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2021年9月15日 (水)

河野氏がやったあまりにも彼らしい失敗とは

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北朝鮮がトマホーク型の巡航ミサイルの発射実験に成功しました。
北朝鮮は9月13日、国防科学院が9月11日と12日に新たに開発した新型の長距離巡航ミサイルの試験発射に成功したと発表しました。
発射された巡航ミサイルの機動は、楕円と8の字型の2種類で、2時間6分20秒かけて1500kmを飛行し目標に命中したと発表されています。
推進機はターボファンジェットエンジンで、速度は亜音速です。

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北朝鮮、新型の長距離巡航ミサイル発射実験に成功…朝鮮中央通信

発表された写真をみるとトマホークに酷似しており、どこかで現物を手に入れてリバースエンジニアリングでコピーしたのかもしれません。
おそらくは米国から盗んだ中国版トマホークの技術流出のようです。
コピー品のそのまた孫の海賊品というわけですが、独自の手直しをしているはずです。

とまれ北は、これでリクツのうえでは日本全土を精密攻撃できる巡航ミサイルを手にしたことになりますが、実用になるかどうかはこれだけではわかりません。
また、発射装置は上写真左に見えるように装輪移動式発射装置(TEL)で、5つ発射筒がついていますから、北の国内のどこからでも撃てます。
明日の記事で敵地攻撃能力について書く予定ですが、この移動式が北の発射方式だということを頭に入れておいて下さい。

なんのために国民にメシも食わせられない国がこんなものを作っているかといえば、彼らなりの合理性があるようです。
ひとつには、いまやアフガン、南シナ海、尖閣の緊張で、すっかり埋没キャラになっている北を、米国に思い出してもらうことがひとつでした。
あいにくバイデンには、「挑発とは思わない」と早々とコメントを出してしまい、ガン無視されてしまいました。
まぁ、自分の国のコピー品飛ばして脅されてもねぇ。
それにトマホークに搭載できるほど核兵器の小型化は進んでいないはずですから、破壊力もたかがしれています。

もうひとつは、たぶんこちらが主要な動機のはずですが、国内を引き締めるためです。
北という国は、常に米国と緊張関係を作っていないと体制が持ちません。
すべてが戦争を目的として作ってしまった軍事優先国家のために、敵から相手にされないのが最も困るのです。 
なんのことはないだだっ子と同じですから、黙らせるにはトランプのように直接会談してやって核兵器開発を凍結するしかないのです。
この間、正恩がおとなしかったのは、トランプがかけた3回目会談の魔法が効いていたからです。
やれば御破算ですから、長距離弾道ミサイル実験はしません。
だから、またやってくれないと、スネちゃうぞといったところです。
それにしても、北も南もうるさい半島です。少しは静かに生活できないのか。

 

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河野防衛相「イージス・アショア」配備断念|日テレNEWS24

さて、このところ忘れられていたようですが、総裁選ではからずも再浮上したのが、弾道ミサイル防衛(MD)です。
河野氏はかつてのイージスアショアを中止したこと、高市氏は弾道ミサイル発射基地を潰すための電磁パルス弾を上げたことでした。
高市氏については明日に回しますが、河野氏のほうはいまでも説明を果たしていないという批判を浴び続けていました。

「河野大臣は「当初、防衛省としては、ブースターを演習場内に確実に落とせると認識していた。その後、日米の協議の中でどう変わっていったのか、プロセスはきちんと確認しなければならない」と述べ、断念に至った経緯を検証する考えを示しました。そして「日米の技術的協議なので、文書は機密扱いになっている。どう国会に説明するかは考えさせてほしい」と述べました」(NHK 2020年7月20日)

防衛省は、それまで山口県萩市にある陸自むつみ演習場に配備される予定のイージス・アショアについて、SM-3ブロック2Aが発射される際に切り離されるこのブースターが周辺の民家などに落下しないよう、風向きなどを計算したうえで軌道を修正し、むつみ演習場の敷地内に落下させると説明してきました。
しかし敷地内にブースターを落下させるためには、SM-3ブロック2Aに対する本格的な改修が必要で、そのための改修費用や期間を検討した結果、配備プロセスの「停止」したと河野氏は説明しました。

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陸上イージス、計画を停止 河野防衛相「コスト鑑みて」:朝日新聞デジタル

実際は「停止」ではなく中止で、ただ言葉を柔らか言い換えただけのことですが、これで日本のMDは御破算となってしまいました。
こんな大きな防衛案件をぶっ止めたのですから、しっかり代案をがあるのかとともいきやなし。
その時はもう河野氏は防衛大臣は辞めて、ワクチンにまっしぐらで、どこ吹く風のご様子。
ぶっ壊しておいてしらんぷりはないでしょう、河野さん。

彼が辞めた後に、海上にSM-3ミサイルの発射基地を置こう、いや専用のMD艦を配備はどうだ、いやいやイージス艦をもう一隻作るべきだ、と迷走したあげく、いずれも帯に短し襷に流しで、決定打に欠けたままです。
一番有力なのが、ならばいっそもう一隻イージス艦を作るという案らしいですが、元海自海将の伊藤俊幸氏にいわせると、「こんなプカプカ海上砲台みたいに浮いていると、船乗りの能力が落ちるだけ」なのだそうで、イージス艦のもっとも非経済的、かつ馬鹿げた使い方だそうです。

そりゃそうでしょう。こんな新鋭艦を離島防衛に使わず、いつ来るかわからない北の弾道ミサイルに備えて、いつも日本海に浮かべておくのですから、ああ、なんてゼータク、いやもったいないこと。
だからいろいろとクリアせねばならない課題があったとしても、最初の陸上配備型イージス(イージスアショア)がもっとも優れた案だったのです。

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イージス・アショア配備停止「地元や国民におわび」河野防衛相 |

そもそも河野さん、核ミサイルが落ちたら、瞬時に数十万の人が死ぬという時、ブースターのドンガラが敷地から外に落ちるほうが大事でという神経がとち狂ってます。
これではまるで安全安心が一点でも曇ったら、築地移転は撤回だと言った某知事と同じレベルです。
河野氏の前任者だった小野寺五典・元防衛相はこう述べています。

「(小野寺元大臣は)「飛んでくるミサイルを打ち落とす際、ブースターや破片などがどこに落下するかは通常、考慮されない。ミサイルや爆撃機が落とす爆弾と、打ち落とした後の破片などとどちらが怖いのかといえば、当然、前者だろう」と指摘している。
また、いざ情勢緊迫の有事の際は、ブースター落下の危険性のある地域住民に対し、避難用シェルターを準備し、事前に避難してもらうというオーソドックスな代替策は考えなかったのか。 
筆者が東京特派員を務める英軍事週刊誌『ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー』のロンドン在住のベテラン編集長やデスクは河野防衛相の説明を聞き、「ブースターの落下問題が中止の理由とは信じられない」と一様に声を上げた。他に、元米海兵隊出身の知人も「イージス・アショア中止の決断の理由は他にあるはず」と今も疑っている」
(高橋浩佑 論座2020年6月30日)
https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020062900004.html?page=2

ブースターが演習場敷地内に落ちるの落ちないのって、あんた原爆が頭に落ちて来る時に、空ッポのブースターのほうが心配だからイージスアショアの全計画を中止するというのですから、力なく笑うしかありません。
だれがそんな権限を彼に与えたのでしょうか。

理由自体がまちがっています。
そもそもその時には周辺市街地は無人なのです。
頭の中で、イージス・アショアからSM-3ブロック2Aが発射されるのはいつか考えて見てください。
それは日本に対して弾道ミサイルが飛来すると予測された時点ですね。
突然、いきなり飛来するということは考えられません。
それは日本に対して武力攻撃が行われるという事態が発生したときです。
軍事攻撃、特に核攻撃はこういった段階を踏んで始まるとされています。

●国民保護法が準備される段階 防衛省
①国際情勢の緊迫化。
②警戒している対象国が軍事行動の準備に入ったと確認。
③日本に対しての攻撃が予想。

これらの条件が認められれば、日本政府は国民保護法などに基づいて、攻撃を受けるおそれがある都道府県の知事に対して住民の避難措置を命じます。

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防衛省

つまり、このイージス・アショアが使われる時は、予定地の周辺市街地は無人なのです。
仮に約70㎏のMk72ブースターが敷地外に落ちても、落ちる場所は無人で誰もいません。
ブースターの殻が落ちると騒いでいたのは、市民団体なのです。
反対派の理由を丸呑みして、それを中止理由にするとは呆れます。

河野氏は敷地外にブースターの殻が落ちないように改修するためにはウン百億かかって、時間もかかりますと官僚から言われて、例のプッツン病を発症したのでしょう。
そして元来が緊縮財政体質ですから、こんな金食い虫なんかいらんと短絡してしまったといったところでしょう。
他にも理由があったという説はありますが、そもそもこういう基幹的な安全保障事案を、いかに所轄の大臣だろうとひとりで勝手に白紙にすることは許されません。

白紙化したいなら、まずは河野氏よりイージスアショアについてよく経過を知り、該博な知識を持っていた前任者の小野寺氏と相談すべきでした。
そして党内の外交-安全保障部会にかけて討議してもらうくらいは常識です。
同時に防衛官僚や制服組と討議を重ね、その結果を持って時の首相の安倍氏に話をするていどはするべきだったでしょう。
まぁ、そういう順序を踏むと絶対に大反対されたはずですが。
そのプロセスを全部飛ばして、いきなり記者会見で中止ですから、こうまで政府の意志決定プロセスを飛び越える人を見たことがありません。

非常に独善的な怖い体質です。
よく安倍氏が解任しなかったな、と思います。
盟友の麻生氏の秘蔵っこだから目をつぶったのかもしれません。
だとするといま安倍氏の目に、盟友の制止をはねのけ、政敵と同盟を結んで突っ走る河野氏はどう写っているのでしょうか。

というわけで、河野氏が自慢する「突破力」が悪く発揮されるとこういうことになります。
とうぜん党内ではボロカスで、特に自派閥のベテランたちから、だからお前はダメなんだ、総裁選なんか10年早いと怒られたようです。
これは正しい指摘ですから、これを古参vs若手の対立にすり替えてはいけません。
河野さん、こういう悪い癖を直さないと宰相にはなれませんし、なっても短命ですよ。

それにしても河野氏が総理になったら、初めの一年はおとなしくしていても、2年目くらいから六ヶ所村の核燃料リサイクル施設の解体くらいはやりそうです。
しかも与党に計らず、いきなりある朝突然に、です。

 

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コメント

河野防衛大臣時代のイージス·アショア停止はいきなりでしたからね。
核弾頭が降ってくるかもしんないって時にたかが80Kgのブースターの殻が落ちてくるなんて、本来は説明だけして後は無視すべき話です。
そんなことはシロウトでも分かるはずなんだが···。
以前のナイキJなんて2トンでしたからね。
フル乗車のクラウンが丸ごと降って来るのと、ドライバーのややガタイの良いオッサン1人だけ降ってくるくらいの違いがあります。

マスコミや市民団体とかがお約束なバカ騒ぎをするので、防衛装備庁もよほどチキンらしくてリスクを説明せず「キャンプ敷地内に落下させる」なんて適当なことを言ったり、グーグルアースで鳥海山が邪魔になるからちょっと離れた秋田駐屯地が適地だとか出鱈目なことやって余計に反発を招いたんですけど。
この河野大臣による停止の翌日のBS真相NEWSには中谷元元防衛大臣が出演して、やはり敷地内にコントロールして落下させるべきだなんて眠たいことを平然と言ってた。あの人もテキトーだなあ。元空挺団なのに。

実は安倍さんもかなり独善的で、プロセスがわからない決定を「私の責任で」と言うカッコいい言い回しで何度かやらかしています。

そんなわけだから河野氏もそれに習ったんだと思います。

民主国家なのですから、議事録とか大事なのに、結構、これはあーじゃ無い、こーじゃ無いから議事録取らないとかなっている事も多く、それ故に野党に突っ込まれていた訳ですが、まぁ森友に繋がっちゃう訳ですね。

私自身は森友はかなりいい加減なネタだとは言え、真面目な役人に自殺者も出している訳で記録の改変なんか命じたらあかんけど、だからと言って、記録そのものを作らないって言うのも姑息だなとか思います。

な、訳で安倍さんなら復活には反対で、むしろキングメーカーになって下さって居た方が、役に立つかと思います。

高市さんは記録の改竄をしないシステムの構築を目指す様ですが…。

河野さんはここで指摘されているような、安倍さん以上の独善独断をしそうで、怖いですね。

原発の時は北朝鮮のミサイルが来たらどうするんだと凄みつつの、そのミサイルを防ぐ手立ては封じるとか。原発終わらせる為にやったのかな?と勘ぐりたくなりますね。

 河野が発表までに秘匿にした理由がふるってました。
「(住民の反対や防衛局の不手際等で)迷惑をかけた地元知事に伝えるまでは、一切口外しない」として、党だけでなく地元で説得に汗をかいた地方議員をさえ裏切りました。
それで思い出すのは、「多くの国民が支持するなら、(愛子)内親王のご即位も考えるべき」と言っていた事です。

彼の行動原理は悪しきリベラル者のそれで、国民へのおもねりだけを身上としているよう。民主党政権と変わりません。
辺野古さえ、いったんの工事停止に踏み切るのではないか?

おかげで代替え案は今年中をメド、という事になってしまいました。
ところが河野の方針はサイバー・電磁波などの領域攻撃のみで、敵基地攻撃能力を持つ意思はありません。
もちろん、発射体位置捕捉の問題はありますが、敵基地攻撃能力を持つ事での抑止力効果は期待大です。

河野はイージスアショアのコスト増も中止の理由として上げていましたが、石破茂にさえ「安保政策で『無駄撲滅』と言ったら議論は成り立たない」と、きわめて真っ当な批判をされる始末でした。
それでも、下馬評はともかく、河野の自民党総裁当選は考えづらいです。
決選投票になれば不利が見えていて、なりふり構わぬ一回目の過半数獲得に賭けた行動に出ていると思います。


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