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2021年10月 2日 (土)

中国の食糧の爆買いと軍事膨張はメダルの表裏

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菅総理、ほんとうにご苦労さまでした。
この厳しいコロナ禍の中で、その対策に奔走され、、五輪を成功に導いたことは菅総理の大きな功績でした。
ありがとうございました。

さて、飼料価格の高騰がとまりません。
原因は中国の爆買いです。
中国は世界あらゆる国から、ありとあらゆる穀物を爆買いしています。
その結果、世界の穀物市場は高止まりに貼りついてしまいました。
我が国も例外ではなく、畜産飼料価格が数カ月前の5割増となっています。

「(中国の)穀物の輸入が増えたのは、豚の飼料用の需要が増加しているためだ。2018年から中国ではASF(アフリカ豚熱)ウイルスが流行し、豚肉生産が落ち込んだが、2020年後半からの生産回復に伴い、飼料用穀物の需要が伸びている。
輸入品目の上位15品目(HSコード6桁ベース)を前年同期比で見ると、15品目全てが増加し、14位までの品目はいずれも2桁増となった。中でも、穀物(大豆、トウモロコシ、グレイン・ソルガム)とエネルギー(石油、液化プロパンガス、天然ガス)の伸びが大きかった。追加関税発動前の2017年上半期との比較でも、自動車と飛行機を除く13品目が増加した。 」( JETRO 2021年08月17日9)
上半期の中国の対米輸入、前年同期比55.9%増、穀物とエネルギー輸入が大幅増(中国、米国) | ビジネス短信 - ジェトロ (jetro.go.jp)

まずはトウモロコシから始まりました。

「配合飼料価格高騰の要因はトウモロコシなど飼料穀物価格の相場上昇にある。中国が昨年後半からトウモロコシを大量に買い付け始めた。
トウモロコシのシカゴ定期は3月には1ブッシェル(25.4kg)5.4ドル前後で推移していたが、南米産地の乾燥による作柄悪化懸念や、4月に米国農務省が期末在庫率見通しを下方修正したこと、さらに中国からの強い引き合いを受けて同7.3ドルまで上昇した。
今後の見通しについて全農は、米国の夏場の受粉期に向け天候に左右されるものの、引き続き中国向けの旺盛な輸出需要が見込まれることや、期末在庫が低水準であることから「相場は堅調に推移するものと見込まれる」とする」(全農2021年6月18日)

連動してこの高騰は、大豆にも及びました。

「大豆粕のシカゴ定期は3月には1t440ドル前後だったが、中国向けの輸出増大で大豆の期末在庫率が歴史的な低水準となったことに加え、米国の天候不良による作付け遅れ懸念から480ドル台まで上昇した。その後、作付けが順調に進んだことから現在は430ドルまで下落している。国内の大豆粕価格は為替が円安のため値上げが見込まれる」(全農前掲)

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そしてこれに船舶運賃の値上げがかぶりました。

「世界の海運大手各社が5月中旬以降、コンテナの輸送運賃を相次ぎ引き上げた。昨年後半から続く海運費の高騰は、ベトナムでも輸入穀物や鉄などの原材料高騰を招いており、輸出入に依存する大手企業各社の収益を圧迫している。4月下旬ごろに天井を打ち一度は落ち着くかに見えた海上輸送コストの上昇傾向が止まらなければ、新型コロナウイルス感染第4波で需要の落ち込みが懸念されるベトナム経済のさらなる重しになりかねない」(アジア経済ニュース5月28日)
海上運賃再値上げが収益圧迫 コロナ前の数倍、業者「不合理」 - NNA ASIA・ベトナム・運輸

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海運コンテナ船の運賃急騰、生活じわり影響…食料品への価格転嫁広がる

結果、これらの輸入穀物価格の高騰は、配合飼料の暴騰による鶏卵、牛豚肉類などの畜産品と、大豆油、菜種油などの油脂類の値上がりを引き起こしました。
畜産は、個人経営がたちゆかないほどの飼料高騰に見舞われています。
私の農場も例外ではなく、経営が極めて厳しい所に追いやられています。

「畜産経営に欠かせない輸入飼料価格が高騰している。飼料用トウモロコシや大豆油かすなど原料の平均輸入価格(4~6月期)は、前年同期の約1.3倍だった。畜産農家は高止まりによるコストの増加を懸念している。
 JA鹿児島県経済連飼料養鶏課によると、飼料用トウモロコシの主産地である米国での不作や中国の需要増が背景にある。原油価格や海上輸送費の上昇も影響しており「農家個人でどうにかできるレベルではない」とする」(西日本新聞8月19日)
https://news.yahoo.co.jp/articles/88aac107fdef957b962ca08aa5b151c9a3062c57

そして油脂類も、同様の深刻なコスト高による価格高騰に直面しています。
やがて食料品全体の値上げにつながって行くと見られています。
モノが順調に売れて徐々に2%のインフレターゲットに近づいていく「良いインフレ」ではなく、モノが売れないのに価格だけ上がっていく「悪いインフレ」が始まる可能性が出てきました。

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世界の食料価格、12か月連続上昇…日本でも家計への影響必至 : 経済

「大豆、菜種、パーム油の主要油脂相場は昨年後半から過去最高値に迫る勢いで高騰。搾油採算が急速に悪化している。業界全体では1,000億円規模の原料コスト増が確実な情勢。
国際連合食糧農業機関(FAO)の植物油価格指数=表=は一年前の2倍水準に上昇し、世界的にオイル高が進行している。
大豆、菜種、パーム油ともに生産量が伸び悩む一方、需要面ではコロナ禍からいち早く経済回復した中国が輸入量を増やしており、需給がひっ迫。昨年後半から相場は一変し、大豆は9ドル→14~15ドル、菜種400加ドル後半→800~1000加ドル超、パーム油2000リンギ前半→4000リンギ近辺と、大きく上昇。為替も1ドル110円を突破し、円安傾向を強めていることや、カナダの熱波による影響も懸念され、未曾有のコスト悪化に直面している」
(食品新聞2021年7月7日)
製油業界 1千億円規模の原料コスト増 油脂相場高騰は構造的問題 新たな価格水準へ - 食品新聞 WEB版(食品新聞社) (shokuhin.net)

では、この食糧価格の高騰はどうして起きているのでしょうか。
冒頭に述べたように、中国の破天荒な爆買いが原因です。
そもそも中国は小麦生産量ではEUに次ぐ第2位ですが、単一国家としては第1位(約1億3000万トン)で、コメも約1億5000万トン(精米ベース)を生産し、世界第1位です。
またこれらの穀物の輸入数量は、小麦・コメともに300~500万トンであり、これまでは世界貿易に与える影響も限られていました。
ところが、一昨年頃から状況が大きく変化し、2020年~22年度における中国の穀物輸入量は爆買いに転じました。

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中国の穀物輸入「激増」と「健康な食事」三石誠司『グローバルとローカル:世界は今』
https://www.jacom.or.jp/column/2021/05/210514-51244.php

●2020年から21年度の中国穀物輸入増加
・小麦       ・・・500万トン→1000万トンへ(倍増)
・粗粒穀物・・・1750万トン→4325万トンへ(2.5倍増)
※粗粒穀物とは、トウモロコシ、マイロ、こうりゃん、えん麦、大麦、ライ麦粟及び雑穀等の飼料穀物のこと。

普通、一国の穀物輸入量が2倍以上に急激にハネ上がるということはありえません。
そういう現象はかつてのソ連で起きたことがありますが、それはウクライナの不作が原因でした。
しかし、今の中国で大規模な台風などによる水害は観測されているものの、パニックになるような穀物恐慌が起きているとは伝えられていません。
にもかかわらず、ひとり爆買い戦争を始めて、国際穀物市場を脅かしているのはなぜなのでしょうか。

正直、その理由はわかっていません。
引き金になったのが、米国にかけた大豆に対する報復関税によって自分の首を締めてしまったことまでは確かです。
大豆の高騰に見舞われて豚肉が暴騰し、国民が豚暴動を起きかねないほどだったことは知られています。

ただそれはあくまでもきっかけであって、大きな背景には中国農業の破綻と自給率の大幅な低下があるようです。
実は、中国で最も重要な穀物はコメではなく、大豆です。
中国人は豚肉を好み、中国で肉と言ったら豚肉を指すほどですが、現在、中国人が食べている豚肉は大豆粕を使って生産されています。

大豆を絞った粕を大豆ケークと呼びますが、これを豚に与え、大豆油は人間が料理に用います。
このように重要な穀物を、中国は自給はおろかいまや完全に輸入に頼りきっています。

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中国が抱える意外な弱み「食料自給率の低下」

上図は中国の大豆自給率ですが、かつて中国は国内で大豆を生産し1980年代には170万トンもの大豆を輸出したことすらありましたが、21世紀に入って自給率は急速に低下し始め、2013年にはわずか16%まで低下しました。
前世紀から中国はエネルギーを漁るために中東やアフリカに進出しましたが、石油と同様に海外から大量に輸入するものが、実は大豆です。
下図は大豆輸入量を見たものですが、中国は日本の20倍を輸入しており、もちろん世界最大の大豆輸入国です。

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大豆輸入量の推移(単位:100万トン、出典:FAO  JBプレス

現在、中国の大豆輸入量は6000万トンを上回り、世界で交易される大豆の実に6割に達する勢いです。
よく我が国は食料輸入大国だと言われていますが、中国の食糧輸入量に較べると可愛いものです。
そのために日本は国際穀物市場においてバイイングパワー(※)を失い、ことごとく中国に競り負けている状況です。
※販売力を背景にした購買力

ただしここで中国にとって問題となるのは、大豆の最大の輸入先がこともあろうに米国なことです。
中国は大豆を、主にブラジル、米国、アルゼンチンから輸入しています。
2013年の輸入量はブラジルからが3180万トン、米国が2220万トン、アルゼンチンが600万トンで、すべて太平洋を超えて渡って輸入されます。
ですから、米国の大豆なくしては中国人の食卓は成り立たないのです。
彼らの海洋進出の裏事情は単純化していえば、中東からのオイルロードが伸びるインド洋、南シナ海と、米国とブラジルからの大豆ロードが伸びる太平洋を押さえる必要があるからです。

このようなことを考えると、中国の対外戦略は混乱しきっています。
いたって常識的なことを言いますが、自分の国の食糧の要を握る国とは仲良くすべきではないでしょうか。
ところが、ことごとく米国と対立し、米国が嫌がることを力一杯やればどうなるかはわかりきったことでした。
それが習近平の「戦狼」外交です。

中国は米国が制海権を持つ太平洋を超えて運ばれて来ることに耐えられません。
食料の首根っこを、あろうことか憎き米国に支配されているだてでも精神不安定になるのに、それが「米国の海」を渡って来るのですから屈辱感が二倍となるのでしょう。
だから、中国は南シナ海の制海権だけでは不十分と考え、東シナ海を通過し太平洋に出る海上ルートをなにがなんでも我が物としたいと考えました。

そこでオイルロードの安定のために南シナ海やインド洋に進出し、その軍事拠点として人工島を建設し、一方太平洋に向けては遼寧空母打撃群をしつこく送ってきています。

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中国の空母発展に十分な潜在力 3つの空母艦隊を形成へ_中国網

商業国家ならば、戦後日本のように平和外交に努力することで貿易関係が悪化しないように配慮するものですが、中国は正反対な行動に出てしまったのです。
兵隊が土地を占領しないとと気が納まらない、海軍の艦隊が太平洋の制海権を握っていないと落ち着かない、それが陸軍国特有の中国の哀しい性です。

中国は食糧輸入を外交的武器とすることの常習国家です。
オージーや台湾には常日頃から恣意的に高関税をかけまくっています。
つまり貿易と外交の壁がないのです。
ちょうどそれは、超限戦という軍事と非軍事、軍隊と民間の区別なく、すべてを「人民戦争」と考える中国特有の発想によく似ています。

当然のこととして中国の海洋膨張をもっとも最も嫌ったのが、世界一の海洋国家であり、世界の海洋の自由航行の守護者を自認している米国でした。
かくして、ご承知のように米中対立が爆発しました。

かといって、今さら贅沢を覚えた中国人に豚肉を食わさないわけにはいかず、自動車に乗せないわけにはいかない以上、米国と敵対してでも海洋覇権を確保したいのが、「戦狼」路線を取る中国なのです。
この流れは、どこかで中国が正気に戻らない限り止まらないでしょう。 

米国農務省が今年5月12日に発表した最新の需給見通しでは、2021~22年度もこの傾向は継続しています。
驚くべきことには、中国の年間穀物輸入数量は過去5年間でなんと約4000万トン増加したということです。
これは日本の年間穀物輸入数量が約3000万トンですから、丸々日本一国分以上の増加をしたことになります。

たとえば大豆輸入は中国の輸入見通しが300万トン増加して1億300万トンで、日本の年間輸入総量330万トン分が丸々一国分追加された事になります。
またトウモロコシも、2020年~21年度の輸入数量2600万トンで、前年の3.4倍です。

残念ですが、中国がこのような狂ったような爆買いを続けていることから見ても、当分この「戦狼」熱から醒めないでしょう。
唯一あるとすれば、豚肉バブルがちょうど今の恒大破綻のように弾ける時だけでしょう。
今の穀物爆買いによる豚肉生産奨励政策によって、豚肉生産にファーウェイのような異業種までもが大規模参入してしまった結果、極度の生産過剰となってしまっています。
ファーウェイは高層畜舎を作り、IT管理の養豚を大規模に開始しています。
その上に外国産食肉まで大量に買い占めているのですから、なにを考えているのやら。
当然起きたのが、豚肉バブルです。

いまや中国各地の食肉冷凍庫は豚肉で埋めつくされているという噂が流れるほど、在庫過剰となっており、これは土地バブルが起きた時の状況によく似ているといわれています。
一般の自由主義経済国ならば、過剰輸入→過剰生産→過剰在庫→価格暴落→生産調整→輸入縮小という循環を辿ってそれは解消されるはずですが、「計画経済」の中国ではこの景気調整のループが存在しませんから、どこまでも積み上がって行くに任せることになります。

どこまででしょうか?
たぶんそう、習がこの問題が自らの政治的リスクだと気がつくまでです。
しかしバブルが弾けることで正気に戻る保証はまったくなく、逆に対外膨張で国民の目をそらそうとすることがありえるので、そうなればもはや処置なしです。
とどのつまり、あの国は共産党支配という病根を切除しないかぎり、どこまでもこの無限回廊を突っ走ろうとするのです。

とまれ、このように中国の食糧の爆買いと軍事膨張はメダルの表裏であることをお忘れなきように。

 

 

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