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2021年10月 9日 (土)

そして中国、核兵器の爆買いへと走る

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中国がなぜ対外膨張に走ったかを考えるシリーズの最終回となります。
私は「戦狼」と化した中国の原因が農業の破綻にあるのではないか、という仮説を立てました。
中国共産党は、国を背負う農業の主体である独立自営農民を作ろうとせず、集団化に走り、農民に土地を与えず、奪うだけの収奪農法を彼らに教え込みました。
その結果が今吹き出しています。過剰な農薬と化学肥料で痛めつけられた土、落ちる生産量。
そして流亡する「農民」たち。
彼らは吹き寄せられて都市に集まり、わが国人口の倍以上の「民工」という名の棄民となりました。

国民を養うはずの農業が破綻した結果、中国は恒常的な食糧不足に陥り、輸入食糧とエネルギー輸入に命の綱を求めるようになります。
それが海外に植民地を求める一帯一路であり、爆買いの真の姿です。
私は繰り返しそれは強さではなく、彼らの構造的「弱さ」の現れだと言ってきました。
そして最大の「弱さ」とは、こけ脅かしの空母であり、核兵器なのです。

さて今回は、もうひとつの爆買いを見ることにします。。
それは核兵器です。
いや、むしろ軍備全般といってもいいかもしれませんが、象徴的なのは「核」です。

中国の核武装が、他の常任理事国、別名「核クラブ」と本質的に異なるのは、いかなる軍縮条約にも加わらない無制限な核保有国だということです。
中国は世界で唯一いかなる核軍縮条約にも参加せずに、核軍拡を続けた国なのです。
世界の核保有国は、最大手の米露などは核軍縮条約で保有数を厳しく制限されています。
しかしこの核軍縮の枠組みに入ることを再三に渡って国際社会から要請されながら、中国は一貫して核軍縮に加わることを拒み続けています。

「複数のホワイトハウス当局者がCNNに語ったところによると、政権内部では新STARTの失効後、中ロと「すべての兵器、弾頭、ミサイル」を対象とした新協定を結ぶ案が検討されている。
トランプ氏は3日、すでにプーチン・ロシア大統領や中国政府と3カ国協定について協議したと述べ、「中国も参加を強く望んでいる」「実は貿易交渉の場でもその話になった」と主張していた。
しかし中国外務省の報道官は6日の定例会見で、「中国の軍縮問題をどの国が取り上げることにも反対する。3カ国間の核軍縮協定に向けたいかなる交渉にも参加しない」と明言。世界最大の核保有国である米ロの軍縮が先決だと強調した」
(CNN2019年6月7日)

核兵器禁止条約を進めるNGOが日本政府に締結しないのはおかしいと難癖をつけてきましたが、本気で彼らが「核なき世界」を作りたいならば、抗議行動は北京でするべきです。
なぜなら世界の核大国で唯一核軍縮には目もくれず、核の爆買いに走っているのはこの国だけなのですから。

一切の核軍縮条約に縛られていないため中国はやりたい放題です。
つい数カ月前にも新疆ウィグル自治区で、新たな核発射施設が110基も建造されていることが発見されました。

「香港(CNN) 中国が新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に新たな核ミサイルの格納施設の建設を進めているとの報告書が発表された。
米シンクタンク、全米科学者連盟(FAS)が26日、衛星画像に基づいた報告書を出し、最終的にはミサイルの地下格納庫110基が建設されるとの見方を示した。
今月初めには米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターの研究者らが、中国西部の甘粛省でミサイル格納庫120基の建設が進んでいるとの見解を示していた。
FASによると、新たな施設は甘粛省の現場から北西へ約380キロ離れた新疆ウイグル自治区東部のハミ市近郊に位置している。格納庫は800平方キロあまりの広さに分散し、それぞれ約3キロずつ間を置いて建設されている。
FASの報告書は、2カ所の施設を合わせると、中国の核軍拡としては過去最大の規模になると指摘している。
中国がこれまで運用していた地下格納庫は、液体燃料式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「DF―5」用の20基にとどまっていた。FASによれば、新たに建設される格納庫の数はその10倍を超え、固体燃料式の新型ICBM「DF―41」に使われる可能性がある。
中国は長年、「最小限の抑止力」を基本とした核戦略を取ってきた。しかし近年は核弾頭の保有数が増え、こうしたミサイル施設の建設が急ピッチで進んでいることから、同戦略が維持されているのかどうかを疑問視する意見も出ている」(CNN 2021年7月29日) 

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衛星画像に写し出された施設は建設中のミサイル施設と見られる。 CNN

今まで液体燃料を長時間かけて注入していた方式から、固体燃料で即時に発射できる新型に切り換えたようです。
それにしても、この発射基地に選ばれたウィグル族にとってはたまったもんじゃないわけで、石油資源は根こそぎ持っていかれ、核実験場としては半世紀前から使われ続け、今や核ミサイル基地を増殖させられています。
中国からすればこれほど戦略的に重要地域だから、ウィグル族は強制収容所に隔離してしまい、タリバンとも手打ちをした、ということです。

さて、中国の核の爆買いについて、米国防総省はこのように述べています。

「今後10年間で中国の核弾頭の備蓄(現時点では200個超と推定)は、中国の核戦力の拡大、近代化に伴い、少なくとも2倍になると予測される」
「中国には「約100発のICBMが存在」し、「ICBM用の核弾頭は今後5年で約200個になる」
(米国防省『中国の軍事力2020』)

上図左下から画面右・北東にかけて斜めに濃い青色で伸びているのが、沖縄トラフです。 
沖縄トラフは深さが2200mもあって、大陸周辺の浅瀬だけしか知らない中国海軍にとって涎ダダ漏れのポイントです。
一方、
中国大陸周辺は、白っぽく表示されていて水深100メートル以内の浅い海で、これが中国の軍事的ウィークポイントです。
戦略原潜は深く潜れないためにすぐに探知され、有事には米海軍が大陸沿岸に沿って機雷を大量に敷設するでしょうから、あっというまに海上交易路が封鎖されてしまいます。
です
から、中国は是が非でも、水深2000~4000mの南シナ海と水深2000m以上の宮古島西方の海を確保したいのです。

そしてもう一点。忘れられかかっているのがINF条約(中距離核戦力全廃条約)です。
これは米露の保有する中距離核ミサイルを全廃させた条約でしたが、
一貫してINF条約の蚊帳の外の国がありました。
それが中国です。
トランプはロシアの違約を理由に脱退しましたが、真の理由はINF条約に拘束されていると、中国の中距離弾道ミサイルに対応できないためです。
中国はずらりと日本専用の核ミサイルを配備しています。その保有数、種類、共に豊富です。
中華人民共和国の大量破壊兵器 - Wikipedia

 

21東風21http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2010-09/...

日本専用中距離弾道ミサイルの範囲を示した図が下です。

400pxpla_ballistic_missiles_rangehttps://ja.wikipedia.org/wiki/DF-21_(%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB)

オバマ米前政権で核・ミサイル防衛担当を務めたブラッド・ロバーツ元国防次官補代理はこう述べています。

北朝鮮は徐々にだが、着実に弾道ミサイル能力を進展させている。中国は大陸間弾道ミサイルの部隊は小規模だが、以前は保有していない(戦略爆撃機や大陸間・潜水艦発射弾道ミサイルなどの)戦略ミサイル攻撃能力を持ち、近代化した指揮統制や早期警戒システムを持つ。日本や在日米軍、海上の米艦艇を攻撃できる地上配備型の短・中距離弾道ミサイルを中国は約1900発保有しているが、米国の保有数はゼロだ」
(朝日2020年3月23日)
「日本攻撃可のミサイル、中国に2千発」 米安保専門家 [核といのちを考える]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

また弾道ミサイルの発射機について英国シンクタンクは増加の一途をたどっており、この20年間で2.7倍に膨れ上がったと報告しています。

「中国はミサイル戦力の増強を進める。日本の防衛省によると地上配備型の弾道ミサイル発射機数は2020年に533機で、01年から2.7倍に増えた。中国は発射機数を公表しておらず、英シンクタンクの報告書を基に分析した数字だ。
533機のうち米本土に届き得る大陸間弾道ミサイル(ICBM、射程5500キロメートル以上)と米軍グアム基地が射程に入る中距離ミサイル(同3000~5500キロメートル未満)が3割を占める」(日経2021年6月14日 )
中国ミサイル発射機数、20年で2.7倍 中距離が急増: 日本経済新聞 (nikkei.com)

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コメント

米露(旧ソ連)は核兵器競争が激化しすぎたので削減条約の時にMIRV弾頭数が1発につき最大5個という制限を設けましたが。
これまた中国は我関せずです。
64年の東京オリンピックの最中に初の原爆実験を行ったり、今や国力ついて「一帯一路」や「戦狼外交」に「超限戦」なんて平気で言うようになりましたからね。
どうしょうもないジャイアン国家が生まれてしまいました。
ロシアの思惑がイマイチ分からないんだよねえ。元々関係は深いですけど、カネと数でもう対抗出来ないと思うんですけどね。だからロシアとしても抑え込んでおきたい対象だろうに。
国連核保有国クラブ、じゃない安全保障理事会理事国としては仲間はほしいんでしょうけど。。

今後不動産破綻で減ると思いますが、中国内の上層〜富裕層が3億人弱。その口は国内生産の危険な食品を極力避け、贅沢な食卓を求め、手持ちの銭を元手に投機で儲け、都会で現代的な暮らしを続けたい。
北京が必死で爆買いする故はこの、記事の初日にも出てきた飢饉でも死ななかった都会民の分なんですよね…。
彼らの望む世界の中国化、私のイメージでは、買った外地で育てた作物を本土に送るのではなく、そこを高級チャイナタウンにして3億人が外地に出てくる。
本土には最低限の奴隷用作物が有れば良く、広大な荒地に大量のデータ管理施設とミサイル基地などを、公害を気にせず好きに作る。
中国本土を中国人自身が基地兼工場兼ゴミ捨てバックヤード化し、AIをしょった共産党華僑が各国を脅す姿が思い浮かんでゾッとしました。
やれてますよね半分くらいもう。
そう思うと、失敗しているように見えているだけで彼ら的には勝ち筋一直線に行けてるつもりなのかもしれません。
私達はどこからストップをかけていくべきか。
早急にできるだけ無駄金を使わせて、国家と3億人の金を目減りさせる必要があります。
軍拡競争を無駄金にするには今の海洋作戦は可能な限りの策に思え、頑張って欲しいです。

 中央当局者の発言ではないとしても、核を保有しない我が国を対象に核の先制攻撃を言うとは、狂った外道の右派が中共内で台頭している証です。
日本政府は一切ひるむ事なく、国産化と並行して米国の計画する中距離ミサイル配備網を積極的に誘致すべきです。

中共の台湾侵攻があれば、先島諸島は甚大な影響をまぬがれません。宮古海峡を東端として、くるむように台湾まで一気に影響下に包み込む戦略を取るとも考えられます。
こうした見解はこれまでさんざん保守系誌などでは言われていましたが、ここに来て東大の佐橋亮氏のような気鋭の研究者も言い始めました。

ところが、イマイチバイデン大統領がピリッとしません。
ウォール街の半分は呑気にまだ中国投資を継続すると言っています。
偶発的に、あるいは国内で失政続きの習近平が意図的に戦端を開く可能性があって、それらは米国には深刻な危機に映らないかも知れません。日本も台湾と同等の危機感を持って臨んで欲しいです。


ふゆみさんに賛成です。
核兵器等の無駄遣いはさせておけば良いです。

一方で穀物や燃料などは大変ですね。
急激な相場の変動には、必ず投機が関与しています。

自分が習近平なら、部下に指示して儲けるよう指示します。
なにせ、超巨大なプレイヤーです。
自分が張った方向に勝手に相場が付いてきてくれるのだから笑いが止まりません。

ただしそれは、ギャンブルで生計を立てているということです。
コロナ禍で2020年4月20日に原油価格がマイナスになったような、
不測の事態が生じればたちまち窮することになります。

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