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2021年10月13日 (水)

「法の支配」を否定した名古屋高裁判決

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では、当時高江地区でなにが起きていたのでしょうか。
まず高江地区には簡単に行くことができませんでした。
高江に続く公道には、各所に反対派が設置した「検問所」が道を塞ぎ、通行する車両を止めて工事関係者がいるかを「捜索」していたからです。

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上の写真は反対派のツイッターですが、むしろ得意気に今日は警察車両まで止めて「検問」しました、と書いています。
このような行為は当時各所で頻繁に目撃されており、これが組織的に集団でなされたことが画像に多く残されています。
反対運動側は、2018年に損害賠償訴訟を起こされた際に、こう答えています。

現場に車両が近づいてくると、明らかに高江住民だと思われる車両は停止を求めずに通過してもらい、それ以外の車両については一時停止を求め、ヘリパッド建設の作業員かどうかを確認し、作業員が乗車している車両であれば丁重に話をしてUターンしてもらう」という確認行動だったと主張。「私的検問」には当たらない」(八重山日報2018年10月17日)
業務妨害で損害賠償など求める 「私的検問」で車両通行権侵害 東村高江 | (yaeyama-nippo.co.jp)

反対運動側は「工事関係者がいるかどうかを見させてもらった」などとと言っていますが、工事関係者だからといってとやかくいわれる筋合いではありません。
それとも職場に行っていけないのでしょうか。それを止める権限が反対派にあるとでも?
移動の自由の権利こそが自由社会のイロハのイであることは、この人たちにわかっているでしょうか。
もちろんこれは刑法第124条(往来妨害及び同致死傷)事案です。

刑法第124条
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。

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沖縄防衛局

上の写真は、沖縄防衛局が公表した高江に通じる道を占拠した反対派の車両群です。
並べ方 を見れば判るように、車両を道路封鎖する目的で並べられています。
しかも手前には記念写真を撮る姿まで写り込んでいて、彼らが鼻唄まじりで「ムラ殺し」に参加したのかわかります。

では、反対派の皆さんにたまには「やる側の論理」で考えずに、「やられる側」の立場で考えてもらいましょう。
仮に反対運動団体が県民集会を開催しようとした時に、それに反対する勢力から途中の公道で道を塞いで「私的検問」を受けたらどう思われるでしょうか。
もちろん暴力はないとします。暴力を使ったら、その時点でアウトですからね。
集団で窓から覗き込んで集会にいかれるのですかと丁寧に聞き、ならば戻っていただけませんか、と「お願い」されるだけです。
彼らはこれを「確認はお願い行為」だから暴力ではないと言い張っています。

下の写真は、実際にキャンプシュワブのゲート前で同じ「確認行為」をしている反対派のものですが、車内から見るとこのようなふうに写ります。
いかがでしょうか、これが反対派のいう「丁寧な説得」風景です。
集団を頼んだ威圧は字面で読むより怖いものです。

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なるほどこれは「確認行為」なのだからしかたがない、はは、こりゃ確認を怠った私が悪かった、じゃあ戻りますか、と言うでしょうか。
いや、そうはしないはずです。むしろ腹を立てて、そんな「検問」をものともせずに集会場に向かうでしょう。

それでいいのです。それが正しい。
私人が私人の行動を圧力をもって変更させる行為など許されてはならないからです。
集団で組織的に「私的検問」をした場合、それはたんなる「確認行為」ではなく、あなたの人権を威嚇によってないがしろにする行為だからです。
もちろん道路交通法が保証する交通の自由の違反ですが、それ以前の基本的人権の問題なのです。
ですから、こういう行為は必ず紛争を引き起こします。

止められた人が抵抗する場合があるからです。揉み合いになるかもしれません。
その時、どうしますか?
公人ならば公務執行妨害で拘束することが可能ですが、私人ができるでしょうか。
近くに警察官がいない状況で危害を受けそうな不正急迫の場合、私人であっても危害を加えようとする者を「逮捕」することは可能です。
これを「私人逮捕」と呼びますが、この不正急迫という要件がみたされない限り、逮捕したほうが暴行罪に問われる事になります。
しかも危害を加えられそうな条件を作ったのが、こちら側の「確認」作業ですから「私人逮捕」した側が罪に問われます。

長々と説明しましたが、「私的検問」とは、「丁寧に話した」から許されることではなく、そもそも基本的人権の破壊行為なのです。
このようなことが組織的、かつ集団的になされていたのが、残念ですが当時の高江に至る公道だったわけです。
しかも高江に続く道のみならず、集落内部においても下の写真のような行為が常態化していました。 

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これは自分たちが持ち込んだ道路封鎖車両が移動されないように、その下にもぐり込んでいるのですが、その奥には移動に来た警官隊と反対派がもみ合っているのが見えます。
揉み合いのはずみで自動車が動いたら惨事になります。
それを承知でしているわけで、これを「市民的抵抗」とか「平和運動」などと呼ぶのは自由ですが、本当に彼らが抵抗しているのはなんなのでしょうか。

私はそれが「法の支配」だと思います。
私は為政者に対する抵抗権は国民に与えられた自然権だと考えています。
ですからなにを主張しようと、どのような団体を作ろうと、示威活動をするの自由です。
ただし、これはあくまでも「法の支配」の範疇内でのことです。
なぜなら「法の支配」を逸脱した行為は、他者の自由と権利を奪うからです。
他者の自由と権利を侵害する自由などありえませんからね。

この高江紛争で問題とされるべきは、当時「法の支配」が崩壊の危機に瀕していたことです。
当時、高江集落に行こうとすると、手前の私的検問所に引っかかって「帰れ」と命令され、仮に通れたとしてもその先には車が十重二十重のバリケードを築いており、そして高江集落内部は住民すら通行できない状態が日常化していたのです。
住民は下の写真のようなステッカーを作って、せめて畑くらいには行かしてくれと、反対派に懇願しましたが、拒否されました。
高江の住民が通行許可を行政や警察に要請したのではなく、反対運動団体に頼んだことを留意して下さい。
もはや公権力は無力化し、反対運動が実効支配していたのです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-1f27.html 

Photo 沖タイ

上の写真は、高江の農業生産団体が、道路を塞がれたために生産活動ができなくなり、せめて我々だけでも畑に行かしてくれと考えたプレートが貼ってあります。
高江住民は誰にこれを見せようとしたのでしょうか?警察にでしょうか?
違います。反対運動をしている者たちに見てもらいたかったのです。
もはや誰がこの高江集落とそれに通じる道を実効支配しているか、このプレートをみればお分かりでしょう。

これについては、他ならぬ反対運動の機関紙だった沖縄タイムスですら、さすがに見かねたのか、こんな記事を掲載しています。
長文ですが、当時の状況を物語る和少ない記録として貴重です。
もっとも書いた記者は自己批判していましたが。

高江の農家、ヘリパッド抗議に苦情 県道混乱で生活にも支障2016年9月8日 ステッカーを使った対策は5日から始まった。
区は村を通じ県警に通知。市民側にも伝えているが、仲嶺久美子区長は「農家から効果があったとの報告はない。
周知が必要」と言う。 県道70号では8月から、市民が「牛歩作戦」として、工事車両の前を時速10キロ未満の速度で走る抗議行動を展開。機動隊の交通規制もあって県道は渋滞し、出荷や作付けする農家を中心に地元住民の往来に支障が出ていた。 
高江区の農家の男性(75)はカボチャの植え付けに向かう途中で渋滞に巻き込まれ、本来10分で到着するはずの畑に1時間以上を要した。『作付け期間は限られている。このままでは1年間の収入に響く』と嘆く。
『決してヘリパッドに賛成ではない。ただ、彼らのやっていることはわれわれの生活の破壊。もう爆発寸前だ』と憤慨する。当初の機動隊への怒りの矛先は市民側に変わりつつある。 
ヘリパッド建設予定地に近い国頭村の安波小学校では5日、「牛歩作戦」の影響で教員1人が授業に間に合わず、学校側は授業を急きょ変更した。
宮城尚志校長は「反対運動を否定しないが、もっと別にやり方はないのかと思う」と首をかしげる。 
高江共同売店では物品の入荷日を抗議集会のある曜日は避けるようにした。
仲嶺区長は『区民のストレスは限界に来ている。早くヘリパッドを完成させた方がいいとの声も出ている』と打ち明ける。通勤、保育園送迎、通院などに支障が出ていると苦情は絶えない。 7日早朝、抗議行動を遠目で眺めていた与党県議は『これでは反対していた人たちまで離れていく。工事を進めたい国の思うつぼだ』とつぶやいた」(沖タイ 2016年9月8日)
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/61153

生活物資は滞り、生産活動は出来ない、学校には通えないという状況が続くならば、間違いなくムラは死滅します。
道路が半分ちかく反対派に占拠され、しかも反対派の車が超低速運転するために、やむなく ムラの車もノロノロ運転を強いられました。
畑に行く軽トラも止められ、売店の仕入れもままならなかったわけです。

Rosokutaidayo

ヘリパッド:やんばる東村 高江の現状

上の図は地元の方が描いたものですが、道路の半分近くを反対派が違法駐車とテントで実効支配してしまっています。
もちろん道交法違反ですが、当時の沖縄県警は翁長氏が仕切っていたために手も足も出ずに放置してしまっていました。

またヘリパッドに近い国有林を勝手に伐採して作った反対派テントでは、防衛局職員への暴行さえ行われていました。

※関連記事2016年8月5日 東村高江地区N1裏反対派テントで起きたこと

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施設局の若い職員はなんどとなく止めてくれと訴えますが、何人もではがい締めにされている様が逐一動画に収録されないます。
集団で取り囲んで無理矢理に正座させ、「尋問」を開始します。
見かねた警官が止めなさいと介入しようとしますが、反対派は「協議している」と言って寄せつけません。
公道で私的検問することは「確認行為」で、多数で取り囲んで暴行することは「協議」だそうです。
ちなみにこの「協議」の指揮を執っていたのが、反対運動の指導者だった山城氏自身でしが、後に裁判となり、2019年に最高裁で懲役2年執行猶予3年が確定しています。

このような異常事態をやめさせるために、全国から駆けつけたのがか各県警察の応援部隊でした。
こういう反対派の「ムラ殺し」によって高江村落は危機的状況に陥り、沖縄県警は上司に反対派の首長がいるために常に及び腰だったからです。

全国から駆けつけた警察官がなさんとした目的は、「法の支配」の回復でした。
ムラに通じる唯一の県道を確保するために執拗な座り込みや自動車の不法駐車を続ける反対派を排除し、道路を通常に戻したのです。
この警察活動を、名古屋高裁は「現場周辺にあった抗議市民の車両やテントを機動隊員らが撤去した行為は法的根拠が見当たらない。違法である可能性が強い」と述べています。

法的根拠など山ほどある、刑法124条はどうなった、などと野暮は言いません。
そんなことは素人にもわかることですから、名古屋高裁は知っていて出したのでしょう。
ですから、問題はそこにはありません。
名古屋高裁は自らが「法の支配」を否定してしまったことに無自覚だということ、そここそがこの判決の最大の問題点なのです。

ムラを救って「法の支配」を回復させた側が罪に問われ、集団的組織的に私的検問をし、道路を占拠するムラ殺し続けた側が勝訴する、石が流れて葉が沈むとはこのことです。

 

 

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コメント

もう3年前になりますか。
一方でこのような「暴挙」を指摘したコメンテーターや現地の農家さんが逆に糾弾されたりしましたね。
もう、ここは日本なのか?と。
人権だの憲法を護れだのと(文面上はもちろん正しい)叫んでる人達の極端な連中って、こういう人権侵害するのは大好きなのね。
当時の「私的検問」や「圧倒的な数での集団暴力」の映像を見ると、大躍進や文革やってた不毛な時代の中国がそのまま輸入されて21世紀の日本で蠢動しているようにしか見えませんね。


で、裁判所が認めちゃうんだ!?
いや、この暴挙が認められた訳では無いですね。
沖縄県警が愛知県警の応援を呼んだ手続きに瑕疵があったかも?ってだけ。

なんで県外から機動隊の応援が来る必要があるのかと言えばその背景に警官への嫌がらせが凄まじく、県内の警官だと家族にまで危害が加えられる危険性があったからでもあると思われます。

多分ふつーの人が見たらドン引きしかない動画。
「三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記-第17回」

https://www.youtube.com/watch?v=7vHDfRcEjM4&t=80s
https://i.imgur.com/XUxbMU6.jpg
1:24 お前たちの家もわかるんだぞ!妻子だってわかるんだ、ばか者!(名乗り出ないなら)ここの息子は機動隊で年寄りに手をかけたと街宣カーで自宅前でやるぞ。

県外から来たら北でこの有り様。

https://www.sankei.com/article/20161008-UK3ZX7DI2NLWVEGIIOEZ4SNTTU/2/
警備に当たる人員の心理的プレッシャーは大きい。N1ゲート前に配備されている警察官のほとんどはマスクやサングラスをかけていた。反対派が顔写真を撮り、「沖縄県民弾圧のためにやってきた福岡県警の面々」などといった説明書きを添えてネット上に掲載するからだ。関係者は「反対派の人から、お前の子供を学校に通えないようにしてやるといわれた」と漏らす

完全に脅迫ですやん。

>名古屋高裁は自らが「法の支配」を否定してしまったことに無自覚だということ、そここそがこの判決の最大の問題点なのです。

>ムラを救って「法の支配」を回復させた側が罪に問われ、集団的組織的に私的検問をし、道路を占拠するムラ殺し続けた側が勝訴する、石が流れて葉が沈むとはこのことです。

 裁判官の信用が下がってしまいますね。しかし、それが現在の情況です。

 アメリカで民主党などが行うようなことが今日本でも行われているのでしょう。世界はどこかおかしくなっているような気がしております。

 我々は忍耐強くこの異常な事態を除去するべく前へ進むしかありませんね。保守陣営の大躍進を願っております。

私は、個人的自由ファーストと思っているので、その道理から言えば
私はまごうかたなきリベラルなんですが、誤解されるのがイヤでリバ
タリアン(なんでも似非リベラルと区別するために出来たカテゴリーな
んだそうで)と言っておいた方が、実物の私と齟齬が少ないですわ。
専門的にはリバタリアンにも定義があるらしいのですが、市井のオッ
サンにとっては、似非リベラル扱いされなければ、それで十分です。

自分の自由については基本的人権とか言って黄違いのようになるの
に、他人の自由は「オレの価値観に合ってない」と認めないのが似非
リベラルですわ。勝手リベラルとも言います。そのココロは、己の正義
ファーストで、中共の考え方と同じですわ。己の気に食わない奴らに
は、正義の鉄拳制裁を下しても許され称賛されるという、只の異常者
です。

なんでか知らないけど、「反権力は正義だ!」と思い込んでいる輩が
高齢者層に多いようです。彼らは私より上で、学生運動に頑張った
世代らしく、そのまんま歳だけとった方々が少なくないようです。私は
リベラルなんで旧大日本帝国なんてカンベンしてくれと思っています
が、現日本国においては私達が選んだセンセイ方が立法して運営
しているので、権力は監視していないといけないけど、私達の政府だ
から「おいコラ、岸田さん、頼りなさすぎ」とか「ホント、司法はダメに
なったよなぁ」とか文句は言うけど、基本は協力する姿勢ですわ。

ヘリパッド建設の反対運動家こそ、日本全国から集まって来てた県外
者が多いようだし(関西弁しゃべるとか多かった)、地元農家さんの家
業をジャマしてるし、まさに似非リベラルそのものですわ。反権力の
態度を見せる(魅せる?)ことが目的化しています。もしホンモノの筋
金入りのリベラル闘士なら、銃も撃てない日本政府の使用人らをイジ
メてないで、中共へ殴り込みを掛けるのがスジですわ。騒ぐだけ騒い
で自主解散して後は放りぱなし。反権力って、そんなに楽しい???

当時、恐怖とともに記事を読みました。
クラッシャーさんがお書きの恫喝も含めて、これはもうとっくに市民運動じゃなくて反社としてくくるべき行為及び集団だと思います。裁判所は反社にお墨付きを与えた訳です。

いつも記事の内容に感服しております。
これからも頑張ってください。

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