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2021年10月30日 (土)

原子力を見直す英国の平衡感覚

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先日のこと、早朝のラジオを聞くともなく聞いていたところ海老蔵さんが登場しました。
イメージと違って、実によくしゃべる人です。
家族と芸の話が中心でしたが、海老蔵さんは愛息に厳しい家庭教育をしているようで、テレビドラマを観てなにかのシーンに当たると、お前だったらどのように演じると質問するのだとか。
いまから成田屋の大看板を背負うことを宿命づけられた息子を鍛えているんですね。
こりゃ父親と一緒にテレビを観ることひとつもたいへんだ。

また、海老蔵さんは地球環境の保全に熱心で、息子にも「地球がダメになったら歌舞伎もできなくなるんだぞ」と教えているとか。
息子だけではなく、子どもたちの集まりにも出て、積極的に活動しているそうです。
その息子に「テスラの株がトヨタより高いのはなぜだ」と問うたとのこと。
海老蔵さんとしては、たぶんテスラのほうがトヨタより地球環境保護に役に立っているからだ、という答えがほしかったのかもしれません。

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会話は弾まなくてOK。プロが伝授する「父親の息子との接し方 ...

なんと息子に教えたのかは海老蔵さんは言わなかったのですが、もしそうだとしたらちょっと違うみたいですよ、海老蔵さん。
今グリーンファンドやテスラなどの電気自動車株は軒並み沸騰中ですが、それはほんとうに投資家が地球環境を思っているとか、あるいはテスラが実際にその役に立っていることを評価されたからというわけではないのです。
嶋津洋樹氏はそれを 「株の自己実現」の作用が働いているからだとしています。
「株の自己実現」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、経済の世界でよく使われる言い方だそうで、みんなが「この銘柄の株価が上がる」と信じてその株式を購入すると、本当にその株価が上がることがあります。
こうした株式相場の現象のことを、「自己実現的」とか「自己成就的」と呼ぶそうです。

実際にテスラ株がすごい急騰をして世界を騒がせました。

「現在最もウォールストリートを賑やかせているのは、テスラだろう。直近の2四半期は好決算となり、株価は今年に入って急騰している。
テスラ株は2月6日の時点で年初来79.04%の上昇となっており、これはS&P500の企業の中でもトップである。今週4日に史上最高値である968.99ドルを打ってから、2日営業日連続の下落となり6日の終値は748.96ドルとなっている。
株価の急騰によって、今週4日の時点ではテスラの時価総額は約1600億ドルとなった。これはゼネラルモーターズ(NYSE:GM)、フィアット・クライスラー(NYSE:FCAU)、フォルクスワーゲン(OTC:VWAPY)すべての時価総額の合計よりも大きい
(インベスティング・ドットコム 2020年02月12日)

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テスラ株を買うにはもう遅いか? | Investing.com

このグリーンファンドやテスラ株などは、みんなが上がると信じて買いに走った結果、本当に上がって行ってしまったのです。
つまり地球温暖化やCO2削減に関連する株ならなんでも上がる、電気自動車株なら絶対に儲かる、こういうほとんど信仰に近いものができてしまっているというわけです。
こういう自己実現の株相場が生まれるほど、世界はこの方向で驀進してしまっているわけです。
こうなったら人類全体のモメントみたいなものですから、もう誰も止められない勢いがついているということになります。
もちろんこれは実際に、テスラが地球温暖化を止めることに貢献しているのかどうかとは関係ないことなのです。

先ほどの海老蔵さんの「地球温暖化を止めないといけない」というのは、たいへんに美しい心根で、それを子どもに伝えるのは立派なことです。
しかしそのひとりひとりの思いが積み重なって人類社会で何十億人という集合体になってしまったらどうでしょうか。
それはいまや疑う事も許されない絶対的真実に変質しています。
そしてこの「唯一の真実」に従って、すべてが動くようになってしまいました。

思わぬ余波が出ました。昨日見たように、化石燃料掘削への投資はどんどんと急減し、したがって掘削設備は老朽化し、使いものにならなくなっていっています。
OPEC諸国は、もう化石燃料は先細りだと見て、原油から金融などの別な場所に投資先を変更しています。
規模の小さなOPECプラスの国々などは過少投資で、もう原油生産から撤退しようとする動きすら見せています。
米国の自慢だったはずのシェールガスすら衰亡の危機を迎えています。
しかしコロナ禍からの復興で、今ほどエネルギーを国際社会がほしがっている時はないはずで、ここで起きたのが原油の供給不足から来る高騰でした。
するとどうなったでしょうか。
世界が必要とする原油供給が絶対的に不足する事態になり、原油高はその国の経済だけではなく庶民の生活まで苦しめ始め、復興を妨げ始めました。
これがひとりひとりは正しくとも、それが集合すると時に誤謬となることもありえる、という「合成の誤謬」というパラドックスです。
海老蔵さんひとりひとりは正しくても、それが人類単位のマスになるとあんがい間違っているのかもしれないのです。

では、どうしたらよいのでしょうか。
地球温暖化が間違っていると叫びますか。たぶん無意味でしょう。
ここまで国際社会が巨大な集合体と化して動き始めててしまった以上、止められるのはトランプくらいしかいません。
そのトランプも、すべてのメディアから袋叩きにされて、無念の涙を飲みました。
メディアや民主党のバックにいたのが、このグリーンファンドに巨額の金を注ぎ込んでいるソロスのような投機家たちでした。

いや絶望しないで下さい。英国政府の答えがひとつの参考になるかもしれません。
2021年10月23日、英国政府は地球温暖化という錦の御旗はそのままにして、CO2を削減し、気候変動の危機から地球を救うために原子力エネルギーの拡大を決定しました。
英国紙によれば、この計画で国家予算を獲得を狙う最有力候補はサフォーク州サイズウェル原子力発電所だそうです。

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BBC サイズウェル原発完成予定図

新たな原発は、英国の総合エネルギー企業「EDF エナジー」のプロジェクトで、資本は100%フランスに属しています。
EDF エナジーによれば、この原発はこの先60年にわたって約6百万世帯にCO2の少ないエネルギーを充分に供給できるそうです。
実は英国も福島ショックによって原子力からの全面離脱に舵を切っていました。
ただし英国人の脱原発政策は、観念的なドイツとは正反対で、より安全性が確証され、安価なエネルギー源となりうるなら原子力も視野からはずさなかったのです。

ドイツ型脱原発をモデルにした日本の脱原発運動家や野党は、まず原子力を全面否定してしまいました。
そして同じようにCO2の排出源として火力発電も一緒に否定してしまいましたから、どんどんと選択肢を自分で切り詰めて隘路へ突き進んでしまったことになります。
いわゆる01の発想です。この人たちは、原発やCO2だけではなくすべからく同じで、コロナゼロなどとすぐに言い出します。

日本の、というより世界の工業国のエネルギー配分は大きく火力と原子力の二つで成り立っていましたから、この二つを共に葬ってしまうと、もう風車と太陽光だけしか残りません。
実際に野党や河野氏などはそれで大丈夫だと言っているようですが、指摘する必要もないでしょうが、こんなことをしたら日本の製造業は滅び、やがて国全体も滅びます。

英国はこのような愚かな2択の罠に乗りませんでした。
バランスを重んじたのです。
英国政府の原子力エネルギー計画の詳細が明らかになるのは、2024年の選挙前だと予測されていますが、その原型は既に英国財務省が2020年11月25日に「国家インフラ戦略-より公平、迅速かつ環境に優しく」という文書で公表しています。
たぶんブレグジットの理由の一つにエネルギー政策があったはずで、ドイツが支配するEUの方針に拘束されていては自由なエネルギー政策をとれないと考えていたはずです。

英国は、まずエネルギー供給を最優先に考え、 2050年までにCO2排出量実質ゼロに移行するためのエネルギーインフラ計画を明らかにして、この中で原子力発電についてこのように評価しています。

「実証済みの技術を用いた費用対効果の高い電源であり、再生可能エネルギーの補完も可能な信頼性の高い低炭素電源である」

もちろん2014年以降30%だった石炭火力への依存度を1%以下に下げるということも忘れてはいません。
私はこれはあくまでも英国の答えでそのまま日本に移植する必要はないと思っていますが、地球温暖化と原油高対策を同時に答えていこうとするものに思えます。
その発想の柔軟さにはいつもながらたいしたもんだと関心しきりです。

 

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コメント

 地球温暖化はしているのか? その主たる原因は人間が排出するCo2なのか? 素人の私には科学的に的確な判断はできませんが、研究者や専門家の8割近くが国連と同じようにそう唱えているので、まぁそのようなものかと得心はしています。

ただ、運動体と一体化した国連から発信されるプロパガンダ手法を用いた急進的なやり方、言論を封じ込める事にも容赦ない脱炭素運動は容認しがたく、脱炭素派がここまでについてきた大きなウソの数々や大げささにも辟易とします。

明日から開かれるCOP26では各国の目標に向けた具体案に踏み込むようですが、だいいち習近平やプーチンの出席がありません。
欧州の首脳たちの原油高による苦悩も深く、インドや豪州などの反対もあって、会議は有意義な運びとはなりようがないでしょう。

本当は当初の予定通り岸田総理が欠席する方が良かったかもで、日本は一度立ち止まって考えるべきです。
すくなくも「第四世代の原発」と言われる枠組みが出来るまで、深いコミットメントをするべきじゃなかったと思います。
菅政権は、脱炭素を実現するための後進国用拠出金1兆3000億円を決定してしまっています。これは世界一の金額です。

良くも悪くも腹黒ブリテンの融通効くところは我が国と比べようもないですが、日本と英国の共通点は、物流で海外に頼らざるを得ないところです。
ちゃんと食べて住まうことができるかできないか、これ即ち安全保障。
今あるものを捨ててもっと不便を受け入れみんな貧しく暮らそう!なんて誰も本気でやる気ないでしょう?
やれば忽ち侵略されますね。
「環境を守れ」というのは、「今の人類に都合がいい環境を守れ」ということで、キャリア46億年の地球はそんなの知ったこっちゃない、な話。
我々人類は(より満足により安心して)食べて住み続けることを諦められないのだから、環境保護と環境破壊と我々の暮らしに必要なエネルギー、これらの繋がりの中でバランス、やり過ぎ・やらな過ぎを見ながらやっていくしかないのでは。

先程投稿しようとした時に、なぜか送信すると当該記事の表示が404not foundになる繰り返しがあり、同じコメントを複数回送信いたしました。
余分なお手間をおかけしまして、申し訳ありませんでした。
なかなかお伝えする機会がありませんが、毎日の記事で知の喜びを賜れることに感謝です。

20211031 相模吾です。選挙済ませました。1次産業振興と安全保障に不得手な党には勘弁ねがいました。
 さて、日本も原子力は拡大すべきと考えます。火力は少しづつ減らし、再生可能エネルギーも増やすべきでしょう。 惜しむらくは日本の水力発電の割合は1960年に55%ぐらいあったものが現在は8%ぐらいしかないことです。 平地が少なく山間地や年間雨量の多い日本ではもっと増えて欲しいものです。 昔みたいな大規模なものでなくコンパクトで発電効率の良い水力発電があるそうですね。(ちなみに日本と同じ人口1億人ぐらいのエチオピアでは水力発電の割合は90%超だそうです。)
 日本と同じ島国国家でありながら北海油田を持つ英国が原子力に舵を切ったのは英断(!)だと思います。
 電力は産業のコメです。特に製造業では良質で安定した電力が必要で 原子力が最善です。私は原子力40%ぐらいが良い思います。 水力15%、再生可能エネルギー30~35%、火力10%前後の組み合わせです。
 核廃棄物処理方法は、地層処分以外にも別な方法で処理できる技術が、そう遠くない日に見つけられると期待している。そのために原子力の学問、技術は国を挙げて振興すべきと思います。
 {笑い話}将来的に電池性能が飛躍的に向上し、自然エネルギ―の豊富な国が蓄電し、その電池を原子力のない日本が輸入するなんてことがあるかしらん。

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