「法の支配」を否定した名古屋高裁判決
反対運動側は「工事関係者がいるかどうかを見させてもらった」などとと言っていますが、工事関係者だからといってとやかくいわれる筋合いではありません。
それとも職場に行っていけないのでしょうか。それを止める権限が反対派にあるとでも?
移動の自由の権利こそが自由社会のイロハのイであることは、この人たちにわかっているでしょうか。
もちろんこれは刑法第124条(往来妨害及び同致死傷)事案です。
-
刑法第124条
陸路、水路又は橋を損壊し、又は閉塞して往来の妨害を生じさせた者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
前項の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
沖縄防衛局
上の写真は、沖縄防衛局が公表した高江に通じる道を占拠した反対派の車両群です。
並べ方 を見れば判るように、車両を道路封鎖する目的で並べられています。
しかも手前には記念写真を撮る姿まで写り込んでいて、彼らが鼻唄まじりで「ムラ殺し」に参加したのかわかります。
では、反対派の皆さんにたまには「やる側の論理」で考えずに、「やられる側」の立場で考えてもらいましょう。
仮に反対運動団体が県民集会を開催しようとした時に、それに反対する勢力から途中の公道で道を塞いで「私的検問」を受けたらどう思われるでしょうか。
もちろん暴力はないとします。暴力を使ったら、その時点でアウトですからね。
集団で窓から覗き込んで集会にいかれるのですかと丁寧に聞き、ならば戻っていただけませんか、と「お願い」されるだけです。
彼らはこれを「確認はお願い行為」だから暴力ではないと言い張っています。
下の写真は、実際にキャンプシュワブのゲート前で同じ「確認行為」をしている反対派のものですが、車内から見るとこのようなふうに写ります。
いかがでしょうか、これが反対派のいう「丁寧な説得」風景です。
集団を頼んだ威圧は字面で読むより怖いものです。
なるほどこれは「確認行為」なのだからしかたがない、はは、こりゃ確認を怠った私が悪かった、じゃあ戻りますか、と言うでしょうか。
いや、そうはしないはずです。むしろ腹を立てて、そんな「検問」をものともせずに集会場に向かうでしょう。
それでいいのです。それが正しい。
私人が私人の行動を圧力をもって変更させる行為など許されてはならないからです。
集団で組織的に「私的検問」をした場合、それはたんなる「確認行為」ではなく、あなたの人権を威嚇によってないがしろにする行為だからです。
もちろん道路交通法が保証する交通の自由の違反ですが、それ以前の基本的人権の問題なのです。
ですから、こういう行為は必ず紛争を引き起こします。
止められた人が抵抗する場合があるからです。揉み合いになるかもしれません。
その時、どうしますか?
公人ならば公務執行妨害で拘束することが可能ですが、私人ができるでしょうか。
近くに警察官がいない状況で危害を受けそうな不正急迫の場合、私人であっても危害を加えようとする者を「逮捕」することは可能です。
これを「私人逮捕」と呼びますが、この不正急迫という要件がみたされない限り、逮捕したほうが暴行罪に問われる事になります。
しかも危害を加えられそうな条件を作ったのが、こちら側の「確認」作業ですから「私人逮捕」した側が罪に問われます。
長々と説明しましたが、「私的検問」とは、「丁寧に話した」から許されることではなく、そもそも基本的人権の破壊行為なのです。
このようなことが組織的、かつ集団的になされていたのが、残念ですが当時の高江に至る公道だったわけです。
上の写真は、高江の農業生産団体が、道路を塞がれたために生産活動ができなくなり、せめて我々だけでも畑に行かしてくれと考えたプレートが貼ってあります。
高江住民は誰にこれを見せようとしたのでしょうか?警察にでしょうか?
違います。反対運動をしている者たちに見てもらいたかったのです。
もはや誰がこの高江集落とそれに通じる道を実効支配しているか、このプレートをみればお分かりでしょう。
長文ですが、当時の状況を物語る和少ない記録として貴重です。
もっとも書いた記者は自己批判していましたが。
「
※関連記事2016年8月5日 東村高江地区N1裏反対派テントで起きたこと
施設局の若い職員はなんどとなく止めてくれと訴えますが、何人もではがい締めにされている様が逐一動画に収録されないます。
集団で取り囲んで無理矢理に正座させ、「尋問」を開始します。
見かねた警官が止めなさいと介入しようとしますが、反対派は「協議している」と言って寄せつけません。
公道で私的検問することは「確認行為」で、多数で取り囲んで暴行することは「協議」だそうです。
ちなみにこの「協議」の指揮を執っていたのが、反対運動の指導者だった山城氏自身でしが、後に裁判となり、2019年に最高裁で懲役2年執行猶予3年が確定しています。
こういう反対派の「ムラ殺し」によって高江村落は危機的状況に陥り、沖縄県警は上司に反対派の首長がいるために常に及び腰だったからです。
全国から駆けつけた警察官がなさんとした目的は、「法の支配」の回復でした。
ムラに通じる唯一の県道を確保するために執拗な座り込みや自動車の不法駐車を続ける反対派を排除し、道路を通常に戻したのです。
この警察活動を、名古屋高裁は「現場周辺にあった抗議市民の車両やテントを機動隊員らが撤去した行為は法的根拠が見当たらない。違法である可能性が強い」と述べています。
法的根拠など山ほどある、刑法124条はどうなった、などと野暮は言いません。
そんなことは素人にもわかることですから、名古屋高裁は知っていて出したのでしょう。
ですから、問題はそこにはありません。
名古屋高裁は自らが「法の支配」を否定してしまったことに無自覚だということ、そここそがこの判決の最大の問題点なのです。
ムラを救って「法の支配」を回復させた側が罪に問われ、集団的組織的に私的検問をし、道路を占拠するムラ殺し続けた側が勝訴する、石が流れて葉が沈むとはこのことです。
« 高江ヘリパッド紛争、名古屋高裁判決について | トップページ | 中国の台湾侵攻は可能だろうか? »
もう3年前になりますか。
一方でこのような「暴挙」を指摘したコメンテーターや現地の農家さんが逆に糾弾されたりしましたね。
もう、ここは日本なのか?と。
人権だの憲法を護れだのと(文面上はもちろん正しい)叫んでる人達の極端な連中って、こういう人権侵害するのは大好きなのね。
当時の「私的検問」や「圧倒的な数での集団暴力」の映像を見ると、大躍進や文革やってた不毛な時代の中国がそのまま輸入されて21世紀の日本で蠢動しているようにしか見えませんね。
で、裁判所が認めちゃうんだ!?
いや、この暴挙が認められた訳では無いですね。
沖縄県警が愛知県警の応援を呼んだ手続きに瑕疵があったかも?ってだけ。
投稿: 山形 | 2021年10月13日 (水) 08時38分
なんで県外から機動隊の応援が来る必要があるのかと言えばその背景に警官への嫌がらせが凄まじく、県内の警官だと家族にまで危害が加えられる危険性があったからでもあると思われます。
多分ふつーの人が見たらドン引きしかない動画。
「三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日記-第17回」
https://www.youtube.com/watch?v=7vHDfRcEjM4&t=80s
https://i.imgur.com/XUxbMU6.jpg
1:24 お前たちの家もわかるんだぞ!妻子だってわかるんだ、ばか者!(名乗り出ないなら)ここの息子は機動隊で年寄りに手をかけたと街宣カーで自宅前でやるぞ。
県外から来たら北でこの有り様。
https://www.sankei.com/article/20161008-UK3ZX7DI2NLWVEGIIOEZ4SNTTU/2/
警備に当たる人員の心理的プレッシャーは大きい。N1ゲート前に配備されている警察官のほとんどはマスクやサングラスをかけていた。反対派が顔写真を撮り、「沖縄県民弾圧のためにやってきた福岡県警の面々」などといった説明書きを添えてネット上に掲載するからだ。関係者は「反対派の人から、お前の子供を学校に通えないようにしてやるといわれた」と漏らす
完全に脅迫ですやん。
投稿: クラッシャー | 2021年10月13日 (水) 12時28分
>名古屋高裁は自らが「法の支配」を否定してしまったことに無自覚だということ、そここそがこの判決の最大の問題点なのです。
>ムラを救って「法の支配」を回復させた側が罪に問われ、集団的組織的に私的検問をし、道路を占拠するムラ殺し続けた側が勝訴する、石が流れて葉が沈むとはこのことです。
裁判官の信用が下がってしまいますね。しかし、それが現在の情況です。
アメリカで民主党などが行うようなことが今日本でも行われているのでしょう。世界はどこかおかしくなっているような気がしております。
我々は忍耐強くこの異常な事態を除去するべく前へ進むしかありませんね。保守陣営の大躍進を願っております。
投稿: ueyonabaru | 2021年10月13日 (水) 22時43分
私は、個人的自由ファーストと思っているので、その道理から言えば
私はまごうかたなきリベラルなんですが、誤解されるのがイヤでリバ
タリアン(なんでも似非リベラルと区別するために出来たカテゴリーな
んだそうで)と言っておいた方が、実物の私と齟齬が少ないですわ。
専門的にはリバタリアンにも定義があるらしいのですが、市井のオッ
サンにとっては、似非リベラル扱いされなければ、それで十分です。
自分の自由については基本的人権とか言って黄違いのようになるの
に、他人の自由は「オレの価値観に合ってない」と認めないのが似非
リベラルですわ。勝手リベラルとも言います。そのココロは、己の正義
ファーストで、中共の考え方と同じですわ。己の気に食わない奴らに
は、正義の鉄拳制裁を下しても許され称賛されるという、只の異常者
です。
なんでか知らないけど、「反権力は正義だ!」と思い込んでいる輩が
高齢者層に多いようです。彼らは私より上で、学生運動に頑張った
世代らしく、そのまんま歳だけとった方々が少なくないようです。私は
リベラルなんで旧大日本帝国なんてカンベンしてくれと思っています
が、現日本国においては私達が選んだセンセイ方が立法して運営
しているので、権力は監視していないといけないけど、私達の政府だ
から「おいコラ、岸田さん、頼りなさすぎ」とか「ホント、司法はダメに
なったよなぁ」とか文句は言うけど、基本は協力する姿勢ですわ。
ヘリパッド建設の反対運動家こそ、日本全国から集まって来てた県外
者が多いようだし(関西弁しゃべるとか多かった)、地元農家さんの家
業をジャマしてるし、まさに似非リベラルそのものですわ。反権力の
態度を見せる(魅せる?)ことが目的化しています。もしホンモノの筋
金入りのリベラル闘士なら、銃も撃てない日本政府の使用人らをイジ
メてないで、中共へ殴り込みを掛けるのがスジですわ。騒ぐだけ騒い
で自主解散して後は放りぱなし。反権力って、そんなに楽しい???
投稿: アホンダラ1号 | 2021年10月14日 (木) 00時08分
当時、恐怖とともに記事を読みました。
クラッシャーさんがお書きの恫喝も含めて、これはもうとっくに市民運動じゃなくて反社としてくくるべき行為及び集団だと思います。裁判所は反社にお墨付きを与えた訳です。
投稿: ふゆみ | 2021年10月14日 (木) 00時36分
いつも記事の内容に感服しております。
これからも頑張ってください。
投稿: kum | 2021年10月14日 (木) 13時29分