閣外に降り、派閥は入閣させないでしょうから、組閣は難航します。
産経
またNNNの世論調査では、なんと高市氏が追い上げています。
これは日本テレビが実施した自民党員・党友を対象にした世論調査ですから、無関係な国民一般対象の世論調査数字とは違っています。
前出の一般的世論調査では、河野氏トップで27%は変わらないものの、7%の高市氏が一気に16%にハネ上がり、岸田氏に3%差まで迫りました。
NNN
まぁいずれにせよ、高市氏はもとより、岸田氏、河野氏も一発で過半数は押えられないでしょうから、決戦投票は覚悟しておかねばなりません。
決選投票でものを言うのは派閥です。自由選挙は決戦投票までのこと。
決戦になっても所属議員にやりたい放題にさせていたら、派閥の存在理由がなくなります。
ですから、まず勝つために国民の後押しが要ります。
国民の間に風が吹かねば、党員票を獲得することができません。
ただ顔を売るだけではなく、政策討論会を何回もやって、自分の政策をしっかり国民に提示し続けるのが王道です。
ディベート力だけではなく、政策がただの総花的思いつきではないことを見せていただきたい。
特に耳をカッポじって候補者ディベートを聞くべきは、当選3回までの若手の連中です。
この人らが、なにを考えたのか派閥横断の会を作ったようです。
派閥を辞めて来るならそれなりにインパクトがありますが、半身のままでなにをやろうとしているのでしょうか。
発起人は福田元総理の息子の福田達夫氏。
祖父赳夫氏はあの「生命は地球より重い」と言ってテロリストを世界中にばらまいた人、父康夫氏は短期政権でなにもできずにやったのは中国寄りの外交だけといった情けない首相でした。
名前を聞いただけで、気持ちも萎えようというご先祖さんたちです。
父親や祖父は思いっきり中国寄りでしたが、なぜかその孫が安倍氏が率いる細田派にもぐり込んでいたから驚きました。
安倍氏は福田パパの政敵でしょうが。
今回、ジュニアがしたのは細田派の分断です。
なんと言って誘ったのかわかりませんが、16人を引き抜きました。
これだけ細田派の高市票をもぎとったのですから、中国は手を打ってお喜びでありましょう。
その福田ジュニアが所属するのは細田派ですが、「党風一新の会」と自称し、このような謳い文句を掲げています。
「かつて政権の座を奪われ下野することとなったわが党は、その反省の下、党改革を実行し、 国民の信頼回復に努め、平成24年12月に3年3ヶ月ぶりに政権を奪還した。しかし、その後の安定政権が続く中で、 強引ともとられる政権運営や、 国民意識と乖離した言動や行動も散見されるなど、 「自民党はかつての反省を忘れて再び驕りが生じているのでは」 との批判も聞かれるに至った」
ナニを言っているのか分かりにくいので、翻訳します。
平成24年12月に勝利するまで、自民党は党改革を続けて民主的に運営されるようになったが、安倍が率いるに至って暗転した。
安倍は、「強引とも取られる政権運営」や「国民意識と乖離した言動」をして、党内を暗黒時代に落としたのであった。
しかしこの暗闇の中、密かにレジスタンスに燃えた若者らが連絡を取り合い、今ここに立ち上がったのであった、見よこの勇士、ジャジャン。(音楽高まる)
ただ惜しむらくは陳腐なんですな。
もちろんこれは安倍政権に対するよくあるあてこすりで、ゲル氏や野党が年中言っています。
福田ジュニアはモリカケサクラをやりたいのでしょうかね。
つまり、安倍独裁反対、モリカケサクラの説明責任を果たせと、ここまでは石破氏の主張とまったく同じで、ならばいっそ石破さん出馬して下さい、お願いしますと連呼すればよかった。
いや、いっそうそんなまだるっこいこと言わずに、自分から石破氏か河野氏の推薦人になったらいかがでしょうか。
推薦人は資格は党内規約ではこうなっています。
- 2)立候補には国会議員20名の推薦が必要です
-
総裁選挙に立候補できるのは、自民党所属の国会議員だけです。
-
立候補には、党所属の国会議員20名の推薦が必要です。
と、これだけですから、20人くらいすぐに集まりそうなものです。
しかし、そこまで煮え切らない。
派閥横断して派閥的動きをしたら自己矛盾だというのもあるでしょうが、実際にそれをやってゲル氏が負けたら元の派閥にも戻れず、そもそも落選しているでしょうから関係ないか。
結局、これだけ集まっても決まったことは、派閥に押しつけられた特定の候補は押さない、オレたちは自由に選ぶ権利があるぞ、と言うだけのことです。
別に初めから自由選挙なんですけど(笑)。
この会の構成は、多い方から細田派16人、岸田派13人、麻生派と竹下派から各10人、二階派から6人、石破派4人、石原派1人、無派閥10人の計70名です。
ということは、細田派から16名が高市氏支持から脱落し、麻生派は逆に10名が河野氏に加わり、岸田派から13人が岸田支持をしないことになります。
つまりは高市不利、岸田不利、河野有利に動くわけで、となるとその心は河野さんガンバッてぇーということでしょうか。
やれやれ、困った坊やたちだ。
自分らが安倍氏が吹かせた風で当選した「安倍チルドレン」なくせに、安倍氏が磐石な党運営をしているときには押し黙り、こういう時になると一斉に「蜂起」する。
それもちゃんとした政治主張があればよいのですが、オレらは当落スレスレのDランクだから、「総選挙で勝てる顔にしろ」と言っているだけです。
それがこの坊やたちのいう「党改革」とやらの内実です。
なんて勝手で、腰が定まらない人たちだこと。
なんかこの連中、深いところで勘違いしているようです。
国民が総理・総裁に望むのは、「選挙の顔」じゃありませんし、「党改革」の顔でもありません。
そんなことは自民党の内部の事情。ただのあんたらの利害。国民の利害ではありません。
国民が望むのは、日本を愛し、慈しむ心を持ち、コロナを終息させ、経済をデフレから救い、中国の横暴に立ち向かうことのできる毅然とした人物です。
新人議員諸公が落ちようとどうしようと知ったことではありません。
今の衆議院議員は任期満了という珍しい経験をしてきたですから、少しはその間に地元で地道に基盤をつくればいいだけのことです。
福田ジュニアのように、地盤・看板・鞄を全部ワンセットで天与のものとできる人は例外中の例外。
こんなハーメルンの笛吹き男福田ジュニアが吹く反安倍の笛に率いられるていどのレベルなら、いっそこんな「風」で当選したような連中など全員落ちてくれたほうが国民のためです。
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河野さんにすれば、これ以上議員票は稼げないだろうから、一般党員票で稼ごうと言う事でしょう。
1回目の投票で過半数は得られなくても、二位との差がかなりつけば、決選投票ではさらに支持が集まると踏んだと思います。
まぁ、そうやって勝ってもねぇ…。長期政権は無理だろうなと思います。
麻生さんの予言通りになるでしょう。
投稿: 田中 | 2021年9月14日 (火) 19時34分
河野支持で下剋上やりたいなら、無派閥になればよかろうに。
それが出来ないのは、経済界や地元の各種自民党支持団体、地方議員たち自民党下部構造の意向に彼ら自身も選挙の縛りを受けているからです。
しかしまぁ、ああいうパフォーマンスも一種活性化の見かけにはなるし、党全体として衆院選挙のお祭り的要素に寄与しているのではないでしょうか。しかし、河野支持が下降しつつある見立ても多くあり、じっさい河野自身も過半数一位を取れないと無理だと分かった動きをしていると思います。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2021年9月14日 (火) 21時16分
この「党風一新の会」は河野支持の組織という事ではないようで、ようは「勝ち馬に乗らせろ」という要求なのであって、なんらの縛りもないようですね。「選挙に勝てないから」という理由で菅さんを降ろしておきながら、河野を推すのも矛盾ですし。
現に福田達夫は岸田支持の傾向が強いようです。
会には杉田水脈なんかも入っていて、高市支持を明らかにしてますしね。
決戦投票では派閥一枚岩にもどる公算が強いんじゃないでしょうか。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2021年9月15日 (水) 00時48分
党風一新の会の提言案自体には、野党時代を思い出して政策論争をぶつけ合う総裁選を望み自分達と意見交換しろとあるんです。
そのまんま読めば、耳の穴かっぽじって聞くからうちらも政策論争にいっちょかみさせてよ。でも、
→そーやってアピールした話を持って選挙演説に使いたい、でもって当選したらポストが欲しい
→何のことはない、ヒヨコがポストくれってピヨピヨ鳴いてるだけじゃん。
という流れで見る人がいて当然。
それも踏まえてアピールして、当選切符を掴むのは仕事してきて地元でも勝てた若手だけ、で有権者的にはホント困らないです。
良い意味で勝ち馬が皆を乗っけて挙党体制を作り上げていくチャンスだと思って候補には気合を入れてほしいですね。
投稿: ふゆみ | 2021年9月15日 (水) 08時55分